JP2019036696A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
Description
巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記巻回部の外周面に取り付けられるセンサ本体部と、前記センサ本体部から引き出される配線とを有し、前記コイルの温度を測定する温度センサと、
前記温度センサの前記センサ本体部を収納するセンサ収納部とを備え、
前記センサ本体部は、前記巻回部に面する検出面と、前記検出面とは反対側の裏面から突出する少なくとも1つの突起部とを有し、
前記センサ収納部は、前記センサ本体部の前記検出面に交差する両側面に対向し、互いに間隔をあけて設けられた一対の側壁部を有し、
前記センサ本体部において、前記配線が引き出される方向を軸方向、前記検出面に直交する方向を縦方向、前記縦方向及び前記軸方向のいずれにも直交する方向を横方向とするとき、
前記センサ本体部の前記突起部を有する部分における縦方向の高さが、横方向の幅よりも長く、且つ、前記側壁部間の間隔よりも長い。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記巻回部の外周面に取り付けられるセンサ本体部と、前記センサ本体部から引き出される配線とを有し、前記コイルの温度を測定する温度センサと、
前記温度センサの前記センサ本体部を収納するセンサ収納部とを備え、
前記センサ本体部は、前記巻回部に面する検出面と、前記検出面とは反対側の裏面から突出する少なくとも1つの突起部とを有し、
前記センサ収納部は、前記センサ本体部の前記検出面に交差する両側面に対向し、互いに間隔をあけて設けられた一対の側壁部を有し、
前記センサ本体部において、前記配線が引き出される方向を軸方向、前記検出面に直交する方向を縦方向、前記縦方向及び前記軸方向のいずれにも直交する方向を横方向とするとき、
前記センサ本体部の前記突起部を有する部分における縦方向の高さが、横方向の幅よりも長く、且つ、前記側壁部間の間隔よりも長い。
本発明の実施形態に係るリアクトルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<リアクトルの構成>
図1〜図6を参照して、実施形態1に係るリアクトル1を説明する。実施形態1のリアクトル1は、図1、図2に示すように、巻回部2cを有するコイル2と、巻回部2cの内外に配置される磁性コア3と、コイル2の温度を測定する温度センサ5とを備える。温度センサ5は、巻回部2cの外周面に取り付けられるセンサ本体部52と、センサ本体部52から引き出される配線54とを有する(図3、図4も参照)。リアクトル1の特徴の1つは、図2、図4に示すように、センサ本体部52が、巻回部2cに面する検出面521と、検出面521とは反対側の裏面522から突出する突起部52bpを有する点にある(図5、図6も参照)。
コイル2は、図1、図2に示すように、2本の巻線をそれぞれ螺旋状に巻回してなる2つの巻回部2cを有し、両巻回部2cの一方の端部同士が接合部2rを介して接続されている。両巻回部2cは、互いの軸方向が平行するように横並び(並列)に配置されている。接合部2rは、各巻回部2cから引き出された巻線の一方の端部同士を溶接や半田付け、ロウ付けなどの接合方法によって接合することで形成されている。両巻回部2cの他方の端部は、各巻回部2cから巻線端部が適宜な方向(この例では上方)に引き出され、端子金具(図示せず)が取り付けられて、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)に電気的に接続される。コイル2は、公知のものを利用でき、例えば、両巻回部2cが1本の連続する巻線で形成されたものでもよい。
磁性コア3は、図1、図2に示すように、巻回部2cの外側に配置される2つの外側コア部32と、巻回部2cの内側に配置される2つの内側コア部(図示せず)とを有する。内側コア部は、横並びに配置された巻回部2cの内側に位置し、コイル2が配置される部分である。つまり、両内側コア部は、巻回部2cと同様に、横並び(並列)に配置される。内側コア部の形状は、巻回部2cの内周面に対応した形状であり、この例では、内側コア部が四角柱状(具体的には、矩形柱状)に形成されている。外側コア部32は、巻回部2cの外側に位置し、コイル2が実質的に配置されない(即ち、巻回部2cから突出(露出)する)部分である。外側コア部32は、両内側コア部の各端部同士を接続するように設けられる。この例では、外側コア部32は、設置側の面(下面)とその反対側の上面が台形状の柱状体である。
端面介在部材4は、コイル2(巻回部2c)と外側コア部32との間の電気的絶縁を確保する部材であり、図2に示すように、外側コア部32と巻回部2cの端面との間に介在され、コイル2(巻回部2c)の両端に個別に配置されている。2つの端面介在部材4のうち、一方の端面介在部材4には、後述するセンサ収納部6(側壁部61)が設けられている。他方の端面介在部材4は、センサ収納部6が設けられていない点を除いて、一方の端面介在部材4と同様の構成である。
温度センサ5は、図2〜図4に示すように、コイル2の巻回部2cの外周面に取り付けられる棒状のセンサ本体部52と、センサ本体部52から引き出される配線54とを有する。センサ本体部52は、センサ素子52aと、センサ素子52aの外周を覆う保護部52bとで構成されている(図4参照)。配線54は、センサ素子52aから延び、センサ素子52aによって検出した温度情報に基づく電気信号を制御装置などの外部装置(図示せず)に伝達する。この例では、巻回部2cの上面にセンサ本体部52が取り付けられ、センサ本体部52の軸方向が巻回部2cの軸方向に沿うようにセンサ本体部52が配置されている。ここでは、配線54が引き出される方向(図4の紙面左右方向)をセンサ本体部52の軸方向とする。センサ本体部52の取付位置は、適宜変更することが可能であり、巻回部2cの外周面の上面以外にも、側面にセンサ本体部52を取り付けることも可能である。
センサ本体部52(保護部52b)は、図2、図5に示すように、センサ素子52a(図4参照)により温度を検出する検出面521と、検出面521とは反対側に位置する裏面522と、検出面521に交差し、軸方向に沿う左右の側面523と、検出面521に交差し、配線54が引き出される配線引出面525と、配線引出面525とは反対側に位置する端面526とを有する。この例では、検出面521が巻回部2cの上面に面するように検出面521を下側に向け、検出面521が巻回部2cの上面に向いた状態でセンサ本体部52が配置される(図6も参照)。ここでは、センサ本体部52において、検出面521に直交する方向を縦方向、縦方向及び軸方向のいずれにも直交する方向(即ち、一方の側面523から他方の側面523に向かう方向)を横方向とする。
突起部52bpは、センサ本体部52の裏面522に突出して設けられ、この例では、裏面522から上方向に向かって突出する(図2、図4参照)。この例に示す突起部52bpの位置は、センサ本体部52の軸方向の一端側(配線引出面525側)であり、センサ本体部52を側面523側から見たときのセンサ本体部52の形状がL字状である(図5の下図参照)。この例では、突起部52bpの配線引出面525側の面は、配線引出面525の上方に連続して形成され、面一になっている。また、突起部52bpの側面523側の面は、側面523の上方に連続して形成され、面一になっている。突起部52bpの形成位置は、適宜変更することが可能であり、センサ本体部52の軸方向の他端側(端面526側)であってもよく、軸方向の中間位置であってもよい。また、突起部52bpの数は、1つに限定されず、センサ本体部52の軸方向に複数の突起部52bpを設けることも可能である。
センサ収納部6は、図1〜図4に示すように、温度センサ5のセンサ本体部52を収納する部分であり、センサ本体部52を取り付ける位置(この例では、巻回部2cの上面)に設けられる。センサ収納部6は、図2、図3に示すように、互いに間隔をあけて設けられた一対の側壁部61を有し、両側壁部61は、センサ本体部52の両側面523に対向するように配置される(図6参照)。
弾性部材7は、図4に示すように、センサ本体部52と蓋部64との間に圧縮状態で介在され、センサ本体部52を巻回部2c側に付勢して押圧する。これにより、センサ本体部52の検出面521を巻回部2cの外周面に密着させ易く、測定精度を高めることができる。この例では、弾性部材7として、コイルばね72が用いられているが、その他にも、板ばねやゴムなどの弾性体であってもよい。また、この例では、センサ本体部52の軸方向に2つのコイルばね72を並べて配置している。このように複数のコイルばね72を用いることで、センサ本体部52の軸方向の全長に亘って均一的に押圧力を作用させ易い。コイルばね72は1つでもよく、その場合、センサ本体部52の軸方向の中間位置に配置することが好ましい。
更に、図4に示すように、センサ本体部52の検出面521と巻回部2cとの間に放熱部材8を備えていてもよい。放熱部材8としては、例えば放熱シートや放熱グリスなどが挙げられる。この放熱部材8により検出面521と巻回部2cとの間に形成される隙間を埋めることができ、放熱部材8を介してセンサ本体部52の検出面521と巻回部2cの外周面とを密着させ易く、測定精度を高めることができる。放熱部材8は、市販のものを適宜用いることができ、放熱シートとしては、例えばシリコーンゲルシートなどが挙げられ、放熱グリスとしては、例えばシリコーングリスなどが挙げられる。放熱部材8の検出面521側の面や巻回部2c側の面に粘着層を有する場合、放熱部材8を検出面521や巻回部2cの外周面に密着状態で強固に固定できる。
実施形態1のリアクトル1の製造方法の一例を説明する。リアクトル1は、例えば、コイル2と磁性コア3と端面介在部材4との組合体を組み立てる組合体組立工程→コイル2に温度センサ5を取り付けるセンサ取付工程、という手順によって製造することができる。
組合体組立工程では、コイル2と磁性コア3と端面介在部材4とを組み付ける(主に図2参照)。
巻回部2c内に内側コア部を挿入したコイル2の両端に端面介在部材4を配置して組み付けた後、内側コア部を両端から挟むように外側コア部32を配置して端面介在部材4に組み付ける。このとき、端面介在部材4におけるコイル収納部42に巻回部2cの端部を収納すると共に内コア挿入部44に内側コア部の端部を挿入し、外コア嵌合部46に外側コア部32の端部を嵌合する。これにより、内側コア部と外側コア部32とで環状の磁性コア3が構成され、コイル2と磁性コア3と端面介在部材4との組合体が作製される。このとき、端面介在部材4に一体に設けられたセンサ収納部6の側壁部61が巻回部2cの上面に配置され、側壁部61及び端壁部62と巻回部2cの上面とでセンサ本体部52の収納空間が形成される。
センサ取付工程では、センサ収納部6の側壁部61間に温度センサ5のセンサ本体部52を配置して、コイル2の巻回部2cにセンサ本体部52を取り付ける(主に図4参照)。
センサ本体部52の検出面521が巻回部2cの上面に面するように検出面521を下側にして、センサ本体部52を側壁部61間に上方から挿入して配置することにより、巻回部2cの上面にセンサ本体部52を取り付ける。このとき、センサ本体部52を配置する前に巻回部2cの上面に放熱部材8を配置しておくなどして、検出面521と巻回部2cとの間に放熱部材8を介在させる。
実施形態1のリアクトル1は、次の作用効果を奏する。
実施形態1のリアクトル1は、例えば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や、空調機のコンバータなど種々のコンバータ、並びに電力変換装置の構成部品に好適に利用可能である。
実施形態2では、図7を参照して、センサ収納部6が抜け止め部64pを有する構成のリアクトルを説明する。実施形態2のリアクトルの基本的な構成は、図1〜図6を参照して説明した実施形態1と同様であり、実施形態2では、センサ収納部6の蓋部64に抜け止め部64pが設けられている点が実施形態1と主に異なる。したがって、ここでは、実施形態2のセンサ収納部6(蓋部64)の構成を中心に説明し、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3では、図8を参照して、センサ本体部52が検出面521側に脚部52bqを有する構成のリアクトルを説明する。実施形態3のリアクトルの基本的な構成は、図1〜図6を参照して説明した実施形態1と同様であり、実施形態3では、センサ本体部52(保護部52b)に検出面521から突出する脚部52bqが形成されている点が実施形態1と主に異なる。したがって、ここでは、実施形態3のセンサ本体部52の構成を中心に説明し、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4では、図9を参照して、センサ収納部6の側壁部61と蓋部64とを結合するスナップフィット構造の別の構成例を説明する。実施形態4のリアクトルの基本的な構成は、実施形態1と同様であり、実施形態4では、スナップフィット構造がセンサ収納部6の外側に設けられている点が実施形態1と主に異なる。したがって、ここでは、実施形態4のスナップフィット構造の構成を中心に説明し、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
2 コイル
2c 巻回部
2r 接合部
3 磁性コア
32 外側コア部
4 端面介在部材
42 コイル収納部
44 内コア挿入部
46 外コア嵌合部
5 温度センサ
52 センサ本体部
520 基部
521 検出面
522 裏面
523 側面
525 配線引出面
526 端面
52a センサ素子
52b 保護部
52bp 突起部
52bq 脚部
54 配線
6 センサ収納部
61 側壁部
61p 突出部
61i 係合突起
62 端壁部
62s 係合溝
62g ガイド溝
64 蓋部
64e 延出部
64s 係合爪
64c 切欠き部
64h 係合孔
64f 支持部
64p 抜け止め部
7 弾性部材
72 コイルばね
8 放熱部材
9 樹脂モールド部
92 取付部 94 カラー
Claims (5)
- 巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内外に配置される磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記巻回部の外周面に取り付けられるセンサ本体部と、前記センサ本体部から引き出される配線とを有し、前記コイルの温度を測定する温度センサと、
前記温度センサの前記センサ本体部を収納するセンサ収納部とを備え、
前記センサ本体部は、前記巻回部に面する検出面と、前記検出面とは反対側の裏面から突出する少なくとも1つの突起部とを有し、
前記センサ収納部は、前記センサ本体部の前記検出面に交差する両側面に対向し、互いに間隔をあけて設けられた一対の側壁部を有し、
前記センサ本体部において、前記配線が引き出される方向を軸方向、前記検出面に直交する方向を縦方向、前記縦方向及び前記軸方向のいずれにも直交する方向を横方向とするとき、
前記センサ本体部の前記突起部を有する部分における縦方向の高さが、横方向の幅よりも長く、且つ、前記側壁部間の間隔よりも長いリアクトル。 - 前記センサ収納部が前記センサ本体部の前記裏面側を覆う蓋部を有する請求項1に記載のリアクトル。
- 前記センサ本体部の前記裏面のうち、前記突起部を除く領域に平坦面を有し、
前記平坦面と前記蓋部との間に介在され、前記センサ本体部を前記巻回部側に押圧する弾性部材を備える請求項2に記載のリアクトル。 - 前記検出面と前記巻回部との間に放熱部材を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記磁性コアにおける前記巻回部の外側に配置される外側コア部と前記巻回部の端面との間に介される端面介在部材を備え、
前記センサ収納部の前記側壁部が前記端面介在部材に一体に設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
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