JP2009079687A - 自在継手のブーツ取り付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】自在継手のブーツの端の締め付け応力を周方向で均一にすることである。
【解決手段】ブーツ5を備えた自在継手において、大径金属環8は、シール部8cによりブーツ5の一端の大径厚肉部5aを外側から押圧し外側継手部材1に圧着させていると共に、圧入部8aにより外側継手部材1に圧入している。また、小径金属環9は、シール部9cによりブーツ5の他端の小径厚肉部5cを外側から押圧しシャフト6に圧着させていると共に、圧入部9aによりシャフト6に圧入している。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車のステアリング装置等に使用される等速自在継手のブーツ取り付け構造に関する。
自在継手は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において、駆動側の軸と従動側の軸を連結してトルクを伝達すると共に、駆動側の軸と従動側の軸との間の角度変位を許容するもので、等速自在継手と不等速自在継手がある。等速自在継手は、等角速度でトルクを伝達するもので、固定式と摺動式がある。固定式が角度変位のみを許容するのに対し、摺動式は角度変位と軸方向変位の両方を許容する。
一般に、等速自在継手は、外側継手部材、内側継手部材およびトルク伝達部材を備える。外側継手部材は、駆動側または従動側の軸とトルク伝達可能に結合する。内側継手部材は、外側継手部材の内側に配置され、従動側または駆動側の軸とトルク伝達可能に結合する。トルク伝達部材は、外側継手部材と内側継手部材との間に複数個介在してトルクを伝達する。
等速自在継手は、その内部の摺動部を潤滑するためにグリースを使用するが、このグリースの漏れ出しを防止し、また、外部からの異物の混入を防止するため、ブーツを被せた状態で使用する。
ところで、等速自在継手へのブーツの取り付けにおいては、等速自在継手に対するブーツの保持及びブーツの取り付け部におけるシール性の確保のため、従来は金属製のバンドにより、ブーツの一方の端を外側継手部材に締め付けて固定し、ブーツの他方の端を内側継手部材に結合した軸に締め付けて固定している(特許文献1、2参照)。
特開平11−37367号公報 特開平10−19182号公報
しかし、バンドをブーツ外径に巻きつけ、バンド両端を互いに引き寄せて締め付けると、バンド両端の周辺のブーツ材もバンド両端と共に引き寄せられる。このため、締め付け応力は、ブーツの周方向で均一とならない。また、軸方向へのブーツの変形にも周方向で差が生じることになり、等速自在継手が高角度に作動角をとり回転する際に、蛇腹の山部(又は谷部)同士の接触面圧が変動し、等速自在継手に対するブーツの抵抗が変動することがある。
本発明は、上記事情に鑑み、自在継手のブーツの端の締め付け応力を周方向で均一にすることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の自在継手のブーツ取り付け構造は、摺動部を挟んで互いに係合した2つの継手部材を備えた自在継手に前記摺動部を外部から隔離するブーツを取り付ける構造であって、前記ブーツの一端部にあって前記2つの継手部材の一方の外周面に固定され且つ前記ブーツの中間部の厚さより厚い厚肉部と、該厚肉部を外側から押圧し前記継手部材の一方の外周面に圧着させるシール部を有すると共に、該シール部に隣接して前記継手部材の一方の外周面に圧入される圧入部を有する金属環とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、ブーツに働く応力がブーツの周方向で均一となり、軸方向へのブーツの変形における周方向の差が抑制される。これにより、ブーツ中間部が蛇腹である場合、等速自在継手が高角度に作動角をとり回転する際に、蛇腹の山部(又は谷部)同士の接触面圧の変動が抑制され、等速自在継手に対するブーツの抵抗の変動が抑制される。
上記構成において、前記金属環のシール部の先端に、前記厚肉部と前記ブーツ中間部との間の段差に向かって凸状をなす突起部を形成することが好ましい。
このような構成によれば、厚肉部とブーツ中間部との間の段差に突起部が嵌合することにより、継手部材からのブーツの厚肉部の脱出が抑制される。
上記構成において、前記継手部材の一方の外周面における前記厚肉部を圧着させる箇所の外径を、前記継手部材の一方に取り付けられていない状態における前記厚肉部の最小内径より大きくすることが好ましい。
このような構成によれば、ブーツに働く応力がブーツの周方向で均一となる効果が増大し、軸方向へのブーツの変形における周方向の差が抑制される効果も増大する。また、継手部材からのブーツの厚肉部の脱出が抑制される効果及びブーツの厚肉部におけるシール作用が増大する。
上記構成において、前記継手部材の一方の外周面に周方向の溝を形成し、この溝に前記厚肉部を固定することが好ましい。
このような構成によれば、ブーツの厚肉部が継手部材に形成された溝に嵌合することにより、継手部材からのブーツの厚肉部の脱出が抑制される効果が増大する。
上記構成において、前記厚肉部の軸方向の断面が略円形状であることが好ましい。
このような構成によれば、継手部材に対するブーツの厚肉部の接触面圧が高くなり、ブーツの厚肉部におけるシール作用が増大する。また、ブーツのブロー成形による製造が行ない易い。
上記構成において、前記厚肉部の軸方向の断面が略楕円形状であることが好ましい。
このような構成によれば、継手部材に対するブーツの厚肉部の接触面積が大きくなり、継手部材からのブーツの厚肉部の脱出が抑制される効果が増大する。
本発明の自在継手は、上記構成の自在継手のブーツ取り付け構造をブーツの少なくとも一端に設けたことを特徴とする。
このような構成によれば、ブーツを取り付けた自在継手において上記の作用及び効果をブーツの少なくとも一端について得られる。
上記構成において、前記自在継手が等速自在継手であることが好ましい。
このような構成によれば、上記の作用及び効果を等速自在継手において得られる。
上記構成において、前記自在継手が自動車のステアリング装置用等速自在継手であることが好ましい。
このような構成によれば、上記の作用及び効果を自動車のステアリング装置用等速自在継手において得られる。また、この自動車のステアリング装置用等速自在継手を使用したステアリング装置においてブーツの抵抗の変動が抑制され、スムーズなステアリング操作感覚が得られる。
本発明によれば、自在継手のブーツの端の締め付け応力を周方向で均一にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブーツを取り付けた状態の自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手の縦断面図である。1は外側継手部材、2は内側継手部材、3はトルク伝達部材としてのボール、4はケージ、5はブーツ、6はシャフトである。本実施形態では、請求項に記載された2つの継手部材の一方が外側継手部材1であり、他方がシャフト6を嵌合させた内側継手部材2である。外側継手部材1はマウス部1aとステム部1eを有する。マウス部1aは一端にて開口したカップ状で、その凹球面状内周面(以下、内球面という。)1bに、軸方向に延びた複数のボール溝1cが円周方向等間隔に形成してある。ボール溝1cはマウス部1aの開口端1dまで延びている。マウス部1aの外周面に形成された段部1fは、後述する大径金属環8が当接する面を開口端1d側に有している。段部1fの開口端1d側では、マウス部1aの外径が開口端側近傍まで一定であり、その大きさは、段部1fの最大外径より小さい。
内側継手部材2は、凸球面状外周面(以下、外球面という。)2aを有し、その外球面2aには軸方向に延びる複数のボール溝2bが円周方向等間隔に形成してある。ボール溝2bは内側継手部材2の軸方向に切り通してある。内側継手部材2はシャフト6とトルク伝達可能に結合するためのスプライン(またはセレーション)孔2cを有する。
外側継手部材1のボール溝1cと内側継手部材2のボール溝2bとは対をなし、各対のボール溝1c、2bで構成されるトラックに、トルク伝達部材であるボール3が1個ずつ転動可能に組み込んである。ボール3は外側継手部材1のボール溝1cと内側継手部材2のボール溝2bとの間に介在してトルクを伝達する。各ボール3は、ケージ4の円周方向に配設したポケット4a内に収容されている。ボール3の数は例えば6あるいは8個であるが、これら以外の個数でもよい。
ケージ4は外側継手部材1と内側継手部材2との間に摺動可能に介在し、外球面4bにて外側継手部材1の内球面1bと接し、内球面4cにて内側継手部材2の外球面2aと接する。ケージ4の内外球面4c、4bやボール溝1c、2b等の摺動部は、継手内部のグリースにより潤滑される。
シャフト6は、内側継手部材2のスプライン(またはセレーション)孔2cに圧入され、サークリップ7等の止め輪により、内側継手部材2に対して抜け止めされている。これにより、シャフト6は、内側継手部材2にトルク伝達可能になっている。シャフト6の外周面に形成された段部6aは、後述する小径金属環9が当接する面を内側継手部材2とは反対側に有する。段部6aの内側継手部材2とは反対側では、シャフト6の外径が、段部6aの最大外径より小さく一定である。Oは継手中心であり、等速自在継手は継手中心Oを中心にして作動角をとる。
外側継手部材1の開口端1dには、この開口部1dを覆って内部に封入したグリースの漏れを防止し、また、外部からの異物の侵入を防止するため、ブーツ5が取り付けてある。ブーツ5は、大径厚肉部5aと蛇腹部5bと小径厚肉部5cとからなる。大径厚肉部5a及び小径厚肉部5cは、ブーツ5の端部であり、ブーツ5の中間部としての蛇腹部5bの厚さより厚肉である。大径厚肉部5aは外側継手部材1に対して大径金属環8により取り付けてある。小径厚肉部5cはシャフト6に対して小径金属環9により取り付けてある。ブーツ5が外側継手部材1及びシャフト6に取り付けられてない状態において、大径厚肉部5a及び小径厚肉部5cは軸方向断面が略円形状である(図2参照)。しかし、大径厚肉部5a及び小径厚肉部5cの軸方向断面の形状は、これに限定されるものではなく、例えば略楕円形状であってもよい。
大径金属環8は、詳しくは図2(A)(B)に示すように、圧入部8a、段部8b、シール部8c及びブーツ5の抜け止めのための突起部8dから構成されている。圧入部8aは円筒形状で、段部8bは圧入部8aの一端より径方向外方に延在させて成り、シール部8cは、圧入部8aとは反対側の段部8bの一端から、圧入部8aとは反対側に軸方向に延在させて成り、円筒形状である。突起部8dは段部8bとは反対側のシール部8cの端から、段部8bとは反対側に軸方向に延在させて成り、径方向内方に向かって凸である断面形状である。突起部8dは、必ずしも板状である必要はなく、内周面が径方向内方に向かって凸で有ればよい。小径金属環9は、大径金属環8と同様の形状であり、圧入部9a、段部9b、シール部9c及びブーツ5の抜け止めのための突起部9dから構成されているが、大径金属環8よりも小さい。大径金属環8及び小径金属環9は公知の材料及び製造方法で製造することができる。
ブーツ5を外側継手部材1に取り付けていない状態における、外側継手部材1、大径金属環8及びブーツ5の各部の寸法を以下に示す記号で表す。この記号を使って各部の寸法を図2に示す。
Do1:外側継手部材1における段部1fの開口端1d側の外径
Dr1:大径金属環8の圧入部8aの内径
Dr2:大径金属環8のシール部8cの内径
Dr3:大径金属環8の突起部8dの内径
Db1:ブーツ5の大径厚肉部5aの最小内径
Db2:ブーツ5の大径厚肉部5aの最大外径
これら寸法は、Db1<Do1、Dr2<Db2、Dr3<Dr2、Dr1<Do1の関係を満たす。但し、大径金属環8を使用せずにブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1に取り付けた状態での大径厚肉部5aの最大外径は、Dr2よりも大きくする。ブーツ5を外側継手部材1に取り付けた状態では、ブーツ5の大径厚肉部5aが、外側継手部材1により径方向外方に力を受ける。同時に、大径金属環8のシール部8cが、ブーツ5の大径厚肉部5aを径方向内方に押さえる。この力関係により、大径厚肉部5aが径方向で圧縮された状態になり、シール作用を発揮する。また、ブーツ5に周方向で均一な圧縮力が働くので、ブーツ5の軸方向の変形が周方向で異なることが抑制される。また、大径金属環8の突起部8dがブーツ5の大径厚肉部5aのブーツ蛇腹根元部に嵌合することにより、大径厚肉部5aが大径金属環8から脱出するのが防止される。また、大径金属環8の圧入部8aにより、大径金属環8が外側継手部材1から脱出するのが防止される。
尚、Db1<Do1の関係が満たされていなくとも、ブーツ5の大径厚肉部5aが圧縮された状態になっていれば略Db1=Do1でもよい。すなわち、大径金属環8を使用せずにブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1に取り付けた状態での大径厚肉部5aの最大外径がDr2よりも大であり、取り付け後に、大径金属環8のシール部8cにより大径厚肉部5aが外側継手部材1の外周面に圧着されればよい。この場合も大径厚肉部5aがシール作用を発揮し、また、ブーツ5に周方向に均一な圧縮力が働くので、ブーツ5の軸方向の変形が周方向で異なることが抑制される。
ブーツ5をシャフト6に取り付けていない状態における、シャフト6、小径金属環9及びブーツ5の小径厚肉部5cについて、各部の寸法の関係及びその作用及び効果も上記と同様である。
ブーツ5を等速自在継手へ取り付けるには、まず、小径金属環9によりブーツ5の小径厚肉部5cをシャフト6に取り付ける。そして、予め組み立てられたシャフト6以外の等速自在継手における内側継手部材2のスプライン(またはセレーション)孔2cにシャフト6を圧入すると共に、大径金属環8によりブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1に取り付ける。
詳しくは、ブーツ5の小径厚肉部5cを、シャフト6の先端側すなわち内側継手部材2に圧入する側からシャフト6の段部6aを通り越した位置まで挿入する。そしてその状態を保持したまま、小径金属環9をシャフト6の反対側、すなわち内側継手部材2に圧入する端とは反対側から挿入して、ブーツ5の小径厚肉部5cを小径金属環9のシール部9cの内側に嵌め込む。この嵌め込んだ状態を保持しながら、小径金属環9の圧入部9aをシャフト6の外周に圧入する。小径金属環9を圧入する際は、突起部9dでブーツ5の小径厚肉部9cを乗り越えさせる。そして、段部9bがシャフト6の段部6aに当接した時点で小径金属環9の圧入を完了する。
一方、ブーツ5の大径厚肉部5aを大径金属環8により外側継手部材1に取り付けるには、図2(A)の矢印Aの向きから、ブーツ5の大径厚肉部5aを大径金属環8のシール部8cの内側に嵌め込む。この嵌め込んだ状態を保持しながら、図2(B)の矢印Bで示すように、大径金属環8の圧入部8aを外側継手部材1のマウス部1aに、開口端1d側から圧入する。大径金属環8の圧入は、段部8bとは反対側の圧入部8aの一端がマウス部1aの段部1fに当接した時点で完了する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るブーツを取り付けた状態の自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手の縦断面図である。第1実施形態と異なるのは、外側継手部材1のマウス部1aの外周面に、ブーツ5の大径厚肉部5aが当接するための軸方向の断面形状が略台形である溝1gが形成されていることである。溝1gは等速自在継手の継手中心より、マウス部1aの開口端1dの反対側にある。これにより、溝1gの位置における外側継手部材1の肉厚が継手中心の開口端1d側における外側継手部材1の肉厚と同等かまたはそれより厚く、溝1gが外側継手部材1の強度低下に与える影響が少なくなる。また、外側継手部材1のマウス部1aの外周面に形成された段部1f’は、大径金属環8と当接する面をマウス部1aの開口端1dとは反対側に有している。段部1f’の開口端1dとは反対側では、マウス部1aの外径は大径金属環8の圧入部8aとの当接部分と略同じ範囲で一定であり、その大きさは、段部1f’の最大外径より小さい。一方、シャフト6の外周面にはブーツ5の小径厚肉部5cが当接するための軸方向の断面形状が略台形である溝6bが形成されている。また、溝1g、6bの形状に合わせ、ブーツ5が外側継手部材1及びシャフト6に取り付けられていない状態におけるブーツ5の大径厚肉部5a及び小径厚肉部5cの軸方向断面が略楕円形状である。その他の構成は第1実施形態と同様なので同じ構成要素には同じ符合を付し説明は省略する。
ブーツ5を外側継手部材1に取り付けていない状態における、外側継手部材1、大径金属環8及びブーツ5の各部の寸法を以下に示す記号で表す。この記号を使って各部の寸法を図4に示す。
Do2:外側継手部材1における段部1f’の開口端1dとは反対側の外径
Dg:外側継手部材1の溝1gの外径
Dr1:大径金属環8の圧入部8aの内径
Dr2:大径金属環8のシール部8cの内径
Dr3:大径金属環8の突起部8dの内径
Db1:ブーツ5の大径厚肉部5aの最小内径
Db2:ブーツ5の大径厚肉部5aの最大外径
これら寸法は、Db1<Dg、Dr2<Db2、Dr3<Dr2、Dr1<Do2の関係を満たす。但し、大径金属環8を使用せずにブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1の溝1gに取り付けた状態での大径厚肉部5aの最大外径は、Dr2よりも大きくする。ブーツ5を外側継手部材1の溝1gに取り付けた状態では、ブーツ5の大径厚肉部5aが、外側継手部材1の溝1gにより径方向外方に力を受ける。同時に、大径金属環8のシール部8cが、ブーツ5の大径厚肉部5aを径方向内方に押さえる。この力関係により、大径厚肉部5aが径方向で圧縮された状態になり、シール作用を発揮する。また、ブーツ5に周方向で均一な圧縮力が働くので、ブーツ5の軸方向の変形が周方向で異なることが抑制される。また、大径金属環8の突起部8dがブーツ5の大径厚肉部5aのブーツ蛇腹根元部に嵌合することにより、大径厚肉部5aが大径金属環8から脱出するのが防止される。また、大径金属環8の圧入部8aにより、大径金属環8が外側継手部材1から脱出することが防止される。また、外側継手部材1に形成された溝1gにブーツ5の大径厚肉部5aが嵌合することにより、外側継手部材1に対してブーツ5が脱出することを防止する効果が、溝1gが形成されていない第1実施形態の場合より大きい。
尚、Db1<Dgの関係が満たされていなくとも、ブーツ5の大径厚肉部5aが圧縮された状態になっていれば略Db1=Dgでもよい。すなわち、大径金属環8を使用せずにブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1の溝1gに取り付けた状態での大径厚肉部5aの最大外径がDr2よりも大であり、取り付け後に、大径金属環8のシール部8cにより大径厚肉部5aが外側継手部材1の溝1gに圧着されればよい。この場合も大径厚肉部5aがシール作用を発揮し、また、ブーツ5に周方向に均一な圧縮力が働くので、ブーツ5の軸方向の変形が周方向で異なることが抑制される。
ブーツ5をシャフト6に取り付けていない状態における、シャフト6、小径金属環9及びブーツ5の小径厚肉部5cについて、各部の寸法の関係及びその作用及び効果も上記と同様である。
ブーツ5を等速自在継手へ取り付けるには、まず、小径金属環9によりブーツ5の小径厚肉部5cをシャフト6に取り付ける。そして、予め組み立てられたシャフト6以外の等速自在継手における内側継手部材2のスプライン(またはセレーション)孔2cにシャフト6を圧入すると共に、大径金属環8によりブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1に取り付ける。
詳しくは、ブーツ5の小径厚肉部5cを、シャフト6の先端側すなわち内側継手部材2に圧入する側からシャフト6の外周面の溝6bまで挿入する。そしてその状態を保持したまま、小径金属環9をシャフト6の反対側、すなわち内側継手部材2に圧入する端とは反対側から挿入して、その圧入部9aをシャフト6の外周に圧入する。小径金属環9の圧入は、突起部9dがブーツ5の小径厚肉部9cを乗り越えると共に、段部9bがシャフト6の段部6aに当接した時点で完了する。
一方、ブーツ5の大径厚肉部5aを大径金属環8により外側継手部材1に取り付けるには、図4(A)の矢印Cの向きから、ブーツ5の大径厚肉部5aを外側継手部材1の溝1gに嵌合させる。この嵌合させた状態を保持しながら、図4(B)の矢印Dで示すように、大径金属環8の圧入部8aを外側継手部材1のマウス部1aに、開口端1dとは反対側から圧入する。大径金属環8の圧入は、突起部8dがブーツ5の大径厚肉部5aを乗り越えると共に、段部8bがマウス部1aの段部1f’に当接した時点で完了する。
ブーツ5を外側継手部材1及びシャフト6に取り付けていない状態における、ブーツ5の大径厚肉部5a及び小径厚肉部5c(図示省略)の軸方向の断面形状は略楕円形状であるが、これに限定されるものではなく、例えば円形状であってもよい。尚、外側継手部材1の溝1gをブーツ5の大径厚肉部5aが嵌合しやすい形状に、シャフト6の溝6bをブーツ5の小径厚肉部5cが嵌合しやすい形状にするのが望ましく、例えば大径厚肉部5a及び小径厚肉部5cの軸方向断面が略円形状であれば、溝1g、6bの軸方向断面を略半円形状にするのが望ましい。このような構成によれば、外側継手部材1の溝1gと大径厚肉部5aとの接触面積及びやシャフト6の溝6bと小径厚肉部5cとの接触面積が大きくなる。このため、大径厚肉部5aのシール作用が増大し且つ外側継手部材1から大径厚肉部5aが脱出することが抑制されると共に、小径厚肉部5cのシール作用が増大し且つシャフト6から小径厚肉部5cが脱出することが抑制される。
尚、上記実施形態は、本発明を自動車のステアリング装置用等速自在継手に適用したものであるが、本発明は自動車のステアリング装置用以外の自在継手にも適用可能である。例えばプロペラシャフト用やドライブシャフト用の自在継手にも適用可能である。
また、上記実施形態は、本発明を固定式等速自在継手に適用したものである。しかし、本発明は、これ以外の自在継手にも、適用可能である。例えば、ダブルオフセット型、クロスグルーブ型、トリポード型等の摺動式等速自在継手は勿論、クロスジョイント、スリッパジョイント、ウオブルジョイント等の不等速自在継手にも適用可能である。即ち、本発明は、ブーツを備えた自在継手全てに適用可能なものである。
本発明の第1実施形態に係るブーツを取り付けた状態の自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手にブーツを取り付ける手順を説明するための図で、(A)は第1番目の手順で(B)は第2番目の手順である。 本発明の第2実施形態に係るブーツを取り付けた状態の自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る自動車のステアリング装置用固定式等速自在継手にブーツを取り付ける手順を説明するための図で、(A)は第1番目の手順で(B)は第2番目の手順である。
符号の説明
1 外側継手部材(請求項に記載の2つの継手部材の内の1つ)
1g 外側継手部材の溝
2 内側継手部材(シャフトを嵌合させたものが請求項に記載の2つの継手部材の内の1つ)
5 ブーツ
5a ブーツの大径厚肉部
5b ブーツの蛇腹部(中間部)
5c ブーツの小径厚肉部
6 シャフト(これを嵌合させた内側継手部材が請求項に記載の2つの継手部材の内の1つ)
6b シャフトの溝
8 大径金属環
8a 大径金属環の圧入部
8c 大径金属環のシール部
8d 大径金属環の突起部
9 小径金属環
9a 小径金属環の圧入部
9c 小径金属環のシール部
9d 小径金属環の突起部
Do1 第1実施形態において外側継手部材1における段部の開口端側の外径
Do2 第2実施形態において外側継手部材1における段部の開口端とは反対側の外径
Db1 外側継手部材に取り付けていない状態におけるブーツの大径厚肉部の最小内径

Claims (9)

  1. 摺動部を挟んで互いに係合した2つの継手部材を備えた自在継手に前記摺動部を外部から隔離するブーツを取り付ける構造であって、
    前記ブーツの一端部にあって前記2つの継手部材の一方の外周面に固定され且つ前記ブーツの中間部の厚さより厚い厚肉部と、
    該厚肉部を外側から押圧し前記継手部材の一方の外周面に圧着させるシール部を有すると共に、該シール部に隣接して前記継手部材の一方の外周面に圧入される圧入部を有する金属環と、
    を備えたことを特徴とする自在継手のブーツ取り付け構造。
  2. 前記金属環のシール部の先端に、前記厚肉部と前記ブーツ中間部との間の段差に向かって凸状をなす突起部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の自在継手のブーツ取り付け構造。
  3. 前記継手部材の一方の外周面における前記厚肉部を圧着させる箇所の外径を、前記継手部材の一方に取り付けられていない状態における前記厚肉部の最小内径より大きくしたことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の自在継手のブーツ取り付け構造。
  4. 前記継手部材の一方の外周面に周方向の溝を形成し、この溝に前記厚肉部を固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自在継手のブーツ取り付け構造。
  5. 前記厚肉部の軸方向の断面が略円形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自在継手のブーツ取り付け構造。
  6. 前記厚肉部の軸方向の断面が略楕円形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自在継手のブーツ取り付け構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の自在継手のブーツ取り付け構造をブーツの少なくとも一端に設けた自在継手。
  8. 前記自在継手が等速自在継手であることを特徴とする請求項7に記載の自在継手。
  9. 前記自在継手が自動車のステアリング装置用等速自在継手であることを特徴とする請求項7に記載の自在継手。
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