JP2019045032A - コルゲートフィン式熱交換器 - Google Patents

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山崎 和彦
Kazuhiko Yamazaki
和彦 山崎
吉田 健司
Kenji Yoshida
健司 吉田
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Abstract

【課題】低温外気における暖房運転時の室外機用熱交換器に付着する水(凝縮水、結露水)を排水すると共に、通風部の着霜を遅延し、水及び着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制すること。【解決手段】左右に対峙する一対のヘッダーパイプ2a,2bと、両ヘッダーパイプ2a,2bに接続される互いに平行な複数の扁平チューブ3と、扁平チューブ3間に接合され、隣接する山部4aと谷部4b間に通風路4cを有するコルゲートフィン4と、コルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水を下方に排水する排水機構10と、を具備するコルゲートフィン式熱交換器において、コルゲートフィン4は、コルゲートフィン4の山頂点側及び谷頂点側のうちの少なくとも谷頂点側の位置に、隣接する通風路4cを連通する縦スリット5を切り起こして形成されるルーバー6aを、コルゲートフィン4の幅方向に互いに平行に複数形成してなる。【選択図】 図4

Description

この発明は、コルゲートフィン式熱交換器に関するもので、更に詳細には、コルゲートフィンと扁平チューブを互いに平行に水平方向に配置したコルゲートフィン式熱交換器に関するものである。
一般に、左右に対峙する一対のヘッダーパイプと、上記両ヘッダーパイプに接続される互いに平行な複数の熱交換チューブ(以下に偏平チューブという)と、これら扁平チューブ間に接合され、隣接する山部と谷部間に通風路を有するコルゲートフィンと、を具備するコルゲートフィン式熱交換器が広く使用されている。
この種のコルゲートフィン式熱交換器を蒸発器として使用した場合、表面に凝縮水が付着し通風の妨げとなり、熱交換性能を低下させる問題がある。
この問題を解決する手段として、扁平チューブの幅方向の端部外面に、扁平チューブの上下側に隣接するコルゲートフィンの谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部を有する流水路を扁平チューブの長手方向に適宜ピッチをおいて複数形成してなるコルゲートフィン式熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の熱交換器によれば、流水路が排水機能として働くことで水が排出され、扁平チューブが水平方向に配置された蒸発器として使用することができる。
なお、特許文献1に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、コルゲートフィンに設けられた複数の縦スリットを切り起こしてルーバーを形成することで、熱交換性能を向上させている。
特開2010−243147号公報(図1,図2)
ところで、室外機用熱交換器においては、暖房運転時、外気温度が低いと、熱交換器に霜が付着して、通風量及び熱交換性能が低下する懸念がある。
また、霜は風の当たる先端部に付きやすく、特にフィンのルーバー部は霜の成長が早いため、着霜の観点ではルーバーは望ましくない。
しかしながら、特許文献1に記載のコルゲートフィン式熱交換器の排水メカニズムは、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動し、山部すなわち谷頂点間から扁平チューブ側壁の流水路(排水機構)を介して下段のコルゲートフィンの谷部へと流れる。また、コルゲートフィンの谷部から山部へ移動する際、コルゲートフィンに設けられた隣接する通風路を連通する縦スリット(導水部)を通るため、導水部は必要であり無くすことはできない。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、低温外気における暖房運転時の室外機用熱交換器に付着する水(凝縮水、結露水)を排水すると共に、通風部の着霜を遅延し、水(凝縮水、結露水)及び着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制するコルゲートフィン式熱交換器を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明は、左右に対峙する一対のヘッダーパイプと、上記両ヘッダーパイプに接続される互いに平行な複数の扁平チューブと、上記扁平チューブ間に接合され、隣接する山部と谷部間に通風路を有するコルゲートフィンと、上記偏平チューブの幅方向の端部外面に設けられ、上記コルゲートフィンの谷頂点間に保水される水を下方に排水する排水機構と、を具備するコルゲートフィン式熱交換器であって、上記コルゲートフィンは、該コルゲートフィンの上記山頂点側及び谷頂点側のうちの少なくとも谷頂点側の位置に、隣接する上記通風路を連通する導水部を、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
この発明において、上記導水部は、上記コルゲートフィンの高さの1/2以下であって、隣接する上記通風路を連通する縦スリットを切り起こして形成されるルーバーにて形成するのが好ましい(請求項2)。
上記導水部を、縦スリットを切り起こして形成されるルーバーにて形成した場合、上記コルゲートフィンは、該コルゲートフィンの山頂点側の位置に、上記コルゲートフィンの高さの1/2以下であって、隣接する上記通風路を連通する縦スリットを切り起こして形成される上側のルーバーを、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成し、かつ、上記上側のルーバーと上記コルゲートフィンの谷頂点側の位置に形成される下側の上記ルーバーとの間に、コルゲートフィンの幅方向に沿う通風部を形成するのが好ましい(請求項3)。
また、上記導水部を、縦スリットを切り起こして形成されるルーバーにて形成した場合、 上記ルーバーは、風上側に位置する風上側ルーバー群と、風下側に位置する風下側ルーバー群とが適宜間隔をおいて形成されているのが好ましい(請求項4)。
また、この発明において、上記導水部は、貫通孔にて形成されるものであってもよい(請求項5)。
上記導水部を貫通孔にて形成した場合、上記コルゲートフィンの山頂点側の位置に、隣接する上記通風路を連通する上部貫通孔を、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成し、上記上部貫通孔と上記谷頂点側に形成される貫通孔とを互いに千鳥状に配列し、かつ、上記上部貫通孔と上記谷頂点側に形成される貫通孔との間に、コルゲートフィンの幅方向に沿う通風部を形成するのが好ましい(請求項6)。
また、請求項1、2又は5のいずれかに記載のコルゲートフィン式熱交換器において、 上記コルゲートフィンは、上記導水部が設けられていない箇所の上記通風路に面する表裏面が凹凸状に形成されているのが好ましい(請求項7)。
請求項1,2,5に記載の発明によれば、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動する際、導水部(ルーバーを構成する縦スリット、貫通孔)を通って谷頂点間に流れ、谷頂点間に集まった水は、排水機構によって順次下方側のコルゲートフィンに流れる。また、通風部には着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィンの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ルーバーを設けることで、乱流効果等による熱伝達性能の向上が図れる。また、ルーバーはコルゲートフィンの高さの1/2以下に形成することで、通風部には着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィンの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動する際、上側及び下側のルーバーを構成する上下の縦スリットを通って谷頂点間に流れ、谷頂点間に集まった水は、排水機構によって順次下方側のコルゲートフィンに流れる。
また、上側のルーバーと下側のルーバーとの間に形成される通風部には着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィンの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、風上側に位置する風上側ルーバー群と、風下側に位置する風下側ルーバー群とを適宜間隔をおいて形成することで、更に乱流効果等を高めることができ、熱伝達性能の向上が図れる。
請求項6に記載の発明によれば、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動する際、上部貫通孔及び谷頂点側に形成される貫通孔を通って谷頂点間に流れ、谷頂点間に集まった水は、排水機構によって順次下方側のコルゲートフィンに流れる。
また、上部貫通孔と下部貫通孔との間に形成される通風部には着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィンの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、導水部が設けられていない箇所の通風路に面する表裏面が凹凸状に形成されることで、平坦面に比べ空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1,2,5に記載の発明によれば、低温外気における暖房運転時の室外機用熱交換器に付着する水(凝縮水、結露水)を排水すると共に、通風部の着霜を遅延し、水(凝縮水、結露水)及び着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制することができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、上記(1)に加えて、更に乱流効果等による熱伝達性能の向上が図れる。また、ルーバーはコルゲートフィンの高さの1/2以下に形成することで、通風部には着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィンの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動する際、上側及び下側のルーバーを構成する上下の縦スリットを通って谷頂点間に流れるので、上記(2)に加えて、更にコルゲートフィンに付着した水(凝縮水、結露水)を円滑に排水することができる。
(4)請求項4に記載の発明によれば、上記(1)〜(3)に加えて、更に乱流効果等を高めることができ、熱伝達性能の向上が図れる。
(5)請求項6に記載の発明によれば、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動する際、上部貫通孔及び谷頂点側に形成される貫通孔を通って谷頂点間に流れるので、上記(1)に加えて、更にコルゲートフィンに付着した水(凝縮水、結露水)を円滑に排水することができる。
(6)請求項7に記載の発明によれば、空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができるので、上記(1)に加えて、更に熱交換性能の向上を図ることができる。
この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器の第1実施形態を示す概略正面図である。 図1のI部拡大正面図である。 第1実施形態における凝縮水の排水状態を示す要部拡大断面図である。 この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器の第1実施形態の一部を断面で示す斜視図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第1実施形態を示す要部斜視図である。 上記第1実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器の第2実施形態の要部拡大正面図である。 上記第2実施形態における凝縮水の排水状態を示す要部拡大断面図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第2実施形態を示す要部斜視図である。 上記第2実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第3実施形態を示す要部斜視図である。 上記第3実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第4実施形態を示す要部斜視図である。 上記第4実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 上記第4実施形態における凝縮水の排水状態を示す要部拡大断面図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第5実施形態を示す要部斜視図である。 上記第5実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 上記第5実施形態における凝縮水の排水状態を示す要部拡大断面図である。
以下に、この発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る熱交換器を蒸発器に適用した場合について説明する。なお、添付図面はこの発明の構造を判りやすくするために概略的に図示したもので、各部の寸法比率は図面に図示したものに限定されるものではない。
<第1実施形態>
この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器1は、図1に示すように、それぞれアルミニウム(アルミニウム合金を含む)製の左右に対峙する一対のヘッダーパイプ2a,2bと、これらヘッダーパイプ2a,2b間に互いに平行に水平方向に接続(連結)される複数の扁平チューブ3と、扁平チューブ3間に接合され、隣接する山部4aと谷部4b間に通風路4cを有するコルゲートフィン4と、をろう付けによって接合してなる。
なお、扁平チューブ3には複数に区画された熱媒体流路3aが形成されている。また、上下端のコルゲートフィン4の上部外方側及び下部開放側には、それぞれアルミニウム製のサイドプレート7がろう付けされている。また、ヘッダーパイプ2a,2bの上下開口端にはアルミニウム製のエンドキャップ8がろう付けされている。
上記のように構成される熱交換器1において、扁平チューブ3の幅方向の端部外面には、排水機構10が設けられている。排水機構10は、図1ないし図4に示すように、扁平チューブ3の幅方向の端部外面に、該扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部12を有する少なくとも一部がコルゲートフィン4の側端部の内側に位置する流水路13が扁平チューブ3の長手方向に沿って等ピッチに設けられた構造となっている。
この場合、扁平チューブ3は、幅方向の側端部に、扁平チューブ3の長手方向に沿って薄肉の鍔部(図示せず)が延設されるアルミニウム製押出形材にて形成され、鍔部に等間隔の切込みを介して傾斜状に切り起こされる等ピッチの切起し片11によって、扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水を誘引する流水路13が形成される。
一方、コルゲートフィン4は、薄板を所定の高さになるように山−谷折りを交互に繰り返して、隣接する逆U字状の山部4aとU字状の谷部4b間に通風路4cが形成されており、熱交換器1の正面視では、略U字形状の連続波形に形成されている。
また、コルゲートフィン4は、図4ないし図6に示すように、谷頂点側の位置に、複数のルーバー6aが形成されている。この場合、ルーバー6aは、コルゲートフィン4の高さの1/2以下であって、隣接する通風路4cを連通する縦スリット5を隣接する山部4a及び谷部4bの通風路4c側に切り起こして形成され、コルゲートフィン4の幅方向に互いに平行に複数形成されている。
また、ルーバー6aは、風上側に位置する風上側ルーバー群6Xと、風下側に位置する風下側ルーバー群6Yとが適宜間隔をおいて形成されている。
このように、ルーバー6aを設けることにより、熱交換性能の向上が図れる、すなわち、谷頂点側の位置に所定角度に形成された所定数のルーバー6aを設けることで、コルゲートフィンに付着した水(凝縮水、結露水)はルーバー6aを構成する縦スリット5を通って谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間へ流れる。したがって、排水を円滑にすることができると共に、乱流効果等により熱伝達性能の向上が図れる。
また、ルーバー6aを谷頂点側の位置に設けることで、ルーバー6aの上方側の通風部4dには着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィン4の着霜をし難くすると共に遅延させることができるので、着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制することができる。
上記のように構成される熱交換器1の排水メカニズムは、図3に示すように、U字形状(谷折り)フィン表面に付着した水(凝縮水、結露水)は、下段への水路がないため、コルゲートフィン4の幅方向に互いに平行に設けられた複数の縦スリット5を切り起こして形成されたルーバー6aを介して隣の逆U字形状(山折り)部に移動し、逆U字形状部すなわちコルゲートフィン4の谷頂点間に集まった水(凝縮水、結露水)は、下方の開口部から、扁平チューブ3に形成された流水路13を形成する切起し片11のエッジ部12と接触することで、流れ落ちる起点となり、流水路13内に誘引される。このようにして、順次下方側のコルゲートフィン4に流れ込むといったメカニズムをスムーズに繰り返すことにより、排水が促進される。
この排水メカニズムにおいて、扁平チューブ3に形成される流水路13のピッチがコルゲートフィン4のピッチ(山頂点−谷頂点寸法)の4倍以上になると、コルゲートフィン4の保水力に対し、上下に連続する排水路が少なくなるため、排水スピードが極端に遅くなり、実用上有効な排水効果が得られなくなる。そのため、図2に示すように、流水路13すなわち切起し片11のピッチP1はコルゲートフィン4のピッチP(山頂点−谷頂点寸法)の4倍以下が好ましい。これにより、コルゲートフィン4の谷頂点間に少なくとも1つの切起し片11が位置するので、排水性の向上が図れる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、コルゲートフィン4は、谷頂点側の位置に複数のルーバー6aを形成した場合であるが、谷頂点側の位置に加えて山頂点側の位置に複数のルーバー6bを形成したコルゲートフィン4Aとしてもよい。
第2実施形態のコルゲートフィン4Aは、図7ないし図10に示すように、コルゲートフィン4Aの山頂点側の位置に、コルゲートフィン4Aの高さの1/2以下であって、隣接する通風路4cを連通する縦スリット5を切り起こして形成される上側のルーバー6bを、コルゲートフィン4Aの幅方向に互いに平行に複数形成してなり、かつ、上側のルーバー6bとコルゲートフィン4Aの谷頂点側の位置に形成される下側のルーバー6aとの間に、コルゲートフィン4Aの幅方向に沿う通風部4dを形成してなる。
また、ルーバー6bは、風上側に位置する風上側ルーバー群6Xと、風下側に位置する風下側ルーバー群6Yとが適宜間隔をおいて形成されている。
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
第2実施形態によれば、谷頂点側の位置と山頂点側の位置に所定角度に形成された所定数のルーバー6a,6bを設けることで、コルゲートフィン4Aに付着した水(凝縮水、結露水)はルーバー6a,6bを構成する上下の縦スリット5を通って谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間へ流れる。
そして、コルゲートフィン4Aの谷頂点間に集まった水(凝縮水、結露水)は、下方の開口部から、扁平チューブ3に形成された流水路13を形成する切起し片11のエッジ部12と接触することで、流れ落ちる起点となり、流水路13内に誘引される。このようにして、順次下方側のコルゲートフィン4Aに流れ込むといったメカニズムをスムーズに繰り返すことにより、排水が促進される。
したがって、コルゲートフィン4Aに付着した水(凝縮水、結露水)の排水を円滑にすることができると共に、乱流効果等により熱伝達性能の向上が図れる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態のコルゲートフィン4に更に熱交換性能の向上が図れるようにした場合である。
すなわち、第3実施形態のコルゲートフィン4Bは、ルーバー6aを形成した以外の箇所すなわちコルゲートフィン4Bの上半分以上の箇所を山型に切り起こして凹凸部20を設けることで、ルーバー6aを形成した以外の箇所の通風路4cに面する表裏面を凹凸状に形成した場合である。
なお、第3実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
第3実施形態によれば、ルーバー6aを形成した以外の箇所の通風路4cに面する表裏面を凹凸状に形成することにより、平坦面に比べ空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができ、熱交換性能の向上が図れる。
<第4実施形態>
第4実施形態は、上記第1実施形態のルーバー6aに代えて貫通孔30を複数形成したコルゲートフィン4Cを用いた場合である。
すなわち、第4実施形態のコルゲートフィン4Cは、図13ないし図15に示すように、谷頂点側の位置に、隣接する通風路4cを連通する貫通孔30をコルゲートフィン4Cの幅方向に互いに平行に複数形成してなる。
なお、第4実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
第4実施形態によれば、谷頂点側の位置に形成された所定数の貫通孔30を設けることで、コルゲートフィンに付着した水(凝縮水、結露水)は貫通孔30を通って谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間へ流れる。
そして、コルゲートフィン4Cの谷頂点間に集まった水(凝縮水、結露水)は、下方の開口部から、扁平チューブ3に形成された流水路13を形成する切起し片11のエッジ部12と接触することで、流れ落ちる起点となり、流水路13内に誘引される。このようにして、順次下方側のコルゲートフィン4Cに流れ込むといったメカニズムをスムーズに繰り返すことにより、排水が促進される。
したがって、コルゲートフィン4Cに付着した水(凝縮水、結露水)の排水を円滑にすることができる。また、貫通孔30以外の通風部4dには着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィン4Cの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
なお、第4実施形態において、貫通孔30を形成した以外の箇所すなわちコルゲートフィン4Cの上半分以上の箇所を山型に切り起こして凹凸部20を設けることで、貫通孔30を形成した以外の箇所の通風路4cに面する表裏面を凹凸状に形成してもよい。
このように、貫通孔30を形成した以外の箇所の通風路4cに面する表裏面を凹凸状に形成することにより、平坦面に比べ空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができ、熱交換性能の向上が図れる。
<第5実施形態>
上記第4実施形態では、コルゲートフィン4Cは、谷頂点側の位置に複数の貫通孔30aを形成した場合であるが、谷頂点側の位置に加えて山頂点側の位置に複数の貫通孔30bを形成したコルゲートフィン4Dとしてもよい。
第5実施形態のコルゲートフィン4Dは、図16ないし図18に示すように、コルゲートフィン4Dの山頂点側の位置に、隣接する通風路4cを連通する上部貫通孔30aを、コルゲートフィン4Dの幅方向に互いに平行に複数形成し、上部貫通孔30aと谷頂点側に形成される貫通孔30とを互いに千鳥状に配列し、かつ、上部貫通孔30aと谷頂点側に形成される貫通孔30との間に、コルゲートフィン4Dの幅方向に沿う通風部4dを形成してなる。
なお、第5実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
第5実施形態によれば、谷頂点側の位置と山頂点側の位置に所定数の貫通孔30,30aを設けることで、コルゲートフィン4Dに付着した水(凝縮水、結露水)は上下の貫通孔30,30aを通って谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間へ流れる。
そして、コルゲートフィン4Dの谷頂点間に集まった水(凝縮水、結露水)は、下方の開口部から、扁平チューブ3に形成された流水路13を形成する切起し片11のエッジ部12と接触することで、流れ落ちる起点となり、流水路13内に誘引される。このようにして、順次下方側のコルゲートフィン4Aに流れ込むといったメカニズムをスムーズに繰り返すことにより、排水が促進される。また、貫通孔30以外の通風部4dには着霜の起点となるルーバー等のエッジがないため、コルゲートフィン4Dの着霜をし難くすると共に遅延させることができる。
<その他の実施形態>
(1)上記第2実施形態では導水部がルーバー6a,6bによって形成され、第5実施形態では導水部が貫通孔30,30aによって形成される場合について説明したが、第2実施形態と第5実施形態を組み合わせた構造としてもよい。すなわち、コルゲートフィンの谷頂点側の位置にルーバー6a又は貫通孔30を複数形成し、山頂点側の位置に貫通孔30a又はルーバー6bを複数形成した構造としてもよい。
(2)上記実施形態では、コルゲートフィン4がU字状の山−谷折りを交互に繰り返した略U字形状の連続波形状に形成されているが、V字状の山−谷折りを交互に繰り返した略V字形状の連続波形状に形成されるコルゲートフィンであってもよい。
(3)上記実施形態では、排水機構10を構成する流水路13は、扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部12を有する場合について説明したが、排水機構は必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、流水路を、扁平チューブの幅方向の端部に上下に渡って傾斜状又は鉛直状に切り欠かれた溝部にて形成した排水機構であってもよい。
1 熱交換器
2a,2b ヘッダーパイプ
3 扁平チューブ
4,4A,4B,4C,4D コルゲートフィン
4a 山部
4b 谷部
4c 通風路
4d 通風部
5 縦スリット(導水部)
6a,6b ルーバー
6X 風上側ルーバー群
6Y 風下側ルーバー群
10 排水機構
20 凹凸部
30 貫通孔(導水部)
30a 上部貫通孔(導水部)

Claims (7)

  1. 左右に対峙する一対のヘッダーパイプと、上記両ヘッダーパイプに接続される互いに平行な複数の扁平チューブと、上記扁平チューブ間に接合され、隣接する山部と谷部間に通風路を有するコルゲートフィンと、上記偏平チューブの幅方向の端部外面に設けられ、上記コルゲートフィンの谷頂点間に保水される水を下方に排水する排水機構と、を具備するコルゲートフィン式熱交換器であって、
    上記コルゲートフィンは、該コルゲートフィンの上記山頂点側及び谷頂点側のうちの少なくとも谷頂点側の位置に、隣接する上記通風路を連通する導水部を、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成してなる、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  2. 請求項1に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記導水部は、上記コルゲートフィンの高さの1/2以下であって、隣接する上記通風路を連通する縦スリットを切り起こして形成されるルーバーにて形成されている、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  3. 請求項2に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記コルゲートフィンは、該コルゲートフィンの山頂点側の位置に、上記コルゲートフィンの高さの1/2以下であって、隣接する上記通風路を連通する縦スリットを切り起こして形成される上側のルーバーを、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成してなり、かつ、上記上側のルーバーと上記コルゲートフィンの谷頂点側の位置に形成される下側の上記ルーバーとの間に、コルゲートフィンの幅方向に沿う通風部を形成してなる、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  4. 請求項2又は3に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記ルーバーは、風上側に位置する風上側ルーバー群と、風下側に位置する風下側ルーバー群とが適宜間隔をおいて形成されている、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  5. 請求項1に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記導水部は、貫通孔にて形成されている、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  6. 請求項5に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記コルゲートフィンの山頂点側の位置に、隣接する上記通風路を連通する上部貫通孔を、コルゲートフィンの幅方向に互いに平行に複数形成し、上記上部貫通孔と上記谷頂点側に形成される貫通孔とを互いに千鳥状に配列し、かつ、上記上部貫通孔と上記谷頂点側に形成される貫通孔との間に、コルゲートフィンの幅方向に沿う通風部を形成してなる、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  7. 請求項1、2又は5のいずれかに記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記コルゲートフィンは、上記導水部が設けられていない箇所の上記通風路に面する表裏面が凹凸状に形成されている、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
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