JP3129667B2 - 金属防錆剤 - Google Patents

金属防錆剤

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JP3129667B2 JP08336440A JP33644096A JP3129667B2 JP 3129667 B2 JP3129667 B2 JP 3129667B2 JP 08336440 A JP08336440 A JP 08336440A JP 33644096 A JP33644096 A JP 33644096A JP 3129667 B2 JP3129667 B2 JP 3129667B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱帯・亜熱帯地帯
などの高温・多湿地域における錆の発生しやすい悪条件
下で金属製品を包装しても長期間錆の発生のない各種金
属製品の保管のための2成分系の金属防錆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼一次製品を二次加工するまで
には、日本国内ばかりでなく、海外での現地生産に向け
ては、長い日数と輸送経路を経て現地へ送られる。特に
自動車産業界では、日本から世界各国へ部品を供給し、
現地での組み立て生産を行うシステムが盛んに行なわれ
ている。特に東南アジアなどの熱帯雨林地域への輸送、
また、製品の保管時は、環境の変化が大きいので、金属
表面に結露が起こりやすく錆の原因となった。このよう
に従来、結露水と酸素、そして金属との反応から錆が生
じるため製品価値を損ね、大きな損害を受けることにな
った。これらの損害を回避するために、「防錆油と包装
材」との組合せから金属製品表面に直接、防錆油を大量
に塗布することで錆の発生を防ぐ処置が施されてきた。
【0003】しかし防錆油による防錆は必ずしも有効手
段とは言えず、自動車部品について述べると、天井外
板、ドアパネル等の板金プレス品の塗装時には、前処理
工程にて防錆油を洗浄除去している。前処理工程で使わ
れる脱脂剤溶液には、不快臭や油臭で作業環境を汚すば
かりでなく、排水処理コストも高く、取り扱いが不便で
あった。これらの間題をなくすために、気化性防錆剤の
開発が行われてきたが、代表的にはクラフト紙に含浸さ
せた「防錆紙と包装材」との組合せ、樹脂フィルムに気
化性防錆剤を練り込んで成形した防錆フィルム(特公昭
47−4295号公報、特公昭53−2449号公報)
やフィルムに各種気化性防錆剤を粘着剤などの他の添加
剤とともにコーティングすることにより得られた各種プ
ラスチックフィルム(特公昭58−24270号公報)
がある。しかしこれらの包装材に含有できる気化性防錆
剤の量には限界があり、大型金属製品のように空間容積
が大きいものを包む時には、製品を包むフィルムの面積
が空間容積に対して小さいと、防錆フィルムからの気化
性防錆成分が希釈されるばかりでなく、容積中の絶対水
分量が多いため、結露水中の防錆剤濃度値が小さくな
り、十分な防錆効果が得られなかった。
【0004】また乾燥剤の使用は、防湿性が非常に高い
バリアー性包装材で完全密封された系のみ有効であり、
大型金属製品を包装するときは、特に製品の重みによる
穴あきやヒートシール性の問題から完全密封することは
困難となり、トータルコストも割高で経済性にも乏し
い。しかも何日か経過した除湿能力のなくなった乾燥剤
は、吸収された水分の放出のために逆に錆の原因となる
ケースもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
によって解決できなかった課題、即ち、防錆油の欠点と
なっている作業環境の汚染や油落としのための後洗浄の
問題、防錆フィルムや乾燥剤では対応することが困難で
ある大きな空間容積を有する金属製品の防錆包装に対す
る問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など保管環境
が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を保持し、
錆による金属製品の品質価値を損なわない2成分系の固
形金属防錆剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレンオキサイド、プルラン、キサン
タンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ゼラチン、に
かわ、コラーゲンタンパク、カゼイン、寒天、コンドロ
ン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
イミド、アラビアゴムから成る少なくとも1種類以上の
水溶性樹脂に対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、ジシクロ
ヘキシルアンモニウム・亜硝酸塩の少なくとも1種類以
上を、0.1重量%以上を含有させた混合物〔A〕と、
安息香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニウム、ステ
アリン酸アルンモニウム、パルチミン酸アンモニウム、
オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロ
ヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息
香酸塩、尿素、ウロトロビン、チオ尿素、カルバミン酸
フェニル、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリ
アゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、3−メチル
−5−ピラゾロンの少なくとも1種類以上を熱可塑性樹
脂に対して0.1重量%以上で含有させたブレンド物を
溶融混練し、固形状に押出し成形して混合物〔B〕を形
成し、これら混合物〔A〕と混合物〔B〕の2成分を混
合することなく、防錆の必要な金属製品が収納されてい
る密閉空間に適宜の形状で共存させることで上記問題を
解決した。
【0007】さらに本発明では、混合物〔A〕と混合物
〔B〕からなる2成分系金属防錆剤、水蒸気透過量20
0g/m・24hr以上、ガーレー式透気度5,00
0秒/100cc以下からなる防水性の通気・透湿性フ
ィルムの小袋又は小容器に別途収納すれば、金属防錆剤
が飛び散ることなく取り扱いが容易となるので、これを
金属製品とともに密閉空間に保管することによって輸送
時の衝撃による飛散を防止することができ、しかも、上
記通気・透湿性の防水性の機能を有する包装材が、混合
物〔A〕と混合物〔B〕から成る混合物の、吸湿後の潮
解液を金属製品と隔てることとなり、金属製品の価値を
損なわずに保管ができ、上記問題が解決された。また別
法として混合物〔A〕を水溶性液中に溶解した溶液を混
合物〔B〕の表層に分散被覆させた共存の態様によって
も上記問題を解決することもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する水溶性樹脂に
は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
プルラン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロ
ース、ゼラチン、にかわ、コラーゲンタンパク、カゼイ
ン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギン酸
ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンイミド、アラビアゴムが挙げられ
る。いずれの場合も混合物〔A〕は、水溶性樹脂に対し
て、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシ
ウム、亜硝酸マグネシウム、シジクロヘキシルアンモニ
ウム・亜硝酸塩より選ばれた成分の少なくとも1種類以
上を0.1重量%以上、好ましくは10〜50重量%を
含有させ、水溶性樹脂粉末と上記亜硝酸塩の粉末を混ぜ
合わせたり、ペレット状の水溶性樹脂粉末と上記亜硝酸
塩の粉末を混ぜ合わせたり、ペレット状の水溶性樹脂表
面上に亜硝酸塩の粉末を分散させたり、水に溶解した水
溶性樹脂中に上記亜硝酸を分散させ、後に水分を蒸発乾
燥させることで混合物〔A〕が得られる。また、上記成
分の混ぜ合わせ方法として、バンバリーミキサー、ミキ
シングロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によ
って練り込むなどが挙げられる。上記混合物〔A〕は、
金属製品が包装された密閉系内の空気との接触面積を大
きくとるために、最大径30mm以下の固状体に調製す
るのが望ましい。
【0009】また混合物〔B〕で使用する熱可塑性樹脂
には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステ
ル等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、アイオノマー樹脂、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの2種もしくは3
種以上の共重合体ゴムと他種のモノマーとの共重合体ゴ
ムが挙げられる。いずれの場合も混合物〔B〕は、これ
らの熱可塑性樹脂に安息香酸アンモニウム、オレイン酸
アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルア
ミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿
素、ウロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、
ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、
5−メチルベンゾトリアゾール、3−メチル−5−ピラ
ゾロンの少なくとも1種類以上を0.1重量%以上、好
ましくは10〜50重量%含有させたブレンド物を調製
する。
【0010】このブレンド物を固形状に形成する方法と
して、熱可塑性樹脂のペレット、粉末等を例えば、バン
バリーミキサー、ミキシングロールニーダー、単軸押出
機、二軸押出機等によって加熱溶融して練り込み、押し
出した混合物をペンタイザーでペレット化する方法やシ
ート上に加工し、裁断する方法等がある。いずれも混合
物〔B〕で用いる防錆添加剤は、アンモニア、またはア
ミン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失しやす
く、混合物〔B〕は吸湿して液化した混合物〔A〕の防
錆剤との接触を適度に小さくするために、吸湿性の乏し
い熱可塑性樹脂中に含有させ、好ましくは最小径1mm
以上の固状体に成形する。
【0011】金属製品が包装された密閉系内では、混合
物〔A〕,〔B〕の一方の混合物〔A〕中の吸湿作用が
大きい亜硝酸塩が、相対湿度70%RH付近で先に吸湿
し始め潮解する。この水分を水溶性樹脂が取り込み、ゲ
ル状態から粘性の高い液状態へと変化する。つまり、金
属製品が包装された系内の水分量が減ることで、相対湿
度が下がり結露現象が起きにくくなる。次に液状態へと
変化した混合物〔A〕は、混合物〔B〕に浸透し、相互
に反応やすい状態になる。混合物〔B〕の防錆添加剤
は、アンモニア、またはアミン系のものであるため、蒸
気圧が高く気化消失しやすいため、混合物〔B〕は吸湿
して液化した混合物〔A〕の防錆剤との接触が可能にな
る。よって混合物〔A〕と混合物〔B〕は、必ずしも隣
接するように混在させる必要はなく、適当な形状の混合
物〔A〕と混合物〔B〕を適当な比率で密閉系内に共存
させることで、長期にわたる金属製品の輸送・保管期間
の錆を防ぐことが可能になる。
【0012】また混合物〔A〕と混合物〔B〕の共存割
合は、混合物〔A〕:混合物〔B〕が重量比で1:6〜
6:1との範囲内であればよく、好ましくは1:2〜
2:1で防錆目的を達成することができる。本発明で
は、混合物〔A〕と混合物〔B〕にそれぞれ種類の異な
る防錆化合物を使用することにより、他種の金属からな
る金属製品を錆から守ることができる。例えば混合物
〔A〕に混合させる亜硝酸塩を使用し、混合物〔B〕に
練り混む防錆剤を、非鉄金属に対する防錆効果が高いベ
ンゾトリアゾールを使用した場合、鋼だけでなくアルミ
ニウムとの複合金属製品の防錆にも効果が発揮されるこ
とが確認された。
【0013】また、混合物〔A〕自体は、水溶性樹脂が
有する吸湿作用のため、金属製品が包装された密閉系内
の水分量を滅少させ、結露現象が起きにくくさせ、初期
の防錆効果を発揮させることもできる。また固状化され
た混合物〔B〕の防錆剤が徐々に固形物の表面に析出し
気化することで、含有された薬剤の気化消失スピードが
混合物〔A〕と混合物〔B〕で異なり、この相互作用に
よって長期にわたって防錆効果を保持できる。特に混合
物〔A〕と混合物〔B〕に含有される薬剤の組合せにお
いて起こる、包装された系内での加水分解反応では、亜
硝酸ナトリウムとウロトロピンの混合系のように、防錆
効果に有効な亜硝酸アンモニウム等の反応性ガスが生成
されるため、鉄類の防錆に相乗的な効果が発揮される。
【0014】また、これら混合物〔A〕と混合物〔B〕
から成る2成分系の金属防錆剤を使用する際には、水蒸
気透過量(JIS Z 0208)値が、200g/m
・24hr以上からなり、ガーレー式透気度(JIS
P 8117)値が、5,000秒/100cc以下
からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に収
納することで、環境温度に影響される添加剤の気化消失
スピード、環境湿度に影響される剤自体が吸湿性をもつ
場合であっても、金属製品の防錆が可能になった。
【0015】次に実施例1〜、ならびに比較例1〜5
の混合物を用いて本発明者が行った防錆試験法について
説明する。先ず4種類の試験片(表1)をタテ100c
m×ヨコ150cm×高さ100cmの容積の籠に吊
し、上記実施例1〜の金属防錆剤成形体、ならびに比
較例1〜5それぞれを籠の中央に置く。これらの籠を厚
さ100μmポリエチレンフィルム袋に入れ、ヒートシ
ールして密封し、試験条件下(イ)に放置した。試験条
件の温湿度を繰り返すことで、試験表面が結露しやすい
環境をつくり、長期間(60日間)における効果の違い
を評価基準(ロ)に従い評価した。なお、表1で示す試
験片はソルベントナフサにて洗浄、風乾後使用した。
【0016】(イ)試験環境 25℃、70%RH : 4時間 50℃、95%RH : 4時間 設定移動時間 : 2時間、 計12時間/1サイクル
【0017】
【表1】
【0018】(ロ)評価基準 ◎:錆、変色なし ○:点錆、わずかな変色発生 △:試験片の面積に対して10%未満に錆または変色発
生 ×:試験片の面積に対して10〜50%未満に錆または
変色発生 ××:試験片の面積に対して50%以上に錆または変色
発生
【0019】
【実施例1】アルギン酸ナトリウム粉末(和光純薬
(株)社製)に対し、亜硝酸ナトリウム粉末を28重量
%混ぜ合わせ、混合物〔A〕とする。また低密度ポリエ
チレン粉末(住友化学社製 F218−1 密度0.9
19)に対し、ウロトロピン10重量%をブレンドし、
二軸押出機にて135℃で溶融混練し、冷却後、直径7
mm、長さ15mmの固形状に成形し混合物〔B〕とし
た。混合物〔A〕と混合物〔B〕から成る金属防錆剤の
配合比を重量比で混合物〔A〕:混合物〔B〕=1:2
とし、総量3gをシャーレに入れ、防錆に用いた。防錆
テスト結果を表2に示す。
【0020】
【実施例2】ポリエチレンオキサイド粉末(住友精化
(株)社製)に対し、亜硝酸カルシウム粉末を20重量
%混ぜ合わせ、混合物〔A〕とする。また低密度ポリエ
チレン粉末(住友化学社製F218−1、密度0.91
9)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%を混合し、二
軸押出機にて135℃で溶融混練し、冷却後、直径5m
m、長さ10mmの固形状に成形し混合物〔B〕とし
た。混合物〔A〕と混合物〔B〕から成る2成分系金属
防錆剤の配合比を重量比で混合物〔A〕:混合物〔B〕
=2:3とし、総量5gをシャーレに入れ、防錆に用い
た。
【0021】
【実施例3】実施例2からなる金属防錆用成形体5g
を、水蒸気透週量(JIS Z 0208)値、500
0g/m・24hr、ガーレー式透気度(JIS P
8117)値 500秒/100ccからなる通気・
透湿性フィルム(株)トクヤマ)の小袋(10×10m
)内に収納し、防錆に用いた。
【0022】
【実施例4】ポリエチレンオキサイド粉末(住友精化
(株)社製)に対し、ジシクロヘキシルアンモニウム亜
硝酸塩の粉末を10重量%混ぜ合わせ、二軸押出機にて
100℃で溶融混練し、冷却後直径10mm、長さ35
mmの固形状に成形し混合物〔A〕とする。他方、低密
度ポリエチレン粉末(住友化学社製F218−1、密度
0.919)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%をブ
レンドし、二軸押出機にて135℃で溶融混練し、冷却
後最大径25mmの固形状に成形し混合物〔B〕とし
た。混合物〔A〕と混合物〔B〕から成る金属防錆用成
形体の配合比を重量比で混合物〔A〕:混合物〔B〕=
2:3とし、総量5gを水蒸気透過量(JIS Z 0
208)値が、6100g/m・24hr)ガーレー
式透気度(JIS P 8117)値が、50秒/10
0ccからなる通気・透湿性フィルム((株)トクヤ
マ)の小袋(10×10cm)内に収納し、防錆に用い
た。
【0023】
【比較例1】実施例1で使用した混合物〔B〕のみ3g
をシャーレに入れ使用した。
【0024】
【比較例2】実施例1で使用した亜酸ナトリウム粉末
280mgとウロトロン粉末200g(実施例1と試
薬量純分が同量)をシャーレに入れ使用した。
【0025】
【比較例3】実施例1で使用した混合物〔A〕と混合物
〔B〕から成る金属錆用成形体を混合物〔A〕1gと混
合物〔B〕2g(重量比1:2)を別々のシャーレに入
れ使用した。
【0026】
【比較例4】実施例2からなる金属防錆用成形体5g
を、水蒸気透過量(JIS Z 0208)値が、3g
/m・24hr、ガーレー式通気度(JIS P 8
117)値が、50000秒/100cc以上からなる
高密度ポリエチレンフィルムの小袋(10×10cm)
内に収納し使用した。
【0027】
【比較例5】実施例2からなる混合物〔A〕と混合物
〔B〕配合比を混合物〔A〕:混合物〔B〕=5:10
0とし、総量5gを同様に水蒸気透過量(JIS Z
0208)値が、5100g/m・24hr、ガーレ
ー式通気度(JIS P 8227)値が、50秒/1
00ccからなる通気・透湿性フィルム((株)トクヤ
マ)の小袋(10×10cm)内に収納し使用した。
【0028】この評価の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0029】表2で明らかなように結露が起こる条件下
においても、混合物〔A〕と混合物〔B〕を共存させる
ことで長期間の錆の発生を防止することができ、多種の
金属製品の防錆包装が可能になる。通気・透湿性フィル
ムの小袋又は小容器内に、混合物〔A〕及び混合物
〔B〕の成形物を収納しても目的とする防錆効果が得ら
れる。
【0030】以上、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱
することなく、種々の設計変更が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、金属製品の防錆包装に対
する従来の問題を解決し、しかも、高湿多温環境下など
保管環境が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を
保持し、錆による金属製品の品質価値を損なわず、且
つ、取り扱いの容易な金属防錆剤を得ることができる。
また通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器に請求項に
記載されるような2成分系の金属防錆剤を収納し、金属
製品と共存して保管することによって、金属製品の価値
を損なうことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/00 - 11/18 C09K 15/04 B05D 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔A〕及び〔B〕を共存させること
    を特徴とする2成分系防錆剤。 〔A〕; ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
    イド、プルラン、キサンタンガム、メチルセルロース、
    ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
    ロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セ
    ルロース、ゼラチン、にかわ、コラーゲンタンパク、カ
    ゼイン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギ
    ン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピ
    ロリドン、ポリエチレンイミド及びアラビアゴムから成
    る群より選ばれた少なくとも1種類以上の水溶性樹脂に
    対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カ
    ルシウム、亜硝酸マグネシウム又はジシクロヘキシルア
    ンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種類以上を、0.1
    重量%以上含有させた混合物。 〔B〕; ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
    フィン系樹脂、エチレン・酢酸ピニルやアクリル酸エス
    テル等の共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
    系樹脂、アイオノマー樹脂及びゴム系樹脂から成る群よ
    り選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対し
    て、安息香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニウム、
    ステアリン酸アルンモニウム、パルチミン酸アンモニウ
    ム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシ
    クロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン
    安息香酸塩、尿素、ウロトロビン、チオ尿素、カルバミ
    ン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾ
    トリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール又は3−
    メチル−5−ピラゾロンの少なくとも1種類以上を、
    0.1重量%以上含有させた混合物。
  2. 【請求項2】 混合物〔A〕を水に溶解した水溶性液を
    混合物〔B〕の表層に分散被覆させることにより混合物
    〔A〕と混合物〔B〕を共存させることを特徴とする請
    求項1の2成分系防錆剤。
  3. 【請求項3】 混合物〔A〕と混合物〔B〕の共存割合
    が、重量比で1:6〜6:1の範囲であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2の2成分系防錆剤。
  4. 【請求項4】 氷蒸気透過量200g/m・24hr
    以上、ガーレー式透気度5,000秒/100cc以下
    からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に、
    請求項1乃至3の何れか一つの2成分系防錆剤を収納し
    たことを特徴とする防錆剤。
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