JP2019030827A - パラジウム−ルテニウム複合微粒子を用いた触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒担体として利用可能な多孔質体にパラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持された触媒の製造方法を提供する。【解決手段】パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、多孔質体と前記前駆体溶液を接触させ前記多孔質体に前記前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程と、前記前駆体含浸多孔質を加熱することで還元し還元工程とを有するパラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持された触媒を製造する方法。【選択図】 図4

Description

本発明はパラジウム−ルテニウム複合微粒子を用いた触媒およびその製造方法に関する。
ロジウム、パラジウム、白金などの貴金属は、ガソリン車用の三元触媒に広く利用されている。しかし、これらの貴金属、特にロジウムは地殻埋蔵量も少なく価格も高価であることから、それらの量を低減させつつ、浄化機能に優れた三元触媒が提案されている(特許文献1、2)。
燃料電池での使用に適した合金微粒子を用いた触媒の開発も検討されており、パラジウムとルテニウムの合金微粒子の製造法が提案されている(特許文献3)。また、特許文献4はパラジウム−ルテニウム固溶体型合金微粒子を含む触媒を開示するものである。この文献では、従来、パラジウムとルテニウムはバルク状態では合金を作ることができないことが知られていることから、保護剤と還元剤と、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含む溶液を所定の温度以上の温度に保持する工程を含む製造方法によって製造する手法が提案されている。その具体例としては、パラジウムとルテニウムを固溶化させるために、パラジウム化合物およびパラジウム化合物が溶解した溶液を保護剤と還元剤の溶液に噴霧させている。
貴金属触媒粒子の多孔質材料である触媒担体には、触媒粒子および触媒の原料を溶液中に分散または溶解させ、その溶液中に触媒担体を浸す液相担持法が用いられる。一般に通常の液相担持法では高粘性、低拡散性のため、多孔質体の細孔内部まで金属ナノ粒子前駆体を導入することは困難であった。これらの問題を解決するために、低粘性で高拡散性を有する超臨界二酸化炭素に金属ナノ粒子の前駆体を溶解させ、多孔質の細孔内部に前駆体を含浸させた後、還元処理により細孔内部に金属ナノ粒子を形成させる手法が提案されている(特許文献5、非特許文献1)。
特開2010−58110号公報 特開平11−207180号公報 特表2009−545114号公報 特許第5737699号公報 特開2000−17442号公報
前述の特許文献等でも指摘されているように、三元触媒に利用される触媒の一つであるロジウム(Rh)は高価である。このロジウムに代え、ロジウム(原子番号45)の周囲の原子番号のルテニウム(Ru、原子番号44)とパラジウム(Pd、原子番号46)を利用して人工ロジウムとしての機能を発現する触媒の製造等が試みられている。
しかしながら、前述の特許文献等に開示されている手法によるパラジウム−ルテニウムの合金微粒子等は、触媒として利用するには種々の課題がある。例えば、特許文献4に開示されるパラジウム−ルテニウム固溶体型合金微粒子は、粒子サイズが100nm以下であり、その粒子の凝集性により反応性の低下や回収性の問題がある。このため、実際に利用するには、凝集した粒子を分散させる処理や、アルミナなどの担体に担持させるなど煩雑な処理が必要とされる。
係る状況下、本発明は、触媒担体として利用可能な多孔質体にパラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持された触媒を提供することを目的とする。また、本発明は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持された触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、多孔質体と前記前駆体溶液を接触させ前記多孔質体に前記前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程と、前記前駆体含浸多孔質を還元する還元工程とを有するパラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持された触媒を製造する方法。
<2> 前記前駆体溶液に含まれるパラジウム化合物のパラジウムと、ルテニウム化合物のルテニウムとの量比(パラジウム:ルテニウム)が、99:1〜1:99である前記<1>記載の触媒を製造する方法。
<3> 前記前駆体溶液の溶媒が、ケトン系溶媒、低級アルコール系溶媒、および芳香族炭化水素溶媒からなる群から選択される少なくとも1以上の溶媒である前記<1>または<2>記載の触媒を製造する方法。
<4> 前記前駆体溶液の溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、およびキシレンからなる群から選択される少なくとも1以上の溶媒である前記<3>記載の触媒を製造する方法。
<5> 前記パラジウム化合物が、パラジウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、および金属錯体からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
<6> 前記ルテニウム化合物が、ルテニウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、および金属錯体からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
<7> 前記含浸工程が、超臨界状態の高圧流体により含浸させるものである前記<1>〜<6>のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
<8> 前記高圧流体が、二酸化炭素である前記<7>記載の触媒を製造する方法。
<9> 前記多孔質体が、多孔性シリカ、多孔性配位高分子、ゼオライト、多孔性アルミナ、多孔性アルミナシリカ、多孔性ジルコニア、およびガリウム酸化物多孔質体からなる群から選択されるいずれかの多孔質体である前記<1>〜<8>のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
<10> 前記還元工程が、水素雰囲気下で100℃以上300℃以下に加熱する還元である前記<1>〜<9>のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
<11> パラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒。
<12> 前記パラジウム−ルテニウム複合微粒子のパラジウムとルテニウムとの量比(パラジウム:ルテニウム)が、99:1〜1:99である前記<11>記載の触媒。
<13> 前記多孔質体が、多孔性シリカ、多孔性配位高分子、ゼオライト、多孔性アルミナ、多孔性アルミナシリカ、多孔性ジルコニア、およびガリウム酸化物多孔質体からなる群から選択される少なくとも1以上の多孔質体である前記<11>または前記<12>記載の触媒。
<14> SEM−EDXまたはHAADF−STEMで観察したとき、粒子径が200nmを超えるパラジウム−ルテニウム複合微粒子が、0.5個/μm2以下である前記<11>〜<13>のいずれかに記載の触媒。
本発明によれば、多孔質体にパラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持された触媒が提供される。この触媒は、ロジウム触媒様の触媒として使用することができる。また、本発明によれば、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持された触媒の製造方法が提供される。
本発明に係る触媒(1)のSEM観察像である。 本発明に係る触媒(1)のSEM−EDXによる元素マッピング像である。 本発明に係る触媒(1)のTEM観察像である。 本発明に係る触媒(1)のHAADF−STEM観察像および元素マッピング像である。 本発明に係る触媒(1)のEDXスペクトルである。 本発明に係る触媒(1)のCO酸化の触媒活性を評価した結果を示すグラフである。 本発明に係る触媒(2)のSEM観察像である。 本発明に係る触媒(2)のHAADF−STEM観察像および元素マッピング像である。 本発明に係る触媒(2)のEDXスペクトルである。 本発明に係る触媒(2)のCO酸化の触媒活性を評価した結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
本発明は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、多孔質体と前記前駆体溶液を接触させ前記多孔質体に前記前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程と、前記前駆体含浸多孔質を還元する還元工程とを有するパラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持された触媒を製造する方法に関する。
また、本発明は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒に関する。
本発明に関するパラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒は、一酸化炭素の酸化反応などに対する触媒活性が高い触媒である。本発明の製造方法によればパラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体の細孔内に分散担持される。これにより、優れた触媒活性を有する触媒を得ることができる。
本発明はパラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒に関する。本発明者らは、パラジウム−ルテニウム複合物質の触媒活性を利用するために、その粒子の製造方法と、その粒子の担持方法を検討した。その方法として、本発明者らは、パラジウム化合物とルテニウム化合物の溶液を多孔質体に接触させ、超臨界状態の流体を用いてその含浸を促進し、さらに溶媒等を超臨界状態の流体等により乾燥した。その結果、比較的入手しやすい化合物由来のパラジウムとルテニウムとを製造工程で合金状に複合化させた微粒子(パラジウム−ルテニウム複合微粒子)を得ることができた。
さらに、その複合微粒子は、多孔質体の内部にまで分散担持され、多孔質体の細孔により比表面積が大きい優れた触媒活性を奏する触媒を得ることができることを見出した。本発明はこのような知見に基づく触媒およびその製造方法に関する。
(調製工程)
本発明の触媒の製造方法は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程を有する。本発明の前駆体溶液は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する溶液である。なお、本願において溶液とは、溶質が溶媒に溶解したものに加えて、分散した懸濁液の状態も含む概念として溶液と呼ぶ。また、この溶液の溶解や分散に用いられる液体を溶媒と呼ぶ。
(パラジウム化合物)
本発明に用いるパラジウム化合物は、パラジウムが前駆体溶液中に溶解する化合物である。このパラジウム化合物は、溶液中でその化合物をなしていた陰イオンや錯体が前駆体溶液の溶媒と共に乾燥することで除去しやすいものが好ましい。またパラジウム化合物は、本発明の触媒の製造方法における水素還元処理などの還元工程により金属パラジウムを生成可能なものが好ましい。
このような観点から、パラジウム化合物としては、パラジウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、金属錯体などの化合物が好ましく用いられる。このようなパラジウム(イオン)と、陰イオンや錯体との化合物を選択することで、パラジウムがイオン状態で分散されルテニウムと共に複合微粒子として集合する。そして、本発明の触媒の製造工程でそれらの化合物の陰イオンや錯体は除去されやすい。また本発明の触媒の多孔質体内には、実質的にパラジウムとルテニウムのみが残存することになる。これにより多孔質体内で、実質的にパラジウムとルテニウムとからなるパラジウム−ルテニウム複合微粒子を得ることができる。
パラジウム化合物としては、例えば、酢酸パラジウム(Pd(CH3COO)2)、塩化パラジウム(PdCl2)、硝酸パラジウム(Pd(NO32)、テトラアンミンパラジウム(II)(Pd(NH34)、ジニトロジアンミンパラジウム(II)(Pd(NH32(NO22)などがあげられる。これらのパラジウム化合物は、適宜、水和物や、塩酸溶液、硝酸溶液等の態様で調製されたものを使用することができる。
(ルテニウム化合物)
本発明に用いるルテニウム化合物は、ルテニウムが前駆体溶液中に溶解する化合物である。このルテニウム化合物は、溶液中でその化合物をなしていた陰イオンや錯体が前駆体溶液の溶媒と共に乾燥することで除去しやすいものが好ましい。またルテニウム化合物は、本発明の触媒の製造方法における水素還元処理などの還元工程により金属ルテニウムを生成可能なものが好ましい。
このような観点から、ルテニウム化合物としては、ルテニウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、金属錯体などの化合物が好ましく用いられる。このようなルテニウム(イオン)と、陰イオンや錯体との化合物を選択することで、ルテニウムがイオン状態で分散されパラジウムと共に複合微粒子として集合する。そして、本発明の触媒の製造工程でそれらの化合物の陰イオンや錯体は除去されやすい。また本発明の触媒の多孔質体内には、実質的にパラジウムとルテニウムのみが残存することになる。これにより多孔質体内で、実質的にパラジウムとルテニウムとからなるパラジウム−ルテニウム複合微粒子を得ることができる。
ルテニウム化合物としては、例えば、塩化ルテニウム(III)(RuCl3)、硝酸ルテニウム(III)(Ru(NO33)、ドデカカルボニルトリルテニウム(Ru3(CO)12)、ジクロロ(ベンゼン)ルテニウム(II)ダイマー([RuCl2(benzene)]2)、ジクロロ(メシチレン)ルテニウム(II)ダイマー([RuCl2(mesitylene)]2)、ジクロロ(p-シメン)ルテニウム(II)ダイマー([RuCl2(p−cymene)]2)、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(RuHCl(CO)(PPh33)、トリス(ジピバロイルメタナト)ルテニウム(III)(Ru(dpm)3)、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(RuCl2(PPh33)、シス-ジクロロビス(2,2´−ビピリジン)ルテニウム(II)(cis−[RuCl2(bpy)2])、トリス(2,2´−ビピリジン)ルテニウム(II)ジクロリド(Ru(bpy)3)Cl2)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)(別名:トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム(III)、Ru(acac)3)などがあげられる。これらのルテニウム化合物は、適宜、水和物や、塩酸溶液、硝酸溶液等の態様で調製されたものを使用することができる。
(前駆体溶液の溶媒)
本発明の前駆体溶液の溶媒は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を溶解や分散させることができる溶媒を適宜用いることができる。この溶媒としては、ケトン系溶媒および、低級アルコール系溶媒、芳香族炭化水素溶媒からなる群から選択されるいずれかの溶媒が好ましく用いられる。本発明におけるケトン系溶媒の溶媒は、R-C(=O)-R´(R、R´は炭化水素からなる側鎖)の構造式で表される有機化合物のうち、20℃大気圧下で液体のものである。本発明における低級アルコール溶媒の溶媒は、炭素数1〜6の炭化水素の水素原子をヒドロキシ基(−OH)で置き換えた有機化合物のうち、20℃大気圧下で液体のものである。本発明における芳香族炭化水素の溶媒は、単環あるいは複数の環(縮合環)を有し構成される炭化水素のうち、20℃大気圧下で液体のものである。
本発明の前駆体溶液の溶媒は、より具体的には、アセトンおよび、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレンからなる群から選択される少なくとも1以上の溶媒であることが好ましい。これらの溶媒は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物の溶解性に優れる。また、これらの溶媒を用いた溶液は後述する超臨界状態の高圧流体により多孔質体への含浸性に優れ、乾燥時に溶媒の除去性にも優れる。
(前駆体溶液の溶質濃度)
本発明の前駆体溶液におけるパラジウム化合物及びルテニウム化合物の溶質濃度は、0.001g/L以上1.0g/L以下であることが好ましい。この溶質濃度は、前駆体溶液中の、パラジウム化合物とルテニウム化合物との総量としての濃度で設定する。このような溶質濃度の前駆体溶液を用いて製造することで、多孔質体に溶液中の金属イオンが侵入し微粒子を形成しやすく触媒活性に優れた触媒を得ることができる。この溶質濃度の下限は、0.005g/L以上がより好ましく、0.010g/L以上がより好ましい。この溶質濃度の上限は、0.5g/L以下がより好ましく、0.2g/L以下がより好ましい。
(PdとRuとの比率)
本発明の前駆体溶液におけるパラジウム化合物のパラジウムと、ルテニウム化合物のルテニウムとの量比(パラジウム:ルテニウム)は、99:1〜1:99であることが好ましい。この量比は、パラジウム(Pd)元素相当としてのモル量と、ルテニウム(Ru)元素相当としてのモル量との比で求められる。このような比率のパラジウムとルテニウムとを含むことで、パラジウム−ルテニウム複合微粒子としての触媒活性を示すことができる。また、この量比は本発明の触媒のパラジウム−ルテニウム複合微粒子中の量比としてもこの範囲であることが好ましい。
この量比は、90:10〜10:90とすることがより好ましく、80:20〜20:80とすることがより好ましく、70:30〜30:70とすることがより好ましく、60:40〜40:60とすることがより好ましい。このような量比として、各成分の量の差が小さくなることでよりパラジウム−ルテニウム複合微粒子としての触媒活性が優れたものとなる。
(含浸・乾燥工程)
本発明の触媒の製造方法は、多孔質体と前駆体溶液を接触させ多孔質体に前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程を有する。前駆体溶液を接触させることで、多孔質体にパラジウム元素と、ルテニウム元素とが溶媒中に溶解(分散)した状態で含浸される。この多孔質体内に含浸されたパラジウム元素とルテニウム元素とは、パラジウム元素とルテニウム元素とが前駆体溶液中の量比に基づいた比率で複合化した状態の微粒子サイズで分散される。
本発明の前駆体含浸多孔質は、この含浸工程によって、多孔質体の内部に、前駆体溶液由来のパラジウム元素とルテニウム元素とが複合化するように分散した状態で含浸されたものである。この含浸工程においては、さらに前駆体溶液の溶媒も除去する乾燥を行ってもよい。本願では、この溶媒が除去された状態も含めて前駆体含浸多孔質と呼ぶ。
(超臨界)
本発明の触媒の製造方法において、含浸工程は、超臨界状態の高圧流体により含浸させるものであることが好ましい。この超臨界流体とは、物質固有の臨界点を超えた流体のことであり、その臨界点を超えた圧力を加えても液化しない非凝縮性の気体である。超臨界状態の高圧流体を用いることで、多孔質体の内部にまで前駆体溶液が含浸されやすくなる。
また、前駆体溶液を多孔質体に含浸させた状態から触媒を得るにあたっては、前駆体溶液の溶媒を取り除くための乾燥を行うことで、多孔質体の孔を開口するほうが好ましい。この溶媒を取り除くにあたっても、超臨界状態の高圧流体を用いることが好ましい。
この含浸工程に用いる超臨界流体は、二酸化炭素の超臨界流体(超臨界CO2)を用いることが好ましい。超臨界CO2は、反応性が低く、臨界温度がおよそ31℃と低く、不燃性であり、人体に対しても毒性が低い。よって、二酸化炭素の超臨界流体はその取り扱いやすさ等も含めて本発明の触媒の多孔質の細孔維持、多孔質内部への前駆体溶液の含浸、分散担持させた状態での乾燥に適している。
この含浸は、二酸化炭素等の高圧流体が超臨界状態となり、前駆体溶液を多孔質体に含浸させることができる条件を適宜設定して実施することができる。より具体的には、前駆体溶液と多孔質体とを耐圧容器に入れ、耐圧容器内を超臨界状態の二酸化炭素等の高圧流体の雰囲気とすることで実施することができる。また、さらに乾燥まで行う場合、この耐圧容器内に超臨界状態の高圧流体を流通させ、その高圧流体の流通に溶媒を同伴させて耐圧容器外に排出し除去することで乾燥することができる。
二酸化炭素が超臨界状態になる臨界点は、304.2K、7.38MPaである。この超臨界状態の二酸化炭素を使用することができる。本発明を実施するにあたっての含浸工程における圧力は、10〜30MPa程度で行うことが好ましい。また含浸工程における温度は、40〜120℃の加熱雰囲気下として行うことがより好ましい。このような圧力や加熱雰囲気下で行うことで、含浸や乾燥処理中に雰囲気条件に変動が生じても、二酸化炭素の超臨界状態を維持しやすく、かつ、溶液の含浸や溶媒の除去が速やかに行われる。一方、圧力が高すぎたり、温度が高すぎると、担体となる多孔質体が変性等する場合があるため、上記範囲内とすることが好ましい。
また、含浸や乾燥のための高圧流体の流通量や流通時間は、前駆体溶液100体積部に対して、二酸化炭素の流通量を5〜200体積部/分、その流通時間を1〜200分程度とすることができる。例えば、好適な実施条件の一例としては、前駆体溶液20mLに対して、1〜20mL/分で、5分以上や10分以上である。
含浸工程における多孔質体と前駆体溶液との接触時の比率は、多孔質体の種類や、前駆体溶液中の溶質濃度等により適宜設定することができる。具体的には、前駆体溶液に多孔質体の全体が浸漬される程度の接触とすることができる。このような比率としては、前駆体溶液:多孔質体の質量比率として、1:10〜1:1000を目安とすることができる。
(多孔質体)
本発明の触媒には多孔質体が用いられる。この多孔質体は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持される場となる細孔(メソポーラス孔等)を有するものである。本発明の触媒に用いられる多孔質体は、多孔性シリカ、多孔性配位高分子、ゼオライト、多孔性アルミナ、多孔性アルミナシリカ、多孔性ジルコニア、およびガリウム酸化物多孔質体からなる群から選択される少なくとも1以上の多孔質体であることが好ましい。また多孔質体には、各種金属元素等の酸化物や窒化物、酸窒化物の多孔質体を用いることもできる。この各種金属元素等としては、典型金属元素や、遷移金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素を単独の元素または適宜組み合わせた元素のものを用いることができる。多孔質体は単独の材質の多孔質体でもよく、複数の材質の多孔質体を組み合わせて利用してもよい。このような多孔質体は、超臨界状態の高圧流体に接触してもその細孔を維持し、比表面積が大きい触媒に適した形状としやすい。
多孔質体の形状は、粒状やシート状、ブロック状等の任意の形状の多孔質体を用いることができる。多孔質体は、適宜、粒状や粉状に粉砕したものを用いてもよく、この粉砕は人手によって行ったり、乳鉢等を用いたり、ボールミル等の破砕装置を使用して粉砕することができる。粉砕する場合、粒径を調整するために篩等により大きさをそろえて利用してもよい。
(多孔性シリカ)
この多孔性シリカは、二酸化ケイ素(シリカ)のゲルを構成成分とするもので、網目状構造の貫通孔と骨格中の微細孔の二段階のポア構造を持つ無機多孔体素材である。この多孔性シリカは、一般的に貫通孔径は0.1〜50μm程度の範囲で制御され、細孔径は100nm以下程度の範囲で制御される。また多孔性シリカの主な物性は一般に、細孔容積は1.5cm3/g以下、比表面積は5〜800m2/g、空隙率はおよそ40〜95%、密度0.1〜0.6g/cm3である。また耐熱温度が大気圧下で800℃と優れている。一般的には界面活性剤を鋳型としたゾルゲル法により製造される。本発明においては、パラジウム−ルテニウム複合微粒子の担持性、本発明の触媒の製造工程における超臨界状態の高圧流体による処理前後の形状安定性、還元処理時の加熱温度への耐性等の観点から、多孔性シリカを多孔質体として好ましく用いることができる。
(多孔性配位高分子)
本発明の多孔質体には多孔性配位高分子を用いることができる。本発明に用いる多孔性配位高分子は、有機配位子と金属イオンからなる均一の細孔を持つ物質である。多孔性配位高分子は、例えば、多孔性配位高分子を溶媒中で合成する多孔性配位高分子の合成工程により合成することができる。
多孔性配位高分子は、その原料となる有機配位子と溶媒中等で金属イオンとなる金属塩等の試薬を溶媒に溶解させ液相で混合反応させる合成工程により製造されることが一般的である。この合成工程は、目的の形態の多孔性配位高分子が生成されるように、有機配位子および金属塩、溶媒の種類や濃度、濃度比を選択し、さらに、反応温度、pH、添加物等の反応条件のパラメータが調整される。この合成工程の反応方法として、溶液拡散法や溶液撹拌法、水熱合成法、マイクロ波法、超音波法等の反応方法があげられる。本発明においては、合成工程後の乾燥工程により細孔を維持することができ、前駆体溶液を含浸させパラジウム−ルテニウム複合微粒子を分散担持させることができるように適宜反応条件のパラメータとなるものを選択し、適した反応方法により合成すればよい。
本発明の多孔性配位高分子は、多孔性配位高分子を形成する架橋性を有する有機配位子であればいずれの有機配位子を用いてもよい。多孔性配位高分子を形成する有機配位子は酸素ドナー性配位子や窒素ドナー性配位子が多く用いられている。一種の多孔性配位高分子を製造するために用いられる有機配位子は、一つの場合もあるが、複数種の有機配位子を使用して得られる多孔性配位高分子もある。
本発明に適したこの有機配位子のより具体的なものとしては、ジカルボン酸やトリカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸としては、マロン酸やシュウ酸、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、置換基を有する芳香族ジカルボン酸である5−シアノ−1,3−ベンジカルボン酸(5-Cyano-1,3-benzenedicarboxylic acid)、5−エチニル−1,3−ベンジカルボン酸(5-Ethynyl-1,3-benzenedicarboxylic acid)、2,2´-ジアミノ−4,4´−スチルベンジカルボン酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、5−ブロモイソフタル酸などを好適に用いることができる。また、トリカルボン酸としてはクエン酸や、芳香族トリカルボン酸であるトリメシン酸、置換基を有する芳香族トリカルボン酸である4,4´,4´´−s−トリアジン−2,4,6−トリイル−三安息香酸や、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン、ビフェニル−3,4´,5−トリカルボン酸などを好適に用いることができる。
本発明に用いる多孔性配位高分子は、前述したジカルボン酸および/またはトリカルボン酸の有機配位子を用いた多孔性配位高分子であることが好ましい。有機配位子は、それを用いた多孔性配位高分子の製造しやすさ、触媒製造時の含浸や分散担持しやすさなどに応じて選択すればよいが、前述した群から選択させる有機配位子はこれらの観点から使用しやすいものであることが好ましい。
また、本発明の多孔性配位高分子は、周期表の多くの金属を用いて製造することができる。本発明においても、有機配位子との組み合わせ等により多孔性配位高分子が形成される金属イオンを適宜選択して使用してよい。具体的に多く使用されている金属としては、Co、Ni、Cu、Fe、Zn、Al、Mg、Cr、Mn、V、Ti、Zrがあげられ、これらからなる群から選択される少なくとも1以上の金属のイオンからなる多孔性配位高分子とすることが好ましい。この金属のイオンは、基本的には合成工程に用いる金属塩の選択により決定される。
多孔性配位高分子を形成する金属のイオンも単独の場合や、複数種の場合があり、有機配位子と金属イオンとの組み合わせ等により多孔性配位高分子の形成しやすさ、得られる多孔性配位高分子の形状、使用環境への適合性等の観点から選択される。
(多孔性配位高分子の製造工程)
本発明の触媒の製造方法は、細孔維持された多孔性配位高分子を得る工程を有するものとしてもよい。この工程は、合成工程で合成される多孔性配位高分子を超臨界二酸化炭素により乾燥することで細孔維持された多孔性配位高分子を得る乾燥工程を有する。前述したような溶媒を用いた合成工程により得られる多孔性配位高分子は、合成直後は溶媒と共存状態にある。多孔性配位高分子に有効物質を含浸させるためには、この溶媒を取り除く必要がある。この溶媒を取り除くにあたり、溶媒除去後にも多孔性配位高分子が細孔を維持するように、本発明においては、超臨界流体である超臨界二酸化炭素により乾燥を行うことができる。
この超臨界流体とした二酸化炭素により多孔性配位高分子内のゲスト分子として残存している溶媒を置換し、その後、圧力を減圧し超臨界流体を除去することで合成された多孔性配位高分子にその構造を破壊する力をほとんどかけずに、細孔が維持された多孔性配位高分子を得ることができる。特に、この乾燥工程に用いる超臨界流体として、二酸化炭素の超臨界流体(超臨界CO2)は、反応性が低く、臨界温度が31℃と低く、不燃性であり、人体に対しても毒性が低いことから、取り扱いやすさ等も含めて多孔性配位高分子の細孔を維持するための乾燥に適している。
この乾燥工程の前に、合成工程後の多孔性配位高分子(またはその溶液)を、反応に用いた溶媒とは異なる溶媒等で洗浄することができる。この洗浄を行うことで、乾燥に用いる超臨界流体では揮発しにくい残存物質等を除去しておいたり、多孔性配位高分子内の溶媒を置換しておいたりすることができるため、製造効率の向上や、得られる多孔性配位高分子の純度向上や、構造の安定といった効果が得られる。
(還元工程)
本発明の触媒の製造方法は、前駆体含浸多孔質を還元する還元工程を有する。この還元により、前駆体含浸多孔質の多孔質内部に分散担持されたパラジウム−ルテニウム複合微粒子は触媒活性を示すものとなり、本発明の触媒が得られる。
本発明の還元工程は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子を還元することができる条件で適宜還元することができる。この還元においては、触媒活性に優れたものを得るための反応時間を考慮して加熱による処理を行なうことができる。
本発明の還元工程は、水素雰囲気下、100℃以上300℃以下で行うことが好ましい。水素雰囲気下で処理することでパラジウム−ルテニウム複合微粒子が触媒活性に優れたものとなるようにより還元されやすい。この水素雰囲気下とは、水素が10体積%以上の雰囲気であり、例えば他に希ガス(He等)の混合ガスの雰囲気も含む状態である。
また、この加熱時の処理温度は高温とするほど還元が速やかに行われるため、100℃以上とすることが好ましい。この温度は、120℃以上や、150℃以上とすることもできる。一方で、温度が高すぎる場合、多孔質体が加熱により変形する恐れがあるため300℃以下とすることが好ましい。この温度は、280℃以下や、250℃以下とすることもできる。
還元工程を経た触媒は、常温・大気圧下に静置したり、適宜、送風等して、常温に冷却することができる。得られた触媒は還元後直ちに利用してもよいし、適宜、保管したり利用環境に適した大きさや形に調整等して利用することもできる。
(触媒)
本発明の触媒は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒である。この触媒は、パラジウムとルテニウムとの複合微粒子により、ロジウム様の触媒活性を示す。
本発明におけるパラジウム−ルテニウム複合微粒子とは、パラジウムとルテニウムとが原子サイズの大きさで複合化し合金化等した微粒子である。この複合化は、例えばHAADF−STEMのように元素を特定し観察できる分析手法により微粒子を観察した時、微粒子の1〜10nm程度の範囲にパラジウムとルテニウムとが共に確認できることをもって複合化していると判断できる。
本発明の触媒は、多孔質体の内部に、パラジウム−ルテニウム複合微粒子が分散担持されている。このパラジウム−ルテニウム複合微粒子の大きさは、多孔質体の細孔の形状や大きさ、触媒製造時の前駆体溶液の溶質濃度等によっても変化するが、一次粒径が1nm〜100nm程度の微粒子とすることができる。この一次粒径の上限は、50nm以下や、20nm以下、10nm以下とすることもできる。この一次粒径は、電子顕微鏡の観察により求めてもよいし、EDXやHAADF−STEMによりパラジウム相当領域とルテニウム相当領域とを特定し、その領域の大きさから求めてもよい。
また、この分散担持状態は、多孔質の細孔にパラジウム−ルテニウムが観察されること、またはその領域が存在しそれらの凝集が少ないことから分散担持されているものとみなすものである。具体的な評価例としては、触媒をSEM−EDXやHAADF−STEMで観察したとき、パラジウム−ルテニウム複合微粒子の粒子径が200nmを超えるものが、0.5個/μm2以下であることが好ましい。より好ましくは0.1個/μm2以下、さらに好ましくは0.05個/μm2以下である。これは凝集が観察されない場合、0個/μm2となる。このSEM−EDXやHAADF−STEM観察は、その触媒について無作為の観察位置で合計10μm2程度、必要に応じて200μm2程度の観察を行った結果でよい。なおこのときパラジウム−ルテニウム複合微粒子は、200nm以下や、100nm以下、50nm以下、10nm以下等の大きさのものが観察される。
また、本発明はパラジウム−ルテニウム複合微粒子を有するが、この複合微粒子は、EDXやHAADF−STEMによりパラジウム相当領域とルテニウム相当領域とを特定し、その領域が重複することから複合微粒子となっているものと判断することができる。
本発明の触媒は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子の担体となる多孔質体の形状を調製することで任意の形状とすることができる。例えば、粒状体の多孔質体を用いることで、粒状の触媒とすることができる。またシート状やブロック状の多孔質体を用いることで、シート状やブロック状の触媒とすることができる。これらの形状は触媒の用途に適した形状を適宜選択し、触媒用の容器に充填して使用したり、そのまま触媒を配置して使用することができる。
本発明の触媒は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子によるロジウム触媒のような様々な触媒作用が期待され、たとえば、酸化触媒や還元触媒として利用できる。より具体的には、一酸化炭素の酸化触媒、窒素酸化物(NOx)の還元触媒、炭化水素(HC)の酸化触媒、水素ガスの酸化触媒として用いることができる。そのため、自動車等の排ガスの浄化触媒や、燃料電池の電極触媒として利用することができる。本発明の触媒は、一酸化炭素の酸化触媒、窒素酸化物の還元触媒、炭化水素の酸化触媒、および水素ガスの酸化触媒からなる群より選ばれる少なくとも1つの触媒として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<評価項目>
[SEM−EDX]:Elionix社製「ERA−8900FE」を用いて、SEM像の観察およびEDXによる元素マッピングを行った。
[HAADF−STEM]:日本電子社製広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡「JEM−ARM200CF」を用いて、高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡(HAADF−STEM)像の観察および元素マッピング、EDXスペクトルの取得を行った。
[TEM]:日本電子社製広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡「JEM−ARM200CF」を用いて、TEM観察を行った。TEM観察用の試料は、試料をエポキシ樹脂に包埋した後、Leica社製ウルトラミクロトームにて薄膜試料を作成して観察した。
[触媒活性(CO酸化反応)]
CO:O2:He(体積比 2:20:78)の混合ガスを、触媒0.1g配置したガラスサンド(直径0.71〜0.99mm)25gを充填したステンレス管(直径3/4インチ、長さ8.5cm)に、100mL/分の流速で流通させ、触媒に接触した流出ガス中のCO濃度から、以下の計算を行いCO酸化による転換率(CO conversion)(%)を求めることで、触媒活性を評価した。なお、CO濃度は、ガスクロマトグラフ(島津製作所GC−8A)により決定した。
CO転換率=[(COの反応前のピーク面積)−(COの反応後のピーク面積)]/COの反応前のピーク面積
<試料等>
(金属化合物原料)
・パラジウム化合物
「Pd(OAc)2」:酢酸パラジウム(東京化成工業社製:純度>98%)
・ルテニウム化合物
「Ru(acac)3」:トリス(2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)(tris(2,4-pentanedionato)-ruthenium(III))(Aldrich社製:純度>97%)
(多孔質体)
「多孔性シリカ(1)」:株式会社エスエヌジー社製粒状モノリス(ゾルゲル法により調製したシリカモノリス、SEM観察により測定した貫通孔径ピーク2μm、窒素吸着法により観察した細孔径が2〜10nm(平均細孔4.4nm)、細孔容積0.64cm3・g-1、BET比表面積590m2・g-1
「多孔性配位高分子(1)」:多孔性配位高分子MIL−101(Cr)
「MIL−101(Cr)」は、テレフタル酸と硝酸Crを原料として、水熱合成法により調製した。具体的には、水に対しテレフタル酸、硝酸クロム酸(III)、フッ化水素を用いて、水:テレフタル酸:硝酸クロム酸(III):フッ化水素を、200(36mL):1(996mg, 2.0mmol):1(2400mg,2.0mmol):1(1.2mL,2.0mmol)の比率でテフロン(登録商標)製容器に仕込んだ。
次に、耐圧のステンレスジャケットで密封し220℃の条件下で水熱条件下にて8時間反応させ合成した。これを60℃のエタノールに2時間つけ洗浄を3回繰り返し、さらにフッ化アンモニウム(1M)に24時間つけた。次に60℃の水に2時間つけ洗浄を3回繰り返し、減圧加熱処理によって乾燥を行なってMIL−101(Cr)を得た。
<触媒の製造工程>
[実施例1]
Pd(OAc)2およびRu(acac)3を用いて、以下のように多孔性シリカ(1)に担持させた触媒(1)の製造を行った。
<溶液調製工程>
溶媒としてアセトンを用いて、「Pd(OAc)2」1g/L、および「Ru(acac)3」1g/Lを含む、溶質濃度2g/Lの前駆体溶液(1)を調製した。
<含浸工程>
前駆体溶液30mLと、多孔質体として乳鉢により粉砕(篩により20〜62μmに分級)した多孔性シリカ(1)0.3gを容積50cm3の耐圧容器に入れ、この容器に、超臨界状態の二酸化炭素を20MPa、50℃にて5mL/minにて注入し、24時間静置して、多孔質体への前駆体溶液の含浸処理を実施して、前駆体含浸多孔質体を得た。また、超臨界状態の二酸化炭素を十分な時間流通していることから、前駆体含浸多孔質体の前駆体溶液の溶媒も除去され乾燥された状態で得られた。
含浸・乾燥が完了し、耐圧容器の圧力・温度が常温・常温に戻った後、耐圧容器からパラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持された前駆体含浸多孔質体(1)を得た。
<還元工程>
前駆体含浸多孔質体(1)を水素雰囲気下(H2:He=50体積部:50体積部)で、200℃に加熱した状態で4時間静置し、前駆体含浸多孔質体(1)に担持されたパラジウム−ルテニウム複合微粒子を還元処理した。この還元処理を経て触媒(1)を得た。
<評価> 得られた触媒(1)について、以下の評価を行った。
SEM観察:触媒(1)をSEM観察した結果を図1に示す。触媒(1)は多孔性シリカ(1)の表面形状の変化が少なく細孔が維持されたものであった。
EDX分析:触媒(1)をEDXによる元素分析の結果を図2に示す。触媒(1)は、多孔性シリカ(1)由来のSi元素の分布に、「Pd」元素と「Ru」元素の分布が対応した状態が確認された。このことから、多孔性シリカにPd,Ruが均一に固定されていることが確認された。
TEM観察:触媒(1)をTEM観察した結果を図3に示す。触媒(1)の多孔性シリカ(1)の断面を観察したところ、多孔性シリカ(1)の細孔に数nmの粒子が固定化されていることが確認された。
HAADF−STEM:触媒(1)をHAADF−STEMにより観察し元素マッピングした結果を図4に示す。HAADF−STEM像および元素マッピングの結果より、数nm程度の大きさの同一の粒子からPdおよびRuに起因する元素を検出できた。よって、多孔性シリカ(1)の細孔に固定化された粒子は、PdとRuの複合微粒子であることが確認された。この複合微粒子は合金化していると考えられる。
EDXスペクトル:触媒(1)をEDXスペクトルで分析した結果を、図5に示す。EDXスペクトルからも、パラジウムとルテニウムとが確認された。
触媒活性:触媒(1)の触媒活性(CO酸化反応)の試験結果を図6に示す。なお、図6には、実施例1に準じる工程で前駆体溶液の溶質としてPd化合物またはRu化合物の一方のみを用いて製造された、Pd単独、またはRu単独を担持させた触媒の評価結果も合わせて示す。また、実施例1に準じる工程で前駆体溶液の溶質として「Rh(acac)3」:ロジウム(III)アセチルアセトナート(rhodium(III) acetylacetonate)(Aldrich社製:純度>97%)を用いて製造されたRh単独を担持させた触媒の評価結果も合わせて示す。
図6において、「Pd+Ru」は本発明に係る触媒(1)であり、「Ru」はRu単独の触媒であり、「Pd」はPd単独の触媒であり、「Rh」はRh単独の触媒である。
Pd単独またはRu単独のみを担持した触媒の場合、COを100%酸化するために約200℃で反応させる必要があった。しかしながら、本発明に係る触媒(1)は、パラジウム−ルテニウム複合微粒子を有し、約150℃でCOを100%酸化でき、Pd単独やRu単独の触媒に比べ、低温度で高い触媒活性を示すことが確認された。また、本発明に係る触媒(1)はRh単独を担持させた触媒と同等の触媒活性を得た。
[実施例2]
実施例1に準じて、Pd(OAc)2およびRu(acac)3を用いて、多孔性配位高分子(1)にパラジウム−ルテニウム複合微粒子を担持させた触媒(2)の製造を行った。この触媒(2)は、多孔性シリカ(1)に代えて多孔性配位高分子(1)を用いた以外は、実施例1と同様に製造したものである。触媒(2)の評価結果の概要を以下に示す。
SEM観察:図7は、触媒(2)のSEM観察像である。多孔性配位高分子の細孔に均一に微粒子が固定化されていることが確認された。
HAADF−STEM: 図8はHAADF−STEM像および元素マッピングの結果である。約300nmの大きさの同一の粒子からPdおよびRuに起因する元素を検出できたことから、多孔性配位高分子に固定化された粒子は、PdとRuの複合微粒子であることが分かった。
EDXスペクトル:触媒(2)をEDXスペクトルで分析した結果を、図9に示す。EDXスペクトルからも、パラジウムとルテニウムとが確認された。
触媒活性:触媒(1)および触媒(2)の触媒活性(CO酸化反応)の試験結果を図10に示す。図10には図6に示した実施例1の評価結果を合わせて示す。図10の「Pd+Ru(多孔性シリカ)」が、実施例1の触媒(1)の評価結果である。図10の「Pd+Ru(MIL−101(Cr))」が触媒(2)の評価結果である。CO酸化反応における触媒活性を評価した結果、多孔性配位高分子を用いる触媒(2)は120℃程度でCOの除去が可能であり、多孔性シリカを用いた触媒(1)よりもさらに触媒活性に優れていた。
本発明によれば、三元触媒等に利用することができるパラジウム−ルテニウム複合微粒子を多孔質体に分散担持させた触媒が提供され産業上有用である。

Claims (14)

  1. パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、
    多孔質体と前記前駆体溶液を接触させ前記多孔質体に前記前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程と、
    前記前駆体含浸多孔質を還元する還元工程とを有する
    パラジウム−ルテニウム複合微粒子が担持された触媒を製造する方法。
  2. 前記前駆体溶液に含まれるパラジウム化合物のパラジウムと、ルテニウム化合物のルテニウムとの量比(パラジウム:ルテニウム)が、99:1〜1:99である請求項1記載の触媒を製造する方法。
  3. 前記前駆体溶液の溶媒が、ケトン系溶媒および、低級アルコール系溶媒、芳香族炭化水素溶媒からなる群から選択される少なくとも1以上の溶媒である請求項1または2記載の触媒を製造する方法。
  4. 前記前駆体溶液の溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、およびキシレンからなる群から選択される少なくとも1以上の溶媒である請求項3記載の触媒を製造する方法。
  5. 前記パラジウム化合物が、パラジウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、および金属錯体からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
  6. 前記ルテニウム化合物が、ルテニウムの塩化物塩、硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、および金属錯体からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
  7. 前記含浸工程が、超臨界状態の高圧流体により含浸させるものである請求項1〜6のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
  8. 前記高圧流体が、二酸化炭素である請求項7記載の触媒を製造する方法。
  9. 前記多孔質体が、多孔性シリカ、多孔性配位高分子、ゼオライト、多孔性アルミナ、多孔性アルミナシリカ、多孔性ジルコニア、およびガリウム酸化物多孔質体からなる群から選択される少なくとも1以上の多孔質体である請求項1〜8のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
  10. 前記還元工程が、水素雰囲気下、100℃以上300℃以下で行う還元である請求項1〜9のいずれかに記載の触媒を製造する方法。
  11. パラジウム−ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒。
  12. 前記パラジウム−ルテニウム複合微粒子のパラジウムとルテニウムとの量比(パラジウム:ルテニウム)が、99:1〜1:99である請求項11記載の触媒。
  13. 前記多孔質体が、多孔性シリカ、多孔性配位高分子、ゼオライト、多孔性アルミナ、多孔性アルミナシリカ、多孔性ジルコニア、およびガリウム酸化物多孔質体からなる群から選択される少なくとも1以上の多孔質体である請求項11または12記載の触媒。
  14. SEM−EDXまたはHAADF−STEMで観察したとき、粒子径が200nmを超えるパラジウム−ルテニウム複合微粒子が、0.5個/μm2以下である請求項11〜13のいずれかに記載の触媒。
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