JP2019045754A - 磁性トナー - Google Patents

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徹 高綱
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Abstract

【課題】高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても画像濃度及び画質の低下を防止できるとともにかぶりを抑制可能な磁性トナーを提供する。【解決手段】トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備えている。トナー母粒子は、磁性粉を含有する。磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子を含む。樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、磁性コアの表面を覆う樹脂コート層とを有する。外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。樹脂粒子のブロッキング率が、40質量%以下である。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、40nm以上150nm以下である。樹脂コート層は、第1主成分モノマーを含む第1モノマーの重合物を含有する。樹脂粒子は、各々、第2主成分モノマーを含む第2モノマーの重合物を含有する。第1主成分モノマーと、第2主成分モノマーとは、互いに同一の化学構造を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、磁性トナーに関する。特に、本発明は、樹脂粒子がトナー母粒子の表面に外添された磁性トナーに関する。
後述する特許文献1に記載の磁性トナーでは、所定の粒子径を有するシリカ粒子がトナー母粒子の表面に外添されている。
特開2015−225318号公報
特許文献1に記載の磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成すると、形成された画像において、かぶりが発生することがあった。また、特許文献1に記載の磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成すると、形成された画像において、画像濃度又は画質が低下することがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても画像濃度及び画質の低下を防止できるとともにかぶりを抑制可能な磁性トナーを提供することである。
本発明に係る磁性トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、磁性粉を含有する。前記磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子を含む。前記樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、前記磁性コアの表面を覆う樹脂コート層とを有する。前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%以下である。前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、40nm以上150nm以下である。前記樹脂コート層は、第1主成分モノマーを含む第1モノマーの重合物を含有する。前記樹脂粒子は、各々、第2主成分モノマーを含む第2モノマーの重合物を含有する。前記第1主成分モノマーと、前記第2主成分モノマーとは、互いに同一の化学構造を有する。
本発明に係る磁性トナーによれば、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、画像濃度及び画質の低下を防止できるとともに、かぶりを抑制できる。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。粉体には、例えば、トナー母粒子と、外添剤と、トナーとが含まれる。トナー母粒子は、外添剤が付着する前のトナー粒子を意味する。
粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。
酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。ガラス転移点(Tg)及び融点(Mp)は、各々、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した値である。軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。
化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルを包括的に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と総称する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、静電潜像の現像に好適に用いることが可能な静電潜像現像用トナーである。より具体的には、本実施形態に係るトナーは、1成分現像剤として使用可能な磁性トナーである。そのため、本実施形態に係るトナーは、現像スリーブ又はトナー帯電部材との摩擦により、正又は負に帯電する。現像スリーブと、トナー帯電部材とは、何れも、現像装置内に設けられている。トナー帯電部材は、例えば、ドクターブレードである。
本実施形態に係る磁性トナーは、例えば、電子写真装置(より具体的には1成分現像方式の画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
詳しくは、まず、帯電装置が、感光体ドラムの感光層を一様に帯電させる。次に、露光装置が、画像データに基づいて、感光体ドラムの感光層に光を照射する。これにより、静電潜像が感光層に形成される。続いて、現像装置が、磁性トナーを用いて、静電潜像を現像する(現像工程)。
現像工程では、まず、現像ローラーが、磁性トナーを表面に担持する。次に、現像ローラーの表面に担持された磁性トナーのうち現像ローラーの表面とトナー帯電部材との隙間に位置する磁性トナーが、現像ローラーの表面との摩擦(より具体的には現像スリーブの表面との摩擦)、及びトナー帯電部材との摩擦により、正又は負に帯電する。続いて、現像装置が、帯電した磁性トナーを、感光体ドラムの感光層へ供給して、電気的な力で静電潜像に付着させる。このようにして静電潜像が現像され、感光体ドラムの感光層にはトナー像が形成される。その後、トナー像を記録媒体に転写した後、加熱などによりトナー像を記録媒体に定着する。このようにして、画像が記録媒体に形成される。トナー像が記録媒体に転写された後には、クリーニング部材が、感光体ドラムの感光層に残留するトナーを感光層から除去する。クリーニング部材は、例えば、クリーニングブレードである。
[磁性トナーの構成]
本実施形態に係る磁性トナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。トナー母粒子は、磁性粉を含有する。磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子を含む。樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、磁性コアの表面を覆う樹脂コート層とを有する。外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%以下である。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、40nm以上150nm以下である。樹脂コート層は、第1主成分モノマーを含む第1モノマーの重合物を含有する。樹脂粒子は、各々、第2主成分モノマーを含む第2モノマーの重合物を含有する。第1主成分モノマーと、第2主成分モノマーとは、互いに同一の化学構造を有する。好ましくは、外添剤は、樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有するシリカ粒子と樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有する金属酸化物粒子とからなる群より選択される1種類以上を含む。
以下では、「樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下であること」は、「温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%以下であること」を意味する。樹脂粒子のブロッキング率は、後述する実験例に記載の方法、又はそれに準ずる方法で、測定される。好ましくは、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上である。樹脂粒子のブロッキング率が高いほど、樹脂粒子が熱圧縮され易いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が低いことを意味する。樹脂粒子のブロッキング率が低いほど、樹脂粒子が熱圧縮され難いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が高いことを意味する。
また、「第1主成分モノマー」は、第1モノマーに含まれるモノマーのうち、第1モノマーにおける含有量が最も多いモノマーを意味する。好ましくは、第1モノマーにおける第1主成分モノマーの含有量が50質量%超である。第1モノマーが1種類のモノマーのみを含む場合には、第1モノマーに含まれる1種類のモノマーが第1主成分モノマーとなる。
また、「第2主成分モノマー」は、第2モノマーに含まれるモノマーのうち、第2モノマーにおける含有量が最も多いモノマーを意味する。好ましくは、第2モノマーにおける第2主成分モノマーの含有量が50質量%超である。第2モノマーが1種類のモノマーのみを含む場合には、第2モノマーに含まれる1種類のモノマーが第2主成分モノマーとなる。
また、「第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有すること」は、例えば、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学式を有することを意味する。
また、「樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有するシリカ粒子」と「樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有する金属酸化物粒子」とを区別する必要がない場合には、「樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有するシリカ粒子」と「樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有する金属酸化物粒子」との各々を「小径粒子」と記載する。
一般的に、磁性トナーは、前述した方法で摩擦帯電される。詳しくは、現像ローラーの表面に担持された磁性トナーのうち現像ローラーの表面とトナー帯電部材との隙間に位置する磁性トナーが、現像ローラーの表面との摩擦、及びトナー帯電部材との摩擦により、正又は負に帯電する。そのため、磁性トナーの摩擦帯電時には、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与されることがある。よって、外添剤粒子がトナー母粒子に埋没することがある。
しかし、本実施形態に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が40nm以上であるため、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は小さすぎない。これにより、樹脂粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。よって、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子をトナー粒子の間でスペーサーとして機能させることができる。それだけでなく、本実施形態に係る磁性トナーでは、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下であるため、樹脂粒子の硬度は低すぎない。これにより、樹脂粒子の変形を防止できる。よって、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子をトナー粒子の間でスペーサーとして機能させることができる。
このように、本実施形態に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は小さすぎず、且つ樹脂粒子の硬度は低すぎないため、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子をトナー粒子の間でスペーサーとして機能させることができる。これにより、本実施形態に係る磁性トナーでは、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、小径粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。
強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても小径粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できれば、外添剤が小径粒子をさらに含むことによって得られる効果を効果的に得ることができる。例えば、外添剤がシリカ粒子をさらに含む場合には、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与されても、シリカ粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。これにより、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、磁性トナーの流動性が低下することを効果的に防止できる。よって、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、磁性トナーを均一に帯電できるため、均一な厚さの薄層(磁性トナーで構成された薄層。以下、「トナー薄層」と記載することがある)を現像スリーブ上に形成することができる。したがって、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、形成された画像において、スジなどの画像欠陥が発生し難い。
外添剤が酸化チタン粒子又はアルミナ粒子をさらに含む場合には、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与されても、酸化チタン粒子又はアルミナ粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。これにより、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、磁性トナーの帯電性が低下することを効果的に防止できる。よって、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、形成された画像において、かぶりが発生し難いとともに画像濃度が所望値以上に維持され易い。
前述したように、本実施形態に係る磁性トナーでは、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、小径粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。これにより、本実施形態に係る磁性トナーでは、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、トナー粒子の表面付着力が増加することを防止できる。よって、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、トナー粒子が感光体ドラムの感光層に固着することを防止できるため、クリーニング性能が低下することを防止できる。したがって、本実施形態に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成すると、形成された画像において、黒点、画像抜け、又はスジなどの画像欠陥が発生し難い。
前述したように、本実施形態に係る磁性トナーでは、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子をトナー粒子の間でスペーサーとして機能させることができる。そのため、本実施形態では、磁性トナーを比較的安価に提供できる。詳しくは、樹脂の比重は、一般的に、シリカの比重に比べて低く、金属酸化物の比重に比べて低い。そのため、トナー粒子における樹脂粒子の含有量(質量)をそれほど多くしなくても、スペーサー粒子として機能させるために必要な樹脂粒子の個数を確保し易い。よって、本実施形態では、シリカ粒子又は金属酸化物粒子をスペーサー粒子として機能させる場合に比べ、磁性トナーを安価に提供できる。
一般的に、磁性トナーでは、トナー母粒子が磁性粉を含有する。そのため、トナー母粒子の表面領域には、磁性粉の露出部位が存在する。ここで、磁性粉の硬度が比較的高いため、磁性粉の露出部位は、磁性粉の非露出部位(トナー母粒子の表面領域のうち磁性粉が露出していない部位)に比べて硬い。よって、外添剤粒子は、磁性粉の露出部位に付着し難い。したがって、外添剤粒子がトナー母粒子の表面から脱離することがある。強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合には、外添剤粒子の脱離が顕著となる。
しかし、本実施形態に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が150nm以下であるため、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は大きすぎない。これにより、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止できる。
それだけでなく、本実施形態に係る磁性トナーでは、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有する。このことによっても、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止できる。詳しくは、本実施形態に係る磁性トナーでは、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有するため、第1モノマーの重合物のSP値と第2モノマーの重合物のSP値との差を小さくすることができる。よって、第1モノマーの重合物に対する第2モノマーの重合物の親和性を高めることができるため、磁性粉の露出部位に対する樹脂粒子の付着力を高めることができる。したがって、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止できる。
このように、本実施形態に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は大きすぎず、且つ第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有するため、強い機械的ストレスが磁性トナーに付与された場合であっても、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止できる。これにより、外添剤が小径粒子をさらに含むことによって得られる効果を効果的に得ることができる。
外添剤が小径粒子をさらに含むことによって得られる効果については、前述したとおりである。詳しくは、外添剤がシリカ粒子をさらに含む場合には、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、形成された画像において、黒点、画像抜け、又はスジなどの画像欠陥が発生し難い。また、外添剤が酸化チタン粒子又はアルミナ粒子をさらに含む場合には、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、形成された画像において、かぶりが発生し難いとともに画像濃度が所望値以上に維持され易い。
なお、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きすぎると、画像形成の初期においても、外添剤が小径粒子をさらに含むことによって得られる効果を得にくいことがある。例えば、高温高湿環境下で画像を形成すると、初期においても磁性トナーの流動性が低下することがあり、初期においても磁性トナーの帯電性が低下することがある。初期において磁性トナーの流動性が低下すると、初期においても磁性トナーを均一に帯電することが難しい。そのため、初期においても、トナー薄層の厚さが不均一となることがあり、トナー薄層の表面にスジが発生することがある。初期においても磁性トナーの帯電性が低下すると、初期に形成された画像においても、かぶりが発生し易く、画像濃度が所望値を下回り易い(比較例3参照)。
[磁性トナーを構成する材料の例示]
<トナー母粒子>
トナー母粒子は、カプセルトナー粒子であってもよいが、非カプセルトナー粒子であることが好ましい。トナー母粒子が非カプセルトナー粒子であれば、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有することで樹脂粒子の脱離を防止できるという効果が得られ易い。以下では、トナー母粒子が非カプセルトナー粒子である場合を例に挙げて、磁性トナーを構成する材料を具体的に説明する。
トナー母粒子では、一般的に、成分の大部分(例えば、40質量%以上80質量%以下)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
トナー母粒子は、結着樹脂だけでなく、磁性粉を含有する。トナー母粒子は、着色剤と離型剤と電荷制御剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有してもよい。以下、順に説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分として含む。結着樹脂は、ポリエステル樹脂のみで構成されてもよいし、ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂をさらに含んでもよい。ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を使用できる。アクリル酸系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体を使用できる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を使用できる。ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂を使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち前述の樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂も、結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。以下、ポリエステル樹脂について具体的に説明する。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種類以上のアルコールと1種類以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
ジオール類の好適な例としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。α,ω−アルカンジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオールであることが好ましい。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸、α,ω−アルカンジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、又はシクロアルカンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸であることが好ましい。α,ω−アルカンジカルボン酸は、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸であることが好ましい。シクロアルカンジカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(磁性粉)
磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子で構成されていることが好ましい。樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、樹脂コート層とを有する。磁性コアは、例えば、鉄酸化物、強磁性金属、鉄と強磁性金属とのうちの少なくとも1つを含む合金、鉄と強磁性金属とのうちの少なくとも1つを含む化合物、強磁性化処理を施された強磁性合金、又は二酸化クロムで構成されていることが好ましい。鉄酸化物は、例えば、フェライト、又はマグネタイトであることが好ましい。強磁性金属は、例えば、コバルト、又はニッケルであることが好ましい。強磁性化処理としては、例えば、熱処理が挙げられる。より好ましくは、磁性コアは、フェライト、又はマグネタイトで構成されている。
樹脂コート層は、第1モノマーの重合物を含有する。第1モノマーは、第1主成分モノマーでない他のモノマーを含まないことが好ましい。そのため、樹脂コート層は、第1主成分モノマーの単重合体で構成されることが好ましい。第1主成分モノマーは、アクリル酸系モノマーであることが好ましい。
第1主成分モノマーとして使用可能なアクリル酸系モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルであることが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルは、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルであることが好ましい。第1主成分モノマーは、より好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、例えば(メタ)アクリル酸n−ブチルであることが好ましい。
樹脂コート層の厚さが大きいほど、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有することで樹脂粒子の脱離を防止できるという効果が得られ易い傾向にある。樹脂コート層の厚さが小さいほど、磁性トナーの帯電性が確保され易い傾向にある。また、樹脂コート層の被覆率(磁性コアの表面領域のうち、樹脂コート層が覆う磁性コアの面積の割合)が高いほど、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとが互いに同一の化学構造を有することで樹脂粒子の脱離を防止できるという効果が得られ易い傾向にある。樹脂コート層の被覆率が低いほど、磁性トナーの帯電性が確保され易い傾向にある。
磁性粉は、樹脂被覆粒子でない磁性粉粒子(以下、「他の磁性粉粒子」と記載する)をさらに含んでもよい。より具体的には、磁性粉は、他の磁性粉粒子を5質量%以下含んでもよい。他の磁性粉粒子は、例えば、磁性コアであることが好ましい。磁性粉が他の磁性粉粒子をさらに含む場合、樹脂被覆粒子に含まれる磁性コアと、他の磁性粉粒子とは、互いに同一の材料で構成されてもよいし、互いに異なる材料で構成されてもよい。
(着色剤)
磁性トナーを用いて高画質の画像を形成するために、着色剤を使用してもよい。着色剤の量は、100質量部の結着樹脂に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。着色剤としては、黒色着色剤、又は青色着色剤(例えば、青色顔料)を使用できる。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。
(離型剤)
離型剤は、例えば、磁性トナーの定着性又は耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。
離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素ワックス、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、又は脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスには、これらの酸化物も含まれる。植物性ワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスであることが好ましい。動物性ワックスは、例えば、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうであることが好ましい。鉱物ワックスは、例えば、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムであることが好ましい。脂肪酸エステルを主成分とするワックス類は、例えば、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスであることが好ましい。1種類のワックスを単独で使用してもよいし、複数種のワックスを併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、磁性トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。磁性トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに磁性トナーを帯電可能か否かの指標になる。トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(正電荷制御剤)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
正電荷制御剤としては、例えば、アジン化合物、アジン化合物からなる直接染料、ニグロシン化合物、ニグロシン化合物からなる酸性染料、又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。アジン化合物としては、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、又はキノキサリンが挙げられる。アジン化合物からなる直接染料としては、例えば、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、又はアジンディープブラック3RLが挙げられる。ニグロシン化合物としては、例えば、ニグロシン、ニグロシン塩、又はニグロシン誘導体が挙げられる。ニグロシン化合物からなる酸性染料としては、例えば、ニグロシンBK、ニグロシンNB、又はニグロシンZが挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、又はデシルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。正電荷制御剤として、ナフテン酸の金属塩類、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン、又はアルキルアミドを用いることもできる。1種類の正電荷制御剤を単独で使用してもよいし、複数種の正電荷制御剤を併用してもよい。
<外添剤>
外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。前述したように、樹脂粒子のブロッキング率が高いことは、樹脂粒子が熱圧縮され易いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が低いことを意味する。そのため、樹脂粒子のブロッキング率を40質量%以下にするためには、樹脂粒子の硬度を非常に高める必要がある。例えば、高純度の架橋剤を使用して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下になり易い。より具体的には、純度80%以上のジビニルベンゼン(架橋剤)を使用して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下になり易い。架橋剤の配合量を変更して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率を変更できる。架橋剤の配合量が少ないほど、樹脂粒子のブロッキング率が高くなる傾向にある。架橋剤の配合量が多いほど、樹脂粒子のブロッキング率が低くなる傾向にある。
このように、本実施形態では、樹脂粒子は、架橋剤を用いて、作製されることが好ましい。そのため、第2モノマーが架橋剤をさらに含むことが好ましい。より具体的には、第2モノマーの重合物において、第2主成分モノマーに由来する単位が、架橋剤に由来する単位で架橋されていることが好ましい。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼンを挙げることができる。なお、本実施形態では、第1主成分モノマーと第2主成分モノマーとは互いに同一の化学構造を有するため、第2主成分モノマーの好ましい具体例については前述の(磁性粉)で記載したとおりである。
第2モノマーは、第2主成分モノマー及び架橋剤の何れでもない第3のモノマーをさらに含んでもよい。第3のモノマーは、例えば、スチレン系モノマーであることが好ましい。スチレン系モノマーは、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、又はハロゲン化スチレンであることが好ましい。アルキルスチレンは、例えば、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレンであることが好ましい。ヒドロキシスチレンは、例えば、p−ヒドロキシスチレン、又はm−ヒドロキシスチレンであることが好ましい。ハロゲン化スチレンは、例えば、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンであることが好ましい。
樹脂粒子の量は、トナー母粒子100.00質量部に対して0.05質量部以上5.00質量部以下であることが好ましい。外添剤が2種類以上の樹脂粒子を含む場合には、樹脂粒子の合計量がトナー母粒子100.00質量部に対して0.05質量部以上5.00質量部以下であることが好ましい。樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、好ましくは40nm以上100nm以下であり、より好ましくは40nm以上70nm以下である。
外添剤は、複数の小径粒子をさらに含むことが好ましい。小径粒子は、シリカ粒子又は金属酸化物で構成された粒子であることが好ましい。金属酸化物は、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウムであることが好ましい。外添剤は、1種類の小径粒子を含んでもよいし、2種類以上の小径粒子を含んでもよい。
小径粒子の量は、トナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。外添剤が2種類以上の小径粒子を含む場合には、小径粒子の合計量がトナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。小径粒子の個数平均一次粒子径は、樹脂粒子の個数平均一次粒子径の0.5倍以下であることが好ましく、例えば5nm以上30nm以下であることが好ましい。
[磁性トナーの好ましい製造方法]
本実施形態に係る磁性トナーの製造方法は、トナー母粒子の製造工程と樹脂粒子の調製工程と外添工程とを含むことが好ましい。なお、同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
<トナー母粒子の製造工程>
トナー母粒子の製造工程は、好ましくは磁性粉の調製工程を含む。
磁性粉の調製工程では、まず、第1モノマーの重合物を溶媒に溶解させて、ポリマー溶液を調製する。溶媒としては、有機溶媒を用いることが好ましく、例えばトルエンを用いることができる。次に、得られたポリマー溶液を磁性コアへ供給する。好ましくは、コーティング装置を用いて磁性コアを流動させながら、ポリマー溶液を磁性コアへ噴霧する。これにより、複数の樹脂被覆粒子を含む磁性粉が調製される。コーティング装置は、転動流動コーティング装置(例えば、株式会社パウレック製のマルチプレックス)であることが好ましい。
調製された磁性粉を用いてトナー母粒子を製造する。詳しくは、公知の粉砕法でトナー母粒子を製造することが好ましい。より具体的には、まず、調製された磁性粉と結着樹脂とを混合する。このとき、着色剤と離型剤と電荷制御剤とのうちの少なくとも1つをさらに混合してもよい。得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて、溶融混練する。得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。このようにして、粉砕トナーのトナー母粒子が得られる。
<樹脂粒子の調製工程>
まず、樹脂粒子の分散液を調製する。詳しくは、分子内に不飽和結合を有するモノマーを水性媒体中で重合(好ましくは乳化重合)させる。分子内に不飽和結合を有するモノマーは、第2主成分モノマーを含み、好ましくは架橋剤をさらに含む。水性媒体は、水、又は水を主成分として含む分散媒であることが好ましい。水性媒体が水で構成される場合、水は、イオン交換水、又は純水であることが好ましい。水を主成分として含む分散媒は、界面活性剤と水との混合液、又は乳化剤と水との混合液であることが好ましい。
分子内に不飽和結合を有するモノマーの重合時間(以下、「モノマーの重合時間」と記載する)が長いほど、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きくなる傾向にある。モノマーの重合時間が短いほど、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が小さくなる傾向にある。
次に、樹脂粒子の分散液を乾燥させる。樹脂粒子の分散液の乾燥前と樹脂粒子の分散液の乾燥後とで樹脂粒子の材料及び物性が変化しない限りにおいて、樹脂粒子の分散液を乾燥させる方法は特に限定されない。樹脂粒子の分散液を乾燥させると、複数の樹脂粒子で構成された粉体が得られる。
<外添工程>
混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する。外添剤は、複数の樹脂粒子と複数の小径粒子とを含むことが好ましい。これにより、トナー母粒子の表面には、樹脂粒子の各々と小径粒子の各々とが付着する。このようにして、複数のトナー粒子を含むトナーが得られる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係る磁性トナー(より具体的にはトナーTA−1〜TA−3及びTB−1〜TB−5の各々)の構成を示す。表1において、「MMA」は、メタクリル酸メチルを意味する。表2に、実施例又は比較例における樹脂粒子(より具体的には樹脂粒子P−1〜P−6の各々)の構成を示す。表2において、「MMA」は、メタクリル酸メチルを意味する。「DVB」は、ジビニルベンゼンを意味する。「粒子径」には、樹脂粒子の個数平均一次粒子径を記す。
Figure 2019045754
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以下、まず、実施例又は比較例における磁性粉(より具体的には磁性粉M−1〜M−3の各々)の調製方法と、樹脂粒子(より具体的には樹脂粒子P−1〜P−6の各々)の作製方法と、樹脂粒子の物性値の測定方法とについて、順に説明する。次に、実施例又は比較例に係る磁性トナー(より具体的にはトナーTA−1〜TA−3及びTB−1〜TB−5の各々)の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[磁性粉の調製方法]
<磁性粉M−1の調製方法>
まず、メタクリル酸メチルの単重合体(PMMA)をトルエンに溶解させて、ポリマー溶液(濃度:10質量%)を得た。転動流動コーティング装置(株式会社パウレック製のマルチプレックス)を用いて、マグネタイト(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」、個数平均一次粒子径:0.2μm)を流動させながら、ポリマー溶液をマグネタイトへ噴霧した。このようにして、複数の樹脂被覆粒子を含む磁性粉M−1を得た。
<磁性粉M−2の調製方法>
磁性粉M−2としては、マグネタイト(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」、個数平均一次粒子径:0.2μm)を準備した。磁性粉M−2に含まれる磁性粉粒子は、何れも、樹脂コート層を有していなかった。
<磁性粉M−3の調製方法>
メタクリル酸メチルの単重合体(PMMA)の代わりにポリスチレンを用いた。このことを除いては磁性粉M−1の調製方法に従い、複数の樹脂被覆粒子を含む磁性粉M−3を得た。
[樹脂粒子の作製方法]
<樹脂粒子P−1の作製方法>
攪拌機、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた四つ口フラスコ(容量:1000mL)に、600gのイオン交換水と、100gのメタクリル酸メチル(MMA、第2主成分モノマー)と、20gのスチレンと、35gのジビニルベンゼン(DVB、架橋剤)と、15gのベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)と、6gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)とを、攪拌しながら、入れた。フラスコに窒素を供給しながら、且つフラスコの内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を90℃まで上昇させた。窒素ガスの供給とフラスコの内容物の攪拌とを継続しながら、3時間にわたってフラスコ内の温度を90℃に保った。フラスコ内の温度を90℃に保っている間に、フラスコの内容物が反応(重合反応)した。このようにして、樹脂粒子のエマルションを得た。フラスコ内の温度を常温(約25℃)まで下降させた。エマルションを固液分離した後、得られた固形物を洗浄してから乾燥させた。このようにして、樹脂粒子P−1を得た。
<樹脂粒子P−2〜P−6の各々の製造方法>
ジビニルベンゼンの配合量を70gに変更した。また、フラスコ内の温度を90℃に保つ時間(保持時間)を以下に示すように変更した。これらを除いては樹脂粒子P−1の製造方法に従い、樹脂粒子P−2、P−3、P−5及びP−6の各々を製造した。詳しくは、樹脂粒子P−1を製造する場合に比べて保持時間を短く設定して、樹脂粒子P−2を製造した。樹脂粒子P−1を製造する場合に比べて保持時間を長く設定して、樹脂粒子P−3を製造した。樹脂粒子P−2を製造する場合に比べて保持時間を若干短く設定して、樹脂粒子P−5を製造した。樹脂粒子P−3を製造する場合に比べて保持時間を若干長く設定して、樹脂粒子P−6を製造した。
ジビニルベンゼンの配合量を20gに変更したことを除いては樹脂粒子P−1の製造方法に従い、樹脂粒子P−4を製造した。
[樹脂粒子の物性値の測定方法]
<樹脂粒子の個数平均一次粒子径の測定方法>
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた樹脂粒子(より具体的には樹脂粒子P−1〜P−6の各々)の個数平均一次粒子径を測定した。測定結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子(より具体的には樹脂粒子P−1〜P−6の各々)は、シャープな粒度分布を有していた。より具体的には、樹脂粒子P−1は、約70nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子P−2は、約40nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子P−3は、約150nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子P−4は、約70nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子P−5は、約30nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子P−6は、約170nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。
<樹脂粒子のブロッキング率の測定方法>
まず、測定用治具(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を準備した。測定用治具は、円柱状の穴(直径:10mm、深さ:10mm)が形成された台(材質:オーステナイトステンレス鋼)と、円柱状の圧子(直径:10mm、材質:オーステナイトステンレス鋼)と、ヒーターとを、備えていた。
次に、温度23℃及び湿度50%RHの環境下において、台に形成された穴(測定部位)に、10mgの樹脂粒子(測定対象)を入れた。ヒーターで測定部位を160℃に加熱し、圧子(荷重:約100N)で測定部位に0.1kgf/mm2の圧力を5分間加えた。その後、測定部位に存在する樹脂粒子を、全量回収し、質量既知の目開き75μmの篩(JIS Z8801−1で規定される200メッシュ)上にセットした。そして、樹脂粒子を含む篩の質量を測定した。このようにして、篩上の樹脂粒子の質量(吸引前の樹脂粒子の質量)を求めた。
続けて、吸引機(アマノ株式会社製「V−3SDR」)を用いて、篩の下方から篩上の樹脂粒子を吸引した。この吸引により、篩上の樹脂粒子のうちブロッキングしていない樹脂粒子のみが篩を通過した。吸引後、篩を通過しなかった樹脂粒子(篩上に残留した樹脂粒子)の質量を測定した。そして、吸引前の樹脂粒子の質量と、吸引後の樹脂粒子の質量(篩を通過しなかった樹脂粒子の質量)とに基づいて、次の式に従って樹脂粒子のブロッキング率[単位:質量%]を求めた。算出結果を表2に示す。
ブロッキング率=100×吸引後の樹脂粒子の質量/吸引前の樹脂粒子の質量
[磁性トナーの製造方法]
<トナーTA−1の製造方法>
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、100.0質量部のポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「ポリエスター(登録商標)HP−313」)と、70.0質量部の磁性粉M−1と、2.0質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」、成分:ニグロシン染料)と、4.0質量部の電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−201−PS」、成分:4級アンモニウム塩由来の繰返し単位を含むスチレン−アクリル酸系樹脂)と、4.0質量部の離型剤(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」、成分:カルナバワックス)とを混合した。
得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転速度160rpm、且つ設定温度(シリンダー温度)120℃の条件で、溶融混練した。得られた溶融混練物を、粉砕機(旧東亜機械製作所製「ロートプレックス16/8型」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粉砕した。得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて、微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社「エルボージェット」)を用いて、分級した。このようにして、体積中位径(D50)が7.0μmであるトナー母粒子を得た。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、15分間にわたって、100.0質量部のトナー母粒子と、1.0質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、個数平均一次粒子径:約12nm)と、0.6質量部の樹脂粒子P−1とを混合した。このようにして、複数のトナー粒子を含むトナーTA−1を得た。
<トナーTA−2、TA−3及びTB−1〜TB−5の製造方法>
樹脂粒子P−1の代わりに樹脂粒子P−2〜P−6を用いたことを除いてはトナーTA−1の製造方法に従い、各々、トナーTA−2、TA−3及びTB−1〜TB−3を製造した。
磁性粉M−1の代わりに磁性粉M−2及びM−3を用いたことを除いてはトナーTA−1の製造方法に従い、各々、トナーTB−4及びTB−5を製造した。
[磁性トナーの評価方法]
<評価機の準備>
磁性トナー(より具体的にはトナーTA−1〜TA−3及びTB−1〜TB−5の各々)をモノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−4200DN」)の現像装置に入れた。このようにして評価機を準備した。
<画像濃度、かぶり濃度、トナー薄層、及び画質の各々の評価>
まず、温度32.5℃且つ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、第1評価画像を普通紙(A4サイズ)に印刷した。第1評価画像は、ソリッド画像部と白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。後述する方法に基づき、第1評価画像の画像濃度(ID)と第1評価画像のかぶり濃度(FD)とを測定した。このようにして、初期における画像濃度(ID)と初期におけるかぶり濃度(FD)とを測定した。また、第1評価画像のソリッド画像部を目視で確認した。また、第1評価画像の形成後、評価機から現像装置を取り出して、現像スリーブの表面状態を目視で確認した。
次に、温度32.5℃且つ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、印字率1%の画像を普通紙(A4サイズ)5万枚に連続印刷した後、第2評価画像を普通紙(A4サイズ)に印刷した。第2評価画像は、ソリッド画像部と白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。後述する方法に基づき、第2評価画像の画像濃度(ID)と第2評価画像のかぶり濃度(FD)とを測定した。このようにして、連続印刷後における画像濃度(ID)と連続印刷後におけるかぶり濃度(FD)とを測定した。また、第2評価画像のソリッド画像部を目視で確認した。また、第2評価画像の形成後、評価機から現像装置を取り出して、現像スリーブの表面状態を目視で確認した。
(画像濃度(ID)の測定方法及び評価基準)
マクベス反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて、第1及び第2評価画像の各々のソリッド画像部の反射濃度(ID:画像濃度)を測定した。
画像濃度(ID)の評価基準を以下に示す。初期における画像濃度(ID)の評価結果を表3に示す。連続印刷後における画像濃度(ID)の評価結果を表4に示す。
優良:画像濃度(ID)が1.3以上である。
良好:画像濃度(ID)が1.2以上1.3未満である。
不良:画像濃度(ID)が1.2未満である。
(かぶり濃度(FD)の測定方法及び評価基準)
マクベス反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて、第1及び第2評価画像の各々の白紙部の反射濃度を測定した。そして、次の式に基づき、かぶり濃度(FD)を算出した。
FD=(白紙部の反射濃度)−(未印刷紙の反射濃度)
かぶり濃度(FD)の評価基準を以下に示す。初期におけるかぶり濃度(FD)の評価結果を表3に示す。連続印刷後におけるかぶり濃度(FD)の評価結果を表4に示す。
優良:かぶり濃度(FD)が0.003以下である。
良好:かぶり濃度(FD)が0.003超0.007以下である。
不良:かぶり濃度(FD)が0.007超である。
(トナー薄層及び画質の各々の評価基準)
評価基準を以下に示す。初期におけるトナー薄層及び画質の各々の評価結果を表3に示す。連続印刷後におけるトナー薄層及び画質の各々の評価結果を表4に示す。
優良:トナー薄層の厚さが均一であることが確認された。また、評価画像にはスジなどの画像欠陥は確認されなかった。
良好:トナー薄層の表面にはスジが確認された。しかし、評価画像にはスジなどの画像欠陥は確認されなかった。
不良:トナー薄層の厚さが不均一であることが確認された。また、評価画像にはスジなどの画像欠陥が確認された。
[磁性トナーの評価結果]
表3に、初期における磁性トナーの評価結果を示す。表4に、連続印刷後における磁性トナーの評価結果を示す。
Figure 2019045754
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実施例1〜3に係る磁性トナー(より具体的にはトナーTA−1〜TA−3)は、各々、以下に示す構成を備えていた。詳しくは、実施例1〜3に係る磁性トナーは、各々、複数のトナー粒子を含んでいた。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備えていた。トナー母粒子は、磁性粉を含有していた。磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子を含んでいた。樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、磁性コアの表面を覆う樹脂コート層とを有していた。外添剤は、複数の樹脂粒子を含んでいた。樹脂粒子のブロッキング率が、40質量%以下であった。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、40nm以上150nm以下であった。樹脂コート層は、第1主成分モノマーを含む第1モノマーの重合物を含有していた。樹脂粒子は、各々、第2主成分モノマーを含む第2モノマーの重合物を含有していた。第1主成分モノマーと、第2主成分モノマーとは、互いに同一の化学構造を有していた。
表3及び表4に記載のように、実施例1〜3に係る磁性トナーの各々を用いて高温高湿環境下で連続印刷を行っても、トナー薄層の厚さが均一な状態を維持できた。また、実施例1〜3に係る磁性トナーの各々を用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像においても、画像濃度が所望値に維持され、かぶりが抑制され、スジなどの画像欠陥が発生しなかった。
一方、比較例1〜5に係る磁性トナー(より具体的にはトナーTB−1〜TB−5)は、各々、前述の構成を備えていなかった。詳しくは、比較例1に係る磁性トナーでは、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%超であった。比較例1に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、トナー薄層の厚さが不均一となった。また、比較例1に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像には、かぶりが発生し、スジなどの画像欠陥が発生した。また、比較例1に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、磁性トナーによる感光体ドラムの汚染が発生した。
比較例2に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が40nm未満であった。比較例2に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像の画像濃度は所望値を下回った。
比較例3に係る磁性トナーでは、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が150nm超であった。比較例3に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、トナー薄層の厚さが不均一となった。また、比較例3に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像には、かぶりが発生し、スジなどの画像欠陥が発生した。
比較例4に係る磁性トナーでは、磁性粉は樹脂被覆粒子を含んでいなかった。比較例4に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、トナー薄層の厚さが不均一となった。また、比較例4に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像には、かぶりが発生し、スジなどの画像欠陥が発生した。また、比較例4に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像の画像濃度は所望値を下回った。
比較例5に係る磁性トナーでは、樹脂被覆粒子の樹脂コート層を構成する主成分モノマーの化学構造と樹脂粒子を構成する主成分モノマーの化学構造とが互いに異なった。比較例5に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、トナー薄層の厚さが不均一となった。また、比較例5に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像には、かぶりが発生し、スジなどの画像欠陥が発生した。また、比較例5に係る磁性トナーを用いて高温高湿環境下で連続印刷を行うと、連続印刷後に形成された画像の画像濃度は所望値を下回った。
本発明に係る磁性トナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。


Claims (3)

  1. 複数のトナー粒子を含む磁性トナーであって、
    前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備え、
    前記トナー母粒子は、磁性粉を含有し、
    前記磁性粉は、複数の樹脂被覆粒子を含み、
    前記樹脂被覆粒子は、各々、磁性コアと、前記磁性コアの表面を覆う樹脂コート層とを有し、
    前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、
    温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%以下であり、
    前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、40nm以上150nm以下であり、
    前記樹脂コート層は、第1主成分モノマーを含む第1モノマーの重合物を含有し、
    前記樹脂粒子は、各々、第2主成分モノマーを含む第2モノマーの重合物を含有し、
    前記第1主成分モノマーと、前記第2主成分モノマーとは、互いに同一の化学構造を有する、磁性トナー。
  2. 前記外添剤は、前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有するシリカ粒子と前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有する金属酸化物粒子とからなる群より選択される1種類以上を含む、請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 前記第1モノマーは、前記第1主成分モノマーでない他のモノマーを含まず、
    前記第2モノマーは、架橋剤を含み、
    前記第2モノマーの重合物において、前記第2主成分モノマーに由来する単位が、前記架橋剤に由来する単位で架橋されている、請求項1又は2に記載の磁性トナー。
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