JP2019039548A - 等速自在継手用ブーツバンド - Google Patents

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琢也 小島
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琢也 小島
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Abstract

【課題】等速自在継手用ブーツバンドを耳部の変形が安定するものにし、それによって、ブーツ締付力のばらつきの抑制と、等速自在継手のブーツバンド装着部の回転径の安定化を図ることを課題としている。【解決手段】金属製の帯状部材によって構成されるバンド本体2が対向一対の脚部5a、5bと架橋部5cとを有する側面視門型形状の耳部5を備え、バンド本体2の一端側に設ける係合爪3を他端側に設ける係合孔4に係合させた状態下で耳部5を加締め変形させて等速自在継手の外側継手部材の外周とシャフトの外周に嵌めたブーツ端の円筒部を締め付けるブーツバンド1について、耳部5の対の脚部5a、5bと架橋部5cに強度差を付与し、対の脚部5a、5bは、所定の加締力で変形し、架橋部5cは、前記加締力に耐えるものにした。【選択図】図1

Description

この発明は、等速自在継手の開口部に被せられる可撓性材料で形成されたブーツを、等速自在継手の開口部に固定する目的で用いられるブーツバンドに関する。
等速自在継手の外側継手部材の開口部には、継手の内部に充填されたグリースなどの潤滑剤の外部への漏洩防止と継手内部への塵埃・異物の侵入防止を目的としてゴムや軟質樹脂などの可撓性材料で形成されたブーツが被せられる。
図15に示すように、ブーツ16は、一端側に設けられる大径円筒部16aと、他端側に設けられる小径円筒部16bと、その大径円筒部16aと小径円筒部16bとの間に配置される軸方向伸縮が可能な蛇腹部16cとで構成されている。
そのブーツ16の大径円筒部16aが等速自在継手10の外側継手部材11に、小径円筒部16bが接続相手のシャフト(ドライブなど)15にそれぞれ外嵌され、ブーツバンド1A、1A’によって外側から締め付けられて固定される。
なお、ブーツバンド1A’は、ブーツバンド1Aとサイズが異なるだけで、ブーツバンド1Aと同じ構造であるので、以下の説明は、片方のブーツバンド1Aを例に挙げて行なう。
ブーツ16の固定に利用されるブーツバンド1Aの従来例として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1のブーツバンドは、バンド本体と、バンド本体の長さ方向の途中に形成された耳部とを有し、バンド本体を対象物の外周に巻き付けた状態で耳部を加締め変形させ、その耳部の加締め変形に伴うバンド本体の縮径により、対象物の外周を締め付けるものである。
特開2005−61586号公報
本願の発明者は、特許文献1と同様の加締めタイプのブーツバンドである図16〜図18に示すものについて、社内で評価検討を行なった。このブーツバンドは、金属製の帯状部材によって構成されるバンド本体2の一端側(内側重ね部)と他端側(内側重ね部上に重ねる外側重ね部)に、互いに係合する係合爪3(3a、3b、3c)と、係合孔4(4a、4b、4c)を対応させて設け、さらに、係合孔4の近辺において外側重ね部に、バンド本体2のバンド使用時に外面となる側に立ち上がる対向一対の脚部5a、5bと、その対の脚部の突端を繋ぐ架橋部5cとを有する側面視門型の耳部(張出部)5を設けたものになっている。
このように構成された等速自在継手用ブーツバンド1Aは、ブーツ16の大径円筒部16aと小径円筒部16bの外周に、環をなすように巻き付けられ、両端が重なった状況下で係合孔4(4a、4b、4c)に対して係合爪3(3a、3b、3c)を係合させる。
そして、この状態で耳部5を、脚部5a、5bの根元が互いに近づく方向に加締めて塑性変形(以下ではこれを加締め変形と言う)させ、その加締め変形による周長変化を利用してブーツバンドの環を縮径させ、図15に示したブーツ16の大径円筒部16aと小径円筒部16bを締め付ける。
ここで、本願の発明者は、図16〜図18に示した等速自在継手用ブーツバンド1Aは、耳部5の加締め形状が安定せず、同一加締力を加えても締め代(ブーツ締付力)にばらつきが生じる問題があることに着目した。
ばらつきの具体例としては、図19に示すように、目的のブーツ締付力が得られていない段階で脚部5a、5bの根元が互いに付き合わされる位置まで変形して干渉し合い、そのために、以後の更なる締め付けが行なえなくなってブーツ締付力が本来加えたい値まで到達しないことがある。
ブーツ16の大径円筒部16aと小径円筒部16bとにおいては、両者には、図15に示すように大きな径差がある。これに対し、耳部の加締め変形可能ストロークは一定している。このため、大径円筒部の締め付けに利用される径大バンドは特に、耳部の加締め変形可能ストロークに対するブーツ締付力の増加の割合が径小バンドに比べて小さいことから、図19に示した対の脚部5a、5bの相互干渉が生じた場合、ブーツ締付力が本来加えたい値に到達しない状況が起こり易い。
上記の不具合のほかに、図20に示すように、架橋部5cが外径側に膨らんだ形状となるように耳部5が変形することがある。この場合、ブーツバンドの回転径が、図21に示す設計値Dに対して、D+Δ2dに示すように大きくなることもあった。
等速自在継手のブーツバンドの回転径が増加すると、周囲の部材との干渉により等速自在継手の車両への組み付けができなくなる。
この発明は、等速自在継手用ブーツバンドを耳部の変形が安定するものにし、それによって、ブーツ締付力のばらつきの抑制と、等速自在継手のブーツバンドの回転径の安定化を図ることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、
金属製の帯状部材によって構成されるバンド本体と、
そのバンド本体の一端側と他端側に対応させて設ける係合爪及び係合孔と、
前記バンド本体の前記係合爪と前記係合孔の間に設けられる耳部を有し、
前記耳部は、対向一対の脚部と、その対の脚部の突端を繋ぐ架橋部とを有する側面視門型形状に形成され、
前記バンド本体を、等速自在継手の外側継手部材の開口を覆うブーツの端部に設けられた円筒部の外周に巻付け、
前記係合爪を前記係合孔に係合させた状態下で前記耳部を前記対の脚部の根元が互いに近づく方向に加締変形させて前記外側継手部材の外周に嵌めた前記円筒部を締め付ける等速自在継手用ブーツバンドに以下の工夫を加えた。
即ち、前記耳部の対の脚部と前記架橋部に強度差を付与し、前記対の脚部は、所定の加締力で変形し、前記架橋部は、前記加締力に耐えるものにした。
なお、ここで言う所定の加締力とは、耳部の対の脚部を初期の離間位置(例えば、離間距離10mmの位置)から、離間距離0mmの位置まで塑性変形させて接近させ得る力を言う。
前記強度差の付与は、下記に列挙する方法で行える。
1)前記対の脚部の根元に、板幅または板厚を小さくした強度低下部を形成する。
2)前記架橋部のみについて、前記帯状部材の肉厚を厚くして強度を高める。
3)前記架橋部に補強リブを複数設けて架橋部の変形抵抗を高める。
4)前記架橋部に設ける補強リブを、バンドの長手方向と幅方向の2方向に延びる平面視十字形状のリブにする。
この発明の等速自在継手用ブーツバンドは、上記の構成となしたことで、架橋部と対の脚部の間に強度差が生じ、そのために、加締力を受けたときに強度の低い脚部が優先的に変形する。
その脚部の優先的変形により架橋部の変形が抑えられ、耳部の加締め変形が安定する。その結果、常に同じような耳部の加締め形状が作りだされ、これにより、ブーツ締付力のばらつきが抑制されて、ブーツの固定、ブーツによる等速自在継手の内部の封止が安定する。
また、架橋部が外径側に膨らんだ形状となるような耳部変形が防止されるため、等速自在継手のブーツバンド装着部の回転径も安定し、等速自在継手の回転に悪影響を及ぼす懸念もなくなる。
この発明の等速自在継手用ブーツバンドの一例を示す斜視図である。 図1のブーツバンドの一部を拡大して示す斜視図である。 図1のブーツバンドの一部を拡大して示す平面図である。 図1のブーツバンドの一部を拡大して示す側面図である。 図1のブーツバンドの使用状態を示す図である。 この発明の等速自在継手用ブーツバンドの他の例の耳部を加締変形させた状態にして示す側面図である。 この発明の等速自在継手用ブーツバンドのさらに他の例の耳部を加締変形させた状態にして示す側面図である。 この発明の等速自在継手用ブーツバンドのさらに他の例の一部を拡大して示す斜視図である。 図8のブーツバンドの一部を示す平面図である。 図8のブーツバンドの一部を示す側面図である。 この発明の等速自在継手用ブーツバンドのさらに他の例の一部を拡大して示す斜視図である。 図11のブーツバンドの一部を示す平面図である。 図11のブーツバンドの一部を示す側面図である。 図1のブーツバンドを採用した等速自在継手の一例を示す断面図である。 比較品のブーツバンドを使用した等速自在継手の一例を示す断面図である。 比較品の等速自在継手用ブーツバンドの一例を示す斜視図である。 図16のブーツバンドの平面図である。 図16のブーツバンドの側面図である。 比較品のブーツバンドにおける耳部の異常変形の一例を示す側面図である。 比較品のブーツバンドにおける耳部の異常変形の他の例を示す側面図である。 図20に示した耳部変形により、等速自在継手のブーツバンド装着部の回転径が変化する様子を示す図である。
以下、添付図面の図1〜図14を参照してこの発明の等速自在継手用ブーツバンドの実施の形態を説明する。
図1〜図5は、この発明の第1の形態の等速自在継手用ブーツバンド1(以下では単にブーツバンドと言う)を示している。このブーツバンド1は、ステンレス鋼などの金属製帯状部材によって構成されるバンド本体2の一端側と他端側に、互いに係合する係合爪3(3a、3b、3c)と、係合孔4(4a、4b、4c)を対応させて設けている。なお、例示のブーツバンド1は、幅の狭い先端部2cを有する側が一端側となっている。
係合爪3a、3b、3cは、バンド本体2の一端側の端部に、バンド本体2の長さ方向(バンド本体2の一端と他端を結ぶ方向)に一列に並んで配置されている。係合爪3a、3b、3cのうち、バンド本体2の先端部2cから最も遠くに位置する係合爪3cは、バンド本体2の一部をバンド本体2の長さ方向に延びる折目線に沿って曲げ起こして形成されている。この係合爪3cの形成に伴い、バンド本体2には、係合爪3aに対してバンド本体2の幅方向(バンド本体2の長さ方向に直交する方向)に隣接する開口が形成されている。係合爪3cは、バンド本体2の他端側に突出するフック状の縁を有する。
係合爪3a、3b、3cのうち、係合爪3c以外の係合爪3a、3bは、バンド本体2に幅方向に延びる切目線を設け、その切目線に対してバンド本体2の一端側に隣接する部分を隆起させて形成されている。この各係合爪3a、3bは、バンド本体2の一端側から他端側に向かって緩やかに立ち上がり、バンド本体2の他端側から一端側に向かって直角または鋭角に立ち上がる形状とされている。
係合孔4a、4b、4cは、バンド本体2の他端側の端部に、バンド本体2の長さ方向に一列に並んで配置されている。係合孔4a、4b、4cは、いずれもバンド本体2を貫通する貫通孔である。係合孔4a、4b、4cのうち、バンド本体2の他端に最も近い係合孔4cは、係合爪3cの形状に対応して、バンド本体2の長さ方向に細長いスリット状に形成されている。バンド本体2の幅方向に沿った係合孔4a、4bの開口幅は、バンド本体2の幅方向に沿った係合孔4cの開口幅よりも大きい。
バンド本体2の係合爪3a、3b、3cと係合孔4a、4b、4cの間の位置(図では、バンド本体2の係合孔4a、4b、4cのうちバンド本体2の他端から最も離れた位置の係合孔4aに対してバンド本体2の他端側に隣接する位置)に耳部5が設けられている。耳部5は、バンド本体2からバンド使用時に径方向外側となる側に立ち上がる一対の脚部5a、5bと、その対の脚部5a、5bの突端を繋ぐ架橋部5cとを有する。一対の脚部5a、5bは、バンド本体2の長さ方向に対向しており、脚部5a、5bの突端同士が架橋部5cで連結され、脚部5a、5bの根元同士が離間している。脚部5a、5bの初期(加締める前)の離間距離は、ブーツのサイズ、ブーツの大径円筒部、小径円筒部の要求締め代などを考慮して決定され、例えば、8〜12mm程度に設定することができる。
架橋部5cには、補強リブ7が形成されている。補強リブ7は、架橋部5cの一部を凹ませることで、ブーツバンド使用時に径方向内側となる側の面を膨出させた部分である。補強リブ7は、ブーツバンド使用時に外径側となる側から見て架橋部5cの中央位置で最も深くなり、架橋部5cの中央位置からバンド本体2の長さ方向の両側に向かって次第に浅くなる形状を有する。
バンド本体2は、一端側と他端側を、ブーツを締め付ける面に段差ができないように重ねるために、長手途中に段差部2aを形成して他端側(係合孔4を設置した外側重ね部)を材料の金属製帯状部材の肉厚(板厚)相当分一端側よりも上に持ち上がらせ、一端側を内側重ね部にして、他端側の外側重ね部の下に入り込ませるようにしている。これは好ましい構成であるが、必須ではない。
特許文献1が示しているように、一端側(内側重ね部)の肉厚を端部に向かって次第に薄くする方法でも、一端側と他端側をブーツをブーツ締め付け面に段差ができないように重ねることができる。
耳部5は、係合爪3a、3b、3cを係合孔4a、4b、4cに対して係合させた状況下で、バンド本体2の一端側と他端側が重なった部分から外れた位置、すなわち、バンド使用時に外面となる位置にあれば係合爪3cの近辺やその他の位置に設けられていてもよい。
なお、係合爪3と係合孔4の設置数は、各3個に限定されない。また、係合爪3と係合孔4の形状も、互いの係合状態を維持できるものであればよく、図示の形状に限定されない。
例示のブーツバンド1は、先端部2cのある一端側に、係合爪3を、一端側から3a、3b、3cの順に並べて配置し、他端側に、係合孔4を、4a、4b、4cの3つが係合爪3の配列ピッチと同一ピッチで同方向に並ぶように配置している。
図1〜図5の符号2bは、バンド本体2の長手途中に切り起こして設けた湾曲片である。湾曲片2bは、バンド本体2の長手方向と平行な2本の切目線の間に挟まれた部分を、外径側に湾曲させて形成されている。湾曲片2bの幅は、バンド本体2の先端部2cの幅よりも大きい。湾曲片2bの一端は、段差部2aの位置にある。この湾曲片2bを備えていると、湾曲片2bを設けた領域におけるバンド本体2の変形抵抗が小さくなり、バンド本体2のブーツの円筒部に対する巻きつけ性(屈曲性)が改善されるが、湾曲片2bは好ましい要素に過ぎず、バンド本体2の素材や厚み次第では省くこともあり得る。また、この湾曲片2bを備えていると、バンド本体2の先端部2cを収納し、バンド本体2を巻き付けた際に重なり合う部分の段差を無くす役割を持つ。
このブーツバンド1を使用するにあたっては、図5に示すように、まず、バンド本体2をブーツ16の端部の円筒部(図では大径円筒部16a)の外周に巻き付けて環状に変形させ、バンド本体2の一端側(係合爪3a、3b、3cのある側)の上に他端側(係合孔4a、4b、4cのある側)を重ね合わせ、係合孔4a、4b、4cを係合爪3a、3b、3cにそれぞれ係合させる。このとき係合爪3cがフック状になっているので、係合爪3cが係合孔4cの縁に引っ掛かり、バンド本体2の弾性復元力に抗してバンド本体2を環状に保持することが可能となっている。次に、耳部5を、脚部5a、5bの根元が互いに近づく方向に加締めて塑性変形(加締め変形)させ、その加締め変形による周長変化を利用してブーツバンドの環を縮径させ、図14に示したブーツ16の端部の円筒部を締め付ける。このとき、係合爪3a、3bが係合孔4a、4bの内縁を周方向に受け止めることでバンド本体2に作用する周方向の引張力が保持されるとともに、フック形状の係合爪3cが係合孔4cの内縁の外径側への移動を阻止することで、係合爪3a、3bの係合孔4a、4bからの外れが防止される。
ここで、耳部5は、本発明を特徴づける構成として、図3に示すように、脚部5a、5bに強度低下部6を設けている。図示の強度低下部6は、脚部5a、5bの根元の板幅(バンド本体2の長さ方向に直交する方向に沿った幅寸法)の小さい部分である。脚部5a、5bの根元にバンド本体2の幅方向両側からスリットを切り込むことで、その両スリット間に、強度低下部6を形成することができる。強度低下部6の板幅は、脚部5a、5bの根元以外の部分の板幅よりも狭い。この強度低下部6を設けることで、図5に示すように、脚部5a、5bの根元が互いに近づく方向に耳部5を加締め変形させる際に、脚部5a、5bは所定の加締力で変形し、架橋部5cは加締力に耐えるように、脚部5a、5bと架橋部5cに強度差が付与されている。
この実施形態の等速自在継手用ブーツバンドは、上記の構成となしたことで、架橋部5cと対の脚部5a、5bの間に強度差が生じ、そのために、加締力を受けたときに強度の低い脚部5a、5bが優先的に変形する。その脚部5a、5bの優先的変形により架橋部5cの変形が抑えられ、耳部5の加締め変形が安定する。その結果、常に同じような耳部5の加締め形状が作りだされ、これにより、ブーツ締付力のばらつきが抑制されて、ブーツの固定、ブーツによる等速自在継手の内部の封止が安定する。また、架橋部5cが外径側に膨らんだ形状となるような耳部5の変形が防止されるため、等速自在継手のブーツバンド装着部の回転径も安定し、等速自在継手の回転に悪影響を及ぼす懸念もなくなる。
図3では、脚部5a、5bの根元の板幅を縮小することで強度低下部6を形成したが、これに代えて、図6に示すように、脚部5a、5bの根元の板厚を薄くした強度低下部6を採用することもできる。
図1〜図5に示した脚部5a、5bの根元にスリットを設けた強度低下部6、図6に示した当該根元の板厚を薄くして作り出した強度低下部6のどちらも、その強度低下部6の設置により、耳部5の対の脚部5a、5bと架橋部5cとの間に所望の強度差が付与され、耳部5を加締め変形させる際に、対の脚部5a、5bの根元が優先的に変形し、これにより、図19や図20に示したような異常変形が抑制される。
耳部5の対の脚部5a、5bと架橋部5cに所望の強度差を付与することは、架橋部5cの強度を高める手法によっても行なえる。その例として、図7に示した耳部5は、架橋部5cの肉厚を他の部分よりも大きくして架橋部5cの強度を高めている。このように、耳部5を構成する脚部5a、5bおよび架橋部5cのうちの架橋部5cのみについて、帯状部材の肉厚を厚くして強度を高めることによっても、図7に示すように、脚部5a、5bの根元が互いに近づく方向に耳部5を加締め変形させる際に、脚部5a、5bは所定の加締力で変形し、架橋部5cは加締力に耐えるように、脚部5a、5bと架橋部5cに強度差を付与することができる。
また、架橋部5cの強度を高める他の例として、図8〜図10に示すように、架橋部5cに設ける補強リブ7の数を複数に増やす手法でも、対の脚部5a、5bと架橋部5cに所望の強度差を付与することができる。複数の補強リブ7は、バンド本体2の幅方向に平行に配置されている。
補強リブ7は、架橋部5cの一部を凹ませて、ブーツバンド使用時に内側になる面側に膨出部を生じさせて作り出されるリブである。各補強リブ7は、ブーツバンド使用時に外径側となる側から見て架橋部5cの中央位置で最も深くなり、架橋部5cの中央位置からバンド本体2の長さ方向の両側に向かって次第に浅くなる形状を有する。その補強リブ7が複数あることで架橋部5cの加締力に対する変形抵抗が高まり、耳部5を加締める際に対の脚部5a、5bが優先的に変形する。
図11〜図13に示すように、架橋部5cに設ける補強リブ7を、バンドの長手方向と幅方向の2方向に延びる平面視十字形状のリブにすることでも、対の脚部5a、5bと架橋部5cに所望の強度差を付与することができる。
図14は、図1のブーツバンド1を使用した等速自在継手の一例を示す断面図である。例示の等速自在継手10は、ツエッパ型であって、軸部11aを有する外側継手部材11と、その外側継手部材11の内側に組み込んだ内側継手部材12と、外側継手部材11と内側継手部材12の角度変位を許容しながら外側継手部材11と内側継手部材12の間でトルク伝達を行なうトルク伝達部材13を有する。
外側継手部材11は、軸方向の一端が開口し、他端が閉塞した有底筒状に形成されている。外側継手部材11の閉塞端には、軸部11aが一体に形成されている。外側継手部材11の内周には、軸方向に延びる複数の外側トラック溝11cが周方向に間隔をおいて形成されている。内側継手部材12の外周には、外側トラック溝11cの内径側に対向する位置に、軸方向に延びる複数の内側トラック溝12aが形成されている。外側トラック溝11cと内側トラック溝12aの間には、トルク伝達部材13としてのボールが組み込まれている。
外側継手部材11の内周と内側継手部材12の外周の間には、トルク伝達部材13を保持するケージ14が組み込まれている。ケージ14は、外側継手部材11の内周の凹球面と、内側継手部材12の外周の凸球面とで摺動可能に支持されている。トルク伝達部材13は、ケージ14に周方向に間隔をおいて形成されたポケットに収容されている。
この等速自在継手10の内側継手部材12にドライブシャフトなどのシャフト15が連結され、そのシャフト15の長手途中と外側継手部材11の開口端近くの外周との間がブーツ16によって封止されている。
ブーツ16は、ゴムや軟質樹脂などの可撓性材料で形成されている。ブーツ16は、外側継手部材11の外周に嵌める大径円筒部16aと、シャフト15の外周に嵌める小径円筒部16bと、大径円筒部16aから小径円筒部16bに至る外径の徐々に縮小した蛇腹部16cとからなる。蛇腹部16cは、軸方向に沿った断面において、径方向外方に突出する山部と、径方向内方に凹む谷部とを軸方向に交互に有する部分であり、この山部と谷部が変形することで軸方向伸縮が可能となっている。ブーツ16は、継手の内部に充填されたグリースなどの潤滑剤が継手の外部に漏洩するのを防止するとともに、継手の外部から内部に異物が侵入するのを防止している。
ブーツ16の大径円筒部16aの外周および小径円筒部16bの外周には、それぞれ環状のブーツバンド1、1’が装着され、その各ブーツバンド1、1’の締め付けにより、ブーツ16の大径円筒部16aおよび小径円筒部16bが、外側継手部材11の外周およびシャフト15の外周にそれぞれ固定されている。ここで、大径円筒部16aと小径円筒部16bは、内径面の一部を外側継手部材11の外周とシャフト15の外周に設けた係合溝11b、15aに係合している。
図示のブーツバンド1と1’は、サイズは異なるが構造は同一であるので、ブーツバンド1’についての説明は省く。この発明のブーツバンドは、図14に示したようなブーツ16の両端の大径円筒部16a、小径円筒部16bの固定に利用される。
なお、この発明のブーツバンドは、ツエッパ型以外の等速自在継手、例えば、トリポード型等速自在継手、クロスグルーブ型等速自在継手、ダブルオフセット型等速自在継手、アンダーカット型等速自在継手などの開口を覆うブーツの固定にも利用することができる。
すなわち、上記実施形態では、外側継手部材11の内周を軸方向に延びる外側トラック溝11cと、内側継手部材12の外周を軸方向に延びる内側トラック溝12aとの間に、トルク伝達部材13としてのボールを組み込んだ形式の等速自在継手を例に挙げて説明したが、この発明は、例えば、外側継手部材11の内周を軸方向に延びるトラック溝の内側面に転がり接触するローラ(トルク伝達部材13)を、内側継手部材12の外周に設けたトラニオンで回転可能に支持する形式のトリポード型等速自在継手など、他の形式の等速自在継手にも適用することが可能である。
1、1’、1A、1A’ ブーツバンド
2 バンド本体
2a 段差部
2b 湾曲片
2c 先端部
3(3a、3b、3c) 係合爪
4(4a、4b、4c) 係合孔
5 耳部
5a、5b 脚部
5c 架橋部
6 強度低下部
7 補強リブ
10 等速自在継手
11 外側継手部材
11a 軸部
11b 係合溝
11c 外側トラック溝
12 内側継手部材
12a 内側トラック溝
13 トルク伝達部材(ボール)
14 ケージ
15 シャフト
15a 係合溝
16 ブーツ
15 シャフト
16 ブーツ
16a 大径円筒部
16b 小径円筒部
16c 蛇腹部

Claims (5)

  1. 金属製の帯状部材によって構成されるバンド本体と、
    そのバンド本体の一端側と他端側に対応させて設ける係合爪及び係合孔と、
    前記バンド本体の前記係合爪と前記係合孔の間に設けられる耳部を有し、
    前記耳部は、対向一対の脚部と、その対の脚部の突端を繋ぐ架橋部とを有する側面視門型形状に形成され、
    前記バンド本体を、等速自在継手の外側継手部材の開口を覆うブーツの端部に設けられた円筒部の外周に巻付け、
    前記係合爪を前記係合孔に係合させた状態下で前記耳部を前記対の脚部の根元が互いに近づく方向に加締め変形させて前記外側継手部材の外周に嵌めた前記円筒部を締め付ける等速自在継手用ブーツバンドであって、
    前記耳部の対の脚部と前記架橋部に強度差を付与し、前記対の脚部は、所定の加締力で変形し、前記架橋部は、前記加締力に耐えるものにした等速自在継手用ブーツバンド。
  2. 前記耳部の対の脚部と前記架橋部に対する強度差の付与が、前記対の脚部の根元に、板幅または板厚を小さくした強度低下部を形成して行なわれた請求項1に記載の等速自在継手用ブーツバンド。
  3. 前記耳部の対の脚部と前記架橋部に対する強度差の付与が、前記架橋部のみについて、前記帯状部材の肉厚を厚くして強度を高めることによって行なわれた請求項1に記載の等速自在継手用ブーツバンド。
  4. 前記耳部の対の脚部と前記架橋部に対する強度差の付与が、前記架橋部に補強リブを複数設けて架橋部の変形抵抗を高めることによって行なわれた請求項1に記載の等速自在継手用ブーツバンド。
  5. 前記耳部の対の脚部と前記架橋部に対する強度差の付与が、前記架橋部に、バンドの長手方向と幅方向の2方向に延びる平面視十字形状の補強リブを設けることによって行なわれた請求項1に記載の等速自在継手用ブーツバンド。
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JP2021041395A (ja) * 2019-09-06 2021-03-18 永康市頂点環保科技有限公司 残留農薬を速く検測できる装置
WO2021251067A1 (ja) * 2020-06-12 2021-12-16 Ntn株式会社 ブーツバンド

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