JP2019045011A - 水管壁モジュール、及びボイラの製造方法 - Google Patents
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Description
ボイラ水管は、水管壁が四角柱状にモジュール化された状態で輸送用フレームに荷造りされ、作業現場へ輸送される。作業現場へ輸送された複数の水管壁モジュールは、作業現場で結合される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、支持台の側板がボイラ水管でなくフィンに溶接されていることによって、ボイラ水管の性能に影響を与えることなく、支持台及び支持棒を取り付けることができる。
また、支持台の側板が、両端の二点で溶接されていることによって、支持台を強固に取り付けることができるのみならず、フィンへの溶接時の熱を分散できるので、ボイラ水管への熱影響を低減し、結果的にボイラ水管の性能に影響を与えることがない。
また、支持棒は、現場で水管壁を組み立てる際に、足場の支持材として使用することができる。即ち、現場で足場を組む作業を容易とすることができる。
また、ボイラを運転する際には、側板を水管壁本体側に残置したまま支持棒が取り外されるが、ボイラ水管の点検または補修の際は、支持台の側板を利用して支持棒を再溶接することができる。
また、支持棒の長さは対向する水管壁に配置された一対の支持台の台板に届く長さであれば足り、必ずしも一対の支持台の側板間の長さである必要はないことから、使用可能な支持材の長さに幅を持たせることができる。
また、支持棒は、現場で水管壁を組み立てる際に、足場の支持材として直ちに使用することができる。即ち、現場で足場を組む作業を容易とすることができる。
本実施形態の水管壁モジュールは、例えば、ストーカ型焼却炉を構成するボイラに使用される水管壁をモジュール化したものである。ボイラは、複数の水管壁モジュールを結合することによって製造される。
図2に示すように、支持棒6は、現場で水管壁モジュール1を組み立てる際の板状の足場18を下方から支持する断面形状が円形の部材である。支持棒6は、後述のように、水管壁モジュール1の輸送の際には、水管壁モジュールの変形を防止する補強用部材として使用する部材でもあるので、輸送時の補強用部材としての機能とボイラ組立時の足場の支持材としての機能を兼用する。本実施形態の水管壁モジュール1は、4段の足場18を有している。各々の足場18は、2本の支持棒6によって支持されている。
フィン8は平板状をなしている。フィン8は、複数のボイラ水管7の軸線Aを含む平面と、同一平面上に配置されている。
側板10は、一のフィン8に溶接されている板状の第一部11と、一のフィン8と隣り合う他のフィン8に溶接されている板状の第二部12と、第一部11と第二部12とを接続する板状の第三部13と、を有している。
側板10とボイラ水管7との間には、隙間が形成されている。即ち、側板10とボイラ水管7とは、接触しておらず、側板10はボイラ水管7の一部を覆うように配置されている。側板10とボイラ水管7が接触していないので、フィン8へ側板10を溶接する際に、溶接の熱がボイラ水管7に影響を与えることを回避できる。また、側板10を含む支持台9と支持棒6は、現場ではなく工場で溶接されるため、工場での出荷検査を合格したもの、すなわちこの時点でボイラ水管7の性能に問題ない水管壁モジュール1のみが現地に運ばれることになる。さらに、本実施形態の水管壁モジュール1では、特許文献3に開示されている足場用の支持材を取り付けるための開口部を形成する必要がないので、当該開口部を形成するためにボイラ水管を曲げる必要がなく、当該開口部の耐火材を取り外す特別の機構も不要なことから、耐火材が当該特別の機構の周囲で薄く形成されることもない。その上、後述のように、ボイラ完成後にボイラの点検や補修等のメンテナンス作業を行う際には、支持棒6を現場で支持台9に再度溶接するが、ボイラ水管7の一部を覆ってボイラ水管7の両側のフィンに溶接された側板10があることによって、支持棒6の再溶接時の熱を分散できるので、ボイラ水管への熱影響を低減することができる。
すなわち、本実施形態の水管壁モジュール1では、ボイラの性能に影響を及ぼすことなく、輸送時の補強用部材とボイラ組立時の足場の支持材を兼用して使用される支持棒6が溶接により取り付けられていることになる。
一対の補助板16により、断面形状が円形の支持棒6も容易に台板14に溶接することができる。なお、支持棒6の断面形状が四角形の場合、すなわち支持棒6が角柱の場合は、補助板16を設ける必要はない。
なお、上記実施形態の水管壁モジュールと同じ効果については、説明を省略する。
ボイラの製造方法は、現場に水管壁モジュール1を輸送する輸送工程と、輸送工程の後に、現場で水管壁モジュール1を組み立てる組立工程と、組立工程の後に、支持棒6を切り離す切断工程と、切断工程の後であってボイラ水管7の点検、又は補修の際に支持棒6を支持台9に溶接する再溶接工程と、を有している。
また、支持棒6を切り離す際に、側板10を残置しておくことによって、ボイラ水管7の点検または補修の際に、側板10を再利用して、支持棒6を再度溶接することができる。側板10が残置されるので、側板10の残っているボイラ水管7の熱交換の効率は低減するが、支持台9が配置される箇所の総面積は、ボイラ全体として見れば無視できる程度のものであるため、完成後のボイラ性能に影響を与えないといえる。
また、支持台9の側板10が、フィン8にあらかじめ工場で溶接され、切断工程でも残置されることから、支持棒6を支持台9に溶接して再度取り付ける際に、ボイラ水管7に溶接熱の影響を与えることがない。
なお、上記実施形態では、支持棒6を台板14に載置して、一対の補助板16に溶接する構成としたがこれに限ることはなく、一対の補助板16を設けることなく、台板14に直接溶接してもよい。また、台板14、及びリブ15を設けることなく、側板10の第三部13に直接溶接してもよい。
また、側板10は、一のフィン8と当該一のフィン8と隣り合うフィン8とに溶接される構成としたが、側板10を、一のフィン8と当該一のフィン8の二つ隣り、又は二つ以上隣のフィン8とに溶接してもよい。
また、支持棒6の断面形状は円形や四角形に限らず多角形であってもよい。また、支持棒6として、内部が空洞の角パイプを採用してもよい。
2 水管壁モジュール本体
3 水管壁
4 輸送フレーム
5 型鋼部
6 支持棒
7 ボイラ水管
8 フィン
9 支持台
10 側板
11 第一部
12 第二部
13 第三部
14 台板
15 リブ
16 補助板
18 足場
19 通過部
A 軸線
Da 軸線方向
H 水平方向
Claims (5)
- 一方向に延在する複数のボイラ水管と、隣り合う前記ボイラ水管同士を前記一方向にわたって接続するフィンとを有する水管壁を四角柱状に組んだ水管壁本体と、
一方の端部が一の前記フィンに溶接され、他方の端部が他の前記フィンに溶接されて、前記ボイラ水管の一部を覆う側板を有し、互いに対向する前記水管壁にそれぞれ対となるよう配置された支持台と、
両端が一対の前記支持台に溶接された支持棒と、を有することを特徴とする水管壁モジュール。 - 前記支持台は、
前記側板に接続され、主面が前記ボイラ水管の軸線と直交するように配置された平板状の台板と、
前記台板の一面と前記側板とに接続されたリブと、をさらに備え、
前記支持棒は、前記台板の一面とは反対の面である他面、または、前記側板に溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の水管壁モジュール。 - 前記支持棒の断面形状は円形であり、
前記台板の他面には、前記支持棒の下面と前記台板の他面との間に挟まれる一対の補助板が設けられ、
前記支持棒は、前記一対の補助板に溶接されていることを特徴とする請求項2に記載の水管壁モジュール。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水管壁モジュールを用いるボイラの製造方法であって、
前記支持棒が鉛直方向に沿う状態で前記水管壁モジュールを輸送する輸送工程と、
前記輸送工程の後に、複数の前記水管壁モジュールを組み立てる組立工程と、を有し、
前記組立工程にて、前記支持棒を足場の支持材として使用することを特徴とするボイラの製造方法。 - 前記組立工程の後に、前記側板を残置したまま、前記支持棒を前記一対の支持台から切り離す切断工程と、
前記切断工程の後であって、前記ボイラ水管の点検または補修の際に、前記支持棒の両端を前記2つの支持台に溶接する再溶接工程と、をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のボイラの製造方法。
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