JP3544447B2 - 金属防錆剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製品を熱帯・亜熱帯地帯などの高温・多湿地域における錆の発生しやすい悪条件下で金属製品を包装しても長期間錆の発生のない各種金属製品の保管のための2成分系の金属防錆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄鋼一次製品を二次加工するまでには、日本国内ばかりでなく、海外での現地生産に向けては、長い日数と輸送経路を経て現地へ送られる。特に自動車産業界では、日本から世界各国へ部品を供給し、現地での組み立て生産を行なうシステムが盛んに行なわれている。特に東南アジアなどの熱帯雨林地域への輸送、また、製品の保管時は、環境の変化が大きいので、金属表面に結露が起こりやすく錆の原因となった。このように従来、結露水と酸素、そして金属との反応から錆が生じるため製品価値を損ね、大きな損害を受けることになった。これらの損害を回避するために、「防錆油と包装材」との組み合わせから金属製品表面に直接、防錆油を大量に塗布することで錆から守る処置が施されてきた。
しかし防錆油による防錆は必ずしも有効手段とは言えず、自動車部品について述べると、天井外板、ドアパネル等の板金プレス品の塗装時には、前処理工程にて防錆油を洗浄除去している。前処理工程で使われる脱脂剤溶液には、不快臭や油臭で作業環境を汚すばかりでなく、排水処理コストも高く、取り扱いが不便であった。これらの問題をなくすために、気化性防錆剤の開発が行なわれてきたが、代表的にはクラフト紙に含浸させた「防錆紙と包装材」との組み合わせ、樹脂フィルムに気化性防錆剤を練り込んで成形した防錆フィルム(特公昭47−4295号公報、特公昭53−2449号公報) やフィルムに各種気化性防錆剤を粘着剤などの他の添加剤とともにコーティングすることにより得られた各種プラスチックフィルム(特公昭58−24270号公報) がある。しかしこれらの包装材に含有できる気化性防錆剤の量には限界があり、大型金属製品のように空間容積が大きいものを包む時には、製品を包むフィルムの面積が空間容積に対して小さいと、防錆フィルムからの気化性防錆成分が希釈されるばかりでなく、容積中の絶対水分量が多いため、結露水中の防錆剤濃度値が小さくなり、十分な防錆効果が得られなかった。
【0003】
また乾燥剤の使用は、防湿性が非常に高いバリアー性包装材で完全密封された系のみ有効であり、大型金属製品を包装するときは、特に製品の重みによる穴あきやヒートシール性の問題から完全密封することは困難となり、トータルコストも割高で経済性にも乏しい。しかも何日か経過した除湿能力のなくなった乾燥剤は、吸収された水分の放出のために逆に錆の原因となるケースもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術によって解決できなかった課題、即ち、防錆油の欠点となっている作業環境の汚染や油落としのための後洗浄の問題、防錆フィルムや乾燥剤では対応することが困難である大きな空間容積を有する金属製品の防錆包装に対する問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など保管環境が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を保持し、錆による金属製品の品質価値を損なわない2成分系の金属防錆剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー樹脂、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の2種もしくは3種以上の共重合体ゴムと他種のモノマーとの共重合体ゴム、高級脂肪酸エステル高級アルコールエステル、エチレン,酢酸ビニル共重合系ワックス、動植物油脂、および天然ろう等のエステル系ワックスから成る少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、ジイソプロピルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種類以上を熱可塑性樹脂に対して0.1 重量%以上を含有させた混合物[A]と、安息香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニウム、ステアリン酸アルンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール又は3-メチル-5-ピラゾロンの少なくとも1種類以上を上記熱可塑性樹脂に対して0.1 重量%以上で含有させたブレンド物を溶融混練し、固形状に押出し成形して混合物[B]を形成し、これら混合物[A]と混合物[B]の2成分を混合することなく、防錆の必要な金属製品が収納されている密封空間に適宜の形状で共存させることで上記問題を解決した。
【0006】
さらに本発明では、混合物[A]と混合物[B]からなる2成分系金属防錆剤を、水蒸気透過量200g/m2・24hr以上、ガーレー式透気度 5,000秒/100cc以下からなる防水性の通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器に別途収納すれば、金属防錆剤が飛び散ることなく取り扱いが容易となるので、これを金属製品とともに密封空間に保管することによって輸送時の衝撃による飛散を防止することができ、しかも、上記通気・透湿性及び防水性の機能を有する包装材が、混合物[A]と混合物[B]から成る2成分系防錆剤の吸湿後の潮解液を金属製品と隔てることとなり、金属製品の価値を損なわずに保管ができ、上記問題が解決された。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する熱可塑性樹脂には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー樹脂、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの2種もしくは3種以上の共重合体ゴムと他種のモノマーとの共重合体ゴム、高級脂肪酸エステル、高級アルコールエステル、エチレン・酢酸ビニル共重合系ワックス、パラフィンワックス及び天然ろう等のワックスが挙げられる。
いずれの場合も混合物[A]は、熱可塑性樹脂に対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、ジシクロヘキシルアンモニウム・亜硝酸塩又はジイソプロピルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種類以上を熱可塑性樹脂に対して0.1重量%以上、好ましくは10〜60重量%を含有させ、熱可塑性樹脂と上記亜硝酸塩の粉末を混ぜ合わせたり、ペレット状の熱可塑性樹脂の表面に亜硝酸塩の粉体を分散させたり、メタノール等の溶媒に上記亜硝酸塩を溶解分散させ、固形状の熱可塑性樹脂表層に被覆させ、溶媒分を蒸発乾燥させることで混合物[A]を得るなどの方法がある。
上記成分の混ぜ合わせ方法として、バンバリーミキサー、ミキシングロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によって練り込むなどが挙げられる。上記混合物[A] は、金属製品が包装された系内の空気との接触面積を大きくとるために、最大径30mm以下に調整するのが望ましい。
【0008】
また[B] は安息香酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール又は3-メチル-5-ピラゾロンの少なくとも1種類以上を熱可塑性樹脂に対して0.1重量%以上、好ましくは10〜50重量%含有させたブレンド物を調製する。このブレンド物を固形状に成形する方法として、熱可塑性樹脂のペレット、粉末等に適宜な混練手段、例えば、バンバリーミキサー、ミキシングロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によって加熱溶融して練り込み、押し出した混合物をペレタイザーでペレット化する方法、シート状に加工し、裁断する方法等がある。いずれも混合物[B]で用いる防錆添加剤は、アンモニア、又はアミン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失しやすいため、防錆添加剤の気化消失温度に対して熱可塑性樹脂の融点が高いとブレンド物を固形状に成形する際に、気化消失する傾向にあるが、一般に熱可塑性樹脂の融点が約120 ℃以下であれば問題なく使用できる。混合物[A]と混合物[B]が共に粉体同士で混合したときには、早期消失し効果が半減することを見い出した。このため[B]は、雰囲気下の空気との接触面積を小さくするために、最小径1mm以上の固形状に調整するのが望ましい。
【0009】
金属製品が包装された密閉系内では、混合物[A],[B]の一方の混合物[A]中の吸湿作用が大きい亜硝酸塩が、相対湿度75%RH付近で先に吸湿し始め潮解するため、水分量が減少し結露現象が起きにくくなる。また、混合物[A]中の亜硝酸塩濃度を高く、総量を多くすることで、さらに金属製品が包装された密閉系内の水分量を減少させることが可能になり結露現象が起きにくく錆にくい環境を形成させる。次に、潮解し、液状態へと変化した混合物[A]中の防錆剤は、固形状に成形された混合物[B]に浸透し、相互に反応しやすい状態になる。混合物[B]の防錆添加剤はアンモニア、またはアミン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失しやすいため、混合物[B]は潮解して液化した混合物[A]と接触が可能になる。よって混合物[A]と混合物[B]は、必ずしも隣接するように混在させる必要はなく、適当な形状の混合物[A]と混合物[B]を適当な比率で密閉系内に共存させ、混合物[B]が潮解して液化した混合物[A]と接触が可能になる小袋、小容器に収納することで長期にわたる金属製品の輸送・保管期間の錆を防ぐことが可能になる。また、混合物[A]を水に溶解した水溶性液を混合物[B]の表層に分散被覆させることにより混合物[A]と混合物[B]を密閉系内に共存させることもできる。
【0010】
また、混合物[A],[B]に含有させる薬剤の濃度は、0.1重量%以上で十分目的を達成することができるが、特に[A]は、熱可塑性樹脂中に含有させる防錆剤の濃度が0.1重量%以下であると、液状態へと変化しないために混合物[B]との接触が困難になる。一方混合物[B]は、含有させる防錆添加剤の濃度が、80%以上になると固形状の成形が困難になってしまう。また混合物[A]と混合物[B]の共存割合は、混合物[A] : 混合物[B]が重量比で1:6〜6:1との範囲内であればよく、好ましくは1:2〜2:1で防錆目的を達成することができる。
本発明では、混合物[A]と混合物[B]にそれぞれ種類の異なる防錆化合物を使用することにより、他種の金属からなる金属製品を錆から守ることができる。例えば混合物[A]に混合させる亜硝酸塩として、鉄類に対して防錆効果が高いジシクロヘキシルアンモニウム・亜硝酸塩を使用し、混合物[B]に練り混む防錆添加剤を、非鉄金属に対する防錆効果が高いベンゾトリアゾールを選定した場合、鋼だけでなくアルミニウムとの複合金属製品の防錆にも効果が発揮されることが確認された。
特に混合物[A]と混合物[B]に含有される薬剤の組み合わせにおいて起こる包装された系内での加水分解反応では、亜硝酸ナトリウムとウロトロピンの混合系のように、防錆効果に有効な亜硝酸アンモニウム等の反応性ガスが生成されるため、鉄類の防錆に相乗的な効果が発揮される。
【0011】
また、これら混合物[A]と混合物[B]から成る2成分系の金属防錆剤を使用する際には、水蒸気透過量(JIS Z 0208)値が、200g/m2・24hr以上からなり、ガーレー式透気度(JIS P 8117)値が、5,000秒/100cc以下からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に収納することで、環境温度に影響される防錆添加剤の気化消失スピード、環境湿度に影響される防錆剤自体が吸湿性をもつ場合であっても、金属製品の防錆が可能になった。
【0012】
次に実施例1〜4の金属防錆剤及び比較例1〜5の混合物を用いて本発明で行なった防錆試験法について説明する。
【0013】
〔防錆試験方法〕
先ず4種類の試験片(表1)を大容積を有する100×150×100cmの籠に吊し、上記実施例1〜4の金属防錆剤及び比較例1〜5の混合物を、それぞれ籠の中央に置く。これらの籠を100μmポリエチレンフィルム袋に入れ、ヒートシールして密封し、試験条件下 (イ) に放置した。試験条件の温湿度を繰り返すことで、試験表面が結露しやすい環境をつくり、長期間 (60日間) における効果の違いを評価基準(ロ) に従い評価した。
なお、表1で示す試験片はソルベントナフサにて洗浄、風乾後使用した。
【0014】
【0015】
【表1】
【0016】
(ロ)評価基準
◎:錆、変色なし
○:点錆、わずかな変色発生
△:試験片の面積に対して10%未満に錆または変色発生
×:試験片の面積に対して10〜50%未満に錆または変色発生
××:試験片の面積に対して50%以上に錆または変色発生
【0017】
【実施例1】
低密度ポリエチレン粉末(住友精化 (株) 社製) に対し、亜硝酸ナトリウム粉末を28重量%混ぜ合わせ、混合物[A]とする。また低密度ポリエチレン粉末 (住友化学社製F218−1、密度0.919)に対してウロトロピン10重量%を混合し、二軸押出機にて135 ℃で溶融混練し、冷却後直径5mm、長さ10mmの固形状に成形し、混合物[B]とした。混合物[A]と混合物[B]から成る2成分系金属防錆剤の配合比を重量比で混合物[A]:混合物[B]=2:3とし、総量5gをシャーレに入れ、防錆試験に用いた。この評価試験の結果を表2に示す。
【0018】
【実施例2】
エチレン・酢酸ビニル共重合体ペレット(住友化学 (株) 社製)に対し、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩を20重量%混ぜ合わせ、混合物[A] とする。またポリエチレンワックス粉末(ヘキスト社製、PF520)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%を混合し、二軸押出機にて105 ℃で溶融混練し、冷却後最大径5mmの固形状に成形し、混合物[B]とした。混合物[A]と混合物[B]から成る2成分系金属防錆剤の配合比を重量比で混合物[A]:混合物[B]=3:2 とし、総量10g をシャーレに入れ、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0019】
【実施例3】
実施例2からなる2成分系金属防錆剤10g を、水蒸気透過量(JIS Z 0208)値、5000g/m2・24hr、ガーレー式透気度(JIS P 8117)値 500秒/100ccからなる通気・透湿性フィルム (株) トクヤマ) 袋 (10×10cm) 内に収納し、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0020】
【実施例4】
低密度ポリエチレン粉末(住友精化 (株) 社製)に対し、亜硝酸ナトリウムの粉末を50重量%混ぜ合わせ粉末混合物[A]とする。またエチレン−メチルアクリレート共重合樹脂(日本石油(株)社製RB4120、密度0.934)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%を混合し、二軸押出機にて105 ℃で溶融混練し、冷却後最大径25mmの固形状に成形し、混合物[B] とした。混合物[A] と混合物[B] から成る2成分系金属防錆剤の配合比を混合物[A]:混合物[B] =2:3とし、総量10g を水蒸気透過量 (JIS Z 0208) 値が、5100g/m2・24hr、ガーレー式透気度(JIS P8117) 値が、50秒/100ccからなる通気・透湿性フィルム((株) トクヤマ) の小袋 (10×10cm) 内に収納し、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0021】
【比較例1】
実施例1で使用した混合物[B]のみ3gをシャーレに入れ、防錆試験に用いた。 この評価試験の結果を表2に示す。
【0022】
【比較例2】
実施例1で使用した亜硫酸ナトリウム粉末1.2gとウロトロピカン粉末200mg(実施例1と試薬量純分が同量)をシャーレに入れ、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0023】
【比較例3】
実施例1で使用した混合物[A]と混合物[B]から成る2成分系金属防錆剤の混合物[A]2gと混合物[B]3g(重量比1:2)を別々のシャーレに入れ、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0024】
【比較例4】
実施例2からなる2成分系金属防錆剤10gを、水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、3g/m2・24hr、ガーレー式透気度 (JIS P 8117) 値が、 50,000 秒/100cc以上からなる高密度ポリエチレンフィルムの小袋(10×10cm) 内に収納し、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0025】
【比較例5】
実施例2からなる混合物[A]と混合物[B]配合比を混合物[A]:混合物[B]=5:100 とし、総量5gを同様に水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、5100g/m2・24hr、ガーレー式透気度 (JIS P 8117) 値が、50秒/100ccからなる通気・透湿性フィルム((株) トクヤマ)の小袋(10×10cm)内に収納し、防錆試験に用いた。 この評価試験の結果を表2に示す。
【0026】
この評価の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0027】
表2で明らかなように結露が起こる条件下においても、混合物[A]と混合物[B]を共存させることで長期間の錆の発生を防止することができ、多種の金属製品の防錆包装が可能になる。通気・透湿性フィルムの小袋・小容器内に、混合物[A]と混合物[B]の成形物を収納しても目的とする防錆効果が得られる。
【0028】
以上、本発明の実施例を詳述した、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の設計変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、金属製品の防錆包装に対する従来の問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など保管環境が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を保持し、錆による金属製品の品質価値を損なわず、且つ、取り扱いの容易な金属防錆剤を得ることができる。
また、通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器に請求項に記載されるような2成分系の金属防錆剤を収納し、金属製品と共存して保管することによって、金属製品の価値を損なうことがない。
Claims (2)
- 下記〔A〕と〔B〕を、密封空間内に適宜の形状で重量比で1:6〜6:1の範囲で共存させることを特徴とする2成分系金属防錆剤。
〔A〕;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー樹脂、ゴム系樹脂又はワックスから成る少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対して、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム又はジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩又はジイソプロピルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種以上を0.1 重量%以上含有させた混合物。
〔B〕;上記〔A〕に示す熱可塑性樹脂から成る少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂に対して、安息香酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール又は3-メチル-5- ピラゾロンの少なくとも1種以上を0.1 重量%以上含有させた混合物。 - 水蒸気透過量 200g/m2・24hr以上、ガーレー式透気度 5,000秒/100cc以下からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に、請求項1の2成分系防錆剤を収納したことを特徴とする金属防錆剤。
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