以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球P(図4参照)を供給し、且つ賞球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球Pの発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠13の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4には、枠体60が取り付けられている。枠体60の上部は、円弧状に湾曲した形成されたガイドレール20である。枠体60はLCDである表示装置28を正面視において囲む。表示装置28は、各種の情報を遊技者に向けて表示する表示面28Aを備える。表示面28Aでは、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための報知演出、大当たり遊技中の演出等、様々な演出の映像が表示される。特に、報知演出では複数のデモ図柄の変動および停止が行われ、同一のデモ図柄が所定ライン上に確定表示されることで、大当たり判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。大当たりの判定が報知されることに伴って、遊技者が発射ハンドル7を操作して遊技球Pを遊技領域4の右側に向けて打ち込むと、ガイドレール20は打ち込まれた遊技球Pを下側から受けて、流下方向の下流側である右下側へ案内する。
ガイドレール20の下流側(右下側)には、案内手段70が設けられる。案内手段70は、ガイドレール20によって案内された遊技球Pを下側に案内する。案内手段70の詳細な構成は後述する。案内手段70の下方には、普通図柄始動ゲート12が設けられる。案内手段70によって案内された遊技球Pが普通図柄始動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。普通図柄始動ゲート12の下方には、略箱状に形成されたアタッカー装置50が設けられている。アタッカー装置50は、案内流路、複数の大入賞口、遊技球Pを左方に向けて放出する放出口等を備える。複数の大入賞口は、大当たりの判定に伴って、所定のタイミングで開放される。このとき、案内手段70によって案内された遊技球Pは大入賞口に入賞可能となる。
表示装置28の下方には、上方から順に、第一特別図柄始動電動役物14、第二特別図柄始動電動役物16、及びアウト口19が設けられている。第一特別図柄始動電動役物14に遊技球Pが入賞することを契機として、第一特別図柄の大当たり判定が行われる。第二特別図柄始動電動役物16は、普通当たり判定によって当たりと判定された場合に、入賞可能となる。第二特別図柄始動電動役物16に遊技球Pが入賞することを契機として、第二特別図柄の大当たり判定が行われる。アウト口19は、遊技領域4の下端まで流下した遊技球Pを回収し、遊技盤2の後側へ排出する。
図示しないが、パチンコ機1の背面側には制御部(図示略)が設けられている。制御部は、主基板、中継基板、サブ制御基板、及び払出制御基板等を備える。各基板は、CPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。主基板は、第一特別図柄始動電動役物14、第二特別図柄始動電動役物16等に接続されている。中継基板は、主基板で行われた各種判定の結果等に基づいて、アタッカー装置50を駆動する。サブ制御基板は、主基板で行われた各種判定の結果等に基づいて、各種演出動作を実行する。サブ制御基板は、表示装置28の表示制御を行う演出制御基板等に接続されている。払出制御基板は、パチンコ機1に設けられた賞球払出装置(図示略)を、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて駆動し、賞球としての遊技球Pを上皿5に払い出させる。
案内手段70の構成を説明する。図3、図4に示すように、案内手段70は、枠体60の右部を構成する樹脂製の略箱状である。案内手段70は、後壁部71、上前壁部72、及び下前壁部73によって構成される。上前壁部72は後壁部71の上部を前側から覆い、下前壁部73は後壁部71の下部を前側から覆う。以下、案内手段70の上部を「上案内装置100」といい、案内手段70の下部を「下案内装置200」という。
図4に示すように、上案内装置100は、上流側(上側)から順に、第一案内部131、第二案内部132、第三案内部133、及び第四案内部140を備える。これら四つの案内部は、いずれも、左右方向及び上下方向に対して交差する方向に延びており、流下する遊技球Pに下側から接触し、遊技球Pの向きを変えさせながら下側に案内する。これら四つの案内部のうちで第四案内部140の勾配が最も小さく、遊技球Pの中心部に対して面接触し、遊技球Pの勢いを効率良く低減する。尚、本明細書では、「勾配」は、水平方向に対する勾配を示し、「遊技球Pの中心部」は、遊技球Pの流下方向における端部を指し示す。
上案内装置100は、さらに複数の突起部111を備える。突起部111は、後壁部71から前方に突出するリブであり、直線状に延びる。複数の突起部111は、第一案内部131から第四案内部140の下流側に至る流路に間隔を空けて設けられる。複数の突起部111は、遊技球Pの中心部からずれた部位に対して下側から接触し、流下する遊技球Pの勢いを低減する。上案内装置100によって案内される遊技球Pは、第一案内部131から第四案内部140の下流側まで流下する過程で、複数の突起部111に接触する。
図3〜図6を参照し、下案内装置200の構成を説明する。下案内装置200は、上案内装置100によって案内された遊技球Pを下側に案内する。下案内装置200は、遊技球Pを左右方向に案内する流路と、遊技球Pを前後方向に案内する流路とによって構成されている。従って、下案内装置200で案内される遊技球Pは、左右方向における直線移動と前後方向における直線移動を繰り返しながら、下側に流下する。以下、下案内装置200の構成を遊技球Pの流下方向の上流側から順に説明する。
図5に示すように、下案内装置200は第一案内部201を備える。第一案内部201は、上案内装置100の最も下側にある突起部111の下方に設けられており、後壁部71から下前壁部73に向けて突出する。第一案内部201は、落下する遊技球Pの中心部に対して下側から面接触可能な平板状であり、遊技球Pを右側から左側に案内する。第一案内部201は、遊技球Pの流下方向の上流側(右側)から下流側(左側)へと下側に延びる。第一案内部201の勾配は、上案内装置100の第四案内部140(図4参照)の勾配よりも緩やかである。第一案内部201の左端部201Aは、丸みを帯びた面取り形状であり、案内される遊技球Pは左端部201Aで引っ掛かりにくい構成となっている。
左端部201Aの左側には、第二案内部202と上ガイド部219が設けられる。第二案内部202と上ガイド部219はいずれも、下前壁部73と一体的に形成されている。第二案内部202は、下前壁部73から後壁部71に向けて突出する突出部の上面を形成する。第二案内部202は、第一案内部201の左端部201Aに対して僅かな隙間を空けて隣り合っており(図3参照)、第一案内部201によって案内された遊技球Pを下側から受けて案内できる。第二案内部202は、右側から左側へと上側に傾く(図6参照)。また、第二案内部202は、左斜め前方向(図6の矢印R方向)側から、右斜め後方向(図6の矢印Q方向)側へと下側に傾く。上ガイド部219は、第二案内部202の上側に設けられており、下前壁部73から前方に突出するリブの右面を形成する。上ガイド部219は、右斜め前方から左斜め後方に向けて延びる平面である。上ガイド部219と第二案内部202の上下方向距離は、遊技球Pの直径よりも短い。第二案内部202上を流下する遊技球Pは、上ガイド部219と接触して、第二案内部202の後方に形成された開口部299(図4参照)に向かう。
図4に示すように、開口部299の下方には、第三案内部203が設けられる。第三案内部203は、後壁部71と一体的に形成されており、第二案内部202よりも後側にある。第三案内部203は、遊技球Pの流下方向の上流側(左斜め上側)から、流下方向の下流側(右斜め下側)に向けて湾曲して延びる。第三案内部203の勾配は、第一案内部201の勾配よりも急である。
第三案内部203の右側には、当接部255と後ガイド部229が設けられる。当接部255と後ガイド部229はいずれも、後壁部71と一体的に形成される。当接部255は、後ガイド部229から突出する突出部材の左面を形成する。後ガイド部229は、第三案内部203と当接部255との間に位置する。後ガイド部229は、後壁部71から前方に突出するリブの上面であり、後上方から前下方に延びる平面である。後ガイド部229は、遊技球Pを前下方に向けて案内する。
後ガイド部229の前方には、第一延設案内部204と前ガイド部287(図6参照)が設けられる。第一延設案内部204は、第三案内部203よりも下側に位置する。第一延設案内部204は、後壁部71と一体的に形成された板状であり、右側から左側へ下側に傾斜する。前ガイド部287(図6参照)は、下前壁部73と一体的に形成されており、第一延設案内部204に対して上方に隙間を空けた位置にある。前ガイド部287と第一延設案内部204の上下方向距離は、遊技球Pの直径よりも短い。前ガイド部287は、下前壁部73から後壁部71に向けて突出するリブの左面を形成する平面であり、左前方から右後方に延びる平面である。遊技球Pは、第一延設案内部204と前ガイド部287によって、左下方に向けて案内される。
図3、図6に示すように、第一延設案内部204の左側には、特定案内部210が設けられる。特定案内部210は、第一延設案内部204上を流下した遊技球Pを後下方に向けて案内可能である。特定案内部210は、第一特定案内部211、第二特定案内部212、第三特定案内部213、及び第四特定案内部214を備える。第一特定案内部211、第二特定案内部212、及び第三特定案内部213は、下前壁部73から後壁部71に向けて突出する突出部の外表面を形成する平面である(図6参照)。一方、第四特定案内部214は、後壁部71と一体的に形成される(図4参照)。
第一特定案内部211は、前上方から後下方へ延びる。第一特定案内部211の上端部は、第一延設案内部204の左端部よりも上側となる高さ位置にあり、第一特定案内部211の下端部は、第一延設案内部204よりも下側となる高さ位置にある。第二特定案内部212は、前上方から後下方に延びる平面であり、第一特定案内部211の下方にある。第二特定案内部212の勾配は、第一特定案内部211勾配よりも緩やかである。第二特定案内部212の後部は、第二特定案内部212と前後方向に並ぶ。第三特定案内部213は、第二特定案内部212の右端部から右斜め上方に延びる壁部である。第四特定案内部214は、第一特定案内部211の左側に設けられた壁部であり、右上方から左下方に向けて傾斜して延びる。尚、第四特定案内部214は、上下方向と平行に延びていてもよいし、左上方から右下方へ傾斜して延びていてもよい。
図3、図4に示すように、特定案内部210の後側には、左下案内部288と左下ガイド部245が設けられる。左下案内部288と左下ガイド部245は、後壁部71と一体的に形成される。左下案内部288は、左上方から右下方に向けて湾曲して延びる。左下案内部288の上端部は、第一特定案内部211の上端部と略同じ高さ位置にあり、左下案内部288の下端部は、第二特定案内部212よりも下側となる高さ位置にある。左下ガイド部245は、後壁部71から前方に突出するリブの下面を形成する平面であり、前斜め上方から後斜め下方に向けて延びる。左下ガイド部245は、左下案内部288の真上に位置する。特定案内部210によって後方に案内された遊技球Pは、左下案内部288と左下ガイド部245によって右下側に向けて案内される。
左下案内部288の右側には、第二延設案内部205と下ガイド部227が設けられる。第二延設案内部205と下ガイド部227は、後壁部71と一体的に形成される。第二延設案内部205は、左上方から右下方に延びると共に、後上方から前下方に向けて傾く平面である。第二延設案内部205は、第一延設案内部204の後下側にあり、第一延設案内部204に対して前後方向にずれた位置にある。第二延設案内部205の左端部は、左下案内部288の右端部よりも下方にある。下ガイド部227は、第二延設案内部205の右端部に対して上方に隙間を空けた位置にある。下ガイド部227と第二延設案内部205との上下方向距離は、遊技球Pの直径よりも短い。下ガイド部227は、後壁部71から前方に突出するリブの左面を形成する平面であり、左後方から右前方に向けて延びる。遊技球Pは、第二延設案内部205によって右下方に案内された後、第二延設案内部205と下ガイド部227とによって前方に案内される。
第二延設案内部205の前下方には、第三延設案内部206が設けられる。第三延設案内部206は後壁部71と一体的に形成される。第三延設案内部206は、右上方から左下方に向けて延びる平面である。第三延設案内部206の勾配は、第一延設案内部204と第二延設案内部205のそれぞれの勾配とは異なる。本実施形態では、第三延設案内部206の勾配は、第一延設案内部204の勾配よりも急であると共に、第二延設案内部205の勾配よりも緩やかである。第二延設案内部205の左下方には、排出口250が設けられる。排出口250は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)の上方にあり、略下側に向けて開口する。
図7〜図9を参照し、遊技球Pが下案内装置200によって案内される流れを説明する。下案内装置200は、上案内装置100(図4参照)を経由して下方に落下する遊技球Pを下側に案内する。
図7、図8に示すように、第一案内部201は、落下する遊技球Pの中心部に対して下側から接触して一旦停止させた後、遊技球Pを左下側に向けて案内する。第一案内部201は、落下する遊技球Pの中心部に接触するので、遊技球Pは一旦停止し易い。遊技球Pは、第一案内部201に沿って増速しながら左下側に転動して(矢印A1)、第二案内部202に到達する。第二案内部202は上述のように傾斜しているので、左側へ向かう遊技球Pは減速し、さらに上ガイド部219に接触して一旦停止する。その後、遊技球Pは、第二案内部202に沿って右斜め後方に流下する(矢印A2)。遊技球Pは、開口部299(図4参照)の内側を落下により通過し、第三案内部203に落ちて右下側に案内される(矢印A3)。このとき、遊技球Pは増速する。
図7、図9に示すように、遊技球Pは、当接部255に接触して一旦停止した後、後ガイド部229によって前方に案内される(矢印B1)。遊技球Pは下前壁部73に後方から接触して減速した後、第一延設案内部204上を増速しながら左下側へ流下する(矢印B2)。遊技球Pは、第四特定案内部214に接触して一旦左方への移動を停止し、さらに、第一特定案内部211と第二特定案内部212によって後方に案内される(矢印B3)。遊技球Pは、左下ガイド部245に接触して後方への移動を停止し、左下案内部288まで自由落下して、さらに右下側に案内される。このとき、遊技球Pは増速する。遊技球Pは、第二延設案内部205上を右下側へ増速しながら転動した後、下ガイド部227に接触して一旦停止する。その後、第二延設案内部205の傾きによって、遊技球Pは前側に向けて徐々に増速しながら流下する。遊技球Pは第二延設案内部205の前端から落下し、第三延設案内部206に到達する(矢印D1)。遊技球Pは第三延設案内部206上を転動しながら更に増速し、排出口250から下方に向けて排出される(矢印D2)。排出口250から排出された遊技球Pは、アタッカー装置50に向けて流下する。
上記のように、下案内装置200の流路は、遊技球Pを左右方向に案内する流路だけでなく、遊技球Pを前後方向に案内する流路によっても構成されている。従って、下案内装置200の流路は長くなる。さらに、下案内装置200の流路を流下する遊技球Pは、減速と増速を繰り返しながら流下する(特に遊技球Pが第一案内部201と面接触する時、遊技球Pの勢いは著しく低減する)。従って、遊技領域4に打ち込まれた遊技球Pが下案内装置200を流下し終えるまでの時間は長くなると共に、その時間は流下する遊技球Pごとにバラつき易くなる。従って、遊技者が、遊技球Pを所望のタイミングでアタッカー装置50に到達させるように発射ハンドル7を操作することは極めて困難となる。
例えば、小当たりからのV入賞を契機として大当たりになるパチンコ機1(所謂1種2種タイプの遊技機)において、小当たり確定時の表示図柄によって、大当たり発生後の遊技状態の有利不利を判別できる場合がある。この場合、大当たり発生後の有利な遊技状態となる小当たり時にのみ、アタッカー装置50におけるV入賞を狙った打ち込みを行う遊技者がいることが考えられる。このような打ち込みが実行された場合、運任せ的な要素を多く含む状況下でV入賞を狙わせるという健全な遊技を提供することができなくなるばかりでなく、このような遊技者にパチンコ機1を操作する時間を不当に長くしてしまい、パチンコ機1の不適当な賞球の払出しを招いてしまうことが考えられる。しかし本実施形態では、遊技球Pがアタッカー装置50に到達するまでの時間が十分に長い。従って、小当たり確定時の図柄に基づいて遊技者が遊技領域4への打ち込みを実行しても、遊技球Pがアタッカー装置50に到達するのは、当該小当たりに伴うアタッカー装置50の大入賞口の開放動作終了後となる。よって、大当たり発生後の有利な遊技状態のみを狙って小当たり時のV入賞を狙おうとする遊技者の操作を抑制し、健全な遊技を遊技者に促すことができる。
また、遊技球Pがアタッカー装置50に到達する時間が不規則になるので、アタッカー装置50の大入賞口が、大当たり演出に伴って一定の間隔で規則的に開放される場合であっても、遊技者は、アタッカー装置50の大入賞口が開放されるタイミングを狙った遊技球Pの打ち込みを行いにくい。よって、大入賞口に所定時間内に入賞する遊技球の個数が規定個数(例えば10個)を超えてしまうオーバー入賞を、パチンコ機1は抑制できる。
以上、説明したように、第一案内部201により案内された遊技球Pを第二案内部202が案内する場合に、遊技球Pは、第二案内部202に沿って左側に移動しながら上ガイド部219に接触し、遊技球Pは一時的に静止する。その後、遊技球Pの流下方向は、左斜め後方側且つ下側に切り替わる。第二案内部202は、右側から左側へと上側に傾くと共に、左斜め前側から右斜め後側へと下側に傾く。従って、第二案内部202に沿って流下する遊技球Pの減速の仕方が、遊技球Pと第二案内部202との接触位置によって変わるので、第二案内部202での遊技球Pの流下経路は、不規則になり易い。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下が不規則になり易いパチンコ機1が実現できる。
第三案内部203の勾配は、第一案内部201の勾配とは異なる。これにより、第一案内部201を流下する遊技球Pの速さと、第三案内部203を流下する遊技球Pの速さが互いに異なり易い。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下は、更に不規則になり易い。また、第一案内部201及び第二案内部202よりも下流側にある第三案内部203の勾配が、第一案内部201の勾配よりも急であるので、第一案内部201から第三案内部203に至る流路上における球詰まりを抑制できる。
第一延設案内部204における遊技球Pの向き(左方向)と、第二延設案内部205における遊技球Pの向き(右方向)は、互いに逆である。従って、下案内装置200で遊技球Pが左右方向に流下する移動量が増えるので、遊技球Pの流下時間は増大する。また、第一延設案内部204の勾配と、第二延設案内部205の勾配が互いに異なる。従って、第一延設案内部204を流下する遊技球Pの速さと、第二延設案内部205を流下する遊技球Pの速さは、互いに異なり易くなる。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下は、更に不規則になり易い。
第一延設案内部204は、第二延設案内部205に対して前後方向にずれる。これにより、第一延設案内部204を流下する遊技球Pの位置と、第二延設案内部205を流下する遊技球Pの位置は、前後方向にずれ易くなる。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下時間が増大するので、案内手段70により案内される遊技球Pの流下は更に不規則になり易い。
特定案内部210は、遊技球Pを後側(即ち第二延設案内部205側)に案内する。第一特定案内部211の勾配と第二特定案内部212の勾配は、互いに異なる。これにより、第一特定案内部211を流下する遊技球Pの速さと、第二特定案内部212を流下する遊技球Pの速さは互いに異なり易くなる。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下は更に不規則になり易い。
第三延設案内部206の勾配は、第一延設案内部204と第二延設案内部205のそれぞれの勾配に対して異なる。第三延設案内部206を流下する遊技球Pの速さは、第一延設案内部204を流下する遊技球Pの速さと、第二延設案内部205を流下する遊技球Pの速さとのいずれに対しても異なり易い。よって、案内手段70により案内される遊技球Pの流下が更に不規則になり易い。
以上説明にて、パチンコ機1は本発明の「遊技機」の一例である。左斜め前方向は本発明の「一方向」の一例である。右斜め後方向は本発明の「他方向」の一例である。所定方向は本発明の「前後方向」の一例である。
本発明は、上記実施例に限定されない。第一案内部201は、遊技球Pを右側から左側へと下側に延びる代わりに、例えば、前上側から後下側側に湾曲して延びてもよい。該場合、第二案内部202は、第一案内部201の後端部と前後方向に沿って隣り合う。第二案内部202は、第一案内部201の後端部に対して、後下方にあってもよい。
下案内装置200は、上ガイド部219を備えなくてもよい。この場合であっても、第二案内部202は、第一案内部201上を転動した遊技球Pを減速させながら停止させて、右斜め後方に向けて案内できる。また、第二案内部202は、左斜め前方向側から右斜め後方向側へと下側に傾く代わりに、右斜め前方向側から左斜め後方向側へと下側に傾いていてもよい。本変形例において、右斜め前方向は本発明の「一方向」の一例であり、左斜め後方向は本発明の「他方向」の一例である。
第三案内部203は、湾曲して延びる代わりに、平面状に形成されてもよい。第三案内部203の勾配は、第一案内部201の勾配よりも急である代わりに、緩やかであってもよい。第二特定案内部212の勾配は、第一特定案内部211の勾配よりも緩やかである代わりに、急であってもよい。第一延設案内部204、第二延設案内部205、第三延設案内部206は、いずれも、左右方向に沿って延びる代わりに、前後方向に沿って延びていてもよいし、上下方向に延びる軸線を中心とした螺旋状に形成されていてもよい。
第一特定案内部211、第二特定案内部212、第三特定案内部213、及び第四特定案内部214は、平面状に形成される代わりに、湾曲して形成されていてもよい。第一特定案内部211と第二特定案内部212は、前後方向に並んで設けられる代わりに、例えば左右方向に並んで設けられてもよい。
また、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、大入賞口、第一特別図柄始動電動役物14等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「振分手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。