JP2019028055A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に対するセンサ出力の誤差の増大を抑制できるガスセンサを提供する。【解決手段】本開示は、被検出雰囲気中のガスを検出するためのガスセンサである。ガスセンサは、第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子と、第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子が格納された第1格納部及び第2格納部と、第1格納部及び第2格納部が収容されたケーシングとを備える。第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子は、自身の温度変化により抵抗値が変化する発熱抵抗体を有する熱伝導式の検出素子である。第1格納部は、水蒸気を透過しかつ被検出ガスを実質的に透過しない膜体で覆われた第1ガス導入口を有する。第2格納部は、ケーシングの内部から被検出ガスを導入する第2ガス導入口を有する。0℃から80℃まで雰囲気温度を変化させた際の、第1内部空間と第2内部空間との温度差の最大値が0.4℃以下となる位置に、第1格納部と第2格納部とが配置される。【選択図】図2

Description

本開示は、ガスセンサに関する。
可燃性ガス等を検出するガスセンサとして、水分の影響を受けないガスセンサが公知である(特許文献1参照)。特許文献1のガスセンサでは、検知対象ガスに開放した空間に1つのガス検出素子が配置され、水蒸気を透過しかつ被検出ガスを透過しない膜体で覆った空間に別のガス検出素子が配置される。
これにより、特許文献1のガスセンサでは、1対のガス検出素子の湿度条件が同じになるため、湿度の影響を受けずにガスを検出することができる。
特開2001−124716号公報
上記ガスセンサにおいて、1対のガス検出素子が配置される空間同士が離間していると、環境の温度変化によって1対のガス検出素子の雰囲気温度差が大きくなる場合がある。このように1対のガス検出素子の温度差が大きくなってしまうと、センサ出力の誤差が大きくなる。
本開示の一局面は、温度変化に対するセンサ出力の誤差の増大を抑制できるガスセンサを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、被検出雰囲気中のガスを検出するためのガスセンサである。ガスセンサは、第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子と、第1ガス検出素子が格納された第1内部空間を有する第1格納部と、第2ガス検出素子が格納された第2内部空間を有する第2格納部と、第1格納部及び第2格納部が収容されたケーシングと、第1ガス検出素子の発熱抵抗体及び第2ガス検出素子の発熱抵抗体に電圧を印加する回路基板と、被検出雰囲気中のガスの濃度を演算する演算部と、を備える。第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子は、それぞれ、自身の温度変化により抵抗値が変化する発熱抵抗体を有する熱伝導式の検出素子である。ケーシングは、被検出ガスを内部に導入する開口を有する。第1格納部は、第1ガス導入口を有する。第1ガス導入口は、第1内部空間とケーシングの内部とを連通すると共に、水蒸気を透過しかつ被検出ガスを実質的に透過しない膜体で覆われる。第2格納部は、第2ガス導入口を有する。第2ガス導入口は、ケーシングの内部から第2内部空間に被検出ガスを導入する。演算部は、直列に接続された2つの発熱抵抗体に一定の電圧を印加したときの2つの発熱抵抗体の間の電位から濃度を演算する。また、0℃から80℃まで雰囲気温度を変化させた際の、第1内部空間と第2内部空間との温度差の最大値が0.4℃以下となる位置に、第1格納部と第2格納部とが配置される。
このような構成によれば、環境の温度変化が生じても、第1ガス検出素子が配置される第1内部空間と、第2ガス検出素子が配置される第2内部空間との温度差が小さく保たれる。すなわち、第1ガス検出素子と第2ガス検出素子との測定条件が近くなる。その結果、温度変化に対する出力変動が小さくなり、センサ出力の誤差が低減される。また、演算部によって、精度よく被検出ガスの濃度を出力することができる。
本開示の一態様では、第1格納部は、第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子が載置されるセラミック製の台座と、第1内部空間及び第2内部空間を画定するように台座を覆うセラミック製の保護キャップと、を有してもよい。このような構成によれば、台座と保護キャップとの熱膨張率の差が小さくなり、熱衝撃によって台座と保護キャップとの密着性が低下することが抑制される。さらに、このような構成によれば、第1格納部及び第2格納部の形成を同時かつ容易に行える。その結果、第1内部空間と第2内部空間とを近接して配置できるので、第1内部空間と第2内部空間との温度差を低減できる。
本開示の一態様では、ケーシングは、開口に配置され、被検出ガスを透過しかつ液状の水を透過しないフィルタを有してもよい。このような構成によれば、被検出ガスの流速の影響が抑制されるので、センサ出力の精度を高めることができる。
実施形態のガスセンサを示す模式的な断面図である。 図1のガスセンサの第1格納部及び第2格納部近傍の模式的な部分拡大断面図である。 図1のガスセンサのガス検出素子の模式的な平面図である。 図3のVI−VI線での模式的な断面図である。 図1のガスセンサの模式的な回路図である。 図6Aは、雰囲気温度を0℃から80℃に変化させた際の第1内部空間と第2内部空間との温度差の変化を示すグラフであり、図6Bは、雰囲気温度を−40℃から100℃に変化させた際の第1内部空間と第2内部空間との温度差の変化を示すグラフであり、図6Cは、雰囲気温度を100℃から−40℃に変化させた際の第1内部空間と第2内部空間との温度差の変化を示すグラフであり、図6Dは、雰囲気温度を80℃から0℃に変化させた際の第1内部空間と第2内部空間との温度差の変化を示すグラフである。 第1内部空間と第2内部空間との温度差と、ガスセンサの出力誤差との関係を示すグラフである。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すガスセンサ1は、被検出雰囲気中のガスを検出するためのガスセンサである。ガスセンサ1の被検出ガスとしては、水素、アンモニア、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等の可燃性ガスが挙げられる。
ガスセンサ1は、図1に示すように、第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3と、第1格納部4及び第2格納部5と、ケーシング6と、回路基板10と、演算部12とを備える。
<第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子>
第1ガス検出素子2は、被検出ガスと反応しない熱伝導式の検出素子である。
第1ガス検出素子2は、図3及び図4に示すように、発熱抵抗体20と、絶縁層21と、配線22と、1対の第1電極パッド23A,23Bと、測温抵抗体24と、1対の第2電極パッド25A,25Bと、基板26とを有する。
発熱抵抗体20は、渦巻き形状にパターン化された導体であり、絶縁層21の中央部分に埋設されている。また、発熱抵抗体20には、四角形状の絶縁層21に埋設された配線22が電気的に接続されている。配線22は、両端が第1電極パッド23A,23Bに電気的に接続されている。したがって、発熱抵抗体20は、第1電極パッド23A,23Bに電気的に接続されている。
第1電極パッド23A,23Bは、絶縁層21の表面に形成されている。また、第1電極パッド23A,23Bの一方は、グランドに接続され、他方は回路基板10に接続される。
なお、絶縁層21の第1電極パッド23A,23Bと反対側の表面には、シリコン製の基板26が積層されている。基板26は、発熱抵抗体20が配置される領域には存在しない。この領域は、絶縁層21が露出する凹部27となり、ダイアフラム構造を構成している。
測温抵抗体24は、発熱抵抗体20よりも絶縁層21の外側に埋設され、第2電極パッド25A,25Bと電気的に接続されている。具体的には、測温抵抗体24は、絶縁層21の1辺の近傍に配置されている。また、第2電極パッド25A,25Bの一方は、グランドに接続され、他方は回路基板10に接続される。
発熱抵抗体20は、自身の温度変化により抵抗値が変化する部材であり、温度抵抗係数が大きい導電性材料で構成される。発熱抵抗体20の材料としては、例えば白金(Pt)が使用できる。
また、測温抵抗体24は、抵抗値が温度に比例して変化する導電性材料で構成される。測温抵抗体24の材料としては、例えば発熱抵抗体20と同様の白金(Pt)が使用できる。配線22、第1電極パッド23A,23B、及び第2電極パッド25A,25Bの材料も、発熱抵抗体20と同様とすることができる。
なお、絶縁層21は、単一の材料で形成されてもよいし、異なる材料を用いた複数の層から構成されてもよい。絶縁層21を構成する絶縁性材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化珪素(Si)等が挙げられる。
第2ガス検出素子3は、第1ガス検出素子2と同様、自身の温度変化により抵抗値が変化する発熱抵抗体と、測温抵抗体とを有する。第2ガス検出素子3の構成は、第1ガス検出素子2と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体と第2ガス検出素子3の発熱抵抗体とは、抵抗値が同じであることが好ましい。
<第1格納部及び第2格納部>
第1格納部4は、第1内部空間4Aと、第1ガス導入口4Bと、膜体4Cとを有する。また、第1格納部4は、セラミック製の台座7と、セラミック製の保護キャップ8とを有する。
膜体4Cは、水蒸気を透過しかつ被検出ガスを実質的に透過しない性質を有する。なお、「実質的に透過しない」とは、体積ベースで、被検出ガス(例えば水素)の透過量が水蒸気の透過量の50分の1以下であることを意味する。
このような膜体4Cとしては、フッ素樹脂製のイオン交換膜が好適に使用できる。具体的には、例えばNafion(登録商標)、Flemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)等が挙げられる。また、膜体4Cとして、被検出ガスと水蒸気とを分離できる中空糸膜を用いてもよい。
第1内部空間4Aには、第1ガス検出素子2が格納されている。また、第1ガス導入口4Bは、第1内部空間4Aとケーシング6の内部とを連通する。さらに、膜体4Cは、第1ガス導入口4Bの全体を覆って塞ぐように配置されている。
したがって、第1内部空間4Aには被検出ガスが供給されない。そのため、第1ガス検出素子2は、被検出ガス雰囲気に晒されない参照素子として機能するが、膜体4Cが水蒸気を透過するので、湿度条件は第2ガス検出素子3と同じになる。なお、第1内部空間4Aは、第1ガス導入口4B以外に開口を有さない。
第2格納部5は、第2内部空間5Aと、第2ガス導入口5Bとを有する。また、第2格納部5は、セラミック製の台座7と、セラミック製の保護キャップ8とを、第1格納部4と共有している。
第2内部空間5Aには、第2ガス検出素子3が格納されている。また、第2ガス導入口5Bは、第2内部空間5Aとケーシング6の内部とを連通する。第2ガス導入口5Bには膜体4Cが配置されておらず、開放されている。そのため、ケーシング6の内部から第2ガス導入口5Bを介して第2内部空間5Aに被検出ガスが供給される。なお、第2内部空間5Aは、第2ガス導入口5B以外に開口を有さない。
第1内部空間4A及び第2内部空間5Aは、それぞれ、台座7に保護キャップ8を被せることで形成されている。つまり、台座7及び保護キャップ8は、第1格納部4を構成すると共に第2格納部5も構成している。
また、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aは、台座7及び保護キャップ8を連結することで構成される壁によって仕切られている。つまり、第1格納部4及び第2格納部5は、1枚の壁を共有するように隣接して設けられている。
第1格納部4及び第2格納部5は、後述するように雰囲気温度を0℃から80℃まで変化させた際の、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差の最大値T1が0.4℃以下となる位置に配置されている。
(台座)
台座7は、第1ガス検出素子2が載置される凹部と、第2ガス検出素子3が載置される凹部とを有する。また、台座7は、回路基板10の表面に設置されている。
台座7の材質は、セラミックである。台座7を構成する好適なセラミックとしては、例えばアルミナが挙げられる。本実施形態では、台座7は保護キャップ8と同一のセラミックで構成される。
(保護キャップ)
保護キャップ8は、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aを画定する2つの凹部を有する。保護キャップ8の2つの凹部は、台座7の2つの凹部とそれぞれ突き合わせられる。保護キャップ8は、台座7と、台座7の2つの凹部に載置された第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3とを覆うように台座7に接着されている。
保護キャップ8の2つの凹部には、それぞれ第1ガス導入口4B及び第2ガス導入口5Bが設けられている。また、第1ガス導入口4Bの第1内部空間4A側の開口部分には膜体4Cが固定されている。具体的には、保護キャップ8の第1ガス検出素子2と対向する内面に、膜体4Cが接着されている。
保護キャップ8の材質は、セラミックである。保護キャップ8を構成する好適なセラミックとしては、例えばアルミナが挙げられる。上述のように、本実施形態では、台座7と保護キャップ8とは同一のセラミックで構成される。
(接着剤)
台座7と保護キャップ8とは接着剤9Aにより接着されている。この接着剤9Aとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を主成分とするものが使用できる。これらの中でも台座7と保護キャップ8との密着性を高める観点から、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤が好ましい。熱硬化性樹脂の具体例としては、例えばエポキシ樹脂等を挙げることができる。なお、「主成分」とは、80質量%以上含有される成分を意味する。
また、本実施形態では、膜体4Cも接着剤9Bにより保護キャップ8の内面に接着されている。膜体4Cを接着する接着剤9Bは、台座7と保護キャップ8とを接着する接着剤9Aと同じものを使用することができる。
<雰囲気温度を変化させた際の温度差>
ガスセンサ1が設置される雰囲気温度を0℃から80℃まで変化させた際の、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差の最大値T1は0.4℃以下である。また、雰囲気温度を80℃から0℃まで変化させた際の、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差の最大値T2についても、0.4℃以下であるとよい。さらに、T1及びT2は、それぞれ0.2℃以下であることが好ましい。
加えて、雰囲気温度を−40℃から100℃まで変化させた際の第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差の最大値T3、及び雰囲気温度を100℃から−40℃まで変化させた際の第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差の最大値T4についても、それぞれ0.4℃以下であるとよい。
T1、T2、T3及びT4は、例えば以下の手順で測定される。まず、計測開始温度に設定された恒温槽内にガスセンサを放置する。その後、恒温槽内を加熱、又は冷却し、計測終了温度に到達するまで第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差を計測する。計測した結果から、T1、T2、T3及びT4を算出する。
なお、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度は、それぞれ第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3の測温抵抗体24により測定できる。ただし、測温抵抗体24以外の手段、例えば第1内部空間4A及び第2内部空間5Aに配置した測温素子を用いて温度を測定してもよい。
T1、T2、T3及びT4は、例えば第1格納部4と第2格納部5との距離、これらを構成する部材の材質、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aを画定する壁の厚み等の調整により、上述した値以下とすることができる。
<ケーシング>
ケーシング6は、第1格納部4及び第2格納部5を収容する。ケーシング6は、被検出ガスを内部に導入する開口6Aと、開口6Aに配置されたフィルタ6Bとを有する。
具体的には、第1格納部4及び第2格納部5(つまり台座7及び保護キャップ8)は、ケーシング6と回路基板10との間に設けられた内部空間6Cに収容されている。内部空間6Cは、ケーシング6の内部に突出した内枠6Dにシール部材11を介して回路基板10を固定することで形成されている。
また、開口6Aは、被検出雰囲気と内部空間6Cとを連通するように形成されている。開口6Aから内部空間6Cに取り入れられた被検出ガスは、第2ガス導入口5Bを通じて第2内部空間5Aのみに供給される。一方、内部空間6C内の水蒸気は、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの双方に拡散可能である。
フィルタ6Bは、被検出ガスを透過しかつ液状の水を透過しない撥水フィルタである。フィルタ6Bにより、被検出ガスの流速変化によるセンサ出力への影響が抑制される。なお、本実施形態では、フィルタ6Bは、開口6Aを塞ぐようにケーシング6の内面に取り付けられている。
<回路基板>
回路基板10は、ケーシング6内に配置され、演算部12と図5に示す回路を形成する。回路基板10は、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20及び第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30に電圧を印加し、ガス濃度検出信号Vdを出力するガス検知回路C1と、測温抵抗体24に電圧を印加し、被検出雰囲気の温度を表す温度検出信号Vtを出力する温度測定回路C2とを有する。
<演算部>
演算部12は、被検出雰囲気中のガスの濃度を演算する。具体的には、図5に示すように、演算部12は、直列に接続された第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20及び第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30に一定の電圧Vccを印加したときの、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20と第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30との間の電位から濃度を演算する。
より詳細には、ガス検知回路C1は、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20と第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30との間の電位と、固定抵抗R3及び固定抵抗R4との間の電位との電位差を差動増幅回路により増幅させた電位差Vdを出力し、Vdから算出された濃度Dが演算部12により出力される。
なお、演算部12及び回路基板10には直流電源40から電流が供給される。また、演算部12には、第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3それぞれの測温抵抗体24が接続されている。被検出雰囲気の温度変化に伴って、測温抵抗体24の抵抗値が変化することにより電位差が生じ、温度測定回路C2により、この電位差を増幅したものが温度検出信号Vtとして出力される。Vtは演算部12により、第1格納部4及び第2格納部5のそれぞれの雰囲気温度Tに変換される。
[1−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)T1が0.4℃以下であるので、環境の温度変化が生じても、第1ガス検出素子2が配置される第1内部空間4Aと、第2ガス検出素子3が配置される第2内部空間5Aとの温度差が小さく保たれる。すなわち、第1ガス検出素子2と第2ガス検出素子3との測定条件が近くなる。その結果、温度変化に対する出力変動が小さくなり、センサ出力の誤差が低減される。
(1b)回路基板10と演算部12とにより、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20及び第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30との間の電位を用いてガスの濃度を演算することで、精度よく被検出ガスの濃度を出力することができる。
(1c)台座7と保護キャップ8とがセラミックで構成されることで、両者の熱膨張率の差が小さくなる。そのため、熱衝撃によって台座7と保護キャップ8との密着性が低下することが抑制され、第1内部空間4Aの密閉性を高めることができる。
また、第1ガス導入口4Bがセラミック製の保護キャップ8に設けられると共に、膜体4Cが第1ガス導入口4Bを覆うように保護キャップ8に設けられる。そのため、膜体4Cは、金属に接触せず、金属イオンによって汚染されない。したがって、膜体4Cの水蒸気透過性能の低下が抑制される。
(1d)台座7及び保護キャップ8は、第1格納部4を構成すると共に第2格納部5も構成しているので、第1格納部4及び第2格納部5の形成が同時かつ容易に行える。また、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aを近接して配置できるので、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの温度差を低減できる。
(1f)ケーシング6が開口6Aに配置されたフィルタ6Bを有することで、液状の水のケーシング6の内部への侵入が抑制される。その結果、センサ出力の精度を高めることができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態のガスセンサ1において、台座7と保護キャップ8とは、必ずしもセラミックで構成される必要はない。さらに、台座7と保護キャップ8とは、接着剤9A以外の手段で固定されてもよい。
(2b)上記実施形態のガスセンサ1において、第1格納部4を構成する台座及び保護キャップと、第2格納部5を構成する台座及び保護キャップとは、別部材であってもよい。つまり、第1格納部4の台座及び保護キャップと、第2格納部5の台座及び保護キャップとを別々に設けてもよい。また、第1格納部4と第2格納部5とは離間して配置されてもよい。
(2c)上記実施形態のガスセンサ1において、膜体4Cは、第1ガス導入口4Bを塞ぐように保護キャップ8の外側に配置されてもよい。また、膜体4Cは、接着剤以外の手段で保護キャップ8に取り付けられてもよい。
(2d)上記実施形態のガスセンサ1において、第1格納部4及び第2格納部5は、必ずしも台座及び保護キャップにより構成されなくてもよい。例えば、第1格納部4及び第2格納部5は、中空状の1つの部材によってそれぞれ構成されてもよい。
(2e)上記実施形態のガスセンサ1において、ケーシング6は必ずしもフィルタ6Bを備えなくてもよい。また、図1及び図2に示すケーシング6の形状は一例であり、適宜変更が可能である。
(2f)上記実施形態のガスセンサ1において、第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3は、測温抵抗体24を備えなくてもよい。また、第1格納部4及び第2格納部5に測温抵抗体24以外の測温手段が設けられてもよい。
(2g)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[3.実施例]
以下、本開示の効果を確認するために行った実施例1と比較例1との比較について説明する。
(実施例)
図1に示すガスセンサ1を初期温度0℃の恒温槽の中に放置した。その後、恒温槽の温度を80℃に設定してからガスセンサ1の雰囲気温度が80℃に到達するまでの間の第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差を測定した。
温度測定は、第1ガス検出素子2及び第2ガス検出素子3それぞれの測温抵抗体24により行った。また、図5に示す回路において、電圧Vccを5V、第1ガス検出素子2の発熱抵抗体20の抵抗を100Ω、第2ガス検出素子3の発熱抵抗体30の抵抗を100Ωとした。
さらに、ガスセンサ1を放置する恒温槽の初期温度をそれぞれ−40℃、100℃、及び80℃とし、到達温度をそれぞれ100℃、−40℃、及び0℃として、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差を測定した。これらの計測条件ごとの結果を図6A,6B,6C,6Dに示す。
(比較例)
図1に示すガスセンサ1に対し、第1内部空間4Aと第2内部空間5Aとの距離を20倍に広げたガスセンサを作製した。このガスセンサに対し、実施例と同じ複数の計測条件で雰囲気温度を変化させて第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差を測定した。これらの結果を図6A,6B,6C,6Dに示す。
(考察)
図6A,6B,6C,6Dに示されるように、実施例では、4つの計測条件すべてにおいて、雰囲気温度の変化に対する第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差の変化が小さい。また、すべての計測条件で温度差の最大値は0.4℃以下である。これに対し、比較例では、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差の変化が大きく、温度差の最大値はすべての計測条件で1℃以上である。
ここで、図7に示すように、第1内部空間及び第2内部空間の温度差とガスセンサの出力誤差は比例関係にある。つまり、2つの空間の温度差が大きくなるほど、出力誤差も大きくなる。
実施例では、各計測条件における温度差の最大値は0.4℃以下である。したがって、図7から、実施例における出力誤差は常に1000ppm未満となる。一方で、比較例では、雰囲気温度を−40℃から100℃へ変化させた計測条件では温度差の最大値は2.0℃を超える。このとき、出力誤差は5000ppm超となる。
このように、第1内部空間4A及び第2内部空間5Aの温度差の最大値を0.4℃以下とすることで、出力誤差を大幅が低減され、センサ出力の精度を高めることができる。
1…ガスセンサ、2…第1ガス検出素子、3…第2ガス検出素子、
4…第1格納部、4A…第1内部空間、4B…第1ガス導入口、
4C…膜体、5…第2格納部、5A…第2内部空間、5B…第2ガス導入口、
6…ケーシング、6A…開口、6B…フィルタ、6C…内部空間、6D…内枠、
7…台座、8…保護キャップ、9A…接着剤、9B…接着剤、10…回路基板、
11…シール部材、12…演算部、20…発熱抵抗体、21…絶縁層、22…配線、
23A,23B…第1電極パッド、24…測温抵抗体、
25A,25B…第2電極パッド、26…基板、27…凹部、30…発熱抵抗体、
40…直流電源。

Claims (3)

  1. 被検出雰囲気中のガスを検出するためのガスセンサであって、
    第1ガス検出素子及び第2ガス検出素子と、
    前記第1ガス検出素子が格納された第1内部空間を有する第1格納部と、
    前記第2ガス検出素子が格納された第2内部空間を有する第2格納部と、
    前記第1格納部及び前記第2格納部が収容されたケーシングと、
    前記第1ガス検出素子の発熱抵抗体及び前記第2ガス検出素子の発熱抵抗体に電圧を印加する回路基板と、
    被検出雰囲気中のガスの濃度を演算する演算部と、
    を備え、
    前記第1ガス検出素子及び前記第2ガス検出素子は、それぞれ、自身の温度変化により抵抗値が変化する発熱抵抗体を有する熱伝導式の検出素子であり、
    前記ケーシングは、被検出ガスを内部に導入する開口を有し、
    前記第1格納部は、前記第1内部空間と前記ケーシングの内部とを連通すると共に、水蒸気を透過しかつ被検出ガスを実質的に透過しない膜体で覆われた第1ガス導入口を有し、
    前記第2格納部は、前記ケーシングの内部から前記第2内部空間に被検出ガスを導入する第2ガス導入口を有し、
    前記演算部は、直列に接続された前記2つの発熱抵抗体に一定の電圧を印加したときの前記2つの発熱抵抗体の間の電位から前記濃度を演算し、
    0℃から80℃まで雰囲気温度を変化させた際の、前記第1内部空間と前記第2内部空間との温度差の最大値が0.4℃以下となる位置に、前記第1格納部と前記第2格納部とが配置された、ガスセンサ。
  2. 前記第1格納部は、
    前記第1ガス検出素子及び前記第2ガス検出素子が載置されるセラミック製の台座と、
    前記第1内部空間及び前記第2内部空間を画定するように前記台座を覆うセラミック製の保護キャップと、
    を有する、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記ケーシングは、前記開口に配置され、被検出ガスを透過しかつ液状の水を透過しないフィルタを有する、請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ。
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