JP2019029254A - ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライルーム内での静電気の発生を抑制すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池を製造する製造設備10は、ドライルーム11と、ドライルーム11内に配置された電池製造装置12と、ドライルーム11に調整用ガスAを供給する供給装置20と、ドライルーム11から排出された被処理ガスPG1に処理を施し、処理済みガスGをドライルーム11に供給するガス処理装置30と、を備える。ガス処理装置30は、冷却回収部40と、有機溶剤除去装置50と、3つの除電装置60と、水分除去装置70と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス処理装置に関する。
リチウムイオン二次電池の製造環境には、低湿環境(低露点環境)が求められる。従って、リチウムイオン二次電池は、ドライルーム内で製造される。ドライルームは、調整用ガスの供給によって低湿環境に維持される。
特許文献1に記載のガス処理装置は、ドライルームから排出される被処理ガスから有機溶剤を除去して、処理済みガスの一部を調整用ガスとしてドライルームに供給する。低湿環境であるドライルームから排出された被処理ガスは、新鮮外気に比べて低湿であり、この被処理ガスに処理を施した処理済みガスは、新鮮外気に比べて低湿である。したがって、処理済みガスをドライルームに供給することで、新鮮外気のみでドライルームを低湿環境に維持する場合に比べ、低湿環境を維持しやすい。
特開2015−44160号公報
ところで、ドライルーム内の気体は低湿なため帯電しやすく、ドライルーム内で静電気が発生しやすい。静電気の影響によって、セパレータや電極等のリチウムイオン二次電池を構成する部材に異物が付着すると、この異物はリチウムイオン二次電池を内部短絡させる一因となる。
本発明の目的は、ドライルーム内での静電気の発生を抑制できるガス処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するガス処理装置は、リチウムイオン二次電池を製造する電池製造装置が配置されたドライルームから排出された被処理ガスに処理を施して得られた処理済みガスを、前記ドライルームに供給するガス処理装置であって、前記被処理ガスから有機溶剤を除去する有機溶剤除去装置と、前記被処理ガスから水分を除去する水分除去装置と、前記被処理ガスが帯びた電気を除去する除電装置と、を備える。
これによれば、有機溶剤除去装置によって被処理ガスから有機溶剤が除去され、水分除去装置によって被処理ガスから水分が除去される。更に、除電装置による除電によって被処理ガスが帯びた電気を除去することができる。ドライルームに供給される処理済みガスは、除電されたものとなるため、ドライルーム内での静電気の発生を抑制できる。
上記ガス処理装置について、前記被処理ガスの流れる方向において、前記有機溶剤除去装置よりも下流に前記除電装置が配置されていてもよい。
これによれば、有機溶剤が除去された後の被処理ガスに対して除電を行うことができる。
上記ガス処理装置について、前記被処理ガスの流れる方向において、前記水分除去装置よりも上流に前記除電装置が配置されていてもよい。
被処理ガスの除電は、有機溶剤を除去した後であり、水分を除去する前に行うことが好ましい。被処理ガスの流れる方向において、有機溶剤除去装置と水分除去装置との間に除電装置を配置することで、適切に除電を行うことができる。
上記ガス処理装置について、前記除電装置を複数備えていてもよい。
これによれば、被処理ガスが帯びた電気を除去しやすい。
本発明によれば、ドライルーム内での静電気の発生を抑制できる。
リチウムイオン二次電池を製造する製造設備の概略図。
以下、ガス処理装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池を製造する製造設備10は、ドライルーム11と、ドライルーム11内に配置された電池製造装置12と、ドライルーム11に調整用ガスAを供給する供給装置20と、ガス処理装置30と、を備える。ガス処理装置30は、ドライルーム11から排出された被処理ガスPG1に処理を施し、処理済みガスGをドライルーム11に供給する。
供給装置20は、雰囲気調整用の気体として、新鮮外気OAを含む調整用ガスAをドライルーム11に供給する。供給装置20は、ドライルーム11外に繋がる外気路21と、外気路21に設けられた吸気ファン22と、外気路21に繋がる混合路23と、除塵用のフィルタ24と、2つの予熱器25,26と、調整用ガスAをドライルーム11に供給するための供給路27と、を備える。外気路21及び混合路23は、ダクトである。
外気路21には吸気ファン22の駆動によって新鮮外気OAが取り込まれる。混合路23には、ガス処理装置30から処理済みガスGが送られる。処理済みガスGは、混合路23から外気路21に流入し、これにより新鮮外気OAと処理済みガスGとが混合された調整用ガスAが調整される。調整用ガスAは、外気路21を介してフィルタ24に供給される。
予熱器25,26は、フィルタ24によって除塵された調整用ガスAを予熱する。本実施形態では、2つの予熱器25,26によって調整用ガスAは段階的に予熱される。2つの予熱器25,26のうち一方の予熱器25は、前段予熱器となる。2つの予熱器25,26によって予熱された後の調整用ガスAは、供給路27を介してドライルーム11に供給される。
ドライルーム11は、例えば、工場に設けられた建家などの一室であってもよいし、建家の全体であってもよい。ドライルーム11内は、リチウムイオン二次電池の製造環境に適合するような低湿環境(低露点環境)とされている。
電池製造装置12は、リチウムイオン二次電池を製造する装置である。なお、リチウムイオン二次電池は、複数の正極電極と複数の負極電極とをセパレータを介して重ねた発電要素と、発電要素を収容するケースと、を備える。正極電極及び負極電極のそれぞれは、金属箔と、金属箔に設けられた活物質層と、を備える。活物質層は、それぞれの極性に応じた活物質、導電材、及び、バインダなどを含む。
電池製造装置12には、金属箔に活物質合剤を塗布する塗工装置、活物質合剤を乾燥させることで活物質層を形成する乾燥装置などが含まれる。また、電池製造装置12には、正極電極、負極電極、及び、セパレータを層状に重ねることで発電要素を製造する発電要素製造装置や、発電要素をケースに収容する収容装置も含まれる。
活物質合剤は、活物質、導電材、バインダ、及び、有機溶剤を混練したものである。したがって、乾燥装置で活物質合剤を乾燥させると、有機溶剤は気化することになり、ドライルーム11内の気体には気化した有機溶剤である溶剤蒸気が含まれることになる。また、ドライルーム11内の気体には、水分(水蒸気)が含まれる。この水分は、新鮮外気OAに含まれる水分や、ドライルーム11内で作業を行う作業員の不感蒸泄に起因するものである。
製造設備10は、ドライルーム11内から気体を排出し、この気体をガス処理装置30に送る排気路13を備える。排気路13によってガス処理装置30に送られる気体は、ガス処理装置30によって処理が施される被処理ガスPG1である。排気路13は、ダクトである。
ガス処理装置30は、冷却回収部40と、有機溶剤除去装置50と、3つの除電装置60と、水分除去装置70と、を備える。また、ガス処理装置30は、冷却回収部40と有機溶剤除去装置50とを繋ぐ第1中継路31と、第1中継路31に設けられた中継ファン32と、有機溶剤除去装置50と除電装置60とを繋ぐ第2中継路33と、除電装置60と水分除去装置70とを繋ぐ第3中継路34と、水分除去装置70と混合路23とを繋ぐ排出路35と、を備える。第1中継路31、第2中継路33、第3中継路34、及び、排出路35は、ダクトである。
冷却回収部40は、予冷器41、一次冷却器42、二次冷却器43、再熱器44、受液パン45、及び、これらを収容したリザーブタンク46を備える。また、冷却回収部40は、リザーブタンク46外に配置された冷凍機47と、二次冷却器43と冷凍機47との間で冷却用熱媒M1を循環させる冷却循環路48と、リザーブタンク46外に配置された回収容器49と、を備える。
製造設備10は、予冷器41と予熱器26との間で温熱回収用の共通熱媒M2を循環させる温熱回収用の熱媒循環路14と、予熱器25、再熱器44、及び、一次冷却器42の三者間で冷熱回収用の共通熱媒M3を循環させる冷熱回収用の熱媒循環路15と、を備える。共通熱媒M3は、予熱器25→再熱器44→一次冷却器42→予熱器25…の順に循環する。
予冷器41、一次冷却器42、二次冷却器43、及び、再熱器44は、リザーブタンク46内の空間であって、被処理ガスPG1の流れる方向の上流側から、予冷器41、一次冷却器42、二次冷却器43、再熱器44の順番で配置されている。予冷器41、一次冷却器42、二次冷却器43、及び、再熱器44としては、例えば、コイル式熱交換器を用いることができる。本実施形態において、予冷器41、及び、一次冷却器42は温熱回収器を兼ね、再熱器44は冷熱回収器を兼ねる。
被処理ガスPG1は、予冷器41、一次冷却器42、及び、二次冷却器43によって段階的に冷却される。冷却回収部40での段階的な冷却過程において被処理ガスPG1の含有溶剤蒸気(有機溶剤)を凝縮させ、被処理ガスPG1から有機溶剤を分離回収する。受液パン45は、凝縮により落下する有機溶剤を受け止める。受け止められた有機溶剤は、受液パン45から回収容器49に流れ、回収容器49に貯留される。
再熱器44は、二次冷却器43で冷却された後の被処理ガスPG1を共通熱媒M3と熱交換させることで加熱する。この再熱器44での加熱により湿度を低下させた被処理ガスPG2が調整される。被処理ガスPG2を有機溶剤除去装置50に供給することで、有機溶剤除去装置50での有機溶剤の除去効率が高められる。被処理ガスPG2は、中継ファン32の駆動によって第1中継路31を介して有機溶剤除去装置50に供給される。
有機溶剤除去装置50は、吸脱着式の濃縮装置である。有機溶剤除去装置50は、通気性の吸着剤層Xを並べて配置した吸着ロータ51と、吸着ロータ51が収容されたケース52と、を備える。吸着剤層Xは、吸着ロータ51の回転方向に並べて配置されている。ケース52内は、第1中継路31を通じてケース52内に供給された被処理ガスPG2を吸着ロータ51に通過させる吸着回収部53と、高温の脱着用ガスH1を吸着ロータ51の吸着剤層Xに通過させる濃縮部(所謂、脱着域)54とに区画されている。吸着ロータ51を回転させることで吸着ロータ51における吸着剤層Xを吸着回収部53と濃縮部54とに交互に位置させることができる。
濃縮部54では、再熱器44によって加熱された被処理ガスPG2を、吸着ロータ51の吸着剤層Xに通過させることで、被処理ガスPG2に残存する溶剤蒸気を吸着剤層Xに吸着させて分離回収する。濃縮部54で溶剤蒸気が除去された被処理ガスPG3は、第2中継路33を介して除電装置60に供給される。吸着回収部53では、吸着剤層Xに対し高温の脱着用ガスH1を通過させることで吸着剤層Xに吸着された溶剤蒸気と、脱着用ガスH1とが混合される。溶剤蒸気を含んだ脱着用ガスH2は、被処理ガスPG1として、冷却回収部40に供給される。
本実施形態において、濃縮部54には、調整用ガスAの一部が脱着用ガスH1として供給される。製造設備10は、予熱された後の調整用ガスAの一部が供給される加熱器16と、加熱器16に調整用ガスAを送るファン17と、を備える。加熱器16によって加熱された調整用ガスAは、脱着用ガスH1として濃縮部54に供給される。
除電装置(イオナイザ)60は、被処理ガスPG3の流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも下流に設けられている。3つの除電装置60は、被処理ガスPG3の流れる方向に並んで設けられている。3つの除電装置60は、同一のものであってもよいし、配置位置に応じて性能の異なるものを用いてもよい。
除電装置60は、除電を行うことで、被処理ガスPG3が帯びた電気を除去する。本実施形態の除電装置60は、コロナ放電式(例えば、自己放電式や、電圧印加式)である。3つの除電装置60は、被処理ガスPG3が帯びた電気を段階的に除去する。被処理ガスPG3が帯びた電気を除去した被処理ガスPG4は、第3中継路34を介して水分除去装置70に供給される。
水分除去装置70は、被処理ガスPG4の流れる方向において、除電装置60よりも下流に設けられている。水分除去装置70としては、被処理ガスPG4を冷却する冷却方式、圧縮機で被処理ガスPG4を圧縮する圧縮方式、除湿剤を層状に重ねた除湿剤層に被処理ガスPG4を通過させる吸着方式など、どのような方式のものを用いてもよい。
水分除去装置70は、被処理ガスPG4に含まれる水分を除去する。以上の結果、被処理ガスPG4は、有機溶剤、電気、及び、水分が除去されたガスである処理済みガスGとなる。したがって、ガス処理装置30で行われる処理とは、有機溶剤除去、除電、及び、水分を除く処理である。
処理済みガスGは、排出路35を介して一部が混合路23に供給される。なお、上記実施形態における「除去」とは、有機溶剤、電気、及び、水分を被処理ガスから完全に除くだけではなく、有機溶剤、電気、及び、水分の一部を被処理ガスから除くことも含まれる。即ち、有機溶剤、電気、及び、水分を除去する前に被処理ガスに比べて、これらを除去した後の被処理ガスに含まれる有機溶剤、電気、及び、水分が低減されていればよい。
次に、本実施形態のガス処理装置30の作用について説明する。
ドライルーム11から排出された被処理ガスPG1に処理を施し、再度、ドライルーム11に供給する場合、被処理ガスPG1から有機溶剤、及び、水分を除去する必要がある。水分を除去することで、低湿となった気体は帯電しやすく、ドライルーム11内での静電気の原因となる。
本実施形態では、除電装置60を設けて、被処理ガスPG3が帯びた電気を除去している。これにより、ドライルーム11に供給される調整用ガスAが帯びる電気が低減され、ドライルーム11内で静電気が発生しにくい。
したがって、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ガス処理装置30は、除電装置60を備えているため、処理済みガスGをドライルーム11に供給しても、ドライルーム11内で静電気が発生しにくい。したがって、リチウムイオン二次電池の製造過程で、静電気を原因としてセパレータ、正負の電極、ケース等のリチウムイオン二次電池を構成する部材に異物が付着することが抑制される。
(2)除電装置60は、被処理ガスの流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも下流であり、水分除去装置70よりも上流に設けられている。被処理ガスの除電は、溶剤蒸気を除去した後であり、水分を除去する前に行うことが好ましい。除電装置60を、有機溶剤除去装置50と水分除去装置70との間に配置することで、適切に除電を行うことができる。
(3)冷却回収部40により除去されなかった溶剤蒸気を除去するため、有機溶剤除去装置50は、被処理ガスPG2の流れる方向において、冷却回収部40よりも下流に設けられる。除電装置60は、被処理ガスPG3の流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも更に下流に設けられ、ガス処理装置30における下流側に位置することになる。ガス処理装置30の下流側に除電装置60が設けられることで、除電装置60から供給装置20までの経路長を短くすることができる。したがって、除電装置60によって除電された被処理ガスが、供給装置20に至るまでに再帯電することを抑制できる。
(4)複数の除電装置60を設けているため、除電装置60が単数の場合に比べて、被処理ガスPG4が帯びた電気を除去しやすい。
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
○除電装置60は、単数であってもよい。また、除電装置60は、2つ設けられていてもよいし、4つ以上設けられていてもよい。
○除電装置60は、被処理ガスの流れる方向において、水分除去装置70よりも下流に設けられていてもよい。
○除電装置60として光照射式のものを用いてもよい。
○除電装置60は、被処理ガスの流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも上流に設けられていてもよい。この場合、光照射式の除電装置を用いることが好ましい。
○除電装置60は、被処理ガスの流れる方向において、水分除去装置70よりも下流であり、有機溶剤除去装置50よりも上流に設けられていてもよい。
○水分除去装置70は、被処理ガスの流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも上流に設けられていてもよい。
○水分除去装置70は、被処理ガスの流れる方向において、有機溶剤除去装置50よりも上流であり、除電装置60よりも下流に設けられていてもよい。
○処理済みガスGを脱着ガスとしてもよい。例えば、水分除去装置70から排出された処理済みガスGの一部が濃縮部54に供給されるようにしてもよい。
○調整用ガスAとして、処理済みガスGのみを用いてもよい。
○予熱器25,26は、単数であってもよい。
11…ドライルーム、12…電池製造装置、30…ガス処理装置、50…有機溶剤除去装置、60…除電装置、70…水分除去装置。

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池を製造する電池製造装置が配置されたドライルームから排出された被処理ガスに処理を施して得られた処理済みガスを、前記ドライルームに供給するガス処理装置であって、
    前記被処理ガスから有機溶剤を除去する有機溶剤除去装置と、
    前記被処理ガスから水分を除去する水分除去装置と、
    前記被処理ガスが帯びた電気を除去する除電装置と、を備えたガス処理装置。
  2. 前記被処理ガスの流れる方向において、前記有機溶剤除去装置よりも下流に前記除電装置が配置されている請求項1に記載のガス処理装置。
  3. 前記被処理ガスの流れる方向において、前記水分除去装置よりも上流に前記除電装置が配置されている請求項2に記載のガス処理装置。
  4. 前記除電装置を複数備える請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のガス処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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