JPH10158645A - 金属防錆剤 - Google Patents

金属防錆剤

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JPH10158645A
JPH10158645A JP33644096A JP33644096A JPH10158645A JP H10158645 A JPH10158645 A JP H10158645A JP 33644096 A JP33644096 A JP 33644096A JP 33644096 A JP33644096 A JP 33644096A JP H10158645 A JPH10158645 A JP H10158645A
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ammonium
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water
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良知 大塚
Naoya Atsumi
直哉 渥美
Akira Fujii
明 藤井
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Aicello Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱帯や亜熱帯地帯などの高温・多湿地域にお
ける錆の発生しやすい悪条件下での長期間の保管でも、
錆の発生を防止することのできる2成分系の防錆剤の提
供。 【解決手段】 PVAなどの水溶性樹脂に0.1wt%以
上の亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシ
ウム、亜硝酸マグネシウム又はシクロヘキシルアンモニ
ウム亜硝酸塩の少なくとも1種を加えた混合物[A]
と、ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂に0.1wt
%以上の安息香酸アンモニウムなどの防錆剤を加えた混
合物[B]を共存させることを特徴とする2成分系防錆
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱帯・亜熱帯地帯
などの高温・多湿地域における錆の発生しやすい悪条件
下で金属製品を包装しても長期間錆の発生のない各種金
属製品の保管のための2成分系の金属防錆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼一次製品を二次加工するまで
には、日本国内ばかりでなく、海外での現地生産に向け
ては、長い日数と輸送経路を経て現地へ送られる。特に
自動車産業界では、日本から世界各国へ部品を供給し、
現地での組み立て生産を行うシステムが盛んに行なわれ
ている。特に東南アジアなどの熱帯雨林地域への輸送、
また、製品の保管時は、環境の変化が大きいので、金属
表面に結露が起こりやすく錆の原因となった。このよう
に従来、結露水と酸素、そして金属との反応から錆が生
じるため製品価値を損ね、大きな損害を受けることにな
った。これらの損害を回避するために、「防錆油と包装
材」との組合せから金属製品表面に直接、防錆油を大量
に塗布することで錆の発生を防ぐ処置が施されてきた。
【0003】しかし防錆油による防錆は必ずしも有効手
段とは言えず、自動車部品について述べると、天井外
板、ドアパネル等の板金プレス品の塗装時には、前処理
工程にて防錆油を洗浄除去している。前処理工程で使わ
れる脱脂剤溶液には、不快臭や油臭で作業環境を汚すば
かりでなく、排水処理コストも高く、取り扱いが不便で
あった。これらの問題をなくすために、気化性防錆剤の
開発が行われてきたが、代表的にはクラフト紙に含浸さ
せた「防錆紙と包装材」との組合せ、樹脂フィルムに気
化性防錆剤を練り込んで成形した防錆フィルム(特公昭
47-4295 号公報、特公昭53-2449 号公報) やフィルムに
各種気化性防錆剤を粘着剤などの他の添加剤とともにコ
ーティングすることにより得られた各種プラスチックフ
ィルム(特公昭58-24270号公報) がある。しかしこれら
の包装材に含有できる気化性防錆剤の量には限界があ
り、大型金属製品のように空間容積が大きいものを包む
時には、製品を包むフィルムの面積が空間容積に対して
小さいと、防錆フィルムからの気化性防錆成分が希釈さ
れるばかりでなく、容積中の絶対水分量が多いため、結
露水中の防錆剤濃度値が小さくなり、十分な防錆効果が
得られなかった。
【0004】また乾燥剤の使用は、防湿性が非常に高い
バリアー性包装材で完全密封された系のみ有効であり、
大型金属製品を包装するときは、特に製品の重みによる
穴あきやヒートシール性の問題から完全密封することは
困難となり、トータルコストも割高で経済性にも乏し
い。しかも何日か経過した除湿能力のなくなった乾燥剤
は、吸収された水分の放出のために逆に錆の原因となる
ケースもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
によって解決できなかった課題、即ち、防錆油の欠点と
なっている作業環境の汚染や油落としのための後洗浄の
問題、防錆フィルムや乾燥剤では対応することが困難で
ある大きな空間容積を有する金属製品の防錆包装に対す
る問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など保管環境
が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を保持し、
錆による金属製品の品質価値を損なわない2成分系の固
形金属防錆剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレンオキサイド、プルラン、キサン
タンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ゼラチン、に
かわ、コラーゲンタンパク、カゼイン、寒天、コンドロ
イチン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
イミド、アラビアゴムから成る少なくとも1種類以上の
水溶性樹脂に対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、ジシクロ
ヘキシルアンモニウム・亜硝酸塩の少なくとも1種類以
上を、0.1 重量%以上を含有させた混合物[A] と、安息
香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニウム、ステアリ
ン酸アルンモニウム、パルチミン酸アンモニウム、オレ
イン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキ
シルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸
塩、尿素、ウロトロビン、チオ尿素、カルバミン酸フェ
ニル、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾ
ール、5−メチルベンゾトリアゾール、3−メチル−5
−ピラゾロンの少なくとも1種類以上を熱可塑性樹脂に
対して0.1 重量%以上で含有させたブレンド物を溶融混
練し、固形状に押出し成形して混合物[B] を形成し、こ
れら混合物[A] と混合物[B] の2成分を混合することな
く、防錆の必要な金属製品が収納されている密閉空間に
適宜の形状で共存させることで上記問題を解決した。
【0007】さらに本発明では、混合物[A] と混合物
[B] からなる2成分系金属防錆剤を、水蒸気透過量200g
/m2 ・24hr以上、ガーレー式透気度 5,000秒/100cc以下
からなる防水性の通気・透湿性フィルムの小袋又は小容
器に別途収納すれば、金属防錆剤が飛び散ることなく取
り扱いが容易となるので、これを金属製品とともに密閉
空間に保管することによって輸送時の衝撃による飛散を
防止することができ、しかも、上記通気・透湿性の防水
性の機能を有する包装材が、混合物[A] と混合物[B] か
ら成る混合物の、吸湿後の潮解液を金属製品と隔てるこ
ととなり、金属製品の価値を損なわずに保管ができ、上
記問題が解決された。また別法として混合物[A] を水溶
性液中に溶解した溶液を混合物[B] の表層に分散被覆さ
せた共存の態様によっても上記問題を解決することもで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する水溶性樹脂に
は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
プルラン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロ
ース、ゼラチン、にかわ、コラーゲンタンパク、カゼイ
ン、寒天、コンドロインチン硫酸ナトリウム、アルギン
酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレンイミド、アラビアゴムが挙げられ
る。いずれの場合も混合物[A] は、水溶性樹脂に対し
て、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシ
ウム、亜硝酸マグネシウム、シジクロヘキシルアンモニ
ウム・亜硝酸塩より選ばれた成分の少なくとも1種類以
上を 0.1重量%以上、好ましくは10〜50重量%を含有さ
せ、水溶性樹脂粉末と上記亜硝酸塩の粉末を混ぜ合わせ
たり、ペレット状の水溶性樹脂粉末と上記亜硝酸塩の粉
末を混ぜ合わせたり、ペレット状の水溶性樹脂表面上に
亜硝酸塩の粉末を分散させたり、水に溶解した水溶性樹
脂中に上記亜硝酸塩を分散させ、後に水分を蒸発乾燥さ
せることで混合物[A] が得られる。また、上記成分の混
ぜ合わせ方法として、バンバリーミキサー、ミキシング
ロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によって練
り込むなどが挙げられる。上記混合物[A] は、金属製品
が包装された密閉系内の空気との接触面積を大きくとる
ために、最大径30mm以下の固状体に調製するのが望まし
い。
【0009】また混合物[B] で使用する熱可塑性樹脂に
は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル
等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、アイオノマー樹脂、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1等のα−オレフィンの2種もしくは3種以
上の共重合体ゴムと他種のモノマーとの共重合体ゴムが
挙げられる。いずれの場合も混合物[B] は、これらの熱
可塑性樹脂に安息香酸アンモニウム、オレイン酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリ
ン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウ
ロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾ
トリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メ
チルベンゾトリアゾール、3−メチル−5−ピラゾロン
の少なくとも1種類以上を 0.1重量%以上、好ましくは
10〜50重量%含有させたブレンド物を調製する。
【0010】このブレンド物を固形状に形成する方法と
して、熱可塑性樹脂のペレット、粉末等を例えば、バン
バリーミキサー、ミキシングロールニーダー、単軸押出
機、二軸押出機等によって加熱溶融して練り込み、押し
出した混合物をペンタイザーでペレット化する方法やシ
ート上に加工し、裁断する方法等がある。いずれも混合
物[B] で用いる防錆添加剤は、アンモニア、またはアミ
ン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失しやす
く、混合物[B] は吸湿して液化した混合物[A] の防錆剤
との接触を適度に小さくするために、吸湿性の乏しい熱
可塑性樹脂中に含有させ、好ましくは最小径1mm以上の
固状体に成形する。
【0011】金属製品が包装された密閉系内では、混合
物[A],[B] の一方の混合物[A] 中の吸湿作用が大きい亜
硝酸塩が、相対湿度70%RH付近で先に吸湿し始め潮解す
る。この水分を水溶性樹脂が取り込み、ゲル状態から粘
性の高い液状態へと変化する。つまり、金属製品が包装
された系内の水分量が減ることで、相対湿度が下がり結
露現象が起きにくくなる。次に液状態へと変化した混合
物[A] は、混合物[B] に浸透し、相互に反応やすい状態
になる。混合物[B] の防錆添加剤は、アンモニア、また
はアミン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失し
やすいため、混合物[B] は吸湿して液化した混合物[A]
の防錆剤との接触が可能になる。よって混合物[A] と混
合物[B] は、必ずしも隣接するように混在させる必要は
なく、適当な形状の混合物[A] と混合物[B] を適当な比
率で密閉系内に共存させることで、長期にわたる金属製
品の輸送・保管期間の錆を防ぐことが可能になる。
【0012】また混合物[A] と混合物[B] の共存割合
は、混合物[A] : 混合物[B] が重量比で1:6〜6:1
との範囲内であればよく、好ましくは1:2〜2:1で
防錆目的を達成することができる。本発明では、混合物
[A] と混合物[B] にそれぞれ種類の異なる防錆化合物を
使用することにより、他種の金属からなる金属製品を錆
から守ることができる。例えば混合物[A] に混合させる
亜硝酸塩を使用し、混合物[B] に練り混む防錆剤を、非
鉄金属に対する防錆効果が高いベンゾトリアゾールを使
用した場合、鋼だけでなくアルミニウムとの複合金属製
品の防錆にも効果が発揮されることが確認された。
【0013】また、混合物[A] 自体は、水溶性樹脂が有
する吸湿作用のため、金属製品が包装された密閉系内の
水分量を減少させ、結露現象が起きにくくさせ、初期の
防錆効果を発揮させることもできる。また固状化された
混合物[B] の防錆剤が徐々に固形物の表面に析出し気化
することで、含有された薬剤の気化消失スピードが混合
物[A] と混合物[B] で異なり、この相互作用によって長
期にわたって防錆効果を保持できる。特に混合物[A] と
混合物[B] に含有される薬剤の組合せにおいて起こる、
包装された系内での加水分解反応では、亜硝酸ナトリウ
ムとウロトロピンの混合系のように、防錆効果に有効な
亜硝酸アンモニウム等の反応性ガスが生成されるため、
鉄類の防錆に相乗的な効果が発揮される。
【0014】また、これら混合物[A] と混合物[B] から
成る2成分系の金属防錆剤を使用する際には、水蒸気透
過量(JIS Z 0208)値が、 200g/m2・24hr以上からなり、
ガーレー式透気度(JIS P 8117)値が、 5,000秒/100cc以
下からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に
収納することで、環境温度に影響される添加剤の気化消
失スピード、環境湿度に影響される剤自体が吸湿性をも
つ場合であっても、金属製品の防錆が可能になった。
【0015】次に実施例1〜5、ならびに比較例1〜5
の混合物を用いて本発明者が行った防錆試験法について
説明する。先ず4種類の試験片(表1)をタテ100cm ×
ヨコ150cm ×高さ100cm の容積の籠に吊し、蒸気実施例
1〜5の金属防錆用成形体、ならびに比較例1〜5それ
ぞれを籠の中央に置く。これらの籠を厚さ 100μm ポリ
エチレンフィルム袋に入れ、ヒートシールして密封し、
試験条件下 (イ) に放置した。試験条件の温湿度を繰り
返すことで、試験表面が結露しやすい環境をつくり、長
期間 (60日間) における効果の違いを評価基準(ロ) に
従い評価した。なお、表1で示す試験片はソルベントナ
フサにて洗浄、風乾後使用した。
【0016】(イ)試験環境 25℃、70%RH : 4時間 50℃、95%RH : 4時間 設定移動時間 : 2時間、 計12時間/1サイクル
【0017】
【表1】
【0018】(ロ)評価基準 ◎:錆、変色なし ○:点錆、わずかな変色発生 △:試験片の面積に対して10%未満に錆または変色発生 ×:試験片の面積に対して10〜50%未満に錆または変色
発生 ××:試験片の面積に対して50%以上に錆または変色発
【0019】
【実施例1】アルギン酸ナトリウム粉末(和光純薬
(株) 社製)に対し、亜硝酸ナトリウム粉末を28重量%
混ぜ合わせ、混合物[A] とする。また低密度ポリエチレ
ン粉末 (住友化学社製 F218-1 密度0.919)に対し、ウロ
トロピン10重量%をブレンドし、二軸押出機にて135 ℃
で溶融混練し、冷却後、直径7mm 、長さ15mmの固形状に
成形し混合物[B] とした。混合物[A] と混合物[B] から
成る金属防錆剤の配合比を重量比で混合物[A] :混合物
[B] =1:2とし、総量3gをシャーレに入れ、防錆に用
いた。防錆テスト結果を表2に示す。
【0020】
【実施例2】ポリエチレンオキサイト粉末(住友精化
(株) 社製)に対し、亜硝酸カルシウム粉末を20重量%
混ぜ合わせ、混合物[A] とする。また低密度ポリエチレ
ン粉末(住友化学社製 F218-1 、密度0.919)に対し、ベ
ンゾトリアゾール5重量%を混合し、二軸押出機にて 1
35℃で溶融混練し、冷却後、直径5mm 、長さ10mmの固形
状に成形し混合物[B] とした。混合物[A] と混合物[B]
から成る2成分系金属防錆剤の配合比を重量比で混合物
[A] : 混合物[B] =2:3とし、総量5gをシャーレに入
れ、防錆に用いた。
【0021】
【実施例3】実施例2からなる金属防錆用成形体5g
を、水蒸気透過量(JIS Z 0208)値、5000g/m2・24hr、ガ
ーレー式透気度(JIS P 8117)値 500秒/100ccからなる通
気・透湿性フィルム (株) トクヤマ) の小袋 (10×10
m2) 内に収納し、防錆に用いた。
【0022】
【実施例4】ポリエチレンオキサイト粉末(住友精化
(株) 社製)に対し、ジシクロヘキシルアンモニウム亜
硝酸塩の粉末を10重量%混ぜ合わせ、二軸押出機にて 1
00℃で溶融混練し、冷却後直径10mm、長さ35mmの固形状
に形成し混合物[A] とする。他方低密度ポリエチレン粉
末 (住友化学社製 F218-1 、密度0.919)に対し、ベンゾ
トリアゾール 5重量%をブレンドし、二軸押出機にて 1
35℃で溶融混練し、冷却後最大径25mmの固形状に成形し
混合物[B] とした。混合物[A] と混合物[B] から成る金
属防錆用成形体の配合比を重量比で混合物[A] : 混合物
[B] =2:3とし、総量 5g を水蒸気透過量 (JIS Z 02
08) 値が、6100g/m2・24hr、ガーレー式透気度(JIS P81
17) 値が、50秒/100ccからなる通気・透湿性フィルム
((株) トクヤマ) の小袋 (10×10cm) 内に収納し、防錆
に用いた。
【0023】
【比較例1】実施例1で使用した混合物[B] のみ3gを
シャーレに入れ使用した。
【0024】
【比較例2】実施例1で使用した亜硫酸ナトリウム粉末
280mgとウロトロビウン粉末 200mg(実施例1と試薬量
純分が同量)をシャーレに入れ使用した。
【0025】
【比較例3】実施例1で使用した混合物[A] と混合物
[B] から成る金属錆用成形体を混合物[A] 1gと混合物
[B] 2g(重量比1:2)を別々のシャーレに入れ使用し
た。
【0026】
【比較例4】実施例2からなる金属防錆用成形体5g
を、水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、3g/m2・24hr、
ガーレー式通気度 (JIS P 8117) 値が、 50000秒/100cc
以上からなる高密度ポリエチレンフィルムの小袋(10×
10cm) 内に収納し使用した。
【0027】
【比較例5】実施例2からなる混合物[A] と混合物[B]
配合比を混合物[A] :混合物[B] =5:100 とし、総量
5gを同様に水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、5100g/
m2・24hr、ガーレー式通気度 (JIS P 8117) 値が、50秒
/100ccからなる通気・透湿性フィルム((株) トクヤマ)
の小袋(10×10cm)内に収納し使用した。
【0028】この評価の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0029】表2で明らかなように結露が起こる条件下
においても、混合物[A] と混合物[B] を共存させること
で長期間の錆の発生を防止することができ、多種の金属
製品の防錆包装が可能になる。通気・透湿性フィルムの
小袋又は小容器内に、混合物[A] 及び混合物[B] の成形
物を収納しても目的とする防錆効果が得られる。
【0030】以上、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱
することなく、種々の設計変更が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、金属製品の防錆包装に対
する従来の問題を解決し、しかも、高湿多湿環境下など
保管環境が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を
保持し、錆による金属製品の品質価値を損なわず、且
つ、取り扱いの容易な金属防錆剤を得ることができる。
また通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器に請求項に
記載されるような2成分系の金属防錆剤を収納し、金属
製品と共存して保管することによって、金属製品の価値
を損なうことがない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】金属製品が包装された密閉系内では、混合
物[A],[B]の一方の混合物[A]中の吸湿作用が
大きい亜硝酸塩が、相対湿度70%RH付近で先に吸湿
し始め潮解する。この水分を水溶性樹脂が取り込み、ゲ
ル状態から粘性の高い液状態へと変化する。つまり、金
属製品が包装された系内の水分量が減ることで、相対湿
度が下がり結露現象が起きにくくなる。次に液状態へと
変化した混合物[A]は、混合物[B]に浸透し、相互
に反応やすい状態になる。混合物[B]の防錆添加剤
は、アンモニア、またはアミン系のものであるため、蒸
気圧が高く気化消失しやすいため、混合物[B]は吸湿
して液化した混合物[A]の防錆剤との接触が可能にな
る。よって混合物[A]と混合物[B]は、必ずしも隣
接するように混在させる必要はなく、適当な形状の混合
物[A]と混合物[B]を適当な比率で密閉系内に共存
させることで、長期にわたる金属製品の輸送・保管期間
の錆を防ぐことが可能になる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔A〕及び〔B〕を共存させること
    を特徴とする2成分系防錆剤 。 〔A〕; ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
    イド、プルラン、キサンタンガム、メチルセルロース、
    ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
    ロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セ
    ルロース、ゼラチン、にかわ、コラーゲンタンパク、カ
    ゼイン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギ
    ン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピ
    ロリドン、ポリエチレンイミド及びアラビアゴムから成
    る群より選ばれた少なくとも1種類以上の水溶性樹脂に
    対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カ
    ルシウム、亜硝酸マグネシウム又はジシクロヘキシルア
    ンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種類以上を、0.1 重
    量%以上含有させた混合物。 〔B〕; ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
    フィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エス
    テル等の共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
    系樹脂、アイオノマー樹脂及びゴム系樹脂から成る群よ
    り選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対し
    て、安息香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニウム、
    ステアリン酸アルンモニウム、パルチミン酸アンモニウ
    ム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシ
    クロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン
    安息香酸塩、尿素、ウロトロビン、チオ尿素、カルバミ
    ン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾ
    トリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール又は3−
    メチル−5−ピラゾロンの少なくとも1種類以上を、0.
    1 重量%以上含有させた混合物。
  2. 【請求項2】 混合物〔A〕を水に溶解した水溶性液を
    混合物〔B〕の表層に分散被覆させることにより混合物
    〔A〕と混合物〔B〕を共存させることを特徴とする請
    求項1の2成分系防錆剤。
  3. 【請求項3】 混合物〔A〕と混合物〔B〕の共存割合
    が、重量比で1:6〜6:1の範囲であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2の2成分系防錆剤。
  4. 【請求項4】 水蒸気透過量 200g/m2・24hr以上、ガー
    レー式透気度 5,000秒/100cc以下からなる通気・透湿性
    フィルムの小袋又は小容器内に、請求項1乃至3の何れ
    か一つの2成分系防錆剤を収納したことを特徴とする防
    錆剤。
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