JP2019026618A - カルボン酸エステルの製造方法及び触媒 - Google Patents
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Abstract
Description
エステル交換反応の触媒としては、例えば、Sn化合物やHf化合物、Zn化合物、Ti化合物等の金属ルイス酸触媒が提案されている(非特許文献1〜5)。
[1]下記式(1)で表される触媒活性種又は下記式(2)で表される触媒活性種の存在下に、メタクリル酸メチルとジオール化合物とでエステル交換反応を行ってカルボン酸エステルを得る、カルボン酸エステルの製造方法。
[R1R2R3R4P]+[OR5]− ・・・(1)
[R6R7R8R9N]+[OR10]− ・・・(2)
(ただし、式中、R1〜R4及びR6〜R9はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R5及びR10はそれぞれ独立に水酸基を有してもよいアルキル基又はアリール基である。)
[2]前記式(2)で表される触媒活性種が[Me4N]+[OR10]−(ただし、Meはメチル基である。)である、[1]に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[3]前記ジオール化合物が、1級水酸基と2級水酸基の組み合わせ、2級水酸基と3級水酸基の組み合わせ、又は1級水酸基と3級水酸基の組み合わせを有する、[1]又は[2]に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[4]前記ジオール化合物における、1つ水酸基が結合している炭素原子から別の水酸基が結合している炭素原子までの炭素原子数が、2〜10である、[1]〜[3]のいずれかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[5]前記式(1)で表される触媒活性種の存在下の前記エステル交換反応によりカルボン酸モノエステルを得る、[1]、[3]、[4]のいずれかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[6]前記式(2)で表される触媒活性種の存在下の前記エステル交換反応によりカルボン酸ジエステルを得る、[1]〜[4]のいずれかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[7]反応温度が0〜100℃である、[1]〜[6]のいずれかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[8]前記ジオール化合物に対する前記触媒活性種の割合が1mol%以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。
[9]メタクリル酸メチルとジオール化合物とのエステル交換反応によりカルボン酸エステルを得るための触媒であって、
下記式(C1)で表されるホスホニウム塩又は下記式(C2)で表されるアンモニウム塩からなる触媒。
[R1R2R3R4P]+[OCO2R11]− ・・・(C1)
[R6R7R8R9N]+[OCO2R12]− ・・・(C2)
(ただし、式中、R1〜R4及びR6〜R9はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R11及びR12はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基である。)
[10]前記式(C2)で表されるアンモニウム塩が[Me4N]+[OCO2R12]−(ただし、Meはメチル基である。)である、[9]に記載の触媒。
本発明の触媒を用いれば、ジオール化合物とメタクリル酸メチルとのエステル交換反応によりカルボン酸エステルを製造できる。
「Me」は、メチル基を意味する。
「Ac」は、アセチル基を意味する。
「Ph」は、フェニル基を意味する。
式(1)で表される触媒活性種を「活性種(1)」と記す。他の式で表される触媒活性種についても同様である。
式(C1)で表される触媒を「触媒(C1)」と記す。他の式で表される触媒についても同様である。
[R6R7R8R9N]+[OR10]− ・・・(2)
ただし、前記式中、R1〜R4及びR6〜R9はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R5及びR10はそれぞれ独立に水酸基を有してもよいアルキル基又はアリール基である。
置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。置換基としてのアルキル基、シクロアルキル基としては、例えば、前記したアルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。ペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
R5のアリール基は、水酸基を有していてもよい。R5のアリール基としては、特に限定されず、例えば、R1〜R4で挙げたアリール基、該アリール基の少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されている基が挙げられる。
R5としては、アルキル基、水酸基を有していてもよいアルキル基が好ましく、水酸基を1つ有するアルキル基がより好ましい。
R10としては、アルキル基、水酸基を有していてもよいアルキル基が好ましく、水酸基を1つ有するアルキル基がより好ましい。
触媒(C1)及び触媒(C2)は、活性種(1)及び活性種(2)に比べて安定で分解しにくいため、取り扱い性に優れる。なお、本発明では、活性種(1)又は活性種(2)を直接反応系に添加してもよい。
[R6R7R8R9N]+[OCO2R12]− ・・・(C2)
ただし、式(C1)、(C2)中のR1〜R4、R5〜R9は、式(1)、(2)のR1〜R4、R5〜R9と同じである。R11及びR12はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基である。
R11及びR12のアリール基としては、特に限定されず、例えば、R1〜R4で挙げたアリール基が挙げられる。
触媒(C1)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
触媒(C2)としては、生じる活性種(2)が分解しにくく高い触媒活性が得られやすい点から、[Me4N]+[OCO2R12]−が好ましく、[Me4N]+[OCO2Me]−(触媒(C2a))が特に好ましい。[Me4N]+[OCO2R12]−と原料由来のアルコール間の反応により[Me4N]+[OR10]−が生じる。
触媒(C2)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ジオール化合物が有する水酸基は、1級水酸基、2級水酸基、3級水酸基のいずれであってもよい。ジオール化合物が有する水酸基は、1級水酸基のみであってもよく、2級水酸基のみであってもよく、3水酸基のみであってもよく、1級水酸基と2級水酸基の組み合わせであってもよく、2級水酸基と3級水酸基の組み合わせであってもよく、1級水酸基と3級水酸基の組み合わせであってもよい。エステル交換反応においては、立体障害の点から、3級水酸基よりも2級水酸基、2級水酸基よりも1級水酸基が反応しやすい。
ジオール化合物としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(i)ジオール化合物が、1級水酸基と2級水酸基の組み合わせ、2級水酸基と3級水酸基の組み合わせ、又は1級水酸基と3級水酸基の組み合わせを有する。
(ii)ジオール化合物における、1つ水酸基が結合している炭素原子から別の水酸基が結合している炭素原子までの炭素原子数(NC)が、2〜10である。
なお、NCには、2つの水酸基が結合している炭素原子が数に含まれる。例えばNCが2のジオール化合物とは、隣り合う炭素原子にそれぞれ水酸基が結合しているジオール化合物である。
ジオール化合物が1級水酸基と3級水酸基を有する場合、ジオール化合物の1級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こったカルボン酸モノエステルが高収率で得られる。
ジオール化合物が2級水酸基と3級水酸基を有する場合、ジオール化合物の2級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こったカルボン酸モノエステルが高収率で得られる。
ジオール化合物が1級水酸基と3級水酸基を有する場合も同様に、ジオール化合物の1級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こり、CH2=C(CH3)−CO−基が1級水酸基から3級水酸基に分子内転移した後、再び1級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こってカルボン酸ジエステルが得られる。
ジオール化合物が2級水酸基と3級水酸基を有する場合は、ジオール化合物の2級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こり、CH2=C(CH3)−CO−基が2級水酸基から3級水酸基に分子内転移した後、再び2級水酸基でMMAとのエステル交換反応が起こってカルボン酸ジエステルが得られる。
反応溶媒としては、活性種(1)、(2)の失活を抑制する点から、水を用いずに、有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されず、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。反応溶媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタンが挙げられる。
ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。
還流を行う場合は、反応温度を還流温度としてもよい。
また、条件(i)及び条件(ii)のいずれか一方又は両方を満たすジオール化合物を用いて、活性種(1)又は活性種(2)を使い分けることで、カルボン酸モノエステル又はカルボン酸ジエステルを選択的に得ることができる。
[実施例1]
シュレンク反応容器に、メチルトリn−オクチルホスホニウムメチルカーボネート([Me(n−octyl)3P]+[OCO2Me]−、触媒(C1a)、55.8μL、0.12mmol)を入れ、メタクリル酸メチル(MMA、4mL)を加えて、室温で1〜2分撹拌した。ついで、3−メチルブタン−1,3−ジオール(化合物(3a)、213μL、2.0mmol)、内部標準物質(4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル、53.3mg、0.20mmol)、1.0gの乾燥済みのパウダー状モレキュラーシーブス5A(MS5A)を加え、室温(25℃)で3時間撹拌し、下記式で表されるエステル交換反応を行った。反応中は、適宜、薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応の進行状態を確認した。反応混合液をセライトパッドに通してMS5Aを除去し、混合液からMMAを減圧留去して、濃縮後に1H NMR(内部標準法)で反応生成物の収率を測定した。濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜10:1)にかけ、カルボン酸モノエステル(化合物(4a))を単離した。反応生成物の収量及び収率を表1に示す。
なお、反応系では、触媒(C1a)と原料由来のアルコール(化合物(3a))間の反応により触媒活性種としてMe(n−octyl)3P]+[OR5]−(大部分のR5は3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基である。)が生じる。
1H−NMRデータ(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.29(s,6H)、1.90(t,J=6.9Hz,2H)、1.95(dd,J=1.4,0.9Hz,3H)、4.34(t,J=6.9Hz,2H)、5.57(quintet,J=1.4Hz,1H),6.09(t,J=1.4Hz,1H)[OH was not observed.]。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.3、29.7(2C)、41.6、61.7、70.0、125.6、136.3、167.5。
IR(neat)3434、2972、1718、1637、1455、1378、1326、1300、1168cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C9H17O3 [M+H]+ 173.1178、found 173.1175。
エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
反応生成物の収量及び収率を表1に示す。
触媒(C1a)の代わりにテトラメチルアンモニウムメチルカーボネート([Me4N]+[OCO2Me]−、触媒(C2a)、17.9mg、0.12mmol)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。実施例1と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりカルボン酸ジエステル(化合物(5a))を単離した。反応生成物の収量及び収率を表1に示す。
なお、反応系では、触媒(C2a)と原料由来のアルコール(化合物(3a))間の反応により触媒活性種として[Me4N]+[OR5]−(大部分のR5は3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基である。)が生じる。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.55(s,6H)、1.90(t,J=1.4Hz,3H)、1.93(t,J=1.4Hz,3H)、2.22(t,J=6.9Hz,2H)、4.27(t,J=6.9Hz,2H)、5.50(quintet,J=1.4Hz,1H)、5.55(quintet,J=1.4Hz,1H)、6.02(t,J=1.4Hz,1H)、6.09(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.3、18.4、26.4(2C)、39.3、61.0、81.0、124.9、125.6、136.3、137.6、166.6、167.4。
IR(neat)1716、1637、1454、1331、1298、1142cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C13H21O4 [M+H]+ 241.1440、found 241.1447。
触媒(C1a)の代わりに、ブレンステッド酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(TsOH、6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表1に示す。
触媒(C1a)の代わりに、ルイス酸触媒としてZn(OAc)2(6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表1に示す。
一方、触媒としてブレンステッド酸触媒であるTsOHやルイス酸触媒であるZn(OAc)2を用いた比較例1、2では、エステル交換反応はほとんど進行せず、カルボン酸エステル(化合物(4a)、化合物(5a))はほとんど得られなかった。
化合物(3a)の代わりに2−メチルプロパン−1,2−ジオール(化合物(3b)、2.0mmol)を用い、エステル交換反応における触媒の種類、反応温度及び反応時間を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして下記式で表されるエステル交換を行った。
実施例1と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、実施例5においてカルボン酸モノエステル(化合物(4b))を単離し、実施例6においてカルボン酸ジエステル(化合物(5b))を単離した。
反応生成物の収量及び収率を表2に示す。
1H−NMR(400 MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.28(s,6H)、1.90(s,1H)、1.98(d,J=1.4Hz,3H)、4.04(s,2H)、5.61(t,J=1.4Hz,1H)、6.16(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.5、26.3(2C)、70.1、72.4、126.1、136.2、167.5。
IR(neat)3437、2978、1720、1637、1455、1381、1322、1299、1166cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C8H15O3 [M+H]+ 159.1021、found 159.1018。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.55(s,6H)、1.89(s,3H)、1.96(s,3H)、4.32(s,2H)、5.51(t,J=1.4Hz,1H)、5.59(t,J=1.4Hz,1H)、6.02(s,1H)、6.13(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.4(2C)、23.3(2C)、69.3、80.2、125.2、125.9、136.2、137.5、166.6、167.0。
IR(neat)1715、1637、1453、1377、1331、1302、1127cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C12H19O4 [M+H]+ 227.1283、found 227.1280。
化合物(3a)の代わりにペンタン−1,3−ジオール(化合物(3c)、2.0mmol)を用い、エステル交換反応における触媒の種類、反応温度及び反応時間を表3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして下記式で表されるエステル交換を行った。
実施例1と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、実施例7においてカルボン酸モノエステル(化合物(4c)、化合物(4c’))を単離し、実施例8においてカルボン酸ジエステル(化合物(5c))を単離した。
反応生成物の収量及び収率を表3に示す。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):0.96(t,J=7.3Hz,3H)、1.45−1.58(m,2H)、1.62−1.76(m,2H)、1.95(s,3H)、2.03(m,1H)、3.64(m,1H)、4.24(dt,J=11.4,1.5Hz,1H)、4.44(m,1H)、5.58(t,J=1.4Hz,1H)、6.11(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):9.9、18.3、30.2、35.9、62.1、69.9、125.7、136.3、167.8。
HRMS(FAB+) calcd for C9H17O3 [M+H]+ 173.1178、found 173.1178。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):0.94(t,J=7.3Hz,3H)、1.62−1.76(m,2H)、1.83−1.96(m,2H)、1.95(s,3H)、2.49(m,1H)、3.54(m,1H)、3.64(m,1H)、5.04(m,1H)、5.59(t,J=1.4Hz,1H)、6.13(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):9.7、18.3、27.6、37.1、58.5、73.0、125.8、136.3、168.2。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):0.92(t,J=7.3Hz,3H)、1.67(m,2H)、1.93(s,3H)、1.94(s,3H)、1.98(q,J=6.9Hz,2H)、4.16(dt,J=11.4,6.9,1H)、4.24(dt,J=11.0,6.4Hz,1H)、5.02(quintet,J=6.4Hz,1H)、5.55(m,2H)、6.10(d,J=0.9Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):9.5、18.3、18.4、27.2、32.6、61.3、72.7、125.4、125.7、136.3、136.5、167.0、167.4。
IR(neat)2790、1719、1637、1454、1322、1296、1165cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C13H21O4 [M+H]+ 241.1440、found 241.1440。
化合物(3a)の代わりにブタン−1,3−ジオール(化合物(3d)、2.0mmol)を用い、エステル交換反応における触媒の種類、反応温度及び反応時間を表4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして下記式で表されるエステル交換を行った。
実施例1と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、実施例9においてカルボン酸モノエステル(化合物(4d)、化合物(4d’))を単離し、実施例10においてカルボン酸ジエステル(化合物(5d))を単離した。
反応生成物の収量及び収率を表4に示す。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.24(d,J=6.4Hz,3H)、1.71−1.91(m,2H)、1.95(d,J=0.92Hz,3H)、2.02(brs,1H)、3.90(m,1H)、4.21(dt,J=11.0,5.5Hz,1H)、4.43(m,1H)、5.58(d,J=1.4Hz,1H)、6.11(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.4、23.5、38.1、62.0、64.9、125.8、136.3、167.8。
HRMS(FAB+) calcd for C8H15O3 [M+H]+ 159.1021、found 159.1024。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.32(d,J=6.4Hz,3H)、1.71−1.91(m,2H)、1.95(d,J=0.92Hz,3H)、2.23(m,1H)、3.59(m,1H)、3.68(m,1H)、5.18(m,1H)、5.58(d,J=1.4Hz,1H)、6.11(s,1H)。 13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):20.4、23.5、39.2、58.1、68.5、125.7、136.4、167.8。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.32(d,J=6.4Hz,3H)、1.89(s,6H)、1.92−2.07(m,2H)、4.15−4.28(m,2H)、5.11(m,1H)、5.54−5.57(m,2H)、6.09−6.11(m,2H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.4(2C)、20.1、34.9、61.1、68.3、125.4、125.7、136.2、136.6、166.9、167.3。
IR(neat)2980、1719、1637、1453、1378、1321、1297、1167cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C12H19O4 [M+H]+ 227.1283、found 227.1280。
化合物(3a)の代わりに化合物(3d)(2.0mmol)を用い、触媒(C1a)の代わりにTsOH(6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表4に示す。
化合物(3a)の代わりに化合物(3d)(2.0mmol)を用い、触媒(C1a)の代わりにZn(OAc)2(6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表4に示す。
一方、触媒としてブレンステッド酸触媒であるTsOHやルイス酸触媒であるZn(OAc)2を用いた比較例3、4では、エステル交換反応はほとんど進行せず、カルボン酸エステル(化合物(4d)、(4d’)、(5d))はほとんど得られなかった。
化合物(3a)の代わりに2−メチルペンタン−2,4−ジオール(化合物(3e)、2.0mmol)を用い、エステル交換反応における触媒の種類、反応温度及び反応時間を表5に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして下記式で表されるエステル交換を行った。
実施例1と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、実施例11においてカルボン酸モノエステル(化合物(4e))を単離し、実施例12においてカルボン酸ジエステル(化合物(5e))を単離した。
反応生成物の収量及び収率を表5に示す。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.23(s,3H)、1.24(s,3H)、1.31(d,J=6.0Hz,3H)、1.69(dd,J=14.7,3.2Hz,1H)、1.94(d,J=0.9Hz,3H)、1.95(m,1H)、2.01(s,1H)、5.23(m,1H)、5.57(t,J=1.4Hz,1H)、6.09(s,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.4、21.8、29.9(2C)、49.1、69.2、70.1、125.7、136.7、167.2。
IR(neat)3450、2932、1715、1636、1453、1378、1321、1301、1173、1127cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C10H19O3 [M+H]+ 187.1334、found 187.1341。
1H−NMR(400MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.27(d,J=6.0Hz,3H)、1.49(s,3H)、1.51(s,3H)、1.87(d,J=0.9Hz,3H)、1.91(d,J=0.9Hz,3H)、2.07(dd,J=15.1,3.2Hz,1H)、2.30(dd,J=15.1,8.7Hz,1H)、5.23(m,1H)、5.47(t,J=1.8Hz,1H)、5.53(t,J=1.8Hz,1H)、5.99(d,J=0.9Hz,1H)、6.06(d,J=0.9Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm):18.4、18.5、21.7、26.4、27.2、45.8、68.1、81.3、124.9、125.4、136.8、137.8、166.8、166.9。
IR(neat)2980、1715、1637、1453、1377、1331、1302、1181、1127cm−1。
HRMS(FAB+) calcd for C14H23O4 [M+H]+ 255.1596、found 255.1603。
化合物(3a)の代わりに化合物(3e)(2.0mmol)を用い、触媒(C1a)の代わりにTsOH(6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表5に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表5に示す。
化合物(3a)の代わりに化合物(3e)(2.0mmol)を用い、触媒(C1a)の代わりにZn(OAc)2(6mol%)を用い、エステル交換反応の反応温度及び反応時間を表5に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応生成物の収量及び収率を表5に示す。
一方、触媒としてブレンステッド酸触媒であるTsOHやルイス酸触媒であるZn(OAc)2を用いた比較例5、6では、エステル交換反応は進行せず、カルボン酸エステル(化合物(4e)、化合物(5e))が得られなかった。
下記式で表される触媒(C1a)、(C2a)〜(C2d)、(C’2a)、(C’2b)を用意した。
脱脂綿と1.0gの乾燥済みのパウダー状モレキュラーシーブス5A(MS5A)を入れたソックスレー還流器に、表6に示す触媒(0.12mmol)を入れ、トルエン(4mL)を加えて室温で1〜2分撹拌した。ついで、安息香酸メチル(2.0mmol、249μL)と5−ノナノール(化合物(6a)、2.0mmol、350μL)を加え、反応器を加熱還流条件(バス温140℃)まで加熱してエステル交換反応を行った。適宜TLCで反応の進行状態を確認して還流を続け、1時間後に反応混合液を室温まで冷却した。反応混合液を濃縮して溶媒を留去し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜10:1)にかけ、反応生成物(化合物(7a))を単離した。反応生成物の収率を表6に示す。
また、触媒のカウンターアニオンを[OCO2H]−又はCl−とした参考例6、7では、参考例1〜5に比べて触媒活性が低かった。
Claims (10)
- 下記式(1)で表される触媒活性種又は下記式(2)で表される触媒活性種の存在下に、メタクリル酸メチルとジオール化合物とでエステル交換反応を行ってカルボン酸エステルを得る、カルボン酸エステルの製造方法。
[R1R2R3R4P]+[OR5]− ・・・(1)
[R6R7R8R9N]+[OR10]− ・・・(2)
(ただし、式中、R1〜R4及びR6〜R9はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R5及びR10はそれぞれ独立に水酸基を有してもよいアルキル基又はアリール基である。) - 前記式(2)で表される触媒活性種が[Me4N]+[OR10]−(ただし、Meはメチル基である。)である、請求項1に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 前記ジオール化合物が、1級水酸基と2級水酸基の組み合わせ、2級水酸基と3級水酸基の組み合わせ、又は1級水酸基と3級水酸基の組み合わせを有する、請求項1又は2に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 前記ジオール化合物における、1つ水酸基が結合している炭素原子から別の水酸基が結合している炭素原子までの炭素原子数が、2〜10である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 前記式(1)で表される触媒活性種の存在下の前記エステル交換反応によりカルボン酸モノエステルを得る、請求項1、3、4のいずれか一項に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 前記式(2)で表される触媒活性種の存在下の前記エステル交換反応によりカルボン酸ジエステルを得る、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 反応温度が0〜100℃である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- 前記ジオール化合物に対する前記触媒活性種の割合が1mol%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
- メタクリル酸メチルとジオール化合物とのエステル交換反応によりカルボン酸エステルを得るための触媒であって、
下記式(C1)で表されるホスホニウム塩又は下記式(C2)で表されるアンモニウム塩からなる触媒。
[R1R2R3R4P]+[OCO2R11]− ・・・(C1)
[R6R7R8R9N]+[OCO2R12]− ・・・(C2)
(ただし、式中、R1〜R4及びR6〜R9はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R11及びR12はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基である。) - 前記式(C2)で表されるアンモニウム塩が[Me4N]+[OCO2R12]−(ただし、Meはメチル基である。)である、請求項9に記載の触媒。
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多畑勇志 ら: "高活性第四級アンモニウム塩触媒を用いるエステル交換反応", 日本化学会春季年会講演予稿集, vol. 97, no. 4, JPN6021014447, 3 March 2017 (2017-03-03), JP, pages 6 - 35, ISSN: 0004634273 * |
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