JP2019045033A - コルゲートフィン式熱交換器 - Google Patents

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山崎 和彦
Kazuhiko Yamazaki
和彦 山崎
吉田 健司
Kenji Yoshida
健司 吉田
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Abstract

【課題】低温外気における暖房運転時の室外機用熱交換器の通風部の着霜を遅延し、着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制するコルゲートフィン式熱交換器を提供すること。【解決手段】左右に対峙する一対のヘッダーパイプ2a,2bと、両ヘッダーパイプ2a,2bに接続される互いに平行な複数の扁平チューブ3と、扁平チューブ3間に接合され、隣接する山部4aと谷部4b間に通風路4cを有するコルゲートフィン4と、を具備するコルゲートフィン式熱交換器において、コルゲートフィン4は、隣接する通風路4cを連通する横スリット5を切り起こして形成されるルーバー6を、コルゲートフィンの高さ方向に互いに平行に複数形成してなる。【選択図】 図4

Description

この発明は、コルゲートフィン式熱交換器に関するもので、更に詳細には、コルゲートフィンと扁平チューブを互いに平行に水平方向に配置したコルゲートフィン式熱交換器に関するものである。
一般に、対峙する一対のヘッダーパイプ間に、互いに平行な複数の扁平状の熱交換チューブ(以下に扁平チューブという)を水平方向に配置し、これら扁平チューブ間にコルゲートフィンを接合してなるコルゲートフィン式熱交換器が広く使用されている。
この種のコルゲートフィン式熱交換器を蒸発器として使用した場合、表面に凝縮水が付着し通風の妨げとなり、熱交換性能を低下させる問題がある。
この問題を解決する手段として、扁平チューブの幅方向の端部外面に、扁平チューブの上下側に隣接するコルゲートフィンの谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部を有する流水路を扁平チューブの長手方向に適宜ピッチをおいて複数形成してなるコルゲートフィン式熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の熱交換器によれば、流水路が排水機能として働くことで水が排出され、扁平チューブが水平方向に配置された蒸発器として使用することができる。
なお、特許文献1に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、コルゲートフィンに設けられた複数の縦スリットを切り起こしてルーバーを形成することで、熱交換性能を向上させている。
特開2010−243147号公報(図1,図2)
ところで、室外機用熱交換器においては、暖房運転時、外気温度が低いと、熱交換器に霜が付着して、通風量及び熱交換性能が低下する懸念がある。
また、霜は風の当たる先端部に付きやすく、特にフィンのルーバー部は霜の成長が早いため、着霜の観点ではルーバーは望ましくない。
しかしながら、特許文献1に記載のコルゲートフィン式熱交換器の排水メカニズムは、コルゲートフィンの山谷に付着した水は、谷部から山部へ移動し、山部すなわち谷頂点間から扁平チューブ側壁の流水路(排水機構)を介して下段のコルゲートフィンの谷部へと流れる。また、コルゲートフィンの谷部から山部へ移動する際、コルゲートフィンに設けられたルーバーを通るため、ルーバーは必要であり無くすことはできない。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、低温外気における暖房運転時の室外機用熱交換器の通風部の着霜を遅延し、着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制するコルゲートフィン式熱交換器を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明のコルゲートフィン式熱交換器は、左右に対峙する一対のヘッダーパイプと、上記両ヘッダーパイプに接続される互いに平行な複数の扁平チューブと、上記扁平チューブ間に接合され、隣接する山部と谷部間に通風路を有するコルゲートフィンと、を具備するコルゲートフィン式熱交換器であって、上記コルゲートフィンは、隣接する上記通風路を連通する横スリットを切り起こして形成されるルーバーを、コルゲートフィンの高さ方向に互いに平行に複数形成してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
このように構成することにより、ルーバーの端面が空気の流れに対して平行のため着霜し難くすることができる。また、ルーバーが着霜しても通風を確保することができる。
この発明において、上記ルーバーは、上記コルゲートフィンの高さ方向に千鳥状に配列されているのが好ましい(請求項2)。
このように構成することにより、ルーバーの長さを短くすることができるので、空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができ、熱交換性能を向上させることができる。
加えて、この発明において、上記コルゲートフィンは、風上側の位置に形成される複数の上記ルーバーからなる風上側ルーバー群と、風下側の位置に形成される複数の上記ルーバーからなる風下側ルーバー群とを適宜間隔をおいて形成してなるのが好ましい(請求項3)。
このように構成することにより、風上側に位置する風上側ルーバー群と、風下側に位置する風下側ルーバー群とを適宜間隔をおいて形成することで、更に乱流効果等を高めることができ、熱交換性能の向上が図れる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明によれば、ルーバーの端面が空気の流れに対して平行のため着霜し難くすることができ、また、ルーバーが着霜しても通風を確保することができるので、ルーバーの着霜を遅延させることができ、着霜が起因する風量及び熱交換性能の低下を抑制することができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、ルーバーの長さを短くすることで、空気の流れを乱流化し、温度境界層を小さくすることができるので、上記(1)に加えて、更に熱交換性能の向上を図ることができる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、風上側に位置する風上側ルーバー群と、風下側に位置する風下側ルーバー群とを適宜間隔をおいて形成することで、更に乱流効果等を高めることができるので、上記(1),(2)に加えて、更に熱交換性能の向上を図ることができる。
この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器の第1実施形態を示す概略正面図である。 図1のI部拡大正面図である。 この発明における凝縮水の排水状態を示す要部拡大断面図である。 この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器の第1実施形態の一部を断面で示す斜視図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第1実施形態を示す要部斜視図である。 上記第1実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。 この発明におけるコルゲートフィンの第2実施形態を示す要部斜視図である。 上記第2実施形態のコルゲートフィンにおける空気の流れを示す概略側面図である。
以下に、この発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る熱交換器を蒸発器に適用した場合について説明する。なお、添付図面はこの発明の構造を判りやすくするために概略的に図示したもので、各部の寸法比率は図面に図示したものに限定されるものではない。
<第1実施形態>
この発明に係るコルゲートフィン式熱交換器1は、図1に示すように、それぞれアルミニウム(アルミニウム合金を含む)製の左右に対峙する一対のヘッダーパイプ2a,2bと、これらヘッダーパイプ2a,2b間に互いに平行に水平方向に接続(連結)される複数の扁平チューブ3と、扁平チューブ3間に接合され、隣接する山部4aと谷部4b間に通風路4cを有するコルゲートフィン4と、をろう付けによって接合してなる。
なお、扁平チューブ3には複数に区画された熱媒体流路3aが形成されている。また、上下端のコルゲートフィン4の上部外方側及び下部開放側には、それぞれアルミニウム製のサイドプレート7がろう付けされている。また、ヘッダーパイプ2a,2bの上下開口端にはアルミニウム製のエンドキャップ8がろう付けされている。
上記のように構成される熱交換器1において、扁平チューブ3の幅方向の端部外面には、排水機構10が設けられている。排水機構10は、図1ないし図4に示すように、扁平チューブ3の幅方向の端部外面に、該扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部12を有する少なくとも一部がコルゲートフィン4の側端部の内側に位置する流水路13が扁平チューブ3の長手方向に沿って等ピッチに設けられた構造となっている。
この場合、扁平チューブ3は、幅方向の側端部に、扁平チューブ3の長手方向に沿って薄肉の鍔部(図示せず)が延設されるアルミニウム製押出形材にて形成され、鍔部に等間隔の切込みを介して傾斜状に切り起こされる等ピッチの切起し片11によって、扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水を誘引する流水路13が形成される。
一方、コルゲートフィン4は、薄板を所定の高さになるように山−谷折りを交互に繰り返して、隣接する逆U字状の山部4aとU字状の谷部4b間に通風路4cが形成されており、熱交換器1の正面視では、略U字形状の連続波形に形成されている。
また、コルゲートフィン4は、図4ないし図6に示すように、コルゲートフィン4の高さ方向に互いに平行の複数のルーバー6が形成されている。この場合、ルーバー6は、隣接する通風路4cを連通する横スリット5を隣接する山部4a及び谷部4bの通風路4c側に切り起こして形成され、コルゲートフィン4の高さ方向に互いに平行に複数形成されている。
また、コルゲートフィン4は、風上側の位置に形成される複数のルーバー6からなる風上側ルーバー群6Xと、風下側の位置に形成される複数のルーバー6からなる風下側ルーバー群6Yとを適宜間隔をおいて形成してなる。
上記のように形成されるルーバー6によって、コルゲートフィン4に付着した水(凝縮水、結露水)の谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間への流れを円滑にすることができる。
このように、ルーバー6を設けることにより、熱交換性能の向上が図れる、すなわち、通風路4cに所定角度に形成された所定数のルーバー6を設けることで、乱流効果等により熱伝達性能の向上が図れる。
また、ルーバー6の端面が空気の流れに対して平行のため着霜し難くすることができる。また、ルーバー6が着霜しても通風を確保することができる。
上記のように構成される熱交換器1の排水メカニズムは、図3に示すように、U字形状(谷折り)フィン表面に付着した水(凝縮水、結露水)は、下段への水路がないため、コルゲートフィン4の幅方向に互いに平行に設けられた複数の横スリット5を切り起こして形成されたルーバー6を介して隣の逆U字形状(山折り)部に移動し、逆U字形状部すなわちコルゲートフィン4の谷頂点間に集まった水(凝縮水、結露水)は、下方の開口部から、扁平チューブ3に形成された流水路13を形成する切起し片11のエッジ部12と接触することで、流れ落ちる起点となり、流水路13内に誘引される。このようにして、順次下方側のコルゲートフィン4に流れ込むといったメカニズムをスムーズに繰り返すことにより、排水が促進される。
この排水メカニズムにおいて、扁平チューブ3に形成される流水路13のピッチがコルゲートフィン4のピッチ(山頂点−谷頂点寸法)の4倍以上になると、コルゲートフィン4の保水力に対し、上下に連続する排水路が少なくなるため、排水スピードが極端に遅くなり、実用上有効な排水効果が得られなくなる。そのため、図2に示すように、流水路13すなわち切起し片11のピッチP1はコルゲートフィン4のピッチP(山頂点−谷頂点寸法)の4倍以下が好ましい。これにより、コルゲートフィン4の谷頂点間に少なくとも1つの切起し片11が位置するので、排水性の向上が図れる。
<第2実施形態>
第2実施形態のコルゲートフィン4Aは、図7及び図8に示すように、コルゲートフィン4Aの高さ方向に千鳥状に配列される複数のルーバー6aが形成されている。この場合、ルーバー6aは、第1実施形態におけるルーバー6の長さの略1/2であって、隣接する通風路4cを連通する横スリット5aを隣接する山部4a及び谷部4bの通風路4c側に切り起こして形成され、コルゲートフィン4Aの高さ方向に互いに平行にかつ千鳥状に配列されている。
また、コルゲートフィン4Aは、風上側の位置に形成される複数のルーバー6aからなる風上側ルーバー群6Xと、風下側の位置に形成される複数のルーバー6aからなる風下側ルーバー群6Yとを適宜間隔をおいて形成してなる。
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
第2実施形態によれば、千鳥状に配列されたルーバー6aによって、コルゲートフィン4Aに付着した水(凝縮水、結露水)の谷部4bから山部4aすなわち谷頂点間への流れを円滑にすることができる。
また、ルーバー6aの長さを短くすることで、乱流効果等により熱伝達性能の向上が図れと共に、ルーバー6aの着霜をし難くすることができる。しかも、ルーバー6aの端面が空気の流れに対して平行のため、ルーバー6aが着霜しても通風を確保することができる。
<その他の実施形態>
(1)上記実施形態では、コルゲートフィン4,4AがU字状の山−谷折りを交互に繰り返した略U字形状の連続波形状に形成されているが、V字状の山−谷折りを交互に繰り返した略V字形状の連続波形状に形成されるコルゲートフィンであってもよい。
(2)上記実施形態では、排水機構10を構成する流水路13は、扁平チューブ3の上下側に隣接するコルゲートフィン4の谷頂点間に保水される水と接触して誘引するエッジ部12を有する場合について説明したが、排水機構は必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、流水路を、扁平チューブの幅方向の端部に上下に渡って傾斜状又は鉛直状に切り欠かれた溝部にて形成した排水機構であってもよい。
1 熱交換器
2a,2b ヘッダーパイプ
3 扁平チューブ
4,4A コルゲートフィン
4a 山部
4b 谷部
4c 通風路
5,5a 横スリット
6,6a ルーバー
6X 風上側ルーバー群
6Y 風下側ルーバー群
10 排水機構

Claims (3)

  1. 左右に対峙する一対のヘッダーパイプと、上記両ヘッダーパイプに接続される互いに平行な複数の扁平チューブと、上記扁平チューブ間に接合され、隣接する山部と谷部間に通風路を有するコルゲートフィンと、を具備するコルゲートフィン式熱交換器であって、
    上記コルゲートフィンは、隣接する上記通風路を連通する横スリットを切り起こして形成されるルーバーを、コルゲートフィンの高さ方向に互いに平行に複数形成してなる、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  2. 請求項1に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記ルーバーは、上記コルゲートフィンの高さ方向に千鳥状に配列されている、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
  3. 請求項1又は2に記載のコルゲートフィン式熱交換器において、
    上記コルゲートフィンは、風上側の位置に形成される複数の上記ルーバーからなる風上側ルーバー群と、風下側の位置に形成される複数の上記ルーバーからなる風下側ルーバー群とを適宜間隔をおいて形成してなる、ことを特徴とするコルゲートフィン式熱交換器。
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