JP2019033041A - 電極シート製造装置、電極シート製造方法、及び、電極シート - Google Patents

電極シート製造装置、電極シート製造方法、及び、電極シート Download PDF

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Kazuteru Yamauchi
一輝 山内
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Abstract

【課題】未塗工部の皺を低減させること。【解決手段】電極シート製造装置は、電極材料を搬送する搬送装置と、電極材料を加圧するプレス装置40と、を備える。プレス装置40は、一対のプレスロール41,51を備える。第1プレスロール41は未塗工部24を介して第2凹部と嵌り合う第1凸部44を備える。第2プレスロール51は、未塗工部24を介して第1凹部45と嵌り合う第2凸部を備える。第1凸部44及び第1凹部45は第1プレスロール41の全周に亘って設けられている。第2凸部及び第2凹部は第2プレスロール51の全周に亘って設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、電極シート製造装置、電極シート製造方法、及び、電極シートに関する。
リチウムイオン二次電池等の蓄電装置は、正負の電極を備える。電極は、電極の原材料となる電極シートを切断することで得られる。
電極シートは、帯状金属箔に活物質層を設けた電極材料を加工することで製造される。電極材料は、帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部と、帯状金属箔と活物質層とが重なり合わない未塗工部と、を備える。
特許文献1に記載の電極シート製造装置は、塗工部を加圧する一対のプレスロールを備える。電極材料は、一対のプレスロール間に通される。これにより、塗工部が加圧され、活物質層の密度が高くなる。
特開2016−139582号公報
ところで、プレスロールによって加圧されることで、活物質層を介して、塗工部の帯状金属箔は圧延される。しかしながら、活物質層が設けられていない未塗工部はプレスロールによって加圧されない。塗工部の帯状金属箔と、未塗工部とで、長手方向への延びの差が生じ、この差に起因して未塗工部には皺が生じるおそれがある。
本発明の目的は、未塗工部の皺を低減させることができる電極シート製造装置、電極シート製造方法、及び、電極シートを提供することにある。
上記課題を解決する電極シート製造装置は、帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部、及び、前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部を有する電極材料を加圧して電極シートを製造する電極シート製造装置であって、前記電極材料を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記電極材料を厚み方向から挟みこむことで前記塗工部を加圧する第1加圧部及び第2加圧部と、前記搬送装置の搬送方向において、前記第1加圧部及び第2加圧部と同一の位置、又は、前記第1加圧部及び前記第2加圧部よりも下流に配置され、前記搬送装置によって搬送される前記電極材料を厚み方向から挟みこむ第1ロール及び第2ロールと、を備え、前記第1ロールは、全周に亘って設けられた第1凹部と、全周に亘って設けられた第1凸部と、を備え、前記第2ロールは、全周に亘って設けられており、前記第1凹部と前記未塗工部を介して嵌り合う第2凸部と、全周に亘って設けられており、前記第1凸部と前記未塗工部を介して嵌り合う第2凹部と、を備える。
これによれば、搬送装置によって搬送される電極材料の塗工部は、両加圧部の間を通過することで高密度化される。また、電極材料の未塗工部は、第1凸部、第1凹部、第2凸部、及び、第2凹部の形状に倣って延ばされ、塑性変形する。塑性変形した部分は、第1凸部、第1凹部、第2凸部、及び、第2凹部の形状に倣った凹凸部となる。凹凸部は、両加圧部の間を電極材料が通過することで未塗工部に生じる皺を伸ばすように作用し、これにより、未塗工部の皺が低減される。
上記電極シート製造装置について、前記第1ロールは、前記第1加圧部を備え、前記第2ロールは、前記第2加圧部を備えていてもよい。
これによれば、塗工部の加圧と、未塗工部の塑性変形とを同時に行うことができる。これにより、帯状金属箔の長手方向への延びの差に起因して未塗工部に皺が発生することを抑制することができる。
上記電極シート製造装置について、前記第1凹部の底は、前記第1加圧部よりも前記第1ロールの径方向の外側に位置しており、前記第2凹部の底は、前記第2加圧部よりも前記第2ロールの径方向の外側に位置していてもよい。
これによれば、塑性変形により生じる電極シートの凹凸部について、未塗工部での厚み方向への寸法を、塗工部の厚みより小さくできる。これにより、電極シートを重ねて配置したときに、互いに重ねられた電極シートの未塗工部同士が接触することが抑制される。
上記電極シート製造装置について、前記第1凸部の先端から前記第1凹部の底までの前記第1ロールの径方向の寸法、及び、前記第2凸部の先端から前記第2凹部の底までの前記第2ロールの径方向の寸法は、前記第1加圧部及び前記第2加圧部により加圧された後の前記塗工部の厚み以下であってもよい。
これによれば、塑性変形により生じる電極シートの凹凸部について、未塗工部での厚み方向への寸法を、塗工部の厚みより小さくできる。これにより、電極シートを重ねて配置したときに、互いに重ねられた電極シートの未塗工部同士が接触することが抑制される。
上記課題を解決する電極シート製造方法は、帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部、及び、前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部を有する電極材料を加圧して電極シートを製造する電極シート製造方法であって、搬送中の前記電極材料を厚み方向から挟みこむことで前記塗工部を加圧し、前記塗工部の加圧以降に、前記未塗工部を凸部と凹部で挟みこむことで前記帯状金属箔の長手方向の全体に亘って前記未塗工部に凹凸部を形成する。
これによれば、凹凸部を備える電極シートを得ることができる。凹凸部は、未塗工部に生じる皺を伸ばすように作用し、塗工部の皺が低減される。
上記課題を解決する電極シートは、帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部と、前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部と、を備え、前記未塗工部は、前記帯状金属箔の長手方向の全体に亘って設けられた凹凸部を備える。
これによれば、凹凸部は、未塗工部に生じる皺を伸ばすように作用し、塗工部の皺が低減される。
上記電極シートについて、前記凹凸部は、前記塗工部の厚み範囲内で設けられていてもよい。
これによれば、電極シートを重ねて配置したときに、互いに重ねられた電極シートの未塗工部同士が接触することが抑制される。
本発明によれば、未塗工部の皺を低減させることができる。
電極の斜視図。 電極シートを厚み方向から見た図。 電極シートの一部を破断して示す断面図。 電極シート製造装置の概略構成図。 プレス装置の斜視図。 プレス装置を示す図5の6−6線断面図。 凹凸部を備えない電極シートを重ねた場合の断面図。 プレスロールの変形例を示す斜視図。
以下、電極シート製造装置、電極シート製造方法、及び、電極シートの一実施形態について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素蓄電池等の蓄電装置に用いられる電極10は、金属箔11と、金属箔11の両面に設けられた電極活物質層12と、を備える。電極10がリチウムイオン二次電池の正極電極の場合、金属箔11はアルミニウム箔であり、電極10がリチウムイオン二次電池の負極電極の場合、金属箔11は銅箔である。電極10がニッケル水素蓄電池の電極の場合、金属箔11は鉄板である。金属箔11は、電極活物質層12が設けられた本体13と、本体13から突出したタブ14と、を備える。タブ14は、本体13に沿って延びる電極凹凸部15を備える。電極凹凸部15は、タブ14における本体13寄りに設けられており、タブ14の先端には設けられていない。電極活物質層12は、極性に応じた活物質、導電材、及び、バインダを含む。正負の電極10は、セパレータを介して積層されることで、蓄電装置の発電要素を構成する。電極10のタブ14は、極性毎に束ねられた状態で溶接される。溶接される部分は、電極凹凸部15よりもタブ14の先端に寄った部分となる。
図2及び図3に示すように、電極10は、長尺状の電極シート20を切断することで製造される。電極シート20は、帯状金属箔21の両面に活物質層22を設けたものである。帯状金属箔21は、切断されることで電極10の金属箔11となる。活物質層22は、切断されることで電極活物質層12となる。
電極シート20は、帯状金属箔21と活物質層22とが重なり合う塗工部23と、帯状金属箔21と活物質層22とが重なり合わず、帯状金属箔21で形成された未塗工部24と、を備える。活物質層22は、帯状金属箔21の長手方向の全体に亘って設けられている。未塗工部24は、塗工部23を挟んで帯状金属箔21の短手方向の両側に設けられており、帯状金属箔21の長手方向の全体に亘って設けられている。未塗工部24は、帯状金属箔21が露出した部分ともいえる。塗工部23は、切断されることで電極10の本体13となり、未塗工部24は切断されることで電極10のタブ14となる。
未塗工部24は、凹凸部25を備える。凹凸部25は、活物質層22に沿って設けられている。未塗工部24は、凹凸部25と帯状金属箔21の短手方向の端部との間に平坦部26を備える。即ち、凹凸部25は、未塗工部24のうち塗工部23に近い一部に設けられている。
凹凸部25は、電極シート20の短手方向に波打つ波形状である。凹凸部25は、帯状金属箔21の長手方向の全体に亘って設けられている。本実施形態の凹凸部25は、帯状金属箔21の長手方向に連続して直線状に延びる凹条及び凸条が帯状金属箔21の短手方向に並設されることによって構成されている。
凹凸部25は、塗工部23の厚み範囲A内で設けられている。詳細にいえば、塗工部23を帯状金属箔21の短手方向に延長した範囲を塗工部23の厚み範囲Aとすると、未塗工部24の厚み方向において、凹凸部25の全体は厚み範囲A内に収まっている。
次に、電極シート20を製造する電極シート製造装置30、及び、電極シート製造方法について説明する。
図4に示すように、電極シート製造装置30は、電極材料20Aから電極シート20を製造する装置である。電極材料20Aは、凹凸部25が形成される前の電極シート20であり、塗工部23と、未塗工部24と、を備える。
電極シート製造装置30は、電極材料20Aを搬送する搬送装置31と、電極材料20Aを加圧するプレス装置40と、複数のニップロール61と、複数のダンサーロール62と、を備える。ニップロール61は、電極シート20を支えるために設けられたロールである。ダンサーロール62は、電極シート20に張力を作用させるためのロールである。
搬送装置31は、長尺状の電極材料20Aを送り出す供給リール32と、電極シート20を巻き取る巻取リール33と、を備える。供給リール32には、電極材料20Aが巻かれている。供給リール32及び巻取リール33が図示しないモータによって回転させられることで、供給リール32から巻取リール33に電極材料20Aが搬送される。以下、搬送装置31が電極材料20Aを搬送する方向である搬送装置31の搬送方向を搬送方向Xとして説明を行う。
図4及び図5に示すように、プレス装置40は、搬送方向Xにおいて、供給リール32よりも下流に設けられている。プレス装置40は、活物質層22を加圧することで、活物質層22の密度を高めるために設けられている。プレス装置40は、一対のプレスロール41,51を備える。各プレスロール41,51は、図示しないモータによって回転させられる。一対のプレスロール41,51のうち一方を第1ロールとしての第1プレスロール41、他方を第2ロールとしての第2プレスロール51とする。第1プレスロール41と、第2プレスロール51とは、電極材料20Aを厚み方向から挟むように配置されている。
図5及び図6に示すように、第1プレスロール41は、円柱状の第1加圧部42と、軸線方向の両側から第1加圧部42を挟んで設けられた円柱状の第1塑性変形部43と、を備える。第2プレスロール51は、円柱状の第2加圧部52と、軸線方向の両側から第2加圧部52を挟んで設けられた円柱状の第2塑性変形部53と、を備える。
両加圧部42,52の軸線方向の寸法は、塗工部23の短手方向の寸法よりも若干長い。第1加圧部42の直径は、第1塑性変形部43の直径よりも小さい。第2加圧部52の直径は、第2塑性変形部53の直径よりも小さい。第1プレスロール41及び第2プレスロール51は、加圧部42,52同士が間隔を空けて対向し合い、塑性変形部43,53同士が対向し合うように配置されている。
第1塑性変形部43は、第1凸部44と、第1凹部45と、を備える。第1凸部44及び第1凹部45は第1加圧部42から第1プレスロール41の軸線方向の端面に向けて、第1凹部45→第1凸部44の順に交互に配置されており、軸線方向の最も外側には第1凹部45が位置する。第1プレスロール41の軸線方向の最も内側に位置する第1凹部45は、第1加圧部42の端部と並んで設けられている。第1プレスロール41の軸線方向の最も外側に位置する第1凹部45から第1加圧部42までの軸線方向の寸法L1は、未塗工部24の短手方向の寸法よりも短い。
第1凸部44及び第1凹部45の第1プレスロール41の径方向での断面形状は、弧状となっている。即ち、第1凸部44及び第1凹部45は、第1プレスロール41の径方向に湾曲した曲面によって構成されている。第1凸部44及び第1凹部45は、第1プレスロール41の全周に亘って直線状に設けられている。
第1凸部44の先端44A、及び、第1凹部45の底45Aは、第1加圧部42よりも第1プレスロール41の径方向の外側に位置している。また、第1凸部44の先端44Aから第1凹部45の底45Aまでの第1プレスロール41の径方向の寸法T2は、両加圧部42,52の外周面間の最短距離T1以下である。
第2塑性変形部53は、第2凸部54と、第2凹部55と、を備える。第2凸部54及び第2凹部55は第2加圧部52から第2プレスロール51の軸線方向の端面に向けて、第2凸部54→第2凹部55の順に交互に配置されており、軸線方向の最も外側には第2凸部54が位置する。即ち、第1プレスロール41とは、凹凸の順序が反対となっている。第2凸部54は、第1凹部45と同数設けられている。第2凹部55は、第1凸部44と同数設けられている。
第2プレスロール51の軸線方向の最も内側に位置する第2凸部54は、第2加圧部52の端部と並んで設けられている。第2プレスロール51の軸線方向の最も外側に位置する第2凸部54から第2加圧部52までの軸線方向の寸法は、未塗工部24の短手方向の寸法よりも短い。なお、第2プレスロール51の軸線方向の最も外側に位置する第2凸部54から第2加圧部52までの軸線方向の寸法は、寸法L1と同一である。
第2凸部54及び第2凹部55の第2プレスロール51の径方向での断面形状は、弧状となっている。即ち、第2凸部54及び第2凹部55は、第2プレスロール51の径方向に湾曲した曲面によって構成されている。第2凸部54及び第2凹部55は、第2プレスロール51の全周に亘って直線状に設けられている。
第2凸部54の先端54A、及び、第2凹部55の底55Aは、第2加圧部52よりも第2プレスロール51の径方向の外側に位置している。また、第2凸部54の先端54Aから第2凹部55の底55Aまでの第2プレスロール51の径方向の寸法T3は、両加圧部42,52の外周面間の最短距離T1以下である。
本実施形態において、第1凸部44と、第2凸部54とは同一形状である。また、第1凹部45と、第2凹部55とは同一である。第1凸部44は、第2凹部55と嵌り合うことが可能な寸法であり、第2凸部54は第1凹部45と嵌り合うことが可能な寸法である。
電極材料20Aは、プレスロール41,51間を通過することで、電極シート20となる。電極材料20Aがプレスロール41,51間を通過する際には、両プレスロール41,51の加圧部42,52同士の間を塗工部23が通過し、両プレスロール41,51の塑性変形部43,53同士の間を未塗工部24が通過する。したがって、搬送方向Xにおいて、第1凸部44、第1凹部45、第2凸部54、及び、第2凹部55は両加圧部42,52と同一の位置に設けられている。
次に、上記した電極シート製造装置30を用いた電極シート製造方法について作用とともに説明する。
搬送装置31によって、電極材料20Aが搬送されると、電極材料20Aはプレスロール41,51間を通過していく。塗工部23は、加圧部42,52によって加圧される。これにより、活物質層22は高密度化される。また、塗工部23の帯状金属箔21は、圧延される。
塗工部23は、加圧部42,52同士の間を通過することで加圧されることから、両加圧部42,52の外周面間の最短距離T1は、加圧された後の塗工部23の厚みとみなすことができる。したがって、両加圧部42,52の外周面間の最短距離T1以下である寸法T2及び寸法T3は、加圧された後の塗工部23の厚み以下の寸法ともいえる。
塗工部23の加圧に合わせて、未塗工部24は塑性変形部43,53によって加圧される。第1凸部44は未塗工部24を介して第2凹部55と嵌り合い、第2凸部54は未塗工部24を介して第1凹部45と嵌り合う。未塗工部24は、第1凸部44、第1凹部45、第2凸部54、及び、第2凹部55の形状に倣って延ばされ、塑性変形する。なお、寸法T2及び寸法T3は、帯状金属箔21の材料や厚みに基づき、未塗工部24が破断しないような寸法に設定されている。
各プレスロール41,51の全周に亘って凸部44,54及び凹部45,55が設けられていることで、凹凸部25は、帯状金属箔21の長手方向の全体に亘って形成されていくことになる。
凸部44,54及び凹部45,55によって未塗工部24に凹凸部25が形成されることで、塗工部23の帯状金属箔21の延びの差と、未塗工部24の延びの差とは軽減される。また、未塗工部24を塑性変形させることで、塗工部23を加圧することで生じた不均一な残留応力よりも大きな残留応力を未塗工部24の厚み方向の両面に対して付与させているといえる。電極シート20の熱処理等で残留応力が解放されたとしても、未塗工部24の両面に同様の残留応力が解放されることで、未塗工部24が厚み方向に変形しにくい。
したがって、凹凸部25は、未塗工部24に生じる皺を伸ばすように作用し、塗工部23の加圧による未塗工部24への皺の発生を抑制できる。なお、皺とは未塗工部24に生じる不規則な変形部分である。
電極シート20は、巻取リール33に巻き取られることで、巻取リール33の径方向に重ねられていく。
仮に、電極シート20に皺が生じた場合、皺を基点として未塗工部24は折れ曲がる。すると、図7に示すように、巻き取りによって巻取リール33の径方向に重なり合った電極シート20の未塗工部24同士が接触し合うおそれがある。この状態で電極シート20を巻取リール33に巻き取っていくと、電極シート20を巻いた巻回体に厚みの差が生じたり、電極シート20の端面が揃わないといった不具合が生じ得る。また、未塗工部24に皺が生じると、タブ14の溶接不良、電極シート20から電極10を切り出す際の切断不良等を招く。
これに対して、本実施形態のように凹凸部25によって皺を低減させることで、重なり合った電極シート20の未塗工部24同士が接触しにくい。また、タブ14の溶接不良や電極シート20から電極10を切り出す際の切断不良等も抑制される。
なお、塗工部23の加圧によって生じた歪みを、歪矯正ローラを用いることで矯正することも考えられる。歪矯正ローラは、塗工部23を支持する部位と、未塗工部24を支持する部位と、を備える。未塗工部24を支持する部位は、塗工部23を支持する部位よりも直径が大きい。電極シート20が歪矯正ローラを通過すると、未塗工部24は塗工部23よりも延ばされることになり、歪みが矯正される。しかしながら、歪矯正ローラでは、電極シート20の切断などで、歪みが皺となると、皺を延ばすことはできない。これに対して、本実施形態のように、未塗工部24を強制的に塑性変形させることで、皺を延ばすことができる。
したがって、上記実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)第1プレスロール41は未塗工部24を介して第2凹部55と嵌り合う第1凸部44を備える。第2プレスロール51は、未塗工部24を介して第1凹部45と嵌り合う第2凸部54を備える。第1凸部44、第1凹部45、第2凸部54、及び、第2凹部55の形状に倣って未塗工部24を塑性変形させることで、電極シート20の未塗工部24に凹凸部25を形成することができる。凹凸部25は、加圧時に未塗工部24に生じる皺を伸ばすように作用し、未塗工部24の皺が低減される。
(2)一対のプレスロール41,51に凹凸を設けている。このため、塗工部23の加圧と同時に未塗工部24の加圧を行うことができる。これにより、帯状金属箔21の長手方向への延びの差に起因して未塗工部24に皺が発生することを抑制することができる。
(3)第1凹部45の底45Aを第1加圧部42よりも第1プレスロール41の径方向の外側に位置させ、第2凹部55の底55Aを第2加圧部52よりも第2プレスロール51の径方向の外側に位置させている。これにより、寸法T2及び寸法T3は、両加圧部42,52の外周面間の最短距離T1以下となる。電極シート20の凹凸部25は、塗工部23の厚み範囲A内に収まることになる。電極シート20が重ねられたときに、凹凸部25同士が接触することが抑制される。
(4)電極シート製造装置30を用いた電極シート製造方法では、塗工部23の加圧と同時に、未塗工部24に凹凸部25を設けている。これにより、未塗工部24に凹凸部25を備える電極シート20を得ることができる。上記したように、凹凸部25は皺を伸ばすように作用するため、電極シート製造方法で製造された電極シート20では、未塗工部24の皺が低減されている。
(5)電極シート20は、凹凸部25を備える。凹凸部25は、未塗工部24に生じる皺を伸ばすように作用し、これにより、未塗工部24の皺が低減される。
(6)電極シート20は、平坦部26を備える。平坦部26は、タブ14の一部となる。したがって、タブ14の全体に電極凹凸部15が設けられることを防止できる。タブ14の一部が電極凹凸部15が設けられない平坦部となることで、タブ14の溶接が行いやすい。
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
○第1凹部45の底45Aは、第1加圧部42よりも第1プレスロール41の径方向の内側に位置していてもよい。この場合、第1凹部45の底45Aの位置に合わせて、第2凸部54が第2プレスロール51の径方向に延長される。同様に、第2凹部55の底55Aについても、第2加圧部52よりも第2プレスロール51の径方向の内側に位置していてもよい。
上記したプレスロール41,51を通過して製造された電極シート20は、凹凸部25が塗工部23の厚み範囲A内に収まらない場合がある。この場合であっても、凹凸部25により電極シート20の皺が低減される。
○第1凸部44及び第1凹部45は、直線状に限られず、第1プレスロール41の周方向に波打つような波形状など、どのような形状であってもよい。同様に、第2凸部54及び第2凹部55についても、どのような形状であってもよい。
○第1凸部44及び第1凹部45の第1プレスロール41の径方向での断面形状は、四角状など、弧状以外であってもよい。同様に、第2凸部54及び第2凹部55の第2プレスロール51の径方向での断面形状は、四角状など、弧状以外であってもよい。
○第1凸部44及び第1凹部45は、第1加圧部42から第1プレスロール41の軸線方向の端面に向けて、第1凸部44→第1凹部45の順に交互に配置されていてもよい。このとき、第2凸部54及び第2凹部55は、第2加圧部52から第2プレスロール51の軸線方向の端面に向けて、第2凹部55→第2凸部54の順に交互に配置される。つまり、第1凸部44と第2凹部55とが嵌り合い、第1凹部45と第2凸部54とが嵌り合うように交互に配置されればよい。
○搬送方向Xにおいて、プレス装置40よりも下流に設けられ、電極材料20Aを厚み方向から挟むロールに塑性変形部43,53(第1凸部44、第1凹部45、第2凸部54、及び、第2凹部55)を設けてもよい。例えば、ニップロール61やダンサーロール62に塑性変形部43,53を設けてもよい。この場合、複数のニップロール61や複数のダンサーロール62のうち、電極材料20Aを挟んで配置される一方のロールが第1ロールとなり、他方のロールが第2ロールとなる。また、図4に示したダンサーロール62のように、1つのダンサーロール62が、電極材料20Aを挟んで2つのダンサーロール62と向かい合っていてもよい。この場合、電極材料20Aを挟んで配置される2組のダンサーロール62のうちの1組、あるいは、2組に塑性変形部43,53が設けられる。なお、この場合、一対のプレスロール41,51は、加圧部42,52のみを備える。
上記したように、塑性変形部43,53は、搬送方向Xにおいて加圧部42,52と同一の位置、又は、加圧部42,52よりも下流に設けられていればよい。即ち、塑性変形部43,53は、加圧部42,52による塗工部23の加圧以降に未塗工部24を塑性変形させる位置に設けられていればよい。なお、「塗工部23の加圧以降」とは、塗工部23の加圧と同時、あるいは、塗工部23の加圧より後を示す。
○電極シート20(電極材料20A)は、帯状金属箔21の片面にのみ活物質層22を備えるものでもよい。
○活物質層22は、帯状金属箔21の長手方向に間欠塗工されていてもよい。この場合、未塗工部24は、複数の塗工部23に沿って、帯状金属箔21の長手方向に延びる部分となる。
○図8に示すように、第1凸部44、及び、第1凹部45は第1プレスロール41の周方向に連続していなくてもよく、分断されていてもよい。この場合、第1凸部44、及び、第1凹部45を第1プレスロール41の軸線方向に対して傾斜させたものとすることで、第1凸部44及び第1凹部45は全周に亘って設けられることになる。したがって、「全周に亘って設けられている」とは、第1凸部44及び第1凹部45が設けられる周面において、第1プレスロール41の軸線方向のいずれの位置であっても第1凸部44及び第1凹部45の両方が設けられているものであればよい。第2凸部54、及び、第2凹部55についても、第1凸部44及び第1凹部45と同様に、適宜形状を変更してもよい。
なお、図8に示すプレスロール41を通過した電極シート20は、帯状金属箔21の長手方向の全体に亘って、分断された複数の凹凸部25が設けられることになる。
また、図8に示すように、第1塑性変形部43は、第1プレスロール41の軸線方向に分割された複数の部材43A,43Bによって構成されていてもよい。部材43A,43Bは、第1加圧部42に着脱可能である。部材43A,43Bをアタッチメントとして用いることで、未塗工部24の短手方向の寸法に会わせて第1塑性変形部43の軸線方向の寸法を変化させることができる。また、塗工部23の厚みに合わせて、第1塑性変形部43の直径を変更することもできる。即ち、電極シート20の仕様に合わせた第1塑性変形部43を用いることができる。第2塑性変形部53についても、第1塑性変形部43と同様に、第2プレスロール51の軸線方向に分割された複数の部材で構成されていてもよい。
○電極シート製造装置30は、帯状金属箔21に活物質層22を形成する塗工装置、活物質層22を乾燥させる乾燥装置を備えていてもよい。この場合、搬送方向Xにおいて、塗工装置及び乾燥装置は、供給リール32と、プレス装置40との間に設けられる。この場合、供給リール32からは帯状金属箔21が送り出され、帯状金属箔21に活物質層22が形成される。その後、乾燥装置によって乾燥された電極材料20Aを加圧することで、電極シート20が製造される。
○未塗工部24をタブ14として用いない場合には、凹凸部25は未塗工部24の短手方向の全体に亘って設けられていてもよい。
○帯状金属箔21の片面に活物質層22を備える電極材料20Aをプレス装置40によって加圧した後に、帯状金属箔21の活物質層22が設けられていない面に活物質層22を形成し、再度プレス装置40によって電極材料20Aを加圧してもよい。即ち、帯状金属箔21の1つの面に活物質層22を設ける毎にプレス装置40による加圧を行ってもよい。
A…厚み範囲、20…電極シート、20A…電極材料、21…帯状金属箔、22…活物質層、23…塗工部、24…未塗工部、25…凹凸部、30…電極シート製造装置、31…搬送装置、41…第1プレスロール(第1ロール)、42…第1加圧部、44…第1凸部、44A…先端、45…第1凹部、45A…底、51…第2プレスロール(第2ロール)、52…第2加圧部、54…第2凸部、54A…先端、55…第2凹部、55A…底。

Claims (7)

  1. 帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部、及び、前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部を有する電極材料を加圧して電極シートを製造する電極シート製造装置であって、
    前記電極材料を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置によって搬送される前記電極材料を厚み方向から挟みこむことで前記塗工部を加圧する第1加圧部及び第2加圧部と、
    前記搬送装置の搬送方向において、前記第1加圧部及び第2加圧部と同一の位置、又は、前記第1加圧部及び前記第2加圧部よりも下流に配置され、前記搬送装置によって搬送される前記電極材料を厚み方向から挟みこむ第1ロール及び第2ロールと、を備え、
    前記第1ロールは、
    全周に亘って設けられた第1凹部と、
    全周に亘って設けられた第1凸部と、を備え、
    前記第2ロールは、
    全周に亘って設けられており、前記第1凹部と前記未塗工部を介して嵌り合う第2凸部と、
    全周に亘って設けられており、前記第1凸部と前記未塗工部を介して嵌り合う第2凹部と、を備える電極シート製造装置。
  2. 前記第1ロールは、前記第1加圧部を備え、
    前記第2ロールは、前記第2加圧部を備える請求項1に記載の電極シート製造装置。
  3. 前記第1凹部の底は、前記第1加圧部よりも前記第1ロールの径方向の外側に位置しており、
    前記第2凹部の底は、前記第2加圧部よりも前記第2ロールの径方向の外側に位置している請求項2に記載の電極シート製造装置。
  4. 前記第1凸部の先端から前記第1凹部の底までの前記第1ロールの径方向の寸法、及び、前記第2凸部の先端から前記第2凹部の底までの前記第2ロールの径方向の寸法は、前記第1加圧部及び前記第2加圧部により加圧された後の前記塗工部の厚み以下である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電極シート製造装置。
  5. 帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部、及び、前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部を有する電極材料を加圧して電極シートを製造する電極シート製造方法であって、
    搬送中の前記電極材料を厚み方向から挟みこむことで前記塗工部を加圧し、
    前記塗工部の加圧以降に、前記未塗工部を凸部と凹部で挟みこむことで前記帯状金属箔の長手方向の全体に亘って前記未塗工部に凹凸部を形成する電極シート製造方法。
  6. 帯状金属箔と活物質層とが重なり合う塗工部と、
    前記帯状金属箔と前記活物質層とが重なり合わず、前記帯状金属箔で形成された未塗工部と、を備え、
    前記未塗工部は、
    前記帯状金属箔の長手方向の全体に亘って設けられた凹凸部を備える電極シート。
  7. 前記凹凸部は、前記塗工部の厚み範囲内で設けられている請求項6に記載の電極シート。
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