JP3909011B2 - 建物の減震システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震などによる建物の揺れを減衰させながら建物を元の位置に復帰させるための建物の減震システムに関し、特に戸建住宅のような一般小規模建物に適した減震システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の免震装置としては、たとえば図14に示すように、戸建住宅用柱などの構造体P側の受台41と基礎Q側の受台42との上下対向面のうちの少なくとも一方の面がサイクロイド曲線面41a,42aに形成され、これら対向するサイクロイド曲線面41a,42a間に鋼鉄製球体43を挟み込み介在させて構造体P側の受台41を球体43を介して基礎Q側の受台42に対して水平方向に滑りもしくは転がり移動可能に支承させているとともに、両受台41,42間に、減衰要素44と、構造体P側の受台41を滑りもしくは転がり移動範囲の中立位置に復元するための復元要素45とを設けたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、その他の従来技術として、図15に示すように、柱50の真下の土台51と基礎52との間に免震復元器53を設置するとともに、土台51と基礎52とを屈曲自在な連結材54で結束した通気式免震復元装置がある(特許文献2参照)。免震復元器53は、上部取付板53aと下部取付板53bとの間に転がり球53cを設け、この転がり球53cの外周部に転動可能な空間53dをあけて筒状の復元用ゴム材53eを設けたものであり、さらに転動可能な空間53dのほぼ中央部に転がり球53cが位置するようにスポンジ材53fを設けてある。
この通気式免震復元装置では、免震復元器53が支承の役割と減衰ダンパーの役割を兼ねている。つまり、転がり球53cが鉛直荷重を負担するとともに、図16に示すように地震時に土台51と基礎52が水平方向にずれたときには、転がり球53cが転動可能な空間53dを転がり、復元用ゴム材53eが揺れを減衰させながら土台51と基礎52を元の位置に復元する。なお、連結材54は、基礎52に対する土台51の飛び上りを防ぐためのものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−315886号公報
([0010]−[0017],図1−図3)
【特許文献2】
特開2000−110403号公報
([0004]−[0040],図1−図38)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された免震装置では、受台41,42にサイクロイド曲線面41a,42aを形成する必要があり、また、空圧ダンパー、油圧ダンパー、弾塑性ダンパー、粘弾性ダンパー、高減衰積層ゴムなどからなる減衰要素44や、コイルばね、積層ゴム、ゴム状弾性体などからなる復元要素45を設けなければならないので、装置が大型かつ複雑で、高価である。また、この免震装置は、たった数個だけで一棟の建物を支持する荷重集中支持形式であるがゆえに、建物の重量バランスに応じて設置位置を厳密に決定しなければならず、家具配置の変更などに起因して建物の重量バランスが頻繁に変わる戸建住宅などの小規模建物には不向きである。
【0006】
一方、特許文献2に開示された通気式免震復元装置には、このような欠点はないものの、以下のような問題がある。
(1) 地震時に基礎52が土台51に対して大きく水平方向にずれたときには、免震復元器53内で転がり球53cが復元用ゴム材53eの上に乗り上げて、復元用ゴム材53eを損傷させてしまうので、復元用ゴム材53eの減衰性能が低下し、その後も同じ減衰特性を示すことが期待できなくなる。そして、このように基礎52が大きく水平方向にずれたときであっても転がり球53cが復元用ゴム材53eの上に乗り上げないようにするには、復元用ゴム材53eの内周面と転がり球53cとの間の水平距離(転動可能な空間53d)を大きくすればよいが、その場合には免震復元器53が大型化し、また、それに合わせて基礎52の断面幅や土台51の断面幅も大きくしなければならず、結局のところ戸建住宅などの小規模建物には不向きなものとなってしまう。
(2) 土台51と基礎52の相対的な水平移動量は、基礎52と土台51とを結束する連結材54によって規制される仕組みであり、基礎52と土台51とが限界位置までずれたときに、連結材54に突然大きな張力が作用して建物に大きな衝撃が加わるので、これを防止するために建物の補強が必要となる。
(3) 復元用ゴム材53eや連結材54が外気に晒されたまま保護されていないので、復元用ゴム材53eが経年劣化して減衰性能が低下するおそれや、連結材54が破断して建物(土台51)が基礎52から外れ落ちてしまう危険性がある。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型かつ安価で、家具配置の変更などに起因する建物重量バランスの多少の変化によって性能にほとんど影響を受けず、しかも、建物躯体の変更や補強も不要で、耐久性にも優れた建物の減震システム(以下、単に「減震システム」という。)を提案し、戸建住宅などの一般小規模建物への地震対策を広く普及させる点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための手段として、本発明の請求項1に係る減震システムは、建物の基礎とその上方の架台の相対的な水平移動を許容しつつ、前記建物の鉛直荷重を前記架台を介して前記基礎に伝える支承と、前記基礎と前記架台との間の水平方向の揺れを減衰し、これらを元の位置に復帰させる減衰ダンパーと、前記基礎と前記架台の相対的な水平移動量を規制するストッパーと、をそれぞれ別体として前記基礎と前記架台との間に介在させた建物の減震システムであって、前記ストッパーは、前記基礎の上面から上向きに突出する上向き突出部材と、この上向き突出部材と干渉しないように前記架台の下面から下向きに突出する下向き突出部材と、前記上向き突出部材及び前記下向き突出部材の周囲に水平方向に隙間をあけた状態で、前記基礎と前記架台との間に遊嵌された管状の規制部材と、を備えることを特徴とする。
【0009】
かかる減震システムは、支承、減衰ダンパー、ストッパーをそれぞれ別体として基礎と架台との間に組み込んであるので、装置一個一個が小型かつ安価であり、しかも従来の通気式免震復元装置のように支承の存在が減衰ダンパーの性能を減じてしまうようなこともなくなる。また、支承、減衰ダンパー、ストッパーの役割を明確に区別した構成となっているので、構造設計が容易となる。さらに、複数個の支承を平面的にバランスよく配置し
、建物荷重を分散して全体的に支持する荷重分散支持形式であるので、家具配置の変更などに起因して建物の重量バランスが多少変わってもシステム全体の性能にさほど影響を受けず、特に枠組壁工法による戸建住宅などの小規模建物に適したものとなっている。
また、かかる減震システムは、上向き突出部材と下向き突出部材と規制部材とからなる簡易なストッパーを採用しているので、安価に地震対策を施すことができる。上向き突出部材は、基礎に埋設固定されたアンカーボルトの頭部などとし、また、下向き突出部材は
、架台の下面に突出固定されたボルト軸などとすることが望ましい。そして、基礎と架台とが水平方向に大きくずれたときに、上向き突出部材及び下向き突出部材がそれぞれ管状の規制部材の内周側面の対向位置に当接する構成となっているので、基礎と架台との水平方向の限界ずれ量を規制部材の内部空間の内周側面間距離として定めることにより、地震時に建物が基礎から外れ落ちないようにすることができる。
【0010】
請求項2に係る減震システムは、前記上向き突出部材の外周側面及び前記下向き突出部材の外周側面に緩衝部材を備えることを特徴とし、請求項3に係る発明は、規制部材の内周側面に緩衝部材を備えることを特徴とする。
【0011】
かかる減震システムによれば、基礎と架台が限界位置まで水平にずれて、上向き突出部材及び下向き突出部材が円管状の規制部材の内周側面に当たるときの衝撃が、緩衝部材によって吸収されるので、地震時の建物に突然大きな衝撃が加わることを防止でき、従来の通気式免震復元装置で必要となるはずの建物への補強が不要となる。
【0012】
請求項4に係る減震システムは、前記支承は、前記基礎に取り付けられる下部板と、前記架台に取り付けられる上部板と、前記下部板と前記上部板との間でこれらに固定された筒状の柔軟部材と、前記下部板と前記上部板との間でこれらに当接しながら水平方向に転動可能であるように、前記柔軟部材の中心孔に内接して収容された硬球体と、を備えることを特徴とする。
【0013】
かかる減震システムによれば、下部板と上部板との間に硬球体を水平方向に転動可能に挟み込んだ簡易な構成の支承を採用しているので、安価に地震対策を施すことができる。なお、柔軟部材が、硬球体の水平方向への転動を妨げることなく、硬球体を常に中心位置に保持しておく役割を果たしているので、安定した荷重支持状態が得られる。硬球体は金属製、特に鋼製であることが望ましい。柔軟部材は発泡ポリスチレン製やスポンジ製であることが望ましい。
【0014】
請求項5に係る減震システムは、前記柔軟部材の外周側面が水平せん断変形可能な被覆部材で被覆されていることを特徴とする。
【0015】
かかる減震システムによれば、支承の硬球体の水平方向への転動を妨げることなく、柔軟部材の損傷や経年劣化を防止することができる。被覆部材は耐久性のあるゴムからなることが望ましい。
【0016】
請求項6に係る減震システムは、前記減衰ダンパーは、前記基礎に取り付けられる下部板と、前記架台に取り付けられる上部板と、前記下部板及び前記上部板に水平せん断変形可能に固定された減衰用ゴム部材と、を備えることを特徴とする。
【0017】
かかる減震システムは、下部板と上部板との間に水平せん断変形可能な減衰用ゴム部材を固定した簡易な構成の減衰ダンパーを採用しているので、安価に地震対策を施すことができる。減衰用ゴム部材は高減衰ゴムからなるものであることが望ましい。
【0018】
請求項7に係る減震システムは、前記減衰用ゴム部材の外周側面が水平せん断変形可能な被覆部材で被覆されていることを特徴とする。
【0019】
かかる減震システムによれば、減衰用ゴム部材の水平せん断変形を妨げることなく、その損傷や経年劣化による減衰性能の低下を防止することができる。被覆部材は耐久ゴム製であることが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明に係る減震システムを適用した建物の一実施形態を表す基礎伏図である。同図に示すように、この減震システムは、支承10、減衰ダンパー20、ストッパー30という三種類の装置を別体とし、これらを建物の基礎Bと架台(土台)との間に組み込んだものである。ここで、支承10は、建物の基礎Bとその上方の架台の相対的な水平移動を許容しつつ、建物の鉛直荷重を架台を介して基礎Bに伝える役割を果たすものである。また、減衰ダンパー20は、それ自体が水平せん断変形して揺れの運動エネルギーを吸収しながら、地震時や強風時における基礎Bと架台の相対的な水平方向の揺れを減衰し、基礎Bと架台を元の位置に復帰させる役割を果たすものである。また、ストッパー30は、基礎Bと架台の相対的な水平移動量を規制する役割、つまり、基礎Bと架台の相対的な水平方向のずれを、建物が基礎Bから外れ落ちない程度の限界位置で抑止する役割を果たすものである。
各装置は基礎B上に平面的にバランスよく分散配置されている。具体的には、支承10は建物の鉛直荷重を支持するものであるから、たとえば在来木造軸組工法建物であれば少なくとも各柱の直下などの鉛直集中荷重が作用する部位に配置し、枠組壁工法建物であればたて枠の直下及びそこから1820mm以内のピッチで配置するようにする。また、減衰ダンパー20及びストッパー30は、隣り合う支承10,10の間にバランスよく配置する。
【0024】
このように、それぞれ役割の異なる三種類の装置を複数個、平面バランスよく配置した減震システムとしたことにより、装置一個一個が小型かつ安価となり、しかも従来の通気式免震復元装置のように支承の存在が減衰ダンパーの性能を減じてしまうようなこともなくなる。また、支承10、減衰ダンパー20、ストッパー30の役割を明確に区別してあるので、構造設計も容易である。さらに、複数個の支承10,10,…を平面的にバランスよく配置し、建物荷重を分散して全体的に支持する荷重分散支持形式であるので、家具配置の変更などに起因して建物の重量バランスが多少変わってもシステム全体の性能にさほど影響を受けず、戸建住宅などの小規模建物に適したものとなっている。なお、上下を架台及び基礎Bに、左右を各装置に挟まれた各空間Tは、床下空間を外気に連通する床下換気口として機能する。
【0025】
続いて、支承10、減衰ダンパー20、ストッパー30について順に説明する。
図2は支承10の基礎B及び架台Kへの取付状態を表す分解斜視図であり、図3は支承10の分解斜視図である。図3に示すように、支承10は、下部板11と上部板12との間に筒状の柔軟部材13を固定し、この柔軟部材13の中心孔13aの内周側面並びに下部板11の上面及び上部板12の下面に接するように硬球体14を収容した構成となっている。また、柔軟部材13の外周側面には被覆部材15が取り付けられている。
【0026】
下部板11、上部板12はそれぞれ基礎B、架台Kに固定され、その間で硬球体14が転動するための水平かつ剛な上下面を形成するものであって、ここでは互いに同一の形状・寸法のステンレス板からなっている。下部板11、上部板12の長手方向両極部のうちの一方にはそれぞれ、基礎Bの長手方向からボルト軸が挿入可能な切欠孔11a,12aが形成されており、他方にはそれぞれ、基礎Bの長手方向と直交する方向からボルト軸が挿入可能な切欠孔11b,12bが形成されている。
【0027】
柔軟部材13は、中心孔13aを備えた円筒形状で、その上下面はそれぞれ上部板12、下部板11に固着されている。柔軟部材13は柔軟性のある部材であれば特に材質が限定されるものではないが、ここでは発泡ポリスチレン製となっており、他にスポンジ製などであってもよい。柔軟部材13の中心孔13aは、その高さ及び直径が互いに等しく、ちょうどその内周側面に接するように硬球体14が収容される。
【0028】
硬球体14は柔軟部材13の中心孔13aに内接して収容される部材であり、ここでは鋼製である。硬球体14の直径は中心孔13aの高さ及び直径に等しくなっており、中心孔13aに収容されたときに、ちょうど下部板11の上面及び上部板12の下面にも接するようになっている。
【0029】
被覆部材15は、下部板11と上部板12との間で柔軟部材13の外周側面を被覆する円管状の部材であり、ここでは耐久性のあるゴムからなっている。
【0030】
そして、支承10は、図2に示すように、基礎Bに埋設されているアンカーボルトBa,Baの上端を下部板11の切欠孔11a,11bに挿入して下部板11の上面でナットN,Nで締め付けることにより、基礎Bの上面に固定される。なお、アンカーボルトBa,Baは互いに独立して基礎Bに埋設されていてもよいが、図示のようにU字形に連結されたものであれば、その間隔が正確であるので、施工誤差の有無にかかわらず、下部板11の切欠孔11a,11bに容易に嵌めることができる。
【0031】
また、支承10の上部板12は、架台取付部材16を介して架台Kに固定される。架台取付部材16は、鋼板を断面略凹字形に折り曲げ加工した部材であり、底板部16aと側板部16b,16bとで構成されている。底板部16aの長手方向両端部にはボルト挿通孔16c,16cが形成されており、そこには工場で予めボルトR,Rが上から挿入されて、ボルトRの軸部が底板部16aの下面から突出した状態となっている。また、側板部16b,16bにはそれぞれラグスクリュー挿通孔16d,16d,…が形成されている。一方、架台Kの下面には、その全長にわたり溝Kaが形成されており、また、架台取付部材16のラグスクリュー挿通孔16dと対応する位置には先穴Kbが穿設されている。
【0032】
そして、支承10を架台Kに固定するには、まず支承10の上部板12の上面に架台取付部材16の底板部16aの下面を当接させつつ、底板部16aの下面から突出しているボルトR,Rの軸部を上部板12の切欠孔12a,12bに挿入し、上部板12の下面でナットNで締め付けることにより、支承10と架台取付部材16とを固定しておく。次に、支承10と固定された架台取付部材16を架台Kに下から被せ、側板部16bのラグスクリュー挿通孔16d及び架台Kの先穴Kbを通して架台Kに側方からラグスクリューLを打ち込むことにより、架台取付部材16と架台Kとを固定する。このとき、架台取付部材16の底板部16aの上面に突出しているボルトRの頭部は、架台Kの下面の溝Kaに収容された格好となる。
なお、ステンレス製の上部板12と鋼製の架台取付部材16との間の電食を防止するために、上部板12と架台取付部材16との間に図示しない絶縁材を挟みこむようにしてもよい。
【0033】
このようにして支承10が基礎Bと架台Kとの間に組み込まれた状態の断面図が図4(a)である。建物の鉛直荷重は、支承10の硬球体14を介して架台Kから基礎Bに伝達される仕組みである。また、柔軟部材13は、硬球体14を常時下部板11及び上部板12の中心位置に保持している。さらに被覆部材15は、柔軟部材13を保護して、その損傷や経年劣化を防止している。そして、硬球体14は下部板11と上部板12との間で水平方向全方位(360°)に転動可能であり、柔軟部材13及び被覆部材15はいずれも水平方向全方位にせん断変形可能となっている。
【0034】
ここで、図4(b)に示すように、たとえば地震時に基礎Bが架台Kに対して水平方向に(同図で左方向に)ずれたときには、硬球体14も下部板11の上面及び上部板12の下面に当接しつつ同方向に転がりながら移動する。この硬球体14の水平方向への転動は、硬球体14を取り囲んでいる柔軟部材13によって妨げられることはなく、硬球体14は、基礎Bのずれに応じて水平せん断変形している柔軟部材13にめり込みながら水平方向に転動する。もちろん、柔軟部材13の外周側面を被覆している被覆部材15も柔軟部材13と一体的に水平せん断変形しており、これが硬球体14の水平方向への転動を妨げることもない。なお、基礎Bには、その移動方向と逆の方向にこれを引き戻す復帰力が、減衰ダンパー20によって常時作用している。
【0035】
図4(c)は、基礎Bが架台Kに対して限界位置までずれた状態、つまり、これ以上ずれると建物(架台K)が基礎Bから外れ落ちてしまう位置までずれた状態の断面図である。この状態においても、硬球体14は下部板11と上部板12との間にあって、架台Kは硬球体14を介して基礎Bの上に支持されている。なお、この限界位置は、後述するストッパー30によって決定される。もちろん、基礎Bには、その移動方向と逆の方向にこれを引き戻す復帰力が、減衰ダンパー20によって作用している。
【0036】
その後、基礎Bは、減衰ダンパー20の復帰力によって、徐々に逆方向に移動し始め、図4(b)の状態、図4(a)の状態まで戻り、さらに、図4(b)の逆位相状態、図4(c)の逆位相状態に至り、再び図4(b)の逆位相状態を経て図4(a)の状態に復帰するというサイクルを繰り返す。そして、この間、減衰ダンパー20によって揺れの運動エネルギーを吸収され続けて、徐々に基礎Bの振幅は小さくなっていき、最終的には元の位置(図4(a)の状態)で停止することになる。そして、これらのいずれの瞬間においても、硬球体14は水平方向に転動しつつ下部板11と上部板12との間にあり、柔軟部材13及び被覆部材15は水平せん断変形しつつ硬球体14を囲んでいる。
【0037】
次に、減衰ダンパー20について説明する。
図5は減衰ダンパー20の基礎B及び架台Kへの取付状態を表す分解斜視図であり、図6は減衰ダンパー20の分解斜視図である。図6に示すように、減衰ダンパー20は、下部板21と上部板22との間に円柱状の減衰用ゴム部材23を固定し、さらにその外周側面に被覆部材24を取り付けた構成となっている。
【0038】
下部板21、上部板22はそれぞれ基礎B、架台Kに固定され、その間に減衰用ゴム部材23を挟んで固定するものである。ここでは下部板21、上部板22は互いに同一の形状・寸法のステンレス板からなり、支承10の下部板11及び上部板12と略同様の形状であるがこれらよりもやや小さい。下部板21、上部板22の長手方向両極部のうちの一方にはそれぞれ、基礎Bの長手方向からボルト軸が挿入可能な切欠孔21a,22aが形成されており、他方にはそれぞれ、基礎Bの長手方向と直交する方向からボルト軸が挿入可能な切欠孔21b,22bが形成されている。なお、下部板21、上部板22の中央部の孔21c,22cは製造のために必要となるものであって、減衰ダンパー20の減衰性能に影響するものではない。
【0039】
減衰用ゴム部材23は、それ自体が水平方向にせん断変形して揺れの運動エネルギーを吸収しながら、地震時や強風時における基礎Bと架台Kの相対的な水平方向の揺れを減衰し、基礎Bと架台Kを元の位置に復帰させる役割を果たすものであって、その上下面はそれぞれ上部板22、下部板21に固着されている。減衰用ゴム部材23は、その組成や形状・寸法を適宜選択することにより、所定の減衰性能を得ることができ、ここでは高減衰ゴムからなっている。減衰用ゴム部材23の高さは支承10の硬球体14の高さと等しい。なお、減衰用ゴム部材23の中央部の孔23aは製造のために必要となるものであって、その減衰機能とは無関係である。
【0040】
被覆部材24は、支承10の被覆部材15と同様、下部板21と上部板22との間で減衰用ゴム部材23の外周側面を被覆する円管状の部材であり、ここでは耐久性のあるゴムからなっている。
【0041】
そして、減衰ダンパー20は、支承10と同様、図5に示すように、基礎Bに埋設されているアンカーボルトBa,Baの上端を下部板21の切欠孔21a,21bに挿入して下部板21の上面でナットN,Nで締め付けることにより、基礎Bの上面に固定される。
【0042】
また、減衰ダンパー20の上部板22は、支承10の上部板12と同様、架台取付部材25を介して架台Kに固定される。架台取付部材25は、支承10を架台Kに取り付けるための架台取付部材16と同様の構成であるが、減衰ダンパー20の平面寸法が支承10のそれよりも一回り小さいことに対応した形状となっている。そして、まず減衰ダンパー20の上部板22の上面に架台取付部材25の底板部25aの下面を当接させつつ、底板部25aの下面から突出しているボルトR,Rの軸部を上部板22の切欠孔22a,22bに挿入し、上部板22の下面でナットNで締め付けることにより、減衰ダンパー20と架台取付部材25とを固定しておく。次に、減衰ダンパー20と固定された架台取付部材25を架台Kに下から被せ、側板部25bのラグスクリュー挿通孔25d及び架台Kの先穴Kbを通して架台Kに側方からラグスクリューLを打ち込むことにより、架台取付部材25と架台Kとを固定する。このとき、架台取付部材25の底板部25aの上面に突出しているボルトRの頭部は、架台Kの下面の溝Kaに収容された格好となる。
なお、ステンレス製の上部板22と鋼製の架台取付部材25との間の電食を防止するために、上部板22と架台取付部材25との間に図示しない絶縁材を挟みこむようにしてもよい。
【0043】
このようにして減衰ダンパー20が基礎Bと架台Kとの間に組み込まれた状態の断面図が図7(a)である。建物の鉛直荷重は支承10で支持され、この減衰ダンパー20では支持されない。減衰用ゴム部材23及び被覆部材24はいずれも水平方向全方位にせん断変形可能であり、被覆部材24は減衰用ゴム部材23を保護して、その損傷や経年劣化を防止している。
【0044】
ここで、図7(b)に示すように、たとえば地震時に基礎Bが架台Kに対して水平方向に(同図で左方向に)ずれたとき(同図は図4(b)に対応している。)には、減衰用ゴム部材23及び被覆部材24は下部板21と上部板22との間で水平せん断変形する。この間、減衰用ゴム部材23は、揺れの運動エネルギーを吸収しながら基礎Bをその移動方向と逆の方向に引き戻している。
【0045】
図7(c)は、基礎Bが架台Kに対して限界位置までずれた状態の断面図である(同図は図4(c)に対応している。)。この限界位置は、後述するストッパー30によって決定される。もちろん、減衰用ゴム部材23は常時、基礎Bをその移動方向と逆の方向に引き戻す復帰力を作用させている。
【0046】
その後、基礎Bは、減衰ダンパー20の復帰力によって、徐々に逆方向に移動し始め、図7(b)の状態、図7(a)の状態まで戻り、さらに、図7(b)の逆位相状態、図7(c)の逆位相状態に至り、再び図7(b)の逆位相状態を経て図7(a)の状態に至るというサイクルを繰り返す。そして、この間、減衰用ゴム部材23が水平せん断変形しながら揺れの運動エネルギーを吸収し続け、徐々に基礎Bの振幅を小さくしていき、最終的には基礎Bを元の位置(図7(a)の状態)に復帰させる。
【0047】
次に、ストッパー30について説明する。
図8はストッパーの基礎及び架台への取付状態を表す分解斜視図であり、図9(a)は図8のストッパーの組立断面図、図9(b)は図9(a)のX−X線水平断面図である。これらの図に示すように、ストッパー30は、基礎Bの上面から上向きに突出する上向き突出部材たるアンカーボルトBaと、このアンカーボルトBaと干渉しないように架台Kの下面から下向きに突出する下向き突出部材たるボルトRと、アンカーボルトBa及びボルトRの周囲に水平方向に隙間をあけた状態で基礎Bと架台Kとの間に遊嵌された規制部材31と、を備えている。
【0048】
上向き突出部材たるアンカーボルトBaは基礎Bに鉛直姿勢で埋設固定されている。アンカーボルトBaの上端部(基礎Bの上面から露出している部分)は、後述する基礎取付部材32のアンカーボルト挿通孔32cに挿通されており、そこに緩衝部材たる円管状の緩衝ゴム33が嵌められている。
【0049】
下向き突出部材たるボルトRは、架台取付部材34を介して架台Kの下面から鉛直に突出するように固定されている。架台取付部材34は、前述した架台取付部材16,25と略同様の構成であるが、ラグスクリュー挿通孔34dの数・配置などの点で若干異なる。ボルトRは、工場で予め架台取付部材34の底板部34aのボルト挿通孔34cに挿通して溶接固定され、その底板部34aより下に突出している部分には緩衝部材たる円管状の緩衝ゴム35が嵌められている。そして、ボルトRが固定された架台取付部材34は架台Kに下から被せられ、側板部34bのラグスクリュー挿通孔34d及び架台Kの先穴Kbを通して架台Kに側方からラグスクリューLが打ち込まれることにより、架台Kに固定されている。このとき、架台取付部材34の底板部34aの上面に突出しているボルトRの頭部は、架台Kの下面の溝Kaに収容された格好となる。このように架台取付部材34を介して架台Kの下面に突出固定されたボルトRはちょうどアンカーボルトBaの真上に位置し、ボルトRの直径とアンカーボルトBaの直径は等しくなっている。
【0050】
規制部材31はここでは略円管形状となっており、さらにその高さ方向中央部に水平な仕切板部31bを備える。つまり、規制部材31は、平面視円形状の側壁部31aと、側壁部31aの高さ方向略中央部で水平に配置された仕切板部31bとを備えている。そして、この規制部材31は、基礎Bに取り付けられた基礎取付部材32を介して基礎Bの上を水平方向全方位に滑動可能であるように、基礎Bと架台Kとの間に配置されている。
【0051】
基礎取付部材32は、水平な上部板32aと、その下面から下向きに延出する一対の側部板32b,32bとからなる。一対の側部板32b,32bの内法間隔は基礎Bの幅に等しく、上部板32aが基礎Bの上面に当接した状態で、各側部板32bの内側面が基礎Bの側面に当接し、基礎取付部材32が基礎Bにちょうど上から被せられた格好となっている。また、上部板32aの中央部にはアンカーボルト挿通孔32cが形成されており、基礎取付部材32が基礎Bに上から被せられたときに、アンカーボルトBaの上端部がこのアンカーボルト挿通孔32cに挿通される。
【0052】
そして、規制部材31は、基礎Bに被せられた基礎取付部材32の上部板32aの上面に固定されることなく載置されている(図9(a)参照)。この状態で、規制部材31の仕切板部31bの下面はアンカーボルトBaの上端面と離れており、規制部材31の仕切板部31bの上面はボルトRの下端面と離れている。また、規制部材31の側壁部31aのうち仕切板部31bより下の部分は、アンカーボルトBaと隙間をあけてその側方に位置し、規制部材31の側壁部31aのうち仕切板部31bより上の部分は、ボルトRと隙間をあけてその側方に位置している。つまり、規制部材31は、基礎Bにも架台Kにも固定されておらず、側壁部31aの内周側面がアンカーボルトBaに嵌められた緩衝ゴム33及びボルトRに嵌められた緩衝ゴム35に接触するまで、水平方向全方位に滑動可能となっている。
【0053】
ここで、ストッパー30の動作について説明する。図10(a),(d)に示すように、通常時におけるストッパー30は、アンカーボルトBaの軸線とボルトRの軸線が互いに鉛直で一致しており、これらの軸線が規制部材31の中心に位置している。
そして、たとえば地震時に基礎Bが架台Kに対して水平方向に(同図で左方向に)ずれていくと、基礎Bに固定されているアンカーボルトBaの上端部も同方向にずれていく。このとき、規制部材31は、基礎取付部材32の上部板32aの上面を滑りつつ、架台Kの下部位置で動かない。そして、やがて図10(b),(e)に示すように(これらの図は図4(b)及び図7(b)に対応している。)、アンカーボルトBaの上端部が規制部材31の側壁部31aの内周側面に接触する。このとき、アンカーボルトBaの上端部の外周側面には緩衝ゴム33が取り付けられているので、これが規制部材31の側壁部31aとアンカーボルトBaとの接触時の衝撃を吸収し、建物内の人が突然大きな衝撃を感じることはない。なお、前述したように、建物の鉛直荷重は支承10で支持されており、また、基礎Bには、その移動方向と逆の方向にこれを引き戻す復帰力が、減衰ダンパー20によって常時作用している。
【0054】
基礎Bが同方向にさらにずれていくと、アンカーボルトBaの上端部が規制部材31を同方向に引きずっていくので、規制部材31も架台Kに対して同方向にずれていく。そして、ついには図10(c),(f)に示すように(これらの図は図4(c)及び図7(c)に対応している。)、規制部材31の側壁部31aの内周側面のうちのアンカーボルトBaが接触している部分と対向する部分にボルトRが接触し、基礎Bはこれ以上同方向にずれなくなる。つまり、基礎Bの架台Kに対する水平移動可能距離Wmaxは、規制部材31の側壁部31aの内周直径からボルトR(又はアンカーボルトBa)の直径を減じた値となり、規制部材31の側壁部31aが円管形で、ボルトR及びアンカーボルトBaが円柱形である以上、この関係は水平方向全方位について成り立つ。なお、このときにおいても、ボルトRの外周側面に緩衝ゴム35が取り付けられているので、これが規制部材31の側壁部31aとボルトRとの接触時の衝撃を吸収し、建物内の人が突然大きな衝撃を感じることはないようになっている。
【0055】
その後、基礎Bは、減衰ダンパー20の復帰力によって、徐々に逆方向に移動し始め、図10(b),(e)の状態、図10(a),(d)の状態まで戻り、さらに、図10(b),(e)の逆位相状態、図10(c),(f)の逆位相状態に至り(このときの基礎Bの限界ずれ位置も、もちろん規制部材31によって決定される。)、再び図10(b),(e)の逆位相状態を経て図10(a),(d)の状態に復帰するというサイクルを繰り返す。そして、この間、減衰ダンパー20によって揺れの運動エネルギーを吸収され続けながら、序々に基礎Bの振幅は小さくなっていき、最終的には元の位置(図10(a),(d)の状態)で停止することになる。
【0056】
ところで、ストッパー30による基礎Bと架台Kの相対的なずれ位置規制機能を、水平方向全方位について同様に発揮させるには、アンカーボルトBaの中心軸とボルトRの中心軸が鉛直線上で一致し、かつ、当該軸が規制部材31の側壁部31aの中心に位置していなければならない。しかし、アンカーボルトBa、ボルトR、規制部材31は互いに別体であるので、所定位置に正確にセットすることは極めて難しい。そこで、ストッパー30の取付施工は、たとえば以下のように行われる。
【0057】
まず、図11(a)に示すように、基礎BのアンカーボルトBaが埋設される予定位置に、アンカーボルトBaよりもひとまわり大きな内径のスリーブSを埋め込んで、スリーブSの中空部にコンクリートが入らないように基礎Bのコンクリートを打設する。このとき、スリーブSの上端を基礎Bの上面よりも少し低くして、その周囲における基礎Bの上面をスリーブSの上端に向かってすり鉢状に落ち込んでいくように仕上げる。その後、スリーブSを抜き外す。
【0058】
一方で、工場では、アンカーボルトBa、基礎取付部材32、規制部材31、ボルトR、架台取付部材34を所定の配置で予め一体的に固定しておく。このとき、アンカーボルトBaの上端面とボルトRの下端面とをそれぞれ、容易に破断可能な連結材36で規制部材31の仕切板部31bに連結しておく。また、規制部材31の仕切板部31b及び基礎取付部材32の上部板32aには、それぞれの対応する位置にグラウト注入孔31c,32dを穿設しておく。そして、図11(b)に示すように、工場で正確に一体固定されたアンカーボルトBa、基礎取付部材32、規制部材31、ボルトR、架台取付部材34を、基礎B及び架台Kに取り付ける。
【0059】
最後に、図11(c)に示すように、規制部材31のグラウト注入孔31c及び基礎取付部材32のグラウト注入孔32dを通して、アンカーボルトBaの周囲の空間にエポキシ樹脂や無収縮モルタルなどのグラウト材37を注入することにより、ストッパー30の取付施工が完了する。
なお、アンカーボルトBa及びボルトRを規制部材31に連結している連結材36は容易に破断可能であるので、地震時や強風時に基礎Bと架台Kが相対的にずれたときにはすぐに破断し、ストッパー30の性能に全く影響を与えない。
【0060】
なお、ストッパー30の構成は、上記のものに限定されるわけではない。たとえば、図12に示したストッパー30’の規制部材31’は、上記のストッパー30における規制部材31の仕切板部31bを取り去った形状となっている。また、図13に示したストッパー30”は、上記のストッパー30のようにアンカーボルトBa及びボルトRの外周側面に緩衝ゴムが取り付けられておらず、規制部材31の側壁部31aの内周側面に緩衝部材たる緩衝ゴム38が取り付けられている。これらのストッパー30’,30”の性能は、上記のストッパー30のそれと全く同様である。
【0061】
以上、支承10、減衰ダンパー20、ストッパー30について順に説明してきたが、各装置の構成は上記のものに限定されるわけではなく、発明の趣旨に応じて適宜の変更実施が可能であることはいうまでもない。
たとえば、上記実施形態は、架台Kの下面全長にわたって溝Kaが穿設され、そこに、支承10、減衰ダンパー20、ストッパー30を架台Kに対して固定するためのボルトRの頭部を嵌め入れる構成となっていた。このような構成であると、架台Kの長さ方向の任意の位置にボルトRを嵌め入れることができるので、施工が簡単であるという長所があるが、架台Kの溝Kaの下部で支承10の上部板12が上に凸となるように変形してしまう可能性があり、これを防止するために上部板12を厚くしなければならなくなることも考えられる。したがって、このような場合には、架台Kの下面に溝Kaを設けずに、ボルトRに対応する位置及び大きさの座堀りを施すようにすればよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る減震システムは、小型かつ安価で、家具配置の変更などに起因する建物重量バランスの多少の変化によって性能にほとんど影響を受けず、しかも、建物躯体の変更や補強も不要で、耐久性にも優れているので、戸建住宅などの一般小規模建物への地震対策を広く普及させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減震システムを適用した建物の一実施形態を表す基礎伏図である。
【図2】本発明に係る減震システムにおける支承の基礎及び架台への取付状態を表す分解斜視図である。
【図3】図2の支承の分解斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は図2の支承の動作例を表す断面図である。
【図5】本発明に係る減震システムにおける減衰ダンパーの基礎及び架台への取付状態を表す分解斜視図である。
【図6】図5の減衰ダンパーの分解斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は図5の減衰ダンパーの動作例を表す断面図である。
【図8】本発明に係る減震システムにおけるストッパーの基礎及び架台への取付状態を表す分解斜視図である。
【図9】(a)は図8のストッパーの組立断面図であり、(b)は(a)のX−X線水平断面図である。
【図10】(a)〜(c)は図8のストッパーの動作例を表す断面図であり、(d)〜(f)はそれぞれ(a)〜(c)のX−X線水平断面図である。
【図11】(a)〜(c)は図8のストッパーの施工手順の一例を表す断面図である。
【図12】本発明に係る減震システムにおけるストッパーの他の例を表す断面図である。
【図13】(a)は本発明に係る減震システムにおけるストッパーのさらに他の例を表す断面図であり、(b)は(a)のX−X線水平断面図である。
る。
【図14】従来の免震装置を表す概念図である。
【図15】従来の通気式免震復元装置を組み込んだ建物を表す断面図である。
【図16】図15の建物が地震で揺れたときの様子を表す断面図である。
【符号の説明】
10 … 支承
11 … 下部板
11a,11b … 切欠孔
12 … 上部板
12a,12b … 切欠孔
13 … 柔軟部材
13a … 中心孔
14 … 硬球体
15 … 被覆部材
16 … 架台取付部材
16a … 底板部
16b … 側板部
16c … ボルト挿通孔
16d … ラグスクリュー挿通孔
20 … 減衰ダンパー
21 … 下部板
21a,21b … 切欠孔
21c … 孔
22 … 上部板
22a,22b … 切欠孔
22c … 孔
23 … 減衰用ゴム部材
23a … 孔
24 … 被覆部材
25 … 架台取付部材
25a … 底板部
25b … 側板部
25c … ボルト挿通孔
25d … ラグスクリュー挿通孔
30 … ストッパー
31 … 規制部材
31a … 側壁部
31b … 仕切板部
31c … グラウト注入孔
32 … 基礎取付部材
32a … 上部板
32b … 側部板
32c … アンカーボルト挿通孔
32d … グラウト注入孔
33 … 緩衝ゴム
34 … 架台取付部材
34a … 底板部
34b … 側板部
34c … ボルト挿通孔
34d … ラグスクリュー挿通孔
35 … 緩衝ゴム
36 … 連結材
37 … グラウト材
38 … 緩衝ゴム
B … 基礎
Ba … アンカーボルト
K … 架台
Ka … 溝
Kb … 先穴
N … ナット
L … ラグスクリュー
R … ボルト

Claims (7)

  1. 建物の基礎とその上方の架台の相対的な水平移動を許容しつつ、前記建物の鉛直荷重を前記架台を介して前記基礎に伝える支承と、前記基礎と前記架台との間の水平方向の揺れを減衰し、これらを元の位置に復帰させる減衰ダンパーと、前記基礎と前記架台の相対的な水平移動量を規制するストッパーと、をそれぞれ別体として前記基礎と前記架台との間に介在させた建物の減震システムであって、
    前記ストッパーは、
    前記基礎の上面から上向きに突出する上向き突出部材と、この上向き突出部材と干渉しないように前記架台の下面から下向きに突出する下向き突出部材と、前記上向き突出部材及び前記下向き突出部材の周囲に水平方向に隙間をあけた状態で、前記基礎と前記架台との間に遊嵌された管状の規制部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の建物の減震システム。
  2. 前記上向き突出部材の外周側面及び前記下向き突出部材の外周側面に緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の建物の減震システム。
  3. 前記規制部材の内周側面に緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の建物の減震システム。
  4. 前記支承は、前記基礎に取り付けられる下部板と、前記架台に取り付けられる上部板と
    、前記下部板と前記上部板との間でこれらに固定された筒状の柔軟部材と、前記下部板と前記上部板との間でこれらに当接しながら水平方向に転動可能であるように、前記柔軟部材の中心孔に内接して収容された硬球体と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の建物の減震システム。
  5. 前記柔軟部材の外周側面が水平せん断変形可能な被覆部材で被覆されていることを特徴とする請求項4に記載の建物の減震システム。
  6. 前記減衰ダンパーは、前記基礎に取り付けられる下部板と、前記架台に取り付けられる上部板と、前記下部板及び前記上部板に水平せん断変形可能に固定された減衰用ゴム部材と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の建物の減震システム。
  7. 前記減衰用ゴム部材の外周側面が水平せん断変形可能な被覆部材で被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の建物の減震システム。
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