JP2019037187A - 充填豆腐、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食べたときにデザートとして適した甘味を感じやすく、豆乳由来の大豆風味も適度に感じることができる、舌触りの滑らかな充填豆腐、その製造方法の提供。【解決手段】容器及び原料として豆乳、調味料、凝固剤を準備S10、容器に充填された原料の混合物S20を得て、混合物を茹で、凝固物S30を冷やしS40、調味料は甘味料を含み、凝固剤は塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがりから選ばれた1種以上であり、混合物での凝固剤の含有量が0.20〜0.32質量%である充填豆腐の製造方法。また、豆乳、調味料及び凝固剤の混合物を凝固させた充填豆腐であり、調味料に甘味料が含まれ、凝固剤は塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム及びにがりから選ばれた1種以上であり、混合物での凝固剤の含有量が0.20〜0.32質量%である充填豆腐。【選択図】図1

Description

本発明は、充填豆腐、及びその製造方法に関する。
充填豆腐は、豆乳を凝固剤と共に容器に充填して、加熱して凝固させた豆腐である。充填豆腐などの豆腐を製造するために一般的に用いられている凝固剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、にがり、又はこれらの混合物が挙げられる。
一方、特許文献1には、上記した凝固剤の代わりに濃縮トマト汁を豆乳に添加して、80〜98℃で30〜60分かけて加熱することにより、豆乳を凝固させた豆腐様食品が記載されている。この豆腐様食品は、大豆由来の特有な風味が低下しており、苦味やざらつき感がなく、デザートに適していると特許文献1に記載されている。
特開2014−236696号公報
しかし、特許文献1に記載された豆腐様食品は、その製造過程で前述した凝固剤を用いていないから、豆腐ではない。また、この豆腐様食品では、芳醇なトマト風味によって大豆風味が大幅に弱くなってしまっている。
おいしい豆腐は、食べたときに苦味やざらついた舌触りを感じにくいだけでなく、豆乳由来の大豆風味を感じることができるものである。また、充填豆腐は、大量生産に適しており、冷蔵により賞味できる期間が長いため、多くの消費者に食べてもらいやすい。本発明者は、甘いデザートとして食べて楽しむことができる、おいしい充填豆腐を開発しようと想起した。
そこで、本発明の課題は、食べたときにデザートとして適した甘味を感じやすく、豆乳由来の大豆風味も適度に感じることができる、舌触りの滑らかな充填豆腐、及びその製造方法を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係る充填豆腐の製造方法は、容器、並びに、原料として豆乳、調味料、及び凝固剤を準備する工程と、前記原料をそれぞれ前記容器に充填することにより混合するか、又は当該原料を混合してから当該容器に充填することにより、当該容器に充填された混合物を得る工程と、前記容器ごと前記混合物を茹でて凝固物を得る工程と、前記容器ごと前記凝固物を冷やす工程と、を含む、前記混合物を凝固させた充填豆腐の製造方法であって、前記調味料には少なくとも甘味料が含まれ、前記凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上であり、前記混合物における前記凝固剤の含有量が0.20質量%以上かつ0.32質量%以下である。
本発明に係る充填豆腐の製造方法において、前記凝固物を得る工程では、72℃以上かつ78℃以下の温度で前記容器ごと前記混合物を茹でることが好ましい。
本発明に係る充填豆腐の製造方法において、前記甘味料が希少糖を含有することが好ましい。
本発明に係る充填豆腐の製造方法において、前記調味料には、香辛料、柑橘類の果汁、チョコレート、ココア、及び粉末状の茶からなる群より選ばれた1種又は2種以上、及び食塩が含まれることが好ましい。
あるいは、本発明に係る充填豆腐は、豆乳、調味料、及び凝固剤の混合物を凝固させた充填豆腐であって、前記調味料には少なくとも甘味料が含まれ、前記凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上であり、前記混合物における前記凝固剤の含有量が0.20質量%以上かつ0.32質量%以下である。
本発明に係る充填豆腐の製造方法によれば、豆腐を製造するために一般的に用いられている凝固剤を少量用いて、豆乳を凝固させる。製造された充填豆腐は、凝固剤の量が少ないから硬くなりにくいため、ざらつき感が抑えられて舌触りが滑らかな豆腐になっている。また、製造された充填豆腐は、凝固剤の量が少ないから凝固剤に起因する苦味を感じにくいため、豆乳由来の大豆風味を感じやすい豆腐になっている。本発明に係る充填豆腐の製造方法によれば、原料として甘味料と少量の凝固剤を用いるから、製造された充填豆腐では、少量の凝固剤由来の弱い苦味によって甘味が強調される。
あるいは、本発明に係る充填豆腐によれば、上記した本発明に係る充填豆腐の製造方法と同様の理由により、食べたときにデザートとして適した甘味を感じやすく、豆乳由来の大豆風味も適度に感じることができる、舌触りの滑らかなものになっている。
本発明に係る充填豆腐の製造方法を説明するフローチャートである。
<充填豆腐の製造方法>
本発明に係る充填豆腐の製造方法(以下「本製法」という。)は、図1に示すように、準備する工程S10と、混合物を得る工程S20と、凝固物を得る工程S30と、冷やす工程S40と、を含む。
準備する工程S10では、容器、並びに、充填豆腐の原料として、豆乳、調味料、及び凝固剤を準備する。
準備する工程S10で準備する容器は、容器状である本体部と、この容器状の形状の開口部を塞ぐための蓋部と、を含んで成る。本体部の容器状の形状としては、例えば、トレイ状、深皿状、椀状、鉢状、箱状、鍋状、コップ状、瓶状、又は壺状などの形状が挙げられ、充填しやすさや食べやすさの観点からトレイ状、深皿状、又はコップ状であるのが好ましい。蓋部の形状としては、例えば、フィルム状、平板状、又はキャップ状などの形状が挙げられ、軽量であり容易に取り扱うことができる観点からフィルム状であるのが好ましい。
上記した容器の本体部および蓋部は、後に茹でられたときに容器が変形するのを避ける観点から、耐熱温度が110℃以上である樹脂製であるのが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。食べたときに量的に満足感を得やすい分量の充填豆腐を収容する観点から、容器の容量は、好ましくは50ml以上であり、さらに好ましくは100ml以上である。また、デザートとして食べるのに適量の豆腐を収容する観点から、容器の容量は、好ましくは300ml以下であり、さらに好ましくは150ml以下である。
準備する工程S10で準備する豆乳は、従来の公知の方法で調製された豆乳であり、屈折糖度計を用いて測定される20℃でのBrixが例えば11.0度以上かつ15.0度以下のものである。後の凝固物を得る工程S30で混合物が凝固しやすい観点、及び大豆風味がなるべく濃い充填豆腐を製造する観点から、豆乳は、20℃でのBrixが12.0度以上のものが好ましい。製造コストを抑える観点から、豆乳は、20℃でのBrixが13.0度以下のものが好ましい。また、豆乳は、原料を混合した直後に豆乳が凝固するのを避ける観点、及び新鮮な大豆風味を感じやすい豆腐を製造する観点から、調製後に冷やされた豆乳(以下「冷豆乳」という。)であることが好ましい。冷豆乳は、同様の観点、及び凍結して他の原料と混合しにくくなるのを避ける観点から、さらに好ましくは調製直後に冷やされて0℃より高温かつ10℃以下の温度になっている冷豆乳であり、さらにより好ましくは調製直後に冷やされて5℃以上かつ8℃以下になっている冷豆乳である。例えば、冷却水により管外から冷やされる配管を設けて、この配管内に、調製直後の熱い豆乳を通過させることにより、冷やされて0℃より高温かつ10℃以下の温度になっている新鮮な冷豆乳を効率よく準備することができる。
調味料は、調味に使う材料である。準備する工程S10で準備する調味料は、少なくとも甘味料を含む。甘味料は、調味料の一種であり、食品に甘味をつけるために用いられる。甘味料としては、例えば、ブドウ糖、果糖、希少糖、麦芽糖、ショ糖、オリゴ糖、砂糖、蜂蜜、水あめ、などが挙げられる。砂糖としては、例えば、黒砂糖、グラニュー糖、三温糖、上白糖、などが挙げられる。なお、希少糖とは、自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体であり、例えば、D−アロース、D−プシコース、などが挙げられる。原料として、2種以上の甘味料を準備しても良い。
準備する工程S10で準備する甘味料は、カロリー摂取をある程度抑えつつ、甘すぎない適度な甘味を充填豆腐に付する観点から、希少糖を含有する甘味料であることが好ましい。なお、D−プシコース等の希少糖、ブドウ糖、及び果糖を含有する甘味料としては、例えば、レアシュガースウィート(松谷化学株式会社製、株式会社レアスウィートの登録商標)が挙げられる。
塩味と甘味を同時に味わうと、塩味によって甘味が強調される。この観点から、準備する工程S10では、調味料として、甘味料とは別に、食塩(塩化ナトリウム)を準備することが好ましい。
準備する工程S10では、例えばチョコレート味、抹茶味などのデザートとして特徴的な風味を豆腐に付す観点から、甘味料および食塩とは別に、他の調味料(以下「副調味料」という。)を準備することがさらに好ましい。副調味料としては、例えば、香辛料、柑橘類の果汁、チョコレート、ココア、及び粉末状の茶からなる群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。粉末状の茶としては、例えば、緑茶や紅茶などの茶の凍結乾燥物、抹茶、などが挙げられる。甘味や大豆風味と調和する味付けを豆腐に付す観点から、副調味料は、さらにより好ましくは、チョコレート、柚子果汁、抹茶、及びカレー粉からなる群より選ばれた1種である。例えば、チョコレートや抹茶は苦味を呈するが、甘味料由来の甘味によって、穏やかなおいしい苦味として楽しむことができるようになる。同様に、カレー粉由来の辛味や柚子果汁の酸味も、甘味によって、穏やかなおいしい辛味または酸味として楽しむことができるようになる。
準備する工程S10で準備する凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上である。舌触りの滑らかな豆腐を製造する観点から、準備する凝固剤には、グルコノデルタラクトンが実質的に含まれないことが好ましい。
混合物を得る工程S20では、原料として準備した豆乳、調味料、及び凝固剤を容器に充填することにより、容器に充填された混合物を得る。このためには、例えば、豆乳、調味料、及び凝固剤をこの順で容器の本体部に流し込んでから、本体部の容器状の形状の開口部を蓋部で塞いで溶着することにより、容器内に混合物を密封する。ヘラ等を用いることなく混合物を攪拌してムラのない充填豆腐を製造する観点から、容器からこぼれ落ちない程度に勢いをつけて豆乳、調味料、及び凝固剤をそれぞれ容器の本体部に充填することによって、本体部内の混合物に一時的に渦を形成させて、この渦により混合物を攪拌することが好ましい。
あるいは、混合物を得る工程S20では、原料として準備した豆乳、調味料、及び凝固剤を混合して混合物を得てから、混合物を容器に充填することにより、容器に充填された混合物を得る。このためには、例えば、豆乳を攪拌しながら調味料および凝固剤をこの順で豆乳に添加して混合物を得てから、凝固しないうちに混合物を容器の本体部に流し込み、本体部の開口部を蓋部で塞いで溶着することにより、容器内に混合物を密封する。
食べたときに凝固剤由来の苦味を感じにくく舌触りの滑らかな豆腐を製造するために、混合物を得る工程S20では、混合物における凝固剤の含有量が、0.20質量%以上かつ0.32質量%以下となるように凝固剤を混合する。豆腐製造業者ごとに配合が異なるが、市販の充填豆腐には例えば0.4〜0.7質量%程度の凝固剤が配合されていることを考慮すると、0.20〜0.32質量%という凝固剤の配合量は少量である。なお、混合物を得る工程S20において、2種以上の凝固剤を豆乳などと混合する場合、混合物における凝固剤の含有量とは、2種以上の凝固剤の合計の含有量を意味する。このことは、凝固剤以外の原料についても同様である。
混合物を得る工程S20では、次の凝固物を得る工程S30で混合物を凝固させやすくする観点から、混合物における凝固剤の含有量が0.25質量%以上となるように凝固剤を混合するのが好ましい。また、更に舌触りの滑らかな豆腐を製造する観点から、混合物における凝固剤の含有量が0.30質量%以下となるように凝固剤を混合するのが好ましく、0.27質量%以下となるように凝固剤を混合するのがさらに好ましい。製造された豆腐で舌触りのざらつき感を抑える観点から、混合物にグルコノデルタラクトンが実質的に含有されない(グルコノデルタラクトンが含有されていたとしてもその含有量が0.01質量%未満である)のが好ましく、混合物にグルコノデルタラクトンが全く含有されないのがさらに好ましい。
混合物を得る工程S20では、次の凝固物を得る工程S30で混合物を凝固させやすくする観点、及び豆乳由来の大豆風味を感じやすい豆腐を製造する観点から、混合物における豆乳の含有量が、好ましくは85.0質量%以上となるように豆乳を混合し、さらに好ましくは87.0質量%以上となるように豆乳を混合する。また、充填豆腐に調味料を充分に含有させる余地を残す観点から、混合物における豆乳の含有量が、好ましくは93.0質量%以下となるように豆乳を混合し、さらに好ましくは90.0質量%以下となるように豆乳を混合する。
混合物を得る工程S20では、デザートとして適した甘味を豆腐に付する観点から、混合物における甘味料の含有量が、好ましくは4.0質量%以上となるように甘味料を混合し、さらに好ましくは6.0質量%以上となるように甘味料を混合する。また、豆腐が甘くなりすぎないように甘味を適度に抑える観点から、混合物における甘味料の含有量が、好ましくは14.0質量%以下となるように甘味料を混合し、さらに好ましくは12.0質量%以下となるように甘味料を混合する。
調味料として甘味料および食塩を準備した場合、混合物を得る工程S20では、適度な塩味により甘味料由来の甘味を引き立たせる観点から、混合物における食塩の含有量が0.010質量%以上となるように食塩を混合するのが好ましい。また、この場合に豆腐で塩味が強くなりすぎるのを避ける観点から、混合物における食塩の含有量が0.050質量%以下となるように食塩を混合するのが好ましい。
調味料として甘味料、食塩、及び副調味料を準備した場合、混合物を得る工程S20では、例えばチョコレート味などの副調味料の特徴的な風味を充分に豆腐に付す観点から、混合物における副調味料の含有量が0.50質量%以上となるように副調味料を混合するのが好ましい。また、この場合に副調味料の特徴的な風味が強くなり過ぎて豆乳由来の大豆風味を感じにくくなるのを避ける観点から、混合物における副調味料の含有量が7.0質量%以下となるように副調味料を混合するのが好ましい。
調味料として甘味料、食塩、及び副調味料を準備した場合、混合物を得る工程S20では、原料が概ね均等に混合される前に混合物が凝固して充填豆腐にムラが生じるのを避ける観点から、凝固剤や、豆乳を凝固させる作用のある副調味料(例えば、柑橘類の果汁、カレー粉)については、他の原料を混合し終えてから混合するのが好ましい。例えば、副調味料として柚子果汁を用いる場合、または副調味料としてカレー粉を用いる場合には、豆乳に甘味料と食塩を混合して充分に攪拌してから、さらに、柚子果汁および凝固剤、又はカレー粉および凝固剤を混合するのが好ましい。
凝固物を得る工程S30では、容器ごと混合物を茹でて凝固させることによって、容器に収容された凝固物を得る。容器に収容された混合物を容器ごと湯に浸けて、容器内の混合物が例えば65℃以上かつ85℃以下となるように茹でることによって、容器内で混合物を凝固させる。なお、本製法における混合物は、凝固剤の含有量が少ないから、低温で短時間茹でたのでは凝固しにくい。このため、65℃程度の温度で茹でる場合には、40分以上の時間をかけて混合物を茹でて凝固させる。
凝固物を得る工程S30では、混合物における豆乳成分を凝固させやすくする観点から、混合物の温度が72℃以上となるように35分以上かけて容器ごと混合物を茹でるのが好ましい。また、茹でるときに混合物の温度が高くなり過ぎる程、充填豆腐がす入りになって滑らかな食感を損なうおそれが高まるから、す入りになるのを避ける観点から、混合物の温度が82℃以下となるように45分以下の時間をかけて容器ごと混合物を茹でるのが好ましく、混合物の温度が78℃以下の温度となるように45分以下の時間をかけて容器ごと混合物を茹でるのがさらに好ましい。
冷やす工程S40では、容器ごと凝固物を冷やすことによって、充填豆腐を得る。容器ごと凝固物を湯中から引き揚げたときに凝固物は高温になっているが、直ちに冷やすことによって、凝固物で大豆由来の呈味成分が高温により劣化するのを避けることができる。また、5℃から13℃程度の豆腐は、食べたときに冷感によりおいしく感じやすい。これらの理由から、冷やすことによって、大豆の新鮮な風味がするおいしい充填豆腐を消費者に提供することができる。冷やす工程S40では、早く冷やして呈味成分の劣化をなるべく抑える観点、及び、冷やし過ぎて凝固物の水分が凍結して充填豆腐がす入りになるのを避ける観点から、0℃より高温かつ10℃未満の冷水により容器ごと凝固物を冷やすのが好ましく、2℃以上かつ6℃以下の冷水により30分以上の時間をかけ容器ごと凝固物をて冷やすのがさらに好ましい。また、冷水により冷やす場合、製造期間が長くなるの避けるを観点から、冷水により容器ごと凝固物を冷やす時間が50分以下であることが好ましい。
以上の工程を含む本製法によれば、豆腐を製造するために一般的に用いられている凝固剤を少量用いて、豆乳を凝固させる。製造された充填豆腐は、凝固剤の量が少ないから硬くなりにくいため、ざらつき感が抑えられて舌触りが滑らかな豆腐になっている。また、製造された充填豆腐は、凝固剤の量が少ないから凝固剤に起因する苦味を感じにくいため、豆乳由来の大豆風味を感じやすい豆腐になっている。本製法によれば、原料として甘味料と少量の凝固剤を用いるから、製造された充填豆腐では、少量の凝固剤由来の弱い苦味によって甘味が強調される。
<充填豆腐>
本発明に係る充填豆腐(以下「本充填豆腐」という。)は、本製法に基づいて、豆乳、調味料、及び凝固剤の混合物を凝固させた充填豆腐である。本充填豆腐の調味料には、少なくとも甘味料が含まれる。凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種又は2種以上である。本充填豆腐の由来となった混合物において、凝固剤の含有量は0.20質量%以上かつ0.32質量%以下である。本充填豆腐は、前述した本製法と同様の理由により、デザートとして適した甘味を感じやすく、豆乳由来の大豆風味も適度に感じやすい、舌触りの滑らかなものになっている。
本充填豆腐は、冷たいプリンのような冷感と甘味が強調される観点から、2℃以上かつ6℃以下で冷蔵されて、冷蔵を終えた直後に喫食されることが好ましい。本充填豆腐に関して、他に好ましい事項は、本製法で説明した事項と同様である。
豆乳の一般的な製造方法に従って、大豆を水に浸して、浸された大豆をすり潰して、すり潰された大豆に加水して、加水物を煮詰め、煮詰めた汁を濾すことによって、豆乳を調製した。このように豆乳を調製する際、加水量を調節することにより、濃度の異なる3種類の豆乳を調製した。これら3種類の豆乳について屈折糖度計を用いて糖度を測定したところ、20℃でのBrixは12.0度、12.9度、又は14.0度であった。製造直後のこれらの豆乳の各々を、冷水と混じらないようにして冷水で冷やしたり、冷蔵庫で冷蔵したりすることによって、6〜7℃に保たれた濃度の異なる3種類の冷豆乳を準備した。
凝固剤としては、にがりこ(宇部合成工業株式会社製の硫酸カルシウム)と、市販のグルコノデルタラクトンを準備した。甘味料としては、レアシュガースウィート(松谷化学株式会社製、株式会社レアスウィートの登録商標)を準備した。また、市販の黒砂糖と、市販の食塩(塩化ナトリウム)を準備した。
副調味料に関して、チョコレートとしては、株式会社トーホーがEASTBEE(同社の登録商標)ブランドで市販しているチョコレートシロップを準備した。柚子果汁としては、柚子の元33(星野科学株式会社製)と、株式会社中村商店がCaptain(同社の登録商標)ブランドで市販しているYUZUを準備した。なお、柚子の元33は、柚子果皮の破砕物から水蒸気蒸留により抽出された精油と水溶性成分を含んで成るため、柚子果汁の一種を含んで成る副調味料であるといえる。YUZUは、柚子果汁を含有するシロップである。カレー粉としては、特製ヱスビーカレー(エスビー食品株式会社製、ヱスビーカレーは同社の登録商標)を準備した。また、株式会社南山園製の抹茶を準備した。
次の表1に示す配合に従って、上記した原料を混合して混合物を得た。なお、表1に示す実施例2については、冷豆乳にレアシュガースウィート及び食塩を添加して攪拌してから、柚子の元33、YUZU、及びにがりこを添加した。また、実施例4については、冷豆乳にレアシュガースウィート及び食塩を添加して攪拌してから、特製ヱスビーカレー及びにがりこを添加した。
Figure 2019037187
表1に記載した配合の混合物を、それぞれポリプロピレン製の容量120mlの容器に充填してから、容器の開口部をポリプロピレン製のフィルムで塞いで溶着させることにより密封した。密封された混合物を、容器ごと80℃の湯で40分間茹でた。得られた凝固物を容器ごと4℃の冷水に40分間浸して冷やすことにより、実施例1から実施例4、及び比較例1から比較例3の各々に係る充填豆腐を試作した。
試作した充填豆腐を試食して、豆乳由来の大豆風味の好ましさ、デザートとしての甘味の好ましさ、及び舌触りの滑らかさについて、それぞれ◎、〇、△、×の4段階で評価した。評価結果を、次の表2に示す。
Figure 2019037187
比較例1については、凝固剤の配合量が0.75質量%と多すぎたから、凝固剤由来の苦味が強すぎたため、また、充填豆腐が硬くなってざらついた舌触りを感じたため、表2に示すように、豆乳由来の大豆風味や舌触りを楽しむことができなかった。また、比較例1では、この強い苦味を緩和しようとして黒砂糖を多めに配合していたが、そのために甘味が強くなり過ぎてしまい、しつこい甘さになってしまった。比較例2については、比較例1と比べて凝固剤の配合量が0.43質量%と少ないため、豆乳由来の大豆風味、甘味の好ましさ、及び舌触りの滑らかさが比較例1よりも若干改善されていた。しかし、比較例2では、凝固剤由来の苦味を幾らか強くて甘味と調和しきれていなかったため、この苦味によって大豆風味を幾らか感じにくかった。また、比較例2では、舌触りに多少のざらつき感があったため、デザートとして楽しむことができるものでなかった。
比較例3については、凝固剤としてグルコノデルタラクトンを0.36質量%用いたため、グルコノデルタラクトン由来の酸味を強く感じて、甘味や豆乳由来の大豆風味を感じにくかった。また、グルコノデルタラクトンによって豆腐が硬くなってしまったから、ざらついた舌触りになってしまった。このため、凝固剤としてグルコノデルタラクトンを用いるのは、なるべく避けるのが良いと考えられる。
これに対して、実施例1から実施例4では、凝固剤の配合量が0.25〜0.30質量%と適量であり、グルコノデルタラクトンを配合していない。このため、豆乳由来の大豆風味を充分に感じ、この大豆風味と調和する甘味を感じ、ざらつき感がなく舌触りが滑らかであるから、甘いデザートとして楽しんで食べることができた。なお、カレー粉を配合した実施例4については、甘味によって緩和された穏やかな辛味を楽しむことができることから、甘いデザートとしてだけでなく、酒の肴としても適していると考えられる。
実施例2と比べて、85℃の湯で40分間茹でた他は、実施例2と同様の条件により実施例5に係る充填豆腐を試作した。実施例5について試食したところ、豆乳由来の大豆風味は〇、デザートとしての甘味の好ましさは◎、舌触りの滑らかさは〇と評価され、比較例2よりも明らかに好ましく楽しむことができるものであった。しかし、実施例2の方が、実施例5よりも滑らかな舌触りを楽しむことができた。また、76℃の湯で40分間茹でた他は、実施例2と同様の条件により、実施例6に係る充填豆腐を試作した。実施例6について試食したところ、実施例2よりも更に舌触りが滑らかであった。実施例2、実施例5、及び実施例6の比較により、混合物が76〜85℃の範囲の温度になるように茹でる場合には、この範囲内でなるべく温度が低い方が、凝固物に細かな穴が生じにくいから舌触りが滑らかな充填豆腐を製造しやすいものと考えられる。
近年、豆乳由来の大豆風味が薄すぎる安価な豆腐が、数多く販売されている。このことによって、多くの消費者が大豆風味の濃い豆腐のおいしさを学ぶ機会が減り、大豆風味の濃い適正な価格の豆腐が購入されにくくなるため、収益の減少によって日本の豆腐製造業者の数を減少させていると考えられる。これに対して、デザート用として適した本充填豆腐が、例えば女性や子供などのスイーツが好きな消費者層に幅広く食べてもらうことができれば、多くの消費者が豆腐を食べる機会が増すだけでなく、おいしく付加価値の高い豆腐についてデザート用という需要を開拓できるため、日本の豆腐製造業界の発展に貢献できるものと期待される。

Claims (5)

  1. 容器、並びに、原料として豆乳、調味料、及び凝固剤を準備する工程と、
    前記原料をそれぞれ前記容器に充填することにより混合するか、又は当該原料を混合してから当該容器に充填することにより、当該容器に充填された混合物を得る工程と、
    前記容器ごと前記混合物を茹でて凝固物を得る工程と、
    前記容器ごと前記凝固物を冷やす工程と、
    を含む、前記混合物を凝固させた充填豆腐の製造方法であって、
    前記調味料には少なくとも甘味料が含まれ、
    前記凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上であり、
    前記混合物における前記凝固剤の含有量が0.20質量%以上かつ0.32質量%以下であることを特徴とする充填豆腐の製造方法。
  2. 前記凝固物を得る工程では、72℃以上かつ78℃以下の温度で前記容器ごと前記混合物を茹でる請求項1に記載の充填豆腐の製造方法。
  3. 前記甘味料が希少糖を含有する請求項1又は請求項2に記載の充填豆腐の製造方法。
  4. 前記調味料には、香辛料、柑橘類の果汁、チョコレート、ココア、及び粉末状の茶からなる群より選ばれた1種又は2種以上、及び食塩が含まれる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充填豆腐の製造方法。
  5. 豆乳、調味料、及び凝固剤の混合物を凝固させた充填豆腐であって、
    前記調味料には少なくとも甘味料が含まれ、
    前記凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上であり、
    前記混合物における前記凝固剤の含有量が0.20質量%以上かつ0.32質量%以下であることを特徴とする充填豆腐。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021000037A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 山田 幸男 丸形豆腐及びその製造方法

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