JP2019036489A - 導電性高分子水溶液及びその用途 - Google Patents

導電性高分子水溶液及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】正孔注入性と耐久性に優れた導電性塗膜を形成する導電性高分子水溶液の提供。【解決手段】0.01〜10重量%の式(1)及び式(2)の少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と0.001〜20重量%のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と0.5〜60重量%のグリコールエーテル(C)を含む導電性高分子水溶液。式中、Lは炭素数6〜12のアルキル基または炭素数3〜8のエーテル基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、良好な正孔輸送性と耐久性を両立した導電性高分子膜を作製できる新規な導電性高分子水溶液を提供すること、及びそれを用いた耐久性に優れた有機エレクトロニクス素子、有機光電発光素子、又は有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的としたものである。詳細には、高い導電性を有する特定の自己ドープ型導電性高分子と特定の水溶性樹脂を含むことを特徴とする新規な導電性組成物の水溶液であり、さらにはそれらを乾燥させて得られる導電性高分子膜及びその用途に関するものである。
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発され、例えば、帯電防止材、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、電磁波シールド、エレクトロクロミック素子、電極材料、正孔注入材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。これらの導電性高分子材料の中でも、化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。
ポリチオフェン系導電性高分子材料としては、(i)ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)の水溶液中で、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT/PSS水分散体溶液や、(ii)水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子(例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT−S等)等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。
近年、導電性高分子の用途は、従来の帯電防止剤や固体電解コンデンサの固体電解質への利用のみならず、各種電子デバイス(液晶や有機ELデバイス、タッチパネルなど)に搭載される透明導電膜(透明電極など)に広がっている(例えば、特許文献1)。例えば、有機ELデバイス等の用途においては、陰極ITO上に塗布して平滑なアノード層を形成させるために導電性高分子が用いられている。当該目的用にPEDOT/PSSが適用可能であることが知られているが、当該PEDOT/PSSについては、PSSから分解、遊離したスルホン酸イオンが有機ELの陽極界面へマイグレーションし、消光現象を引き起こすことが見いだされており、実用化の課題となっていた(非特許文献3)。したがって、特に、デバイスの長寿命化の観点から、使用される導電性高分子組成物自体については化合物又は組成物自体の高い耐久性(固体や塗膜状態での耐熱性、耐湿性、耐電圧特性)が必要になってきている。
特表2000−514590号公報
Journal of American Chemical Society,112,2801−2803(1990) Advanced Materials,Vol.23(38)4403−4408(2011) PEDOTの特性・合成手法とデバイス応用(情報機構)
上述の通り、PEDOT/PSSについては、徐々に分解してPSSからスルホン酸イオンが発生するなど、耐久性に課題がある。このため、スルホン酸イオンの遊離等の分解を抑えられる、消光現象を引き起こしにくい、表面抵抗の上昇が少ない等の特徴を有する高耐久性導電性高分子膜の要求が高まっている。また、これと同時に、導電性金属酸化物への良好な塗布性、低ダメージ性、高い平滑化能力を兼ね備えた導電性高分子水溶液が求められている。
また、本発明の課題は、有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等の高寿命化を達成できる、正孔輸送性と耐久性を兼ね備えた導電性高分子膜、及び当該膜を製造するための導電性高分子水溶液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、後述する一般式で表される繰り返し単位を有する自己ドープ型導電性高分子と、ポリアクリル酸系水溶性樹脂及びグリコールエーテルを含んでなる導電性高分子水溶液から作製される導電性高分子膜が、高い正孔輸送性と高い耐久性を有しており、更には、それらを使用して作製された有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、又は有機エレクトロルミネッセンス素子が優れた耐久性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの導電性高分子水溶液の組成物、及び導電性高分子膜並びにそれを用いた有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの導電性高分子水溶液の組成物、及び導電性高分子膜並びにそれを用いた有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
[1] 0.01〜10重量%の下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、0.001〜20重量%のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と、0.5〜60重量%のグリコールエーテル(C)を含む導電性高分子水溶液。
Figure 2019036489
Figure 2019036489
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2019036489
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2019036489
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。R2は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
[2] 20℃での粘度が20mPa・s以下であり、尚且つ表面張力が20〜50mN/mであることを特徴とする[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[3] ポリアクリル酸系水溶性樹脂が、ポリアクリル酸水溶性樹脂、又はポリメタクリル酸水溶性樹脂(B)であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の導電性高分子水溶液。
[4] ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の重量平均分子量が1千〜100万であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
[5] [1]に記載の導電性高分子水溶液を乾燥させることを特徴とする導電性膜の製造方法。
本発明の新規な導電性高分子水溶液から作製される導電性高分子膜は、従来公知の導電性高分子に比べて、高い正孔輸送性能と耐久性を有するという予想し得ない顕著な効果を奏する。このため、本発明の導電性高分子水溶液及びそれを用いた導電性高分子膜は、有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロニクス素子の高耐久性化及び高性能化という予想し得ない顕著な効果を奏する。また、本発明の導電性高分子水溶液及びそれを用いた導電性高分子膜は、従来公知の導電性高分子水溶液に比べて、より低い温度の、及び/又はより短時間の焼成においても有機EL素子用正孔注入層として良好な性能を示すものであるため、有機EL素子製造における操作性や生産性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、0.01〜10重量%の下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、0.001〜20重量%のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と、0.5〜60重量%のグリコールエーテル(C)を含む導電性高分子水溶液である。
Figure 2019036489
Figure 2019036489
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2019036489
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2019036489
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
上記式(1)又は(2)中、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、例えば、Liイオン、Naイオン、Kイオンが好ましい。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H)が付加してカチオン種になったものを示し、スルホン酸基と反応して共役酸を形成するアミン化合物であればよく、sp3混成軌道を有するN(Rで表されるアミン化合物[共役酸としては[NH(Rで表される。]、又はsp2混成軌道を有するアミン化合物(例えば、ピリジン類化合物、イミダゾール類化合物)等が挙げられる。
置換基Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基、又はヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記sp2混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン化合物(例えば、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、前記sp2混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール化合物(例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール)、ピリジンピコリン、ルチジン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、エタノールアミン化合物、イミダゾール化合物である。
すなわち、アミン化合物の共役酸としては、導電性に優れる点で、アンモニウム、モノエタノールアミンの共役酸、ジエタノールアミンの共役酸、トリエタノールアミンの共役酸、又はイミダゾールの共役酸が好ましい。
前記の第4級アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。入手の観点から好ましくは、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオンである。
上記式(3)中、lは6〜12の整数を表し、好ましくは6〜8の整数である。
上記式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(4)のRについては、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記式(4)中、mは1〜6の整数を表し、好ましくは、mは1〜4の整数であり、より好ましくは2である。
上記式(2)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型高分子と呼ばれている。
本発明のポリチオフェン(A)は、下記式(5)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造することができる。
Figure 2019036489
[上記式(5)中、Lは上記と同じ定義である。Mは、金属イオンを表わす。]
式(5)におけるMで表される金属イオンとしては、特に限定するものではないが、遷移金属イオン、貴金属イオン、非鉄金属イオン、アルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン、及びKイオン)、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸処理することでMを水素イオンへ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることで、Mをアミン化合物の共役酸へ変換可能である。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(3)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、及び8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(4)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、及び4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
本発明においてポリチオフェン(A)の導電率は、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、10S/cm以上であることが好ましい。
本発明は、前述した式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01〜10重量%ことを特徴とする。当該ポリチオフェン(A)の濃度については、正孔注入材料で優れた性能を示す点で、0.02重量%5.0重量%であることが好ましく、0.05重量%3.0重量%であることがより好ましく、0.05重量%2.0重量%であることがさらに好ましい。
本発明におけるポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)は、特に限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のαβ不飽和カルボン酸化合物の単一重合物、又は共重合物を挙げることができる。前記単一重合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等が挙げられる。また前記の共重合物としては、少なくとも1種類のαβ不飽和カルボン酸モノマーを用いて共重合させたものであり、コモノマーとしては当該αβ不飽和カルボン酸モノマーと共重合可能なモノマーを用いることができる。当該共重合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリ(アクリル酸−メタクリル酸)共重合体、ポリ(アクリル酸−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体、ポリ(アクリル酸―マレイン酸)共重合体、ポリ(アクリル酸―ビニルスルホン酸)共重合体、ポリ(アクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体、ポリ(メタクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート−スチレンスルホン酸)共重合体等が挙げられる。当該共重合物については、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいし、交互重合体であってもよい。
前記ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)としては、導電性高分子の耐久性に優れる点で、ポリアクリル酸水溶性樹脂、ポリメタクリル酸水溶性樹脂、又はアクリル酸共重合水溶性樹脂(B)であることが好ましく、ポリアクリル酸水溶性樹脂又はポリメタクリル酸水溶(B)性樹脂であることがより好ましい。
本発明のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の分子量としては、特に限定されないが、1千〜100万であることが好ましく、より好ましくは15万〜50万である。
本発明は、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)を0.001〜20重量%含むことを特徴とする。当該ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の濃度については、正孔注入材料で優れた性能を示す点で、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5重量%〜5.0重量%であることがさらに好ましい。
なお、本発明の導電性高分子水溶液において、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と前記式(1)で表される構造単位及び前記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)の重量比については、特に限定するものではないが、(B)/(A)で表される重量比が0.05〜40を満たすものが好ましく、0.1〜30を満たすものがより好ましく、3〜20を満たすものがより好ましい。
本発明は、グリコールエーテル(C)を0.5〜60重量%を含むことを特徴とする。当該グリコールエーテル(C)の濃度については、成膜時の平滑性を維持する上で、3.0〜40重量%であることが好ましく、5.0〜30重量%が更に好ましい。
当該グリコールエーテル(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール モノアルキルエーテル、ジエチレングリコール モノアルキルエーテル、プロピレングリコール モノアルキルエーテル、又はジプロピレングリコール モノアルキルエーテルが挙げられる。
前記のエチレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール モノメチルエーテル、エチレングリコール モノエチルエーテル、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、エチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、エチレングリコール モノn−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はエチレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のジエチレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジエチレングリコール モノメチルエーテル、ジエチレングリコール モノエチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はジエチレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のプロピレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、プロピレングリコール モノメチルエーテル、プロピレングリコール モノエチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はプロピレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のジプロピレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジプロピレングリコール モノメチルエーテル、ジプロピレングリコール モノエチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はジプロピレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
グリコールエーテル(C)については、素子寿命に優れる点で、エチレングリコール モノアルキルエーテル、又はジエチレングリコール モノアルキルエーテルが好ましく、エチレングリコール モノメチルエーテル、エチレングリコール モノエチルエーテル、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、エチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノメチルエーテル、ジエチレングリコール モノエチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、又はジエチレングリコール モノtert−ブチルエーテルがより好ましい。
グリコールエーテル(C)は、上記に例示した化合物の混合物でもあってもよい。
本発明の導電性高分子水溶液は、ポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸(B)及びグリコールエーテル(C)を含む水溶液であり、その水溶液の20℃における粘度及び表面張力は、各々20mPa・s以下、及び25〜50mN/mであることが好ましい。基材との濡れ性の観点から、粘度及び表面張力は、15mPa・s以下、及び20〜35mN/mであることがより好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液は、必要に応じて、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、分子型非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
前記高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。本発明に使用されるポリビニルピロリドンの平均分子量は1千〜200万であることが好ましく、好ましくは1万〜150万である。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
前記両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されないが、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては特に限定されないが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤はレベリング剤として塗膜の平坦性を改善するのに有効である。
また、上記以外の界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アセチレングリコール型界面活性剤が挙げられる。
本発明の導電性高分子水溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明のポリチオフェン(A)の水溶液又は固体と、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と、グリコールエーテル(C)と、必要に応じて水と、必要に応じてその他添加剤を使用するができる。これらを任意の順で混合することにより本発明の導電性高分子水溶液を調製することができる。
ここで、混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温〜加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でも良い。
本発明の導電性高分子水溶液を混合する際には、スターラーチップ、攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液の濃度調整は、配合比で調整しても良いし、配合後に濃縮により調整しても良い。濃縮の方法は、減圧下に溶媒を留去する方法であっても、限外ろ過膜を利用する方法であっても良い。
本発明の導電性高分子水溶液の中のポリチオフェン(A)の濃度は0.001重量%以上であれば特に限定するものではないが、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲である。なお、本願発明のポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)及びグリコールエーテル(C)を含む導電性高分子水溶液は、塗布後、乾燥・脱水されるため、前記の濃度範囲で良好な均一膜を得ることができる。
本発明の導電性高分子水溶液中の固形分の粒径は、特に限定するものではないが、小さいほど水溶性が良好であり、導電性や成膜時の均一な膜形成の観点からも望ましい。例えば、室温又は加温下で調製した導電性高分子水溶液の固形分濃度が10重量%以下の場合、固形分の粒子径(D50)が0.02μm以下であれば、水溶性がより良好となる。
本発明の導電性高分子水溶液から導電性高分子膜を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性高分子水溶液を、支持体に塗布し乾燥することで支持体上に導電性高分子膜が簡便に得られる。
支持体としては、本発明の導電性高分子水溶液が塗布可能なものであれば特に限定するものではないが、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、紙、レジスト膜基板等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。不織布としては、例えば、天然繊維、合成繊維、又はガラス繊維製のいずれでもよい。紙としては一般的なセルロースを主成分とするものでよい。無機基材としては、ガラス、ITOなどの金属酸化物、セラミックス、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。
導電性高分子水溶液の塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ディスペンサ法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット法等が挙げられる。好ましくはバーコート法、スピンコート法及びインクジェット法である。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電性高分子膜が得られる温度及び基材の耐熱温度以下であれば特に限定するものではないが、室温〜300℃の範囲であり、好ましくは室温〜250℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜200℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
得られる導電性高分子膜の膜厚としては特に限定するものではないが、10−3〜10μmの範囲が好ましい。より好ましくは10−3〜10−1μmである。この導電性高分子膜の導電率としては特に限定するものではないが高い方が好ましい。また、導電性高分子膜の導電率は添加する界面活性剤又は水溶性樹脂の種類や添加量により変化するので一義的には決められないが、得られる導電性高分子膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1.0E+11Ω/□以下が好ましく、より好ましくは1.0E+9Ω/□以下であり、さらに好ましくは1.0E+7Ω/□以下である。表面抵抗値を測定する際の印加電圧は特に限定されないが、10V又は500Vで測定する。
本発明の導電性高分子膜は、例えば、有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子として使用される。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入材料、正孔輸送材料、バッファー層として極めて有用である。有機エレクトロルミネッセンス素子については、蛍光発光性の有機EL素子だけでなく、消費電力の少ない燐光発光性の有機EL素子でも本発明の導電性高分子膜を適用可能である。
なお、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記導電性高分子膜を備えていれば、素子構造は特に限定されない。
本発明の導電性高分子膜については、膜の耐久性に優れる点で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と前記式(1)で表される構造単位及び前記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)の重量比、すなわち(B)/(A)で表される重量比が、0.05〜40を満たすものが好ましく、0.1〜30を満たすものがより好ましく、3〜20を満たすものがより好ましい。
以下に本発明に関する実施例を示す。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600
装置:三菱化学社製ハイレスタUX MCP−HT8000
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
本発明の導電性高分子水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
合成例1.
3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム[下記式(6)で表される化合物]の合成.
窒素雰囲気下、100mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 0.437g(10.9mmol)、トルエン 37mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 1.52g(8.84ml)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン 1.21g(8.89mmol)とトルエン 10mlとからなる混合液を滴下し、同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 160mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで1.82gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(6)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
Figure 2019036489
1H−NMR(DO)δ(ppm);6.67(s,2H),4.54−4.60(m,1H),4.45(dd,1H,J=12.0,2.2Hz),4.26(dd,1H,J=12.0,6.8Hz),3.90−3.81(m,4H),3.10−3.18(m,1H),2.30−2.47(m,1H),1.77−1.92(m,1H),1.45(d,3H)
13C−NMR(D2O)δ(ppm);14.91,31.22,53.13,66.18,69.18,73.29,73.36,100.81,100.94,140.88,141.06
合成例2.
ポリチオフェン(A)[下記式(7)又は下記式(8)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
500mlセパラブルフラスコに、合成例1に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水 150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III) 2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム 14.5g(60.4mmol)と水 100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。
次に、この粗ポリマー 14.5gに水を加え2重量%溶液に調製した水溶液 700gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型) 200mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を738g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200、分画分子量=5,000、透過倍率=5)により精製することにより下記式(7)又は式(8)で表される構造単位を含む重合体の濃群青色水溶液 698gを得た。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は0.74重量%であった。又、鉄イオン、及びナトリウムイオンを、各々44ppm、及び12ppm(対ポリマー)含有していた。
Figure 2019036489
Figure 2019036489
合成例3.
ポリチオフェン(A)[下記式(9)又は下記式(10)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
合成例2に準じて得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体]水溶液を攪拌下、50重量%のN,N―ジメチルアミノエタノール水溶液を前記水溶液がpH7.8になるまで添加し、次いで固形分が2重量%になるように水を蒸発させてポリマー水溶液を得た。本ポリマー水溶液の導電率は119S/cmだった。
Figure 2019036489
Figure 2019036489
実施例1.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2.1重量%含む水溶液 0.965gに、5.0重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 4.01g、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル 1.00g、水 4.02gを加えてよく攪拌混合して水溶液HIM−01とした。水溶液HIM−01の組成は、導電性高分子(A)が0.20重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.01重量%、グリコールエーテル(C)が10.0重量%であり、粘度及び表面張力は各々4.7mPa・s、28mN/mであった。
実施例2.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2.1重量%含む水溶液 0.965gに、5.0重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 4.01g、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル 4.00gg、水 1.03gを加えてよく攪拌混合して水溶液HIM−02とした。水溶液HIM−02の組成は、導電性高分子(A)が0.20重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.01重量%、グリコールエーテル(C)が30.0重量%であり、粘度及び表面張力は各々8.5mPa・s、27mN/mであった。
実施例3.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2.1重量%含む水溶液 0.965gに、5.0重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 4.02g、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル 4.99g、水 0.063を加えてよく攪拌混合して水溶液HIM−03とした。水溶液HIM−03の組成は、導電性高分子(A)が0.20重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.00重量%、グリコールエーテル(C)が49.7重量%であり、粘度及び表面張力は各々12.6mPa・s、27mN/mであった。
実施例4.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2.1重量%含む水溶液 0.965gに、5.0重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 8.01g、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル 2.01g、水 9.04gを加えてよく攪拌混合して水溶液HIM−04とした。水溶液HIM−04の組成は、導電性高分子(A)が0.10重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.00重量%、グリコールエーテル(C)が10.0重量%であり、粘度及び表面張力は各々4.6mPa・s、28mN/mであった。
実施例5.
ポリアクリル酸の分子量を345,000(Polysciences社製)に変更した以外は、実施例4と同様な操作を行い、水溶液HIM−05を得た。HIM−05の組成は、導電性高分子(A)が0.10重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.00重量%、グリコールエーテル(C)が10.0重量%であり、粘度及び表面張力は各々4.9mPa・s、28mN/mであった。
実施例6.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)又は前記式(8)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2.1重量%含む水溶液 0.965gに、5.0重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 8.01g、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル 2.01g、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル 0.5g、水 8.51gを加えてよく攪拌混合して水溶液HIM−06とした。水溶液HIM−06の組成は、導電性高分子(A)が0.10重量%で、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が2.00重量%、グリコールエーテル(C)が12.5重量%(内訳:エチレングリコール モノn−ブチルエーテル=10重量%、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル=2.5重量%)であり、粘度及び表面張力は各々5.8mPa・s、29mN/mであった。
実施例7.(導電率測定)
実施例1で調製したポリチオフェン系化合物を含有する水溶液HIM−01を孔径0.4μmのフィルターでろ過し、スピンコート法(1500rpm、120秒)によって233mm角の無アルカリガラス板に塗布し、180℃で20分間乾燥し、膜厚50nm薄膜を得た。膜厚及び表面抵抗率から、以下の式に基づき導電率を算出した。なお、表面低効率は三菱化学社製ハイレスターUP MCP−HT450を用いて測定した。
導電率[S/cm]=10^4/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])。
その結果、表1に示すように得られた薄膜の導電率は9×10−5S/cmであった。
実施例8.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに実施例2で調製した水溶液HIM−02を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
実施例9.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに実施例3で調製した水溶液HIM−03を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
実施例10.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに実施例4で調製した水溶液HIM−04を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
実施例11.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに実施例5で調製した水溶液HIM−05を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
実施例12.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに実施例6で調製した水溶液HIM−06を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
比較例1.(導電率測定)
実施例7において、水溶液HIM−01の代わりに、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製Clevios P VP AI4083)を用いた他は、実施例7と同様に薄膜を作製して導電率を算出した。評価結果を表1に示した。
Figure 2019036489
実施例13.(素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行った。
実施例1で調製したポリチオフェン系化合物を含有する水溶液HIM−01を孔径0.4μmのフィルターでろ過し、スピンコート法(1000rpm、120秒)によって塗布し、180℃で30分間乾燥した。その結果、64nmの正孔注入層が成膜された。
次に、真空蒸着装置へ設置後、1.0×10−4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。続いて、正孔輸送層用材料であるN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜し、正孔輸送層を形成した。更に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜し、発光層兼電子輸送層を形成した。
引き続き、陰極としてLiFを1nm、アルミニウムを100nm成膜して金属電極を形成した。なお、それぞれの膜厚は触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。
更に、窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。
このように作製した素子に10mA/cmの電流を印加し、駆動電圧を測定した。また、一定電流印加して初期輝度を1000cd/mとし、輝度が初期輝度の70%まで低下した時間をLT70として評価した。なお、LT70の値が大きい程、耐久性が良好であることを意味する。評価結果を表2に示した。
実施例14.(素子の作製と評価)
実施例13において、スピンコート膜の乾燥温度を180℃から200℃に変更した以外は、実施例13と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例15.(素子の作製と評価)
実施例13において、スピンコート膜の乾燥温度を180℃から220℃に変更した以外は、実施例13と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例16.(素子の作製と評価)
実施例14において、水溶液HIM−01の代わりに実施例2で調製した水溶液HIM−02を用いた他は、実施例14と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例17.(素子の作製と評価)
実施例14において、水溶液HIM−01の代わりに実施例3で調製した水溶液HIM−03を用いた他は、実施例14と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例18.(素子の作製と評価)
実施例14において、水溶液HIM−01の代わりに実施例4で調製した水溶液HIM−04を用いた他は、実施例14と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例19.(素子の作製と評価)
実施例14において、水溶液HIM−01の代わりに実施例5で調製した水溶液HIM−05を用いた他は、実施例14と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例20.(素子の作製と評価)
実施例14において、水溶液HIM−01の代わりに実施例6で調製した水溶液HIM−06を用いた他は、実施例14と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
実施例21.(素子の作製と評価)
実施例20において、スピンコート膜の乾燥温度を200℃から220℃に変更した以外は、実施例20と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
比較例2.(素子の作製と評価)
実施例13において、水溶液HIM−01の代わりに、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製Clevios P VP AI4083)を用いた他は、実施例13と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表2に示した。
なお、実施例13〜実施例21における測定結果については、比較例2の測定値を100として規格化して表示した。駆動電圧は発光に必要な電圧を表し、低ければ低いほど産業利用上優れる。LT70は発光素子寿命を表し、高ければ高いほど長寿命で産業利用上優れる。
Figure 2019036489
本発明の導電性高分子水溶液は、さらに本導電性高分子水溶液は、良好な正孔輸送性(注入性)と耐久性を有する高分子膜を形成可能であり、それらを用いた有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子は素子寿命が改善された耐久性のある素子が作製可能である。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子においては、蛍光発光性の有機EL素子だけでなく、消費電力の少ない燐光発光性の有機EL素子も提供することができる。
この水溶液は、また、ガラスや金属などの基材以外にも、高分子基材への濡れ性が良く、ハジキや斑なく塗布が可能である。従って、各種基材への導電性コーティング剤(帯電防止剤)、固体電解コンデンサの固体電解質(陰極材料)などに使用できる。またこの導電性高分子膜で被覆された高分子基材からなる被覆物品は、帯電防止フィルム、固体電解コンデンサの固体電解質、巻回型アルミ電解コンデンサ用のセパレータへの利用が可能である。その他、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ、電磁波シールド材、有機ELや太陽電池等の電極材料であるITO等の金属酸化物の表面コーティング材等への応用も期待できる。

Claims (5)

  1. 0.01〜10重量%の下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、0.001〜20重量%のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)と、0.5〜60重量%のグリコールエーテル(C)を含む導電性高分子水溶液。
    Figure 2019036489
    Figure 2019036489
    [上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
    Figure 2019036489
    [上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
    Figure 2019036489
    [上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。R2は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
  2. 20℃での粘度が20mPa・s以下であり、尚且つ表面張力が20〜50mN/mであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  3. ポリアクリル酸系水溶性樹脂が、ポリアクリル酸水溶性樹脂、又はポリメタクリル酸水溶性樹脂(B)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性高分子水溶液。
  4. ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の重量平均分子量が1千〜100万であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
  5. 請求項1に記載の導電性高分子水溶液を乾燥させることを特徴とする導電性膜の製造方法。
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