JP2019044402A - 免震装置及びこれを備えた免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の下部において地震力を減衰させ、建築物への影響を限りなく無くすことができる免震装置を提供する。【解決手段】建物に固定された土台3と建物の基礎4との間に設置される免震装置であって、土台3に取り付けられた滑り支承固定部材と、滑り支承固定部材に取り付けられた滑り支承6と、滑り支承6を支持するための支承滑動台7と、支承滑動台7を支持するために基礎4に設置された装置固定盤と、支承滑動台7と装置固定盤との間に介在された衝撃緩衝部材8と、を備え、滑り支承6の接触面には複数の第1接触突条部が設けられ、支承滑動台7の接触面には複数の第2接触突条部が設けられ、滑り支承6側の複数の第1接触突条部が支承滑動台7側の複数の第2接触突条部に接触支持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、建物と基礎の間に設置し、地震発生時の建物の竪揺れと横揺れを緩衝し、建物を元の位置に戻すようにするための免震装置及びこれを用いた免震構造に関するものである。
日本の木造建築物における木造建築技術は、比類なき卓越したものと認識している。しかしながら、木造建築物は、それ以外の建築構造物に比べ耐震性に劣っている。従って、その耐震性を充分なものにするために、従来の木造建築技術よりも補強金具やその他の新しい材料に耐震性能を負わせているのが現状にあり(例えば、非特許文献1〜3参照)、このような耐震技術は、建物が潰れないことに力点がおかれている。
増田一眞著「激震に生き残る伝統木構造の家」 小野徹郎他4名著「実伝統木造社寺建築の水平加力実験及び復元力特性(伝統木造社寺建築の耐震性能評価その1)」 中治弘行他4名著「東三河伝統構法民家の耐震性能評価のための性的切り返し加力実験」
日本の木造建築物の特徴は、木材の長所である軽量で加工性が良く、加工された継ぎ手や交差する部材の仕口部が、応力に対してしなやかに対応し復元するところにある。この特性を活かし、本来の木造建築技術を復活、興隆させなければならならず、このような要望を満たすために新しい免震装置及びこれを用いた免震構造の実現が望まれている。
本発明の目的は、建物の下部において地震力を減衰させ、建築物への影響を限りなく無くすことができる免震装置及びこれを用いた免震構造を提供することである。
本発明の請求項1に記載の免震装置は、建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置される免震装置において、
前記土台に取り付けられた滑り支承と、前記滑り支承を支持するための支承滑動台と、前記支承滑動台を支持するために前記基礎に設置された装置固定盤と、前記支承活動台と前記装置固定盤との間に介在された衝撃緩衝部材と、を備え、
前記滑り支承の接触面には複数の第1接触突条部が設けられ、前記支承滑動台の接触面には複数の第2接触突条部が設けられ、前記滑り支承側の前記複数の第1接触突条部が前記支承滑動台側の前記複数の第2接触突条部に接触支持されており、
地震の際の竪揺れに対しては、前記衝撃緩衝部材が上下方向に弾性変形して竪揺れを緩衝し、地震の際の横揺れに対しては、前記滑り支承が前記支承滑動台に対して相対的に移動して横揺れを緩衝することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の免震装置では、前記滑り支承側の前記複数の第1接触突条部における先端部の断面形状は円弧状であり、前記支承滑動台側の前記複数の第2接触突条部における先端部の断面形状は円弧状であり、前記複数の第1接触突条部が前記複数の第2接触突条部に点接触状態で支持されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の免震装置は、建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置される免震装置において、
前記土台に取り付けられた滑り支承と、前記滑り支承を支持するための支承滑動台と、前記支承滑動台を支持するために前記基礎に設置された装置固定盤と、前記支承活動台と前記装置固定盤との間に介在された衝撃緩衝部材と、を備え、
前記滑り支承の下面は、平坦な接触面として構成され、前記支承滑動台の上面には多数の接触支持ボールが任意の方向に回転自在に装着され、前記滑り支承側の前記接触面が前記支承滑動台側の前記複数の接触支持ボールに接触支持されており、
地震の際の竪揺れに対しては、前記衝撃緩衝部材が上下方向に弾性変形して竪揺れを緩衝し、地震の際の横揺れに対しては、前記滑り支承が前記支承滑動台に対して相対的に移動して横揺れを緩衝することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の免震装置では、前記装置固定盤には、一対の立上り部により取付け凹部が規定され、また前記支承滑動台には一対の移動規制部が設けられ、前記支承滑動台は、前記一対の移動規制部が前記装置固定盤の前記取付け凹部を跨ぐように前記装置固定盤の前記取付け凹部に取り付けられ、前記支承滑動台の所定方向の往復移動は、前記一対の移動規制部が前記装置固定盤及び/又は前記基礎に当接することによって拘束され、前記支承滑動台の前記所定方向に対して垂直な方向の往復移動は、前記支承滑動台が前記装置固定盤の前記一対の立上り部に当接することによって拘束されることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の免震構造は、建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置されて地震の際の動きを制御するための免震構造において、
請求項1〜3のいずれかに記載の免震装置と、地震の際の全方向の動きを制御するための補助装置とを含み、前記免震装置は前記土台の隅角部に配設され、前記補助装置は隣接する前記免震装置の間に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の免震構造では、前記補助装置は、前記土台と前記基礎との間に設置された伸縮体を備え、前記伸縮体は、前記土台に取り付けられた上部固定部材、前記基礎に取り付けられた下部固定部材及び前記上部固定部材と前記下部固定部材との間に介在された自在伸縮部材を含んでいることを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載の免震構造では、前記補助装置は、前記土台と前記基礎との間に相互に対向して設置された第1及び第2伸縮体から構成され、前記第1伸縮体は、第1上部固定部材、第1下部固定部材及び第1自在伸縮コイルを含み、前記第1自在伸縮コイルの両端部が所定方向に延び、前記第2伸縮体は、第2上部固定部材、第2下部固定部材及び第2自在伸縮コイルを含み、前記第2自在伸縮コイルの両端部が所定方向と反対方向に延びていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の免震装置によれば、建物を固定した土台に設置した装置(以下、「上部装置」という)と建物の基礎に設置した装置(以下、「下部装置」という)とは、必要最小限の接触面を有するとともに、上部装置及び下部装置を備えた免震装置が弾性機能を有しているので、地震による震動を緩和、緩衝し、建物への影響を軽減させることができる。上部装置は、土台に取り付けられた滑り支承を備え、下部装置は、滑り支承を支持するための支承滑動台と、基礎に設置された装置固定盤とを備え、この支承滑動台が衝撃緩衝部材を介して装置固定盤に支持されるので、地震の際の縦振動を緩和する縦揺れ緩和機能が発揮される。また、上部装置側の滑り支承の接触面には複数の第1接触突条部が設けられ、下部装置側の支承滑動台の接触面には第2接触突条部が設けられているので、横方向の滑り抵抗を少なくし、地震の横振動を緩和させる横滑り機能が発揮される。
また、本発明の請求項2に記載の免震装置によれば、滑り支承側の複数の第1接触突条部における先端部の断面形状が円弧状であり、また支承滑動台側の複数の第2接触突条部における先端部の断面形状も円弧状であるので、複数の第1接触突条部が複数の第2接触突条部に点接触状態で支持され、これにより、上部装置側の滑り支承と下部装置側の支承滑動台との間の滑り抵抗を少なくすることができる。
また、本発明の請求項3に記載の免震装置によれば、上部装置は、土台に取り付けられた滑り支承を備え、下部装置は、滑り支承を支持するための支承滑動台と、基礎に設置された装置固定盤とを備え、この支承滑動台が衝撃緩衝部材を介して装置固定盤に支持されるので、地震の際の縦振動を緩和する縦揺れ緩和機能が発揮される。また、上部装置側の滑り支承下面は平坦な接触面に構成され、下部装置側の支承滑動台の上面には複数の接触支持ボールが任意の方向に回転自在に装着されているので、複数の接触支持ボールにより横方向の滑り抵抗を少なくし、地震の横振動を緩和させる横滑り機能が発揮される。
また、本発明の請求項4に記載の免震装置によれば、装置固定盤には、一対の立上り部により取付け凹部が規定され、また支承滑動台には一対の移動規制部が設けられ、支承滑動台は、一対の移動規制部が装置固定盤の取付け凹部を跨ぐように装置固定盤の取付け凹部に取り付けられるので、支承滑動台の所定方向の往復移動は、一対の移動規制部が装置固定盤及び/又は基礎に当接することによって拘束され、また支承滑動台の所定方向に対して垂直な方向の往復移動は、支承滑動台が装置固定盤の一対の立上り部に当接することによって拘束され、これにより、装置固定盤に対する支承滑動台の横方向に移動を確実に拘束することができる。
また、本発明の請求項5に記載の免震構造によれば、建物を固定した土台と基礎との間に、請求項1〜4のいずれかに記載の免震装置と、地震の際の全方向の動きを制御するための補助装置が設けられているので、この免震構造に完全な免震機能を持たせることができる。即ち、補助装置は、免震装置(上部装置及び下部装置)を補完するために設けられ、想定外の震動変位を制御する機能を発揮する。尚、この補助装置は、強風や台風等の風圧による建物の移動をも制御する機能も有する。
また、本発明の請求項6に記載の免震構造によれば、建物の土台及び基礎との間に設置された伸縮体を備え、この伸縮体は、土台に取り付けられた上部固定部材と基礎に取り付けられた下部固定部材との間に介在された自在伸縮部材を含んでいるので、この自在伸縮部材の伸縮により震動変位を所要の通りに制御することができる。
更に、本発明の請求項7に記載の免震構造によれば、補助装置は、土台と基礎との間に相互に対向して設置された第1及び第2伸縮体から構成され、第1伸縮体の第1自在伸縮コイルの両端部が所定方向に延び、また第2伸縮体の第2自在伸縮コイルの両端部が所定方向と反対方向に延びているので、これら第1及び第2伸縮体をコンパクトに設置することができる。
建造物に設置した一実施形態の免震構造(免震装置)の配置例を簡略的に示した平面図。 図1の免震構造の一部(免震装置及び補助装置)及びこれに関連する構成を示す平面図。 図3(a)は、図2の免震装置を組み立てた状態で正面から見た縦断面図、図3(b)は、この免震装置を横から見た縦断面図。 図4(a)は、図2の補助装置を組み立てた状態で正面から見た縦断面図、図4(b)は、この補助装置を横から見た縦断面図。 図2の免震装置を分解して示す分解図。 図2の免震装置における滑り支承固定部材を示す図であり、図6(a)はその平面図、図6(b)はその断面図、図6(c)は、その底面図。 図2の免震装置における滑り支承を示す図であり、図7(a)はその平面図、図7(b)はその断面図、図7(c)はその底面図。 図2の免震装置における支承滑動台を示す図であり、図8(a)はその平面図、図8(b)はその断面図、図8(c)はその底面図。 図2の免震装置における衝撃緩衝部材を示す図であり、図9(a)はその平面図、図9(b)はその断面図。 図2の免震装置における装置固定盤を示す図であり、図10(a)はその平面図、図10(b)はその正面から見た断面図、図10(c)はその横から見た断面図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第1の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第2の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第3の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第4の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第5の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第6の変形形態を示す図。 滑り支承側の第1接触突条部及び支承滑動台側の第2接触突条部の組合せパターンの第7の変形形態を示す図。 第1接触突条部及びその周辺を拡大して示す部分拡大断面図。 図2の免震装置における補助装置の第1伸縮体を示す図であり、図19(a)はその平面図、図19(b)はその側面図。 図2の免震装置における補助装置の第2伸縮体を示す図であり、図20(a)はその平面図、図20(b)はその側面図。 図2の免震装置における補助装置を取り付けた状態で示す図であり、図21(a)はその平面図、図21(b)はその正面図。 滑り支承側の下面及び支承滑動台側の上面の構造を示す図。 支承滑動台側の複数の接触支持ボールの配置例を拡大して示す平面図。 支承滑動台の一部の断面を拡大して示す部分拡大断面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に伴う免震装置(及びこれを備えた免震構造)の一実施形態について説明する。図1及び図2において、図示の免震構造は、免震装置1と補助装置2とを備え、免震装置1は、建物の土台3の隅角部に配設され、補助装置2は、隣接する免震装置1の間に1つ又は2つ以上配置される。この免震装置1は、建物の土台3に取り付けられる上部装置11と、建物の基礎4に取り付けられる下部装置12とから構成され(図3参照)、この実施形態では、上部装置11は滑り支承6を備え、下部装置12は、支承滑動台7、衝撃緩衝部材8及び装置固定盤9を備えている(図5参照)。
上部装置11の滑り支承6の接触面には、複数の第1接触突条部601(図7参照)が設けられ、下部装置12の支承滑動台7の接触面には、複数の第2接触突条部703(図8参照)が設けられ、上部装置11(滑り支承6)側の複数の第1接触突条部601と下部装置12(支承滑動台7)側の複数の第2接触突条部703とが相互に接触される。また、この支承滑動台7は、衝撃緩衝部材8を介して装置固定盤9に装着され、この装置固定盤9は建物の基礎5上に固定される。このように構成することにより、支承滑動台7は滑り支承6を支え、その支持面で円滑な動きをし、これらの部材を組み合わせることで簡単な構造の免震装置を構成する。
補助装置2の伸縮体201(第1伸縮体201A、第2伸縮体201B)(図19〜図21参照)は、建物の主軸力を支える柱の下部に位置する滑り支承6に対応して配設され、その滑り支承6を中心におき平面的にX方向、Y方向(図1参照)の所定の箇所に設置され、Z方向(図1及び図2において紙面に対して垂直な方向)に垂直に設置される。この設置様式は、伸縮体201(第1伸縮体201A、第2伸縮体201B)の一端側を建物を固定した土台3に取り付け、その他端側を建物の基礎5に取り付け、土台3と基礎4との間を伸縮体201にて繋ぐことである。
以下、本発明に伴う免震装置(及びこれを備えた免震構造)の一実施形態を更に詳細に説明する。この免震装置(免震構造)の説明にあたって、先ず、地震力を次の三つの名称の定義について説明する。
(a)X方向(図1において左右方向)の地震力:任意の水平方向に発生する地震力(図1参照)
(b)Y方向(図1において上下方向)の地震力:X方向の地震力に対し直角方向に発生する地震力(図1参照)
(c)Z方向(図1において紙面に対して垂直な方向)の地震力:鉛直方向に発生する地震力
図1は、建造物に設置した一実施形態の免震装置1及び補助装置2の配置を示している。図1において、図示の免震装置1は、土台3と、その土台3の下部に配設される基礎4(図2及び図3参照)との間に配置される。補助装置2は、建物の土台3の交差部の周りに設置され、図1において黒点でもって示している。
図3をも参照して、建物の柱脚部を堅固にした土台3の下面に、免震装置1の上部装置11が設置され、また基礎4の所定部位の上面に凹部401が設けられ、基礎4のこの凹部401に免震装置1の下部装置12が設置され、この下部装置12の上面に上部装置11を載せることにより、建物と基礎4とが分離された状態でもって支持され、このような分離状態を維持することにより、地震の際の横揺れや竪揺れの影響を緩和させることができる。
地震による建物の横方向の変位(X方向及びY方向の変位)対策として、正常な位置を確保するための補助装置2が設けられる。上述した箇所に補助装置2を配置することにより、この補助装置2は、後述するように、建物の上述した横方向の変位に対して元の正常な位置に戻す働きをする。
図2は、免震構造の一部、即ち免震装置1(破線囲い)主要部及び補助装置2の縦断面を示している。図2における細い破線は、下部の隠れ部材を示し、太い破線で囲った部分が免震装置1を示している。また、図2において破線円形部分は、下側に設置される補助装置2を示している。
図3は、免震装置1の主要部の縦断面を示し、図3(a)は、土台3に平行な縦断面を示し、図3(b)は、土台3に垂直は縦断面を示している。図3において、建物の基礎4の所定箇所に凹部401が設けられており、この凹部401に装置固定盤9が設置され、その装置固定盤9の上面に衝撃緩衝部材8が設けられ、この衝撃緩衝部材8の上側に更に支承滑動台7が載置され、これら装置固定盤9、衝撃緩衝部材8及び支承活動台7が免震装置1の下部装置12を構成する。また、建物の土台3の下部に滑り支承6が取り付けられ、この滑り支承6が免震装置1の上部装置11を構成している。免震装置1の主要部は、この上部装置11及び下部装置12によって構成され、基礎4に設置された下部装置12の上にこの上部装置11が載置される。この上部装置11と下部装置12の接触面、即ち上部装置11の下面と下部装置12の上面とは、後述するように、少ない接触面積で接触するように構成されている。
また、図4を参照して、図示の補助装置2は、一対の伸縮体201(第1伸縮体201A及び第2伸縮体201B)から構成され、伸縮体201は自在伸縮部材204(第1自在伸縮部材204A、第2自在伸縮部材204B)を備え、それらの上端部側が土台3の下部の所定個所に取り付けられ、それらの下端部側が基礎4の所定個所に取り付けられる。即ち、伸縮体201(第1伸縮体201A、第2伸縮体201B)の自在伸縮部材204(第1自在伸縮部材204A、第2自在伸縮部材204B)の上端部は、上部固定部材202(第1上部固定部材202A、第2上部固定部材202B)により土台3に取り付けられ、その下端部は、下部固定部材203(第1下部固定部材203A、第2下部固定部材203B)により基礎4に取り付けられ、伸縮体201は、自在伸縮部材204、上部固定部材202及び下部固定部材203を含んでいる。尚、図3において破線で囲んでいる部分が免震装置1であり、図4において破線で示している部分が補助装置2である。
図3及び図4は、建物における免震装置1及び補助装置2の主要部の断面を示している。図3及び図4において、土台3は、主土台301及び補強材302を備え、これらがボルト304で補強されている。免震装置1は、例えば、土台3の交差部(即ち、隅角部)の下部と基礎4との間に設置され、この土台3の交差部の周り、(即ち、隣接する交差部の間の部位)における土台3と基礎4との間に補助装置2が設置されている。
免震装置1については、補強された土台3の下面に、図6に示す滑り支承固定部材5及び図7に示す滑り支承6(即ち、上部装置11)が取り付けられ、この形態では、土台3の下面に滑り支承固定部材5が固定され、この滑り支承固定部材5の下面に滑り支承6の折曲部602が嵌合され、固定ねじ6(図示せず)により滑り支承固定部材5に固定される。
また、支承滑動台7、衝撃緩衝部材8及び装置固定盤9は、後述する如く組み立てられて下部装置12を構成し、この下部装置12が基礎4の凹部401(図3(a)参照)に設置される。
免震装置1の下部装置12及び上部装置11は、次の二つの機能を備えている。第1の機能としては、X及びY方向の地震力に対して滑動作用を負わせ、水平方向の力を減衰させるものである。第2の機能としては、Z方向の地震力に対して弾性変形を起し、鉛直方向の力を減衰させるものである。建物の荷重は土台3から免震装置1を通して基礎4に伝達されるが、土台3と基礎4とは完全に絶縁し、上部装置11と下部装置12のみが接触面で接触している状態にある。この上部装置11の接触面と下部装置12との接触面には、複数の接触突条部が設けられ、かかる複数の接触突条部が相互に接触するので、両者の接触面積が小さく、摩擦抵抗を少なくして水平地震力を軽減する働きを担っている。
補助装置2については、図19〜図21においてその詳細を示しているが、この補助装置2は、土台3と基礎4との間に介在されて地震に対し免震装置1の働きを補完する機能を有する。具体的には、補助装置2は、水平方向及び鉛直方向の地震力に対して柔軟に対応し、免震装置1の上部装置11及び下部装置12の接触面が互いに逸脱しないよう抵抗する機能と建物を所定の位置に戻す機能を有する。
図5は、免震装置1を分解して示している。図5において、この免震装置1は、図5に示すように組み合わせて用いられ、その使用形態は、図3において破線1で囲われた部分に示す通りである。免震装置1としての一群は、上部装置11と下部装置12から構成されるが、これらの装置11,12そのものはそれぞれ単体であり、上部装置11は下部装置12の上を地震に任せて全方向に慣性の法則による滑り動作を行う。下部装置12は、上部装置11から建物の荷重を受けて基礎4に伝え、且つ地震の竪揺れに対して衝撃緩衝部材8の作用により建物への衝撃を緩和させる。
上部装置11においては、補強された土台3の下面に滑り支承6が設置されるが、この滑り支承6は、その支承本体部603の下面に複数の接触突条部、即ち第1接触突条部601が設けられ、これら第1接触突条部601の先端部が滑り支承6の接触面として機能し、かかる第1接触突条部601は、建物を滑らせて地震の全方向の動きを軽減緩和する機能を有する。
下部装置においては、基礎4の凹部401(図3参照)に装置固定盤9が固定され、この装置固定盤9の上に衝撃緩衝部材8が載置され、更に衝撃緩衝部材8の上に支承滑動台7が載置される。この支承滑動台7の上面には複数の接触突条部、即ち第2接触突条部703が設けられている。これら第2接触突条部703は、支承滑動台7の接触面として機能し、滑り支承6側の第1接触突条部601を接触支持する。
一般的に、土台3は基礎4上に固定されるが、免震を考える場合は、基礎4とは縁を切る必要がある。このようなことから、建物(土台3)と基礎4との繋がりは、免震装置1及び補助装置2を介して間接的なものとなり、土台3は建物の荷重や地震力による変位に対し抵抗する機能が要求され、この形態では、土台3は、主材としての主土台301に地震対応材302、補強材303(例えば、ボルトから構成される)及びナット304を組み合わせて構成されている(図2〜図4も参照)。
図6は、支承固定部材5を示している。図6(a)は、支承固定部材5の平面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるVI−VI線による断面図であり、図6(c)は、支承固定部材5の底面図である。図示の支承固定部材5は、矩形状の固定本体部501を備え、この固定本体部501の中央部には矩形開口502が設けられているとともに、その外周部には下方に延びる折曲部503が設けられている。この支持固定部材5は、固定用ねじ504により土台3の下面に取り付けられる(図3参照)。
図7は、滑り支承6を示している。図7(a)は、滑り支承6の平面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるVII−VII線による断面図であり、図7(c)は、滑り支6の底面図である。図示の滑り支承6は、矩形状の支承本体部603を備え、この支承本体部603の外周部に上方に延びる折曲部602が設けられている。この形態では、支承固定部材5の折曲部502が滑り支承6の折曲部602の内側に挿入嵌合され、支承固定部材5及び滑り支承6が固定ねじ(図示せず)などにより固定される。尚、上述とは反対に、滑り支承6の折曲部602を支承固定部材5の折曲部502の内側に挿入嵌合するようにしてもよい。
下部装置12との接触面として機能する滑り支承6の下面(支承本体部603の外面)には複数の第1接触突条部601が設けられ、これら第1接触突条部601によって滑り支承6に滑り機能を持たせている。この滑り支承6は、土台3の下部の所定位置に滑り固定部材5を介して設けられ、免震装置1の上部装置11として機能し、建物の荷重は、免震装置1を介して基礎4に伝わり、地震力への対応を容易にする。
図8は、支承滑動台7を示しており、図8(a)は、支承滑動台7の平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIII−VIII線による断面図であり、図8(c)は、支承滑動台7の底面図である。図8において、支承滑動台7は、図8(b)に示す通り、矩形状の滑動台本体部701を備え、この滑動台本体部701の両端部に下方に折曲された一対の折曲部702を有し、一対の折曲部702は、後述するように移動規制部として機能する。この滑動台本体部701の上面には、上部装置11の接触面(複数の第1接触突条部601)と接触する第2接触突条部703が設けられており、かかる第2接触突条部703により、上部装置11の滑り支承6との滑り動作が円滑になる。
また、一対の折曲部702(移動規制部)を有する支承滑動台7は、乗馬の鞍の形をしており、後述する衝撃緩衝部材8、装置固定盤9及び基礎4の一部を抱え込むように取り付けられ(図3参照)、X及びY方向の地震力による移動やZ方向の地震力による脱落を防ぐ機能を持っている。即ち、基礎4を包むように取り付けられるので、基礎4の長手方向の移動については、支承滑動台7の側面が装置固定盤9の一対の立上り部903(後述する)に当接することによってその移動が拘束され、また基礎4の長手方向に対して直角方向については、一対の折曲部702が基礎4の側面及び/又は装置固定盤9に当接することによってその移動が拘束される。
この免震装置1においては、支承滑動台7の上面(滑動台本体部701の上面)が基礎4の上面より高い位置を保ち、且つ支承滑動台7の下面(折曲部702の下面)が基礎4の上面より低い位置に位置するように構成される。このように構成することにより、X及びY方向の水平力(図1参照)の地震力に対して支承滑動台7は基礎4を介し抵抗するようになり、土台3と連動して移動することを防ぎ、免震装置1に課せられた機能の一つを果たす。
この実施形態では、滑り支承6側の複数の第1接触突条部601は、図7(c)に示すように設けられ、また支承滑動台7側の複数の第2接触突条部703は、図8(a)に示すように設けられている。即ち、複数の第1接触突条部601は、滑り支承6の支承本体部603の下面に同心状に設けられ、また複数の第2接触突条部703は、支承滑動台7の滑動台本体部701の上面に放射状に設けられ、このように構成することにより、滑り支承6の接触面(複数の第1接触突条部601)と支承滑動台7の接触面(複数の第2接触突条部703)との接触抵抗を少なくなり、両者間の滑り動作を円滑にすることができる。尚、複数の第1接触突条部601は、例えば、支承本体部603と一体的に設けられ、複数の第2接触突条部703は、例えば、滑動台本体部701と一体的に設けられる。
図9は、衝撃緩衝部材8を示している。図9(a)は、衝撃緩衝部材8の平面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるIX−IX線による断面図である。衝撃緩衝部材8は、例えば、外形が円形状の弾性体801から構成され、この弾性体801の中央部に円形状の装着開口802が設けられる。このような弾性体801は、強力な弾性特性を備えた例えば皿ばねなどから構成され、通常は建物の荷重を支え、且つ、その荷重による弾性変形を起こさない特性を有するが、地震時のZ方向の振動に対して適度な弾性変形を生じ、Z方向の地震力の減衰機能を有する。支承滑動台7は、この衝撃緩衝部材8の上側に載置され、衝撃緩衝部材8は建物の荷重を担い、地震時のZ方向の振動を軽減させ、建物及び基礎4への影響を少なくし、免震装置1における二つ目の機能を担う。この衝撃緩衝部材8は、複数個重ねて用いることもできる。
図10は、装置固定盤9を示し、図10(a)は、装置固定盤9の平面であり、図10(b)は、図10(a)におけるXB−XB線による断面図であり、図10(c)は、図10(a)におけるXC−XC線による断面図である。この装置固定盤9は、矩形状の固定盤本体部901を備え、この固定盤本体部901の上面に前述の衝撃緩衝部材8が載置される。固定盤本体部901の上面には円形状の位置決め突部902が設けられ、衝撃緩衝部材8は、位置決め突部902を被嵌するように装着され、この位置決め突部902によりX及びY方向の移動が拘束される。尚、図10における一点鎖線は、基礎4を示している。
装置固定盤9の固定盤本体部901は、基礎4の凹部401にアンカー材(図示せず)を介して緊結固定される。この固定盤本体部901は、一対の両端部が略Z形の断面形状を施した形態に形成され、このように構成することによって、固定盤本体部901の両端部に立上り部903が設けられ、またこの立上り部903の先端部に外側に延びる外フランジ部904が設けられ、一対の立上り部903間に取付け凹部905が規定される。固定盤本体部901のこの取付け凹部905が基礎4の凹部401に対応し、一対の立上り部903が基礎4の凹部401の一対の垂直部分に合わせ設置固定される(図3参照)。
この装置固定盤9の機能は、建物の荷重や地震力による複合鉛直荷重を担い、基礎4を保護するとともに、免震装置1の下部装置12として前述の支承滑動台7及び衝撃緩衝部材8の所定の位置を確実に確保する。この固定盤本体部901の一対の立上り部903(即ち、Z形の断面形状を施した部分)には、支承滑動台7の滑動台本体部701の側面が常時接触し、水平方向の地震力により衝撃の影響を受け、この立上り部903(即ち、Z形の断面形状面)を介して基礎4の凹部401の一対の垂直部分の上端を保護する。更に、固定盤本体部901の内表面に位置決め突部902が設けられ、この位置決め突部902は、衝撃緩衝部材8の地震の衝撃による移動を防止する。
滑り支承側の複数の第1接触突条部及び支承滑動台側の複数の第2接触突条部は、図11〜図17に示すように構成することができ、これらの形態のものにおいても、上述したと同様に、相互に接触する滑り支承と支承滑動台との間の接触抵抗を小さくすることができる。
図11に示す第1の変形形態では、上述した実施形態とは反対に、滑り支承6Aの支承本体部603Aの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Aは、放射状に設けられ、支承滑動台7Aの滑動台本体部701Aの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Aは、同心状に設けられている。
図12に示す第2の変形形態では、滑り支承6Bの支承本体部603Bの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Bは、同心状に設けられ、支承滑動台7Bの滑動台本体部701Bの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Bは、横方向(例えば、基礎4の長手方向)に平行に設けられている。
図13に示す第3の変形形態では、上述の第2の変形形態とは反対に、滑り支承6Cの支承本体部603Cの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Cは、横方向(例えば、基礎4の長手方向)に平行に設けられ、支承滑動台7Cの滑動台本体部701Cの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Cは、同心状に設けられている。
図14に示す第4の変形形態では、滑り支承6Dの支承本体部603Dの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Dは、横方向(例えば、基礎4の長手方向)に平行に設けられ、支承滑動台7Dの滑動台本体部701Dの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Dは、縦方向(例えば、基礎4の長手方向に垂直な方向)に平行に設けられている。
図15に示す第5の変形形態では、滑り支承6Eの支承本体部603Eの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Eは、上述の第4の変形形態と反対に、縦方向(例えば、基礎4の長手方向に対して垂直な方向)に平行に設けられ、支承滑動台7Eの滑動台本体部701Eの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Eは、横方向(例えば、基礎4の長手方向)に平行に設けられている。
また、図16に示す第6の変形形態では、滑り支承6Fの支承本体部603Fの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Fは、所定方向(例えば、図16において左方)に向けて手前側に傾斜して延びるように平行に設けられ、支承滑動台7Fの滑動台本体部701Fの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Fは、この所定方向に対して反対方向(図16において右方)に向けて手前側に傾斜して延びるように平行に設けられている。
更に、図17に示す第7の変形形態では、上述した第6の変形形態と反対に、滑り支承6Gの支承本体部603Gの下面(接触面)に設けられた複数の第1接触突条部601Gは、所定方向(例えば、図17において左方)に向けて奥側に傾斜して延びるように平行に設けられ、支承滑動台7Gの滑動台本体部701Gの上面(接触面)に設けられた複数の第2接触突条部703Gは、この所定方向に対して反対方向(図17において右方)に向けて奥側に傾斜して延びるように平行に設けられている。
複数の第1接触突条部601(601A〜601G)及び複数の第2接触突条部703(703A〜703G)の先端部は、図18に示すように構成するのが好ましい。図18において、滑り支承6側の支承本体部603の複数の第1接触突条部601(支承滑動台7側の滑動台本体701の第2接触突条部703)の先端部は、長手方向図18において紙面に対して垂直方向)に対して垂直な断面において円弧状であるのが好ましい。このように構成すると、複数の第1接触突条部601と複数の第2接触突条部703との接触状態が点接触状態となり、これにより、滑り支承6と支承滑動台との接触抵抗を小さくすることができる。
次に、図19〜図21を参照して、補助装置2について説明する。図19は、補助装置2の第1伸縮体201Aを示し、図20は、補助装置2の第2伸縮体201Bをを示し、図21は、補助装置2の全体を示し、図21(a)は、その平面図であり、図21(b)は、その正面図であり、その使用形態は、図4において矢印の2の破線で囲われた部分に示すように組み合わせて用いられる。
図19〜図21において、第1伸縮体201A及び第2伸縮体201Bは、線対称の構成であり、図21において左右の方向を違えて配置する構成である。この第1伸縮体201A(第2伸縮体201B)は、自在伸縮部材としての第1自在伸縮コイル204A(第2自在伸縮コイル204B)と、この第1自在伸縮コイル204A(第2自在伸縮コイル204B)の一端部(上端部)を固定するための第1上部固定部材202A(第2上部固定部材202B)及びその他端部(下端部)を固定するための第1下部固定部材203A(第2下部固定部材203B)とを含み、第1自在伸縮コイル204A(第2自在伸縮コイル204B)は、例えば、強力なコイルばねなどから構成される。
この補助装置2においては、第1自在伸縮コイル204Aの両端部(上端部及び下端部)は、所定方向(基礎4に平行な方向において片側であって、図21(a)及び(b)において左側)に延び、その一端部(上端部)が第1上部固定部材202Aにより建物の土台3に固定され、その他端部(下端部)が第1下部固定部材203Aにより建物の基礎4に固定される。また、第1自在伸縮コイル204Bの両端部(上端部及び下端部)は、所定方向と反対方向(基礎4に平行な方向において他側であって、図21(a)及び(b)において右側)に延び、その一端部(上端部)が第2上部固定部材202Bにより建物の土台3に固定され、その他端部(下端部)が第2下部固定部材203Bにより建物の基礎4に固定される。尚、第1及び第2上部固定部材202A,202B並びに第1及び第2下部固定部材203A,203Bは、例えば、固定用ボルト及び固定用ナットを含む形態のものから構成される。
この補助装置2の第1及び第2上部固定部材202A,202Bは、第1及び第2自在伸縮コイル204A,204Bと建物の土台3とを連結し、その第1及び第2下部固定部材203A,203Bは、第1及び第2自在伸縮コイル204A,204Bと建物の基礎4とを連結し、水平地震力及び垂直地震力に対して第1及び第2自在伸縮コイル204A,204B(自在伸縮部材)の性能を確実に発揮させるよう堅固に固定する。この補助装置2は、免震装置1を補完する機能を発揮し、上述の免震装置1にこの補助装置2を組み合わせて用いることにより完全な免震構造を提供することができる。
以上、本発明に従う免震装置及びこれを備えた免震構造の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定することなく、種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、滑り支承6(6A〜6G)の下面(接触面)に第1接触突条部601(601A〜601G)を設け、支承滑り台7(7A〜7G)の上面(接触面)に第2接触突条部703(703A〜703G)を設けているが、このような構成に代えて、図22〜図24に示すように構成することでもできる。
図22〜図24において、この変形形態では、滑り支承6Hの支承本体部603Hの下面は平坦状に形成され、この平坦下面が接触面として機能する。また、支承滑り台7Hの滑動台本体部701Hの上面(滑り支承6Hの接触面と対向する面)には、複数の接触支持ボール704が任意の方向に回動自在に装着され、これらの接触支持ボール704に規定される面(滑り支承6Hの接触面と接触する面)が接触面として機能する(図24参照)。
この形態では、滑動台本体部701Hの上面には多数の収容凹部705が設けられ、これら収容凹部705の開口部は円錐テーパに拡がり、かかる円錐テーパ状の開口部に接触支持ボール704が任意の方向に回動自在に支持され、これら接触支持ボール704の上部は滑動台本体部701Hの上面から上方に突出し、それらの突出上部が滑り支承6Hの下面(接触面)を支持する。
これら複数の収容凹部705(即ち、この収容凹部705に収容される接触支持ボール704)は、例えば、図23に示すように配置するのが好ましい。即ち、滑動台本体部701Hの片側上部域(図23において右上域)においては、片側上方(即ち、図23において右上方)に向けて延びるように配置し、滑動台本体部701Hの片側下部域(図23において右下域)においては、片側下方(即ち、図23において右下方)に向けて延びるように配置し、また滑動台本体部701Hの他側上部域(図23において左上域)においては、他側上方(即ち、図23において左上方)に向けて延びるように配置し、滑動台本体部701Hの他側下部域(図23において左下域)においては、他側下方(即ち、図23において左下方)に向けて延びるように配置するのが好ましいが、その他の適宜の形態に配置することができる。尚、図22(b)では、その片側(右側)は、接触支持ボール704を省略した状態で示し、その他側(左側)は、接触支持ボール704を装着した状態で示す。
この実施形態では、接触支持ボール704を収容する収容凹部705を凹状に設けているが、この収容凹部705を滑動台本体部701Hを貫通するように設けることもできる。
木造建築物の建築において従来技術を踏襲されなければならない。日本建築の従来技術の基本を変えて用いる免震装置でないため普遍性のある免震構造として定着するであろう。旧来の日本家屋はもとより社寺仏閣における伝統建築物にも広く応用されるだろう。
1 免震装置
2 補助装置
3 土台
4 基礎
5 滑り支承固定部材
6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,6H 滑り支承
7,7A,7B,7C,7D,7E,7F,7G,7H 支承滑動台
8 衝撃緩衝部材
9 装置固定盤
11 上部装置
12 下部装置
601,601A,601B,601C,601D,601E,601F,601G,601H 第1接触突条部
703,703A,703B,703C,703D,703E,703F,703G,703H 第2接触突条部
201A,201B 伸縮体
204A,204B 自在伸縮コイル
801 弾性体





















Claims (7)

  1. 建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置される免震装置において、
    前記土台に取り付けられた滑り支承と、前記滑り支承を支持するための支承滑動台と、前記支承滑動台を支持するために前記基礎に設置された装置固定盤と、前記支承活動台と前記装置固定盤との間に介在された衝撃緩衝部材と、を備え、
    前記滑り支承の接触面には複数の第1接触突条部が設けられ、前記支承滑動台の接触面には複数の第2接触突条部が設けられ、前記滑り支承側の前記複数の第1接触突条部が前記支承滑動台側の前記複数の第2接触突条部に接触支持されており、
    地震の際の竪揺れに対しては、前記衝撃緩衝部材が上下方向に弾性変形して竪揺れを緩衝し、地震の際の横揺れに対しては、前記滑り支承が前記支承滑動台に対して相対的に移動して横揺れを緩衝することを特徴とする免震装置。
  2. 前記滑り支承側の前記複数の第1接触突条部における先端部の断面形状は円弧状であり、前記支承滑動台側の前記複数の第2接触突条部における先端部の断面形状は円弧状であり、前記複数の第1接触突条部が前記複数の第2接触突条部に点接触状態で支持されることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置される免震装置において、
    前記土台に取り付けられた滑り支承と、前記滑り支承を支持するための支承滑動台と、前記支承滑動台を支持するために前記基礎に設置された装置固定盤と、前記支承活動台と前記装置固定盤との間に介在された衝撃緩衝部材と、を備え、
    前記滑り支承の下面は、平坦な接触面として構成され、前記支承滑動台の上面には多数の接触支持ボールが任意の方向に回転自在に装着され、前記滑り支承側の前記接触面が前記支承滑動台側の前記複数の接触支持ボールに接触支持されており、
    地震の際の竪揺れに対しては、前記衝撃緩衝部材が上下方向に弾性変形して竪揺れを緩衝し、地震の際の横揺れに対しては、前記滑り支承が前記支承滑動台に対して相対的に移動して横揺れを緩衝することを特徴とする免震装置。
  4. 前記装置固定盤には、一対の立上り部により取付け凹部が規定され、また前記支承滑動台には一対の移動規制部が設けられ、前記支承滑動台は、前記一対の移動規制部が前記装置固定盤の前記取付け凹部を跨ぐように前記装置固定盤の前記取付け凹部に取り付けられ、前記支承滑動台の所定方向の往復移動は、前記一対の移動規制部が前記装置固定盤及び/又は前記基礎に当接することによって拘束され、前記支承滑動台の前記所定方向に対して垂直な方向の往復移動は、前記支承滑動台が前記装置固定盤の前記一対の立上り部に当接することによって拘束されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の免震装置。
  5. 建物に固定された土台と建物の基礎との間に設置されて地震の際の動きを制御するための免震構造において、
    請求項1〜4のいずれかに記載の免震装置と、地震の際の全方向の動きを制御するための補助装置とを含み、前記免震装置は前記土台の隅角部に配設され、前記補助装置は隣接する前記免震装置の間に配設されていることを特徴とする免震構造。
  6. 前記補助装置は、前記土台と前記基礎との間に設置された伸縮体を備え、前記伸縮体は、前記土台に取り付けられた上部固定部材、前記基礎に取り付けられた下部固定部材及び前記上部固定部材と前記下部固定部材との間に介在された自在伸縮部材を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の免震構造。
  7. 前記補助装置は、前記土台と前記基礎との間に相互に対向して設置された第1及び第2伸縮体から構成され、前記第1伸縮体は、第1上部固定部材、第1下部固定部材及び第1自在伸縮コイルを含み、前記第1自在伸縮コイルの両端部が所定方向に延び、前記第2伸縮体は、第2上部固定部材、第2下部固定部材及び第2自在伸縮コイルを含み、前記第2自在伸縮コイルの両端部から所定方向と反対方向に延びていることを特徴とする請求項6に記載の免震構造。



















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