JP2019039057A - 防錆用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】防錆性能および吸湿性能に優れた防錆用組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂および第1の防錆剤を含有する防錆材料(A)と、B形シリカゲルおよび第2の防錆剤を含有する吸湿剤(B)と、を含む、防錆用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、防錆用組成物に関する。
金属資材や金属部品などの金属製品は、防錆剤、乾燥剤、吸湿剤等を含む包装資材による包装やこれらの添加剤を含む容器への収容を経て、保管や輸送に供される。上記防錆剤は、金属表面の不動態化作用や物理的吸着機構などにより、腐食を防止するものであり、上記乾燥剤、吸湿剤は、包装内部の水分量を低減し、結露防止する等、金属の保護を目的としたものである。
このような防錆剤、吸湿剤等を含む包装資材として、たとえば特許文献1には、通気性のある第1の面状物と、当該第1の面状物よりも通気性の低い第2の面状物とを積層してなり、少なくともいずれか一方の面状物に多数のセルを形成し、当該セルの内部に気化性防錆剤および吸湿剤を充填し、他方の面状物によって前記セルを閉塞するように構成した防錆包装材が開示されている。
特開2001−171723号公報
しかしながら、特許文献1に記載の防錆包装材では、防錆性能および吸湿性能が劣るという問題があった。
そこで本発明は、防錆性能および吸湿性能に優れた防錆用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、熱可塑性樹脂および第1の防錆剤を含有する防錆材料(A)と、B形シリカゲルおよび第2の防錆剤を含有する吸湿剤(B)と、を含む、防錆用組成物により、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、防錆性能および吸湿性能に優れた防錆用組成物が提供される。
従来の防錆材料の働きを示す模式図である。 本発明の一実施形態による防錆用組成物の効果発現のメカニズムを示す模式図である。
本発明は、熱可塑性樹脂および第1の防錆剤を含有する防錆材料(A)と、B形シリカゲルおよび第2の防錆剤を含有する吸湿剤(B)と、を含む、防錆用組成物である。このような構成を有する本発明の防錆用組成物は、防錆性能および吸湿性能に優れる。
本発明の防錆用組成物が上記効果を発現する詳細な理由は不明であるが、以下のようなメカニズムによるものと推測される。なお、下記メカニズムは推測によるものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
図1は、従来の防錆材料の働きを示す模式図である。特許文献1に示されるような従来の防錆材料は、シリカゲル1と防錆剤2とを別々に添加するが(図1(A)参照)、防錆剤の一部が水蒸気3とともにシリカゲル1に吸収されてしまい、ワーク(防錆対象物)の表面上に存在する防錆剤の量が足りず(図1(B)参照)、防錆性能に劣るという問題があった。
図2は、本発明の一実施形態による防錆用組成物10の効果発現のメカニズムを示す模式図である。本発明の一実施形態による防錆用組成物10は、B形シリカゲル1に予め第2の防錆剤7が添加(吸着)されている吸湿剤(B)8とともに、熱可塑性樹脂5および第1の防錆剤6を含む防錆材料(A)9を用いている(図2(A)参照)。吸湿剤(B)8は、B形シリカゲル1に予め第2の防錆剤7が添加(吸着)されている構成であるため、B形シリカゲル1が防錆剤を必要以上に吸着してしまう現象を抑制することができ、防錆材料(A)9から第1の防錆剤6が、吸湿剤(B)8から第2の防錆剤7がそれぞれ放出されるため、ワーク(防錆対象物)4の表面上に存在する防錆剤の量が十分となり、防錆性能に優れると考えられる。また、吸湿剤(B)8の一成分であるB形シリカゲル1は、防錆材料(A)9の表面の水分を除去する役割を果たすことから、防錆材料(A)9からの第1の防錆剤6の放出がより促進されると考えられ(図2(B)参照)、防錆性能がより向上すると考えられる。
さらに、吸湿剤(B)8を構成するB形シリカゲル1は、雰囲気中の水分を低減する効果も有していることから、本発明の一実施形態による防錆用組成物10は吸湿性能に優れる。
加えて、防錆材料(A)9からの第1の防錆剤6の放出や、吸湿剤(B)からの第2の防錆剤7の放出は徐々に行われるため、本発明の一実施形態による防錆用組成物10は、長い期間防錆性能が維持されると考えられる。
以下、好ましい実施形態をより詳細に説明するが、下記の実施形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜60%RHの条件で測定する。
また、本明細書中で使用する「第1の」および「第2の」という用語は、防錆材料(A)および吸着剤(B)で用いられる防錆剤を互いに区別するために便宜的に用いられているに過ぎず、「第1」および「第2」といった序列自体に格別な意味はない。
[防錆材料(A)]
本発明に係る防錆材料(A)(以下、単に「(A)成分」とも称する)は、熱可塑性樹脂および第1の防錆剤を含有する。
<熱可塑性樹脂>
用いられる熱可塑性樹脂の具体例としては、たとえば、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ−1,2−ジクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シンジオタクチック型ポリメチルメタクリレート、ポリ−α−ビニルナフタレート、ポリカーボネート、セルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−o−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−フェニルスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデン、水素化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロエチレンとビニルアルコール、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルアセタール、ビニルブチラールなどとの共重合体、(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メチルメタクリレート−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、熱可塑性樹脂は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
上記の熱可塑性樹脂の中でも、第1の防錆剤の混合性や成形温度等の観点から、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
また、熱可塑性樹脂のMFR(メルトフローレート)は、成形加工性等の観点から、190℃、10kgの条件で10〜80g/10minであることが好ましい。
(A)成分中の熱可塑性樹脂の含有量(2種以上の場合はその総量)は、50〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、70〜80質量%であることがさらに好ましい。
該熱可塑性樹脂の形状は特に制限されず、板状、棒状、球状、シート状、フィルム状、中空状、ガス微分散状、発泡体、繊維状、ペレット状等の形状を有することができる。
<第1の防錆剤>
(A)成分に含まれる第1の防錆剤の具体的な例としては、たとえば、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、亜硝酸イソプロピルアンモニウム、亜硝酸ニトロナフタリンアンモニウム等の亜硝酸化合物;ラウリン酸シクロヘキシルアンモニウム等のラウリン酸誘導体;アクリル酸ジシクロヘキシルアンモニウム、アクリル酸シクロヘキシルアミン等のアクリル酸誘導体;炭酸シクロヘキシルアミン等の炭酸化合物);安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸モノエタノールアミン、安息香酸シクロヘキシルアミン、安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル、フタル酸、フタル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸、その塩またはその誘導体;桂皮酸ブチル等の桂皮酸誘導体;カプリン酸;カルバミン酸アンモニウム等のカルバミン酸誘導体;サリチル酸ジシクロヘキシルアンモニウム等のサリチル酸誘導体;モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノエタノール、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、N−エチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物またはその塩;ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、メチルヒドロキシピラゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ジメルカプトチアジアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール等の複素環化合物;尿素、チオ尿素等の尿素化合物;クエン酸、コハク酸、酒石酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸等の炭素原子数4〜18の飽和または不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;等を用いることができる。
また、たとえば、L−アスコルビン酸等の防腐剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート剤も本発明に係る第1の防錆剤として使用することができる。
上記第1の防錆剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせる場合、たとえば亜硝酸ナトリウムと尿素、亜硝酸ナトリウムとヘキサメチレンテトラミン系化合物、または亜硝酸ナトリウムと安息香酸アンモニウムの併用等によって得られる反応性防錆剤を使用してもよい。
これらの中でも、鉄鋼に対する防錆効果の観点から、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、安息香酸ナトリウムが好ましい。また、非鉄金属に対する気化性防錆効果の観点から、ベンゾトリアゾールが好ましい。すなわち、第1の防錆剤は、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、安息香酸ナトリウム、およびベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(A)成分中の第1の防錆剤の含有量(2種以上の場合はその総量)は、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることがさらに好ましい。
<(A)成分に含まれる他の添加剤>
(A)成分は、上記した本発明の効果を損なわない限りにおいて、フィラー、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、中和剤、分散剤、滑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、接着付与剤、重合禁止剤、表面改質剤、架橋剤、架橋助剤、防菌剤、シランカップリング剤、キレート剤、生分解用添加剤等他の添加剤をさらに含んでもよい。
<(A)成分の製造方法>
(A)成分を製造する方法としては、特に限定されず、たとえば、
(a)熱可塑性樹脂と、第1の防錆剤と、必要に応じて添加される各種添加剤とを、攪拌混合する方法:
(b)熱可塑性樹脂に対して、第1の防錆剤および必要に応じて添加される各種添加剤を含浸させる方法:
(c)熱可塑性樹脂と、第1の防錆剤と、必要に応じて添加される各種添加剤とを、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーなどの混練機を用いて溶融混練し、得られた混練物をペレタイザーにて所望の大きさに切断することによりペレット形状にする方法:
等が挙げられる。
上記(c)の方法において、たとえば二軸押出機を用いる場合、L/D(バレル長さ/スクリュー径)については特に制限はないが通常20〜50程度であり、また、スクリュー回転数は150〜600rpmが好ましい。シリンダー温度は、樹脂の種類によって異なるため一概には言えないが、たとえば低密度ポリエチレンを用いる場合、90〜150℃程度に設定することが好ましい。
[吸着剤(B)]
本発明に係る吸着剤(B)(以下、単に「(B)成分」とも称する)は、B形シリカゲルおよび第2の防錆剤を含有する。
<B形シリカゲル>
本発明にかかる(B)成分は、B形シリカゲルを含有する。一般的に、シリカゲルは化学吸着(シラノール基:Si−OHによる吸着)と、物理吸着(毛細管凝縮による吸着)とによる広範囲にわたる吸着特性を有する。A形シリカゲルは、二酸化ケイ素の微粒子が緻密に集合し、大きな表面積を有している。この表面に無数のシラノール基(水の分子等と結合しやすい基)を有するため、水と性質の近い物質を選択的に吸着(化学吸着)する。一方、B形シリカゲルは二酸化ケイ素の微粒子が緩やかに集合しており、表面積はA形シリカゲルよりも小さい。このため、シラノール基による化学吸着よりも、微粒子間の間隙への毛細管凝縮による物理的吸着が優先的に働く。この物理的吸着力は緩やかなので、B形シリカゲルは、低相対湿度に置く、またはその周囲を加熱することにより、吸着水を徐々に放出する性質を有している。また、B形シリカゲルは、A形シリカゲルと比較して、相対湿度が高い場合に、水の吸着量を高めることができる。
加えて、A形シリカゲルは、防錆剤(特に塩基性の防錆剤)の吸着強度がB形シリカゲルよりも強いため、A形シリカゲルに防錆剤を一旦吸着させると防錆剤の放出がよりし難くなることから、防錆性能が低下し、また、防錆剤の吸着により吸湿性能も低下する。
よって、本発明において、シリカゲルとしては、A形シリカゲルよりもB形シリカゲルのほうが好適である。なお、シリカゲルのA形およびB形は、JIS Z0701:1977に定められている。
(B)成分中のB形シリカゲルの含有量は、90〜99.5質量%であることが好ましく、95〜99質量%であることがより好ましく、95〜97質量%であることがさらに好ましい。
<第2の防錆剤>
(B)成分に含まれる第2の防錆剤の具体的な例は、上記第1の防錆剤と同様であるので、ここでは説明を省略する。第2の防錆剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、鉄鋼に対する防錆効果の観点から、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩が好ましい。また、非鉄金属に対する気化性防錆効果の観点から、ベンゾトリアゾールが好ましい。すなわち、第2の防錆剤は、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、およびベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(B)成分中の第2の防錆剤の含有量は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、3〜5質量%であることがさらに好ましい。
なお、(A)成分に含まれる第1の防錆剤と(B)成分に含まれる第2の防錆剤とは、同じ種類であってもよいし違う種類であってもよい。
<(B)成分に含まれる他の添加剤>
(B)成分は、上記した本発明の効果を損なわない限りにおいて、結着剤(バインダー)、粘着剤、酸化防止剤、pH指示薬等他の添加剤をさらに含んでもよい。
<(B)成分の製造方法>
(B)成分の製造方法は、特に制限されず、たとえばB形シリカゲルと第2の防錆剤とを攪拌混合する方法が挙げられる。混合時の条件も適宜設定でき、たとえば混合温度は20〜25℃であることが好ましく、混合時間は1〜5分であることが好ましい。
本発明の防錆用組成物は、上記(A)成分および(B)成分以外に、第3の防錆剤の1種以上をさらに含んでもよい。第3の防錆剤の例としては、上記第1の防錆剤と同様のものが挙げられる。
[防錆用組成物の製造方法]
防錆用組成物の製造方法は、特に制限されないが、(A)成分および(B)成分を製造した後、これらを混合する方法が挙げられる。
(A)成分および(B)成分の製造方法は、上記の通りである。(A)成分と(B)成分とを混合する方法は特に制限されないが、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー、ドラムミキサー等の装置を用いて、15〜45℃の温度でドライブレンド(乾式混合)を行う方法が挙げられる。
また、上記のような装置を用いてB形シリカゲルと第2の防錆剤とを混合して(B)成分を製造した後、(B)成分を単離せず同じ装置内に続けて(A)成分を添加し混合することによっても、本発明の防錆用組成物を製造することができる。
(A)成分と(B)成分との混合質量比は、(A)成分/(B)成分=1/1〜1/5であることが好ましく、1/4〜1/5であることがより好ましい。
本発明の防錆用組成物は、銅、アルミニウム、マグネシウム、銀、鉄、ニッケル、亜鉛、鉛、錫、チタン、その他金属またはこれらの合金などの防錆剤として好適に用いられる。
以下、具体的な実施例および比較例について説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
≪熱可塑性樹脂の準備≫
低密度ポリエチレンであるノバテック(登録商標)LJ−903(ペレット状、日本ポリエチレン株式会社製、MFR(190℃、10kg):50)を準備した。
≪第1の防錆剤(N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩)の準備≫
第1の防錆剤の1つ目の成分として、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩を合成した。具体的には、ステアリン酸36.89gをガラスビーカーに入れ、これを100℃に設定したホットスターラーに置き、ステアリン酸を液化させた。その後、N−メチルモルホリン13.11gをビーカー内に入れ、100℃で10分攪拌し反応させた。反応終了後、自然冷却および水浴による冷却を行い、反応物を固化させ、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩を得た。
≪第1の防錆剤(安息香酸ナトリウム)の準備≫
第1の防錆剤の2つ目の成分として、安息香酸ナトリウムを準備した。
≪(A)成分の作製≫
上記で準備したノバテック(登録商標)LJ−903 70.0質量部、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩 10.0質量部、および安息香酸ナトリウム 20.0質量部を混合し、予備混合物を得た。得られた予備混合物を、二軸押出機(ZHANGJIAGANG LIANGUAN社製、TE40、L/D=40)の主材・副材フィーダー(回転数80rpm)に投入し、温度を100〜120℃に設定したシリンダー内に投入した。
スクリュー回転数を350rpmとして溶融押出しし、押出されたストランドを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、(A)成分を得た。
≪B形シリカゲルの準備≫
市販のB形シリカゲル(球状)を準備した。
≪第2の防錆剤(N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩)の準備≫
上記≪(A)成分の作製≫の≪第1の防錆剤(N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩)の準備≫に記載の方法と同様にして、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩を準備した。
≪(B)成分の作製≫
上記で準備したB形シリカゲル 5000gと第2の防錆剤 263gとをドラムミキサーに入れ、25℃で5分間攪拌し、(B)成分を得た。なお、(B)成分中の第2の防錆剤の含有量は5質量%である。
≪防錆用組成物の作製≫
上記(B)成分を得た後、そのままドラムミキサー内に、上記で得られた(A)成分 1055gを添加し、25℃で1分間攪拌し、目的とする防錆用組成物1を得た。
(実施例2)
第2の防錆剤の使用量を155gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、防錆用組成物2を得た。なお、(B)成分中の第2の防錆剤の含有量は3質量%である。
(実施例3)
第2の防錆剤の使用量を50gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、防錆用組成物3を得た。なお、(B)成分中の第2の防錆剤の含有量は1質量%である。
(比較例1)
上記(B)成分の代わりにA形シリカゲルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較防錆用組成物1を作製した。
(比較例2)
上記(B)成分の作製において、第2の防錆剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較防錆用組成物2を作製した。
(比較例3)
上記で作製した(A)成分のみを比較防錆用組成物3とした。
(比較例4)
上記で作製した(B)成分のみを比較防錆用組成物4とした。
<評価>
〔防錆性能評価〕
JIS Z1519:2013に記載の方法に従い、鉄鋼に対する防錆性能の試験を行った。ただし、判定は下記の判定基準に準じた。なお、試験用鋼材の研磨には、日本研紙株式会社製、AHAC−SDS A−CWを用いた。
試験用鋼材(直径16mm、長さ13mmの鋼材(みがき棒鋼用一般鋼材SGD3)、の一端に直径および深さが9.5mmの穴をあけたもの)を試験容器に取り付け、防錆用組成物を試験容器内に投入した後、防錆用組成物に含まれる第1の防錆剤および第2の防錆剤を容器内に拡散させるためにそのまま20時間放置した。その後、2℃の冷水を注水し、試験用鋼材の表面に結露させた。結露させてから3時間後に、試験用鋼材を取り出し、錆の出方を目視および6倍ルーペで確認した。下記の判定基準によりn=3で評価し、平均的な評価結果を下記表1に示した:
◎ :肉眼にて発錆が確認されない。6倍ルーペを用いて観察すると数個以内の極小の発錆が確認される
○ :肉眼にて数個の発錆が確認できる。6倍ルーペを用いて観察すると10個以内の極小の発錆が確認される
△ :肉眼にて周状に発錆または変色が確認される
× :全周面に発錆または全面に変色
×× :著しい発錆。
〔吸湿率評価〕
JIS Z0701:1977に記載の方法に準じ、実施例1〜3および比較例4で用いた(B)成分、比較例1で用いたA形シリカゲル、ならびに比較例2で用いたB形シリカゲルの吸湿率評価を行った。JIS Z0701:1977に記載の吸湿率以上であれば合格、吸湿率未満であれば不合格とした。なお、比較例3の比較防錆用組成物3は、シリカゲルを含まないため、吸湿率評価は行わなかった。
実施例および比較例の防錆用組成物の構成および評価結果を下記表1に示す。
上記表1から明らかなように、実施例1〜3の防錆用組成物は、比較例1〜4の防錆用組成物に比べて、防錆性能および吸湿性能に優れることが分かった。
1 シリカゲル(B形シリカゲル)、
2 防錆剤、
3 水蒸気、
4 ワーク(防錆対象物)、
5 熱可塑性樹脂、
6 第1の防錆剤、
7 第2の防錆剤、
8 吸湿剤(B)、
9 防錆材料(A)、
10 防錆用組成物。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂および第1の防錆剤を含有する防錆材料(A)と、
    B形シリカゲルおよび第2の防錆剤を含有する吸湿剤(B)と、
    を含む、防錆用組成物。
  2. 前記防錆材料(A)中の前記第1の防錆剤の含有量は5〜50質量%である、請求項1に記載の防錆用組成物。
  3. 前記吸湿剤(B)中の前記第2の防錆剤の含有量は0.5〜10質量%である、請求項1または2に記載の防錆用組成物。
  4. 前記第1の防錆剤は、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、安息香酸ナトリウム、およびベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防錆用組成物。
  5. 前記第2の防錆剤は、N−メチルモルホリン・ステアリン酸塩、N−メチルモルホリン・ラウリン酸塩、およびベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防錆用組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の防錆用組成物。
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CN114164036A (zh) * 2021-12-16 2022-03-11 武汉工程大学 一种除锈防锈剂及其合成工艺和应用
WO2022091991A1 (ja) * 2020-10-26 2022-05-05 株式会社アイセロ 防錆フィルム

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