JP2009228727A - 継手の防塵装置 - Google Patents

継手の防塵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009228727A
JP2009228727A JP2008073010A JP2008073010A JP2009228727A JP 2009228727 A JP2009228727 A JP 2009228727A JP 2008073010 A JP2008073010 A JP 2008073010A JP 2008073010 A JP2008073010 A JP 2008073010A JP 2009228727 A JP2009228727 A JP 2009228727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
boot
joint case
case
shaft member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008073010A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Watanabe
英昭 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Original Assignee
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukoku Co Ltd, Fukoku KK filed Critical Fukoku Co Ltd
Priority to JP2008073010A priority Critical patent/JP2009228727A/ja
Publication of JP2009228727A publication Critical patent/JP2009228727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】駆動側軸部材と従動側軸部材とを連結する継手の耐久性を向上するようにした継手の防塵装置を提供する。
【解決手段】この防塵装置は、ジョイントケース11とこれに組み込まれる内側部材13とを有する継手に適用され、ブーツ21とブーツ固定具31とを有している。ブーツ21はジョイントケース11の端面11aに突き当てられるフランジ部23とカバー部24とを有し、カバー部24に連なる固定部25により継手軸部材18に固定される。ブーツ固定具31はジョイントケース11の外周側に嵌合する嵌合部32と、ジョイントケース11との間でフランジ部23を軸方向に加圧する押圧部33とを有しており、ブーツ21はブーツ固定具31によりジョイントケース11に直接固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は駆動側のシャフトと従動側のシャフトとを連結する継手に装着される継手の防塵装置に関する。
エンジン動力を駆動輪に伝達する車両用動力伝達系における駆動軸は、変速機から終減速機に駆動力を伝達するプロペラシャフトと、終減速機から駆動輪に駆動力を伝達するドライブシャフトとを有している。これらの動力伝達用のシャフトは、相互に自在継手や等速継手などの継手を介して連結される複数本の駆動軸つまりシャフトを有している。自在継手としてはカルダンジョイントとも言われるフック式ジョイントが用いられている。
一方、等速継手としてはツェッパ型ジョイント、固定式または摺動式のトリポード型ジョイント、ダブルオフセット型およびクロスグルーブ型ジョイント等が用いられている。プロペラシャフトの駆動側軸部材と従動側軸部材とを連結するツェッパ型ジョイントが特許文献1に記載され、ドライブシャフトの駆動側軸部材と従動側軸部材とを連結するトリポード型ジョイントが特許文献2に記載され、プロペラシャフトの駆動側軸部材と従動側軸部材とを連結するダブルオフセット型ジョイントが特許文献3に記載されている。これらのジョイントにはジョイント内部に潤滑油(グリス)を保持するとともに外部から土砂、水等の異物が入り込むのを防止するためにゴムや樹脂等の弾性体からなるブーツが装着されている。
特開2000−320567号公報 特開平9−14284号公報 特開2006−275195号公報
上述したジョイントつまり継手は、駆動側軸部材に取り付けられるジョイントケースと、この中に組み込まれるとともに被駆動側軸部材が取り付けられるインナーレースつまり内側部材とを有している。ブーツは小径端部、折返し部が設けられたカバー部、および小径端部の径方向外方に向けて突出する大径端部とを有しており、ブーツの小径端部は被駆動側軸部材に直接固定され、ブーツの大径端部は円筒形状のアダプタによりジョイントケースに連結されている。アダプタの基端部はジョイントケースの外側に嵌合されるとともに、ジョイントケースの外周部に形成された環状溝内にアダプタの基端部を塑性変形させてカシメることによりアダプタはジョイントケースに固定される。
従来のジョイントにおいては、アダプタの先端部にブーツの大径端部を連結するために、アダプタの先端部をカシメ加工してブーツの大径端部を挟持させるようにしている。このため、アダプタをカシメ加工によりブーツの大径端部に固定するには、ゴム、樹脂エラストマー材などの弾性材料からなる軟質のブーツにアダプタを突き当てた状態のもとでアダプタの円周方向全体に一定の外力を加えてアダプタの先端部を塑性変形させる必要がある。
したがって、アダプタの先端部のカシメ加工は、アダプタの基端部における金属製のジョイントケースに対するカシメ加工に比して容易でなく、アダプタの先端部を円弧状に加工するために加工能率向上に限度がある。しかも、カシメ加工により塑性変形したアダプタの先端部が円周方向全体に均一とならずにカシメ加工部位におけるブーツへの締め付け力に偏りがあると、ブーツ内に封入されたグリスなどが外部に染みだすおそれがあり、ジョイントの耐久性を損なうことになる。
本発明の目的は、駆動側軸部材と従動側軸部材とを連結する継手の耐久性を向上するようにした継手の防塵装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、継手に対するブーツの組み付け作業を能率的に行うことができ、カシメ加工を省略しているにも拘わらず、グリス漏れの怖れがなく、低コストな継手の防塵装置を提供することにある。
本発明の継手の防塵装置は、駆動側軸部材と従動側軸部材のいずれか一方の軸部材が取り付けられるジョイントケースと、当該ジョイントケース内に前記一方の軸部材に対して屈曲移動自在に組み込まれるとともに他方の軸部材が取り付けられて前記ジョイントケースと一体に回転する内側部材とを有する継手の防塵装置であって、前記ジョイントケースの端面に突き当てられるフランジ部、当該フランジ部に一体に連なり径方向内方に折り曲げられる折返し部が設けられたカバー部、および当該カバー部に連なるとともに前記他方の軸部材に固着される固定部を備えるブーツと、前記ジョイントケースの外周側に嵌合して前記ジョイントケースに固定される嵌合部、および前記ジョイントケースの端面に前記フランジ部を介して対向し前記ジョイントケースの端面との間で前記フランジ部を軸方向に加圧する押圧部を備えるブーツ固定具とを有することを特徴とする。
本発明の継手の防塵装置は、前記フランジ部は前記カバー部の肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とする。また、本発明の継手の防塵装置は、前記ジョイントケースの端面に対向する前記フランジ部の対向面および/または前記ジョイントケースの端面に、凸部を設けたことを特徴とする。
本発明の継手の防塵装置は、前記フランジ部の対向面に形成された凸部に嵌合する凹部を前記ジョイントケースの端面に設けることを特徴とする。また、本発明の継手の防塵装置は、前記フランジ部に局部的に押圧力を付加する付勢部を前記ブーツ固定具の前記押圧部に設けることを特徴とする。さらに、本発明の継手の防塵装置は、前記ジョイントケースの外周面に形成された係止部に前記嵌合部を係合することにより、前記フランジ部に加えられる軸方向の加圧力を設定した状態のもとで前記嵌合部を前記ジョイントケースに固定することを特徴とする。
本発明によれば、ジョイントケースとこれに組み込まれる軸部材との間に装着されるブーツがジョイントケースの端面に突き当てられるフランジ部を有しており、ブーツをフランジ部で直接ジョイントケースに取り付けることができるので、ブーツとジョイントケースとの間にこれらを連結するための金属製のアダプタを用いることが不要となる。これにより、アダプタをブーツにカシメ加工により固定する作業が不要となる。このように、アダプタをブーツにカシメ加工する際には、軟質のブーツの端部に金属製のアダプタを円弧状に折り曲げ加工することになり、アダプタの円周方向全周に均一な外力を加えなければならず、加工能率向上に限度があるだけでなく、カシメ加工部位に円周方向でカシメ加工の偏りがあるとブーツ内のグリスの染み出しが発生するおそれがあるが、本発明においてはアダプタが不要になるので、このようなグリスの染み出しが防止され、継手の耐久性を向上することが可能となる。しかも、ブーツ固定具をジョイントケースに固定することによりブーツをジョイントケースに直接固定することができるので、グリスの漏れ発生がない耐久性に優れた防塵装置を低コストで製造することができる。
フランジ部の肉厚をカバー部の肉厚よりも厚く形成すると、フランジ部の強度や剛性がカバー部よりも高められ、継手の耐久性を向上させることが可能となる。フランジ部の対向面とジョイントケースの端面の少なくともいずれか一方に凸部を設けると、フランジ部とジョイントケースとの間の密着性が高められ、これらの間からのグリスの漏出を確実に防止することができる。凸部に対応させてこれが嵌合する凹部をフランジとジョイントケースの一方に設けることにより、フランジ部とジョイントケースとの間の密着性がより高められる。さらに、ブーツ固定具の押圧部に付勢部を設けると、密着性をより高めることができる。
ブーツ固定具の嵌合部をジョイントケースの外周側に嵌合させてジョイントケースに固定することにより、ブーツ固定具の押圧部とジョイントケースの端面との間でフランジ部に対する軸方向の加圧力を加えた状態でこれらを固定することができるので、ブーツ固定具のジョイントケースへの固定作業によりフランジ部に対する軸方向の加圧力を所定値に設定することができる。ブーツ固定具のジョイントケースに対する固定は、ジョイントケースの外周面に形成された係止部に嵌合部を係合させることにより、簡単なカシメ加工により確実にこれらを固定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である継手の防塵装置を示す断面図であり、図2は図1の一部を拡大して示す断面図である。継手10は摺動式の等速継手であり、円筒形状の外側部材つまりジョイントケース11を有している。ジョイントケース11の一端部は開口され、他端部には連結部12が一体に設けられている。ジョイントケース11内には外周面が球面形状となったインナーレースつまり内側部材13が組み込まれ、ジョイントケース11の内側に軸方向に延在して形成された複数の外輪溝14と、内側部材13の外側に形成された複数の内輪溝15との間にはそれぞれボール16が配置されている。それぞれのボール16は内側部材13の外側に組み付けられたケージ17に保持されている。
内側部材13にはスタブ軸とも言われる継手軸部材18がその内方端18aでスプライン結合され、継手軸部材18は止めリング19により内側部材13に固定されている。この継手10が車両の変速機出力軸とプロペラシャフトとの間に装着される場合には、駆動側軸部材としての変速機出力軸がジョイントケース11の連結部12に取り付けられ、ジョイントケース11は回転軸O1を中心に回転する。一方、継手軸部材18にはプロペラシャフトが取り付けられることになり、プロペラシャフトは継手軸部材18とともに従動側軸部材となり、駆動側軸部材により回転軸O2を中心に回転される。従動側軸部材にはボール16を介して駆動側軸部材の回転力が伝達されてこれと一体に回転し、車輪が上下方向にバウンドした場合には、両方の回転軸O1、O2が相互に傾斜するようにジョイントケース11と継手軸部材18は屈曲移動することになる。なお、図1においては、両方の回転軸O1、O2が同心状となった状態が示されている。
ジョイントケース11内に組み込まれたボール16や内側部材等の部材相互の摺動面を潤滑するために、ジョイントケース11内にはグリスが収容されている。ジョイントケース11の開口端部と継手軸部材18との間には、ジョイントケース11内にグリスを保持するとともにグリス内に異物が入り込むのを防止するために、樹脂エラストマー製のブーツ21が装着されている。
ただし、ブーツ21の材料としては、樹脂に代えてゴムなどの弾性材料を用いることもできる。なお、雰囲気温度が高温になる部位に継手が使用される場合には、耐熱性の優れたシリコーンゴム製のブーツ21とすることが好適であるが、一般に、シリコーンゴムは、引き裂き強度が低いという難点がある。しかし、本発明においては、カシメ加工によるブーツ21の固定を行わないため、カシメ加工部位を起点とする破壊が生じづらいので、シリコーンゴム製ブーツに対して、より好適である。
ブーツ21はジョイントケース11の端面11aに直接突き当てられ軸方向に延びるほぼ円筒形状の外周壁部22を有し、外周壁部22の突き当て端部には径方向外方に突出するフランジ部23が一体に設けられている。フランジ部23には外周壁部22を介して一体にカバー部24が連なっており、カバー部24は継手軸部材18に固着される円筒形状の固定部25に一体に連なっている。カバー部24は外周壁部22の端部からフランジ部23側に折り曲げられた大径の反転部26と、この反転部26を介して外周壁部22に一体に連なるとともに反転部26により径方向内方に折り曲げられる折返し部27とを有し、さらに折返し部27の端部から固定部25側に折り曲げられた小径の反転部28と、この反転部28を介して固定部25に一体に連なる内周壁部29とを有している。固定部25は締結バンド30により継手軸部材18に固着される。フランジ部23の軸方向の肉厚Dは、外周壁部22およびカバー部24の肉厚dよりも厚く形成されている。
このように、端面11aにフランジ部23を突き当ててジョイントケース11に固定されるブーツ21は、折返し部27が設けられたカバー部24を有しているので、ジョイントケース11と継手軸部材18とが相互に屈曲移動したときに、その屈曲移動にカバー部24が追従変形し、ジョイントケース11内からのグリスの漏れが防止される。
ブーツ21はブーツ固定具31によりジョイントケース11に直接固定される。ブーツ固定具31は、ジョイントケース11の外周側に嵌合してジョイントケース11に固定される円筒形状の嵌合部32と、この嵌合部32の端部からほぼ直角に折り曲げられた押圧部33とを有している。押圧部33をフランジ部23の外方端面23aに当接させて嵌合部32をジョイントケース11の外周側に嵌合させると、ジョイントケース11の端面11aにフランジ部23の対向面23bが対向した状態となってフランジ部23は端面11aと押圧部33との間で軸方向に加圧される。
このように、ブーツ21はブーツ固定具31によりジョイントケース11に直接固定されるので、ブーツ21とジョイントケース11との間にこれらを連結するために従来のようにブーツ21にカシメ加工されるアダプタを用いることが不要となる。従来のようにアダプタをブーツにカシメ加工により固定すると、軟質のブーツの端部にアダプタを円弧状に折り曲げ加工することになり、アダプタの円周方向全周に均一な外力を加えなければならず、カシメ加工部位に円周方向でカシメ加工に偏りがあると、ブーツ内のグリスの染み出しが発生するおそれがある。これに対して、ブーツ21をブーツ固定具31によりジョイントケース11に直接固定すると、グリスの染み出しが防止されて継手の耐久性を向上することが可能となる。
押圧部33にはその径方向内周端に連なって軸方向に延在する筒状部材34が一体に設けられており、筒状部材34によりブーツ21の外周壁部22が覆われているため、高い遠心力がかかっても外周壁部22が径方向外方に偏倚することが防止される。したがって、ジョイントケース11と継手軸部材18とが相互に屈曲移動しても、カバー部24の外周壁部22は径方向外方に弾性変形することなく、円筒形状を保持することになる。
ブーツ固定具31の嵌合部32をジョイントケース11に固定するために、ジョイントケース11には環状の係止溝35が係止部として形成されている。これにより、嵌合部32をジョイントケース11の外周側に嵌合させた状態のもとで、嵌合部32のうち係止溝35に対応する端部をカシメ加工することによってブーツ固定具31はジョイントケース11に固定される。図1および図2において符号36はカシメ加工されたカシメ部を示す。
ブーツ固定具31をジョイントケース11に固定する際には、ジョイントケース11の端面11aとブーツ固定具31の押圧部33とによりフランジ部23に加えられる軸方向の加圧力を設定した状態のもとで嵌合部32をカシメ加工する。係止溝35を環状に連なった溝とすることなく、円周方向に所定の間隔毎に係止溝を形成するようにしても良い。その場合には嵌合部32のうち係止溝に対応する部分のみがカシメ加工される。なお、本実施の形態においては、グリスの密封性を重要視して、係止溝35と端面11aとの間に形成された環状溝には図2に示すようにシール材37が装着されている。当然ながら、シール材37を使用しない構成としてもよいことはもちろんである。
フランジ部23の軸方向の肉厚Dは、カバー部24の肉厚dよりも大きく設定されているので、フランジ部23はカバー部24よりも強度、剛性が高められた高剛性となっている。フランジ部23に軸方向の加圧力を加えると、樹脂エラストマー製のフランジ部23は圧縮力を受けて弾性変形し、この状態で保持することによってフランジ部23に端面11aとに密着力が得られるので、継手10が車両に装着された状態のもとで、頻繁にジョイントケース11と継手軸部材18との屈曲移動が発生しても、ブーツ21に亀裂が発生したり、フランジ部23と端面11aとの間からグリスの漏れが発生したりするのを防止でき、ブーツの耐久性を高めることができる。
図1および図2に示す継手10を組み立てるには、継手軸部材18の内方端18aに内側部材13、ボール16およびケージ17を組み付けるとともに、ブーツ21を継手軸部材18に配置して固定部25を締結バンド30により締結した状態のもとで、継手軸部材18をジョイントケース11内に挿入する。次いで、ジョイントケース11の端面11aにフランジ部23を突き当てるとともにブーツ固定具31の嵌合部32をジョイントケース11の外側に嵌合させ、プレス機械によりフランジ部23に端面11aと押圧部33との間で所定の加圧力を加える。このように加圧力を加えた状態のもとで、ブーツ固定具31の嵌合部32をカシメ加工することよって、ブーツ固定具31をジョイントケース11に固定する。
ジョイントケース11はブーツ固定具31の嵌合部32が嵌合する部分の外径が他の部分よりも小径となっており、ジョイントケース11にはブーツ固定具31の端面が当接する突き当て段部11bが形成されている。図2に示すように、フランジ部23に対して押圧部33が所定の加圧力を加えたときに、嵌合部32が突き当て段部11bに当接するように嵌合部32の軸方向の長さ寸法Sを設定すると、嵌合部32を突き当て段部11bに突き当てると、フランジ部23に対する軸方向の加圧力は所定値に設定される。
図3は本発明の他の実施の形態である継手の防塵装置を示す断面図である。図3においては図1と共通する部材については同一の符号が付されている。図3に示される継手の防塵装置はブーツ21およびブーツ固定具31の構造が図1に示されたものと相違しているが、他の構造は図1に示されたものと共通である。
図3に示される継手の防塵装置におけるブーツ固定具31は、図1に示された筒状部材34を有しておらず、嵌合部32と押圧部33とから構成されている。一方、ブーツ21の外周壁部22は、図1に示された外周壁部22の厚みがカバー部24とほぼ同一厚みに設定されているのに対し、外周壁部22の肉厚d1はカバー部24の肉厚d0よりも厚く形成されている。また、フランジ部23の肉厚Dは、外周壁部22の肉厚よりも厚く形成されている。このように、外周壁部22の厚みをカバー部24よりも厚くすると、外周壁部22の強度が高められて、ジョイントケース11と継手軸部材18とが相互に遠心力を受けつつ屈曲移動しても、外周壁部22の弾性変形量が大きくなることを防止できる。
本実施の形態のように、フランジ部23の肉厚Dを外周壁部22の肉厚よりも厚く形成すると、フランジ部23をジョイントケース11の端面11aに対してより強い加圧力を加えても加圧力が均等に分散し易くするのに有効であるが、これに限定されるものではない。
図4(A)および図4(B)はそれぞれ図1に示された防塵装置の変形例を示す一部拡大断面図である。図4(A)に示す実施の形態においては、フランジ部23の対向面23bにそれぞれ断面円弧状の2つの凸部41が環状に設けられており、フランジ部23の対向面23bを端面11aに押し付けると凸部41が押し潰されてフランジ部23の対向面23bと端面11aとの密着性が高められる。凸部41は対向面23bと端面11aの少なくともいずれか一方面に設けることができ、凸部41を端面11aに設けると、凸部41がフランジ部23の内部に入り込んで対向面23bと端面11aとの密着性が高められる。本実施の形態では、断面円弧状としたが、断面矩形形状やリップ形状としてもよい。
図4(B)に示す実施の形態においては、フランジ部23の対向面23bにはリップ形状の凸部41が設けられており、凸部41はその先端部が径方向中心部に向かうように傾斜している。ジョイントケース11の端面11aには、リップ形状の凸部41が入り込む凹部42が形成されており、端面11aにフランジ部23を押し付けると、凸部41はその先端部が径方向内方に突出するように変形する。これにより、ジョイントケース11内のグリスの漏れが凸部41により防止される。
図4(C)〜図4(E)はそれぞれ図2に示された防塵装置の変形例を示す一部拡大断面図である。図4(C)に示す実施の形態においては、フランジ部23には図4(A)と同様の凸部41が形成されており、ブーツ固定具31の押圧部33の内周端部には径方向外方に折り曲げられた折返し部33aが形成されている。このように、押圧部33に折返し部33aを設けることにより外周壁部22の根元まで覆うことができる。この場合ジョイントケース11と継手軸部材18との屈曲移動によりブーツ21の外周壁部22が変位しても、外周壁部22とフランジ部23の連結部が損傷することを防止できる。
図4(D)に示す実施の形態においては、フランジ部23の対向面23bに断面円弧状の凸部41が環状に設けられており、この凸部41は図4(C)に示される凸部41よりも大型となっている。端面11aには凸部41が入り込む凹部42が形成されており、端面11aにフランジ部23を押し付けると、凸部41が押し潰されてフランジ部23の対向面23bと端面11aとの密着性が高められる。この密着性をさらに高めるために、図4(D)示されたブーツ固定具31の押圧部33には、凸部41に対応させて押圧部33のフランジ部23に対する押圧力を部分的に高めるために付勢部43が設けられている。付勢部43は、押圧部33の内面にフランジ部23に向けて突出する凸部により形成されており、押圧部33を部分的に塑性変形させることにより押圧部33に付勢部43が形成されている。このように、押圧部33に付勢部43を設けると、付勢部43によってフランジ部23のうち凸部41に対応した部分が他の部分よりも大きく変位して、凹凸嵌合部の密着性が高められる。
図4(D)に示す押圧部33の径方向寸法は、図4(C)に示した場合よりも短く設定されており、ジョイントケース11にブーツ固定具31を取り付けると、押圧部33の内方端面と外周壁部22との間には隙間44が形成される。これにより、ジョイントケース11と継手軸部材18との屈曲移動によりブーツ21の外周壁部22が変位しても、外周壁部22が押圧部33の内方端面に当接することを防止できる。なお、凸部41を端面11aに設け、凹部42を対向面23bに設けるようにしても良い。
図4(E)に示す実施の形態においては、フランジ部23の対向面23bに設けられた2つの環状の凸部41に対応させてそれぞれ凸部41が嵌合する凹部42が端面11aに環状に設けられており、それぞれの凸部41と凹部42は図示されるように断面V字形状となっており、凹部42の深さは、凸部41の高さよりも浅く形成している。このように、端面11aと対向面23bとを部分的に凹凸嵌合させることにより、対向面23bと端面11aとのズレを抑えられる上、凹凸の嵌合によるラビリンス形状により、密着性(密封性)が高められる。この密着性(密封性)をさらに高めるために、図4(D)に示されたブーツ固定具31と同様に、押圧部33には付勢部43が設けられている。
図5は図1および図2に示された継手の防塵装置の変形例を示す一部拡大断面図である。ジョイントケース11の外周面には径方向外方に突出した断面円弧状の係止部45が環状に設けられており、ブーツ固定具31のカシメ部36は係止部45の外面を覆うように塑性加工される。このタイプのブーツ固定具31をジョイントケース11に固定するには、予めブーツ固定具31の端部を二点鎖線で示すように大径に加工しておき、ブーツ固定具31をジョイントケース11に嵌合させてフランジ部23に押圧部33を軸方向所定の加圧力を加えた状態のもとで、ブーツ固定具31の端部を実線で示す形状にカシメ加工する。カシメ部36は係止部45を覆うように塑性加工されるので、ブーツ固定具31とジョイントケース11との締結力をより高めることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示する継手においては、ジョイントケース11に駆動側軸部材が取り付けられ、従動側軸部材が継手軸部材を介して内側部材13に取り付けられるようになっているが、駆動側軸部材と従動側軸部材とを相互に逆に配置するようにしても良い。また、継手はプロペラシャフトに装着されているが、ドライブシャフトに装着するようにしても良く、車両用の継手のみならず船舶用等の他の軸部材の継手としても適用することができる。本発明の防塵装置が適用される継手としては、上述した等速継手のみならず、トリポード型やダブルオフセット型等の他のタイプの等速継手や自在継手にも適用することができる。
図1は本発明の一実施の形態である継手の防塵装置を示す断面図である。 図1の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である継手の防塵装置を示す断面図である。 (A)〜(E)はそれぞれ継手の防塵装置の変形例を示す一部拡大断面図である。 継手の防塵装置の変形例を示す一部拡大断面図である。
符号の説明
11 ジョイントケース
11a 端面
13 内側部材
18 継手軸部材
21 ブーツ
22 外周壁部
23 フランジ部
24 カバー部
25 固定部
26 反転部
27 折返し部
28 反転部
29 内周壁部
31 ブーツ固定具
32 嵌合部
33 押圧部
34 筒状部材
35 係止溝
36 カシメ部
41 凸部
42 凹部
43 付勢部
45 係止部

Claims (6)

  1. 駆動側軸部材と従動側軸部材のいずれか一方の軸部材が取り付けられるジョイントケースと、当該ジョイントケース内に前記一方の軸部材に対して屈曲移動自在に組み込まれるとともに他方の軸部材が取り付けられて前記ジョイントケースと一体に回転する内側部材とを有する継手の防塵装置であって、
    前記ジョイントケースの端面に突き当てられるフランジ部、当該フランジ部に一体に連なり径方向内方に折り曲げられる折返し部が設けられたカバー部、および当該カバー部に連なるとともに前記他方の軸部材に固着される固定部を備えるブーツと、
    前記ジョイントケースの外周側に嵌合して前記ジョイントケースに固定される嵌合部、および前記ジョイントケースの端面に前記フランジ部を介して対向し前記ジョイントケースの端面との間で前記フランジ部を軸方向に加圧する押圧部を備えるブーツ固定具とを有することを特徴とする継手の防塵装置。
  2. 請求項1記載の継手の防塵装置において、前記フランジ部は前記カバー部の肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とする継手の防塵装置。
  3. 請求項1または2記載の継手の防塵装置において、前記ジョイントケースの端面に対向する前記フランジ部の対向面および/または前記ジョイントケースの端面に、凸部を設けたことを特徴とする継手の防塵装置。
  4. 請求項3記載の継手の防塵装置において、前記フランジ部の対向面に形成された凸部に嵌合する凹部を前記ジョイントケースの端面に設けることを特徴とする継手の防塵装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の継手の防塵装置において、前記フランジ部に局部的に押圧力を付加する付勢部を前記ブーツ固定具の前記押圧部に設けることを特徴とする継手の防塵装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の継手の防塵装置において、前記ジョイントケースの外周面に形成された係止部に前記嵌合部を係合することにより、前記フランジ部に加えられる軸方向の加圧力を設定した状態のもとで前記嵌合部を前記ジョイントケースに固定することを特徴とする継手の防塵装置。
JP2008073010A 2008-03-21 2008-03-21 継手の防塵装置 Pending JP2009228727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073010A JP2009228727A (ja) 2008-03-21 2008-03-21 継手の防塵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073010A JP2009228727A (ja) 2008-03-21 2008-03-21 継手の防塵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009228727A true JP2009228727A (ja) 2009-10-08

Family

ID=41244367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008073010A Pending JP2009228727A (ja) 2008-03-21 2008-03-21 継手の防塵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009228727A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015516558A (ja) * 2012-05-16 2015-06-11 ゲーカーエン ドライブライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツングGkn Driveline International Gmbh 移行領域を備えるロールブーツ
CN109236879A (zh) * 2018-10-25 2019-01-18 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种万向联轴器穿舱密封装置
JP2019190657A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド ジョイント部材用のブーツアセンブリ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015516558A (ja) * 2012-05-16 2015-06-11 ゲーカーエン ドライブライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツングGkn Driveline International Gmbh 移行領域を備えるロールブーツ
US9494199B2 (en) 2012-05-16 2016-11-15 Gkn Driveline International Gmbh Rolling boot with transition region
JP2019190657A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド ジョイント部材用のブーツアセンブリ
JP7109401B2 (ja) 2018-04-27 2022-07-29 ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド ジョイント部材用のブーツアセンブリ
CN109236879A (zh) * 2018-10-25 2019-01-18 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种万向联轴器穿舱密封装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10508692B2 (en) Propeller shaft and propeller shaft production method
JP5348365B2 (ja) ユニバーサルジョイント用密封装置
US8328650B2 (en) Constant velocity universal joint
JP2009228727A (ja) 継手の防塵装置
JP2009085380A (ja) 等速自在継手
JP2010032002A (ja) 等速自在継手
JP2009228728A (ja) 継手の防塵装置
JP4562592B2 (ja) ブーツ
JP5119962B2 (ja) 等速ジョイントのシール構造及び等速ジョイントのシール方法
JP2019138420A (ja) 固定式等速自在継手
JP2005155886A (ja) 等速自在継手用ブーツ
JP2011122614A (ja) 等速自在継手
JP2013234733A (ja) 等速自在継手
JP2008232292A (ja) 等速自在継手
EP3351808B1 (en) Boot band
JP2007056949A (ja) 等速自在継手用フレキシブルブーツ
JP2010048354A (ja) ユニバーサルジョイント用密封装置
JP2007177957A (ja) 動力伝達装置
JP2007056947A (ja) 等速自在継手用フレキシブルブーツ
JP6253933B2 (ja) 等速自在継手
JP2009079688A (ja) 等速自在継手
JP2007155098A (ja) 等速自在継手用ブーツ及びその組付方法
JP2007138977A (ja) 伸縮軸用のエンドカバー取り付け構造
JP2019049340A (ja) 等速ジョイントの保護構造
WO2017047377A1 (ja) ブーツバンド