JP2019041679A - 米麺の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾力があり食味のよい米麺の製造方法の提供を目的とする。【解決課題】アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、粉砕した米に加水する工程、加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び糊化した米を麺状に押出し成形する工程を含む米麺の製造方法。【選択図】図2
Description
本発明は、こしのある米麺の製造方法に関する。
健康志向が高まる中、肥満、アレルギーや生活習慣病等の予防のために米食が見直されている。また米離れの食施策として、米粉にして一般食品に添加することで米の消費を拡大することが注目されている。しかし小麦に米を添加して、麺やパンを作ることはできたが、消費拡大は程遠く、またグルテンが必須の製法のため、従来製法には限界があった。
例えば、米100%の麺を製造する方法としては、形状を保持するために、粉粒子間の結合に、のり状のつなぎ材(米)を利用する製法があるが、茹でる時に茹で水が白濁し、麺は柔らかく切れることが知られている。
また、米粉に熱湯を加え、粉粒子表面を糊化し接着させる、またはこの方法に前記の方法を組み合わせる製法も知られているが、やはり茹でる時に茹で水が白濁し、麺は柔らかく切れることが知られている。
いっぽう、アミロース含量が高い米粉に熱湯や水を加え、粉粒子表面の糊化促進に加熱法・蒸気法を利用する方法が知られている(特許文献1)が、製造時の工程数が多いため、手間がかかり、コスト高になる。またアミロース含量が高い米粉にスチーム(水蒸気)のみで加水加熱を同時に行う方法も報告されている(特許文献2)。しかし一般に使用されているスチームは、米粉への含水量を制御することが難しく、スチーム後の米粉は餅化したり、食味がゴムの様に硬くなるため、硬さを解消するために得られた麺を茹でると溶けてしまうという問題もあった。
またアミロース含量が25重量%以下の米に前記方法を使用した場合には、加熱体接触部の斑乾き片の混入問題や、粉に対し加水量が増加し、蒸し加減の調節もできず、だまが生じることや、餅化することが知られ、茹で方に工夫をして麺型を保持したとしても食味食感は麺ではなく餅であり、製造することが難しいことが知られている。
また、米粉に熱湯を加え、粉粒子表面を糊化し接着させる、またはこの方法に前記の方法を組み合わせる製法も知られているが、やはり茹でる時に茹で水が白濁し、麺は柔らかく切れることが知られている。
いっぽう、アミロース含量が高い米粉に熱湯や水を加え、粉粒子表面の糊化促進に加熱法・蒸気法を利用する方法が知られている(特許文献1)が、製造時の工程数が多いため、手間がかかり、コスト高になる。またアミロース含量が高い米粉にスチーム(水蒸気)のみで加水加熱を同時に行う方法も報告されている(特許文献2)。しかし一般に使用されているスチームは、米粉への含水量を制御することが難しく、スチーム後の米粉は餅化したり、食味がゴムの様に硬くなるため、硬さを解消するために得られた麺を茹でると溶けてしまうという問題もあった。
またアミロース含量が25重量%以下の米に前記方法を使用した場合には、加熱体接触部の斑乾き片の混入問題や、粉に対し加水量が増加し、蒸し加減の調節もできず、だまが生じることや、餅化することが知られ、茹で方に工夫をして麺型を保持したとしても食味食感は麺ではなく餅であり、製造することが難しいことが知られている。
一般にアミロース含量が35重量%以下の米を原料とする米麺は製麺の点で優れているが、本発明は、米麺への加工が難しいことが知られているアミロース含量が25重量%以下の米を用いた場合であっても、弾力があり食味のよい米麺の効率的な製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、アミロース含量が35重量%以下の米を用い、加水及びドライスチームによる加熱を採用することにより、意外にも少ない工程で効率的に、こしのある麺を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、粉砕した米に、加水する工程、加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び糊化した米を、麺状に押出し成形する工程を含む米麺の製造方法。
[2]米を撹拌する工程を含む[1]に記載の製造方法。
[3]米を粉砕する工程が米を粒径70μm〜250μmに粉砕する工程である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]加水する工程が、米1kgに対して常温〜100℃にて300〜500ccの割合で水を添加する工程である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]ドライスチームの温度が、120〜150℃である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]ドライスチームで加熱された米の温度が、65〜85℃である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]ドライスチームでの加熱時間が、米1kgに対して50〜75秒に相当する時間である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[8]押出し成形する工程の押し出し圧力が、798kg/10cm2以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の製造方法。
[9]押出し成形する工程のノズル径が、0.5〜5.0mmである[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10][1]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法で得られた米麺。
[1]アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、粉砕した米に、加水する工程、加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び糊化した米を、麺状に押出し成形する工程を含む米麺の製造方法。
[2]米を撹拌する工程を含む[1]に記載の製造方法。
[3]米を粉砕する工程が米を粒径70μm〜250μmに粉砕する工程である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]加水する工程が、米1kgに対して常温〜100℃にて300〜500ccの割合で水を添加する工程である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]ドライスチームの温度が、120〜150℃である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]ドライスチームで加熱された米の温度が、65〜85℃である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]ドライスチームでの加熱時間が、米1kgに対して50〜75秒に相当する時間である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[8]押出し成形する工程の押し出し圧力が、798kg/10cm2以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の製造方法。
[9]押出し成形する工程のノズル径が、0.5〜5.0mmである[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10][1]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法で得られた米麺。
本発明によれば、アミロース含量が22〜25重量%の米であっても、コシのある米麺を製造することができる。
本発明によれば、少ない工程で効率的に、かつ低コストで米麺の製造を行うことができる。
本発明によれば、少ない工程で効率的に、かつ低コストで米麺の製造を行うことができる。
本発明は、
(1)アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、
(2)粉砕した米に、加水する工程、
(3)加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び
(4)糊化した米を、麺状に押出し成形する工程
を含む米麺の製造方法に関する(以下本発明の方法と略することもある)。
(1)アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、
(2)粉砕した米に、加水する工程、
(3)加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び
(4)糊化した米を、麺状に押出し成形する工程
を含む米麺の製造方法に関する(以下本発明の方法と略することもある)。
本発明で使用する米は、アミロース含有量が35重量%以下の米であれば特に制限されないが、均質的に成形しやすく麺離れも良くさばきやすいという作業上の観点から、アミロース含量が、22〜30重量%が好ましく、具体的には22〜25重量%及び25〜30重量%の米が好ましい。
本発明における米は、玄米、精米、胚芽精米、無洗米のいずれも使用できるが、製麺の口あたり風味及び食感の観点から精米が好ましい。
本発明における米は、玄米、精米、胚芽精米、無洗米のいずれも使用できるが、製麺の口あたり風味及び食感の観点から精米が好ましい。
本発明で使用される米の品種については、アミロース含有量が35重量%以下である限り特に制限されないが、「こし」のある、のどごしのよい米麺を製造できるという観点から、アミロース含有量が25〜35重量%の品種及びアミロース含有量が22〜25重量%の品種等が好ましい。これらの米は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、アミロース含有量は、全デンプンに対するアミロースの割合と定義され、オートアナライザーを使用して測定される。
[米を粉砕する工程]
本発明における米を粉砕する工程は、湿式気流粉砕や乾式打撃粉砕などのいずれの方法で行ってもよいが、でんぷん損傷の少ない仕上がり(でんぷん損傷度1〜7重量%)の点では湿式気流粉砕が好ましく、設備や作業工程の簡易化やローコストの点では、乾式打撃粉砕が好ましい。
粉砕された米(米粉)の平均粒径は、餅化するのを防ぎ、糊化度制御をするという観点から、通常70μm〜250μmであり、好ましくは70μm〜125μmである。米の粒径は分離粉砕スクリーン&ふるいの装置等を用いてマイクロトラック粒度分析計での換算法により測定することができる。
得られた米粉は、必要に応じて篩を用いて整粒してもよい。
粉砕する工程に付される米は、アミロース含有量が35重量%以下のものを主体とするものであるが、アミロース含有量が35重量%を超える米や小麦等を含んでいてもよい。アミロース含有量が35重量%以下の米の割合は、米の全量に対し75〜100重量%であることが好ましく、100重量%であることがより好ましい。
本発明における米を粉砕する工程は、湿式気流粉砕や乾式打撃粉砕などのいずれの方法で行ってもよいが、でんぷん損傷の少ない仕上がり(でんぷん損傷度1〜7重量%)の点では湿式気流粉砕が好ましく、設備や作業工程の簡易化やローコストの点では、乾式打撃粉砕が好ましい。
粉砕された米(米粉)の平均粒径は、餅化するのを防ぎ、糊化度制御をするという観点から、通常70μm〜250μmであり、好ましくは70μm〜125μmである。米の粒径は分離粉砕スクリーン&ふるいの装置等を用いてマイクロトラック粒度分析計での換算法により測定することができる。
得られた米粉は、必要に応じて篩を用いて整粒してもよい。
粉砕する工程に付される米は、アミロース含有量が35重量%以下のものを主体とするものであるが、アミロース含有量が35重量%を超える米や小麦等を含んでいてもよい。アミロース含有量が35重量%以下の米の割合は、米の全量に対し75〜100重量%であることが好ましく、100重量%であることがより好ましい。
[加水する工程]
本発明における加水する工程において、最適な麺の弾力性を得るという観点から、米粉1kgに対して添加する水の割合は、通常300〜500cc、好ましくは350〜400ccである。
加水する際には、通常撹拌しながら行うことが好ましい。撹拌は、10段階回転速度調整の撹拌機等を使用して行い、例えば4段階ミキシングに設定し、安定した撹拌を行う。撹拌の速度としては、通常60〜250rpm、好ましくは110〜136rpmが挙げられる。
加水する水の温度は、急速加熱で熱を効率よく伝え、糊化度を安定させる観点から、通常は常温〜100℃であり、好ましくは65〜100℃である。本願では、常温とは15〜25℃を意味する。
本発明における加水する工程において、最適な麺の弾力性を得るという観点から、米粉1kgに対して添加する水の割合は、通常300〜500cc、好ましくは350〜400ccである。
加水する際には、通常撹拌しながら行うことが好ましい。撹拌は、10段階回転速度調整の撹拌機等を使用して行い、例えば4段階ミキシングに設定し、安定した撹拌を行う。撹拌の速度としては、通常60〜250rpm、好ましくは110〜136rpmが挙げられる。
加水する水の温度は、急速加熱で熱を効率よく伝え、糊化度を安定させる観点から、通常は常温〜100℃であり、好ましくは65〜100℃である。本願では、常温とは15〜25℃を意味する。
[糊化する工程]
本発明における糊化する工程は、加水後の米(米粉粒子・米粉微小塊粒の表面もしくは全粒)をドライスチームで、通常一気に加熱して行う。本発明において、ドライスチームとは、完全に蒸発した、液相や水滴を含んでいないスチームを指し、例えば101℃以上の加熱蒸気が使用される。
ドライスチームの温度(加熱蒸気)は、通常101℃以上であり、好ましくは120〜150℃である。この範囲であれば、滑らかで「こし」のある食味食感に優れた米麺を得ることができる。
ドライスチームで加熱する際には、ドライスチーム循環装置、蒸気発生機、高圧蒸気発生機等を使用する。ドライスチーム循環装置は、蒸気発生機から排出した蒸気を、スチームトラップで乾き蒸気(ドライスチーム)を安定させ、乾き蒸気を循環させる装置である。
ドライスチームで加熱する際には、通常撹拌しながら行う。撹拌は、10段階回転速度調整の撹拌機等を使用して行い、撹拌の速度としては、通常60〜250rpm、好ましくは110〜136rpmが挙げられる。
またドライスチームで加熱した米粉の温度(中心温度)は、滑らかで「こし」のある食味食感の観点から、通常65〜85℃であり、好ましくは70〜80℃、より好ましくは72〜78℃である。
ドライスチームでの加熱時間は、糊化度を制御するという観点から、米粉1kgに対して、通常50〜75秒、好ましくは50〜55秒に相当する時間である。この範囲内の時間であれば、米粉の中心温度を上記の範囲の温度にすることができる。
このように米粉のドライスチーム加熱の積算数値(ドライスチームの実射時間の積算数値)を制御することにより、糊化度を制御することができる。すなわち加熱の積算数値が増すと糊化が進み米粉粒子間の結合が強くなり、米粉粒子間の気体、液体が含気水となりゲル化する。いっぽう積算数値が減ると、米粉粒子間の結合は弱く、「こし」がない麺体になり、切れやすい。したがってα化からβ化又はβ化からα化への段階で、加熱の積算数値を制御することで、弾力や軟らかさを失うことなく、「こし」の食味も制御することができる。
なおドライスチームは、ウエットスチームに比べ、熱伝達性が高く、短時間で米粉粒子の表面から熱を吸収させ米粉をα化させることができ、上述のように加熱の積算数値により、食味を制御することができるため米麺の製造に好ましい。
本発明における糊化する工程は、加水後の米(米粉粒子・米粉微小塊粒の表面もしくは全粒)をドライスチームで、通常一気に加熱して行う。本発明において、ドライスチームとは、完全に蒸発した、液相や水滴を含んでいないスチームを指し、例えば101℃以上の加熱蒸気が使用される。
ドライスチームの温度(加熱蒸気)は、通常101℃以上であり、好ましくは120〜150℃である。この範囲であれば、滑らかで「こし」のある食味食感に優れた米麺を得ることができる。
ドライスチームで加熱する際には、ドライスチーム循環装置、蒸気発生機、高圧蒸気発生機等を使用する。ドライスチーム循環装置は、蒸気発生機から排出した蒸気を、スチームトラップで乾き蒸気(ドライスチーム)を安定させ、乾き蒸気を循環させる装置である。
ドライスチームで加熱する際には、通常撹拌しながら行う。撹拌は、10段階回転速度調整の撹拌機等を使用して行い、撹拌の速度としては、通常60〜250rpm、好ましくは110〜136rpmが挙げられる。
またドライスチームで加熱した米粉の温度(中心温度)は、滑らかで「こし」のある食味食感の観点から、通常65〜85℃であり、好ましくは70〜80℃、より好ましくは72〜78℃である。
ドライスチームでの加熱時間は、糊化度を制御するという観点から、米粉1kgに対して、通常50〜75秒、好ましくは50〜55秒に相当する時間である。この範囲内の時間であれば、米粉の中心温度を上記の範囲の温度にすることができる。
このように米粉のドライスチーム加熱の積算数値(ドライスチームの実射時間の積算数値)を制御することにより、糊化度を制御することができる。すなわち加熱の積算数値が増すと糊化が進み米粉粒子間の結合が強くなり、米粉粒子間の気体、液体が含気水となりゲル化する。いっぽう積算数値が減ると、米粉粒子間の結合は弱く、「こし」がない麺体になり、切れやすい。したがってα化からβ化又はβ化からα化への段階で、加熱の積算数値を制御することで、弾力や軟らかさを失うことなく、「こし」の食味も制御することができる。
なおドライスチームは、ウエットスチームに比べ、熱伝達性が高く、短時間で米粉粒子の表面から熱を吸収させ米粉をα化させることができ、上述のように加熱の積算数値により、食味を制御することができるため米麺の製造に好ましい。
[押出し成形する工程]
本発明において、糊化した米を押出し成形するには、押し出し製麺機等の機械を用いて米麺を製造する。押出し圧力は、798kg/10cm2以下であれば、弾力を調整し、のどごしの良い「こし」のある麺体表面の整った麺を押し固めることができる。
また押出し成形時には、糊化した米を真空ありまたは真空無しの条件で脱気をしてもよく、滑らかな「こし」のある麺を製造するという観点からは、真空押出し成形で脱気するのが好ましい。
押出し成形する際のノズル径は、ユーザーニーズの観点から、通常0.5〜5.0mmであり、1.0〜3.0mmが好ましい。
押出し成形後に得られた米麺は、必要に応じて、乾燥工程やドライスチームによる加熱殺菌やオゾン発生機での殺菌、及び冷凍保存の工程に供してもよい。
本発明において、糊化した米を押出し成形するには、押し出し製麺機等の機械を用いて米麺を製造する。押出し圧力は、798kg/10cm2以下であれば、弾力を調整し、のどごしの良い「こし」のある麺体表面の整った麺を押し固めることができる。
また押出し成形時には、糊化した米を真空ありまたは真空無しの条件で脱気をしてもよく、滑らかな「こし」のある麺を製造するという観点からは、真空押出し成形で脱気するのが好ましい。
押出し成形する際のノズル径は、ユーザーニーズの観点から、通常0.5〜5.0mmであり、1.0〜3.0mmが好ましい。
押出し成形後に得られた米麺は、必要に応じて、乾燥工程やドライスチームによる加熱殺菌やオゾン発生機での殺菌、及び冷凍保存の工程に供してもよい。
本発明の方法において、原料のアミロース含有量が35重量%以下の米以外にも、アミロース含有量が35重量%を超える米、小麦、さつまいも、山芋、豆等の穀類を使用してもよい。
例えばアミロース含有量が35重量%を超える米は、35重量%以下の米100重量部に対して、0〜35重量部、好ましくは0〜20重量部を加えてもよい。
例えば25重量%以下の米を主体に使用する場合には、当該米100重量部に対して、アミロース含有量が25重量%を超える米を0〜28重量部、好ましくは0〜14重量部を加えてもよい。
例えば小麦を加える場合には、米100重量部に対して、小麦を0.001〜20重量部を加えてもよい。
これらの穀類を添加するのはいずれの工程でもよいが、撹拌の工程で添加するのが好ましい。
例えばアミロース含有量が35重量%を超える米は、35重量%以下の米100重量部に対して、0〜35重量部、好ましくは0〜20重量部を加えてもよい。
例えば25重量%以下の米を主体に使用する場合には、当該米100重量部に対して、アミロース含有量が25重量%を超える米を0〜28重量部、好ましくは0〜14重量部を加えてもよい。
例えば小麦を加える場合には、米100重量部に対して、小麦を0.001〜20重量部を加えてもよい。
これらの穀類を添加するのはいずれの工程でもよいが、撹拌の工程で添加するのが好ましい。
本発明の方法において、食塩、酒、酢、かんすい等の調味料や添加剤を使用してもよい。
例えば食塩を加える場合には、米100重量部に対して、食塩を0.1〜6重量部、好ましくは0.1〜4重量部を加えてもよい。
これらの調味料や添加剤を添加するのはいずれの工程でもよいが、撹拌の工程で添加するのが好ましい。
例えば食塩を加える場合には、米100重量部に対して、食塩を0.1〜6重量部、好ましくは0.1〜4重量部を加えてもよい。
これらの調味料や添加剤を添加するのはいずれの工程でもよいが、撹拌の工程で添加するのが好ましい。
本発明の製造方法で得られた米麺(生麺)は、弾力のあるコシのある麺であり、例えば比重は、通常1〜2、好ましくは1.09〜1.25である。
比重の測定方法としては以下が挙げられる。
(1)麺の重量(a)を測定する。
(2)容器に水をいれ、はかりに乗せて「0」に合わせる。
(3)麺を糸で結び、(2)の水の中にいれ、麺は容器に当たらないように水の中に沈める。
(4)はかりで重量(b)を測定する。
(5)水の温度は20℃(常温)で行う。
(6)比重=麺の重量(a)÷水に浮いた麺の重量(b)
比重の測定方法としては以下が挙げられる。
(1)麺の重量(a)を測定する。
(2)容器に水をいれ、はかりに乗せて「0」に合わせる。
(3)麺を糸で結び、(2)の水の中にいれ、麺は容器に当たらないように水の中に沈める。
(4)はかりで重量(b)を測定する。
(5)水の温度は20℃(常温)で行う。
(6)比重=麺の重量(a)÷水に浮いた麺の重量(b)
本発明の製造方法で得られた米麺(生麺)の含気量は、麺の弾力性やこしの観点から最適な量が挙げられる。含気量は米粉に対する加水量を制御することにより適宜変化させることができ、それにより麺の弾力性を制御することができる。なお含気量とは、米粉粒子間の気体の割合を意味する。
押し出し製麺機で作られた米麺はさらに真空度80〜100%に設定した包装機でシール包装をする。ただし真空装置には限界があるため、絶対真空にすることは困難である。空気を除去し他のガスを充填することで食品の酸化防止、微生物の繁殖の抑制、静菌あるいは殺菌などを目的に包装を行う。
本発明の方法で得られた米麺の硬さは、定置式硬度計により測定することができ、生麺の硬さは、通常3.2〜4.9kgf、好ましくは3.4〜4.5kgf、より好ましくは3.6〜4.0kgfである。
生麺を茹でた場合(約2分)の麺の硬さは、通常0.18〜0.9kgf、好ましくは0.21〜0.73kgf、より好ましくは0.24〜0.49kgfである。
生麺を茹でた場合(約2分)の麺の硬さは、通常0.18〜0.9kgf、好ましくは0.21〜0.73kgf、より好ましくは0.24〜0.49kgfである。
以下、本発明について実施例で更に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの例によって制限されるものではない。なお本明細書中においては、特に断りのない限り、%は重量%を表す。
(1)米麺の製造方法
アミロース含有量が27〜29重量%の米を米粉砕の機械により70〜125μmに粉砕した。得られた米粉1kgを撹拌機に投入し110rpmで撹拌しつつ、熱湯350ccを加えた。さらに110rpmで撹拌しながら、ドライスチーム循環装置(圧力0.3MPa、バルブ開放時の温度120℃)で一気に加熱し、米粉の中心温度に応じて50〜55秒後に加熱を終了し米粉を糊化した。糊化した米粉は真空押出し製麺機(最大押出圧力798kg/10cm2、ノズル径3×1.3mm 60穴)に投入し、米粉の中心温度を測定後、押し出して麺に成形し米麺を得た。麺の製造工程を図1及びドライスチーム循環装置の構造図の概略を図2に示す。また得られた生麺及び2分間生麺を茹でた茹で麺の硬さを定置式硬度計で測定した。結果を図3に示す。
アミロース含有量が27〜29重量%の米を米粉砕の機械により70〜125μmに粉砕した。得られた米粉1kgを撹拌機に投入し110rpmで撹拌しつつ、熱湯350ccを加えた。さらに110rpmで撹拌しながら、ドライスチーム循環装置(圧力0.3MPa、バルブ開放時の温度120℃)で一気に加熱し、米粉の中心温度に応じて50〜55秒後に加熱を終了し米粉を糊化した。糊化した米粉は真空押出し製麺機(最大押出圧力798kg/10cm2、ノズル径3×1.3mm 60穴)に投入し、米粉の中心温度を測定後、押し出して麺に成形し米麺を得た。麺の製造工程を図1及びドライスチーム循環装置の構造図の概略を図2に示す。また得られた生麺及び2分間生麺を茹でた茹で麺の硬さを定置式硬度計で測定した。結果を図3に示す。
(2)米麺の成形後の評価
上記の様にして得られた成形麺(生麺)と生麺を茹でた麺(茹で麺)の評価を表1に示す。
上記の様にして得られた成形麺(生麺)と生麺を茹でた麺(茹で麺)の評価を表1に示す。
(3)従来法での米麺の製造方法
表2に示す1〜3の方法により米麺を得た。
表2に示す1〜3の方法により米麺を得た。
[1の方法]
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgに麺の形状を保持するために、粒子間の結合にのり状のつなぎ材(小麦粉)100gを添加して、常温の水400ccを加えて慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgに麺の形状を保持するために、粒子間の結合にのり状のつなぎ材(小麦粉)100gを添加して、常温の水400ccを加えて慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
[2の方法]
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgにつなぎ材(小麦粉・グルテン・α米パウダー・布海苔・米ゲル等の添加物)20gを添加して、熱湯400ccを加え糊化成形後慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgにつなぎ材(小麦粉・グルテン・α米パウダー・布海苔・米ゲル等の添加物)20gを添加して、熱湯400ccを加え糊化成形後慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
[3の方法]
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgに熱湯又は水400ccを加え、さらに水蒸気加熱(ウエットスチーム)を用いて加熱を行い、慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
アミロース含有量が22〜35重量%の米粉1kgに熱湯又は水400ccを加え、さらに水蒸気加熱(ウエットスチーム)を用いて加熱を行い、慣用の方法で生麺を作った。また生麺を2分間茹でて茹で麺を作った。
(4)従来法の米麺の評価
表2に記載の方法で得られた成形麺(生麺)と生麺を茹でた麺(茹で麺)の評価を表3に示す。
1の方法で得られた生麺を茹でた時は、茹で水は白濁し麺はやわらかく、うどんの食感であり、また麺は切れやすいもしくは切れた。
2の方法で得られた生麺を茹でた時は、茹で水は白濁し麺はとてもやわらかく、「こしがなく」、麺は切れやすいもしくは切れた。
3の方法における加熱法では加熱体接触部の斑乾き片の混入問題があり、また麺体にだまがあり、食味食感が悪かった。さらに蒸気法においては水気の多い水蒸気を利用するため、麺ではなく餅になった。又、再加熱して麺に成形しても同様であった。
表2に記載の方法で得られた成形麺(生麺)と生麺を茹でた麺(茹で麺)の評価を表3に示す。
1の方法で得られた生麺を茹でた時は、茹で水は白濁し麺はやわらかく、うどんの食感であり、また麺は切れやすいもしくは切れた。
2の方法で得られた生麺を茹でた時は、茹で水は白濁し麺はとてもやわらかく、「こしがなく」、麺は切れやすいもしくは切れた。
3の方法における加熱法では加熱体接触部の斑乾き片の混入問題があり、また麺体にだまがあり、食味食感が悪かった。さらに蒸気法においては水気の多い水蒸気を利用するため、麺ではなく餅になった。又、再加熱して麺に成形しても同様であった。
表1及び3の結果より、本発明の製造方法で得られた米麺が、生麺及び茹で麺のいずれの状態であっても食味・食感やコシの点で従来麺より優れていることが示された。
本発明によれば、少ない工程で効率的に、かつ低コストで、アミロース含量が22〜25重量%の米を用いた場合でも、コシのある米麺を製造することができる。
Claims (10)
- アミロース含有量が35重量%以下の米を粉砕する工程、粉砕した米に、加水する工程、加水後の米をドライスチームで加熱して糊化する工程、及び糊化した米を、麺状に押出し成形する工程を含む米麺の製造方法。
- 米を撹拌する工程を含む請求項1に記載の製造方法。
- 米を粉砕する工程が米を粒径70μm〜250μmに粉砕する工程である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 加水する工程が、米1kgに対して常温〜100℃にて300〜500ccの割合で水を添加する工程である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- ドライスチームの温度が、120〜150℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- ドライスチームで加熱された米の温度が、65〜85℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- ドライスチームでの加熱時間が、米1kgに対して50〜75秒に相当する時間である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 押出し成形する工程の押し出し圧力が、798kg/10cm2以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 押出し成形する工程のノズル径が、0.5〜5.0mmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法で得られた米麺。
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