JP2019038862A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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俊亮 大畑
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Abstract

【課題】線状オリゴマー、ゲル発生を抑制し、ゲルに凝集する有機粒子を低減した、透明なポリエステル樹脂組成物及びその製造方法を提供する【解決手段】 テレフタル酸又はこれを主体とするジカルボン酸成分とエチレングリコール又はこれを主体とするジオール成分とからなるポリエステルであって、表面を界面活性剤処理した有機粒子を0.01〜10.0重量%含有し、マンガン元素を15〜45ppm含有し、かつポリエステル中に含有するアルカリ金属、アルカリ土類金属とリン元素とのモル比(M/P)が下記式を満足することを特徴とするポリエチステル組成物で達成される。0.60 ≦(M1+M2/2)/P≦ 1.50(M1:Mg,Mn,Caから選ばれる2価の金属元素含有量、M2:Li,Na,Kから選ばれる1価の金属元素量、P:リン元素含有量)【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、耐加水分解性、耐熱性に優れ、ゲル欠点のない透明性を有するポリエステル樹脂組成物に関するものである。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、さまざまな用途に広く利用されており、需要量も増大している。しかし、その優れた特性とは逆に、上記成形品を得る成形工程における工程通過性、あるいは製品自体での取り扱い時における滑り性不良による作業性の悪化、製品価値の低下といった好ましくないトラブルが発生することも知られている。
フィルムの滑り性を向上させるため、ポリエステルとの親和性に優れた、有機粒子の使用が知られている。
しかしながらその用途および需要の拡大に伴い、ポリエステルに要求される特性及び生産性もそれぞれの用途分野においてますます厳しくなっている。
ポリエステルは成形加工時に250℃〜300℃というポリエステルの融点以上の温度で溶融して押出し成形することが常であるが、この温度条件は一方でポリエステルの熱分解や、酸素が混入した場合には酸化分解を引き起こす。その結果ゲル状の異物発生を引き起こし、ゲルに集合する有機粒子がフィルム表面の欠点となる問題がある。
例えば、特許文献1には、加水分解を抑制すべく、リン酸アルカリ金属塩含有量を規定した、ポリエステル樹脂の製造方法が記載されている。
特許文献2には、オリゴマーの析出を抑制すべく、アルカリ土類金属量およびアルカリ金属量とリン化合物の量の比であるM/Pを特定の範囲内とするポリエステル樹脂の製造方法が記載されている。
特許文献3には、粒子の凝集を抑制する、ポリエステル樹脂の製造方法が記載されている。
特許文献4には、架橋高分子粒子を含有するポリエステル樹脂の製造方法が記載されている。
WO14/021095号公報 WO14/175137号公報 特開2013−147616号公報 特開平6−25440号公報
特許文献1記載のポリエステル樹脂は、リン酸アルカリ金属塩のみでは、耐加水分解性は不十分であり、ゲル発生を抑制することは不十分である。
特許文献2記載のポリエステル樹脂は、アルカリ金属量の適用量が不適切であるため、ゲル発生抑制効果は不十分であり、異物によるフィルムの透明性低下があった。
特許文献3記載のポリエステル樹脂は、金属の適用量などの適正化が不適切であるため、十分な耐加水分解性およびゲル発生抑制の効果が不十分であり、ゲルに凝集する粒子を抑制できない。
特許文献4記載のポリエステル樹脂は、フィルムの走行性と耐摩耗性を得ているが、金属適用量などの適正化が不適切であるため、耐加水分解性およびゲル発生抑制は不十分である。
本発明の目的は、これら従来の課題を解決し、耐加水分解性、ゲル発生を抑制し、ゲルに凝集する有機粒子を低減した、透明なポリエステル樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
上記課題は、テレフタル酸又はこれを主体とするジカルボン酸成分とエチレングリコール又はこれを主体とするジオール成分とからなるポリエステルであって、表面を界面活性剤処理した有機粒子を0.01〜10.0重量%含有し、マンガン元素を15〜45ppm含有し、かつポリエステル中に含有する金属元素とリン元素とのモル比(M/P)が下記式を満足することを特徴とするポリエステル組成物で達成される。
0.60 ≦(M1+M2/2)/P≦ 1.50
(M1:Mg,Mn,Caから選ばれる2価の金属元素含有量、
M2:Li,Na,Kから選ばれる1価の金属元素量、
P:リン元素含有量)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性、ゲル発生を抑制し、ゲルに凝集する有機粒子を低減した、透明なポリエステル樹脂組成物を提供することを可能にするものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物の構成成分としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸又はこれを主体とした酸成分、ジオール成分としてエチレングリコール又はこれを主体としたグリコール成分が挙げられる。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、カルボン酸成分の20モル%以下であれば、テレフタル酸及びこれを主体とする酸成分以外のジカルボン酸の1種又は2種以上を共重合成分として含むことができ、また同様にグリコール成分の20モル%以下であれば、エチレングリコール又はこれを主体とするグリコール成分以外のグリコール成分を1種又は2種以上を共重合成分として含むことができる。さらに熱可塑性を損なわない程度であれば三官能以上の多官能性化合物を共重合成分として含んでいても良い。
本発明に用いる有機粒子は、アクリル酸系または、スチレン系のものが好ましいが、なかでもジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子が好ましい。
ジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子は粒子を構成する主要組成がスチレンまたはその誘導体である粒子であり、粒子を構成するモノマーが、分子中に1個の脂肪族不飽和結合を有するモノビニル化合物(A)と、架橋成分として分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有するジビニル化合物(B)と少なくとも1 種の有機化合物(C)によって構成される。ここで化合物(A)の主要部分にスチレンまたはその誘導体、化合物(B)の主要部分にジビニルベンゼンまたはその誘導体を用いることによって本発明のジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子を得ることができる。有機化合物(C)の種類は、特に限定されないが、例えば、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アクリルアルデヒド等のアルデヒド類、メタクリル酸メチル等のエステル類が挙げられる。中でも透明性及び粒子凝集抑制の観点から、特にエステル化合物が好ましく、メタクリル酸メチルが好適に用いられる。SiOやTiO等の無機化合物で被覆した場合、ポリエステルとの親和性が悪化し、粒子凝集を引き起こすため好ましくない。また、化合物(B)のジビニルベンゼン等の架橋成分は、粒子の耐熱性を向上させるために、30重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量% 以上である。化合物(C)の有機化合物は、耐熱性を保持し、透明性を向上させるために、0 . 0 1 〜 1 0.0重量% 未満が好ましく、より好ましくは0 . 0 1 〜 5.0 重量% 未満、さらに好ましくは0 . 0 1〜 1.0 重量% 未満である。
本発明で用いるジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子は、耐熱性の観点から好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、表面を界面活性剤処理した有機粒子の含有量が0.01〜10.0重量%の範囲にあり、好ましくは0.10〜4.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。0.01重量%未満では、有機粒子の表面処理した界面活性剤の親水基による、耐加水分解性とゲル抑制効果を発現できない、また、10.0重量%を超えると粒子同士の集合体を形成し、異物となる。
本発明に用いる有機粒子は、ジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子に共重合される有機化合物で、平均粒子径が0.01〜5.00μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.10〜1.00μmである。0.01μm以上であれば、製膜時のすべり性が良好であり、一方、5.00μm以下であれば、ポリマーの透明性も良好である。
本発明の粒子は、ポリエステルとの親和性をさらに高めるため、粒子表面を界面活性剤で処理している。界面活性剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、などのメルカプタン類、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ドデシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのキサントゲンジスルフィド類、四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類などをあげることができる。これらは単独でも、あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類などが好適に使用される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、マンガン元素の含有量が15〜45ppmの範囲にあり、好ましくは20〜40ppm、より好ましくは25〜35ppmである。マンガン元素の含有量が45ppmを超えると、ゲル化率の上昇および耐熱性の低下し、15ppm未満であると、溶融比抵抗が低下して、ドラムキャスト性が低下する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、リン元素の含有量が15〜35ppmであることが好ましく、より好ましくは20〜30ppm。35ppm以下であれば、M/Pが良好となるため、耐熱性の低下およびゲル化率の上昇を抑制できる、15ppm以上であれば、M/Pが良好となり、耐熱性の低下およびゲル化率も良好となる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を含み、M/P((M1+M2/2)/P)は下記式を満足する。
0.60≦(M1+M2/2)/P≦1.50
(M1:Mg,Mn,Caから選ばれる2価の金属元素含有量、M2:Li,Na,Kから選ばれる1価の金属元素量、P:リン元素含有量、式中において、Mは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Pはリン元素のポリエステル10g当たりの総モル数を示す。)
M/Pは0.60〜1.50、好ましくは0.70〜1.40、さらに好ましくは0.80〜1.30である。M/Pが0.6未満であると製膜性が低下し、一方、1.50を超えるとゲル化率の上昇および耐熱性が低下する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、カリウム元素の含有量が2〜20ppmの範囲が好ましく、より好ましくは6〜16ppm、更に好ましくは8〜14ppmである。カリウム元素が20ppm以下であれば透明性が良好となり、また2ppm以上であれば、溶融比抵抗が十分であり、ドラムキャスト性も良好である。
本発明において290℃、20分間の線状オリゴマーの発生量は210μg/g以下であることが好ましく、より好ましくは205μg/g以下、さらに好ましくは200μg/g以下である。この範囲で発生量を抑えることで加工時の工程汚れを防止でき、特に製膜時にフィルムの欠点が低減する。
以下に、本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法の具体例について述べる。
ポリエステル組成物の製造方法としては周知の方法として回分式と連続式の重合法が知られているが、反応効率がよく、熱履歴が少ないことから高い耐熱性および低ゲル化率を満足するためには連続重合が好ましい。本願のポリエステル樹脂組成物はテレフタル酸ジメチルを原料とするDMT法、テレフタル酸を原料とする直重法のどちらの方法でも製造することはできるが、直重法で製造することがコスト面、反応効率の観点から好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物を連続重合設備で製造するに際して、反応槽の数は特に限定されないが、例えば直重法で製造する場合は反応効率の点からエステル化反応を1槽以上、重縮合反応を2槽以上用いて行うことが好ましく、エステル化槽に2槽、重縮合反応に3槽用いることがさらに好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物を製造する際に、カリウム化合物は、反応工程内の2か所以上で添加することが必要である。添加場所については特に限定されないが、例えば直重法でエステル化反応の槽の数が2槽で重縮合反応槽が3槽である場合は、エステル化反応槽の2槽に添加することで内部粒子の最大粒径が小さく、溶液ヘイズが低減する。
本発明においては、いずれの方法も採用することができる。さらに必要に応じて耐熱安定剤、静電防止剤、消泡剤、酸化防止剤などを反応前、反応中に添加することができる。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、脂肪族カルボン酸のアンチモン塩などが挙げられるが、これらの中でも重縮合反応性、得られるポリマーの色調、および安価に入手できる点から三酸化アンチモンが好ましく用いられる。
アンチモン化合物の添加方法としては、粉体又はエチレングリコールスラリー、エチレングリコール溶液などが挙げられるが、アンチモンの凝集による粗大化を防止でき、その結果透明性(ヘイズ)が良好となることから、エチレングリコール溶液として添加する方法が好ましい。
またリン元素化合物としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸もしくはこれらのエステル化合物などが挙げられるが、特にリン酸二水素ナトリウムが好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、溶融重合の終点をポリマーの攪拌トルクで判定することができ、目的とする固有粘度となるように溶融重合装置の終点判定トルクを設定すればよい。
その後、得られた溶融ポリエチレンテレフタレートは口金よりストランド状に吐出、冷却し、カッターによってペレット化する方法により液相ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造できる。
ポリエステル樹脂組成物は引き続いて混練機にて表面を界面活性剤で処理したジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子に共重合される有機化合物を混練する。一軸、二軸などのエクストルーダー或いはベント機構を有するエクストルーダーを用いて溶融状態にあるポリマーに添加混合しても良い。
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物は、以下の方法でポリエステルフィルムに成形することができる。
例えば、ポリエステル樹脂組成物を真空乾燥した後、押し出し機に供給し、260〜300℃で溶解し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャステキングドラムに巻き付けて、冷却固化させて未延伸ポリエステルフィルムを作製する。
該未延伸フィルムを70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施して塗液などを塗布してもよい。引き続き、連続的に70〜150℃の加熱された熱風ゾーンで幅方向に2.5〜5倍延伸し、続いて200〜240℃の熱処理ゾーンに導き、5〜40秒間の熱処理を施し、100〜200℃の冷却ゾーンを経て結晶配向を完了させる。また、上記熱処理中に必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
本発明で得られたポリエステル樹脂組成物は、透明性、耐熱性、耐加水分解性に優れ、フィルム欠点の元となるゲルの発生が少なく、溶融加工時の線状オリゴマーの発生量も低減できるため、工業材料用途、特に離型用途のフィルムに好適である。ここでいうゲルとして考えられる組成の一つに、PET分子が架橋したものであることが挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、物性の測定方法、効果の評価方法は以下の方法で行った。
(1)有機粒子の含有量
ポリエステル樹脂組成物の試料ペレットを水酸化カリウム/メタノール混合溶液200mlに120℃で120分撹拌して溶解後、冷却し、遠心分離を行い、固形分を秤量し、重量値から含有量を算出した。
(2)有機粒子の平均粒子径
ビーカーにイオン交換水を約30ml入れ、有機粒子水スラリーを約3ml入れ撹拌し、ろ過後、大塚電子製FPAR1000で平均粒径を測定した。
(3)固有粘度(IV)
ポリエステル樹脂組成物の試料ペレットをo−クロロフェノールに加熱溶解した後、ウベローデ型粘度計を用いて25℃で測定した。
(4)ヘイズ
ポリエステル0.5gを、フェノール/四塩化エタン(6/4重量比)の混合溶媒20mlに100℃で60分攪拌して溶解させ、室温まで冷却後、その溶液を20mmのガラスセルに入れ、スガ試験機製へイズコンピューター(HGM−2DP)で測定した。
(5)カルボキシル末端基量(COOH)
液相縮重合で得られたエステル化物およびポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は次の文献に記載されたMauliceの方法により測定した。
M. J.Maulice, F. Huizinga “Anal. Chim. Acta”Vol. 22, p−363(1960)。
すなわち、エステル化反応物またはポリエチレンテレフタレート樹脂組成物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、COOH末端基量を測定し、eq/ポリエステル1tonの値で表した。また、加熱処理で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、該樹脂組成物2gをo−クレゾールに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、COOH末端基量を測定し、当量/ポリエステル1トンの値で表した。電位差滴定を用いて、滴定曲線を描き、その変曲点を終点として、COOH末端基量を求めた。
(6)ポリマー中のカリウム元素含有量
原子吸光法(日立製作所製:変更ゼーマン原子吸光光度計180−80.フレーム:アセチレン空気)にて定量を行った。
(7)金属元素の含有量
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の試料ペレットを溶融プレス機で円柱状に成型し、蛍光X線元素分析装置(理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270))を用いて測定した。
(8)ゲル化率
ポリエステル1.0gを凍結粉砕機(Sprex CertiPerp社製、6750−115)により粉砕して直径300μm以下の紛体状とした後、真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−451SD)を用いて、150℃、12時間真空乾燥させた。その後、オーブン(ヤマト科学社製、DN4101)中で酸素濃度1%下、300℃で6時間熱処理する。これを、50mlのオルトクロロフェノール(OCP)中、80〜150℃の温度で0.5時間加熱し、溶解させる。続いて、ブフナー型ガラス濾過器(最大細孔の大きさ20〜30μm)で濾過し、線状・真空乾燥する。濾過前後の濾過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶分の重量を算出し、OCP不溶分のポリエステル樹脂生成物重量(1g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(重量%)とした。ゲル化率は10重量%以下を合格とした。
(9)290℃、20分間の溶融後の線状オリゴマー発生量の測定
ポリエステル樹脂組成物0.1gを凍結粉砕し、160℃、6時間真空乾燥を行った後、N雰囲気下のアンプルに封入した。その後290℃にて20分間加熱を行いLC20A(島津製作所製)で線状オリゴマーとしてテレフタル酸、モノ−2−ヒドロキシテレフタレート、ビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレートの量を測定し、その合計量をオリゴマー発生量とした。
(10)長期押し出し時のゲルのフィルム欠点
ポリエステルチップを160℃で5時間乾燥後、Tダイ式口金を備えた押し出し機に供給し、300℃で、口金からキャスティングドラムを回転させながらキャスティングドラム上に押し出し未延伸フィルムを連続的に得る。10時間経過後から11時間経過後の1時間の間、フィルム表面を観察し、この間表面に、10時間経過するまでは見られなかったスジ状の欠点が新たに観察されれば×、観察されなければ○とした。
[実施例1]
(溶融重合反応)
第1エステル化反応槽でテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.05〜1.30)を8.0〜8.7t/hrの一定流量で連続的に添加し、245〜255℃で水を留出させながらエステル化反応率90〜95%までエステル化反応を行う。水とエチレングリコールを混合し調製した水酸化カリウム溶液(0.216重量%)をポリエステル樹脂に対して0.0011重量%(0.18mol/t相当)となるように第1エステル化反応槽および第2エステル化反応槽に分割し、連続的に添加した。
また、第2エステル化反応槽においてはリン酸二水素ナトリウム/リン酸/エチレングリコール混合溶液(2.00重量%)をポリエステル樹脂組成物に対して0.01重量%(1.02mol/t相当)となるように連続的に添加した。
第2エステル化反応槽では、255℃で水を留出させながら、エステル化反応率97%までエステル化反応を行い、エステル化反応を完了する。
重縮合反応においては、第1重縮合反応槽では、温度260℃、真空度10kPaで重縮合反応を行い、三酸化二アンチモンをポリエステル樹脂に対して0.0185重量%(0.615mol/t相当)、酢酸マンガンをポリエステル樹脂組成物に対して0.014重量%(0.57mol/t相当)となるように添加した。
第2重縮合反応槽では、温度275℃、真空度2.2kPa、第3重縮合反応槽では、温度280℃、真空度0.2kPaで重縮合反応を行い、目標の固有粘度まで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
(有機粒子混練)
重縮合反応で得られた液相ポリエステル樹脂組成物を、エクストルーダーを用いて、液相ポリエステル樹脂組成物を溶解し、水を混合して調整した表面をt−ドデシルメルカプタンとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムで表面処理した平均粒子径0.30μmのジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子をポリエステル樹脂組成物に対して2.0重量%を添加混練し、エクストルーダー口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の品質は、固有粘度が0.59、ヘイズが11.0%、ゲル化率8.0重量%、線状オリゴマー発生量180μg/gであり、良好であった。
(フィルム成形)
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を150℃で3時間乾燥し、押し出し機に供給し、285℃で溶融押し出しを行い、静電印加された20℃のキャストドラム上にキャストし未延伸シートを得た。この未延伸シートを90℃に加熱された延伸ロールによって長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式延伸機によって120℃で幅方向に3.7倍延伸し、その後230℃で熱固定してロールに巻き取った。フィルムの成形性は良好であり、得られたフィルムのゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例2〜7]
有機粒子スラリー添加量を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例8〜13]
有機粒子の平均粒子径を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例14〜19]
マンガン元素が表1となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例20〜25]
カリウム元素が表1となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例26、27]
リン元素が表1となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[実施例28]
有機粒子がアクリル・スチレン架橋粒子を使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率、線状オリゴマー発生量、ゲルのフィルム欠点は良好であった。
[比較例1]
添加する表面を界面活性剤処理を行わなかった有機粒子に変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率が高く、線状オリゴマー発生量が多く、ゲルのフィルム欠点が多かった。
[比較例2、3]
有機粒子スラリー添加量を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。ゲル化率が高く、ゲルのフィルム欠点が多かった。
[比較例4、5]
マンガン元素が表1となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1、2に示す。得られたフィルムのゲル欠点が多かった。
Figure 2019038862
Figure 2019038862

Claims (4)

  1. テレフタル酸又はこれを主体とするジカルボン酸成分とエチレングリコール又はこれを主体とするジオール成分とからなるポリエステルであって、表面を界面活性剤で処理した有機粒子を0.01〜10.0重量%含有し、マンガン元素を15〜45ppm含有し、かつポリエステル中に含有する金属元素とリン元素とのモル比(M/P)が下記式を満足することを特徴とするポリエステル組成物。
    0.60 ≦(M1+M2/2)/P≦ 1.50
    (M1:Mg,Mn,Caから選ばれる2価の金属元素含有量、
    M2:Li,Na,Kから選ばれる1価の金属元素量、
    P:リン元素含有量)
  2. 有機粒子がジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 粒子の平均粒子径が0.01〜5.00μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. カリウム金属元素を2〜20ppm含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7326929B2 (ja) 2019-07-01 2023-08-16 東レ株式会社 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物

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