JP2020046060A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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翼 西川
Tsubasa NISHIKAWA
翼 西川
正純 小林
Masazumi Kobayashi
正純 小林
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Abstract

【課題】密封装置の装着時の継手内圧の上昇を防止して、密封装置のゴムや樹脂からなる部材の変形を回避することができる摺動式等速自在継手を提供する。【解決手段】密封装置は、継手開口側から継手奥側に向かって圧入されて外側継手部材の開口端部に外嵌固定されるブーツアダプタと、内側継手部材に連結されて外側継手部材の開口より延出したシャフトとブーツアダプタとの間に配設されたブーツとを有し、ブーツアダプタの外側継手部材への圧入始端部が内径側へ縮径されてなる加締部とされる摺動式等速自在継手である。ブーツアダプタ圧入後の外側継手部材におけるブーツアダプタの圧入始端部対応部に、加締前には継手内部と継手外部とを連通し加締後には加締部にて塞がれる貫通孔を設けた。【選択図】図1

Description

本発明は自動車等に適用される摺動式等速自在継手に関し、特に、外側継手部材の開口部が密封装置で密封されている摺動式等速自在継手に関する。
摺動式等速自在継手には、図7及び図8に示すトリポード型等速自在継手がある。このようなトリポード型等速自在継手は、外側継手部材1と、内側継手部材としてのトリポード部材2と、トルク伝達部材としてのローラ3とを備える。外側継手部材1は一端にて開口したカップ状のカップ部5を有し、このカップ部5には、その内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝7が形成してある。各トラック溝7の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)7a、7aが形成される。
トリポード部材2はボス10と脚軸11とを備える。ボス10にはシャフト17とトルク伝達可能に結合するスプライン孔10aが形成してある。すなわち、シャフト17の端部には雄スプライン17aが形成され、この雄スプライン17aがスプライン孔10aに嵌入され、スプライン嵌合されている。また、シャフト17の端縁部には、凹溝18が形成され、この凹溝18に止め輪19が装着される。これによって、シャフト17の抜け止めが構成される。
脚軸11はボス10の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。ローラ3は、脚軸11の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ12を介して外嵌されている。脚軸11の外周面は針状ころ12の内側転動面を構成し、ローラ3の内周面は針状ころ12の外側転動面を構成している。すなわち、トリポード型等速自在継手は、いわゆるシングルローラタイプである。なお、複数の針状ころ12は、脚軸11の外周面とローラ3の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ12は、脚軸11の付け根部に外嵌されたインナワッシャ13と半径方向内側で接すると共に、脚軸11の先端部に外嵌されたアウタワッシャ14と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ14は、脚軸11の先端部に形成された環状溝15に丸サークリップ等の止め輪16を嵌合させることにより抜け止めされている。
そして、等速自在継手内への異物侵入や等速自在継手内からの潤滑剤の漏れを防止するために、外側継手部材1の開口部は密封装置20にて塞がれている。密封装置20は、ゴム材料又は樹脂材料等の可撓性材料にて構成されるブーツ22と、金属製のブーツアダプタ23とからなる。ブーツ22は大径部22aと、小径部22bと、大径部22aと小径部22bとを連結する断面略U字形の屈曲部22cとを備える。ブーツアダプタ23は略円筒形で、一端部23aが外側継手部材1の端部外周面29に圧入され、他端部23bがブーツ22の大径部22aを加締めにて保持している。
また、ブーツ22は、その小径部22bがシャフト17に外嵌されてブーツバンド24で締め付けられている。この場合、アダプタ23の一端部23aは大径に形成されて、一端部23aと中間胴部23cとの間に径方向壁部23dが形成される。この径方向壁部23dが外側継手部材1のシャフト突出側の端面1aに当接している。シャフト17には周方向凹溝33が設けられ、ブーツバンド24にて小径部22bが締め付けられた際には、小径部22bの内径膨出部22b1がこの周方向凹溝33に嵌合する。
外側継手部材1の端部外周面29には周方向溝25が設けられ、この周方向溝25にシールリングとしてのOリング26が装着されている。また、この周方向溝25よりも反開口側(継手奥側)には、ブーツアダプタ23の反ブーツ側端部が内径側へ加締られてなる縮径部27が嵌合する嵌合凹溝28が形成されている。
ところで、前記のような密封装置20を組み付ける場合、アダプタ23の一端部23aを、外側継手部材1の端部外周面29に圧入することになる。この場合、圧入する際には、外側継手部材1の端部外周面29と一端部23aの内径面とが密接して、継手内部が密封される。このため、アダプタ23の一端部23aを順次圧入して行けば、継手内部の空気が圧縮されて内圧が上昇する。
継手内部の内圧が上昇すれば、ブーツ22の屈曲部22cが図7の仮想線のように、継手外部側へ押圧されて変形した状態となる。このようにブーツ22の屈曲部22cが変形すれば、外側継手部材1及びトリポード部材2を軸方向に相対移動させたり、外側継手部材1及びトリポード部材2に角度変位をつけてトルクを付与すると、ブーツ22が折れや反転によりシャフト17に擦れて摩耗したり、ブーツ22に亀裂が発生し耐久性が低下する。
そこで、従来には、ブーツアダプタ23の圧入時に、継手内部の内圧を上昇させないように、内圧調整構造を形成したものがある(特許文献1)。この特許文献1に記載のものは、図9及び図10に示すように、外側継手部材1の端部外周面29の端縁側を小径部31とし、この小径部31の外径面31aとアダプタ23の一端部23aの内径面との間に隙間を設けるようにしている。すなわち、周方向溝25の軸方向両土手部25a,25b側およびこの周方向溝25に装着されたOリング26が、アダプタ23の一端部23aの内径面に密着するシール部30としている。
このため、外側継手部材1の端部外周面29の端縁側を小径部31としているので、図10に示すように、アダプタ23の一端部23aを圧入する際、シール部30にアダプタ23の一端部23aの内径面が密着するまで、継手内部と継手外部とが隙間によって連通状態となって、内圧の上昇を防止できる。これによって、圧入時に形成されるブーツの変形を回避させている。
また、従来には、外側継手部材1の外径面(外周面)の開口部側に、図11に示すような斜め溝32を周方向に沿って所定ピッチで複数本設けたものが提案されている(特許文献2)。このため、ブーツアダプタの圧入時に継手内圧の上昇を抑えることができるエア抜き構造を形成している。
特開2006−17224号公報 特開2012−241882号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の摺動式等速自在継手によれば、確かに、内圧上昇抑制効果のある構造となっている。しかしながら、これら構造が、外側継手部材の開口部側の領域にしか設けられていない。このため、ブーツアダプタが圧入完了となる前に、外側継手部材と密封装置内の空気が密封される。
このように密封された状態で、ブーツアダプタを圧入していけば、外側継手部材の内圧が上昇することになる。内圧が上昇すれば、ブーツ断面形状が変形し、摺動や角度を取った時にブーツがシャフトに擦れて摩耗し、亀裂が生じやすくなり、耐久性が低下する。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、密封装置の装着時の継手内圧の上昇を精度よく防止して、密封装置のゴムや樹脂からなる部材の変形を回避することができる摺動式等速自在継手を提供することにある。
本発明の摺動式等速自在継手は、外側継手部材と、外側継手部材に内挿される内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在してトルク伝達を行うトルク伝達部材と、外側継手部材の開口部を密封する密封装置とを備え、前記密封装置は、継手開口側から継手奥側に向かって圧入されて外側継手部材の開口端部に外嵌固定されるブーツアダプタと、内側継手部材に連結されて前記外側継手部材の開口より延出したシャフトと前記ブーツアダプタとの間に配設されたブーツとを有し、前記ブーツアダプタの外側継手部材への圧入始端部が内径側へ縮径されてなる加締部とされる摺動式等速自在継手であって、前記ブーツアダプタの圧入後の外側継手部材におけるブーツアダプタの圧入始端部対応部に、加締前には継手内部と継手外部とを連通し加締後には加締部にて塞がれる貫通孔を設けたものである。
本発明の摺動式等速自在継手によれば、貫通孔が設けられていることによって、ブーツアダプタの圧入開始から圧入完了までの間において密封装置乃至継手内部のエアを抜くことができ、加締工程時には継手内圧が上昇することがない。このため、密封装置の装着時の継手内圧の上昇を抑えることができる。しかも、装着完了後においては、加締部にて貫通孔が塞がれる。
摺動式等速自在継手として、円周方向に向き合って配置された案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えた内側継手部材としてのトリポード部材と、このトリポード部材の脚軸に装着されるトルク伝達部材とを備えたものであってもよい。すなわち、トリポードタイプの摺動式等速自在継手であってもよい。
摺動式等速自在継手として、トルク伝達部材のボールを用いたものであってもよい。トルク伝達部材のボールを用いた摺動式等速自在継手は、ダブルオフセットタイプやクロスググルーブタイプ等がある。
ダブルオフセットタイプは、円筒形状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに一個ずつ組み込んだ複数のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージとを備え、前記ケージの球面状外周面の曲率中心と球面状内周面の曲率中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせたものである。
クロスググルーブタイプは、外周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したボール溝を円周方向に交互に形成した内側継手部材と、内周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したボール溝を円周方向に交互に形成した外側継手部材と、対となる内側継手部材のボール溝と外側継手部材のボール溝との交差部に組み込んだ複数個のトルク伝達ボールと、内側継手部材の外周面と外側継手部材の内周面との間に介在してトルク伝達ボールを円周方向で所定間隔に保持する窓部を有するケージとを備えたものである。
外側継手部材の薄肉部における、トルク伝達部材の非接触領域に貫通孔を設けたものが好ましい。外側継手部材の薄肉部に貫通孔を設けることによって、加工しやすく加工費の低減を図ることができる。しかも、貫通孔はトルク伝達部材の非接触領域に設けられるものであり、摺動式等速自在継手としての機能が損なわれることがない。
また、貫通孔は、周方向に沿って等ピッチで複数個設けられているのが好ましい。このように設けることによって、回転バランス性に優れ、安定したトルク伝達機能を発揮する。
本発明によれば、密封装置のブーツアダプタの装着工程において、継手内圧の上昇を抑えることができ、ゴム等から構成されるブーツの変形を回避することができる。このため、シャフトに対してブーツが擦れることを防止でき、擦れによる摩耗や亀裂を有効に防止でき、ブーツの耐久性の向上を図ることができる。しかも、装着完了後においては、加締部にて貫通孔が塞がれるので、等速自在継手内への異物侵入や等速自在継手内からの潤滑剤の漏れを有効に防止することができる。
本発明のトリポードタイプの摺動式等速自在継手の縦断面図である。 前記図1に示す摺動型等速自在継手の横断面図である。 前記図1に示す摺動型等速自在継手の要部拡大断面図である。 本発明のダブルオフセットタイプの摺動式等速自在継手の縦断面図である。 図4の摺動式等速自在継手の外側継手部材のトラック溝とボールとの関係を示す要部拡大断面図である。 図4の摺動式等速自在継手の要部拡大断面図である。 従来のトリポードタイプの摺動式等速自在継手の縦断面図である。 従来のトリポードタイプの摺動式等速自在継手の横断面図である。 従来の他の摺動式等速自在継手の外側継手部材の要部拡大断面図である。 前記図9に示す摺動式等速自在継手のブーツアダプタ圧入工程を示す要部拡大断面図である。 従来の他の摺動型等速自在継手の外側継手部材の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1と図2に示す実施形態の摺動型等速自在継手は、外側継手部材51と、内側継手部材としてのトリポード部材52と、トルク伝達部材としてのローラ53とを備える。外側継手部材51は一端にて開口したカップ状のカップ部55を有する。カップ部55は、その内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝57が形成してある。カップ部55は、横断面で見ると、大径部58aと小径部58bが交互に現れる非円筒形状である。すなわち、カップ部55は、大径部58aと小径部58bとを形成することによって、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝57が形成される。
各トラック溝57の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)57a、57aが形成される。また、内径面においては、円周方向に交互に現れる小内径部59bと大内径部59aをローラ案内面57aで接続した3弁の花冠状を呈している。すなわち、外側継手部材51は、円周方向に向き合ったローラ案内面57a,57aと両ローラ案内面57a,57a間に設けられた大内径部59aからなるトラック溝57が内周の三箇所に形成されるものである。
トリポード部材52はボス60と脚軸61とを備える。ボス60にはシャフト67とトルク伝達可能に結合するスプライン孔60aが形成してある。この場合、シャフト67の端部に雄スプライン45が設けられ、雄スプライン45がボス60のスプライン孔60aに嵌入されて、雄スプライン45とスプライン孔60aとがスプライン嵌合する。また、シャフト67の端部の端縁部には、凹溝46が形成され、この凹溝46に止め輪47が装着される。これによって、シャフト67の抜け止めが構成される。
脚軸61はボス60の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。ローラ53は、脚軸61の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ62を介して外嵌されている。脚軸61の外周面は針状ころ62の内側転動面を構成し、ローラ53の内周面は針状ころ62の外側転動面を構成している。すなわち、この図1と図2に示すトリポード型等速自在継手は、シングルローラタイプである。なお、複数の針状ころ62は、脚軸61の外周面とローラ53の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ62は、脚軸61の付け根部に外嵌されたインナワッシャ63と半径方向内側で接すると共に、脚軸61の先端部に外嵌されたアウタワッシャ64と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ64は、脚軸61の先端部に形成された環状溝65に丸サークリップ等の止め輪66を嵌合させることにより抜け止めされている。
そして、等速自在継手内への異物侵入や等速自在継手内からの潤滑剤の漏れを防止するために、外側継手部材51の開口部は密封装置70にて塞がれている。密封装置70は、ゴム材料又は樹脂材料等の可撓性材料にて構成されるブーツ72と、金属製のアダプタ73とからなる。ブーツ72は大径部72aと、小径部72bと、大径部72aと小径部72bとを連結する断面略U字形の屈曲部72cとを備える。アダプタ73は略円筒形で、一端部73aが外側継手部材51の端部外周面79に圧入され、他端部73bがブーツ72の大径部72aを加締めにて保持している。
また、ブーツ72は、その小径部72bがシャフト67に外嵌されてブーツバンド74で締め付けられている。この場合、アダプタ73の一端部73aは大径に形成されて、一端部73aと中間胴部73cとの間に径方向壁部73dが形成される。この径方向壁部73dが外側継手部材51のシャフト突出側の端面51aに当接している。なお、シャフト67には、周方向凹溝48が設けられ、ブーツバンド74にて小径部72bが締め付けられた際には、小径部72bの内径膨出部72b1がこの周方向凹溝48に嵌合する。
図3に示すように、外側継手部材51の端部外周面79には周方向溝75が設けられ、この周方向溝75にシールリングとしてのOリング76が装着されている。また、この周方向溝75よりも反開口側(継手奥側)には、ブーツアダプタ73の反ブーツ側端部が内径側へ加締られてなる縮径部(加締部)77が嵌合する嵌合凹溝78が形成されている。このため、Oリングが装着される周方向溝76を含む端部外周面79が、アダプタ73の一端部73aが圧接するシール部となる。
この場合、ブーツアタプタ73の圧入後の外側継手部材51におけるブーツアダプタ73の圧入始端部対応部に、加締前には継手内部と継手外部とを連通し加締後には加締部77にて塞がれる貫通孔80を設けた。すなわち、嵌合凹溝78の底面に継手内部に連通される貫通孔80を設けたものである。この場合の貫通孔80は、外側継手部材51の薄肉部であって、トルク伝達部材であるローラ53の非接触領域である。具体的には、大径部58aに設けられる。
次に、図1に示す等速自在継手を組み立てる方法を説明する。まず、トリポードキッドK(トリポード部材52の脚軸61に針状ころ62を介してローラ53が組み付けられてなるものであり、シャフト67の雄スプライン45がトリポード部材52のスプライン孔60aにスプライン嵌合して止め輪47を介して抜け止めを施されている)を外側継手部材51に嵌入する。この場合、ブーツ72の小径部72bをブーツバンド74にて締め付けられた状態となっている。
このため、ブーツアダプタ73を外側継手部材51の端部外周面79に外側継手部材51の開口部から圧入していくことになる。この場合、ブーツアダプタ73の圧入始端部73a1は、図3の仮想線で示すように、内径側へ縮径されていない形状となっている。このため、順次圧入していく場合、貫通孔80が設けられていることによって、ブーツアダプタ73の圧入開始から圧入完了までの間において、密封装置70ないし外側継手部材51内のエアを、この貫通孔80から抜くことができる。すなわち、ブーツアダプタ73の一端部73aが圧入していって、ブーツアダプタ73の圧入始端部73a1が嵌合凹溝78に達するまでは、貫通孔80を介して、継手内部と継手外部とが連通された状態であり、さらに、圧入始端部73a1が嵌合凹溝78に達しても、圧入始端部73a1は仮想線で示すように縮径されていないので、貫通孔80の外径側開口部が塞がれていない状態であり、継手内部と継手外部とが連通された状態である。
そして、圧入始端部73a1(一端部73aの端縁部)が嵌合凹溝78に達した後、この圧入始端部73a1が内径側へ加締められ、この嵌合凹溝78に嵌合する加締部77が形成される。この加締部77によって、貫通孔80が外径側から塞がれ、組み付け作業が完了する。また、この状態では、シールリングとしてのOリング76がアタプタの圧入始端部の内径面に密着して、継手外部と継手内部とが密封状態となる
本発明の摺動式等速自在継手によれば、ブーツアダプタ73の圧入開始から圧入完了までの間において密封装置乃至継手内部のエアを抜くことができ、加締工程時には継手内圧が上昇することがない。このため、密封装置の装着時の継手内圧の上昇を抑えることができる。すなわち、密封装置70のブーツアダプタ73の装着工程において、継手内圧の上昇を抑えることができ、ゴム等から構成されるブーツ72の変形を回避することができる。このため、シャフト67に対してブーツ72が擦れることを防止でき、擦れによる摩耗や亀裂を有効に防止でき、ブーツ72の耐久性の向上を図ることができる。しかも、装着完了後においては、加締部77にて貫通孔80が塞がれるので、等速自在継手内への外部からの異物侵入や等速自在継手内からの潤滑剤の漏れを有効に防止することができる。
また、外側継手部材51の薄肉部(大径部58a)において貫通孔80を設けることによって、加工しやすく加工費の低減を図ることができる。しかも、トルク伝達部材であるロータ53の非接触領域に貫通孔80を設けているので、摺動式等速自在継手としての機能が損なわれることがない。
次に、図4はダブルオフセットタイプの摺動式等速自在継手を示し、この摺動式等速自在継手は、円筒形状内周面81に軸方向に延びる複数のトラック溝82を形成した外側継手部材83と、球面状外周面84に軸方向に延びる複数のトラック溝85を形成した内側継手部材86と、外側継手部材83と内側継手部材86との間に介在してトルク伝達を行うトルク伝達部材としてのトルク伝達ボール87とを備える。トルク伝達ボール87は、ケージ89のポケット88に保持される。
ケージ89の球面状外周面89aの曲率中心O1と球面状内周面89bの曲率中心O2を、継手中心Oを挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせたものである。なお、外側継手部材83の内周面開口端部には、内部部品M(内側継手部材86とケージ89とボール87等)の抜け止めとしてのリング体(Oリング)95が付設され、外側継手部材83の奥部にも内部部品の奥側の侵入を防止するリング体(Oリング)96が付設されている。
また、内側継手部材86の軸心孔に雌スプライン90が形成され、この軸心孔にシャフト91の端部が嵌入される。このシャフト91の端部には雄スプライン92が形成され、シャフト91の端部が内側継手部材86の軸心孔に嵌入された状態で、シャフト91の雄スプライン92が内側継手部材86の雌スプライン90に嵌合する。雄スプライン92の端部には周方向凹溝93が設けられ、この周方向凹溝93にストッパとしての止め輪94が装着されている。
外側継手部材83の開口部は密封装置100にて塞がれている。密封装置100は、ゴム材料又は樹脂材料等の可撓性材料にて構成されるブーツ102と、金属製のアダプタ103とからなる。ブーツ102は大径部102aと、小径部102bと、大径部102aと小径部102bとを連結する断面略U乃至V字形の屈曲部102cとを備える。また、ブーツ102は、その小径部102bがシャフト91のブーツ装着部91aに外嵌されてブーツバンド105で締め付けられている。
アダプタ103は略円筒形で、一端部(嵌合部)103aが外側継手部材83の端部外周面110に圧入され、他端部(加締部)103bがブーツ102の大径部102aを加締めにて保持している。アダプタ103の一端部103aは大径に形成されて、嵌合部103aと中間胴部103cとの間に径方向壁部103dが形成される。この径方向壁部103dが外側継手部材83のシャフト突出側の端面83aに当接している。
図6に示すように、外側継手部材83の端部外周面110には周方向溝109が設けられ、この周方向溝109にシールリングとしてのOリング106が装着されている。また、この周方向溝109よりも反開口側(継手奥側)には、ブーツアダプタ103の反ブーツ側端部(嵌合部103aの開口端部)が内径側へ加締られてなる縮径部(加締部)107が嵌合する嵌合凹溝108が形成されている。このため、Oリングが装着される周方向溝109を含む端部外周面110が、アダプタ103の嵌合部103aが圧接するシール部となる。
この場合も、外側継手部材83におけるブーツアダプタ103の圧入始端部対応部に、加締前には継手内部と継手外部とを連通し加締後には加締部107にて塞がれる貫通孔80を設けたものである。この貫通孔80も、外側継手部材の薄肉部における、トルク伝達部材の非接触領域に設けたものである。すなわち、図5に示すように、外側継手部材83のトラック溝82の横断面形状は、ゴシックアーチ形状に形成されている。このため、ボール87は、外側継手部材83のトラック溝82と2点C1、C2でアンギュラコンタクトすることになって、このトラック溝82の溝底部において、ボール87の非接触領域を構成する。そこで、このボール87の非接触領域に貫通孔80を設けることになる。
次に、図4に示す等速自在継手を組み立てる方法を説明する。まず、内部部品M(内側継手部材86とケージ89とボール87とを組み付けられなるものであって、シャフト91の雄スプライン92を内側継手部材86のスプライン孔90にスプライン嵌合して止め輪94を介して抜け止めを施したもの)を外側継手部材83に嵌入する。この場合、ブーツ102の小径部102bはブーツバンド105にて締め付けられた状態となっている。
この場合も、ブーツアダプタ103を外側継手部材83の端部外周面109に外側継手部材83の開口部から圧入していくことになる。この場合、ブーツアダプタ103の圧入始端部103a1(一端部103aの端縁部)は、図6の仮想線に示すように、内径側へ縮径されていない形状となっている。このため、順次圧入していく場合、貫通孔80が設けられていることによって、ブーツアダプタ103の圧入開始から圧入完了までの間において密封装置100ないし外側継手部材83内のエアを、この貫通孔80から抜くことができる。
そして、圧入始端部103a1が嵌合凹溝108に達した後、この圧入始端部103a1が内径側へ加締められ、この嵌合凹溝108に嵌合する加締部107が形成される。この加締部107によって、貫通孔80が外径側から塞がれ、組み付け作業が完了する。また、この状態では、シールリングとしてのOリング106がアタプタの圧入始端部の内径面に密着して、継手外部と継手内部とが密封状態となる
このため、図4に示す等速自在継手であっても、図1に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
ところで、前記各実施形態の摺動式等速自在継手は、トリポードタイプの等速自在継手やダブルオフセットタイプの等速自在継手であったが、クロスグルーブタイプの等速自在継手であってもよい。
トリポードタイプの等速自在継手は、円周方向に向き合って配置された案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えた内側継手部材としてのトリポード部材と、このトリポード部材の脚軸に装着されるトルク伝達部材とを備えたものである。クロスグルーブタイプの等速自在継手は、軸線に対して互いに逆方向に傾いたボール溝を円周方向に交互に形成した外周面を有する内側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾いたボール溝を円周方向に交互に形成した内周面を有する外側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾いた内側継手部材のボール溝と外側継手部材のボール溝との交差部に組み込んだトルク伝達ボールと、内側継手部材の外周面と外側継手部材の内周面との間に介在してトルク伝達ボールを収容するポケットを有し、このトルク伝達ボールを円周方向で所定間隔に保持するケージを備えたものである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、トリポードタイプの場合、トルク伝達部材がシングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであってもよい。貫通孔80としては、各等速自在継手において、1個あればよいが、図1に示すようなトリポードタイプの場合、各大径部58aに設けても、図4に示すようなダブルオフセットタイプの場合も、各トラック溝82の底部に設けてよい。この場合、回転バランスを考慮して、周方向に沿って等ピッチに設けるのが好ましい。
また、貫通孔80の断面形状として、円孔、楕円乃至長円、正方形、長方形、台形、5角形以上の多角形等であっても、大きさ(断面積)としても任意に設定できる。すなわち、ブーツアダプタ73,103の圧入開始から圧入完了までの間において密封装置乃至継手内部のエアを抜くことができ、加締工程時には継手内圧が上昇しないものであればよい。また、ブーツアダプタ73,103として圧入する前に、圧入始端部73a1、103a1を外径側へ折り曲げて拡径したものであってもよい。このように、拡径させたものであれば、圧入する場合に、圧入開始時のガイドとなって安定して圧入することができる。
51 外側継手部材
52 内側継手部材(トリポード部材)
53 トルク伝達部材(ローラ)
57 トラック溝
67 シャフト
70 密封装置
72 ブーツ
73 ブーツアダプタ
77 加締部(縮径部)
80 貫通孔
83 外側継手部材
86 内側継手部材
87 トルク伝達部材(トルク伝達ボール)
91 シャフト
100 密封装置
102 ブーツ
103 ブーツアダプタ

Claims (5)

  1. 外側継手部材と、外側継手部材に内挿される内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在してトルク伝達を行うトルク伝達部材と、外側継手部材の開口部を密封する密封装置とを備え、前記密封装置は、継手開口側から継手奥側に向かって圧入されて外側継手部材の開口端部に外嵌固定されるブーツアダプタと、内側継手部材に連結されて前記外側継手部材の開口より延出したシャフトと前記ブーツアダプタとの間に配設されたブーツとを有し、前記ブーツアダプタの外側継手部材への圧入始端部が内径側へ縮径されてなる加締部とされる摺動式等速自在継手であって、
    前記ブーツアダプタの圧入後の外側継手部材におけるブーツアダプタの圧入始端部対応部に、加締前には継手内部と継手外部とを連通し加締後には加締部にて塞がれる貫通孔を設けたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 円周方向に向き合って配置された案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えた内側継手部材としてのトリポード部材と、このトリポード部材の脚軸に装着されるトルク伝達部材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. トルク伝達部材にボールを用いたものであることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記外側継手部材の薄肉部における、トルク伝達部材の非接触領域に貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 前記貫通孔は、周方向に沿って等ピッチで複数個設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
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