JP2024017606A - 天ぷら用ミックス粉及び天ぷらの製造方法 - Google Patents

天ぷら用ミックス粉及び天ぷらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、食物繊維含有量が高い小麦粉を含むにも関わらず、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感を抑制することができる天ぷら粉用ミックス及び天ぷらの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】天ぷらの製造において、小麦粉組成物と、卵粉とを含む天ぷら用ミックス粉であって、前記小麦粉組成物は、食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉の含有量は前記小麦粉組成物の全量に対し0.05~35質量%であり、卵粉の含有量は前記小麦粉組成物100質量部に対して0.05~12質量部である、前記天ぷら用ミックス粉を使用することで上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、天ぷら用ミックス粉及び天ぷらの製造方法に関する。
天ぷらは、小麦粉と水を主体とする衣液を魚介、野菜等の具材に付着させ、油ちょうして得られる食品であり、香ばしいサクサクした食感の衣を有する食品である。
近年の健康意識の高まりに伴い、小麦粒中に約2~3%含まれる胚芽や、外皮のふすま、それらを含む全粒小麦粉等、食物繊維に富む小麦粉が注目されてきている。揚げ物にした際に香ばしい小麦粉の風味を付与しサクサク感を向上させる一方、食物繊維等を多く含むことにより水を保持するため、天ぷらにした際、揚げ種と衣との間にヌメリが発生し、食感を阻害してしまうという問題があった。
小麦全粒粉を揚げ物に使用する技術について、例えば特許文献1には所定の粒度分布を有する小麦全粒粉を天ぷら用バッターに使用することで、油っこさの少ない食感が得られることが開示されている。また、特許文献2には小麦全粒粉を含有することを特徴とする揚げ物用打ち粉組成物を打ち粉として揚げ物に使用することで、ホットケースで保管した場合でも、衣の食感の粉っぽさや、ねちゃつき等の劣化が抑えられ、サクサク感があり歯切れがよい食感を維持することができることが開示されている。
また、天ぷらの衣の食感改良技術として、特許文献3には小麦粉と酸化澱粉及び酸処理澱粉からなる群より選択される1種以上の澱粉を含有する天ぷら用ミックス粉を用いることにより、サクサクとした食感を有する、花が咲いたような形の衣に覆われたボリュームある外観の(いわゆる花咲きの) 天ぷらを得ることができることが開示されている。また、小麦粉、澱粉、卵白粉及び糖類を所定の配合で含む天ぷら衣ミックスを使用することで、吸油量の少ない、しかもサクミが大きく、衣のボリュームのある天ぷらを得ることが開示されている。
しかしながら、これらの文献には食物繊維に富む小麦粉を天ぷらに使用した場合の揚げ種と衣との間のヌメリの改善に関する課題について、記載も示唆もない。
特開2022-44079号公報 特開2020-58261号公報 特開2019-126314号公報 特開2008-295360号公報
本発明は、食物繊維含有量が高い小麦粉を含むにも関わらず、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感を抑制することができる天ぷら粉用ミックス及び天ぷらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、天ぷらの製造において、小麦粉組成物と、卵粉とを含む天ぷら用ミックス粉であって、前記小麦粉組成物は、食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉の含有量は前記小麦粉組成物の全量に対し0.05~35質量%であり、卵粉の含有量は前記小麦粉組成物100質量部に対して0.05~12質量部である、前記天ぷら用ミックス粉を使用すると、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感が抑制された天ぷらを提供することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
小麦粉組成物と、卵粉とを含む天ぷら用ミックス粉であって、前記小麦粉組成物は、食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉の含有量は前記小麦粉組成物の全量に対し0.05~35質量%であり、卵粉の含有量は前記小麦粉組成物100質量部に対して0.05~12質量部である、前記天ぷら用ミックス粉。
[2]さらにRVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を含む、[1]に記載の天ぷら用ミックス粉。
[3][1]又は[2]記載の天ぷら用ミックス粉に水を添加混合して天ぷら用バッターを調製し、揚げ種に天ぷら用バッターを付着させた後、油ちょうすることを含む天ぷらの製造方法。
[4]揚げ種に天ぷら用バッターを付着させる前に、揚げ種に打ち粉を付着させる工程を更に含む、[3]記載の天ぷらの製造方法。
[5]前記食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、前記食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉と前記卵粉とを混合する工程を含む、[1]に記載の天ぷら用ミックス粉の製造方法。
[6]さらにRVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を添加混合する工程を含む、[5]に記載の天ぷら用ミックス粉の製造方法。
本発明によれば、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感が抑制された天ぷらを提供することができる。
本発明は、小麦粉組成物と、卵粉とを含む天ぷら用ミックス粉であって、前記小麦粉組成物は、食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉の含有量は前記小麦粉組成物の全量に対し0.05~35質量%であり、卵粉の含有量は前記小麦粉組成物100質量部に対して0.05~12質量部である、前記天ぷら用ミックス粉に関する。
本発明において「天ぷら」は、小麦粉と水を主体とする衣液を畜肉や魚介類、野菜類等の揚げ種に付着させ、油ちょう(乾熱加熱)して得られる食品である。
本発明において「小麦粉組成物」は食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、小麦粉組成物の全量に対して0.05~35質量%の、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉を含み、その余は食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉である。
本発明の天ぷら用ミックス粉において、小麦粉組成物は、好ましくは0.05~25 質量%、より好ましくは0.1~20質量%、さらに好ましくは0.1~15質量% 、さらに好ましくは0.1~10質量%の、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉を含む。
本発明の天ぷら用ミックス粉において、小麦粉組成物の全量に対する7質量%以上の小麦粉の含有量が上記範囲内であれば、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感が抑制された天ぷらを提供することができる。
本発明において、「小麦粉」は小麦を製粉した粉をいい、原料となる小麦の種類は特に限定されない。目的に応じて、適宜、普通小麦、デュラム小麦、クラブ小麦、スペルト小麦等を単独でまたは配合して使用できる。これらの小麦は、硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦のいずれであってもよい。また、国内産麦、北米産麦、豪州産麦等のいずれの産地のものでもよい。
小麦粉の製造方法は特に限定されず、公知の粉砕方法を適宜用いることができ、ロール式製粉、石臼式製粉、衝撃式粉砕機等のいずれでもよい。
本発明において、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉としては小麦全粒粉、胚芽粉末、ふすま粉末等を使用することができる。一般的に、小麦全粒粉の食物繊維含有量は約7~30質量%、胚芽粉末の食物繊維含有量は約7~30質量%、ふすまの食物繊維含有量は約15~50質量%である。ただし原料小麦と製粉方法によっては前後することがある。本発明において、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉としては好ましくは食物繊維含有量が7~50質量%の小麦全粒粉、胚芽粉末、ふすま粉末等、さらに好ましくは食物繊維含有量が7~30質量%の小麦全粒粉、胚芽粉末、より好ましくは食物繊維含有量が7~20質量%の小麦全粒粉、胚芽粉末、最も好ましくは食物繊維含有量が7~15質量%の小麦全粒粉を使用する。
食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉としては薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラム粉などを挙げることができ、これらの中でも、得られる天ぷらが軽い食感となるという観点から、薄力粉を用いることが好ましい。
本発明における食物繊維含有量は、水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の合計値として、日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアルに基づき、プロスキー変法(AOAC985.29法をベースとする分析法)によって定量される値である。食物繊維含有量は、例えばプロスキー変法に基づく市販の測定キットを用いて測定することができる。
本発明において「卵粉」は、全卵粉末、卵白粉末、卵黄粉末それらの酵素処理物等、いずれも使用することができ、またこれらを1種を単独で用いてもよく、2種またはそれ以上を組み合わせて用いることもできる。ヌメリをより改善することができるという観点から、全卵粉末もしくは卵黄粉末を使用することが好ましい。ここで全卵粉末は、卵黄および卵白をもとの卵と同じ比率で含有する粉末であり、卵黄粉末は、卵黄を含有する粉末である。全卵粉末、卵黄粉末ともに、市販品を用いることができる。
本発明の天ぷら用ミックス粉において、前記小麦粉組成物100質量部に対する卵粉の含有量は0.05~12質量部であり、好ましくは0.15~ 8質量部 、より好ましくは0.2~4質量部、さらに好ましくは0.3~ 3質量部である。
本発明の天ぷら用ミックス粉において、小麦粉組成物100質量部に対する卵粉の含有量が上記範囲内であれば、揚げ種と衣との間のヌメリのある食感が抑制された天ぷらを提供することができる。
本発明の天ぷら用ミックス粉は、さらにRVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び酸処理澱粉を含有する。
本発明において「酸化澱粉」とは、次亜塩素酸ナトリウムや過ヨウ素酸等により澱粉を酸化反応させて得られるものであり、澱粉の分子内にカルボキシ基やカルボニル基が導入されると共に分子が解重合している。このような化学的特徴から、糊化開始温度が低い、糊液の粘性が低い、糊液の安定性が高い、老化し難い等の特性を有している。
このような酸化澱粉は公知の方法により製造することができる。酸化処理の一例としては、原料澱粉の水懸濁液に所定量の次亜塩素酸ナトリウムの溶液を添加してアルカリ性下で反応させた後、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を加えて残存する有効塩素を消去し、酸を加えて中和する。その後、水でよく洗浄して副生する塩や不純物を除去し、脱水乾燥して調製することができる。
RVAピーク粘度とは、ラピッドビスコアナライザー(RapidVisco Analyzer:RVA)により澱粉を糊化させた後、その糊液を冷却した際の粘度曲線における最高粘度である。酸化澱粉のRVA最高粘度は、主として、原料澱粉の酸化処理による置換基の種類や置換度、酸処理の程度などによって変動するので、これらの変動要因を適宜調節することで、所望のRVAピーク粘度を有する酸化澱粉を得ることが可能である。RVAピーク粘度の測定は、ラピッドビスコアナライザー(ニューポート サンエンティフィック社製)を用いる。
本発明において「酸処理澱粉」とは、無機酸により澱粉鎖が一部分解を受けて低分子化している澱粉である。低分子化しているため、糊化開始温度が低い、糊液の粘性が低い等の特性を有している。酸処理に用いられる酸として、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、種類、純度などを問わず利用できる。
このような酸処理澱粉は公知の方法により製造することができる。一例としては、原料澱粉の水懸濁液に所定量の酸を添加し、酸性下で加熱撹拌して酸処理を行った後、アルカリを加えて中和する。その後、水でよく洗浄して副生する塩や不純物を除去し、脱水乾燥して調製することができる。
酸処理澱粉のRVA最高粘度は、主として、原料澱粉の酸処理による澱粉鎖の部分分解の程度によって変動するので、この変動要因を適宜調節することで、所望のRVAピーク粘度を有する酸処理化澱粉を得ることが可能である。
本発明において、酸化澱粉及び酸処理澱粉の原料澱粉は特に制限されず、例えば、小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉等や、それらのワキシー澱粉並びにハイアミロース澱粉を使用することができる。
本発明の天ぷら衣材用ミックスにおいて、使用する酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉のRVAピーク粘度は、500mPa・s以上であり、好ましくは700mPa・s以上であり、より好ましくは1000mPa・s以上であり、更に好ましくは1200mPa・s以上であり、なお好ましくは1400Pa・s以上であり、より更に好ましくは1500mPa・s以上である。また酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉のRVAピーク粘度の上限は好ましくは4000mPa・s以下、より好ましくは3500mPa・s以下、更に好ましくは3000mPa・s以下、なお好ましくは2900mPa・s以下である。酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉のRVAピーク粘度が500mPa・s以上であれば、揚げ種と衣との間のネチャつきのある食感が抑制された天ぷらを得ることができる。
ここでRVAピーク粘度とは、ラピッドビスコアナライザー(RapidVisco Analyzer:RVA)により澱粉を糊化させた後、その糊液を冷却した際の粘度曲線における最高粘度である。
酸化澱粉のRVA最高粘度は、主として、原料澱粉の酸化処理による置換基の種類や置換度、酸処理の程度などによって変動するので、これらの変動要因を適宜調節することで、所望のRVAピーク粘度を有する酸化澱粉を得ることが可能である。
酸処理澱粉のRVA最高粘度は、主として、原料澱粉の酸処理による澱粉鎖の部分分解の程度によって変動するので、この変動要因を適宜調節することで、所望のRVAピーク粘度を有する酸処理化澱粉を得ることが可能である。
なお酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を複数の種類を組み合わせて混合物として使用する場合は、その混合物を糊化させた後、その糊液を冷却した際の粘度曲線における最高粘度をRVAピーク粘度とする。
RVAピーク粘度は、例えば以下のようにして測定する。澱粉試料を8%(w/w)となるように蒸留水に分散させて-DS(懸濁液30g中澱粉2.4gを含有)スラリーを作製し、60秒間50℃で保持後50℃から95℃まで11.25℃/分で加熱後、2分半の間95℃で保持し、11.25℃/分で50℃まで冷却、2分間50℃で保持する。加熱処理中の内容物の粘度を測定し、粘度曲線を得、得られた波形に基づいて、ピーク粘度及び糊化開始温度を得る。加熱処理中の最高粘度をRVAピーク粘度として決定する。RVAピーク粘度は、ラピッドビスコアナライザーを用いて測定することができ、ラピッドビスコアナライザーとしては、例えばニューポート サンエンティフィク社製のものを用いることができる。
本発明の天ぷら衣材用ミックス粉において、酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉の含有量は、好ましくは小麦粉組成物100質量部に対して0.3~35質量部であり、より好ましくは0.7~25質量部であり、更に好ましくは1.5~15質量部であり、なお好ましくは3~7質量部である。小麦粉組成物100質量部に対して0.3~35質量部であれば、揚げ種と衣との結着が良好で、揚げ種と衣との間のネチャつきのある食感が抑制された揚げ物を得ることができる。
本発明における天ぷら衣材用ミックス粉には、小麦粉組成物、卵粉、酸化澱粉、酸処理澱粉以外で、その使用用途に応じて各種の副原料を配合することができ、そのような原料として大麦粉、ライ麦粉、米粉、大豆粉、緑豆粉、コーンフラワー等の小麦粉以外の穀物粉;タピオカでん粉、馬鈴薯でん粉、コーンスターチ、小麦でん粉、米でん粉、甘藷でん粉、緑豆でん粉、サゴでん粉等、並びにこれらのワキシー種及びハイアミロース種の未変性でん粉、並びにその未変性でん粉にα化、エーテル化、エステル化、架橋等の酸化でん粉並び酸処理澱粉以外の変性処理から選択される1種以上の変性処理を施した変性でん粉;キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、グアガム、タマリンドガム、アラビアガム等の増粘多糖類;メチルセルロース等のセルロース誘導体;小麦蛋白、卵蛋白、乳蛋白、大豆蛋白、緑豆蛋白等の蛋白質素材;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトース等の糖類;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;乳化剤;膨張剤;食塩等の無機塩類;保存料;香料;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常天ぷら用ミックス粉の製造に用いる副原料が挙げられる。
本発明の天ぷらの製造方法は、前記天ぷら用ミックス粉に水を添加混合して天ぷら用バッターを調製し、揚げ種に天ぷら用バッターを付着させた後、油ちょうすることを含む以外は公知の手法を用いることができる。また本発明の天ぷらの製造方法は揚げ種に天ぷら用バッターを付着させる前に、揚げ種に打ち粉を付着させる工程を更に含んでもよい。
例えば、事前に任意に下味をつけ及び/又は任意に打ち粉をまぶした揚げ種を用い、上記天ぷら用ミックス粉を水溶きした天ぷら用バッター液に浸漬又は付着させ、160~200℃に予熱した油槽で油ちょうする手法等が挙げられる。揚げ種としては、特に限定されず、例えば、鶏、豚、牛、羊、ヤギなどの畜肉類、イカ、エビ、アジなどの魚介類、野菜類などの種々のものを使用することができる。
揚げ種に天ぷら用バッターを付着させる際には、天ぷら用バッターを揚げ種の少なくとも一部に付着させればよい。すなわち、揚げ種の種類や所望する天ぷらの外観に応じて、具材の表面全体を天ぷら用バッターで覆ってもよく、又は揚げ種の表面の一部に天ぷら用バッターを付着させてもよい。揚げ種に天ぷら用バッターを付着させる手法とし、天ぷら用バッター中に揚げ種を浸したり、揚げ種に天ぷら用バッターを塗布するかまたは噴きつけたりすることができる。
上記天ぷら用バッターは、例えば、上記天ぷら用ミックス粉100質量部に対し、100~200質量部の水を加えて混合することで調製することができる。
本発明の天ぷら用ミックス粉の製造方法は、原料である上記所定量の前記食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、前記食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉と前記卵粉とを混合する工程を含む。本発明の天ぷら用ミックス粉の製造方法は、さらに前記RVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を添加混合する工程を含んでもよい。
混合の手段は特に限定されないが、例えば、粉体混合機のドラムに原料を投入して振盪回転することにより製造することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<製造例1:小麦粉組成物の製造>
市販の薄力小麦粉( 「ハート」、ニップン製)と食物繊維含有量が異なる小麦粉(A~F、A「クラブ」、B「まり」、C「すぎ」、D「胚芽AG」、E「FH全粒粉」、F「扇」、いずれもニップン製)を混合し、小麦粉組成物を製造した。
本明細書において、食物繊維含有量は、水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の合計値として、日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアルに基づき、プロスキー変法(AOAC985.29法をベースとする分析法)によって定量される値である。食物繊維含有量は、例えばプロスキー変法に基づく市販の測定キットを用いて測定することができる。
小麦粉(A~F)の食物繊維含有量は以下の表1に示す通りである。
表1
Figure 2024017606000001
<製造例2:酸化澱粉の製造>
(1)コーンスターチに酸化処理を行い、各種酸化度の酸化澱粉を製造した。コーンスターチ5kgに水7.5Lを加えて懸濁し、この懸濁液に酸化剤として有効塩素濃度0.5~12%の次亜塩素酸ナトリウムを270g加え、混合しながら30℃で2時間反応させて酸化処理を行なった。反応終了後、10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を徐々に添加することで残存する次亜塩素酸ナトリウムを還元し、その後5%塩酸でpH5に調整した。終了後の懸濁液は脱水した後、80℃で乾燥して各種酸化澱粉(酸化澱粉G~L)を得た。
(2)製造した酸化澱粉のRVAピーク粘度は、ラピッドビスコアナライザー(RVA)を用いて測定した。測定の具体的手順を以下に説明する。製造した澱粉サンプルと蒸留水を8%-DS(懸濁液30g中澱粉2.4gを含有)スラリーを作製し、60秒間50℃で保持後50℃から95℃まで11.25℃/分で加熱後、2分半の間95℃で保持し、11.25℃/分で50℃まで冷却、2分間50℃で保持した。加熱処理中の内容物の粘度を測定し、粘度曲線を得た。得られた波形に基づいて、ピーク粘度及び糊化開始温度を得た。加熱処理中の最高粘度をRVAピーク粘度として決定した。
表2
Figure 2024017606000002
<製造例3:酸処理澱粉の製造>
(1)コーンスターチに酸処理を行い、下記酸処理澱粉を製造した。コーンスターチ5kgに水5.5Lを加えて懸濁し、この懸濁液に50質量%硫酸溶液を添加し、pH1.0~2.0になるよう調整した。その後、40℃、25時間攪拌し、酸処理を行なった。苛性ソーダ水溶液を加えて中和し、更に水洗した。終了後の懸濁液は脱水した後、80℃で乾燥して酸処理澱粉を得た。
(2)製造した酸処理澱粉のRVA最高粘度の測定手順は製造例2と同様である。
得られた酸処理澱粉を表3に示す。
表3
Figure 2024017606000003
<製造例4:天ぷら用ミックス粉の製造>
製造例1で作成した小麦粉組成物、市販の全卵粉、製造例2及び3で作成した酸化澱粉、酸処理澱粉を適量混合し、天ぷら用ミックス粉を製造した。
<製造例5:天ぷらの製造>
(1)各天ぷら用ミックス粉100質量部に対して水160質量部を添加し、軽くかき混ぜて天ぷら用バッターを製造した。
(2)尾付き海老18~22g/尾を剥いて水気を取り、打ち粉をしてから天ぷら用バッターを身全体に絡めた。170℃ の油槽に頭側から静かに投入し、追い種はせずそのまま2分油ちょうして海老天ぷらを製造した。
[評価例1:天ぷらの食感評価]
油ちょうした天ぷらを油切りバットに上げて油切りし、熟練パネラー10名により外層の食感、内層の食感と衣の風味について下記評価基準表1、2及び3に従って評価し、平均点を求めた。
評価基準表1
Figure 2024017606000004

〔試験例1:小麦粉組成物の検討〕
製造例1に従い、表5に記載の配合で小麦粉組成物を調製した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表1、2及び3に従って評価した。食感(外層)、食感(内層)、風味のいずれも、天ぷらの衣に使用される標準的な小麦粉(ハート)の評点を基準の3点とした。風味は3.5点以上を合格として扱った。結果を表4に示す。
その結果、該当小麦粉用いた参考例1~4では、何れも風味や外層のサクサク感が良好であった一方、内層のヌメリが悪化傾向であった。対照例1、参考例5~6では内層のヌメリは参考例1~4と比較し良好であったが、外層のサクサク感が弱く、小麦ふすま由来の香ばしい風味も乏しい傾向であった。参考例7は、風味が良かったが、内層のヌメリが酷かった。
表4
Figure 2024017606000005
〔試験例2:該当小麦粉の割合の検討〕
製造例4に従い、表5、表6に記載の配合で市販の小麦粉(ハート)、小麦粉A又は小麦粉Bと、小麦粉Eと市販の卵粉とを均質になるまで混合し天ぷら用ミックス粉を製造した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表1、2及び3に従って評価した。結果を表5、表6に示す。
その結果、実施例1~8では、何れも外層のサクサク感や小麦ふすま由来の良好な風味があった。実施例8ではサクサク感、風味は良好である一方、実施例3に対して内層が悪化傾向であったが、商品として十分に提供できるものであった。比較例2では、天ぷらの色調が暗く、内層のヌメリも強かったため商品として不適切であった。
また、実施例9では、実施例3に対して内層が悪化傾向ではあったが、商品として十分に提供できるものであった。比較例3では、外層が硬く、内層のヌメリも強かったため商品として不適切であった。
表5
Figure 2024017606000006
表6
Figure 2024017606000007
〔試験例3:卵粉の割合の検討〕
製造例4に従い、表7に記載の配合で市販の小麦粉(ハート)、小麦粉Eと市販の全卵粉を均質になるまで混合し、天ぷら用ミックス粉を製造した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表に従って評価した。結果を表7に示す。
その結果、実施例10~14では、何れも食感、風味が良好であった。実施例14では卵粉由来で食感がソフトになり、実施例3に対して内層の食感が悪化傾向であったが、商品として十分に提供できるものであった。
表7
Figure 2024017606000008
〔試験例4:酸化澱粉又は酸処理澱粉の種類の検討〕
製造例4に従い、表8に記載の配合で市販の小麦粉(ハート)、小麦粉E、市販の全卵粉及び酸化澱粉、酸処理澱粉又はコーンスターチ(酸化澱粉、酸処理澱粉の原料澱粉で未処理のもの)を均質になるまで混合し、天ぷら用ミックス粉を製造した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表に従って評価した。結果を表8に示す。
その結果、RVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉又は酸処理澱粉を使用した実施例15~18では、酸化澱粉又は酸処理澱粉を使用しない実施例3と比較して何れも食感が良好であった。実施例19~22では商品としては十分ではあるが、実施例3に対して内層の食感が悪化傾向であった。
表8
Figure 2024017606000009
〔試験例5:酸化澱粉の割合の検討〕
製造例4に従い、表9に記載の配合で市販の小麦粉(ハート)、小麦粉E、市販の全卵粉、酸化澱粉Hを均質になるまで混合し、天ぷら用ミックス粉を製造した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表に従って評価した。結果を表9に示す。
その結果、用いた実施例16及び23~28では、何れも食感が良好であった。実施例29では食感が硬く、実施例3に対して内層も悪化傾向であった。
表9
Figure 2024017606000010
〔試験例6:酸処理澱粉の割合の検討〕
製造例4に従い、表10に記載の配合で市販の小麦粉(ハート)、小麦粉E、市販の全卵粉、酸処理澱粉を均質になるまで混合し、天ぷら用ミックス粉を製造した。製造例5に従って天ぷらを製造し、評価基準表に従って評価した。結果を表10に示す。
その結果、用いた実施例18及び30~35では、何れも食感が良好であった。実施例36では食感が硬く、実施例3に対して内層の食感も悪化傾向であった。
表10
Figure 2024017606000011

Claims (6)

  1. 小麦粉組成物と、卵粉とを含む天ぷら用ミックス粉であって、前記小麦粉組成物は、食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉とからなり、食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉の含有量は前記小麦粉組成物の全量に対し0.05~35質量%であり、卵粉の含有量は前記小麦粉組成物100質量部に対して0.05~12質量部である、前記天ぷら用ミックス粉。
  2. さらにRVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を含む、請求項1に記載の天ぷら用ミックス粉。
  3. 請求項1又は請求項2記載の天ぷら用ミックス粉に水を添加混合して天ぷら用バッターを調製し、揚げ種に天ぷら用バッターを付着させた後、油ちょうすることを含む天ぷらの製造方法。
  4. 揚げ種に天ぷら用バッターを付着させる前に、揚げ種に打ち粉を付着させる工程を更に含む、請求項3に記載の天ぷらの製造方法。
  5. 前記食物繊維含有量が3.5質量%未満の小麦粉と、前記食物繊維含有量が7質量%以上の小麦粉と前記卵粉とを混合する工程を含む、請求項1に記載の天ぷら用ミックス粉の製造方法。
  6. さらにRVAピーク粘度が500mPa・s以上である酸化澱粉及び/又は酸処理澱粉を添加混合する工程を含む、請求項5に記載の天ぷら用ミックス粉の製造方法。
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