<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における管理システム1の模式図である。第1実施形態の管理システム1は、利用者Uのカロリー収支を管理するためのシステムであり、運動機器10と情報処理装置50とを具備する。運動機器10は、利用者Uが運動のために使用する器具である。第1実施形態の運動機器10は、利用者Uがサドル11に着席した姿勢で両脚を交互に屈伸することでペダル12を回転させる自転車型の健康器具(フィットネスバイク)である。情報処理装置50は、例えば携帯電話機またはスマートフォン等の可搬型の情報端末である。なお、運動機器10の専用の端末装置を情報処理装置50として利用してもよい。
図2は、運動機器10および情報処理装置50の構成を示すブロック図である。図2に例示される通り、運動機器10は、制御装置21と記憶装置22と表示装置23と通信装置24と生体検出機器25と運動検出機器26と負荷機構27とを具備する。
制御装置21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の処理回路を含んで構成され、運動機器10の各要素を統括的に制御する。記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として任意に採用され得る。
負荷機構27は、ペダル12の回転に負荷を付与する機構である。第1実施形態の負荷機構27は負荷を変更可能である。具体的には、負荷機構27は、ペダル12に連動して回転する円板状の回転体271(フライホイール)と、回転体271の回転抵抗(すなわち負荷)を例えば磁気的に調整する調整機構272とを含んで構成される。なお、運動機器10の負荷を変更するための構成は以上の例示に限定されない。例えば回転体271に接触する部材の摩擦力を調整することで運動機器10の負荷を変更してもよい。
運動検出機器26は、負荷機構27の動作を検出するセンサーである。第1実施形態の運動検出機器26は、回転体271の回転を検出する。運動検出機器26の具体的な構成は任意であるが、例えば、回転体271に光を照射する発光素子と、回転体271から反射した光を受光する受光素子とを含む光学センサーが、運動検出機器26として好適である。回転体271の回転に連動して信号レベルが周期的に変動する検出信号が運動検出機器26から出力される。
生体検出機器25は、利用者Uの脈拍を検出するためのセンサーである。生体検出機器25の具体的な構成は任意であるが、例えば、利用者Uの身体に光を照射する発光素子と、身体の内部を通過した光を受光する受光素子とを含む光学センサーが、生体検出機器25として好適である。利用者Uは、生体検出機器25を身体の特定の部位(例えば耳介)に装着した状態で、運動機器10を利用した運動を実行する。利用者Uの拍動に連動して信号レベルが周期的に変動する検出信号が生体検出機器25から出力される。
図3は、運動機器10および情報処理装置50の機能的な構成を示すブロック図である。図3に例示される通り、運動機器10の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(演算処理部211および負荷制御部212)を実現する。
負荷制御部212は、運動機器10(具体的には負荷機構27)の負荷Lを制御する。具体的には、負荷制御部212は、調整機構272を制御することで回転体271の回転抵抗を調整する。運動機器10を利用した運動で利用者Uが消費するカロリーは運動機器10の負荷Lに応じて変化する。具体的には、運動機器10の負荷Lが大きいほど、利用者Uが消費するカロリーは増加する。例えば、負荷Lは、数値により複数の段階(例えば1〜16の計16段階)の何れかに制御される。数値が小さいほど負荷Lは小さくなり、数値が大きいほど負荷Lは大きくなる。
演算処理部211は、運動検出機器26から出力される検出信号を解析することで回転体271の回転数Rを算定する。回転数Rは、単位時間(例えば1分)毎に回転体271が回転する回数である。演算処理部211は、回転体271が1回転する時間から回転数Rを算定する。また、演算処理部211は、生体検出機器25から出力される検出信号を解析することで利用者Uの脈拍数(心拍数)Pを算定する。脈拍数Pは、単位時間(例えば1分)毎の脈拍の回数である。第1実施形態の演算処理部211は、回転数Rおよび脈拍数Pの算定を所定の周期で反復する。回転数Rおよび脈拍数Pの算定には、公知の技術が任意に採用される。運動機器10により運動している利用者Uの脈拍数Pは、運動機器10の負荷が大きいほど増加し易いという傾向がある。
通信装置24は、情報処理装置50と通信する。運動機器10と情報処理装置50との間の通信は、例えばBluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信である。なお、運動機器10と情報処理装置50とは有線で通信してもよい。図3に例示される通り、第1実施形態の通信装置24は、演算処理部211が算定した回転数Rおよび脈拍数Pを情報処理装置50に送信する。通信装置24による回転数Rおよび脈拍数Pの送信は、演算処理部211による算定毎に所定の周期で反復される。
図2の表示装置23は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)表示パネルで構成され、制御装置21から指示された画像を表示する。具体的には、運動機器10または利用者Uの状態に応じた各種の情報が表示装置23に表示される。例えば、運動機器10が単独で使用される場合(すなわち運動機器10が情報処理装置50と通信しない状態)では、演算処理部211が算定した脈拍数Pまたは回転数Rと、負荷制御部212が設定した負荷Lとが表示装置23に表示される。また、運動機器10と情報処理装置50との間に通信経路が確立した状態では、運動機器10が情報処理装置50により制御される状態であることを示す画像が表示装置23に表示される。
図2に例示される通り、情報処理装置50は、制御装置51と記憶装置52と通信装置53と表示装置54と入力装置55とを具備するコンピュータシステムである。表示装置54は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネルで構成され、制御装置51から指示された画像を表示する。入力装置55は、利用者Uからの操作を受付ける操作機器である。具体的には、利用者Uが操作可能な複数の操作子、または、表示装置54の表示面に対する接触を検知するタッチパネルが、入力装置55として好適に利用される。通信装置53は、運動機器10と通信する。具体的には、通信装置53は、運動機器10から送信された脈拍数Pおよび回転数Rを受信する。
制御装置51は、例えばCPU等の処理回路を含んで構成され、情報処理装置50の各要素を統括的に制御する。記憶装置52は、制御装置51が実行するプログラム(以下「身体管理プログラム」という)と制御装置51が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置52として任意に採用され得る。なお、情報処理装置50とは別体の記憶装置52(例えばクラウドストレージ)を利用することも可能である。
第1実施形態の記憶装置52は、例えば利用者情報を記憶する。利用者情報は、利用者Uの身体または生活に関する情報である。具体的には、利用者情報は、利用者Uの性別,体重,身長,年齢,活動強度,活動時間および目標体重を含む。活動強度は、利用者Uの日常的な活動量の指標であり、複数の段階の何れかに設定される。活動時間は、利用者Uが活動する時間であり、具体的には起床時刻と就寝時刻とで指定される。目標体重は、利用者Uの体重の目標値である。なお、利用者Uが目標体重を指定していない場合には、目標体重が設定されていない状態(以下「目標未設定状態」という)となる。
制御装置51は、記憶装置52に記憶された身体管理プログラムを実行することで、図3に例示される通り、利用者Uのカロリー収支を管理するための複数の機能(収支管理部511,運動決定部512,表示制御部513および運動制御部514)を実現する。なお、制御装置51の一部の機能を専用の電子回路で実現した構成、または、制御装置51の機能を複数の装置に分散した構成を採用してもよい。
収支管理部511は、利用者Uの1日(24時間)毎のカロリー収支を管理する。カロリー収支は、利用者Uが摂取したカロリーと消費したカロリーとの関係である。収支管理の時間的な単位である1日は、利用者Uの活動時間に応じた時点を始点または終点とする期間である。すなわち、第1実施形態の収支管理部511は、利用者Uの活動時間に応じて1日の始点または終点を自動的に設定する。例えば、利用者情報が示す利用者Uの起床時刻から所定の時間(例えば2時間)だけ手前の時点を始点として1日が画定される。以上の説明から理解される通り、収支管理の単位となる1日は、午前零時から24時間にわたる固定の期間ではなく、利用者Uの活動時間に応じた可変の始点から24時間にわたる期間である。すなわち、1日の始点および終点が利用者U毎に個別に設定される。
第1実施形態の収支管理部511は、利用者Uが1日内に摂取することが許容されるカロリーの残量(以下「残余カロリー」という)Crを算定する。残余カロリーCrは、以下の数式(1)で表現される通り、許容カロリーCaと摂取カロリーCiとの差分である。
残余カロリーCr=許容カロリーCa−摂取カロリーCi …(1)
許容カロリーCaは、利用者Uが1日に摂取することが許容されるカロリーの合計値であり、摂取カロリーCiは、利用者Uが例えば食品により摂取したカロリーである。数式(1)から理解される通り、残余カロリーCrは、摂取カロリーCiが許容カロリーCaに到達するまでに1日内で利用者Uが摂取できるカロリーの残量である。
許容カロリーCaは、以下の数式(2)で表現される通り、目標カロリーCtと消費カロリーCbとの合計である。
許容カロリーCa=目標カロリーCt+消費カロリーCb …(2)
目標カロリーCtは、利用者Uが1日に摂取すべきカロリーの目標値である。消費カロリーCbは、日常生活以外の積極的ないし自発的な運動により利用者Uが1日に消費した合計のカロリーである。数式(2)から理解される通り、例えば利用者Uの運動により消費カロリーCbが増加するほど、許容カロリーCaは増加する。すなわち、運動によりカロリーを消費した分だけ、利用者Uは余分にカロリーを摂取できる。
摂取カロリーCiが許容カロリーCaを下回る状態では(Ci<Ca)、残余カロリーCrは正数である。すなわち、利用者Uは、現時点から1日の終点までに最大で残余カロリーCrを摂取することが許容される。他方、例えば利用者Uの過食により摂取カロリーCiが許容カロリーCaを上回ると(Ci>Ca)、残余カロリーCrは負数となる。以下の説明では、残余カロリーCrが負数である場合の当該数値の絶対値を「過剰カロリーCe」と表記する。すなわち、過剰カロリーCeは、許容カロリーCaを超過して利用者Uが1日に摂取した過剰なカロリーである。過剰カロリーCeを解消するためには、利用者Uは、例えば運動により当該過剰カロリーCeを消費する必要がある。
図4に例示される通り、第1実施形態の収支管理部511は、目標カロリー設定部61と摂取カロリー特定部62と消費カロリー特定部63と残余カロリー算定部64とを含んで構成される。
目標カロリー設定部61は、目標カロリーCtを設定する。第1実施形態の目標カロリーCtは、日常生活の維持および目標の減量の達成のために利用者Uが1日に摂取すべきカロリーである。具体的には、目標カロリー設定部61は、利用者Uの基礎代謝量と活動強度と減量幅と減量期間とから目標カロリーCtを算定する。基礎代謝量は、利用者Uの生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギーであり、利用者情報が示す性別,身長,体重および年齢に応じて設定される。基礎代謝量と活動強度とに応じて生活活動量が算定される。摂取カロリーCiが生活活動量と同等である場合、理論的には利用者Uの体重は増減しない。
減量幅は、利用者情報が示す目標体重と利用者Uの実際の体重との差分である。具体的には、減量幅は、利用者Uが体重を目標体重まで減量するために必要な体重の変化量である。減量期間は、利用者Uの体重を目標体重に調整するための期間の時間長である。第1実施形態では減量期間を固定長(例えば1ヶ月)とした場合を例示するが、減量期間を可変長としてもよい。減量期間(具体的には日数)で減量幅を除算した結果は、利用者Uの1日毎の体重の減少量(以下「単位減量幅」という)に相当する。目標カロリー設定部61は、以上に説明した単位減量幅を達成するために消費すべきカロリーを生活活動量から減算した数値を1日の目標カロリーCtとして設定する。目標体重が変更されるたびに目標カロリーCtは更新される。なお、目標カロリーCtを例えば曜日毎に設定してもよい。例えば、平日(月曜日から金曜日)と終末(土曜日および日曜日)とで目標カロリーCtを相違させてもよい。
ただし、単位減量幅が過大である場合には利用者Uの健康が損なわれる可能性がある。そこで、第1実施形態の目標カロリー設定部61は、所定の制限値を下回る範囲で単位減量幅を設定する。すなわち、利用者Uの減量幅を減量期間で除算した数値が制限値を上回る場合には、当該制限値が単位減量幅として設定される。以上の構成によれば、利用者Uの健康を損なうような過剰な減量を防止できるという利点がある。なお、減量期間で減量幅を除算した数値が制限値を上回る場合に、当該制限値を単位減量幅として設定するとともに調整期間を伸長してもよい。また、単位減量幅を制限しない構成も想定される。
図4の摂取カロリー特定部62は、利用者Uの1日の摂取カロリーCiを特定する。具体的には、摂取カロリー特定部62は、入力装置55に対する利用者Uからの指示(具体的には食事内容の指定)に応じて摂取カロリーCiを特定する。他方、消費カロリー特定部63は、利用者Uの1日の消費カロリーCbを特定する。具体的には、消費カロリー特定部63は、入力装置55に対する利用者Uからの指示(具体的には運動内容の指定)に応じて消費カロリーCbを特定する。摂取カロリーCiおよび消費カロリーCbは、1日の始点においてゼロに初期化される。なお、摂取カロリーCiおよび消費カロリーCbの特定については、表示装置54による画面例を参照しながら後述する。
残余カロリー算定部64は、利用者Uの1日の残余カロリーCrを算定する。具体的には、残余カロリー算定部64は、目標カロリー設定部61が設定した目標カロリーCtと、摂取カロリー特定部62が特定した摂取カロリーCiと、消費カロリー特定部63が特定した消費カロリーCbとを、前掲の数式(1)および数式(2)に適用することで、残余カロリーCrを算定する。残余カロリーCrが負数である場合、残余カロリー算定部64は、当該負数の絶対値を過剰カロリーCeとして算定する。すなわち、残余カロリー算定部64は、過剰カロリーCeを算定する要素(過剰カロリー算定部)として機能する。前述の通り、摂取カロリーCiと消費カロリーCbとは1日の始点でゼロに初期化されるから、残余カロリーCrは1日の始点において目標カロリーCtに初期化される。
図3の運動決定部512は、残余カロリー算定部64が算定した過剰カロリーCeを消費するために利用者Uが実行すべき1日の運動の運動量を決定する。第1実施形態の運動決定部512は、運動機器10を利用した運動の継続時間(以下「運動時間」という)Tを運動量として決定する。具体的には、運動機器10の負荷Lが所定値に設定された状態で利用者Uが運動機器10により運動した場合(例えば所定の回転数でペダル12を回転させた場合)における単位時間あたりの消費カロリー(以下「単位消費カロリー」という)が、記憶装置52に保持される。運動決定部512は、過剰カロリーCeを単位消費カロリーで除算することで、運動機器10を使用した運動により当該過剰カロリーCeを消費するための運動時間Tを算定する。なお、利用者情報(例えば利用者Uの性別,体重,身長,年齢,活動強度)に応じて運動決定部512が単位消費カロリーを設定してもよい。すなわち、過剰カロリーCeが同じ場合でも、運動時間Tは利用者情報に応じて相違し得る。すなわち、運動時間T(運動量)は、少なくとも過剰カロリーCeに応じて設定され、利用者情報等の他の情報を加味して設定されてもよい。
表示制御部513(提示処理部の例示)は、カロリー収支に関する各種の画像を表示装置54に表示させる。第1実施形態の表示制御部513は、運動決定部512が決定した運動時間Tを利用者Uに提示する。具体的には、表示制御部513は、運動時間Tを含む図15の運動提示画面Ggを表示装置54に表示させる。図15に例示される通り、第1実施形態では、運動機器10を使用した運動で過剰カロリーCeを消費するために必要な運動時間T(目標時間)と、運動時間Tにわたる運動で消費されるカロリー(推定消費カロリー)とが表示装置54に表示される。推定消費カロリーは、過剰カロリーCeに近似または一致する。利用者Uは、表示装置54の表示を視認することで、過剰カロリーCeを消費するために必要な運動時間Tを確認することが可能である。
図3の運動制御部514は、運動決定部512により決定された運動量の運動が可能な状態に運動機器10を制御する。第1実施形態の運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを制御することが可能である。図5は、運動制御部514が運動機器10を制御する動作(以下「運動制御処理」という)のフローチャートである。例えば入力装置55に対する利用者Uからの操作を契機として図5の運動制御処理が開始される。
運動制御処理を開始すると、運動制御部514は、通信装置53を制御することで、運動機器10の通信装置24と情報処理装置50の通信装置53との間の通信経路を確立する(S1)。情報処理装置50と運動機器10との間の通信経路が確立すると、運動機器10は、情報処理装置50からの指示を受付可能な状態となり、演算処理部211が算定した回転数Rおよび脈拍数Pを通信装置24から送信する動作を開始する。また、運動機器10の負荷Lは所定値(例えば1〜16のうちの4)に初期化される。前述の通り、回転数Rおよび脈拍数Pの送信は、例えば所定の周期で反復される。運動制御部514は、通信装置53が運動機器10から受信した脈拍数Pを取得する(S2)。なお、通信装置53が運動機器10から受信した回転数Rは、表示装置54による画像(後述の運動管理画面Gh)の表示に利用される。
運動制御部514は、生体検出機器25による脈拍数Pの検出が有効であるか否かを判定する(S3)。例えば生体検出機器25が利用者Uの身体に適切に装着されていない状態では、利用者Uの脈拍数Pが有効に検出されない。したがって、運動機器10から送信される脈拍数Pは、例えば無効値(例えばNULL値等の異常値)に設定される。運動制御部514は、脈拍数Pが所定の範囲内の数値であるか否かに応じて、生体検出機器25による脈拍数Pの検出が有効であるか否かを判定する。
脈拍数Pの検出が有効である場合(S3:YES)、運動制御部514は、脈拍数Pが所定の範囲(以下「目標範囲」という)内の数値であるか否かを判定する(S4)。目標範囲は、脈拍数Pの目標値を含む所定の数値範囲である。脈拍数Pの目標値は、例えば利用者情報が示す利用者Uの性別および年齢に応じて設定される。例えば、利用者Uの性別および年齢に応じた上限脈拍値に所定の係数(例えば65%)を乗算した数値が、脈拍数Pの目標値として好適である。
脈拍数Pが目標範囲内の数値でない場合(S4:NO)、運動制御部514は、運動機器10における運動機器10の負荷Lを制御する(S5)。具体的には、脈拍数Pが目標範囲の上限値を上回る場合(例えば負荷Lが過大である場合)、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを減少させる指示を通信装置53から運動機器10に送信する。運動機器10の負荷制御部212は、通信装置24が情報処理装置50から受信した指示に応じて運動機器10の負荷Lを減少させる。他方、脈拍数Pが目標範囲の下限値を下回る場合(例えば負荷Lが不足している場合)、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを増加させる指示を通信装置53から運動機器10に送信する。運動機器10の負荷制御部212は、通信装置24が情報処理装置50から受信した指示に応じて運動機器10の負荷Lを増加させる。以上の説明から理解される通り、運動制御部514は、生体検出機器25により検出された利用者Uの脈拍数Pが所定の目標値に近付く(具体的には目標範囲内に維持される)ように運動機器10の負荷Lを制御する。なお、以上の例示では、運動機器10の負荷Lの増加または減少を運動制御部514が指示したが、運動機器10の負荷Lの数値を運動制御部514が運動機器10に指示してもよい。
他方、脈拍数Pが有効な数値でない場合(S3:NO)、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lの制御を実行しない。具体的には、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを変化させる指示の送信を停止する。すなわち、生体検出機器25により脈拍数Pが適正に検出されていない状態では、運動制御部514は運動機器10の負荷Lを変化させない。また、脈拍数Pが目標範囲内の数値である場合(S4:YES)にも同様に、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lの制御を実行しない。なお、運動機器10の負荷Lを変化させない構成としては、運動機器10の負荷Lを維持する指示を運動機器10に継続的に送信する構成や、運動機器10の負荷Lに関する同じ指示値(例えば1〜16の何れかの数値)を運動機器10に対して継続的に送信する構成も想定される。
以上の処理が完了すると、運動制御部514は、運動機器10を使用した今回の運動により現時点までに利用者Uが消費したカロリー(以下「運動消費カロリー」という)Cmを算定する(S6)。具体的には、運動制御部514は、現時点における運動機器10の負荷Lと回転数R、運動開始からの経過時間および利用者Uの基礎代謝量とに応じて、運動消費カロリーCmを算定する。例えば、負荷Lに応じて設定された消費カロリーに運動開始からの経過時間を乗算することで、運動消費カロリーCmが算定される。
運動制御部514は、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達したか否かを判定する(S7)。運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合(S7:YES)、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lの制御を停止する(S8)。その後、運動制御部514は、通信装置53を制御することで、運動機器10の通信装置24と情報処理装置50の通信装置53との間の通信経路を解消する。情報処理装置50と運動機器10との間の通信経路が解消されると、運動機器10は、情報処理装置50からの指示を受付けない状態となる。また、運動制御部514は、運動消費カロリーCmを消費カロリーCbに加算する(S9)。
前述の通り、運動時間Tは、運動機器10の負荷Lが所定値に設定された状態で過剰カロリーCeを消費するための時間に設定される。他方、第1実施形態では、利用者Uによる実際の運動に並行して運動機器10の負荷Lが刻々と変更され得る。したがって、運動決定部512が決定した運動時間Tとは異なる時間で運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達する可能性がある。第1実施形態では、以上に説明した通り、利用者Uが運動を継続した時間(以下「運動継続時間」という)が運動時間Tに到達したか否かに関わらず、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合には、過剰カロリーCeを利用者に消費させるための運動機器10の負荷Lの制御(具体的には利用者Uの脈拍数Pを所定値に近付けるための負荷Lの制御)が停止される。すなわち、運動時間Tではなく運動消費カロリーCmに着目して運動機器10の負荷Lが制御される。したがって、運動決定部512が決定した運動時間Tと運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達するまでの時間とが相違する場合でも、利用者Uのカロリー収支を適切に管理することが可能である。
以上の手順で負荷Lの制御が停止すると、所定の時間(例えば2分)にわたるクールダウンのための期間を経て、運動機器10を使用した運動が終了する。クールダウンのための期間では、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを段階的に減少させる。具体的には、運動制御部514は、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した時点での負荷Lの数値を例えば2段階だけ下回る数値に設定した状態でクールダウンを開始させる。そして、運動制御部514は、例えば2段階ずつ負荷Lを減少させ、最後に負荷Lを最小値(例えば1)に設定して終了させる。クールダウンのための期間は、固定長でもよいし、例えばクールダウンの開始時の負荷Lの数値に応じた可変長でもよい。
他方、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達していない場合(S7:NO)、運動制御部514は、処理をステップS2に移行する。すなわち、通信経路を維持した状態で、利用者Uの脈拍数Pに応じて運動機器10の負荷Lが制御され(S2〜S5)、運動消費カロリーCmが更新される(S6)。
以上に説明した通り、第1実施形態では、利用者Uが過剰に摂取した過剰カロリーCeを消費するための運動の運動量(運動時間T)が利用者Uに提示される。したがって、カロリー収支をゼロに近付けるために必要な運動量を利用者Uが把握できるという利点がある。
運動決定部512により決定された運動時間Tの運動が可能な状態に運動機器10が制御されるから、利用者Uの手動の操作により運動機器10を当該状態に遷移させる必要がないという利点がある。また、利用者Uの脈拍数Pが目標値に近付くように運動機器10の負荷Lが制御される。したがって、利用者Uの脈拍数Pを適切な範囲に維持した状態で、過剰カロリーCeを消費するための運動を実行することが可能である。さらに、生体検出機器25による脈拍数Pの検出が有効でない場合には運動機器10の負荷Lの変化が停止するから、脈拍数Pを適切に検出できない状態にも関わらず運動機器10の負荷Lが変動する事態を防止できるという利点がある。
<表示画面の具体例>
表示制御部513が表示装置54に表示させる画面の具体例を以下に説明する。なお、以下の説明における「操作部」は、利用者Uからの指示を受付けるための画像であり、典型的にはアイコンやソフトウェアボタンである。
<情報入力画面Ga>
記憶装置52に記憶された身体管理プログラムが最初に起動されると、表示制御部513は、図6および図7に例示される通り、利用者情報を利用者Uが入力するための情報入力画面Gaを表示装置54に表示させる。情報入力画面Gaで入力された情報(性別,体重,身長,年齢,活動強度、活動時間および目標体重)が利用者情報として記憶装置52に保持される。
図6および図7に例示される通り、情報入力画面Gaは、時系列領域Za1を含む画像である。時系列領域Za1には、複数の案内メッセージZa2と複数の入力メッセージZa3とが時系列で順次に表示される。各案内メッセージZa2は、利用者Uが入力すべき項目を案内するための文字列である。他方、入力メッセージZa3は、利用者Uが入力した情報を表す文字列である。利用者Uは、入力装置55を適宜に操作することで、時系列領域Za1内の画像(例えば案内メッセージZa2および入力メッセージZa3の時系列)を、時間軸の方向(具体的には縦方向)に任意にスクロールすることが可能である。
身長または体重等の数値を利用者Uに入力させる場合、表示制御部513は、図6に例示された数値入力領域Za4を情報入力画面Gaに表示させる。数値入力領域Za4は、数値目盛Za41と指示子Za42と操作部Za43とを含む画像である。利用者Uは入力装置55を操作することで数値目盛Za41を横方向に移動させることが可能である。指示子Za42は、数値目盛Za41における1個の地点を指示する。数値目盛Za41のうち、操作部Za43が操作された時点で指示子Za42の指示する数値が、利用者情報(特に身長または体重等)の入力値として確定する。
また、例えば生活強度のように複数の選択肢の何れかを利用者Uに選択させる場合、表示制御部513は、図7に例示される通り、利用者Uによる選択の候補となる複数の選択肢Za51〜Za54を時系列領域Za1内に表示する。具体的には、過去の案内メッセージZa2および入力メッセージZa3の時系列に後続するように、複数の選択肢Za51〜Za54が時間軸の方向(すなわち縦方向)に配列される。例えば、生活強度については、「LV1 デスクワークと同等」「LV2 主婦・主夫と同等」「LV3 営業職程度」および「LV4 肉体労働系の仕事並み」という4個の選択肢Za51〜Za54が時系列領域Za1内に表示される。利用者Uは、入力装置55を適宜に操作することで複数の選択肢Za51〜Za54の何れかを選択することができる。複数の選択肢Za51〜Za54のうち利用者Uが選択した1個の選択肢Za5(Za51〜Za54の何れか)が利用者情報の入力値として確定する。選択肢Za5が確定すると、表示制御部513は、時系列領域Za1内に配列された複数の選択肢Za51〜Za54を時系列領域Za1から削除し、利用者Uが選択した1個の選択肢Za5を先頭の選択肢Za51の位置に表示し直す。
ところで、複数の選択肢Za51〜Za54を表示する構成としては、情報入力画面Gaのうち時系列領域Za1とは別個の領域(以下「選択肢領域」という)に複数の選択肢Za51〜Za54を表示する構成(以下「対比例」という)を採用してもよい。ただし、対比例においては、各選択肢Za5の文字数や選択肢Za5の総数に応じて複数の選択肢Za5の配置(レイアウト)や選択肢領域のサイズを変更する必要がある。対比例とは対照的に、第1実施形態では、複数の選択肢Za51〜Za54が案内メッセージZa2や入力メッセージZa3とともに時系列領域Za1内に時系列に表示される。したがって、各選択肢Za5の文字数や選択肢Za5の総数が変化した場合でも、複数の選択肢Za51〜Za54の配置や選択肢領域のサイズを変更する必要がないという利点がある。ただし、対比例も本発明の範囲には含まれる。
<収支管理画面Gb>
以上に例示した情報入力画面Gaにおける情報の入力が完了すると、表示制御部513は、図8に例示される通り、利用者Uの1日のカロリー収支を提示するための収支管理画面Gbを表示装置54に表示させる。情報入力画面Gaにおける情報の入力が完了した以降に身体管理プログラムが起動されると、収支管理画面Gbが最初に表示される。したがって、収支管理画面Gbはホーム画面とも表記される。
収支管理画面Gbには目標画像Zb0が表示される。目標画像Zb0は、利用者Uの減量の進捗を表す画像であり、目標体重に到達するまでの単位減量幅と減量期間の残数とを含む。図8では、単位減量幅が0.5kgであり、減量期間の残数が14日である場合が例示されている。なお、目標体重が指定されていない目標未設定状態では、目標画像Zb0に代えて目標設定ボタンが表示される。利用者Uが目標設定ボタンを操作すると情報入力画面Gaに遷移して、利用者Uからの指示に応じた目標体重の設定が実行される。
収支管理画面Gbは、収支管理部511が算定する残余カロリーCrを表現する。具体的には、収支管理画面Gbは、収支表示円Zb1と残余表示部Zb2とを含んで構成される。収支表示円Zb1は、1周(360度)が許容カロリーCaを表す円グラフである。残余カロリーCrの数値が収支表示円Zb1に重ねて表示される。
図8に例示される通り、収支表示円Zb1には、当該収支表示円Zb1の中心から上方に延在する基準線Zb11と、当該中心を通過する指示線Zb12とが表示される。指示線Zb12は、摂取カロリーCiおよび残余カロリーCrを表す直線である。具体的には、基準線Zb11から反時計回りで指示線Zb12までの角度が摂取カロリーCiを意味し、指示線Zb12から反時計回りで基準線Zb11までの角度が残余カロリーCrを意味する。したがって、指示線Zb12は、摂取カロリーCiがゼロである状態では基準線Zb11に一致し、摂取カロリーCiが増加するほど反時計回りに回転し、摂取カロリーCiが許容カロリーCaに一致する(すなわち残余カロリーCrがゼロになる)と基準線Zb11に再び合致する。また、摂取カロリーCiが許容カロリーCaを上回ると、図9に例示される通り、指示線Zb12は基準線Zb11を通過して更に反時計回りに回転する。以上の状態では、基準線Zb11から反時計回りに指示線Zb12までの角度が過剰カロリーCeに相当する。
残余表示部Zb2は、残余カロリーCrを表す画像である。具体的には、残余表示部Zb2は、図8に例示される通り、指示線Zb12から反時計回りに基準線Zb11まで範囲(すなわち残余カロリーCr)にわたる円弧状の画像である。前述の指示線Zb12の説明から理解される通り、残余表示部Zb2は、摂取カロリーCiがゼロである状態では円環状であり、摂取カロリーCiが増加するほど中心角が減少し、摂取カロリーCiが許容カロリーCaに一致した状態では中心角が再びゼロとなる。また、摂取カロリーCiが許容カロリーCaを上回る状態では、図9に例示される通り、基準線Zb11から反時計回りに指示線Zb12までの範囲にわたる残余表示部Zb2が表示される。
残余表示部Zb2の表示態様(例えば表示色)は、残余カロリーCrの数値に応じて変化する。具体的には、残余カロリーCrが100kcalを上回る状態(すなわち、残余カロリーCrに余裕がある状態)では、残余表示部Zb2は、安全を意味する青色で表示される。また、残余カロリーCrが0kcal以上かつ100kcal以下の状態(すなわち、摂取カロリーCiが過剰となる間際の状態)では、残余表示部Zb2は、警告を意味する黄色で表示される。残余カロリーCrが負数である状態では、残余表示部Zb2は、過剰を意味する赤色で表示される。以上の構成によれば、残余カロリーCrの余裕の度合や、摂取カロリーCiが許容カロリーCaを超えた状態を、利用者Uが視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
図8および図9に例示される通り、収支管理画面Gbには、操作部Zb3(食事)と操作部Zb4(運動)と操作部Zb5(体重)とが配置される。利用者Uが操作部Zb3(食事)を操作すると、表示制御部513は、図10に例示される通り、複数の操作部Zb61(朝食/昼食/夕食/間食)を表示装置54に表示させる。利用者Uが複数の操作部Zb61の何れかを選択すると、当該操作部Zb61に対応する食事(朝食/昼食/夕食/間食)について利用者Uが飲食した食品を指定する図11の食事入力画面Gcが表示される。
食事入力画面Gcは、利用者Uが飲食した食品(ひいては摂取カロリーCi)を入力するための画面である。利用者Uが飲食した食品に関連する文字列の入力欄Zc1が食事入力画面Gcに配置される。記憶装置52には、複数種の食品名の各々について標準的なカロリーが登録された食事テーブルが記憶される。表示制御部513は、利用者Uが入力欄Zc1に入力した文字列に関連する食品名を食品テーブルから検索し、食品テーブルから検索された複数の食品名Zc2を利用者Uによる選択の候補として食事入力画面Gcに表示する。摂取カロリー特定部62は、利用者Uが選択した1個の食品名Zc2について食品テーブルに登録されたカロリーを摂取カロリーCiに加算する。なお、利用者Uが選択した食品名Zc2について食品の分量を利用者Uからの指示に応じて設定することで、当該食品によるカロリーの摂取量を増減させることも可能である。なお、食事テーブルを外部のサーバ装置に保持し、利用者Uが選択した1個の食品名Zc2に対応するカロリーを情報処理装置50がサーバ装置から取得してもよい。
図10の画面には、相異なる食事に対応する複数の操作部Zb61とともに操作部(簡易入力)Zb62が配置される。操作部Zb62を利用者Uが選択すると、表示制御部513は、図12に例示される通り、食事毎のカロリーの摂取量を簡易的に入力するための簡易入力画面Gdを表示装置54に表示させる。簡易入力画面Gdは、カロリーの摂取量を複数の段階(食べなかった/かなり少なめ/少なめ/普通/多め/かなり多め)から食事毎に選択する画面である。摂取カロリー特定部62は、複数の食事の各々について利用者Uが選択した段階に対応した所定のカロリーを摂取カロリーCiに加算する。したがって、利用者Uは、自身が摂取した具体的な食品を指定することなく摂取カロリーCiを簡便に入力することが可能である。
図8または図9における収支管理画面Gbの操作部Zb4(運動)を利用者Uが操作すると、表示制御部513は、図13の運動入力画面Geを表示装置54に表示させる。運動入力画面Geは、利用者Uが実行した運動(ひいては消費カロリーCb)を入力するための画面である。利用者Uが実行した運動に関連する文字列の入力欄Ze1が運動入力画面Geに配置される。記憶装置52には、複数種の運動名の各々について標準的なカロリーが登録された運動テーブルが記憶される。表示制御部513は、利用者Uが入力欄Ze1に入力した文字列に関連する運動名を運動テーブルから検索し、運動テーブルから検索された複数の運動名Ze2を利用者Uによる選択の候補として運動入力画面Geに表示する。消費カロリー特定部63は、利用者Uが選択した1個の運動名Ze2について運動テーブルに登録されたカロリーを消費カロリーCbに加算する。なお、利用者Uが選択した運動名Ze2について運動量(例えば運動時間)を利用者Uからの指示に応じて設定することで、当該運動によるカロリーの消費量を増減させることも可能である。運動入力画面Geで利用者Uが選択した運動のカロリーが消費カロリーCbに加算されると、収支管理画面Gbの指示線Zb12が時計回りに回転するアニメーションが表示され(ただし最大でも基準線Zb11まで)、残余カロリーCrが増加したことを利用者Uが視覚的および直観的に把握できる。
なお、運動テーブルを外部のサーバ装置に保持し、利用者Uが選択した1個の運動名Ze2に対応するカロリーを情報処理装置50がサーバ装置から取得してもよい。また、運動テーブルの構成は任意である。例えば、運動テーブルにおいて複数種の運動名の各々について運動強度(メッツ)を登録し、運動強度から基本運動時間(例えば60分)に対する消費カロリーを算定してもよい。以上の構成によれば、任意の運動時間に対応する消費カロリーを簡易に算定することが可能である。
図8または図9における収支管理画面Gbの操作部Zb5を利用者Uが操作すると、表示制御部513は、体重入力画面(図示略)を表示装置54に表示させる。体重入力画面は、利用者Uの現在の体重を入力するための画面である。図6の数値入力領域Za4と同様に、利用者Uは、体重入力画面に対する操作で自身の体重を入力することが可能である。表示制御部513は、体重入力画面に入力された体重を目標体重と比較し、利用者Uの現在の体重が目標体重を下回る場合には、図14の目標達成画面Gfを表示装置54に表示させる。目標達成画面Gfは、利用者Uが目標の減量を達成したことを表す画像である。
なお、目標達成画面Gfを閉じると、目標体重が指定されていない目標未設定状態となり、新たな目標体重の設定が可能となる。また、減量期間が満了した時点で利用者Uの体重が目標体重を下回らない場合、表示制御部513は、目標が達成できなかったことを表す目標未達成画面を表示装置54に表示させる。目標未達成画面を閉じた場合にも目標未達成状態となり、新たな目標体重の設定が可能となる。
利用者Uは、運動機器10を利用するか否かを利用者情報として事前に登録することが可能である。収支管理画面Gbにおいて残余カロリーCrが負数であり、かつ、利用者情報において運動機器10の利用が登録されている場合、表示制御部513は、図9に例示される通り、収支管理画面Gbに操作部Zb7(トレーニングで今すぐ解消!/スタート)を表示させる。残余カロリーCrが正数である場合(図8)、または、運動機器10の利用が登録されていない場合には、操作部Zb7は表示されない。入力装置55に対する操作で利用者Uが操作部Zb7を操作すると、表示制御部513は、前述した図15の運動提示画面Ggを表示装置54に表示させる。
運動提示画面Ggには操作部Zg1(トレーニング時間)と操作部Zg2(消費カロリー)と操作部Zg3(トレーニング開始)とが配置される。運動提示画面Ggに遷移した初期段階では、図16に例示される通り、操作部Zg2が選択された状態となっている。初期状態または操作部Zg2を操作した場合の何れにおいても、表示制御部513は、残余カロリー算定部64が算定した過剰カロリーCe(目標消費カロリー)と、運動機器10を使用した運動で過剰カロリーCeを消費するために必要な時間(推定トレーニング時間)Zg5とを表示装置54に表示させる。さらに、初期状態または操作部Zg2(消費カロリー)が操作された状態では、利用者Uからの指示に応じて目標消費カロリーが変更され、変更後の目標消費カロリーに応じた推定トレーニング時間が算定および表示される。他方、操作部Zg1(トレーニング時間)が操作された図15の状態では、利用者Uからの指示に応じて運動時間T(目標時間)が変更され、変更後の運動時間Tに応じた推定消費カロリーZg4が算定および表示される。
図15または図16の運動提示画面Ggにおける操作部Zg3(トレーニング開始)を利用者Uが操作すると、運動機器10を使用した運動が開始される。すなわち、操作部Zg3の操作を契機として、図5の運動制御処理が開始される。
<運動管理画面Gh>
運動制御処理が開始されると、表示制御部513は、図17の運動管理画面Ghを表示装置54に表示させる。運動管理画面Ghは、運動機器10を使用した運動を管理するための画面であり、脂肪燃焼画像Zh1と運動案内画像Zh2と脈拍数Pと運動消費カロリーCmと負荷表示画像Zh3と操作部Zh4を含んで構成される。運動消費カロリーCmは、前述の通り、運動機器10を使用した今回の運動により利用者Uが消費したカロリーである。したがって、運動管理画面Ghに表示される運動消費カロリーCmは運動中に経時的に増加する。
脂肪燃焼画像Zh1は、利用者Uの脈拍数Pが、脂肪の燃焼に好適な目標値に近付く様子を表す画像である。具体的には、脈拍数Pを表す指示線Zh11の上方と下方とが相異なる態様(例えば表示色)で表示され、脈拍数Pが上昇するほど指示線Zh11は上方に移動する。例えば、指示線Zh11の下方は燃焼を表す赤色で表示され、指示線Zh11の上方は灰色で表示される。脈拍数Pが目標値に到達すると、脂肪燃焼画像Zh1の上端に指示線Zh11が到達する。
運動案内画像Zh2は、右足を表す画像(以下「右足画像」という)Zh21と左足を表す画像(以下「左足画像」という)Zh22とで構成される。表示制御部513は、運動機器10のペダル12の回転数の目標値(以下「目標回転数」という)に対応した周期で右足画像Zh21と左足画像Zh22とを交互に点滅させる。目標回転数は、利用者Uの脂肪の燃焼に好適な数値に設定される。例えば、男性の場合は75回転/分であり、女性の場合は70回転/分である。右足画像Zh21と左足画像Zh22との点滅に同期するように利用者Uが運動機器10のペダル12を回転させることで、運動機器10のペダル12の回転数Rは目標回転数に近付く。すなわち、運動案内画像Zh2は、運動機器10の回転数Rが目標回転数に近付くように利用者Uを案内する画像である。
第1実施形態の運動制御部514は、運動機器10から通知される回転数Rが、目標回転数を含む所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。回転数Rが所定の範囲内の数値である場合、運動制御部514は、目標回転数に対応した周期で所定の通知音(例えば打楽器の演奏音)を再生する。他方、回転数Rが所定の範囲外の数値である場合、通知音は再生されない。利用者Uは、通知音を聴取することで、自身の運動の回転数Rが適切であることを認識する。
図17の負荷表示画像Zh3は、運動機器10の現在の負荷Lを表す画像である。具体的には、負荷表示画像Zh3は、横方向に直線状に配列する複数の点画像で構成される。具体的には、負荷Lの段階(1〜16)を表す16個の点画像が横方向に表示される。表示制御部513は、複数の点画像のうち左端から運動機器10の現在の負荷Lに応じた個数の点画像と残余の点画像とを、相異なる態様(例えば表示色)で表示する。図17では、負荷Lが計16段階のうち第8番目の段階である場合が例示されている。負荷表示画像Zh3が示す負荷Lは、図5を参照して前述した通り、利用者Uの脈拍数Pに応じて変化する。
また、運動管理画面Ghには、運動機器10から通知される脈拍数Pまたは回転数Rに応じたメッセージ(図示略)が表示される。例えば、回転数Rが目標回転数を下回る場合には、「もっと速くペダルを回転させましょう」というメッセージが表示され、回転数Rが目標回転数を上回る場合には「もっとゆっくりペダルを回転させましょう」というメッセージが表示される。また、脈拍数Pが目標値に到達した場合には、「脂肪燃焼ゾーンに入りました」というメッセージが表示され、脈拍数Pが有効な数値でない場合(図5/S3:NO)には、「センサーが外れていませんか」というメッセージが表示される。
運動管理画面Ghの操作部Zh4(トレーニング終了)を利用者Uが操作した場合、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達したか否かに関わらず、利用者Uの脈拍数P(生体情報)を所定値に近付けるための負荷Lの制御が停止され、クールダウンのための期間を経て、運動機器10を使用した運動が終了する。
<運動終了画面Gi>
運動機器10を使用した運動により運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合(図5/S7:YES)、表示制御部513は、図18および図19の運動終了画面Giを表示装置54に表示させる。運動終了画面Giは、脈拍推移領域Zi1と運動結果領域Zi2とを含んで構成される。脈拍推移領域Zi1には、利用者Uが運動を継続した運動継続時間内における利用者Uの脈拍数Pの時間変化と、時間軸の方向に延在する帯状の目標範囲Zi11とが表示される。運動結果領域Zi2には、第1評価点Zi21と第2評価点Zi22と高評価数Zi23と低評価数Zi24と運動消費カロリーCmと運動結果Zi25とが表示される。第1評価点Zi21は、運動継続時間のうち脈拍数Pが目標範囲内の数値に維持された時間の比率である。例えば、脈拍数Pが目標範囲内の数値であった時間の比率が高いほど、第1評価点Zi21は大きい数値となる。
高評価数Zi23は、運動継続時間内の複数の時点のうち、回転数Rが所定の範囲内の数値であった時点の個数であり、低評価数Zi24は、回転数Rが所定の範囲外の数値であった時点の個数である。第2評価点Zi22は、高評価数Zi23と低評価数Zi24との合計に対する高評価数Zi23の比率である。したがって、回転数Rが所定の範囲内の数値であった回数が多いほど第2評価点Zi22は大きい数値となる。運動結果Zi25は、開始時間と運動時間と走行距離とを含む。走行距離は、運動機器10のペダル12の合計回転数を距離に換算した数値である。
<選択画面Gj>
図8または図9の収支管理画面Gbにおける操作部Zb8(トレーニング)を利用者Uが操作すると、表示制御部513は、図20の選択画面Gjを表示させる。図20に例示される通り、選択画面Gjは、ダイエットモードとフリーモードの何れかを利用者Uが選択するための画面である。ダイエットモードは、運動機器10の負荷Lを脈拍数Pに応じて自動的に制御しながら運動機器10で運動する動作モードである。他方、フリーモードは、運動機器10の負荷Lを利用者Uが手動で変更しながら運動機器10で運動する動作モードである。利用者Uがダイエットモードを選択した場合、図17の運動管理画面Ghが表示装置54に表示されたうえで、図5の運動制御処理が開始される。
他方、利用者Uがフリーモードを選択した場合、表示制御部513は、図21の運動管理画面Gkを表示させる。運動管理画面Gkは、図17に例示した運動管理画面Ghと同様の要素(脂肪燃焼画像Zh1,運動案内画像Zh2,脈拍数P,運動消費カロリーCm,負荷表示画像Zh3,操作部Zh4)に操作部Zk1と操作部Zk2とを追加した画像である。利用者Uが操作部Zk1を操作すると、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを減少させる指示を通信装置53から運動機器10に送信する。他方、利用者Uが操作部Zk2を操作すると、運動制御部514は、運動機器10の負荷Lを増加させる指示を通信装置53から運動機器10に送信する。すなわち、運動機器10の負荷Lは利用者Uからの指示に応じて変更される。運動管理画面Gkの他の要素は運動管理画面Ghと同様である。
図8または図9の収支管理画面Gbにおける操作部Zb9を利用者Uが操作すると、表示制御部513は、図22のカレンダー画面Glを表示させる。カレンダー画面Glは、任意の1ヶ月内の日毎に結果画像Zl1と入力画像Zl2とが配置された画像である。結果画像Zl1は、残余カロリーCrが正数であり残余表示部Zb2が青色または黄色で表示された場合(目標カロリー内)と、残余カロリーCrが負数であり残余表示部Zb2が赤色で表示された場合(目標カロリーオーバー)とを区別して表す画像である。また、入力画像Zl2は、食事(操作部Zb3)と運動(操作部Zb4)と体重(操作部Zb5)との各項目について利用者Uが情報を入力したか否かを示す画像である。なお、食事が入力されていない(操作部Zb3が表示されていない)場合には、結果画像Zl1を表示しないようにしてもよい。また、カレンダー画面Glにおいて、今日を表す日付を他の日付と異なる態様(例えば背景色)で表示してもよい。任意の1個の日付を利用者Uが操作(例えばタップ操作)した場合に、当該日付に対応する収支管理画面Gbを表示してもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図23は、第2実施形態における管理システム1Aの機能的な構成を示すブロック図である。図23に例示される通り、第2実施形態の管理システム1Aは、運動機器10と情報処理装置50Aとを具備する。運動機器10の構成は第1実施形態と同様である。情報処理装置50Aの制御装置51は、第1実施形態と同様の要素(収支管理部511,運動決定部512,表示制御部513および運動制御部514)のほかに運動変更部515として機能する。
運動変更部515は、運動決定部512が決定した運動量(運動時間T)を変更可能である。具体的には、運動変更部515は、図15の運動提示画面Ggに表示された運動時間Tに対する利用者Uからの指示に応じて運動時間Tを変更する。
第1実施形態では、運動継続時間が運動時間Tに到達したか否かに関わらず、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合には、運動機器10の負荷Lの制御を停止した。他方、第2実施形態では、運動継続時間が運動時間T(運動決定部512が決定した初期値または運動変更部515による変更後の時間)に到達した場合に、運動機器10の負荷Lの制御を停止する。すなわち、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達したか否かに関わらず、運動継続時間が運動時間Tに到達した場合には、利用者Uの脈拍数P(生体情報の例示)を所定値に近付けるための運動機器10の負荷Lの制御が停止される。
具体的には、図5のステップS7において、運動制御部514は、運動継続時間が運動時間Tに到達したか否かを判定する。そして、運動継続時間が運動時間Tに到達した場合(S7:YES)には、運動制御部514は、運動機器10の通信装置24と情報処理装置50の通信装置53との間の通信経路を解消し(S8)、当該時点での運動消費カロリーCmを消費カロリーCbに加算する(S9)。以上の説明から理解される通り、第2実施形態の運動制御部514は、運動変更部515が運動時間Tを変更した場合には、利用者Uによる運動継続時間(すなわち運動機器10を利用した運動量)が、当該変更後の運動時間Tに到達した場合に、運動機器10の負荷Lの制御を停止する。なお、運動継続時間が運動時間Tに到達した場合に直ちに通信経路を解消するのではなく、所定の期間(例えば利用者Uがクールダウンするための期間)の経過後に通信経路を解消してもよい。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、運動変更部515による変更後の運動時間Tに運動継続時間が到達した場合に、利用者Uの脈拍数Pを所定値に近付けるための運動機器10の負荷Lの制御が停止される。したがって、利用者Uの意図に沿った運動が可能である。例えば、過剰カロリーCeを消費するための運動時間Tを、運動決定部512が51分と決定した場合を想定する。図15の運動提示画面Ggにより51分という運動時間Tを確認した利用者Uが、折角ならば60分にわたり運動したいと希望した場合、運動変更部515が利用者Uからの指示に応じて運動時間Tを51分から60分に変更することで、利用者Uは希望通り60分にわたり運動を継続することが可能である。すなわち、第2実施形態によれば、過剰カロリーCeの消費よりも運動継続時間を優先させたいという利用者Uの要望に対応することが可能である。
他方、過剰カロリーCeを確実に消費することを希望する利用者Uも想定される。第1実施形態では、運動継続時間が運動時間Tに到達したか否かに関わらず、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合には、利用者Uの脈拍数Pを所定値に近付けるための運動機器10の負荷Lの制御が停止される。したがって、運動機器10を使用した運動により利用者Uが過剰カロリーCeを確実に消費できるという利点がある。
<第3実施形態>
第1実施形態では、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合に運動機器10の負荷Lの制御を停止し、第2実施形態では、運動継続時間が運動時間Tに到達した場合に運動機器10の負荷Lの制御を停止した。第3実施形態では、第1実施形態の動作と第2実施形態の動作とが選択的に実行される。
第3実施形態の運動制御部514の動作モードは、第1モードおよび第2モードの何れかに設定される。具体的には、図16の例示のように、操作部Zg2の操作により「消費カロリー」が選択された状態で操作部Zg3(トレーニング開始)が操作された場合、運動制御部514の動作モードは第1モードに設定される。他方、操作部Zg1の操作により「トレーニング時間」が選択された状態で操作部Zg3が操作された場合、運動制御部514の動作モードは第2モードに設定される。すなわち、運動制御部514の動作モードは、利用者Uからの指示に応じて第1モードおよび第2モードの何れかに設定される。
第1モードでは、運動制御部514は、第1実施形態と同様に、運動継続時間が運動時間Tに到達したか否かに関わらず、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達した場合に運動機器10の負荷Lの制御を停止する。他方、第2モードでは、運動制御部514は、第2実施形態と同様に、運動消費カロリーCmが過剰カロリーCeに到達したか否かに関わらず、運動継続時間が運動時間Tに到達した場合に運動機器10の負荷Lの制御を停止する。すなわち、第1モードは、過剰カロリーCeの消費を優先する動作モード(消費カロリー優先モード)であり、第2モードは、運動継続時間を優先する動作モード(運動時間優先モード)である。第3実施形態によれば、運動継続時間よりも過剰カロリーCeの消費を優先する利用者Uと、過剰カロリーCeの消費よりも運動継続時間を優先する利用者Uと何れの要望にも対応することでき、利便性が高いという利点がある。
<第4実施形態>
第1実施形態の運動決定部512は、運動機器10を使用した1種類の運動により過剰カロリーCeを消費するための運動量(運動時間T)を決定した。第4実施形態の運動決定部512は、過剰カロリーCeを消費するための運動時間Tを複数種の運動(以下「候補運動」という)の各々について決定する。
具体的には、第4実施形態の運動決定部512は、1種類の候補運動の単位消費カロリー(すなわち単位時間あたりの消費カロリー)により過剰カロリーCeを除算することで運動時間Tを決定する処理を、複数種の候補運動の各々について実行する。運動時間Tの決定対象となる複数種の候補運動は、例えば記憶装置52に記憶された運動テーブルから利用者Uが事前に選択した運動である。複数種の候補運動には、運動機器10を使用した運動のほか、運動機器10を利用せずに実行する運動(例えば水泳,ランニング,ウォーキング等)も含まれる。
表示制御部513は、複数種の候補運動の各々について運動時間Tを表示装置54に表示させる。図24は、第4実施形態の表示制御部513が表示装置54に表示させる運動提示画面Gmの表示例である。運動提示画面Gmは、複数種の候補運動の何れかを利用者Uに選択させるための画像である。すなわち、利用者Uは、入力装置55を操作することで、運動提示画面Gmに表示された複数種の候補運動から所望の候補運動を選択することが可能である。運動提示画面Gmから利用者Uが選択した候補運動の運動時間Tに運動継続時間が到達した場合、第4実施形態の表示制御部513は、当該候補運動の終了を利用者Uに通知する。具体的には、運動の終了を表すメッセージが表示装置54に表示される。
以上に説明した通り、第4実施形態では、複数種の運動の各々について、当該運動により過剰カロリーCeを消費するための運動量が利用者Uに提示される。したがって、利用者Uは、所望の運動を選択して過剰カロリーCeを消費することが可能である。
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)前述の各形態では、利用者情報において運動機器10の利用が登録されている状態で残余カロリーCrが負数である場合に、収支管理画面Gbに操作部Zb7を表示したが、残余カロリーCrを消費させる運動は、情報処理装置50(50A)により制御される運動機器10を利用した運動には限定されない。例えば、情報処理装置50により制御されない運動マシン、ランニング、ウォーキング、水泳、腹筋、縄跳び、踏み台昇降、ダンベル等が好適な運動として例示される。以上の例示からも理解される通り、回数、距離または時間で運動量を変更可能な運動が好適である。以上の例示の場合には、運動機器10の登録の有無に関わらず、残余カロリーCrが負数である場合には、収支管理画面Gbに操作部Zb7が表示される。また、運動機器10が登録されている場合には、登録済の運動機器10を利用した運動が提示され、運動機器10が未登録である場合には、情報処理装置50により制御される運動機器10を利用しない運動が提示されるようにしてもよい。また、登録済の運動機器10を利用した運動と、運動機器を利用しない運動との双方を利用者Uに提示してもよい。また、運動機器10を利用しない運動が予め利用者情報として登録されていてもよい。
(2)前述の各形態では、利用者情報が示す利用者Uの起床時刻から所定の時間だけ手前の時点を始点として1日(すなわち、利用者Uのカロリー収支の時間的な単位となる期間)を画定したが、利用者Uの活動時間に応じて1日の始点または終点を自動的に設定するための方法は以上の例示に限定されない。例えば、第1実施形態の例示の通り、利用者Uの起床時刻に対して所定の関係にある時点を1日の始点または終点とする構成のほか、利用者Uの就寝時刻に対して所定の関係にある時点(例えば就寝時刻から所定の時間だけ経過した時点)を1日の始点または終点とする構成も想定される。なお、起床時刻または就寝時刻(すなわち活動時間)を、利用者Uの身体に装着される可搬型の活動量計から取得してもよい。また、1日の終点の時刻(就寝時刻)は夕食時刻に左右される場合が多いという傾向を考慮すると、利用者Uが指定した夕食時刻を利用者情報に含め、夕食時刻から所定の時間(例えば6時間)が経過した時刻を1日の終点として設定してもよい。なお、1日の始点または終点を設定する時期は任意である。例えば、起床時刻が入力された時点で1回だけ1日の始点または終点を設定してもよいし、1日毎に始点または終点を設定し直してもよい。
以上の説明から理解される通り、1日の始点または終点について、「利用者Uの活動時間に応じて自動的に設定される」とは、利用者Uが1日の始点または終点を直接的に指示することなく、利用者Uの活動時間に対応した時刻に設定されることを意味する。なお、利用者Uが入力装置55を操作することで1日の始点または終点を直接的に指定してもよい。
(3)前述の各形態では、運動機器10に搭載された生体検出機器25を利用して利用者Uの脈拍数Pを測定したが、脈拍数Pを測定するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、運動機器10とは別体で構成された生体検出機器25(例えば腕時計型の脈拍計)を利用して利用者Uの脈拍数Pを測定することも可能である。生体検出機器25が運動機器10とは別体である構成において、情報処理装置50は、運動機器10および生体検出機器25の各々と通信する。具体的には、情報処理装置50は、運動機器10から回転数Rを受信するとともに運動機器10に負荷Lの変更の指示を送信し、生体検出機器25から利用者Uの脈拍数Pを受信する。
(4)前述の各形態では、脈拍数Pが所定の範囲内の数値であるか否かに応じて脈拍数Pの検出が有効であるか否かを判定したが、脈拍数Pの検出が有効であるか否かを判定する方法は以上の例示に限定されない。例えば、通信装置53が運動機器10から脈拍数Pを周期的に受信できない場合に、生体検出機器25による脈拍数Pの検出が有効でないと判定することも可能である。
(5)運動決定部512が決定する運動量は、前述の各形態で例示した運動時間Tに限定されない。例えば、特定の動作を反復する運動(例えば腕立て伏せ運動,腹筋運動またはスクワット等)については、運動回数を運動量として運動決定部512が決定してもよい。また、例えば階段上り運動については段数で運動量が表現される。以上のように回数以外の数値で運動量を表現できる運動については、当該数値が運動量として利用者Uに提示される。
(6)前述の各形態では脈拍数Pを利用者Uの生体情報として例示したが、生体情報は脈拍数Pに限定されない。例えば、利用者Uの血圧を生体情報として検出してもよい。
(7)前述の各形態では、運動決定部512が決定した運動量を表示装置54に表示したが、運動量を利用者Uに提示するための方法は以上の例示に限定されない。例えば、運動決定部512が決定した運動量を音声として再生することで利用者Uに提示してもよい。以上の説明から理解される通り、前述の各形態における表示制御部513は、運動決定部512が決定した運動量を利用者Uに提示する提示処理部の例示であり、運動量を表す音声を再生する要素も提示処理部の概念には包含される。
(8)前述の各形態では、自転車型の運動機器10を例示したが、運動機器10の具体的な形態は以上の例示に限定されない。例えば、利用者Uが屋内で歩行または走行するためのルームランナー(ランニングマシン)を運動機器10として利用してもよい。負荷Lが制御される運動機器または運動量(運動時間または運動回数)を計測可能な運動機器が、運動機器10として好適である。
なお、運動機器の種類に応じて負荷Lの態様は相違する。具体的には、前述の各形態で例示した自転車型の運動機器(フィットネスバイク)については、ペダル12の重さ(回転抵抗)であるが、トレッドミル等の運動機器については、回転数(スピード)が負荷Lに相当する。
(9)前述の各形態では、運動機器10の負荷Lを制御したが、運動機器100の負荷Lの制御は省略され得る。また、運動機器100の負荷Lを制御する構成でも、利用者Uの生体情報(脈拍数P)を所定値に近付けるための制御は省略され得る。例えば、運動機器100の負荷Lを所定のパターンで(すなわち利用者Uの生体情報とは無関係に)制御してもよい。
[付記]
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
<態様1>
本発明の好適な態様に係るプログラムは、利用者(U)の摂取カロリー(Ci)を特定する摂取カロリー特定部(62)、前記利用者(U)による摂取の目標である目標カロリー(Ct)と前記摂取カロリー(Ci)とに応じて、前記利用者(U)が過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を算定する過剰カロリー算定部(64)、前記過剰カロリー(Ce)を消費するために前記利用者(U)が実行すべき運動の運動量(T)を決定する運動決定部(512)、および、前記運動決定部(512)が決定した運動量(T)を前記利用者(U)に提示する提示処理部(513)としてコンピュータ(51)を機能させる。以上の態様では、利用者(U)が過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を消費するための運動量(T)が利用者(U)に提示される。したがって、カロリー収支をゼロに近付けるために必要な運動量(T)を利用者(U)が把握できるという利点がある。
<態様2>
態様1の好適例(態様2)に係るプログラムは、前記利用者(U)が使用する運動機器(10)を、前記運動決定部(512)により決定された運動量(T)の運動が可能な状態に制御する運動制御部(514)として前記コンピュータ(51)を機能させる。以上の態様では、運動決定部(512)により決定された運動量(T)の運動が可能な状態に運動機器(10)が制御されるから、利用者(U)の手動の操作により運動機器(10)を当該状態に遷移させる必要がないという利点がある。
<態様3>
態様2の好適例(態様3)において、前記運動制御部(514)は、検出機器(25)により検出された利用者(U)の生体情報(P)が所定値に近付くように前記運動機器(10)の負荷を制御する。以上の態様では、利用者(U)の生体情報(P)が所定値に近付くように運動機器(10)の負荷が制御される。したがって、生体情報(P)を適切な範囲に維持した状態で、利用者(U)は、過剰カロリー(Ce)を消費するための運動を実行することが可能である。
<態様4>
態様3の好適例(態様4)において、前記運動制御部(514)は、前記検出機器(25)による前記生体情報(P)の検出が有効でない場合には、前記運動機器(10)の負荷を変化させない。以上の態様では、検出機器(25)による生体情報(P)の検出が有効でない場合には運動機器(10)の負荷の変化が停止するから、生体情報(P)を適切に検出できない状態にも関わらず運動機器(10)の負荷が変動することを防止できるという利点がある。
<態様5>
態様2から態様4の何れかの好適例(態様5)において、前記運動制御部(514)は、前記運動機器(10)を利用した運動による消費カロリー(Cm)を少なくとも前記運動機器(10)の負荷に応じて算定し、当該運動による消費カロリー(Cm)が前記過剰カロリー(Ce)に到達した場合に前記運動機器(10)の負荷の制御を停止する。以上の態様では、運動開始時に提示された推定運動時間に関わらず、運動機器(10)を利用した運動による消費カロリー(Cm)が過剰カロリー(Ce)に到達した場合に運動機器(10)の負荷の制御が停止するから、過剰カロリー(Ce)を消費するために適切な運動量(T)の運動を利用者(U)が実行できるという利点がある。なお、好適な態様において、運動制御部(514)は、所定の制御により運動機器(10)の負荷を変更する。所定の制御の一例としては、検出機器(25)により検出された利用者の生体情報(P)を所定値に近付ける制御、または、所定の負荷の増減パターンに従った制御が想定される。以上の例示のように負荷を制御することで、運動による消費カロリー(Cm)が変化することになる。
<態様6>
態様5の好適例に係るプログラムは、前記運動決定部(512)が決定した運動量(T)を変更可能な運動変更部(515)として前記コンピュータ(51)を機能させ、前記運動制御部(514)は、前記運動変更部(515)が運動量(T)を変更した場合には、前記運動機器(10)を利用した運動量(T)が当該変更後の運動量(T)に到達した場合に、前記運動機器(10)の負荷の制御を停止する。以上の態様では、運動機器(10)を利用した運動量(T)が変更後の運動量(T)に到達した場合に運動機器(10)の負荷の制御が停止するから、利用者(U)が所望の時間にわたる運動を実行できるという利点がある。
なお、態様5および態様6における「運動機器の負荷の制御を停止する」とは、過剰カロリー(Ce)を利用者(U)が消費するために実行していた負荷の制御を停止することを意味し、具体的には、過剰カロリー(Ce)の消費を目的として所定のルールで実行されていた負荷の制御を停止することである。過剰カロリー(Ce)の消費のための負荷の制御とは、例えば、利用者(U)の生体情報(P)に応じた負荷の制御であり、さらに具体的には、利用者(U)の生体情報(P)を所定値に近付けるための負荷の制御である。
したがって、例えば消費カロリー(Cm)が過剰カロリー(Ce)に到達した後(すなわち過剰カロリーCeの消費後)に実行される負荷の制御(例えば利用者(U)のクールダウンのための負荷の制御)は、態様5において停止の対象となる「運動機器の負荷の制御」には包含されない。以上の説明から理解される通り、消費カロリー(Cm)が過剰カロリー(Ce)に到達した場合に過剰カロリー(Ce)の消費のための負荷の制御が停止される構成であれば、その停止後に、過剰カロリー(Ce)の消費を目的としない負荷の制御(例えばクールダウンのための負荷の制御)が実行される構成でも、態様5の範囲には包含される。
同様に、運動機器(10)を利用した運動量(T)が当該変更後の運動量(T)に到達した後に実行される負荷の制御(例えば利用者(U)のクールダウンのための負荷の制御)は、態様6において停止の対象となる「運動機器の負荷の制御」には包含されない。以上の説明から理解される通り、運動機器(10)を利用した運動量(T)が当該変更後の運動量(T)に到達した場合に過剰カロリー(Ce)の消費のための負荷の制御が停止される構成であれば、その停止後に、過剰カロリー(Ce)の消費を目的としない負荷の制御(例えばクールダウンのための負荷の制御)が実行される構成でも、態様6の範囲には包含される。
<態様7>
態様1から態様6の何れかの好適例(態様7)において、前記運動決定部(512)は、前記過剰カロリー(Ce)を消費するための運動量(T)を複数種の運動の各々について決定し、前記提示処理部(513)は、前記複数種の運動について前記運動量(T)を提示する。以上の態様では、複数種の運動の各々について、当該運動により過剰カロリー(Ce)を消費するための運動量(T)が利用者(U)に提示される。したがって、利用者(U)は、複数種の運動から所望の運動を選択して過剰カロリー(Ce)を消費することが可能である。
<態様8>
態様1から態様8の何れかの好適例(態様8)に係るプログラムは、前記利用者(U)の消費カロリー(Cb)を特定する消費カロリー(Cb)特定部として前記コンピュータ(51)を機能させ、前記過剰カロリー算定部(64)は、前記目標カロリー(Ct)と前記摂取カロリー(Ci)と前記消費カロリー(Cb)とに応じて前記過剰カロリー(Ce)を算定する。以上の態様では、目標カロリー(Ct)と摂取カロリー(Ci)と消費カロリー(Cb)とに応じて過剰カロリー(Ce)が算定されるから、例えば運動によるカロリーの消費も加味して過剰カロリー(Ce)を適切に算定できるという利点がある。
<態様9>
本発明の好適な態様(態様9)に係るプログラムは、利用者(U)の1日の摂取カロリー(Ci)を特定する摂取カロリー特定部(62)、前記利用者(U)による1日の摂取の目標である目標カロリー(Ct)と前記摂取カロリー(Ci)とに応じて、前記利用者(U)が1日に過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を算定する過剰カロリー算定部(64)、前記過剰カロリー(Ce)を消費するために前記利用者(U)が実行すべき1日の運動の運動量(T)を決定する運動決定部(512)、および、前記運動決定部(512)が決定した運動量(T)を前記利用者(U)に提示する提示処理部(513)としてコンピュータ(51)を機能させる。以上の態様では、利用者(U)が1日に過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を消費するための1日の運動の運動量(T)が利用者(U)に提示される。したがって、カロリー収支をゼロに近付けるために1日に必要な運動量(T)を利用者(U)が把握できるという利点がある。
<態様10>
態様9の好適例(態様10)において、前記1日の始点または終点は、前記利用者(U)の活動時間に応じて自動的に設定される。例えば1日の切替の時刻が午前0時に固定された構成では、夕食により過剰カロリー(Ce)が発生した直後に午前0時を経過した場合(すなわち日付が変更された場合)に、利用者(U)が就寝前に運動しても、当該過剰カロリー(Ce)を消費したことにならない。本発明の好適な態様では、利用者(U)の活動時間に応じて1日の始点または終点が自動的に設定されるから、利用者(U)の活動時間が午前0時を跨ぐ場合でも、その活動時間内におけるカロリー収支を適切に管理できる。例えば、夕食により過剰カロリー(Ce)が発生した直後に午前0時を経過した場合でも、活動時間内(すなわち就寝前)に運動すれば、当該過剰カロリー(Ce)が適切に消費されたことになる。
なお、以上の各態様に係るプログラムは、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされる。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供してもよい。
<態様11>
本発明の好適な態様(態様11)に係る情報処理装置(50)は、利用者(U)の摂取カロリー(Ci)を特定する摂取カロリー特定部(62)と、前記利用者(U)による摂取の目標である目標カロリー(Ct)と前記摂取カロリー(Ci)とに応じて、前記利用者(U)が過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を算定する過剰カロリー(Ce)算定部と、前記過剰カロリー(Ce)を消費するために前記利用者(U)が実行すべき運動の運動量(T)を決定する運動決定部(512)と、前記運動決定部(512)が決定した運動量(T)を前記利用者(U)に提示する提示処理部(513)と具備する。以上の態様では、利用者(U)が過剰に摂取した過剰カロリー(Ce)を消費するための運動の運動量(T)が利用者(U)に提示される。したがって、カロリー収支をゼロに近付けるために必要な運動量(T)を利用者(U)が把握できるという利点がある。
減量幅は、利用者情報が示す目標体重と利用者Uの実際の体重との差分である。具体的には、減量幅は、利用者Uが体重を目標体重まで減量するために必要な体重の変化量である。減量期間は、利用者Uの体重を目標体重に調整するための期間の時間長である。第1実施形態では減量期間を固定長(例えば1ヶ月)とした場合を例示するが、減量期間を可変長としてもよい。減量期間(具体的には日数)で減量幅を除算した結果は、利用者Uの1日毎の体重の減少量(以下「単位減量幅」という)に相当する。目標カロリー設定部61は、以上に説明した単位減量幅を達成するために消費すべきカロリーを生活活動量から減算した数値を1日の目標カロリーCtとして設定する。目標体重が変更されるたびに目標カロリーCtは更新される。なお、目標カロリーCtを例えば曜日毎に設定してもよい。例えば、平日(月曜日から金曜日)と週末(土曜日および日曜日)とで目標カロリーCtを相違させてもよい。