JP2019039218A - クラック補修工法およびこれに用いられるピン - Google Patents

クラック補修工法およびこれに用いられるピン Download PDF

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Abstract

【課題】クラックが発生した躯体に対し、クラックの周囲部分まで含めて強固に一体化し、クラックの再発生を防止することが可能なクラック補修工法およびこれに用いられるピンの提供。【解決手段】躯体1の表面1Aから躯体1の内部においてクラック2と交差する穿孔穴3を形成し、穿孔穴3に対して接着剤5を注入し、接着剤5を注入した穿孔穴3内に、クラック2と交差して穿孔穴3の前後の躯体1を連結するためのピン6を挿入する。これにより、クラック2と交差する穿孔穴3に対して注入された接着剤5が、穿孔穴3内だけでなく、穿孔穴3を介してクラック2内にも浸透し、接着剤5が硬化することによってクラック2内が補修されるとともに、接着剤5が注入された穿孔穴3内に挿入されたピン6がクラック2と交差して穿孔穴3の前後の躯体1を連結した状態となり、クラック2の周囲部分まで含めて強固に一体化される。【選択図】図7

Description

本発明は、建物のコンクリート躯体や、コンクリート躯体の表面に貼着されたタイル等に発生したクラックを補修するクラック補修工法およびこれに用いられるピンに関する。
建物の外壁にクラック(ひび割れ)が発生した場合の補修として、Uカット工法や液体樹脂をクラックの表面に塗布する方法等があるが、いずれもクラックの表面を補修するものであり、クラック内部までは補修することができない。そこで、クラック内部まで補修可能にするものとして、例えば特許文献1〜3に記載の工法が開発されている。
特許文献1には、処理空間(クラック)に通じるようにして処理対象物(コンクリート構造物)に斜めに連絡通路を形成し、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系と吸引系とを処理空間にそれぞれ接続し、吸引系を介して吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させ、これを硬化させる工法が開示されている。
特許文献2には、一端にテーパー厚部と他端に外ねじを有する芯材パイプ、一端に大外径部を有するカラーを直列に装着するとともに、芯材パイプの他端に内側に芯材パイプの他端の外ねじに対応する内ねじを有するナットを螺合させてなる座金を躯体に生じたクラックに対して、躯体表面から斜めに形成した穿孔穴に芯材パイプの一端より挿入し、ナットに連接したインジェクターの接着剤溜めチューブの圧力の持続変化によりクラックに注入する方法が開示されている。
特許文献3には、建設構造物の表面のクラックが形成された位置と異なる位置から、例えば45度程度の角度をもって建設構造物内部のクラックへ貫通するように穿設した貫通孔に、液圧ポンプおよび液送ホースを介して供給される充填薬液を注入器から注入することによりクラック面を補修するものであり、注入装置は、さらに、エアーを噴射させるエアコンプレッサおよび気送ホースを有し、これにより充填薬液が、エアーを噴射しながら、このエアーに誘導されるようにして注入されるエアー誘導薬液注入方法が開示されている。
特開2007−277809号公報 特開2000−291266号公報 特開平11−50669号公報
上記特許文献1〜3に記載の方法は、いずれもクラックに対して斜め方向に穿孔した穴により樹脂等をクラック内へ隙間無く充填するものである。そのため、補修後の構造物は、樹脂等が充填されたクラック部分の強度は高くなるものの、この樹脂等が充填されたクラックの周囲部分は補修前の構造物のままの状態であり、再びこの樹脂等が充填されたクラックの周囲部分にクラックが発生することになる。
そこで、本発明においては、クラックが発生した躯体に対し、クラックの周囲部分まで含めて強固に一体化し、クラックの再発生を防止することが可能なクラック補修工法およびこれに用いられるピンを提供することを目的とする。
本発明のクラック補修工法は、躯体に発生したクラックを補修するクラック補修工法であって、躯体の表面から躯体の内部においてクラックと交差する穿孔穴を形成すること、穿孔穴に対して接着剤を注入すること、接着剤を注入した穿孔穴内に、クラックと交差して穿孔穴の前後の躯体を連結するためのピンを挿入することを含むことを特徴とする。
本発明のクラック補修工法によれば、クラックと交差する穿孔穴に対して注入された接着剤が、穿孔穴内だけでなく、穿孔穴を介してクラック内にも浸透し、接着剤が硬化することによってクラック内が補修されるとともに、接着剤が注入された穿孔穴内に挿入されたピンがクラックと交差して穿孔穴の前後の躯体を連結した状態となり、クラックの周囲部分まで含めて強固に一体化される。
なお、穿孔穴はクラックと交差するように形成すれば良いが、一般にクラックは躯体の厚み方向に入るため、穿孔穴は躯体の表面に対して斜め方向に形成することが望ましい。このとき、穿孔穴の形成は、穿孔ドリルのビットの角度を躯体の表面に対して所定の角度に設定する治具を用いて行うことで、容易に行うことが可能となる。
また、穿孔穴は躯体の厚み方向の中心部でクラックと交差するように形成することが望ましい。これにより、穿孔穴に注入された接着剤がクラックの躯体の厚み方向の中心部からクラック内に注入されることになり、クラック全体に接着剤を浸透させることが可能となる。
さらに、穿孔穴は躯体の表面のクラックに沿ってクラックを挟んで互い違いとなる位置から形成することが望ましい。これにより、クラックを挟んで互い違いとなる方向に挿入されたピンが、躯体の断面からみて交差した状態でクラックの周囲を固定するため、クラックの周囲部分がより強固に一体化される。
また、接着剤の注入は、穿孔穴に対して注入した接着剤がクラックを通じて躯体の表面に出てくるまで行うことが望ましい。これにより、穿孔穴に対して注入した接着剤がクラックの全体に浸透したことが確認できる。
また、ピンは、表面に凹凸を有するものであることが望ましい。ピンの表面に凹凸を有することで、接着剤との付着力が増し、ピンの抜けを防止することが可能となる。
また、ピンは、穿孔穴に挿入された際に躯体の表面側となる端部に拡径部を有するものであることが望ましい。これにより、穿孔穴に挿入されたピンの拡径部が、穿孔穴の蓋の役割を果たし、穿孔穴内の接着剤が躯体の表面に露出しないようにすることができる。また、コンクリート躯体の表面に貼着されたタイル表面から穿孔穴を形成してピンを挿入する場合には、このピンの拡径部がタイルの落下を防止するストッパーとして機能する。
さらに、このピンの拡径部の躯体の裏面側はテーパー状であることが望ましい。これにより、ピンの拡径部のテーパー状の部分が穿孔穴の入口に密着して、穿孔穴を密閉することが可能となる。
また、ピンは、穿孔穴が躯体の表面に対して斜め方向に形成されたものである場合に躯体の表面側となる端面が躯体の表面に対して平行となるように斜めに形成されたものであることが望ましい。これにより、穿孔穴に対してピンを挿入すると、ピンの端面が躯体の表面に対して平行となり、躯体の表面と面を合わせることが可能となる。
(1)躯体の表面から躯体の内部においてクラックと交差する穿孔穴を形成し、穿孔穴に対して接着剤を注入し、接着剤を注入した穿孔穴内に、クラックと交差して穿孔穴の前後の躯体を連結するためのピンを挿入する構成により、接着剤によりクラック内が補修されるとともに、ピンによりクラックの周囲部分まで含めて強固に一体化され、クラックの再発生を防止することが可能となる。
(2)穿孔穴の形成は、穿孔ドリルのビットの角度を躯体の表面に対して所定の角度に設定する治具を用いて行うことで、躯体の表面に対して穿孔穴を所定の角度で斜め方向に形成することが容易となり、工期を短縮することが可能となる。
(3)穿孔穴を躯体の厚み方向の中心部でクラックと交差するように形成することにより、接着剤をクラック全体に容易に浸透させることが可能となる。
(4)穿孔穴を躯体の表面のクラックに沿ってクラックを挟んで互い違いとなる位置から形成することにより、クラックを挟んで互い違いとなる方向に挿入されたピンが、躯体の断面からみて交差した状態でクラックの周囲を固定するため、クラックの周囲部分がより強固に一体化され、さらにクラックの再発生を防止することが可能となる。
(5)接着剤の注入を、穿孔穴に対して注入した接着剤がクラックを通じて躯体の表面に出てくるまで行うことにより、穿孔穴に対して注入した接着剤がクラックの全体に浸透したことが容易に確認できるようになる。
(6)ピンが表面に凹凸を有するものであることにより、ピンと接着剤との付着力が増し、ピンの抜けを防止することが可能となる。
(7)ピンが穿孔穴に挿入された際に躯体の表面側となる端部に拡径部を有するものであることにより、穿孔穴内の接着剤が躯体の表面に露出しないようにすることができるとともに、躯体の表面に貼着されたタイル表面から穿孔穴を形成してピンを挿入する場合には、このピンの拡径部がタイルの落下を防止することができる。
(8)ピンの拡径部の躯体の裏面側がテーパー状であることにより、ピンの拡径部のテーパー状の部分が穿孔穴の入口に密着して、穿孔穴を密閉することが可能となる。
(9)ピンは、穿孔穴が躯体の表面に対して斜め方向に形成されたものである場合に躯体の表面側となる端面が躯体の表面に対して平行となるように斜めに形成されたものであることにより、穿孔穴に対してピンを挿入すると、ピンの端面が躯体の表面に対して平行となり、躯体の表面と面を合わせることが可能となり、施工後に別途面合わせの処理を行う必要がなくなる。
本発明の実施の形態におけるクラック補修工法のフロー図である。 穿孔穴の形成工程を示す断面図である。 穿孔穴の穿孔位置を示す平面図である。 接着剤の注入工程を示す断面図である。 接着剤の注入工程の詳細を示す断面図であって、(A)は接着剤の注入途中の状態を示す図、(B)は接着剤の注入完了状態を示す図である。 ピンの挿入工程を示す断面図である。 施工完了状態を示す断面図である。 ピンの実施例を示す側面図である。 拡径部を有するピンの実施例を示す側面図である。 図9(A)のピンを穿孔穴に挿入した状態を示す断面図である。 図9(C)のピンを穿孔穴に挿入した状態を示す断面図である。 躯体の表面のタイル面から穿孔穴を形成してピンを挿入した状態を示す断面図である。 穿孔穴の形成ピッチについての説明図である。
図1は本発明の実施の形態におけるクラック補修工法のフロー図である。以下、図1のフロー図に沿って本発明の実施の形態におけるクラック補修工法について説明する。
(S1)穿孔穴の形成
まず、図2に示すように、クラック2が発生した躯体1の表面1Aから躯体1の内部1Bにおいてクラック2と交差する穿孔穴3を形成する。穿孔穴3の形成は、より詳しくは、以下の手順による。
(S1−1)手持ち式の穿孔ドリル(図示せず。)の先端部分に傾斜穿孔用アタッチメント10を取り付ける。傾斜穿孔用アタッチメント10は、穿孔ドリルのビット(刃)の角度θを躯体1の表面1Aに対して所定の角度(本実施形態においては60°または45°)に設定する治具である。
(S1−2)躯体1の厚みTを調べ、表1および表2に示すような穿孔ドリル位置一覧表から最適な穿孔深度と穿孔位置を出す。例えば、躯体1の厚みT(躯体厚)が150mmの場合、穿孔角度60°、進行深度130mm、穿孔位置はクラック2から45mm離した場所となる。この条件で穿孔すると、穿孔穴3が躯体1の厚み方向の中心部でクラック2と交差する。
Figure 2019039218
Figure 2019039218
(S1−3)穿孔準備ができたら、傾斜穿孔用アタッチメント10を躯体1に当て、穿孔を開始する。
(S1−4)予定穿孔深度に達したら、穿孔ドリルを停止し、ゆっくりと引き抜く。
(S1−5)穿孔ドリルが空冷式ドリルの場合はエアーダスターで穿孔穴3の中をエアーで吹き飛ばす。湿式ドリルの場合は冷却水を乾燥させる。
(S1−6)穿孔穴3の入口部分を面取りする。
(S1−7)穿孔作業終了。
なお、穿孔穴3の穿孔位置は、図3に示すように、躯体1の表面1Aのクラック2に沿ってクラック2を挟んで互い違いとなる位置とするのが良い。但し、狭い場所や角部分のクラック2は片側のみ穿孔を行う。また、ピッチは躯体の厚みTによって表1および表2のように設定する。この穿孔穴3の形成ピッチについては後述する。
(S2)接着剤の注入
次に、図4に示すように、注入器4を用いて穿孔穴3に接着剤5(図5参照。)を注入する。具体的には、注入器4の先端のノズル4Aを穿孔穴3に差し込み、接着剤5が漏れないように注入器4を押さえ付け、穿孔穴3内にゆっくりと接着剤5を注入していく。このとき、接着剤5の注入は、穿孔穴3に対して注入した接着剤5がクラック2を通じて躯体1の表面1Aに出てくるまで行う。
接着剤5の注入は、より詳しくは、以下の手順による。
(S2−1)注入器4で少しずつ圧力をかけていくと、図5(A)に示すように、クラック2に接着剤5が浸透していく。
(S2−2)そのまま圧力をかけ、接着剤5を入れていくと、図5(B)に示すように、クラック2の表面2Aから接着剤5が出てくる。
(S2−3)接着剤5が表面2Aまで出てきたら接着剤5の注入を止める。
(S2−4)ゆっくりと注入器4を外して接着剤5の注入完了。
なお、接着剤5は、クラック2の幅が0.3mm超の広い場合は粘度が高い120〜230Pa・sのもの、より好ましくは170Pa・s以上のものを使用することが望ましい。クラック2の幅が0.3mmを超えた場合、粘度が低いとクラック2の中で接着剤5がだれてしまい、クラック2内に綺麗に回らなくなる可能性がある。一方、クラック2の幅が0.3mm以内の狭い場合は粘度が低い120Pa・s未満のものであっても使用することが可能であり、粘度の影響なくクラック2内に接着剤5が綺麗に回る。
(S3)ピンの挿入
次に、図6に示すように、接着剤5を注入した穿孔穴3内にピン6を挿入する。ピン6は、接着剤5の注入後、すぐに挿入する。ピン6の挿入後、穿孔穴3付近についた接着剤5を綺麗に拭き取る。この状態で接着剤5が硬化すると、図7に示すように、ピン6がクラック2と交差して穿孔穴3の前後の躯体1を連結した状態となり、施工完了となる。
次に、ピン6について詳細に説明する。ピン6としては、図8(A)に示す丸棒状のピン6Aの他、表面に凹凸を有するものとして図8(B)に示す全ネジ状のピン6Bや図8(C)に示す部分的に凹凸を有する棒状のピン6Cを使用することが可能である。表面に凹凸を有するピン6B,6Cでは、接着剤5との付着力が増すため、表面に凹凸のないピン6Aより好ましい。特に、ピン6Cのように表面の凹凸の向きが互い違いに異なる方向とすることで、接着剤5が効果した後はピン6Cを引っ張っても抜けてしまうことがない。また、ピン6の素材としては、主にステンレス、チタンや炭素繊維等の錆に強く、引張強度が高いものを使用することが望ましい。
また、ピン6は、穿孔穴3に挿入された際に躯体1の表面1A側となる端部に、図9(A)〜(C)に示すようにそれぞれの軸部よりも径を拡大した拡径部7A,7B−1,7B−2,7Cを有する構成とすることが望ましい。この拡径部7A〜7Cにより、穿孔穴3の入口部分を塞ぎ、穿孔穴3内の接着剤5が躯体1の表面1Aに露出しないようにすることができる。
さらに、拡径部7A〜7Cの躯体1の裏面1C側は、それぞれテーパー状とすることが望ましい。この拡径部7A〜7Cのテーパー状の部分は、前述のように面取りした穿孔穴3の入口部分に密着して、穿孔穴3を密閉する。
図10は図9(A)の拡径部7Aを有するピン6Cを穿孔穴3に挿入した状態を示す断面図である。図10に示すように、拡径部7Aを有するピン6Cを穿孔穴3に挿入する場合、拡径部7Aの端面が躯体1の表面1Aに対して斜めとなっているため、挿入後にパテ埋め仕上げを行う。
また、図9(B)に示す拡径部7B−1,7B−2は、それぞれ全ネジ状のピン6Bに対し、ねじ込むことにより脱着可能としたものである。これにより、必要に応じて全ネジ状のピン6Bに拡径部7B−1,7B−2を装着して対応することが可能となる。
また、図9(B)に示す拡径部7B−2および図9(C)に示す拡径部7Cは、躯体1の表面1A側となる端面が躯体1の表面1Aに対して平行となるように斜めに形成されたものである。図11は図9(C)に示す拡径部7Cを有するピン6Cを穿孔穴3に挿入した状態を示す断面図である。図11に示すように、このピン6Cを穿孔穴3に挿入すると、ピン6Cの端面が躯体1の表面1Aに対して平行となり、躯体1の表面1Aと面を合わせることが可能となり、施工後に別途面合わせの処理を行う必要がなくなる。
図12は躯体の表面のタイル面から穿孔穴を形成してピンを挿入した状態を示す断面図である。図12に示すように、躯体1の表面1Aに貼着されたタイル8表面から穿孔穴3を形成してピン6Cを挿入する場合には、このピン6Cの拡径部7Cがタイル8の落下を防止することができ、タイル面の浮きや剥がれ等を防止することが可能となる。
次に、穿孔穴3の形成ピッチについて、図13を参照して説明する。図13は躯体1の内部でどのように接着剤5が浸透していくかを示している。本実施形態におけるクラック補修工法では、穿孔穴3が躯体1の厚み方向の中心部でクラック2と交差するように形成されるため、接着剤5はクラック2の中心部分から円を描くようにして浸透していく。そして、しばらく注入すると躯体1の表面1Aから接着剤5が出てくるが、この状態では躯体1の裏面1Cからも接着剤5が出てくることになる。このとき、接着剤5同士が繋がるようなピッチで穿孔穴3を形成することで、クラック2内部で接着剤5同士が繋がり、躯体1内部の酸化防止効果、防水効果や強度などを高めることができる。
本発明は、建物のコンクリート躯体や、コンクリート躯体の表面に貼着されたタイル等に発生したクラックを補修するクラック補修工法およびこれに用いられるピンとして有用であり、特に、クラックが発生した躯体に対し、クラックの周囲部分まで含めて強固に一体化し、クラックの再発生を防止することが可能なクラック補修工法およびこれに用いられるピンとして好適である。
1 躯体
2 クラック
3 穿孔穴
4 注入器
5 接着剤
6,6A,6B,6C ピン
7A,7B,7B−1,7B−2,7C 拡径部
10 傾斜穿孔用アタッチメント

Claims (7)

  1. 躯体に発生したクラックを補修するクラック補修工法であって、
    前記躯体の表面から前記躯体の内部において前記クラックと交差する穿孔穴を形成すること、
    前記穿孔穴に対して接着剤を注入すること、
    前記接着剤を注入した前記穿孔穴内に、前記クラックと交差して前記穿孔穴の前後の躯体を連結するためのピンを挿入すること
    を含むクラック補修工法。
  2. 前記穿孔穴は前記躯体の表面に対して斜め方向に形成することを特徴とする請求項1記載のクラック補修工法。
  3. 前記穿孔穴の形成は、穿孔ドリルのビットの角度を前記躯体の表面に対して所定の角度に設定する治具を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載のクラック補修工法。
  4. 前記穿孔穴は前記躯体の厚み方向の中心部で前記クラックと交差するように形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のクラック補修工法。
  5. 前記ピンは、表面に凹凸を有するものである請求項1から4のいずれか1項に記載のクラック補修工法。
  6. 躯体に発生したクラックを補修するに際し、前記躯体の表面から前記躯体の内部において前記クラックと交差する穿孔穴を形成し、前記穿孔穴に対して接着剤を注入し、前記接着剤を注入した前記穿孔穴内に、前記クラックと交差して前記穿孔穴の前後の躯体を連結するために挿入されるピンであって、
    表面に凹凸を有するピン。
  7. 躯体に発生したクラックを補修するに際し、前記躯体の表面から前記躯体の内部において前記クラックと交差する穿孔穴を形成し、前記穿孔穴に対して接着剤を注入し、前記接着剤を注入した前記穿孔穴内に、前記クラックと交差して前記穿孔穴の前後の躯体を連結するために挿入されるピンであって、
    前記穿孔穴に挿入された際に前記躯体の表面側となる端部に拡径部を有するピン。
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