JP4513095B2 - 免振装置 - Google Patents

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本発明は免振装置、特に揺れの減衰機構の改良に関する。
従来、建物は地震の揺れを受け止める耐震構造を持つものが注目されていたが、最近、
耐震構造に加えて、地震の揺れを受け流す免振構造を持つのものが注目されている。免振装置は、基礎と建物本体との間に設けられ、従来は、例えば積層ゴム等が用いられている(例えば、特許文献1)。従来の免振装置は、地震時の基礎の水平方向の揺れを受け流し建物自体の揺れを低減することにより、建物を静止状態に保とうとするものである。
特開2000−55117号公報
ところで、従来の免振装置あっても、更なる免振性能の向上が望まれている。そのために、複雑な構成の免振装置を設けること考えられる。しかしながら、複雑な構成の免振装置を設けだけではコストが高くなったり、免振装置が大型化したり、免振装置の重量が大になったりするには、満足のゆく免振性能の向上を図り得ないことがある。このため免振装置においては、簡単な構成で免振性能の向上を図ることのできる技術の開発が強く望まれているものの、れら両立させることのできる適切な技術はこれまで存在しなかった。本発明は上記従来技術の免振装置の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な構成で免振性能の向上を図ることのできる免振装置を提供することにある。
本発明者が免振性能の向上と構成の簡略化との両立について鋭意検討を重ねた結果、複雑な構成の免振装置を設けても、水平力の減衰を行うだけでは、振動によっては建物の揺れが増幅されてしまう、ないし建物の揺れを充分に低減することができないことがあることがわかった。これに対し、本発明者は、簡単な構成でも、以下に示されるような水平力減衰機構、鉛直力減衰機構、及び渦巻ばねによる復元機構を組み合わせることにより、免振性能の向上が充分に図られることを見出し、本発明を完成するに至った。
記目的を達成するために本発明にる免振装置は、基礎と免振対象との間に設けられ基礎の揺れが免振対象に伝わるのを低減する免振装置において、水平力減衰機構と、鉛直力減衰機構と、渦巻ばねによる復元機構とを備えることを特徴とする。ここで水平力減衰機構は、基礎と免振対象とを水平方向に相対変位自在とし、基礎から免振対象に伝わる水平方向の揺れを減衰する。また鉛直力減衰機構は、基礎と免振対象とを鉛直方向に相対変位自在とし、基礎から免振対象に伝わる鉛直方向の揺れを減衰する。渦巻ばねによる復元機構は、基礎と免振対象との相対変位を水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に制限する。
発明において、水平力減衰機構は転がり支承手段を備える。転がり支承手段は免振対象の下面に固定された鉛直な垂下状支柱の下端部の外周面に対し、筒状本体の上端部の内周面が摺動可能に取り付けられており、その筒状本体を中間板で分画した上半部内には中心軸を鉛直方向に向けて押圧用コイルばねを兼ねる減衰用コイルばねが垂下状支柱の下端側のばね受け部と中間板の上面との間に介装されているまた筒状本体の下半部内には中間板の下面を含む下半部の内面と基礎側の面とに接して球体が回転可能に保持されており基礎側の面を水平方向へ転がり自在とされているそして基礎の面には球体受板が設けられている
がり支承手段は、球体受板に対し球体を水平方向に転がり自在とすることにより、基礎振対象を支承しながら、基礎から免振対象に伝わる水平方向の揺れを減衰する。
鉛直力減衰機構は、ばね中心軸を鉛直方向に向けて設けられている減衰用コイルばねを含む。この鉛直力減衰機構は、減衰用コイルばねの鉛直方向への伸縮により、基礎から免振対象に伝わる鉛直方向の揺れを減衰する。
渦巻ばねによる復元機構は渦巻面を水平にして渦が間隔をあけて巻かれている渦巻ばねを含み、巻ばね略内周端寄りが転がり支承手段の筒状本体の外周に固定され、且つ渦巻ばね略外周端寄りが基礎に固定される。そして、渦巻ばねによる復元機構は、基礎と免振対象との水平方向ないし鉛直方向への相対変位によって渦巻ばねに生ずる水平方向ないし鉛直方向への反力により、基礎と免振対象との水平方向ないし鉛直方向への相対変位を許容範囲内に制限することが好適である。
発明において鉛直力減衰機構は水平力減衰機構と同軸上に設けることが好適である。
また本発明においては、基礎と免振対象との間に複数の免震装置を配置する場合、複数の復元機構における複数の渦巻ばね全体としてのばね特性が水平面内で均等となるように、各渦巻ばねを配置することが好ましい。
請求項1に係る免振装置によれば、水平力減衰機構と鉛直力減衰機構と渦巻ばねによる復元機構とが組み合わされているので、地震が発生すると、水平力減衰機構は水平方向の揺れを減衰し、鉛直力減衰機構は鉛直方向の揺れを減衰し、渦巻ばねによる復元機構は基礎と免振対象との相対変位が許容範囲内になるように制限することにより、構成が簡単な免振装置でありながら高い免振性能を示し、免振対象を地震時の振動から保護する
請求項3に係る免振装置によれば、減衰用コイルばねが単体のコイルばねとされているので、ばね特性のチューニングが極めて容易である
請求項4に係る免振装置によれば、基礎の上面に、球体を受けて水平方向へ転がり自在とする極浅の逆円錐状の表面を備えた球体受板が設けられているので、球体は常に球体受板の中央に位置するように働き、平常時には免振対象を常に正常な静止状態に保つ
請求項5に係る免振装置によれば、基礎と免振対象との間に複数の免振装置を配置する場合に、複数の復元機構における複数の渦巻ばねの夫々は巻きの始端位置および終端位置を考慮して配置されるので、複数の渦巻ばね全体のばね特性が水平面内で均等になり、複数の免振装置の復元性能を水平面内で均等にすることができる
図1には本発明の第一実施形態にる免振装置の概略構成が示されている。図1(A)は免振装置の部分破断正面図図1(B)は渦巻ばね部分破断平面図である。図1(A)に示す免振装置110は、基礎112と免振対象114との間に設けられ、水平力減衰機構116と、鉛直力減衰機構118と、渦巻ばねによる復元機構120とを備える。ここで、水平力減衰機構116は、基礎112と免振対象114とを水平方向に相対変位自在とし、基礎112から免振対象114に伝わる水平方向の揺れを減衰する。直力減衰機構118は、基礎112と免振対象114とを鉛直方向に相対変位自在とし、基礎112から免振対象114に伝わる鉛直方向の揺れを減衰する。渦巻ばねによる復元機構120は、基礎112と免振対象114との相対変位を、水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に制限する。
このようにして本実施形態にる免振装置110を構成することにより、基礎112の揺れが免振対象114に伝わるのを低減している。なお、本実施形態においては、免振対象114が、建物本体であり、土台となる建物底部枠と、柱とを含み、建物底部枠の下部に免振装置110が設けられ、建物底部枠の上部に柱が設けられている。
本実施形態において特徴的なことは、免振性能の向上と構成の簡略化との両立のため、水平力減衰機構116と、鉛直力減衰機構118と、渦巻ばねによる復元機構120とを組み合わせたことである。
また本実施形態においては、免振性能の向上と構成の簡略化との両立を確実に図るため、水平力減衰機構116、鉛直力減衰機構118、渦巻ばねによる復元機構120として、以下に示されるような種類ないし配置を選択することも非常に重要である。
<水平力減衰機構>
本実施形態においては、水平力減衰機構116として、数ある種類の中から免振性能、構成の簡略化に優れた転がり支承手段130を選択している。その転がり支承手段130は免振対象114の下面側に固定されている垂下状支柱131と、垂下状支柱131の下端部の外周面に対し、上端部の内周面が摺動可能に取り付けられた筒状本体132と、中間板133で分画された筒状本体132の上半部内において垂下状支柱131の下端側のばね受部145と中間板133の上面との間に中心軸を鉛直方向に向けて介装され、後述の球体134を基礎112側の面へ押圧するための押圧用コイルバネを兼ねる減衰用コイルばね138と、筒状本体132の下半部内において中間板133の下面を含む下半部の内周面と基礎112側の面とに接して回転可能に保持され、基板112側の面を水平方向へ転がり自在とされている球体134と、基礎112の面に設けられて球体134を受ける球体受板136とからなっている
なお、図1(A)に示されるように、球体受板136は極浅の逆円錐状の表面を有しており、球体134が球体受板136の中心位置で安定して止まるように構成されている。このため、地震時でない時は、免振対象の静止状態を良好に保つことができる。
<鉛直力減衰機構>
本実施形態においては、免振性能の向上と構成の簡略化との両立を確実に図るため、鉛直力減衰機構118として、数ある種類の中から、ばね特性の設計の容易性により鉛直方向の免振特性のチューニング性に優れ、また構成の簡略化に優れたコイルばねを選択している。すなわち、鉛直力減衰機構118は、ばね中心軸を鉛直方向に向けて設けられている減衰用コイルばね138を含む。そして、鉛直力減衰機構118は、減衰用コイルばね138の鉛直方向への伸縮により、基礎112から免振対象114に伝わる鉛直方向の揺れを減衰る。
渦巻ばねによる復元機構>
本実施形態においては、免振装置の性能の向上と構成の簡易化との両立を確実に図るため、復元機構120の要素として、平常時に引張力または圧縮力をかけておくことを要せず、構成の簡易化の点でも優れた渦巻ばね178を選択している。すなわち、図1(A)、(B)に示すように、基礎112と免振対象114との間に、渦巻面を水平にし渦が間隔をあけて巻かれた渦巻ばね178を用いている。そして渦巻ばね178の略内周端寄り178aが転がり支承手段130の筒状本体132の外周に固定され、且つその略外周端寄り178bが基礎112に支柱179を介して固定されている。
渦巻ばね178は、基礎112と免振対象114との相対位置が平常時のように位置ずれしていない基準位置で、圧縮力や引張力をかけていない状態とする。そして、渦巻ばね178による復元機構120は、基礎112と免振対象114との水平方向ないし鉛直方向への相対変位によって渦巻ばね178に生ずる水平方向ないし鉛直方向への反力により基礎112と免振対象114との相対変位を水平方向ないし鉛直方向の許容範囲内に制限する。この結果、本実施形態においては、渦巻ばね178という簡単な構成で、免振装置の水平方向および鉛直方向の復元性を発揮させることができるのである
水平力減衰機構と鉛直力減衰機構との配置>
本実施形態においては、免振性能の向上と構成の簡略化との両立を確実に図るため、水平力減衰機構と鉛直力減衰機構とを同じ鉛直軸上に配置することも重要であり、のために本実施形態においては、上述したように鉛直力減衰機構118の減衰用コイルばね138を水平力減衰機構116の転がり支持手段130における筒状本体132の上半部内に球体134の押圧用コイルばねを兼ねて介装しているそして図1(A)、(B)に示すように、減衰用コイルばね138は筒状本体132の上半部の内面に接して伸縮するものとしている
次に本実施形態において特徴的な水平力減衰機構116、鉛直力減衰機構118、及び渦巻ばね178による復元機構120の組み合わせの作用について説明する。地震が発生しておらず、免振装置110が作動していない状態では、図1(A)に示すように、基礎112と免振対象114とは基準位置にある勿論、渦巻ばね178には引張力または圧縮力はかけられていない
<水平力減衰と復元
図1(A)を参照し、地震時に、免振対象114に対して基礎112が右方へ移動する横揺れが生じると、転がり支承手段130の筒状本体132の下半部内に保持されている球体134が基礎112上の球体受板136の表面上を転がることにより、免振対象114に対して基礎112を右方に変位させ。このようにして転がり支承手段130の球体134が基礎112の方への横揺れを受け流すことにより、免振対象114に右方への横揺れが伝わるのを低減する。また同時に、復元用の渦巻ばね178には、右方への横揺れに対する反力が生じるので、礎112と免振対象114との相対変位を許容範囲内に制限る。
方、免振対象114に対して基礎112が左方へ移動する横揺れが生じると、転がり支承手段130の球体134が基礎112上の球体受板136の表面上を転がることにより、免振対象114に対し基礎112を方に変位させ。このようにして転がり支承手段130の球体134が基礎112の方への横揺れを受け流すことにより免振対象114に左方への横揺れが伝わるのを低減する。また同時に、復元用の渦巻ばね178には、左方への横揺れに対する反力が生じるので、基礎112と免振対象114との相対変位を許容範囲内に制限る。
このようにして本実施形態においては、地震時に水平方向の揺れが生じても、免振対象114静止状態に保とうとする。
<鉛直力減衰と復元
同じく図1(A)を参照し、地震時に免振対象114に対して基礎112が上方へ移動する縦揺れが生じると、減衰用コイルばね138は縮むことにより、基礎112上の球体受板136と転がり支承手段130の球体134と接触状態を良好に保ちながら免振対象114に対し基礎112を方に変位させる。このようにして減衰用コイルばね138は、基礎112の方への縦揺れを受け流すことにより、免振対象114に方の縦揺れが伝わるのを低減する。また同時に、復元用の渦巻ばね178には上方への縦揺れに対する反力が生じるので、基礎112と免振対象114との相対変位を許容範囲内に制限する。
方、免振対象114に対して基礎112が下方へ移動する縦揺れが生じると、減衰用コイルばね138は下方へびることにより、基礎112上の球体受板136と転がり支承手段130の球体134との接触状態を良好に保ちながら、免振対象114に対し基礎112を下方に変位させる。このようにして減衰用コイルばね138は、基礎112の下方への縦揺れを受け流すことにより、免振対象114に下方の縦揺れが伝わるのを低減する。また同時に、復元用の渦巻ばね178には下方への縦揺れに対する反力が生じるので基礎112と免振対象114との相対変位を許容範囲内に制限る。
このようにして本実施形態においては、地震時に鉛直方向の揺れが生じても、免振対象114を静止状態に保とうとする。
<水平力減衰及び鉛直力減衰と復元
次に地震時に、免振対象114に対して基礎112が右下方へ移動する右下方向への斜め揺れが生じると、減衰用コイルばね138は方にびることにより、免振対象114に対し基礎112を方に変位させ、基礎112の右下方向への斜め揺れの方成分を受け流すのは勿論、地震時ないし変位時に転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136とが離れることなく、これらの接触状態を常に良好に保つ。このようにして減衰用コイルばね138により転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136との接触状態を常に良好に保ちながら、球体134球体受板136上を転がり、免振対象114に対し基礎112を方に変位させることにより、基礎112の右下方向への斜め揺れの方成分を受け流。この時、復元用の渦巻ばね178には右下方向への斜め揺れに対する反力生じるので、基礎112と免振対象114との相対変位を水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に制限する。これにより復元用の渦巻ばね178は、転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136との接触状態を常に良好に保つ。またどのような地震時であっても、常に水平方向及び鉛直方向の免振性能が発揮されるように、転がり支承手段130及び減衰用コイルばね138を良好に作動することのできる水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に迅速に戻すことができる。
方、免振対象114に対して基礎112が左上方へ移動する左上方向への斜め揺れが生じると、減衰用コイルばね138は上方に縮むことにより、免振対象114に対し基礎112を方に変位させ、基礎112の左上方向への斜め揺れの方成分を受け流すのは勿論、転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136との接触状態を常に適切に保つ。このようにして減衰用コイルばね138により転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136との接触状態を常に適切に保ちながら、球体134球体受板136の表面上を転がり、免振対象114に対し基礎112を方に変位させ、基礎112の左上方向の斜め揺れの方成分を受け流す。この時、復元用の渦巻ばね178には左上方向への斜め揺れに対する反力生じ、基礎112と免振対象114との相対変位を、水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に制限する。これにより復元用の渦巻ばね178は転がり支承手段130の球体134と基礎112上の球体受板136との接触状態を常に適切に保つ。またどのような地震時であっても、常に水平方向及び鉛直方向の免振性能が発揮されるように、転がり支承手段130の球体134及び減衰用コイルばね138を良好に作動することのできる水平方向及び鉛直方向の許容範囲内に迅速に戻すことができる。
このようにして本実施形態においては、地震時に水平方向成分及び鉛直方向成分を含む揺れが生じても、免振対象114を静止状態に保とうとする。
このように本実施形態にる免振装置によれば、水平力減衰機構と、鉛直力減衰機構と、渦巻ばねによる復元機構とを組み合わせることとしたので、簡単な構成で免振性能の向上を図ることができる。
すなわち、通常は、縦揺れは、横揺れに比較し、建物の損傷、倒壊等に及ぼす影響があまり大きくないと考えられており、横揺れが抑えられていれば、縦揺れが発生しても特に問題はないと考えられていたため、従来の免振装置では、主に水平力の減衰のみが行われていた。
これに対し、本発明者が免振性能の向上と構成の簡略化との両立について鋭意検討を重ねた結果、縦揺れは横揺れに比較し、建物の損傷、倒壊等に及ぼす影響はそれほど大きくなくても、地震時に水平力減衰機構の設置状態に大きな影響を及ぼす可能性があることがあることがわかった。そして如何に免振性能に優れた複雑な構成の免振装置を設けても、水平力の減衰だけでは、振動によっては建物の揺れが増幅されてしまう、ないし建物の揺れを充分に低減することができないことがあることがわかった。
すなわち、従来の免振装置では、主に水平力の減衰のみが行われていたため、上向きの鉛直力が加わると、基礎と免振対象との間で転がり支承手段が下方から極度に押圧されて、転がり支承手段の球体が転がりくなる。これにより転がり支承手段の性能を充分に発揮することができないことがある。方、下向きの鉛直力が加わると、転がり支承手段が基礎上より離れてしまうことがあるので、転がり支承手段の性能を充分に発揮することができないことがある。
また地震時の基礎と免振対象との相対位置によっては、例えば基礎と免振対象との相対位置が、水平力減衰機構ないし鉛直力減衰機構の許容範囲の境界付近にある時に、さらに地震動が連続することがある。この時に、地震動の方向によっては、基礎と免振対象との相対位置が水平力減衰機構ないし鉛直力減衰機構の良好な免振が行える許容範囲限界に達し、地震は続いているにもかかわらず、その免振が一時的にもストップしてしまうことがある。
これらを解決するためには、地震時の水平力減衰機構の設置状態の向上、地震時に水平力減衰機構と鉛直力減衰機構との相対位置の許容範囲内への迅速な復元が重要であり、このためには各減衰機構及び復元機構を、実際の免振対象や想定地震動などに応じて、適切にチューニングすることが重要である。
すなわち、たとえ免振性能に優れた免振装置を設けても、地震時に減衰機構の設置状態が不充分になるもの、ないし実際の免振対象や想定地震動などに応じて免振特性適切なチューニングれていない状態では、免振装置の性能を充分に発揮することができないからである。
図2は、一例として、基礎112と免振対象114との間に、4個の免振装置110、すなわち4個の渦巻ばね178を設ける場合における各渦巻ばね178の好適な配置を示す平面図であり、4個の渦巻ばね178は渦巻きの始端位置および終端位置を夫々90度づつ回転させたものとしているその結果、4個の渦巻ばね178の全体のばね特性、すなわち免振装置110全体の復元性能を水平面内で均等にすることができ、復元性能の一層の向上を図ることができる
また本実施形態においては、免振性能の向上と構成の簡略化との両立を確実に図るため基礎112と免振対象114との間に複数の免振装置110を設ける場合に、存在する複数の水平力減衰機構116における隣り合う複数の転がり支承手段130の部材(例えば垂下状支柱131)を連結板のような連結部材によって相互に連結することが好ましいそのように連結することによって、複数の免振装置110の相対的な位置関係が常に一定に維持され、全体としての免振性能を一層高めることができる
また本発明の免振装置は、建物に適用されることが特に好ましいが、構成の簡易化と免振性能との両立に優れているので、建物以外の免振対象への適用も容易である。
本発明の実施形態の免振装置を概略的に示す図であり、図1(A)は免振装 置の部分破断立面図、図1(B)は渦巻ばねの部分破断平面図である 4個の渦巻ばね夫々の巻きの始端位置および終端位置の好適な配置を示す平 面図である
110 免振装置
112 基礎
114 免振対象
116 水平力減衰機構
118 鉛直力減衰機構
120 復元機構
130 転がり支承手段
131 垂下状支柱
132 筒状本体
133 中間板
134 球体
136 球体受板
138 減衰用コイルばね
178 渦巻ばね
179 支柱

Claims (4)

  1. 基礎と免振対象との間に、水平方向の揺れを減衰する水平力減衰機構と、鉛直方向の揺れを減衰する鉛直力減衰機構と、前記基礎と前記免振対象との相対変位が許容範囲内にあるように制限する渦巻ばねによる復元機構とが組み合わされて設けられており
    前記水平力減衰機構は前記基礎の上方に前記免振対象を支える転がり支承手段を備え前記転がり支承手段は前記免振対象の下面に固定された鉛直な垂下状支柱と、前記垂下状支柱の下端部の外周面に対し、上端部の内周面が摺動可能に取り付けられた筒状本体と、前記筒状本体が中間板で分画された上半部内において前記垂下状支柱の下端側と前記中間板の上面との間に中心軸を鉛直方向に向けて介装された押圧用コイルばねを兼ねる減衰用コイルばねと、前記筒状本体の下半部内において前記中間板の下面を含む前記下半部の内周面と前記基礎側の面とに接して回転可能に保持され、前記基礎側の面を水平方向へ転がり自在とされた球体と、前記基礎の上面に設けられた球体受板とからなり、前記球体が前記押圧用コイルばねで押圧され前記球体受板の面に常に接しながら転がることによって、前記基礎から前記免振対象へ伝わる水平方向の揺れを減衰し
    前記鉛直力減衰機構は中心軸を鉛直方向に向けて設けられた前記減衰用コイルばねを備え、前記減衰用コイルばねが鉛直方向へ伸縮することによって、前記基礎から前記免振対象へ伝わる鉛直方向の揺れを減衰し
    前記渦巻ばねによる復元機構は渦巻面を水平にし渦の間隔をあけて巻かれた前記渦巻ばねを備え、前記渦巻ばねの略内周端寄りが前記筒状本体の外周面に固定され、略外周端寄りが前記基礎に固定されており、前記基礎と前記免振対象とが水平方向ないし鉛直方向へ相対変位することによって前記渦巻ばねに生ずる水平方向ないし鉛直方向の反力により、前記基礎と前記免振対象との相対変位が水平方向ないし鉛直方向の許容範囲内にあるように制限することを特徴とする免振装置
  2. 前記減衰用コイルばねが単体のコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の免振装置
  3. 前記球体受板は極浅の逆円錐状の表面を有しており、前記球体が前記球体受板の中心位置に安定して停止するように図られていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の免振装置
  4. 前記基礎と前記免振対象との間に請求項1に記載の前記免振装置の複数が配置されている場合、複数の前記復元機構における複数の渦巻ばね全体のばね特性が水平面内で均等になるように、前記渦巻ばねの夫々が巻きの始端位置および終端位置を考慮して配置されていることを特徴とする免振装置
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