JP2019041717A - 揚げ物用ミックス、及び揚げ物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の揚げ物用ミックスは、カルボキシル基含量が0.1〜1.1%である酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を含有することを特徴とする。サゴ澱粉は、東南アジア原産の多年生木本植物のサゴヤシの樹幹に蓄積する澱粉である。サゴ澱粉は楕円形またはその一部が欠けた釣り鐘形の形状で、粒径が10〜65μm(平均粒径35μm)であり、澱粉の中でも大きく、さらに粒度がほぼ均一であるという特徴を有する。これまで、サゴ澱粉は、麺類、餅菓子等の製造時に使用する打ち粉(例えば、特開平1-179658)や、麺類の原料粉(例えば、特開平3−58762、特開2002−119232)に使用されることは知られていたが、その他の使用例はほとんど知られていなかった。本発明においては、サゴ澱粉の内、上記範囲のカルボキシル基含量を有する酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を揚げ物用ミックスに用いることで、揚げ物を油ちょうした後、経時的に食感が低下すること、及び油っぽくなることを抑制できることが見出された。後述する実施例に示す通り、上記範囲のカルボキシル基含量の酸化澱粉、及び/又は酸処理澱粉であっても、サゴ澱粉以外の澱粉では上記効果は認められず、サゴ澱粉であっても、上記範囲のカルボキシル基含量の酸化澱粉、及び/又は酸処理澱粉でなければ上記効果は認められない。
カルボキシル基含量(%)=(a−b)×f×0.45/c・・・(I)
[式中、aは本試験の滴定量(ml)、bはブランク試験の滴定量(ml)、fは0.1N水酸化ナトリウム水溶液の力価、cは精秤した試料の乾燥質量(g)を意味する。]
原料澱粉が、馬鈴薯澱粉である場合は、リン(P)の寄与分を以下の式(II)により算出し、差し引いて補正する。
リンの寄与分(%)=2×45.02×P/30.97・・・(II)
[式中、Pはリンの含量(%)を意味する。]
なお、リンの含量は、常法によって求めることができる。
本発明の揚げ物の製造方法は、水、及び水以外のバッター材料からなるバッター、又はブレッダーを用いる揚げ物の製造方法であって、前記バッター材料、又は前記ブレッダーが、カルボキシル基含量が0.1〜1.1%である酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を含有することを特徴とする。前記水以外のバッター材料、又は前記ブレッダーに、上記範囲のカルボキシル基含量を有する酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を用いることで、上述の通り、揚げ物を油ちょうした後、経時的に食感が低下すること、及び油っぽくなることを抑制することができる。本発明の揚げ物の製造方法において、前記バッター、又は前記ブレッダーは、常法に従って用いることができる。例えば、バッターの場合は、まず、前記水以外のバッター材料を適切な加水率で、水と混合してバッターを調製する。次いで、魚介類及び水産加工品類、畜肉類及び畜肉加工品類、野菜類を必要に応じて加工成形した具材を準備し、前記バッターに具材を浸漬する、又は前記バッターを具材に塗布する等により前記バッターを具材に付着させて揚げ種を調製する。前記バッターを付着させる前に、必要に応じて具材に打ち粉をまぶしてもよく、前記バッターを具材に付着させた後、パン粉等を付けてもよい。前記水以外のバッター材料100質量部に対する水の割合については、上記揚げ物が、天ぷらであれば80〜180質量部が好ましく、から揚げであれば80〜120質量部が好ましく、パン粉付けフライであれば、150〜1000質量部が好ましい。また、ブレッダーの場合は、必要に応じて調味液に浸漬した前記具材に、前記ブレッダーをまぶしてもよく、前記具材にバッター(前記酸化サゴ澱粉、及び/又は前記酸処理サゴ澱粉を含んでいてもよい)を付着させた後に前記ブレッダーをまぶして揚げ種を調製してもよい。その後、得られた揚げ種を適切な温度のフライ油に投入し、適切な時間油ちょうする。なお、揚げ玉(天かす)の場合は、前記バッターをそのまま、フライ油に散らして油ちょうすることで製造できる。本発明の製造方法によって製造された揚げ物は、上述の通り、油ちょう後、経時的に食感が低下すること、及び油っぽくなることが抑制された揚げ物である。本発明の揚げ物の製造方法において、前記酸化サゴ澱粉、及び/又は前記酸処理サゴ澱粉は、油ちょう時の水抜けがよいため、水を含むバッターを用いる製造方法が、より本発明の効果が得易い点で好ましい。
1.揚げ物用ミックス(天ぷら粉)の調製
揚げ物として天ぷらを選定し、表2及び3に示した配合で、各材料を混合して、各揚げ物用ミックス(すなわち、天ぷら粉)を調製した。なお、表2及び3で使用した酸化澱粉のカルボキシル基含量については、表1に記載した。各酸化澱粉は、以下のように自家調製した。すなわち、原料澱粉の水懸濁液に所定量の次亜塩素酸ナトリウムの溶液を添加し、アルカリ性下、40℃前後で1〜2時間反応させた。反応は発熱的に進むので、次亜塩素酸ナトリウムの添加速度の調整や反応液の冷却を行い、温度が高くなり過ぎないようにした。有効塩素がほとんど消失したところで、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を加えて残存する有効塩素を消去し、さらに酸を加えて中和した。水でよく洗浄して副生する塩や不純物を除去し、最後に脱水乾燥して製品とした。また、カルボキシル基含量の測定は、上述の通り行なった。
前記各天ぷら粉100質量部に、表2又は3に記載した質量部の水を混合し、バッターを調製した。平均質量13gのえびに、各天ぷら粉を打ち粉としてまぶした後、各バッターを付着させた。その後、170℃で2分間油ちょうして天ぷらを得た。
3.天ぷらの評価
2.で油ちょうした各天ぷらを、油ちょう直後、室温保管1時間後、4時間後にそれぞれ以下の基準で、衣の食感、及び油っぽさを評価した。評価は、パネラー10名で行い、評価結果は、評価点の平均値で示した。
(1)食感
5:サクミを強く感じ、非常に歯切れが良い
4:サクミを感じ、歯切れが良い
3:ややサクミを感じ、やや歯切れが良い
2:サクミがあまり感じられず、やや歯切れが悪い
1:サクミがなく、歯切れが悪い
(2)油っぽさ
5:油っぽさが感じられない
4:油っぽさがほとんど感じられない
3:やや油っぽさを感じるが、許容範囲
2:油っぽく感じる
1:かなり油っぽく感じる
評価結果を表2及び3に示した。
揚げ物としてから揚げを選定し、表4に示した配合で、各材料を混合して、各揚げ物用ミックス(すなわち、から揚げ粉)を調製した。なお、表4で使用した酸化澱粉のカルボキシル基含量については、天ぷらの場合と同様に表1に記載した。
5.から揚げの作製
前記各から揚げ粉100質量部に、表4に記載した質量部の水を混合し、バッターを調製した。約250g(10切れ)の鶏もも肉と、得られた各バッターを揉み込み、各バッターを鶏もも肉に付着させた。その後、170℃で4分間油ちょうして、から揚げを得た。
6.から揚げの評価
5.で油ちょうした各から揚げを、油ちょう直後、室温保管4時間後にそれぞれ、上記天ぷらの場合と同様な評価基準で、衣の食感、及び油っぽさを評価した。評価は、パネラー10名で行い、評価結果は、評価点の平均値で示した。評価結果を表4に示した。
揚げ物としてパン粉付けフライ(コロッケ)を選定し、表5に示した配合で、各材料を混合して、各揚げ物用ミックス(すなわち、バッターミックス)を調製した。なお、表5で使用した酸化澱粉のカルボキシル基含量については、天ぷらの場合と同様に表1に記載した。
8.パン粉付けフライ(コロッケ)の作製
前記各バッターミックス100質量部に、表5に記載した質量部の水を混合し、バッターを調製した。蒸してつぶしたジャガイモを、ひき肉とタマネギを炒めて調味料で味付けしたものと混ぜ、約43g/個、厚さ8mmの小判型に成形したコロッケのパテを作製した。得られた各バッターに、作製したパテを浸漬した後、引き上げ、約14gのバッターを付着させ、パン粉を付けて冷凍した。冷凍した状態のまま175℃で5分間油ちょうし、コロッケを得た。
9.パン粉付けフライ(コロッケ)の評価
8.で油ちょうした各パン粉付けフライ(コロッケ)を、油ちょう直後、室温保管4時間後にそれぞれ、上記天ぷらの場合と同様な評価基準で、衣の食感、及び油っぽさを評価した。評価は、パネラー10名で行い、評価結果は、評価点の平均値で示した。評価結果を表5に示した。
Claims (5)
- カルボキシル基含量が0.1〜1.1%である酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を含有することを特徴とする揚げ物用ミックス。
- 前記揚げ物用ミックス100質量部中に、前記酸化サゴ澱粉、及び/又は前記酸処理サゴ澱粉を1〜50質量部含有する請求項1に記載の揚げ物用ミックス。
- 水、及び水以外のバッター材料からなるバッター、又はブレッダーを用いる揚げ物の製造方法であって、
前記バッター材料、又は前記ブレッダーが、カルボキシル基含量が0.1〜1.1%である酸化サゴ澱粉、及び/又は酸処理サゴ澱粉を含有することを特徴とする揚げ物の製造方法。 - 前記酸化サゴ澱粉、及び/又は前記酸処理サゴ澱粉の含有量が、前記水以外のバッター材料、又は前記ブレッダー100質量部中に、1〜50質量部である請求項3に記載の揚げ物の製造方法。
- 前記バッター材料、又は前記ブレッダーが、請求項1又は2に記載の揚げ物用ミックスを含む請求項3又は4に記載の揚げ物の製造方法。
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