JP6286327B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球が入賞可能な入賞口が設けられた遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の枠状装飾体(所謂センター役物)が配設されて、該枠状装飾体の窓口を介して複数の図柄を変動表示する液晶式やドラム式等の図柄表示装置(表示装置)を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾体の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での図柄変動を開始させる始動入賞装置(始動入賞手段)や大当り時等に開放する特別入賞装置および普通入賞口(入賞口)を配設するよう構成されたものが多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種のパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置や普通入賞口に入賞することにより、所定数の賞球が払い出される。また、始動入賞装置へのパチンコ球の入賞を契機として前記図柄表示装置での図柄変動演出に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組合せで停止することにより所謂大当りが発生し、前記特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
特開2014−61031号公報
ここで、遊技店には同じ機種のパチンコ機が多数設置されており、遊技を行う遊技者に対する公平性の観点から、同じ機種のパチンコ機であれば出球率(遊技球の打込み球数に対する賞球の払出数の割合)が等しい(一定範囲内に収まる)ことが望ましい。しかしながら、遊技店において行われる釘調節によって始動入賞装置や普通入賞口に対するパチンコ球の入賞率が変えられると、同じ機種であっても出球率が著しく異なってしまう場合があり、遊技者に不公平感を抱かせて遊技意欲を減退させてしまう問題が指摘される。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、同じ機種の出球率が等しくなるように維持できる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、
遊技球が流下する遊技領域(21)が設けられた遊技盤(20)と、前記遊技盤(20)に設けられて前記遊技領域(21)を流下する遊技球が入賞可能な始動入賞部(41,42)と、前記始動入賞部(41,42)への入賞に基づいて当り遊技を生起することを決定する当り判定手段(301a)と、前記遊技領域(21)を流下する遊技球が入賞可能な特別入賞口(51a,52a)を開閉手段(52b,80)で開閉する特別入賞部(51,52)とを備え、前記当り判定手段(301a)が遊技を生起することを決定した場合に、前記開閉手段(52b,80)が特別入賞口(51a,52a)を開放して遊技球の入賞が許容される当り遊技が行われる遊技機において、
前記遊技領域(21)の一部を遊技球の相互の往来が不能となるよう区画して形成された特定経路(RB1)および非特定経路(RB1,RB2)と、
前記遊技盤(20)に設けられ、前記遊技領域(21)を流下する遊技球を前記特定経路(RB3)および前記非特定経路(RB1,RB2)に振り分ける振分手段(100)を備え、
前記特定経路(RB3)に、開閉部材(42b)により入賞口(42a)を開閉可能に構成された前記始動入賞部としての可変始動入賞部(42)が配置されると共に遊技球が一定の入賞率で入賞可能な普通入賞部(55)が配置され、
前記非特定経路(RB1,RB2)に、遊技球が通過可能なゲート部(60)が配置されて、当該非特定経路(RB1,RB2)に振り分けられた遊技球が前記ゲート部(60)を通過することを契機として前記可変始動入賞部(42)の入賞口(42a)を開放するかの判定が行われるよう構成され、当該判定の結果に応じて前記可変始動入賞部(42)の入賞口を開放することで、前記特定経路(RB3)に振り分けられた遊技球が可変始動入賞部(42)に入賞可能となるよう構成されたことを要旨とする。
請求項1の発明によれば、可変始動入賞および一定の入賞率で遊技球が入賞可能な普通入賞が設けられた特定経路に、遊技領域を流下する遊技球を振分手段によって振り分けるよう構成したので、釘調節によって出球率が著しく変わるのを防ぐことができる。すなわち、同じ機種の遊技機であれば出球率が等しくなるように維持することができ、公平性を確保して遊技者の遊技意欲を向上させ得る。
請求項2に記載の発明では、
前記遊技盤(20)には、前記可変始動入賞部(42)の下流側に、前記特定経路(RB3)を流下する遊技球を前記普通入賞部(55)に案内する球案内部(90)が位置調節不能に設けられると共に、
前記球案内部(90)は、相互に近接するにつれて下方傾斜する第1傾斜部(92)および第2傾斜部(94)を備えると共に、当該第1傾斜部(92)および第2傾斜部(94)の傾斜下端部の間に、1個のパチンコ球が通過可能な幅で形成された球落下部(95)を備え、前記特定経路(RB3)に振り分けられた遊技球を当該球落下部(95)から落下させるよう構成され、
前記球案内部(90)における球落下部(95)の出口(95a)の下方で入賞口(55a)が開口するよう前記普通入賞部(55)が配置されていることを要旨とする。
請求項2の発明によれば、遊技店側での調節によって出球率が変わるのを防止することができる。
請求項3に記載の発明では、
前記非特定経路(RB1,RB2)は、第1非特定経路(RB1)および第2非特定経路(RB2)からなり、
前記振分手段(100)は、球入口(101)から取り込まれた遊技球の接触によって第1振分姿勢および第2振分姿勢の2つの姿勢に変化して遊技球を異なる方向に誘導する第1振分体(130)および第2振分体(140)を備え、当該第1振分体(130)が第1振分姿勢の場合に遊技球が第2振分体(140)側に振り分けられるよう構成されると共に、
前記第1振分体(130)および第2振分体(140)の夫々は、姿勢に応じて遊技球を異なる方向に誘導する第1誘導片(130A,140A)と、前記第1振分姿勢の場合に当該第1誘導片(130A,140A)により誘導された遊技球が接触可能な第2誘導片(130B,140B)と、前記第2振分姿勢の場合に当該第1誘導片(130A,140A)により誘導された遊技球が接触可能な第3誘導片(130C,140C)とを備え、当該第2誘導片(130B,140B)に遊技球が接触することで第1振分姿勢から第2振分姿勢に姿勢変位し、当該第3誘導片(130C,140C)に遊技球が接触することで第2振分姿勢から第1振分姿勢に姿勢変位するよう構成され、
前記第1振分体(130)および第2振分体(140)の夫々が第1振分姿勢となった状態では、当該第1振分体(130)の第2誘導片(130B)の上方に当該第2振分体(140)の第1誘導片(140A)が重なるように位置して、遊技球が第1振分体(130)の第2誘導片(130B)に接触することなく第2振分体(140)の第2誘導片(140B)に接触するよう構成されて、当該第2振分体(140)のみが第2振分姿勢に姿勢変位すると共に、
前記第1振分体(130)が第1振分姿勢となると共に第2振分体(140)が第2振分姿勢となった状態では、遊技球が第1振分体(130)の第2誘導片(130B)および第2振分体(140)の第3誘導片(140C)の夫々に接触するよう構成されて、第1振分体(130)が第2振分姿勢に姿勢変位すると共に第2振分体(140)が第1振分姿勢に姿勢変位し、
記第1および第2振分体(130,140)が姿勢変化した組合せによって、前記球入口(101)から取り込まれた遊技球を前記第1非特定経路(RB1)に振り分ける第1の振分状態と、前記第2非特定経路(RB2)に振り分ける第2の振分状態と、前記特定経路(RB3)に振り分ける第3の振分状態とに順に切り替わるよう構成されたことを要旨とする。
請求項3の発明によれば、振分手段によって遊技球を各経路に一定の割合で振り分けることができるので、出球率を安定させ得る。
本発明に係る遊技機によれば、同じ機種の出球率が等しくなるようにして、公平性を維持し得る。
実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る流路振分部の球通路の形成位置で縦断した遊技盤の要部を拡大した正面図である。 実施例に係る枠状装飾部材と流路振分部とを分解した要部を拡大して示す斜視図である。 実施例に係る流路振分部を前側から視た分解斜視図である。 実施例に係る流路振分部を後側から視た分解斜視図である。 図3において流路振分部の配設位置を拡大して示す断面図であって、第1および第2振分体が第1振分姿勢にある第1の振分状態を示す。 実施例に係る流路振分部の作動態様を示す断面図であって、(a)は第1および第2振分体が第1振分姿勢にある第1の振分状態を示し、(b)は第1振分体が第1振分姿勢にあると共に第2振分体が第2振分姿勢にある第2の振分状態を示し、(c)は第1振分体が第2振分姿勢にあると共に第2振分体が第1振分姿勢にある第3の振分状態を示し、(d)は第1および第2振分体が第2振分姿勢にあるイレギュラー状態を示す。なお、図中の矢印は、パチンコ球の通過に伴う振分状態の変遷を示している。 実施例に係る第1特別入賞部を前側から視た斜視図である。 実施例に係る第1特別入賞部を示す正面図であって、(a)は作動部材が待機状態にある状態を示し、(b)は作動部材が作動状態にある状態を示している。 図3において第1特別入賞部の配設位置を拡大して示す断面図であって、(a)は作動部材が待機状態にある状態を示し、(b)は作動部材が作動状態にある状態を示している。なお、(a)において落下口の右側の開口縁に一点鎖線Lを示してある。 実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。なお、各図中の符号Bはパチンコ球を示している。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置(表示手段)17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20の遊技領域21を透視可能に保護する透明部材13aで前後に開口する窓口13bを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記図柄表示装置17は、後述する始動入賞口41a,42aへのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部に変動表示させる図柄変動演出を行うよう構成される。また図柄表示装置17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出を表示部に表示し得るようになっている。実施例では、前記図柄表示装置17として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
実施例のパチンコ機10の前面右下部(実施例では前枠13の前面右下部)には、図1に示す如く、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1の流下領域21a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2の流下領域21b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、図2に示すように、パチンコ球が流下可能な遊技領域21が前面側に形成された板状部材(遊技領域形成部材)20aと、該板状部材20aの裏側に配設されて当該板状部材20aとの間に収容空間を画成する図示しない設置部材(収容空間画成部材)とから構成されている。前記板状部材20aは、透明な合成樹脂材やベニヤ材等から所定板厚の略矩形状に形成されており、前面(盤面)に配設された略円形状のレール部材22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。そして、前記板状部材20aと設置部材との間の収容空間に、可動体の動作による演出や発光による演出を行う演出装置(図示せず)が設置されると共に、前記遊技盤20に設けられた入賞部41,42,51,52,55に入賞したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出する球排出通路部(図示せず)が設けられている。また、前記図柄表示装置17は、設置部材の裏側に取り付けられて、当該設置部材の開口部(図示せず)および枠状装飾部材30(後述)の表示窓部30aを介して遊技盤20の前側に臨んでパチンコ機10の前側から視認し得るよう構成されている。なお、遊技盤20は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
(レール部材22について)
前記遊技盤20(板状部材20a)の前面(盤面)には、図2に示す如く、略円形状に湾曲形成されたレール部材22が配設され、該レール部材22の内側に遊技領域21が画成されている。前記レール部材22は、遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された第1レール23と、遊技盤20の右上部および右下部に至るように右方向に膨出する円弧状に形成された第2レール24と、遊技盤20の下部および左上部に至るように左方向に膨出する円弧状に形成された第3レール25とから構成されている。第2レール24は、第1レール23の右上端部に連接して遊技盤20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材で構成される。また、第3レール25は、第2レール24の下端部に連接して遊技盤20の下部から左上部に亘って配設されて、前記第1レール23の右方(内側)に離間して位置しており、該第1レール23および第3レール25により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路22aが画成される。ここで、前記第1レール23の下端部は遊技盤20の下端に位置して、該第1レール23の下端部と第3レール25との間に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路22aに通入する下方開口22bが画成されている。また、第3レール25は、前記遊技盤20の左上部に開放端を臨ませて第1レール23との間に前記遊技領域21の遊技領域21に開口する打出し口22cを画成するよう構成される。すなわち、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、下方開口22bから発射通路22aに通入し、該発射通路22aを上方に飛翔して、第3レール25の開放端側の打出し口22cから遊技領域21内に打ち出されるようになっている。
前記遊技盤20(板状部材20a)には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域21内の適宜位置に開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。なお、実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として枠状装飾部材30や各種入球部(始動入賞部41,42、特別入賞部51,52、普通入賞部55、ゲート部60等)を設置する装着口が形成されている。そして、前記遊技盤20の板状部材20aにおいて遊技領域21の最下部位置に、該遊技領域21の最下部位置まで流下したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出するアウト口26が開設されている。すなわち、前記打球発射装置から発射されて遊技領域21を流下するパチンコ球が前記板状部材20aに設けられた入球部(始動入賞部41,42、特別入賞部51,52、普通入賞部55、ゲート部60等)に入球(入賞)することにより、入球した入球部に応じた賞球の払い出しや抽選の実行等の所定の遊技が行われ、遊技領域21の最下部まで流下したパチンコ球がアウト口26を介して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装着口は、板状部材20aに対して取り付けられる遊技盤設置部品の配設位置や配設数等に応じて適宜に形成される。
また、前記遊技盤20(板状部材20a)には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘27が設けられると共に、後述する枠状装飾部材30の左側方に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材28が回転自在に支持されており、遊技釘27や回転案内部材28との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材28は、回転中心から放射状に複数(実施例では3つ)の接触片(図示せず)を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材28が回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。
実施例の前記板状部材20aには、図2に示すように、前記レール部材22で囲まれた遊技領域21の略中央の大部分が開口する装着口に、センター役とも称される装飾部材30が取り付けられており、当該装飾部材30に設けられた表示窓部30aを介して前側から板状部材20aの後方を視認し得るよう構成されている。そして、前記装飾部材30の表示窓部30aの後方に、前記図柄表示装置17の表示部が臨むように構成されて、当該図柄表示装置17の表示部を遊技盤20の前側から目視し得るようになっている。ここで、実施例では、前記図柄表示装置17の表示部が臨む前記装飾部材30は、前後に開口する枠状に形成されて、当該装飾部材30の開口部を透明パネル31により部分的に塞ぐよう構成してある。このように、実施例では、装飾部材30の開口部および透明パネル31により前記表示窓部30aが形成されている。なお、以下の説明では、表示窓部30aが設けられた装飾部材を枠状装飾部材30と指称するものとする。すなわち、前記枠状装飾部材30の表示窓部30aの後方に前記図柄表示装置17の表示部が位置するよう構成されている。なお、枠状装飾部材30は、透明パネル31により開口部を部分的に塞ぐ構成に限らず、当該開口部を全面的に透明パネル31で覆うようにしてもよく、また透明パネル31を省略して枠状装飾部材30の開口部が板状部材20aの前後に開口する形態とすることも可能である。
(枠状装飾部材30について)
次に、前記枠状装飾部材30について詳細に説明する。前記枠状装飾部材30は、図2、図3に示すように、前記板状部材20aの前面より前方に突出する庇状部32と、該庇状部32の後縁から外方に延出する薄板状の台板部33とを備える。そして、前記台板部33を板状部材20aの前面に当接した状態で、該台板部33をネジ等の固定手段で板状部材20aに固定することで、枠状装飾部材30が板状部材20aに取り付けられて、該枠状装飾部材30の外側、具体的には庇状部32とレール部材22との間にパチンコ球が流下する遊技領域21が画成されるようになっている。なお、枠状装飾部材30を板状部材20aに取り付けた状態で、庇状部32の後端縁から外方に延出する台板部33が板状部材20aの前面に沿って延在して、台板部33の前側をパチンコ球が通過可能に構成される。
すなわち、遊技盤20に画成された前記遊技領域21は、前記枠状装飾部材30の左側に形成された第1の流下領域21aと、当該枠状装飾部材30の右側に形成された第2の流下領域21bとに区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球を第1の流下領域21aに流下させる遊技形態(左打ち)およびパチンコ球を第2の流下領域21bに流下させる遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、前記遊技領域21は、前記枠状装飾部材30の下方位置において第1および第2の流下領域21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2の流下領域21a,21bが合流する合流領域に前記アウト口26が形成されており、枠状装飾部材30の左側および右側を流下したパチンコ球がアウト口26まで流下し得るよう構成されている。
また、前記枠状装飾部材30の庇状部32は、枠状装飾部材30(台板部33)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置17における表示部の前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。なお、図3に枠状装飾部材30の右側縁側の庇状部32を図示してある。また庇状部32は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部32上で滞ることなく枠状装飾部材30の左側方(第1の流下領域21a)または右側方(第2の流下領域21b)へ誘導案内されるよう形成されている。
前記枠状装飾部材30には、図2に示すように、前記表示窓部30aの下側(枠状装飾部材30の内周下縁部)にステージ34が配設されている。そして、遊技領域21(第1の流下領域21a)を流下する過程でステージ34に移動したパチンコ球が、ステージ34の上面となる転動面を左右に転動した後に、後述する第1始動入賞部41の第1始動入賞口41aの上方で遊技領域21に排出されるようになっている。すなわち、ステージ34によりパチンコ球を第1始動入賞部41の配設位置上方まで誘導することで、球導入部36に取り込まれずに第1の流下領域21aを流下したパチンコ球が第1始動入賞部41に入賞する確率よりも、球導入部36に取り込まれたパチンコ球が第1始動入賞部41に入賞する確率のほうが高くなるようにしている。また、前記ステージ34の後端部には、当該ステージ34の左右方向の全長に亘って転動面から上側に向けて所定高さで立ち上がる仕切壁35が設けられ、ステージ34上を転動するパチンコ球が図柄表示装置17の表示部側に移動するのを該仕切壁35で防止している。
ここで、前記枠状装飾部材30は、図2に示すように、当該枠状装飾部材30の上部から右側部の間で前記レール部材22に近接するよう構成されている。すなわち、前記第2の流下領域21bは、前記枠状装飾部材30の上方位置で前記第1の流下領域21aに接続すると共にパチンコ球を一列で流下させる通路幅に形成された整列流路RAと、当該整列流路RAの下流側に位置して複数のパチンコ球が並列で流下可能な通路幅に形成された拡大流路RBとに分けられると共に、当該整列流路RAおよび拡大流路RBの間に、整列流路RAを通過したパチンコ球を複数方向へ振り分けて拡大流路RB(後述する第1〜第3球出口領域RB1〜RB3)に流下させる流路振分部100(後述)が配設されている。そして、拡大流路RBに複数の入球部(実施例では第2始動入賞部42、特別入賞部51,52、普通入賞部55、ゲート部60等)が集約的に配置されている。
すなわち、前記遊技盤20には、パチンコ球が入賞可能な複数の入球部41,42,51,52,55,60が前記遊技領域21内に配設されており、当該入球部41,42,51,52,55,60へのパチンコ球の入球に基づいて制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記第1の流下領域21aに位置するよう前記入球部としての第1始動入賞部41が枠状装飾部材30の下方に配置されると共に、前記第2の流下領域21bに位置するよう前記入球部としての第2始動入賞部42、第1および第2特別入賞部51,52、ゲート部60が当該枠状装飾部材30の右側方に配置されている。
ここで、遊技盤20に設けられた遊技釘27の配置や枠状装飾部材30の形状等により、前記第2の流下領域21bを流下したパチンコ球が第1始動入賞部41に略入賞し得ないよう構成されると共に、前記第1の流下領域21aを流下したパチンコ球が第2始動入賞部42や第1および第2特別入賞部51,52、ゲート部60に略入賞し得ないよう構成されている。すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1の流下領域21aをパチンコ球が流下する場合(左打ちの場合)に、パチンコ球が第2の流下領域21bを流下する場合に較べて第1始動入賞部41の第1始動入賞口41aにパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2の流下領域21bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1の流下領域21aを流下する場合に較べて第2始動入賞部42の第2始動入賞口42aや第1および第2特別入賞部51,52の特別入賞口51a,52a、ゲート部60の普図始動口60aへパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。従って、操作レバー16aの回動操作により左打ちおよび右打ちを能動的に打ち分けることで、パチンコ球が入賞可能な入賞部41,42,51,52,60を切り替え得るようになっている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1および第2の流下領域21a,21bの夫々に位置するよう入球部としての普通入賞部55が配置されており、第1および第2の流下領域21a,21bを流下させたパチンコ球を普通入賞部55に入賞させ得るようになっている。
(流路振分部100)
前記流路振分部(振分手段)100は、図3〜図9に示すように、パチンコ球が入球可能な1つの球入口101と、当該球入口101に入球したパチンコ球が通出する複数(実施例では3つ)の球出口102a〜102cと、当該球入口101から球出口102a〜102cに至る経路に設けられた複数(実施例では2つ)の振分体130,140とを備えており、当該球入口101を通過したパチンコ球を複数の振分体130,140が複数の球出口102a〜102cに振り分けて通出させるよう構成されている。なお、実施例では、3つの球出口102a〜102cが流路振分部100に設けられると共に、パチンコ球を2つの経路に振り分けるよう作動する2つの振分体130,140を備えている。以下の説明では、3つの球出口を左側から順に第1球出口102a、第2球出口102b、第3球出口102cと指称して区別すると共に、球入口101を通過したパチンコ球を2つの経路に振り分ける振分体を第1振分体130と指称し、当該第1振分体130により振り分けられたパチンコ球を更に2つの経路に振り分ける振分体を第2振分体140と指称して区別する場合がある。なお、流路振分部100の詳細な構成は、後述する。
また、図2、図3に示すように、前記遊技盤20には、前記流路振分部100の下流において前記第2の流下領域21b(拡大流路RB)を複数の領域に区画するよう遊技釘27が配置されている。実施例では、前記流路振分部100の第1球出口102aを通出したパチンコ球が流下可能な領域(以下、第1球出口領域という)RB1と、当該流路振分部100の第2球出口102bを通出したパチンコ球が流下可能な領域(以下、第2球出口領域という)RB2と、当該流路振分部100の第3球出口102cを通出したパチンコ球が流下可能な領域(以下、第3球出口領域という)RB3とに第2の流下領域21b(拡大流路RB)が区画されるよう遊技釘27が配置されている。
ここで、第1球出口領域(第1非特定経路)RB1および第2球出口領域(第2非特定経路)RB2は、第2球出口領域RB2から第1球出口領域RB1へのパチンコ球の移動が許容されるよう遊技釘27により区画されると共に、前記第2球出口領域RB2および第3球出口領域(特定経路)RB3は、相互の領域間でパチンコ球が往来不能となるよう遊技釘27により完全に区画されている。すなわち、第1球出口領域RB1および第2球出口領域RB2を区画する遊技釘27は、パチンコ球が通過可能な間隔で隙間が空くよう配置されており、当該隙間をパチンコ球が通過することで、第2球出口領域RB2から第1球出口領域RB1へのパチンコ球の移動が許容している。なお、実施例では、第1球出口領域RB1および第2球出口領域RB2を区画する遊技釘27間に1箇所の隙間が空くよう構成してある。また、前記第1球出口領域RB1および第2球出口領域RB2は、下流において1つの領域に合流するようになっている。すなわち、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球は、前記流路振分部100による振分に応じて、第1球出口102aを通出して第1球出口領域RB1を流下するか、第2球出口102bを通出して第2球出口領域RB2または第3球出口領域RB3を流下するか、あるいは第3球出口102cを通出して第3球出口領域RB3を流下するようになっている。
(第1始動入賞部41について)
前記第1始動入賞部41は、図2に示すように、パチンコ球が入賞(入球)可能な第1始動入賞口(始動口)41aが上方に常時開口するよう設けられており、前記第1の流下領域21aを流下するパチンコ球が一定の割合で第1始動入賞口41aに入賞し得るようになっている。また、前記第1始動入賞部41は、第1始動入賞口41aに入賞したパチンコ球の排出経路(図示せず)に、パチンコ球を検出する検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1が配設されている。第1始動入賞検出センサSE1は、前記設置部材の裏面に配設されたメイン制御基板301に配線接続されており(図12参照)、該第1始動入賞検出センサSE1からの球検出信号がメイン制御基板301のCPU301aに入力されることを判定条件としてメイン制御基板301のCPU301aが特図当り判定(当り判定)を行うと共に、当該球検出信号の入力を賞球の払出条件として、該CPU301aが賞球の払い出しを決定し、当該決定に基づいてメイン制御基板301から払出制御基板に対して払出制御信号が出力されるようになっている。
(第2始動入賞部42について)
前記第2始動入賞部42は、第2の流下領域21b内で開口する第2始動入賞口42aを開閉部材42bの作動に伴い開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図12参照)の駆動に伴って開閉部材42bが第2始動入賞口42aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、第2始動入賞口42aは、始動入賞ソレノイドSL1を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成される。なお、実施例における第2始動入賞部42は、前後に開口するよう形成された第2始動入賞口42aを左右から挟むように一対の開閉部材42bを備えており、始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴い一対の開閉部材42bが相互に近接および離間するよう揺動することで、パチンコ球が入賞不能となるよう第2始動入賞口42aを閉鎖する閉鎖状態(図3参照)と、パチンコ球が入賞可能となるよう第2始動入賞口42aを開放する開放状態とに切り替わるよう構成されている。前記第2始動入賞部42は、前記第2始動入賞口42aに入賞したパチンコ球の排出経路(図示せず)に、パチンコ球を検出する検出手段としての第2始動入賞検出センサSE2を備えている。第2始動入賞検出センサSE2は、前記メイン制御基板301に配線接続されており(図12参照)、該第2始動入賞検出センサSE2からの球検出信号がメイン制御基板301のCPU301aに入力されることを判定条件としてメイン制御基板301のCPU301aが特図当り判定を行うと共に、当該球検出信号の入力を賞球の払出条件として、該CPU301aが賞球の払い出しを決定し、当該決定に基づいてメイン制御基板301から払出制御基板に対して払出制御信号が出力されるようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(第1始動入賞口41aまたは第2始動入賞口42aへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて特図の当り判定が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行され、該図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17の表示部に所定の組合せ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されるようになっている。そして、特図当り遊技の発生に伴って第1特別入賞部51の作動部材80(後述)や、第2特別入賞部52の開閉部材52b(後述)が作動変位されて、特別入賞口51a,52aへのパチンコ球の入賞に伴い遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、メイン制御基板301のCPU301aは、始動入賞部41,42へのパチンコ球の入賞に基づいて行う特図当り判定の結果に応じて当り遊技を生起することを決定するよう構成されており、当該CPU301aが当り判定手段として機能するようになっている。ここで、前記メイン制御基板301のCPU301aでの特図当り判定の結果に基づく制御信号が、前記図柄表示装置17における演出実行を制御するサブ制御基板302(図12参照)に入力されるように構成されており、当該メイン制御基板301からの制御信号に基づいてサブ制御基板302が備えるCPUが図柄変動演出の演出内容を決定するようになっている。すなわち、サブ制御基板302のCPUは、特図当り判定の結果に基づいて演出を制御する演出実行制御手段として機能するものである。
ここで、前記第2始動入賞部42は、前記第2の流下領域21bにおいて第3球出口領域RB3内に位置するよう配置されており、当該第3球出口領域RB3を流下するパチンコ球が前記第2始動入賞口42aに入賞し得る一方で、第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下するパチンコ球が第2始動入賞口42aに入賞し得ないよう構成されている。
(第1および第2特別入賞部51,52について)
図9〜図11に示すように、前記第1特別入賞部(第1入球部)51は、第2の流下領域21b内で開口する第1特別入賞口(第1入球口)51aを作動部材80の作動に伴い開閉するよう構成されると共に、前記第2特別入賞部(第2入球部)52は、第2の流下領域21b内で開口する第2特別入賞口(第2入球口)52aを開閉部材52bの作動に伴い開閉するよう構成されている。ここで、前記第1特別入賞部51の作動部材80には駆動手段としての第1特別入賞ソレノイドSL2(図12参照)が連繋接続されると共に、第2特別入賞部52の開閉部材52bには駆動手段としての第2特別入賞ソレノイドSL3が連繋接続されており、当該ソレノイドSL2,SL3を駆動することで対応する特別入賞口51a,52aへパチンコ球が入賞可能な状態と、入賞が不能な状態とに切り替えられるようになっている。また、前記第1特別入賞部51は、前記第1特別入賞口51aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1特別入賞検出センサSE3を備えると共に、前記第2特別入賞部52は、前記第2特別入賞口52aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2特別入賞検出センサSE4を備えている。前記第1および第2特別入賞検出センサSE3,SE4は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板301に配線接続されている。そして、特別入賞検出センサSE3からの検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU(メイン制御手段)301aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU301aが所定数(例えば15個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。また、前記第1および第2特別入賞ソレノイドSL2,SL3は、前記第1始動入賞部41または第2始動入賞部42へのパチンコ球の入賞を契機として第1特別入賞部51や第2特別入賞部52を開放する特図当り遊技が付与される場合に、特図当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って作動部材80および開閉部材52bの何れかを作動させるようメイン制御基板301によって駆動制御される。なお、前記第1特別入賞部51および第2特別入賞部52に関しては後で詳述する。
ここで、前記第1特別入賞部51は、前記第2の流下領域21bにおいて前記第1および第2球出口領域RB1,RB2の出口位置に位置するよう配置されており、当該第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下したパチンコ球が前記第1特別入賞口51aに入賞し得る一方で、第3球出口領域RB3を流下するパチンコ球は第1特別入賞口51aに入賞不能または入賞困難となるよう構成されている。また、前記第2特別入賞部52は、前記第1特別入賞部51の下方に位置するよう配置されており、当該第1特別入賞部51と同様に、前記第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下したパチンコ球が前記第1特別入賞口51aに入賞し得る一方で、第3球出口領域RB3を流下するパチンコ球は第1特別入賞口51aに入賞不能または入賞困難となるよう構成されている。
(普通入賞部55について)
図2、図11に示すように、前記普通入賞部55は、前記遊技領域21の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口55aが上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1の流下領域21aを流下するパチンコ球および第2の流下領域21bを流下するパチンコ球の夫々が一定の割合で普通入賞口55aに入賞し得るようになっている。実施例では、遊技盤20の左下部位置に配設された左側の入賞ユニット部材200に2つの普通入賞部55が設けられ、遊技盤20の右下部位置に配設された右側の入賞ユニット部材210に1つの普通入賞部55が設けられている。また、前記各普通入賞部55は、普通入賞口55aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE5(図12参照)を備えている。前記普通入賞検出センサSE5は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板301に配線接続されている。そして、普通入賞検出センサSE5からの検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU(メイン制御手段)301aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU301aが所定数(例えば10個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
ここで、前記右側の入賞ユニット部材210に設けられた前記普通入賞部55は、前記第3球出口領域RB3の出口位置に位置する落下口95a(後述)の下方に位置するよう配置されており、当該第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球が前記普通入賞口55aに入賞し得る一方で、第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下するパチンコ球は普通入賞口55aに入賞不能または入賞困難となるよう構成されている。すなわち、実施例では、パチンコ球が一定の入賞率で入賞可能な入賞部(実施例では普通入賞部55)を備えた特定経路として前記第3球出口領域RB3が形成されており、非特定経路としての第1および第2球出口領域RB1,RB2には、パチンコ球が一定の入賞率で入賞可能な入賞部が配設されないよう構成されている。また、実施例では、前述のように、特定経路としての第3球出口領域RB3に、パチンコ球が一定の入賞率で入賞可能な普通入賞部55とは別に、始動入賞部(実施例では第2始動入賞部42)が配設されており、非特定経路としての第1および第2球出口領域RB1,RB2の下流端部に、特図当り遊技に際して入賞口が開放される特別入賞部(第1特別入賞部51)が配設されている。
(ゲート部60について)
前記ゲート部60は、図2、図3に示すように、上下に貫通するよう普図始動口60aが形成されており、第2の流下領域21bを流下するパチンコ球がゲート部60の上方から下方へ通過し得るようになっている。また、ゲート部60には、当該ゲート部60(普図始動口60a)を通過するパチンコ球を検出するゲートセンサSE6が設けられている。このゲートセンサSE6は、前記メイン制御基板301(図12参照)に配線接続されているに配線接続されており、該ゲートセンサSE6からメイン制御基板301への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り判定条件(第2の当り判定条件)が成立するようになっている。そして、普図当り判定条件の成立に伴って普図当り遊技を生起させるか否かに関する普図当り判定が行われ、該普図当り判定の結果に応じて前記第2始動入賞部42の始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて、当該開閉部材42bが開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、ゲートセンサSE6によるパチンコ球の検出を契機として行われる普図当り判定の判定結果が当りの判定である場合に、前記第2始動入賞部42の第2始動入賞口42aを所定の開放条件で開放する普図当り遊技が行われて、当該第2始動入賞口42aへパチンコ球を入賞させ得る機会が与えられるようになっている。
ここで、前記ゲート部60は、前記第2の流下領域21bにおいて第2球出口領域R2に位置するよう配置されており、当該第2球出口領域R2を流下するパチンコ球がゲート部60の普図始動口60aを通過し得る一方で、第1および第3球出口領域RB1,RB3を流下するパチンコ球がゲート部60の普図始動口60aを通過し得ないよう構成されている。
(流路振分部100の具体的構成について)
次に、前述した流路振分部100の具体的な構成について説明する、前記流路振分部100は、図7に示すように、前記第2の流下領域21bにおいて前記整列流路RAと拡大流路RBとの間に位置するよう前記枠状装飾部材30の右上側部に配設されており、当該流路振分部100の球入口101が整列流路RAの下流端に開口すると共に、流路振分部100の球入口101が拡大流路RBに開口するようになっている。すなわち、前記第2の流下領域21bに打ち出された全てのパチンコ球が流路振分部100の球入口101に流入するよう構成されて、当該球入口101に流入したパチンコ球が振分体130,140により振り分けられて第1〜第3球出口102a〜102cの何れかを通出するようになっている。
前記流路振分部100は、図5、図6に示すように、前記枠状装飾部材30に取り付けられるベース部110と、当該ベース部110の前面側に取り付けられる前側部材120とを備え、当該ベース部110および前側部材120の間にパチンコ球が通過する球通路150,151,152,153が形成されると共に前記各振分体130,140が配設されている。具体的に、実施例の流路振分部100には、前記球入口101に連通する入口通路150と、前記第1〜第3球出口102a〜102cに対応して連通する第1〜第3出口通路151〜153とが設けられている。そして、前記入口通路150の球出口および第1〜第3出口通路151〜153の球入口に連通するよう流路振分部100に設けられた収容部155に、前記第1および第2振分体130,140が配設されており、当該入口通路150を介して収容部155に流入するパチンコ球により第1振分体130や第2振分体140を作動させて、第1〜第3出口通路151〜153にパチンコ球を振り分けるよう構成されている。
なお、実施例における第1振分体130は、前記入口通路150を通過したパチンコ球を前記第2振分体140の配設位置へ向けて誘導する姿勢(図7、図8(a)参照)と、当該パチンコ球を前記第3出口通路153へ向けて誘導する姿勢(図8(c)参照)とに姿勢変位可能に構成されている。また、第2振分体140は、前記第1振分体130により第2振分体140の配設位置に向けて誘導されたパチンコ球を前記第1出口通路151へ向けて誘導する姿勢(図7、図8(a)参照)と、当該パチンコ球を前記第2出口通路152へ向けて誘導する姿勢(図8(b)参照)とに姿勢変位可能に構成されている。なお、後述のように、実施例第1および第2振分体130,140は、前後に延在する回転軸部132,142を中心としてパチンコ球の自重により所定範囲で往復回転する共通した構成により2つの姿勢に回転変位し得るよう形成されている。また、以下の説明では第2振分体140の配設位置へ向けてパチンコ球を誘導する第1振分体130の姿勢を第1振分姿勢A1と指称し、第3出口通路153へ向けて誘導するパチンコ球を誘導する第1振分体130の姿勢を第2振分姿勢A2と指称すると共に、第1出口通路151へ向けてパチンコ球を誘導する第2振分体140の姿勢を第1振分姿勢B1と指称し、第2出口通路152へ向けてパチンコ球を誘導する第2振分体140の姿勢を第2振分姿勢B2と指称して区別する場合がある。
(ベース部110について)
前記ベース部110は、図5、図6に示すように、前記枠状装飾部材30の台板部33と略同じ厚みの薄板状に形成されており、当該ベース部110の裏面に複数(実施例では2つ)の取付突部110aが後方へ突出するよう形成されている。実施例では、ベース部110の裏面における上端部および左下端部に前記取付突部110aが夫々形成されている。そして、前記流路振分部100(ベース部110)の各取付突部110aと前後に整列する位置に、前方へ開口する筒状の嵌合筒部37が前記枠状装飾部材30に形成されており、当該取付突部110aを対応する嵌合筒部37に前側から嵌合させた状態で後方からネジ止めすることにより、流路振分部100が枠状装飾部材30の右側部に固定されるようになっている。すなわち、前記枠状装飾部材30は、前記流路振分部100を備えたユニット部材として構成されており、当該枠状装飾部材30を遊技盤20(板状部材20a)に取り付けることにより、当該流路振分部100が遊技盤20(板状部材20a)に取り付けられるよう構成されている。なお、前記ベース部110の右下部位置には、前後に貫通する通孔110bが形成されて、当該通孔110bに前側から挿入したネジを遊技盤20(板状部材20a)にネジ止めするよう構成されており、当該流路振分部100が遊技盤20(板状部材20a)に対して安定して固定されるようになっている。また、前記枠状装飾部材30に取り付けた状態で、当該枠状装飾部材30の台板部33の前面と、前記ベース部110の前面が略同一面上に位置するよう構成されて、当該ベース部110が板状部材20aの前面に沿って延在し、当該ベース部110の前面側をパチンコ球が通過可能になっている。
また、図6に示すように、前記ベース部110の裏面には、外周縁部に近接する位置に後方へ向けて突出する支持壁部110cが設けられて、当該ベース部110を補強するようになっている。実施例では、前記ベース部110の右縁部および下縁部に近接する位置に、当該右側縁部および下縁部に沿って延在するよう前記支持壁部110cが設けられている。なお、前記支持壁部110cは、前記流路振分部100を板状部材20aに取り付けた際に、当該板状部材20aに形成された装着口に対して前側から挿入されるようになっている。
(前側部材120について)
前記前側部材120は、図5、図6に示すように、前記ベース部110に対向する前面板部121と、当該前面板部121の後面からベース部110に向けて突出するよう設けられて球通路(入口通路150、出口通路151〜153)を画成する通路壁部123,124,126,127,128とを備え、当該通路壁部123,124,126,127,128の後端部をベース部110の前面に当接させた状態でベース部110と前側部材120とが固定されるようになっている。ここで、前記前側部材120は、透明な合成樹脂材により形成されている。すなわち、前記前面板部121は、前側から後方を透視し得る有色または無色の透明な板状に形成されており、前記ベース部110と前側部材120との間に設けられる前記入口通路150や各出口通路151〜153を通過するパチンコ球および前記振分体130,140によるパチンコ球の振分状態を遊技盤20の前面側から透視し得るようになっている。なお、前記前側部材120は、少なくとも前面板部121が透明に形成されていればよく、前記通路壁部123,124,126,127,128を着色等により不透明に形成してもよい。また、前面板部121の全体が透明である必要はなく、前記入口通路150や各出口通路151〜153、振分体130,140を前側から視認し得る形態であればよい。
ここで、前記前側部材120には、図6、図7に示すように、前記前面板部121の上部において左右に対向する位置に、前記入口通路150を画成する上側通路壁部123が上下に延在するよう設けられている。すなわち、前記ベース部110と、前記前側部材120の前面板部121と、前記左右の上側通路壁部123とにより上下方向に延在する球通路(入口通路150)が画成され、当該球通路(入口通路150)の上方開口が流路振分部100の球入口101として前記整列流路RAの下流端で開口するように構成されている。ここで、前記左側の上側通路壁部123の上端部が前記枠状装飾部材30において整列流路RAを画成する庇状部32の端部に連続するよう構成されており、当該庇状部32に沿って整列流路RAを一列で流下する全てのパチンコ球が前記入口通路150の球入口101に入球し得るようになっている。
そして、図6、図7に示すように、前記前側部材120において前記左右の上側通路壁部123の下端部に、前記各振分体130,140の収容部155を形成する収容画壁部124が夫々連設するよう設けられている。前記左右の収容画壁部124は、下方へ向けて相互に離間するよう形成されており、前記入口通路150を通過したパチンコ球が前記振分体130,140の振り分けに応じて左右方向に移動し得るようになっている。なお、右側の上側通路壁部123に連設する収容画壁部124は、第1振分体130を支持する第1回転軸部132を中心とする円弧状に湾曲形成されており、当該第1振分体130により右側(第3出口通路153側)に振り分けられたパチンコ球を円滑に誘導し得るようになっている。なお、実施例では、左側の上側通路壁部123に連設する収容画壁部124の下端部が前記枠状装飾部材30の庇状部32の端部に連続するよう構成されており、当該庇状部32が前記収容部155の一部を画成するようになっている。
また、図6、図7に示すように、前記前側部材120には、前記前面板部121の下部において左右に離間する位置に、前記第1〜第3出口通路151〜153を画成する第1〜第3下側通路壁部126〜128が上下に延在するよう設けられている。ここで、前記第1下側通路壁部126および第2下側通路壁部127は、前記前面板部121の下部において左右に対向する位置に上下に延在するよう夫々設けられており、当該第1下側通路壁部126が前記枠状装飾部材30の庇状部32に対して対向するよう構成されている。すなわち、前記ベース部110と、前側部材120の前面板部121と、第1下側通路壁部126と、枠状装飾部材30の庇状部32とにより上下方向に延在する球通路(第1出口通路151)が画成され、当該ベース部110と、前側部材120の前面板部121と、第2および第3下側通路壁部127,128とにより上下方向に延在する球通路(第2出口通路152)が画成されている。なお、実施例では、前記第2出口通路152の中心線が前記入口通路150の入口通路150よりも枠状装飾部材30側に偏倚して位置するよう構成されている。すなわち、前記第1下側通路壁部126は、前記左側の上側通路壁部123よりも左側に位置し、前記第2下側通路壁部127は、前記右側の上側通路壁部123よりも左側に位置している。また、前記第3下側通路壁部128は、前記第2下側通路壁部127の右側方に隣接する位置に設けられて、当該第3下側通路壁部128が前記レール部材22(具体的には第2レール24)に対して対向するよう構成されている。すなわち、前記ベース部110と、前記前側部材120の前面板部121と、第1下側通路壁部126と、第2レール24とにより右側へ向けて下方傾斜する球通路(第3出口通路153)が画成されるようになっている。また、前記第3下側通路壁部128は、下方へ向かうにつれて右側(第2レール24側)に変位するよう傾斜した傾斜状に形成されて、第3出口通路153を通過するパチンコ球を第2レール24側に誘導する構成されている。なお、前記第2および第3下側通路壁部127,128は、夫々の上端部において接続して、両通路壁部127,128が逆V字状に屈曲した1つの壁をなすよう形成されている。
(第1および第2振分体130,140について)
図5〜図7に示すように、前記第1および第2振分体130,140は、具体的な形状は異なるものの、基本構成は共通した部材である。すなわち、各振分体130,140は、前記流路振分部100に回転可能に支持される回転軸部132,142を中心として周方向に離間するよう複数(実施例では3つ)の誘導片130A〜130C,140A〜140Cを備えており、誘導片130A〜130C,140A〜140Cにパチンコ球が接触することで、前記第1振分姿勢A1,B1および第2振分姿勢A2,B2に姿勢変位し得るよう構成されている。なお、実施例では、前記第1振分体130の第1基部131に前後に貫通するよう形成された軸挿通孔131aに第1回転軸部132が挿通されると共に、前記第2振分体140の第2基部141に前後に貫通するよう形成された軸挿通孔141aに第2回転軸部142が挿通されて、当該第1および第2回転軸部132,142の前後の端部を、前記ベース部110に形成された後軸受け部110dおよび前記前側部材120の前面板部121に形成された前軸受け部121aで支持することで、流路振分部100に対して各振分体130,140が回転可能に支持されるようになっている。
(第1振分体130の具体的な構成)
ここで、前記第1振分体130には、図5〜図7に示すように、前記入口通路150を通過したパチンコ球を当該第1振分体130の姿勢に応じて左側(第2振分体140側)または右側(第3出口通路153側)へ向けて誘導する第1誘導片130Aと、当該第1振分体130の左側に誘導されたパチンコ球が接触可能な第2誘導片130Bと、当該第1振分体130の右側に誘導されたパチンコ球が接触可能な第3誘導片130Cとを備えており、パチンコ球が第2誘導片130Bおよび第3誘導片130Cに接触することで、第1振分体130が第1振分姿勢A1および第2振分姿勢A2に交互に姿勢変位するよう構成される。前記第1振分体130の第1誘導片130Aは、前記第1振分姿勢A1において前記第1基部131から右上方へ向けて延在すると共に前記第2振分姿勢A2において第1基部131から左上方へ向けて延在するよう形成されている。また、前記第1および第2振分姿勢A1,A2の夫々において、前記第1振分体130の第1誘導片130Aが前記入口通路150の球出口の下方に位置するよう構成されている。すなわち、第1振分姿勢A1にある状態で入口通路150を通過したパチンコ球が第1誘導片130Aの傾斜により第2振分体140側に誘導され、第2振分姿勢A2にある状態で入口通路150を通過したパチンコ球が第1誘導片130Aの傾斜により第3出口通路153側に誘導されるようになっている。
ここで、前記第1振分姿勢A1において、前記第1振分体130の第1誘導片130Aの上端部と、前記入口通路150を形成する前記右側の上側通路壁部123の下端部との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されており、この状態で入口通路150を通過したパチンコ球が第1振分体130の右側(第3出口通路153側)へ移動するのを防止している。同様に、前記第2振分姿勢A2において、前記第1振分体130の第1誘導片130Aの上端部と、前記入口通路150を形成する前記左側の上側通路壁部123の下端部との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されており、この状態で入口通路150を通過したパチンコ球が第1振分体130の左側(第2振分体140側)へ移動するのを防止するようになっている。なお、前記第1振分姿勢A1にある状態では、前記第1振分体130に設けられた後述の第1規制突部134がベース部110に形成された第1収容凹部111の内側面に当接することで前記第1振分体130の右回転が規制されて、当該第1振分体130が第1振分姿勢A1に保持されると共に、前記第2振分姿勢A2にある状態では、第1規制突部134が第1収容凹部111の内側面に当接することで第1振分体130の左回転が規制され、当該第1振分体130が第2振分姿勢A2に保持される。
また、図7、図8(a)に示すように、前記第1振分体130の第2誘導片130Bは、前記第1振分姿勢A1において前記第1基部131から左方へ向けて下方傾斜するよう形成されており、当該第1振分姿勢A1において第1振分体130の第1誘導片130Aの傾斜により誘導されたパチンコ球が前記第2誘導片130B上に移動可能に構成されている。すなわち、前記2誘導片130B上にパチンコ球が移動することで、前記第1振分体130がパチンコ球の重みにより回転付勢されて第1回転軸部132を中心として第1振分姿勢A1から第2振分姿勢A2に姿勢変位するよう構成されている。また、前記第1振分体130の第2誘導片130Bは、前記第2振分姿勢A2において前記第1基部131から前記第2下側通路壁部127の上端部(第2出口通路152の球入口の開口縁)へ向けて下方傾斜するよう構成される。すなわち、パチンコ球の重みにより回転付勢されて第1振分体130が第1振分姿勢A1から第2振分姿勢A2に姿勢変位するのに伴って、当該第1振分体130の第2誘導片130Bによりパチンコ球が第2出口通路152へ向けて誘導されるようになっている。但し、後述するように、前記第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態では、当該第2振分体140の第1誘導片140A(後述)が第1振分体130の第2誘導片130Bの上方に重なるように位置するようになっている。すなわち、第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態で第1振分体130の左側に誘導されたパチンコ球は、当該第1振分体130の第2誘導片130B上に移動することなく第2振分体140の第1誘導片140A上に移動し、当該第1振分体130が第1振分姿勢A1に保持されるようになっている。
また、図8(c)に示すように、前記第1振分体130の第3誘導片130Cは、前記第2振分姿勢A2において前記第1基部131から右方へ向け下方傾斜するよう形成されており、当該第2振分姿勢A2において第1振分体130の第1誘導片130Aの傾斜により誘導されたパチンコ球が前記第3誘導片130C上に移動するようになっている。すなわち、前記第3誘導片130C上にパチンコ球が移動することで、前記第1振分体130がパチンコ球の重みにより回転付勢されて第1回転軸部132を中心として第2振分姿勢A2から第1振分姿勢A1に姿勢変位するよう構成されている。また、前記第1振分体130の第3誘導片130Cは、前記第1振分姿勢A1において前記第1基部131から前記第3下側通路壁部128の上端部(第3出口通路153の球入口の開口縁)へ向けて下方傾斜するよう構成される。すなわち、パチンコ球の重みにより回転付勢されて第1振分体130が第2振分姿勢A2から第1振分姿勢A1に姿勢変位するのに伴って、当該第1振分体130の第3誘導片130Cによりパチンコ球が第3出口通路153へ向けて誘導されるようになっている。ここで、前記第1振分姿勢A1において、前記第1振分体130の第3誘導片130Cの下端部と、前記第3出口通路153を形成する前記第3下側通路壁部128との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されており、当該第1振分体130の第3誘導片130Cにより第3出口通路153へ向けて誘導されたパチンコ球が隣接する第2出口通路152へ移動しないようになっている。
また、前記第1振分体130には、図5、図6に示すように、前記第1基部131の後端部から径方向外方に延在する第1仕切板133が前記第1誘導片130Aおよび第3誘導片130Cの間に亘って延在するよう設けられている。すなわち、前記第2振分姿勢A2において入口通路150を通過したパチンコ球は、前記第1誘導片130A、第3誘導片130Cおよび第1仕切板133で囲まれた領域に受け止められるよう構成されている。このため、第1誘導片130Aの傾斜に沿って第3誘導片130Cにパチンコ球が誘導される際に、当該パチンコ球がベース部110と接触するのを第1仕切板133で防止できるから、第1振分体130を第2振分姿勢A2から第1振分姿勢A1に円滑に回転変位させることが可能となる。また、前記第1仕切板133の前面は、前記第1基部131から径方向に離間するにつれてベース部110に近接するよう傾斜したテーパ状に形成されており、入口通路150を通過したパチンコ球を円滑に第1誘導片130A上に誘導し得るようになっている。
(第2振分体140の具体的な構成)
ここで、前記第2振分体140には、図5〜図7に示すように、前記第1振分体130により左側(第2振分体140側)へ誘導されたパチンコ球を当該第2振分体140の姿勢に応じて左側(第1出口通路151側)または右側(第2出口通路152側)へ向けて誘導する第1誘導片140Aと、当該第2振分体140の左側に誘導されたパチンコ球が接触可能な第2誘導片140Bと、当該第1振分体130の右側に誘導されたパチンコ球が接触可能な第3誘導片140Cとを備えており、パチンコ球が第2誘導片140Bおよび第3誘導片140Cに接触することで、第2振分体140が第1振分姿勢B1および第2振分姿勢B2に交互に姿勢変位するよう構成される。ここで、前記第2振分体140の第1誘導片140Aは、前記第1振分姿勢B1において第2基部141から右上方へ向けて延在すると共に、前記第2振分姿勢B2において前記第2基部141から上方へ向けて延在するよう形成されている。ここで、前記第2振分姿勢B2において、前記第2振分体140の第1誘導片140Aの上端部と、前記収容部155を画成する前記枠状装飾部材30の庇状部32との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されている。すなわち、前記第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態では、前記第1振分体130の第1誘導片130Aにより第2振分体140へ向けて誘導されたパチンコ球が、当該第2振分体140の左側(すなわち第1出口通路151)へ移動するのを防止している。
また、図7、図8(a)に示すように、前記第2振分体140が第1振分姿勢B1にある状態では、前記第1振分姿勢A1にある第1振分体130の第2誘導片130Bの上方に、当該第2振分体140の第1誘導片140Aが重なるように位置している。すなわち、前記第1振分体130の第1誘導片130Aにより第2振分体140へ向けて誘導されたパチンコ球は、前記第2振分体140が第1振分姿勢B1にある状態で第1誘導片140A上に移動し、当該第1誘導片140Aの傾斜により第2振分体140の左側(第1出口通路151側)に誘導されるようになっている。なお、前記第1振分姿勢B1にある状態では、前記第2振分体140に設けられた後述の第2規制突部144が第2収容凹部112の内側面に当接することで第2振分体140の右回転が規制され、当該第2振分体140が第1振分姿勢B1に保持されると共に、前記第2振分姿勢B2にある状態では、第2規制突部144がベース部110に形成された第2収容凹部112の内側面に当接することで第2振分体140の左回転が規制されて、当該第2振分体140が第2振分姿勢B2に保持される。
更に、図7、図8(a)に示すように、前記第2振分体140の第2誘導片140Bは、前記第1振分姿勢B1において前記第2基部141から左方へ向けて下方傾斜するよう形成されており、当該第1振分姿勢B1において第2振分体140の第1誘導片140Aの傾斜により誘導されたパチンコ球が前記第2誘導片140B上に移動するよう構成されている。すなわち、前記3誘導片140C上にパチンコ球が移動することで、前記第2振分体140がパチンコ球の重みにより回転付勢されて第2回転軸部142を中心として第1振分姿勢B1から第2振分姿勢B2に姿勢変位するよう構成されている。また、前記第2振分体140の第2誘導片140Bは、前記第2振分姿勢B2において前記第2基部141から前記第1出口通路151を形成する前記第1下側通路壁部126(第1出口通路151の球入口の開口縁)へ向けて下方傾斜するよう構成される。すなわち、パチンコ球の重みにより回転付勢されて第2振分体140が第1振分姿勢B1から第2振分姿勢B2に姿勢変位するのに伴って、当該第2振分体140の第2誘導片140Bによりパチンコ球が第1出口通路151へ向けて誘導されるようになっている。ここで、前記第2振分姿勢B2において、前記第2振分体140の第2誘導片140Bの下端部と、前記第1出口通路151を形成する前記第1下側通路壁部126との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されており、当該第2振分体140の第2誘導片130Bにより第1出口通路151へ向けて誘導されたパチンコ球が隣接する第2出口通路152へ移動しないように構成されている。
また、前記第2振分体140には、図5、図6に示すように、前記第2基部141の後端部から径方向外方に延在する第2仕切板143が前記第1誘導片140Aおよび第2誘導片140Bの間に亘って延在するよう設けられている。すなわち、前記第1振分姿勢A1において第1振分体130から誘導されたパチンコ球は、前記第1誘導片140A、第2誘導片140Bおよび第2仕切板143で囲まれた領域に移動するよう構成されている。このため、第1誘導片140Aの傾斜に沿って第2誘導片140Bにパチンコ球が誘導される際に、当該パチンコ球がベース部110と接触するのを第2仕切板143で防止できるから、第2振分体140を第1振分姿勢B1から第2振分姿勢B2に円滑に回転変位させることが可能となる。また、前記第2仕切板143の前面は、前記第2基部141から径方向に離間するにつれてベース部110に近接するよう傾斜したテーパ状に形成されており、第1振分体130から誘導されたパチンコ球を円滑に第2振分体140の第1誘導片140A上に誘導し得るようになっている。
また、図8(b)に示すように、前記第2振分体140の第3誘導片140Cは、前記第2振分姿勢B2において前記第2基部141から右方へ向けて下方傾斜すると共に、前記第1振分姿勢A1にある第1振分体130の第2誘導片130Bの延長線上に位置するよう構成されている。なお、前記第2振分体140の第3誘導片140Cは、前記第2基部141の外周縁から接線方向に延在するよう形成されており、第2振分姿勢B2における第3誘導片140Cの傾斜上端部が第1誘導片140Aに接続するようになっている。すなわち、前記第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態では、前記第1振分体130の第1誘導片130Aにより第2振分体140へ向けて誘導されたパチンコ球は、当該第1振分体130の第2誘導片130Bの傾斜により第2振分体140の第3誘導片140C上に移動するようになっている。そして、前記第3誘導片140C上にパチンコ球が移動することで、前記第2振分体140がパチンコ球の重みにより回転付勢されて第2回転軸部142を中心として第2振分姿勢B2から第1振分姿勢B1に姿勢変位するよう構成されている。すなわち、前記第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態において、前記第1振分体130の第1誘導片130Aにより第2振分体140へ向けてパチンコ球が誘導された場合には、当該パチンコ球が第1振分体130の第2誘導片130B上および第2振分体140の第3誘導片140C上に移動することにより、当該第1振分体130が第1振分姿勢A1から第2振分姿勢A2へ姿勢変位されると共に、当該第2振分体140が第2振分姿勢B2から第1振分姿勢B1へ姿勢変位されるようになっている。
また、図8(a)に示すように、前記第2振分体140の第3誘導片140Cは、前記第1振分姿勢B1において前記第2基部141から前記第1下側通路壁部126の上端部(第2出口通路152の球入口の開口左側縁)へ向けて下方傾斜するよう構成される。すなわち、パチンコ球の重みにより回転付勢されて第1および第2振分体130,140の夫々が第1振分姿勢A1,B1および第2振分姿勢A2,B2の間で姿勢変位するのに伴って、第1振分体130の第2誘導片130Bおよび第2振分体140の第3誘導片140Cによりパチンコ球が第2出口通路152へ向けて誘導されるようになっている。ここで、前記第1振分体130が第2振分姿勢A2にある状態で、当該第1振分体130の第2誘導片130Bの下端部と、前記第2出口通路152を形成する前記第2下側通路壁部127との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されると共に、前記第2振分体140が第1振分姿勢B1にある状態で、当該第2振分体140の第3誘導片140Cの下端部と、第2出口通路152を形成する前記第1下側通路壁部126との間隔がパチンコ球の直径より狭くなるよう構成されている。すなわち、第1振分体130の第2誘導片130Bおよび第2振分体140の第3誘導片140Cにより第2出口通路152へ向けて誘導されたパチンコ球が隣接する第1出口通路151や第3出口通路153へ移動しないようになっている。
このように、実施例の流路振分部100は、第1振分姿勢A1,B1,および第2振分姿勢A2,B2に姿勢変位可能な第1および第2振分体130,140の姿勢の組合せにより、第1振分体130が第1振分姿勢A1に保持されると共に第2振分体140が第2振分姿勢B1に保持された状態(図8(a)参照。以下第1の振分状態という)と、第1振分体130が第1振分姿勢A1に保持されると共に第2振分体140が第2振分姿勢B2に保持された状態(図8(b)参照。以下第2の振分状態という)と、第1振分体130が第2振分姿勢A2に保持されると共に第2振分体140が第1振分姿勢B1に保持された状態(図8(c)参照。以下第3の振分状態という)と、第1振分体130が第2振分姿勢A2に保持されると共に第2振分体140が第2振分姿勢B2に保持された状態(図8(d)参照。以下、イレギュラー状態という)とに変化し得るよう構成されている。
すなわち、前記流路振分部100は、第1の振分状態において入口通路150を通過したパチンコ球が第1出口通路151へ誘導されるのに伴って第2の振分状態に移行し、第2の振分状態において入口通路150を通過したパチンコ球が第2出口通路152へ誘導されるのに伴って第3の振分状態に移行し、第3の振分状態において入口通路150を通過したパチンコ球が第3出口通路153へ誘導されるのに伴って第1の振分状態に移行するようになっている。従って、右打ちにより遊技が行われた場合には、入口通路150をパチンコ球が通過する毎に、第1の振分状態、第2の振分状態、第3の振分状態、第1の振分状態・・・となる順で順番に変化するよう流路振分部100の第1および第2振分体130,140が姿勢変化して、当該入口通路150を通過するパチンコ球が前記第1〜第3出口通路151〜153(第1〜第3球出口102a〜102c)に均等に振り分けられるようにしている。なお、前記遊技盤20に対する振動等により、前記第1および第2振分体130,140の組合せが前記イレギュラー状態となった場合には、入口通路150を通過したパチンコ球を第1出口通路151へ誘導されると共に、当該パチンコ球の誘導に伴って第2の振分状態となる。すなわち、イレギュラー状態となった場合でもパチンコ球が入口通路150を通過するだけで、第1〜第3出口通路151〜153(第1〜第3球出口102a〜102c)にパチンコ球を均等に振り分け可能な正常な状態に復帰させることが可能となっている。
また、前記第1振分体130には、図6に示すように、後方へ突出する第1規制突部134が形成されると共に、前記ベース部110には、前方へ開口する第1収容凹部111が形成されて、前方開口を介して当該第1収容凹部111の内部に第1規制突部134が前側から挿入されている。前記第1収容凹部111は、前記第1振分体130の第1回転軸部132を中心とする円弧状に延在するよう形成されており、当該第1収容凹部111において周方向に離間する内側面に第1規制突部134が当接する範囲で第1振分体130が第1回転軸部132を中心として回転変位し得るようになっている。なお、実施例では、第1回転軸部132の下方に位置するよう前記第1規制突部134が第1振分体130に形成されている。すなわち、第1振分体130が第1振分姿勢A1にある状態では、前記第1規制突部134が前記第1収容凹部111の一方の内側面(左内側面)に当接することで、第1振分体130の左回転(第1振分姿勢A1から第2振分姿勢A2への回転方向)への回転を許容すると共に当該第1振分体130の右回転を規制し、第1振分体130が第2振分姿勢A2にある状態では、第1規制突部134が第1収容凹部111の他方の内側面(右内側面)に当接することで、第1振分体130の右回転(第2振分姿勢A2から第1振分姿勢A1への回転方向)への回転を許容すると共に当該第1振分体130の左回転を規制するよう構成されている。
また、図6に示すように、前記第2振分体140に対しても同様に、後方へ突出する第2規制突部144が形成されると共に、前記ベース部110には、前方へ開口する第2収容凹部112が形成されて、前方開口を介して当該第2収容凹部112の内部に第2規制突部144が前側から挿入されている。前記第2収容凹部112は、前記第2振分体140の第2回転軸部142を中心とする円弧状に延在するよう形成されており、当該第2収容凹部112において周方向に離間する内側面に第2規制突部144が当接する範囲で第2振分体140が第2回転軸部142を中心として回転変位し得るようになっている。なお、実施例では、第2回転軸部142の下方に位置するよう前記第2規制突部144が第2振分体140に形成されている。すなわち、第2振分体140が第1振分姿勢B1にある状態では、前記第2規制突部144が前記第2収容凹部112の一方の内側面(左内側面)に当接することで、第2振分体140の左回転(第1振分姿勢B1から第2振分姿勢B2への回転方向)への回転を許容すると共に当該第2振分体140の右回転を規制し、第2振分体140が第2振分姿勢B2にある状態では、第2規制突部144が第2収容凹部112の他方の内側面(右内側面)に当接することで、第2振分体140の右回転(第2振分姿勢B2から第1振分姿勢B1への回転方向)への回転を許容すると共に当該第2振分体140の左回転を規制するよう構成されている。
また、図6に示すように、前記第1および第2規制突部134,144は、後方へ開口する筒状に形成されており、当該各規制突部134,144の後方開口を介して、一方の磁極(例えばN極)を後方へ指向させた状態で磁石Z1が取り付けられている。すなわち、前記第1および第2振分体130,140が第1振分姿勢A1,B1および第2振分姿勢A2,B2に姿勢変位した際に、各振分体130,140の規制突部134,144に取り付けられた磁石Z1が対応する第1および第2収容凹部111,112内を移動するよう構成されている。なお、以下の説明では、各振分体130,140の姿勢変位に伴って移動する磁石を移動側磁石Z1と指称する場合がある。すなわち、前記第1および第2規制突部134,144は、移動側磁石Z1を保持する保持部として機能している。なお、前記移動側磁石Z1は、筒状の規制突部134,144に対して圧入や接着等により強固に固定されており、各振分体130,140の姿勢変位に伴って規制突部134,144から移動側磁石Z1が脱落しないようになっている。
そして、前記ベース部110には、前記第1および第2収容凹部111,112の後端部に、後方へ開口する筒状の固定磁石保持部111a,112aが設けられており、当該各の固定磁石保持部111a,112aに磁石Z2が取り付けられている。すなわち、前記固定磁石保持部111a,112aに取り付けられた磁石Z2は、前記第1および第2振分体130,140の姿勢変位に関わらず所定位置に保持されるようになっている。また、前記各固定磁石保持部111a,112aの夫々は、対応する第1および第2収容凹部111,112の中間位置に位置するよう設けられており、前記第1および第2振分体130,140が第1振分姿勢A1,B1および第2振分姿勢A2,B2に姿勢変位する際に、対応する固定磁石保持部111a,112aの前側を第1および第2規制突部134,144(移動側磁石Z1)が横切って移動するよう構成されている。なお、以下の説明では、前記ベース部110(各固定磁石保持部111a,112a)に配設された磁石を固定側磁石Z2と指称する場合がある。また、前記固定磁石保持部111a,112aの後方開口は、前記ベース部110の後面側に取り付けられる支持部材113により塞がれて、当該固定磁石保持部111a,112aから固定側磁石Z2が脱落しないよう構成されている。
ここで、前記各固定側磁石Z2は、後方へ指向させた移動側磁石Z1の磁極と同じの磁極(例えばN極)を前方へ指向させた状態で固定磁石保持部111a,112aに取り付けられて、当該移動側磁石Z1と固定側磁石Z2とが反発し合うよう構成されている。すなわち、前記第1および第2振分体130,140が姿勢変位するのに伴って、移動側磁石Z1と固定側磁石Z2との間に作用する反発力が強弱変化するよう構成されている。具体的に、第1振分姿勢A1,B1および第2振分姿勢A2,B2からその中間位置に近づくよう第1および第2振分体130,140が回転変位するのに伴い、前記移動側磁石Z1が次第に固定側磁石Z2に近接して反発力が強まると共に、当該中間位置から離間するよう第1および第2振分体130,140が回転するのに伴って、移動側磁石Z1が次第に固定側磁石Z2から離間して反発力が弱まるようになっている。これにより、前記第1および第2振分体130,140の誘導片130B,130C,140B,140Cがパチンコ球により付勢されていない状態において、パチンコ機10に生ずる振動等に起因して各振分体130,140が第1および第2振分姿勢の間で姿勢変位するのを防止し得るようになっている。
(流入センサSE10について)
また、図5、図6に示すように、前記流路振分部100には、前記入口通路150を通過するパチンコ球を検出する流入センサSE10が配設されており、この流入センサSE10は、前記設置部材の裏面に配設されたメイン制御基板301に配線接続されており(図12参照)、該流入センサSE10からの球検出信号がメイン制御基板301のCPU301aに入力されることで、第2の流下領域21bへ打ち出されたパチンコ球を検出し得るようになっている。実施例では、流入センサSE10からの球検出信号に基づいて、所定時間あたりに流路振分部100の入口通路150を通過したパチンコ球の数(第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球の数)をメイン制御基板301のCPU301aが識別するよう構成されている。すなわち、流入センサSE10からの球検出信号に基づく計測数の1/3のパチンコ球が前記第1〜第3球出口領域RB1〜RB3の夫々を流下する。そして、前記流入センサSE10の検出信号と、前記第1〜第3球出口領域RB1〜RB3に配設された各入球部(第2始動入賞部42、特別入賞部51,52、ゲート部60、普通入賞部55)に対応する検出センサSE2,SE3,SE4,SE6の検出信号とに基づいて、不正行為や遊技領域21に球詰まり等の不具合が生じている可能性があることをメイン制御基板301のCPU301aが判定するよう構成されて、当該CPU301aによる判定に基づいて、パチンコ機10が備えるスピーカやランプ装置により異常を報知するよう構成されている。
具体的には、前記第2始動入賞検出センサSE2の検出信号に基づいて把握される第2始動入賞部42へのパチンコ球の所定時間毎の入賞数が、流入センサSE10の検出信号に基づいて把握される所定時間毎のパチンコ球の数の1/3を超える場合には、当該第2始動入賞部42(第2始動入賞検出センサSE2)に対して電磁波等を利用した不正行為や、遊技領域21(第3球出口領域RB3)で球詰まり等の不具合が生じている可能性があることをメイン制御基板301のCPU301aが判定して、異常を報知するよう構成される。また、前記普通入賞部55やゲート部60は、対応する第2球出口102b領域RB2または第3球出口領域RB3に常時開口して一定の確率でパチンコ球が入球(入賞)し得ることから、流入センサSE10が所定数(例えば30個)のパチンコ球を検出している状態において普通入賞部55に対応した普通入賞検出センサSE5やゲート部60に対応したゲートセンサSE6からの検出信号の入力がない場合には、第2球出口領域RB2や第3球出口領域RB3で球詰まり等の不具合が生じている可能性があることをメイン制御基板301のCPU301aが判定して、異常を報知するよう構成される。
ここで、図5に示すように、前記入口通路150を形成する前記ベース部110の上部位置に、当該入口通路150に開口するセンサ挿入口115が形成されると共に、当該センサ挿入口115の開口縁からベース部110の後方へ突出する筒状のセンサ支持部116が形成されている。ここで、前記流入センサSE10は、略矩形状に形成されたセンサ本体SE10aの前側に偏った位置に、パチンコ球が通過可能なセンサ開口部SE10bが形成されており、当該流入センサSE10のセンサ本体SE10aを前記センサ挿入口115の前側から差し込むことで、ベース部110の前側(すなわち入口通路150)でセンサ開口部SE10bが上下に開口する位置に流入センサSE10が位置決めされるようになっている。また、前記入口通路150を画成する左右の上側通路壁部123には、前後に延在する嵌合溝部123aが形成されており、前記センサ開口部SE10bを挟むセンサ本体SE10aの左右側端部が上側通路壁部123に形成された嵌合溝部123aに嵌合するよう構成されている。なお、前記センサ支持部116の後端部に形成された位置決め突部に前記流入センサSE10の後端部が当接すると共に、当該流入センサSE10の前端部が前記前側部材120の前面板部121に当接することで、センサ開口部SE10bが入口通路150の内側で開口する所定位置に位置決めされるようになっている。
(第1特別入賞部51について)
次に、前述した第1特別入賞部51の構成に関して具体的に説明する。前記第1特別入賞部51は、図9〜図11に示すように、前記遊技盤20に取り付けられ、前記遊技領域21(第2の流下領域21b)内で上下に開口するように形成された空間部Sに第1特別入賞口(入球口)51aが開口する装置本体(本体部)70と、当該装置本体70に配設された駆動手段としての第1特別入賞ソレノイドSL2と、待機状態および作動状態に変位し得るよう装置本体70に支持されると共にパチンコ球を第1特別入賞口51aに向けて転動させる転動面83を有する作動部材80とを備えている。そして、前記第1特別入賞ソレノイドSL2を駆動することにより、前記空間部Sにあるパチンコ球が当該空間部Sの下方開口(通出部85)を通過可能な状態(待機状態、図9、図10(a)、図11(b)参照)と、当該通出部85をパチンコ球が通過不能に遮断してパチンコ球を第1特別入賞口51aに向けて誘導する状態(作動状態、図10(b)、図11(a)参照)とに前記作動部材80が切り替えられるようになっている。ここで、前記第1特別入賞部51の空間部Sの上方開口(流入部)は、前記第2の流下領域21bにおける第1球出口領域RB1および第2球出口領域RB2が合流した領域の下流端に位置するよう構成されて、当該第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下したパチンコ球が流入部を介して空間部S内に流入する一方、前記第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球は流入部を介して空間部S内に殆ど流入し得ないようになっている。
(装置本体70について)
前記装置本体70は、図9〜図11に示すように、前面側をパチンコ球が流下可能な状態で遊技盤20に固定される平板状の台板部71と、当該台板部71の前面側に固定され、前記第1特別入賞口51aが開設される前側部材72と、当該台板部71の後面側に固定され、前記第1特別入賞ソレノイドSL2が収容される箱状のケース体91とから構成されている。そして、前記ケース体91を前記装着口に前側から挿通させて前記遊技盤20の前面に当接させた前記台板部71を、当該遊技盤20に対して前側からネジ固定することで、装置本体70(第1特別入賞部51)が遊技盤20に固定されるようになっている。すなわち、実施例の第1特別入賞部51は、前記遊技盤20(台板部71)よりも前側に位置するよう前記第1特別入賞口51aが設けられている。
(台板部71について)
前記台板部71は、図9〜図11に示すように、左右方向に横長な平板状に形成され、前記遊技盤20の前面に当接させた状態で、前記遊技領域21(第2の流下領域21b)のパチンコ球が台板部71の前面側を流下し得るよう形成されている。また、前記台板部71には、当該台板部71の左右一方(実施例では右側方)に偏った位置に、前後に貫通する通孔71aが開設されると共に、当該通孔71aから後方に延在する後側球通路部71bが形成されている。前記台板部71の通孔71aには、前記第1特別入賞口51aに連通するよう前側部材72に形成された前側球通路部72a(図10、図11参照)が連通しており、当該前側球通路部72aおよび後側球通路部71bにより前記第1特別入賞口51aに入賞したパチンコ球を当該台板部71の裏側へ誘導する球通路が形成されるようになっている。そして、前記後側球通路部71bの後端部に、前記遊技盤20の裏側に設けられた排出経路(図示せず)が連通するよう構成されて、第1特別入賞口51aに入賞したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出し得るようになっている。
(前側部材について)
前記前側部材72は、図9(a)に示すように、前記空間部Sの右側部を画成する右支持部73と、当該右支持部73に対して左方向へ離間して対向位置して空間部Sの左側部を画成する左支持部74と、左右の支持部73,74の前端部に連設して前記台板部71に対して前方で対向する前面壁部75とを備えており、台板部71と左右の支持部73,74および前面壁部75とにより上下に開口する空間部Sが形成されている。ここで、前記第1特別入賞口51aは、前記右支持部73の左側面に、左方向(左支持部74側)に開口するよう開設されている。また、図10および図11に示すように、前記第1特別入賞口51aと台板部71の通孔71a(後側球通路部71b)とを連通する前側球通路部72aが、前記右支持部73に後方へ開口するよう形成され、第1特別入賞口51aに入賞したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出し得るようになっている。なお、前記前側球通路部72aにおける第1特別入賞口51aの開口端部には、前記第1特別入賞検出センサSE3の前端上部および前端下部を位置決めする凹状溝73aが上下に対向するよう形成されて、該凹状溝73aによって第1特別入賞検出センサSE3を第1特別入賞口51aの直下流に位置決めするようになっている。なお、左右の支持部73,74は、パチンコ球の直径の複数個分(実施例では概ね4個分)だけ離間する位置に設けられており、遊技領域21(第2の流下領域21b)を流下する複数のパチンコ球が空間部S内に一度に入り込み得るよう構成されている。なお、前記左支持部74は、上壁部74aが前記空間部S(流入部)側に向けて下方傾斜するよう形成され、該上壁部74aで受け止めたパチンコ球を、空間部Sへ向けて誘導し得るようになっている。
(作動部材80について)
ここで、前記作動部材80は、図9〜図11に示すように、前記装置本体70に対して一方端部が揺動可能に支持されると共に前記台板部71の前面側において左右方向に離間する左右一対のアーム部81,81と、当該一対のアーム部81,81の枢支端部と反対側に位置する他方端部を連結する連結部82とを備えた略コ字状に形成されて、当該アーム部81,81が揺動した際に、台板部71の前面側において連結部82が台板部71に対して近接および離間するよう構成されている。そして、前記連結部82において一対のアーム部81,81の枢支端部側(装置本体70に枢支される一方端部側)を向く面に、前記転動面83が当該連結部82の長手方向に沿って延在するよう設けられている。そして、前記待機状態に作動部材80が変位した状態では、前記台板部71との間をパチンコ球が通過し得る間隔で当該台板部71の前方へ前記連結部82が位置し、前記作動状態に作動部材80が変位した状態では、前記台板部71との間をパチンコ球が通過不能となるよう当該台板部71側に連結部82が位置するよう構成されている。また、前記作動状態において、前記転動面83が前記第1特別入賞口51aへ向けて下方傾斜するよう形成されており、当該作動状態において空間部Sの流入部を通過したパチンコ球が、作動部材80の連結部82(転動面83)で受け止められて第1特別入賞口51aへ向けて転動することで第1特別入賞口51aに入賞し得るようになっている。
すなわち、第1特別入賞部51は、前記作動部材80を作動状態に変位させることで、前記流入部を介して空間部Sに流入したパチンコ球を第1特別入賞口51aに入賞可能とされる一方で、当該作動部材80を待機状態に変位させることで、流入部を介して空間部Sに流入したパチンコ球を通出部85から落下させて第1特別入賞口51aに入賞させないように構成されている。このように、前記作動部材80を待機状態および作動状態の間で変位させることで、パチンコ球を第1特別入賞口51aに入賞不能な状態と入賞可能な状態とに速やかに切り替えて、第1特別入賞口51aに対する過剰なパチンコ球の入賞を防止し得る。ここで、実施例では第1特別入賞部51の下方には、前記第2特別入賞部52が位置するよう配設されており、前記第1特別入賞口51aに入賞することなく空間部Sを通過したパチンコ球が第2特別入賞部52へ向かうよう構成されている。
(整列流下部90について)
また、図9〜図11に示すように、前記第1特別入賞部51には、前記第2の流下領域21bにおける第3球出口領域RB3の下流端位置に、当該第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球を一列に整列させて落下口95aを通過させる整列流下部(球案内部)90が設けられている。すなわち、実施例の遊技盤20は、前記流路振分部100において第1および第2球出口領域RB1,RB2に振り分けられたパチンコ球が前記第1特別入賞部51の第1特別入賞口51aに入賞可能となる一方で、第3球出口領域RB3に振り分けられたパチンコ球が前記整列流下部90の落下口95aから第1特別入賞部51の下方へ落下されるよう構成されている。
前記整列流下部90は、前記右支持部73の上面に形成されて右方向(流入部から離間する方向)に向けて下方傾斜する第1傾斜部92と、前記台板部71の前面に設けられた転動台部93の上面に形成されて左方向(右支持部73に近接する方向)に向けて下方傾斜する第2傾斜部94と、右支持部73および転動台部93の間に形成されて1個のパチンコ球が通過可能な球落下部95とを備えている。そして、前記第1傾斜部92および第2傾斜部94の夫々が前記第2始動入賞部42の下方に位置して、当該第2始動入賞部42に入賞することなく第3球出口領域RB3の下流端まで流下したパチンコ球を当該傾斜部92,94で受け止めて、前記球落下部95に集約するよう構成されている。ここで、前記球落下部95は、パチンコ球の直径より僅かに広い左右の開口幅寸法で上下方向に所定長さで延在すると共に上下に開口するよう形成されており、第1および第2傾斜部92,94で導かれたパチンコ球を一列に整列させて下方開口(落下口95a)から落下させるようになっている。ここで、前記整列流下部90は樹脂成形により形成されており、前記遊技盤20に対する整列流下部90の設置姿勢や設置位置を変更し得ないようになっている。すなわち、実施例の整列流下部90は、遊技盤20の一定位置に位置調節し得ないよう構成されて、第3球出口領域RB3を流下するパチンコ球が前記普通入賞部55に一定の確率で入賞するよう当該普通入賞部55へ向けて案内するようになっている。
(右側の入賞ユニット部材210について)
次に、前述した右側の入賞ユニット部材210の構成に関して具体的に説明する。前記入賞ユニット部材210は、前記第1特別入賞部51に設けられた空間部Sの通出部85の下方に配置された前記第2特別入賞部52と、前記球落下部95の下方に配置された前記普通入賞部55と、当該第2特別入賞部52および普通入賞部55の下方に配置されてパチンコ球を遊技領域21の中央側へ向けて案内する傾斜案内部215とが設けられている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前記第2の流下領域21bの第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球を前記整列流下部90で球落下部95に集約させて、前記普通入賞部55へ誘導するよう構成されている。そして、前記第2の流下領域21bに設けられた入賞部(第2始動入賞部42、第2特別入賞部52および普通入賞部55)の何れにも入賞することなく遊技領域21(第2の流下領域21b)を流下したパチンコ球は、前記傾斜案内部215の傾斜に沿って転動することで前記アウト口26の開口位置へ向けて導かれるようになっている。
前記第2特別入賞部52は、図2、図11に示すように、前面側をパチンコ球が流下可能な状態で遊技盤20に固定される入賞ユニット部材210の平板状の台板部211に形成された前後に開口する第2特別入賞口52aと、当該台板部211の後側に設けられて第2特別入賞口52aに連通する入賞空間212aを画成する箱状の入賞部本体212と、当該第2特別入賞口52aを開閉可能に閉鎖する開閉部材52bとを備え、入賞部本体212を前記装着口に前側から挿通させて前記遊技盤20の前面に当接させた台板部211を、当該遊技盤20に対して前側からネジ固定することで、第2特別入賞部52が遊技盤20に固定されるようになっている。ここで、前記開閉部材52bは、前記第2特別入賞口52aの開口形状に略整合する形状に形成されて、パチンコ球が入賞不能となるよう第2特別入賞口52aを塞いだ閉鎖状態(図2、図11(a)参照)における左右下端部が図示しない軸部により軸支されている。すなわち、第2特別入賞口52aの開閉部材52bは、前記第2特別入賞口52aを塞ぐ閉鎖状態と、当該閉鎖状態から前方へ傾倒してパチンコ球が入賞可能となるよう第2特別入賞口52aを開放する開放状態(図11(b)参照)とに変位し得るよう構成されている。ここで、前記第2特別入賞部52の開閉部材52bは、開放状態において第2特別入賞口52aへ向けて下方傾斜するよう構成されており、遊技領域21(第2の流下領域21b)を流下して開閉部材52bで受け止めたパチンコ球を、当該開閉部材52bの傾斜により第2特別入賞口52aへ案内するよう構成されている。
ここで、前記第1特別入賞部51の通出部85と、前記第2特別入賞部52における第2特別入賞口52aの開口領域とは、遊技盤20の正面視において上下方向に並ぶ(重複する)よう構成されている(図11参照)。すなわち、開放状態にある第2特別入賞部52の開閉部材52bの上方で前記第1特別入賞部51の通出部85が開口するよう構成されて、当該第1特別入賞部51の作動部材80が待機状態に位置することにより通出部85を通過したパチンコ球が、開放状態にある第2特別入賞部52の開閉部材52bに受け止められることで、第2特別入賞口52aに入賞し得るよう構成されている。言い換えると、前記第1特別入賞部51の第1特別入賞口51aに入賞しなかったパチンコ球を、第2特別入賞部52の第2特別入賞口52aに入賞させ得るよう構成されている。
また、前記第2特別入賞部52における第2特別入賞口52aの右端部は、前記第1特別入賞部51における通出部85の右端部(右支持部73の左側面)よりも左方向に離間して位置するよう構成されている。すなわち、前記第1特別入賞部51の通出部85と、第2特別入賞口52aの開口領域とは、遊技盤20の正面視において部分的に上下方向に重複しないよう構成されており、通出部85を通過したパチンコ球が第2特別入賞口52aの開口位置へ向かわずに流下する可能性を持たせることで、第1特別入賞部51から第2特別入賞部52へ移動するパチンコ球の動きに対する関心を高め得るようにしてある。なお、実施例では、前記第1特別入賞部51の通出部85と、第2特別入賞口52aの開口領域とは、大部分が上下方向に重複するよう構成されており、通出部85を通過した殆どのパチンコ球が第2特別入賞口52aの開口位置へ向かうようになっている。また、前記第2特別入賞部52における前記第2特別入賞口52aの開口領域は、遊技盤20の正面視において、前記第1特別入賞部51の左支持部74を挟んで左右に跨がって位置するよう構成されている。
図11に示すように、前記第1特別入賞部51と第2特別入賞部52との間には、前記通出部85を通過したパチンコ球が接触可能な位置に緩衝部が設けられており、当該通出部85を通過して開閉部材52bに落下するパチンコ球の衝撃を緩和するよう構成されている。具体的には、前記第1特別入賞部51の台板部71の下縁部と、前記第2特別入賞部52(入賞ユニット部材210)の台板部211の上縁部との間に、前記緩衝部として複数の遊技釘27が遊技盤20に設けられており、前記通出部85を通過したパチンコ球が何れかの遊技釘27に接触することで、パチンコ球を受け止めた衝撃で開閉部材52bが損傷するのを防ぐよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記緩衝部としての遊技釘27が上下2列で設けられており、上側の列の遊技釘を上部緩衝釘27aと指称し、下側の列の遊技釘を下部緩衝釘27bと指称して区別する場合がある。
ここで、前記上部緩衝釘27aは、1個のパチンコ球が通過可能な間隔で左右方向に離間するよう配置されている。そして、前記下部緩衝釘27bは、1個のパチンコ球が通過可能な間隔で左右方向に離間するよう配置されると共に、左右方向に列をなすよう配列された上部緩衝釘27aの隙間の下方に、当該下部緩衝釘27bが位置する関係で配置されている。すなわち、前記通出部85を通過したパチンコ球は、前記第2特別入賞口52aに至るまでの間に前記上部緩衝釘27aまたは下部緩衝釘27bの何れかに接触するよう構成されて、通出部85を通過したパチンコ球が前記開閉部材52b上に直接落下しないようになっている。
また、図2、図11に示すように、前記入賞ユニット部材210の台板ぶ211には、前記第2特別入賞部52の側方位置(実施例では右側方位置)に、パチンコ球が通過可能な大きさで前後に貫通する通孔211aが形成されると共に、当該通孔211aの前側に、後方および上方へ開口する樋状の球受け部213が前方へ突出するよう設けられて、当該球受け部213の後方開口が通孔211aに連通するようになっている。そして、前記通孔211aに連通するよう遊技盤20の裏側に設けられた球通路(図示せず)に前記普通入賞検出センサSE5が配設されて、当該球通路を通過するパチンコ球を普通入賞検出センサSE5で検出するよう構成されている。すなわち、前記入賞ユニット部材210に設けられた球受け部213が前記普通入賞部55を構成し、当該球受け部213の上方開口が前記普通入賞口55aとなっている。
そして、図11に示すように、前記普通入賞部55の普通入賞口55aは、前記整列流下部90の落下口95aの下方で開口するよう構成されている。すなわち、前記落下口から落下したパチンコ球が普通入賞口55aに一定の入賞率で入賞し得るよう構成されている。ここで、前記普通入賞部55(球受け部213)は、前記第1特別入賞部51の右支持部73の下面および前記球落下部95の下面夫々に対して、パチンコ球の直径より僅かに大きな間隔で離間する位置に配置されると共に、前記落下口95aの下方において前記普通入賞口55aの全体が落下口95aの内側で開口するように構成されており、当該落下口95aから落下するパチンコ球が高確率で普通入賞口55aに入賞し得るよう構成されている。
ここで、図11に示すように、前記落下口95aおよび前記普通入賞口55aの左右の開口幅は、パチンコ球の直径以上でかつ直径の2倍より小さな寸法に設定されると共に、当該落下口95aの左右の開口幅の方が普通入賞口55aの左右の開口幅よりも幅広くなるよう形成されている。具体的には、前記落下口95aの左右一方(実施例では左側)の開口縁と、前記普通入賞口55aの左右一方(実施例では左側)の開口縁とが上下に整列し、普通入賞口55aの左右他方(実施例では右側)の開口縁が落下口95aの開口下方に臨むよう構成されている。すなわち、前記整列流下部90の球落下部95を通過するパチンコ球の通過位置によって、球受け部213(普通入賞部55)へのパチンコ球の入賞確率が変化するよう構成されており、当該球落下部95を通過するパチンコ球に対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣を向上し得るようになっている。
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記パチンコ機10の前面側に設けられた前記操作ハンドル16を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けたレール部材22により画成された遊技領域21内に打ち出されて、遊技釘27等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域21内を流下する。すなわち、左打ちの遊技形態では、前記遊技領域21の第1の流下領域21aを流下させたパチンコ球が前記第1始動入賞部41に入賞することを契機として特図当り判定が行われて、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置17での図柄変動演出が開始される。また、右打ちの遊技形態では、前記遊技領域21の第2の流下領域21aを流下させたパチンコ球が前記第2始動入賞部42に入賞することを契機として特図当り判定が行われて、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、特図当り判定により特図当り遊技を付与することが決定された場合に、図柄変動演出の結果として、図柄表示装置17に所定の図柄組合せで演出図柄が表示された後に、特図当り遊技が生起される。特図当り遊技では、特図当り判定において決定された特図当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に基づいて第1特別入賞部51の作動部材80や第2特別入賞部52の開閉部材52bが作動されて、第1または第2特別入賞口51a,52aが開放されると共に図柄表示装置17において特図当り演出が行われる。すなわち、左打ちの遊技形態において特図当り遊技が生起される場合には、操作ハンドル16を遊技者が回転操作して第2の流下領域21bにパチンコ球を流下させる右打ちの遊技形態に切り替えることで、第1または第2特別入賞部51,52へパチンコ球を入賞させて多数の賞球を獲得することができる。
前記第2の流下領域21aは、前記第2始動入賞部42、第2特別入賞部52、ゲート部60が配置される拡大流路RBが第1〜第3球出口領域RB1〜RB3に区画されて、当該第2の流下領域21aの整列流路RAを通過したパチンコ球が流路振分部100において第1〜第3球出口領域RB1〜RB3へ振り分けられて拡大流路RBに流下するようになっている。ここで、前記流路振分部100は、第1および第2振分体130,140が第1振分姿勢A1,B1にある第1の振分状態においては、当該第1振分体130の第2誘導片130Bの上方に第2振分体140の第1誘導片140Aが重なるように位置するよう構成されて、第1振分体130により第2振分体140側に振り分けられたパチンコ球を第1出口通路151に誘導しつつ第2振分体140のみが第2振分姿勢B2に姿勢変位する(第2の振分状態)。また、第1振分体130が第1振分姿勢A1にあり、第2振分体140が第2振分姿勢B2にある第2の振分状態においては、第1および第2振分体130,140の間を通過するパチンコ球が第1振分体130の第2誘導片130Bおよび第2振分体140の第3誘導片140Cに接触するよう構成されて、第1振分体130により第2振分体140側に振り分けられたパチンコ球を第2出口通路152に誘導しつつ、第1振分体130が第2振分姿勢A2に姿勢変位すると共に、同時に第2振分体140が第1振分姿勢B1に姿勢変位する(第3の振分状態)。そして、第1振分体130が第2振分姿勢A2にあり、第2振分体140が第1振分姿勢B1にある第3の振分状態においては、第1振分体130により第3出口通路153側にパチンコ球を振り分けられるよう構成されて、当該第3出口通路153側に振り分けられたパチンコ球を第3出口通路153に誘導しつつ第1振分体130のみが第1振分姿勢A1に姿勢変位する(第1の振分状態)。このように、前記整列流路RAに連通する球入口101に入球して入口通路をパチンコ球が通過する毎に、第1および第2振分体130,140が第1の振分状態〜第3の振分状態に順次切り替わることで、第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球を第1〜第3出口通路151〜153(第1〜第3球出口領域RB1〜RB3)に順に均等に振り分けることができる。
また、パチンコ機10に作用する振動等により、前記第1振分体130が第2振分姿勢A2にあり、第2振分体140が第2振分姿勢B2にあるイレギュラー状態においては、第1振分体130により第3出口通路153側にパチンコ球を振り分けられたパチンコ球により第1振分体130のみが第1振分姿勢A1に姿勢変位し、前記第2の振分状態となる。すなわち、第1および第2振分体130,140の振分姿勢の組合せがイレギュラー状態となった場合でも、自然に第2の振分状態に復帰させることができ、第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球を第1〜第3出口通路151〜153(第1〜第3球出口領域RB1〜RB3)に順に均等に振り分け可能な状態を維持できる。
また、前記第1および第2振分体130,140の夫々に移動側磁石Z1を設けると共に、流路振分部100のベース部110(第1および第2収容凹部111,112)に、各振分体130,140に応じて固定側磁石Z2を設けたことで、第1および第2振分体130,140を第1振分姿勢A1,A2および第2振分姿勢A2,B2の夫々に安定して維持することができる。すなわち、振動等により第1および第2振分体130,140の姿勢が不用意に切り替わるのを防止できるから、第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球を第1〜第3出口通路151〜153(第1〜第3球出口領域RB1〜RB3)に順に均等に振り分けることができる。
ここで、前記第1特別入賞部51は、前記第2の流下領域21bにおいて前記第1および第2球出口領域RB1,RB2の出口位置に位置するよう配置されると共に、当該第1特別入賞部51の下方に第2特別入賞部52が配置されて、当該第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下したパチンコ球が第1特別入賞口51aや第2特別入賞口52aに入賞し得る一方で、第3球出口領域RB3を流下するパチンコ球は第1および第2特別入賞口51a,52aに入賞不能または入賞困難となるよう構成されている。すなわち、右打ちにより第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球の2/3が特別入賞部51,52の配設位置へ向けて振り分けられることで、特図当り遊技において特別入賞部51,52へのパチンコ球の入賞機会を充分に確保し得るようになっている。
また、前記第2の流下領域21bにおける第3球出口領域RB3の下流端位置には、当該第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球を球落下部95に集約する整列流下部90が設けられると共に、当該球落下部95の落下口95aの下方に前記普通入賞部55が設けられており、当該第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球が普通入賞部55に入賞し得るようになっている。すなわち、右打ちにより第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球の1/3が普通入賞部55の配設位置へ向けて振り分けられることで、特図当り遊技において特別入賞部51,52へのパチンコ球の入賞機会とは別に普通入賞部55へのパチンコ球の入賞機会を生起し得る。ここで、特図当り遊技は、前記第1特別入賞部51の作動部材80または第2特別入賞部52の開閉部材52bを開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば4回、16回等)だけ実行することで、特図当り遊技が終了するよう構成された遊技状態であり、また1回のラウンド遊技は、第1または第2特別入賞口51a,52aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了するよう構成されている。従って、特図当り遊技のラウンド遊技において第1および第2球出口領域RB1,RB2を流下したパチンコ球が第1または第2特別入賞口51a,52aに規定個数となるまで入賞する間に、第3球出口領域RB3を流下したパチンコ球を普通入賞部55に入賞させることができる。すなわち、前記流路振分部100によりパチンコ球を振り分けて、特図当り遊技において特別入賞部51,52へのパチンコ球の入賞機会とは別に普通入賞部55へのパチンコ球の入賞機会を付与することにより、1回の特図当り遊技において獲得可能な賞球数を高めることが可能となる。
また、前記第3球出口領域RB3に第2始動入賞部42を配置したことで、当該第2始動入賞部42に入賞することなく第3球出口領域RB3の下流端まで流下したパチンコ球を普通入賞部55に入賞させることができる。すなわち、特図当り遊技以外の状態で右打ちにより遊技が行われる際に、前記流路振分部100により第3球出口領域RB3に振り分けられたパチンコ球を第2始動入賞部42または普通入賞部55に入賞させ得るようにすることで、適度な頻度でパチンコ球の入賞を惹起することができ、遊技に興趣を高めることが可能となる。このように、実施例のパチンコ機10では、第2の流下領域21bを流下するパチンコ球を、第2始動入賞部42および一定の入賞率でパチンコ球が入賞可能な普通入賞部55が設けられた第3球出口領域RBに前記流路振分部100が振り分けるよう構成することで、釘調節によって第2始動入賞部42へのパチンコ球の入賞を意図的に抑制されたとしても、当該パチンコ球を普通入賞部55に入賞させることができ、出球率が著しく変わるのを防ぐことができる。すなわち、同じ機種のパチンコ機10であれば同等の出球率で遊技を行い得るようにすることができるから、公平性を確保して遊技者の遊技意欲を向上させ得る。更に、前記整列流下部90の落下口95aと、前記普通入賞部55との間に遊技釘27を配置せず、当該落下口95aから落下したパチンコ球が普通入賞部55に入賞し得るよう構成したことで、遊技店側での調節によって普通入賞部55にパチンコ球が入賞する入賞確率を意図的に変更することができず、出球率が変わるのを効果的に防止することが可能となる。
更に、前記第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球を、前記流路振分部100により各球出口領域RB1〜RB3に所定の順序で順番(均等)に振り分けると共に、当該第1または第2球出口領域RB1,RB2に振り分けられたパチンコ球が特別入賞部51,52の配置位置へ誘導され、第3球出口領域RB3に振り分けられたパチンコ球が第2始動入賞部42および普通入賞部55の配置位置へ誘導される。このため、釘調節によって第2始動入賞部42や特別入賞部51,52、普通入賞部55へのパチンコ球の入賞確率を変更することが困難となり、パチンコ機10毎の公平性を一層高めることに寄与することができる。このように、流路振分部100によってパチンコ球を各球出口領域RB1〜RB3に一定の割合で振り分けることができるので、出球率を安定させ得る。
また、実施例の流路振分部100には、前記整列流路RAに連通する球入口101に流入センサSE10を配設するよう構成されている。従って、流入センサSE10の検出信号に基づいて第2の流下領域21bに打ち出された所定時間毎のパチンコ球の数をメイン制御基板301のCPU301aが認識することができる。そして、前述のように、第2の流下領域21bに打ち出されたパチンコ球は、流路振分部100の各出口通路151〜153に略均等に振り分けられることから、流入センサSE10の検出信号と、前記第1〜第3球出口領域RB1〜RB3に配設された各入球部(第2始動入賞部42、特別入賞部51,52、ゲート部60、普通入賞部55)に対応する検出センサSE2,SE3,SE4,SE6の検出信号とに基づいて、不正行為や遊技領域21に球詰まり等の不具合が生じている可能性があることをメイン制御基板301のCPU301aで判断することができる。そして、不正行為や球詰まり等の不具合が生じている可能性がある場合に、メイン制御基板301のCPU301aが異常報知処理を実行して、パチンコ機10が備えるスピーカやランプ装置により報せるようにすることで、遊技店の従業者等の迅速な対応を促すことができる。このように、流路振分部100の球入口101に流入センサSE10を配設することで、不正行為や球詰まり等の不具合の発生を識別し得るようにできる。また、不正行為や球詰まり等の不具合が生じている可能性がある場合に、パチンコ機10が備える外部出力部を介して遊技店側の情報処理端末に異常を報知する信号を出力するようにしてもよい。
また、実施例の第1特別入賞部51は、前記作動部材80を作動状態から待機状態に変位させることで転動面83上のパチンコ球を第1特別入賞口51aに案内し得る状態から案内不能な状態に直ちに切り換わるから、転動面83上のパチンコ球が第1特別入賞口51aに取り込まれない状態に速やかに移行させ得る。すなわち、規定個数のパチンコ球が第1特別入賞口51aに入賞したことを契機として作動部材80が作動状態から待機状態に変位させるよう第1特別入賞ソレノイドSL2が駆動制御された場合に、転動面83上のパチンコ球を第1特別入賞口51aに入賞させないようにでき、規定個数を超える第1特別入賞口51aへのパチンコ球の入賞を防止できる。
また、遊技盤20において第1特別入賞部51の配設位置より下流となる位置に第2特別入賞部52が配設されており、当該第1特別入賞部51の通出部85を通過したパチンコ球が第2特別入賞部52の第2特別入賞口52aへ入賞し得るよう構成したから、第1特別入賞部51の第1特別入賞口51aに入賞しなかったパチンコ球が第2特別入賞口52aに入賞する新たな遊技性を創出し得る。すなわち、従来のパチンコ機のように、特図当り遊技に伴って開放される特別入賞部の入賞口に入賞しなかったパチンコ球がアウト口から排出される構成と異なり、別の特別入賞部(第2特別入賞部52)の入賞口(第2特別入賞口52a)へ入賞することへの期待感が得られることで、遊技の興趣を高めて従来のパチンコ機との差別化を図ることが可能となる。
また実施例において第1特別入賞部51と第2特別入賞部52との間には、前記通出部85を通過したパチンコ球が接触可能な位置に遊技釘27(上下の緩衝釘27a,27b)が設けられており、当該通出部85を通過したパチンコ球が開閉部材52bで受け止められる際の衝撃を緩和するよう構成してあるから、第2特別入賞部52が損傷するのを効果的に防止できる。また、第1特別入賞部51の通出部85を通過したパチンコ球が第2特別入賞部52(第2特別入賞口52a)に至る前に遊技釘27(上下の緩衝釘27a,27b)に接触するよう構成することで、待機状態への変位に伴って作動部材80の転動面83から落下したパチンコ球が第2特別入賞部52(第2特別入賞口52a)まで移動(流下)するのに要する時間を稼ぐことができるから、開閉部材52bが開放状態に変位する前にパチンコ球が第2特別入賞部52(第2特別入賞口52a)の前側を通過するのを防いで開閉部材52bで受け止めることが可能となる。
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、実施例に示したものに限らず種々の変更が可能であり、その一例を以下に示す。
(1) 実施例では、遊技盤にけられた第2の流下領域を第1〜第3球出口領域に区画して、当該第2の流下領域に打ち出された遊技球を振分手段としての流路振分部が第1〜第3球出口領域に振り分けるようにしたが、これに限られるものではなく、特定経路としての球出口領域(第3球出口領域)と、少なくとも1つの非特定経路としての球出口領域(第1球出口領域または第2球出口領域)に振り分けるようにしてもよい。
(2) 実施例では、非特定経路としての球出口領域(第1球出口領域または第2球出口領域)を2つ設けるよう構成したが、非特定経路としての球出口領域を3つ以上設けてもよい。
(3) 実施例では、流路振分部(振分手段)に2つの振分体を備えるようにしたが、3つ以上の振分体を備えてもよい。この場合に、例えば、実施例の第2振分体の左側に、当該第2振分体と同様の構成を有する第3振分体を設けると共に、第1出口通路の左側に第4出口通路を形成して、当該第3振分体により第1出口通路および第4出口通路に遊技球を振り分けるようにしてもよい。すなわち、第1振分姿勢にある第2振分体の第2誘導片の上方に、第1振分姿勢にある第3振分体の第1誘導片が重なるよう構成し、この状態で第2振分体により左側に振り分けられた遊技球を第4出口通路に誘導して第3振分体を第2振分姿勢に姿勢変位させると共に、当該第2振分体が第1振分姿勢にあると共に第3振分体が第2振分姿勢にある状態で、第2振分体により左側に振り分けられた遊技球を第1出口通路に誘導して第2振分体を第2振分姿勢に姿勢変位させ,かつ第3振分体を第1振分姿勢に姿勢変位させることで、4つの出口領域に遊技球を均等に振り分けることが可能となる。すなわち、実施例の第1振分体および第2振分体の関係で複数の振分体を設けることで、任意数の出口通路に対して遊技球を均等に振り分けることが可能となる。
(4) 実施例では、特定経路としての第3球出口領域に、遊技領域に対する始動入賞口の開口幅を可変する第2始動入賞部が整列流下部の上流に位置するよう配置したが、遊技球が一定の入賞率で始動入賞口に入賞可能な第1始動入賞部を整列流下部の上流に位置するよう第3球出口領域に配置してもよく、またゲート部や特別入賞部、普通入賞部を配置するようにしてもよい。更に、整列流下部の上流に位置するよう特定経路としての第3球出口領域に配設する入球部(入賞部)としては、1つに限られるものではなく、2つ以上の入球部(入賞部)を設けることができる。
(5) 実施例では、特定経路としての第3球出口領域において、整列流下部の落下口の下方に遊技球が一定の入賞率で入賞可能な普通入賞部を配置するようにしたが、これに限らず、遊技球が一定の入賞率で入賞可能な第1始動入賞部の始動入賞口を落下口の下方に配置するようにしてもよい。また、前記落下口の下方にゲート部を配置する構成も採用可能である。
(6) 実施例では、特定経路としての第3球出口領域を流下する遊技球を普通入賞部に案内する球案内部材としての整列流下部を、第1特別入賞部に設けるようにしたが、当該整列流下部を第1特別入賞部とは別途独立して設けるようにしてもよい。また、実施例では、整列流下部を樹脂成型により形成するようにしたが、遊技盤に設けられる遊技釘により形成することもできる。
(7) 実施例では、遊技盤にけられた第2の流下領域を区画して特定経路および非特定経路としての複数の球出口領域を形成するようにしたが、当該特定経路および非特定経路を第1の流下領域に設けるようにしてもよく、また遊技盤において第1および第2流下領域が合流する領域に特定経路および非特定経路を設けるようにしてもよい。
(8) 実施例では、上下の関係で2つの特別入賞部を設けたが、1つの特別入賞部を備える構成であってもよい。
(9) 実施例の第1特別入賞部は、入賞口(第1特別入賞口)に入賞する遊技球の流路に開口して当該第1特別入賞部の下方へ通過可能な通出部85の下流側に、当該通出部85を通過した遊技球が入球可能な第2の入賞部として入賞口(第2特別入賞口)を開閉部材で開閉する第2特別入賞部を設けるよう構成したが、当該第2の入賞部としてはこれに限られ得ものではない。すなわち、第2の入賞部としては、始動入賞部や普通入賞部であってもよく、またゲート部を採用することもできる。すなわち、前記第2の入賞部としては、通出部85を通過した遊技球が入球可能な入球口を有すると共に当該入球口に入球した遊技球を検出手段により検出するよう構成されたものであればよい。すなわち、検出手段の検出により賞球が払い出されるようにしたり、特図や普図の当り判定条件が成立するようにすることで、第1入球部の第1入球口に入球しなかった遊技球によって新たな遊技性を創出することが可能となる。
20 遊技盤
21 遊技領域
41 第1始動入賞部(始動入賞部)
42 第2始動入賞部(始動入賞部)
51 第1特別入賞部(特別入賞部)
51a 第1特別入賞口(特別入賞口)
52 第2特別入賞部(特別入賞部)
52a 第2特別入賞口(特別入賞口)
52b 開閉部材(開閉手段)
55 普通入賞部(入賞部)
80 作動部材(開閉手段)
100 流路振分部(振分手段)
90 整列流下部(球案内部)
101 球入口
130 第1振分体
140 第2振分体
301a メイン制御基板のCPU(当り判定手段)
RB1 第1球出口領域(第1非特定経路)
RB2 第2球出口領域(第2非特定経路)
RB3 第3球出口領域(特定経路)

Claims (3)

  1. 遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技盤に設けられて前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な始動入賞部と、前記始動入賞部への入賞に基づいて当り遊技を生起することを決定する当り判定手段と、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な特別入賞口を開閉手段で開閉する特別入賞とを備え、前記当り判定手段が当り遊技を生起することを決定した場合に、前記開閉手段が特別入賞口を開放して遊技球の入賞が許容される当り遊技が行われる遊技機において、
    前記遊技領域の一部を遊技球の相互の往来が不能となるよう区画して形成された特定経路および非特定経路と、
    前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球を前記特定経路および前記非特定経路に振り分ける振分手段を備え、
    前記特定経路に、開閉部材により入賞口を開閉可能に構成された前記始動入賞部としての可変始動入賞部が配置されると共に遊技球が一定の入賞率で入賞可能な普通入賞部が配置され、
    前記非特定経路に、遊技球が通過可能なゲート部が配置されて、当該非特定経路に振り分けられた遊技球が前記ゲート部を通過することを契機として前記可変始動入賞部の入賞口を開放するかの判定が行われるよう構成され、当該判定の結果に応じて前記可変始動入賞部の入賞口を開放することで、前記特定経路に振り分けられた遊技球が可変始動入賞部に入賞可能となるよう構成された
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技盤には、前記可変始動入賞部の下流側に、前記特定経路を流下する遊技球を前記普通入賞部に案内する球案内部が位置調節不能に設けられると共に、
    前記球案内部は、相互に近接するにつれて下方傾斜する第1傾斜部および第2傾斜部を備えると共に、当該第1傾斜部および第2傾斜部の傾斜下端部の間に、1個のパチンコ球が通過可能な幅で形成された球落下部を備え、前記特定経路に振り分けられた遊技球を当該球落下部から落下させるよう構成され、
    前記球案内部における球落下部の出口の下方で入賞口が開口するよう前記普通入賞部が配置されている請求項1記載の遊技機。
  3. 前記非特定経路は、第1非特定経路および第2非特定経路からなり、
    前記振分手段は、球入口から取り込まれた遊技球の接触によって第1振分姿勢および第2振分姿勢の2つの姿勢に変化して遊技球を異なる方向に誘導する第1振分体および第2振分体を備え、当該第1振分体が第1振分姿勢の場合に遊技球が第2振分体側に振り分けられるよう構成されると共に、
    前記第1振分体および第2振分体の夫々は、姿勢に応じて遊技球を異なる方向に誘導する第1誘導片と、前記第1振分姿勢の場合に当該第1誘導片により誘導された遊技球が接触可能な第2誘導片と、前記第2振分姿勢の場合に当該第1誘導片により誘導された遊技球が接触可能な第3誘導片とを備え、当該第2誘導片に遊技球が接触することで第1振分姿勢から第2振分姿勢に姿勢変位し、当該第3誘導片に遊技球が接触することで第2振分姿勢から第1振分姿勢に姿勢変位するよう構成され、
    前記第1振分体および第2振分体の夫々が第1振分姿勢となった状態では、当該第1振分体の第2誘導片の上方に当該第2振分体の第1誘導片が重なるように位置して、遊技球が第1振分体の第2誘導片に接触することなく第2振分体の第2誘導片に接触するよう構成されて、当該第2振分体のみが第2振分姿勢に姿勢変位すると共に、
    前記第1振分体が第1振分姿勢となると共に第2振分体が第2振分姿勢となった状態では、遊技球が第1振分体の第2誘導片および第2振分体の第3誘導片の夫々に接触するよう構成されて、第1振分体が第2振分姿勢に姿勢変位すると共に第2振分体が第1振分姿勢に姿勢変位し、
    記第1および第2振分体が姿勢変化した組合せによって、前記球入口から取り込まれた遊技球を前記第1非特定経路に振り分ける第1の振分状態と、前記第2非特定経路に振り分ける第2の振分状態と、前記特定経路に振り分ける第3の振分状態とに順に切り替わるよう構成された請求項1または2記載の遊技機。
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