次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、全体として縦長の矩形状に構成されており、遊技者がパチンコ機10の前面に向かう姿勢でパチンコ遊技を行うことができるよう、パチンコ球の発射操作を行うための操作ハンドル17が前面右下部に設けられている。このパチンコ機10には、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤13(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤13の後側に、図柄を変動表示可能な表示手段としての図柄表示装置18(図3参照)が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤13を透視可能に保護する透明板(透明部材)14aを窓部に備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿16が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿15が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。また実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
前記前枠14には、図1に示す如く、下球受け皿16の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する前記操作ハンドル17が設けられる。この操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿15に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤13に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤13に形成された第1経路30a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤13に形成された第2経路30b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。また、前枠14の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ163が配設されており、該スピーカ163から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出に合わせて音声演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤13について)
前記遊技盤13は、図2および図3に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域13aが画成されたベニヤ板からなる平板状の板部材であって、該遊技盤13の裏側に、光透過性の合成樹脂材により前方へ開口した箱状に形成されて、前記図柄表示装置18や後述する可動演出装置E等が配設される設置部材(設置部)19が配設されている。遊技盤13および設置部材19は、正面視における外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、遊技盤13の後面に設置部材19を取着した状態で、設置部材19が遊技盤13の後面を全面的に覆うよう構成されている。なお、遊技盤13をアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材により光透過性を有するよう形成してもよい。この場合には、設置部材19を不透明な合成樹脂材により形成することで、裏側の構成をパチンコ機10前方から視認し難くしておくことが好ましい。
図2および図3に示すように、前記遊技盤13の前面には、左側部の上下隅部に第1および第2盤面保護部材20a,20bが夫々配設されると共に、右側部において上下隅部に亘るように第3盤面保護部材20cが配設されている。これら第1〜第3盤面保護部材20a,20b,20cの夫々は、遊技盤13の中心側を向く内縁が円弧状に形成されており、該第1〜第3盤面保護部材20a,20b,20cの内縁に沿って配設された略円形状に湾曲形成された案内レール(レール部材)21および第3盤面保護部材(レール部材)20cにより、パチンコ球が流下可能な遊技領域13aが画成されている。案内レール21は、第1盤面保護部材20aの下端部から第2盤面保護部材20bおよび第3盤面保護部材20cの上端部の内縁に沿って配設されて、遊技盤13の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール21aと、第3盤面保護部材20cの下端部から左側の外レール21aの内側に配置されて、遊技盤13の右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール21bとから構成される。また、内レール21bは、外レール21aとの間に1個のパチンコ球が通過可能な発射通路22を画成するよう配設されると共に、該内レール21は、図2に示す如く、前記遊技盤13の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路22の下方開口から飛翔して、内レール21bの開放端側から遊技領域13a内に打ち出されるようになっている。実施例では、案内レール21および第3盤面保護部材20cが、パチンコ球が流下可能な遊技領域13aを画成するレール部として機能する。
前記遊技盤13には、前後に貫通する装着口23a,23b,23c,23dが前記遊技領域13a内に複数開設されて(図4参照)、各装着口23a,23b,23c,23dに対して各種の遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域13aの最下部位置には、該遊技領域13aに打ち出されたパチンコ球を排出する第1アウト口24が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤13に対して取り付けられる各種の遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
図2および図3に示すように、前記遊技盤13には、前記遊技領域13a内に多数の遊技釘25が設けられると共に、後述する枠状装飾体29の左側方に、遊技領域13aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材26が回転自在に支持されており、遊技釘25や回転案内部材26との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材26は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材26の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。また、前記遊技盤13には、後述する始動入賞装置52の第1始動入賞口53aと前記回転案内部材26との間に、該第1始動入賞口53aへ向けて下方傾斜する直線状に連続して前記遊技釘25が設けられると共に、該第1始動入賞口53aへ向けて直線状に下方傾斜する遊技釘群の下方位置には、始動入賞装置52の第2始動入賞口53b(後述)へ向けて下方傾斜する直線状に連続して遊技釘25が設けられている。なお、以下の説明では、第1始動入賞口53aへ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を上側案内連釘27と指称し、第2始動入賞口53bへ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を下側案内連釘28と指称するものとする。
すなわち、前記上側案内連釘27は、前記遊技領域13aを流下するパチンコ球を第1始動入賞口53aへ案内する案内部として機能し、前記下側案内連釘28は、遊技領域13aを流下するパチンコ球を第2始動入賞口53bへ案内する案内部として機能している。なお、前記上側案内連釘27および下側案内連釘28を構成する遊技釘25は、適宜位置でパチンコ球が通過可能な隙間27a,28aが空くよう設けられており、該上下の案内連釘27,28上を移動するパチンコ球が後述する第1普通入賞口73や第1アウト口24側へ流下し得るようになっている。
(枠状装飾体29について)
前記遊技盤13には、前記案内レール21および第3盤面保護部材20cで囲まれた前記遊技領域13aの略中央の大部分が開口する第1装着口23aに、前後に開口する窓口(開口部)29aが形成された枠状装飾体(装飾体)29が取り付けられて、該枠状装飾体29の窓口29aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤13の前面側に臨むよう構成される。枠状装飾体29は、前記第1装着口23aに沿って延在する環状に形成された薄板状の台板29bと、該台板29bの開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部29cと、該台板29bの開口内周に沿って設けられて、遊技盤13の前面より前方へ突出する庇部29dとを備える(図12参照)。そして、枠状装飾体29は、第1装着口23a内に内周壁部29cを挿入した状態で、遊技盤13に台板29bが前側からネジ止めされて、該枠状装飾体29の外側、具体的には庇部29dと案内レール21および第3盤面保護部材20cの間にパチンコ球が流下する流下経路30a,30bが画成されるようになっている。なお、枠状装飾体29を遊技盤13に取り付けた状態で、庇部29dの後端縁から外方に延出する台板29bが遊技盤13の前面に沿って延在して、該台板29bの前側をパチンコ球が通り得るようになっている。枠状装飾体29は、前記台板29b、内周壁部29cおよび庇部29dの夫々が一体に樹脂形成される構成であっても、別部材として形成される構成であってもよい。
前記枠状装飾体29の庇部29dは、枠状装飾体29(台板29b)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置18における表示部18aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇部29dは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域13aに打ち出されたパチンコ球が庇部29d上で滞ることなく枠状装飾体29の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体29の外側に画成される流下経路30a,30bは、図2に示す如く、該枠状装飾体29の左側方をパチンコ球が流下する第1経路30a、および枠状装飾体29の右側方をパチンコ球が流下する第2経路30bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域13a内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて枠状装飾体29および内レール21bの間に形成される第1経路30aか、或いは枠状装飾体29および第3盤面保護部材20cの間に形成される第2経路30bの何れかを流下するよう構成される。実施例では、第1経路30aを流下するパチンコ球は、後述する始動入賞装置52の第1および第2始動入賞口53a,53bの何れにも入賞する可能性があるように、前記遊技釘25の配置や枠状装飾体29の形状等が設定される。これに対し、第2経路30bを流下するパチンコ球は、始動入賞装置52の第2始動入賞口53bにのみ入賞する可能性があるように、遊技釘25の配置や枠状装飾体29の形状等が設定されて、第2経路30bを流下するパチンコ球が第1始動入賞口53aには入賞しないように設定してある。なお、第2経路30bを流下するパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞しないようにするのではなく、第1経路30aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞する可能性より低く設定するようにしてもよい。
前記枠状装飾体29には、図2に示す如く、窓口29aの下側(枠状装飾体29の内周下縁部)に、ステージ31が配設されると共に、窓口29aの左側に、前記第1経路30a(遊技領域13a)に開口して該第1経路30aを流下するパチンコ球を枠状装飾体29の内側(ステージ31)に取り込む球導入部32が設けられ、該球導入部32がステージ31に連通するよう構成される。そして、球導入部32からステージ31に通出されたパチンコ球は、ステージ31上を左右に転動した後に、後述する各入賞口53a,53bが設けられている遊技領域13aに排出される。
(球導入部32について)
前記枠状装飾体29の庇部29dにおける左下端の下側に、第1経路30a(遊技領域13a)に開口する球入口32aが形成された球導入部32が前記台板29bの前面に配設されており、該球導入部32内には球入口32aに連通して窓口29a側に延在する通路32bが画成される。球導入部32の右端部には、図5に示す如く、右方(ステージ31)に向けて球出口32cが開口し、該球出口32cが前記ステージ31(後述する第1球転動部33a)の左端部に臨むよう構成される。すなわち、第1経路30aから球導入部32の球入口32aに通入したパチンコ球は、内部画成された通路32bを通り、該球導入部32の球出口32bからステージ31に通出するよう構成されている。なお、球導入部32は、通路32b内を視認可能な透明な合成樹脂材で形成され、該通路32bを通るパチンコ球を前側から視認可能に構成している。すなわち、遊技者にとって関心の高いステージ31に通入するパチンコ球の状況を、前側から視認可能にしてある。
前記球導入部32の通路32baは、遊技盤13の前面に沿って左右方向に延在するよう構成されて、前後方向には折曲しないよう構成されており、該通路32aを通るパチンコ球は、遊技盤13の前面と平行な面内を左側から右側に移動して球出口32cからステージ31に通出されるようになっている。また、球導入部32は、図8に示す如く、遊技盤13の前面(盤面)から前方に突出すると共に、該球導入部32の前端部から前記前枠14に設けた透明板14aまでの離間寸法は、パチンコ球の直径よりも小さくなるよう構成されており、該球導入部32の前側を通ってパチンコ球が窓口29a内に入り込まないように構成してある。
(ステージ31について)
前記ステージ31は、図5〜図11の示す如く、パチンコ球が左右方向に移動可能な第1球転動部(ステージ部)33aを設けた第1ステージ部材33と、該第1ステージ部材33の後側に並設されてパチンコ球が左右方向に移動可能な第2球転動部(ステージ部)34aを設けた第2ステージ部材34とを備え、前側に位置する第1ステージ部材33の左端部に前記球導入部32の球出口32cが接続しており、該球出口32cから通出するパチンコ球が第1ステージ部材33の第1球転動部33a上を移動するよう構成される。またステージ31は、第2ステージ部材34の下側に配設されて、パチンコ球が転動可能な第3球転動部(別のステージ部)35aを設けた第3ステージ部材35と、第2ステージ部材34の後側に配設された通路画成部材36とを備える。すなわち、実施例のステージ31は、パチンコ球が左右方向に移動可能な球転動部33a,34a,35aが、前後および上下で重なるように設けられている。また、各ステージ部材33,34,35および通路画成部材36は、透明な合成樹脂材で形成され、各球転動部33a,34a,35a上を転動するパチンコ球や後述する球通路40,41内を流下するパチンコ球の動きを前側から視認し得るよう構成される。
(第1ステージ部材33について)
前記第1ステージ部材33は、図10,図11に示す如く、略一様な厚みで左右方向に延在し、パチンコ球が転動可能な第1球転動部33aと、該第1球転動部33aの後端から下方に延在する取付壁33bとを備え、該第1ステージ部材33は、取付壁33bを介して前記枠状装飾体29の台板29bの前面にネジ止め固定されることで、該第1ステージ部材33(第1球転動部33a)は遊技盤13の前面(盤面)より前方に突出するよう構成される(図8参照)。また第1ステージ部材33は、第1球転動部33aの前端から上方に突出する規制壁33cが、該第1球転動部33aの左右方向の全長に亘って延在するように設けられ、該規制壁33cによって第1球転動部33aを移動するパチンコ球が第1ステージ部材33から前側(遊技領域13a)に落下するのを防止するようになっている。この規制壁33aの前端から前記前枠14の透明板14aまでの離間寸法は、パチンコ球の直径よりも小さくなるよう構成されており、前記球導入部32の球入口32aより下方でステージ31より左方の遊技領域13a(第1経路30a)を流下するパチンコ球が前記遊技釘25等との接触により弾かれた際に、該パチンコ球が第1球転動部33a(枠状装飾体29の窓口内部)に入り込むのを該規制壁33cで規制するよう構成される。すなわち、第1ステージ部材33が、遊技領域13aからのパチンコ球の飛び込みを規制する乗上防止部として機能している。
更に、前記第1ステージ部材33は、図5および図6に示す如く、第1球転動部33aの後端から上方に突出する仕切壁33dが左右方向に延在するように設けられ、該仕切壁33dによって第1球転動部33aを移動するパチンコ球が後方へ移動するのを規制するようになっている。また、仕切壁33dには、第1球転動部33aを移動するパチンコ球の後方への移動を許容する球通過部33eが左右方向に所定長さで形成されており、該球通過部33eを介してパチンコ球が第2ステージ部材34の第2球転動部34aへ移動可能に構成されている。なお、球通過部33eは、実施例では後述する始動入賞装置52の略真上に位置するよう設定される。
前記第1ステージ部材33の第1球転動部33aは、図5に示す如く、前記球導入部32における球出口32cに接続する左側部分が、右側に向かうにつれて略直線的に傾斜するよう形成されると共に、該左側部分の右端部に連なる中間部分が、下方に突出した凹状に形成され、更に中間部分の右端部に連なる右側部分が大きな曲率で凹状に湾曲するように形成されている。すなわち、球出口32cから第1球転動部33aに通出されたパチンコ球は、左側部分で勢いが弱められることなく傾斜に沿って中間部分まで移動し、該中間部分を通過したパチンコ球が右側部分において上方に大きく移動することで勢いが弱められた後に、該右側部分から中間部分に戻るようになっている。実施例では、第1球転動部33aの上面であってパチンコ球が転動可能な球転動面について、左側部分(球出口32cに接続する側)を傾斜転動面33f、中間部分を中間転動面33g、右側部分(球出口32cから離間する側)を減勢転動面33hと指称する場合もある。なお、第1ステージ部材33には、第1球転動部33aの右側の開放端を塞ぐ閉塞部材(図示せず)が配設されており、減勢転動面33hを勢いよく右方に移動するパチンコ球が第1球転動部33aから飛び出すのを閉塞部材で防ぐようにしてある。実施例では、前記球出口32cに接続する第1球転動部33aの左右方向の延在長さは、前記第2球転動部34aおよび第3球転動部35aの左右方向の延在長さより長く設定されている。
前記仕切壁33dの球通過部33eは、第1球転動部33aの中間転動面33gにおける左右方向の中央部で最も低い位置に対応して設けられている。また、中間転動面33gにおける球通過部33eに対応する位置に、後方に向けて下方傾斜する球案内面33iが設けられており、中間転動面33gを左右方向に移動して勢いがなくなったパチンコ球は、該球案内面33iに沿って後方に移動して球通過部33eを介して第2ステージ部材34(第2球転動部34a)に通入するよう構成される。球案内面33iにおける左右方向の中央部には、上方に向けて僅かに突出する凸部33jが左右方向に離間して設けられており(図7参照)、該凸部33jにパチンコ球が当ることで移動方向が変わり得るようになっている。なお、凸部33jは、中間転動面33gの前後幅の中間から後端までの間で前後方向に延在すると共に、球案内面33iからの突出寸法が前側から後側に向かうにつれて大きくなるよう設定されている。
(第2ステージ部材34について)
前記第2ステージ部材34は、図10,図11に示す如く、略一様な厚みで左右方向に延在し、パチンコ球が転動可能な第2球転動部34aと、該第2球転動部34aの後端から下方に延在する取付壁34bとを備え、該第2ステージ部材34は、取付壁34bを介して第1ステージ部材33における取付壁33bの後面に第2球転動部34aの前端を当接した状態で前記台板29bの後面にネジ止め固定される。また第2ステージ部材34は、第2球転動部34aの後端(端縁)から上方に突出する案内壁34cが、該第2球転動部34aの左右方向の所定長さに亘って延在するように設けられ、該案内壁34cによって第2球転動部34aを移動するパチンコ球の後方移動を規制するようになっている。なお、第1球転動部33aに対して第2球転動部34aは、当該第2球転動部34aの上面であってパチンコ球が移動する球転動面が、図8に示す如く、第1球転動部33aの球転動面より下がった位置に臨むように設定されて、前記球通過部33eから第2球転動部34aに移動したパチンコ球が前側に移動するのを第1ステージ部材33の仕切壁33dによって規制するよう構成される。すなわち、第1ステージ部材33の後端縁に設けた仕切壁33dは、第1球転動部33aと第2球転動部34aとを前後に仕切る壁として機能するようになっている。
(接触部38について)
前記第2球転動部34aの球転動面には、図5,図7に示す如く、前記仕切壁33dの球通過部33eにおける左右方向の中央から左方(第1球転動部33aにおける球出口32bが連通する側)に偏倚した位置に、上方に膨出する接触部38が設けられている。この接触部38は、前記案内壁34cに連接した半球状に膨出するように形成された部分であって、平面視において半円の最前端が、球通過部33eにおける左端より僅かに右側に位置するよう設定される。すなわち、接触部38は、前記球通過部33eに対して左右方向の半分以上が前後の関係で重なるように位置し、該球通過部33eの左部側から第2球転動部34aに移動するパチンコ球は該接触部38に接触して移動方向が変更されるようになっている。
前記接触部38と球通過部33eとの位置関係を更に詳細に述べれば、接触部38の右端は、図7に示す如く、球通過部33eの左右方向の中央より右側で、前記第1球転動部33aの球案内面33iに設けられた右側の凸部33jの形成位置の近傍に位置している。すなわち、接触部38は、その一部が球通過部33eに前後の関係で重なるように設けられている。そして、このような位置関係によって、(1)球案内面33iの凸部33j,33jの間、および左側の凸部33jと球通過部33eの左端との間から第2球転動部34aに移動するパチンコ球は、接触部38に接触する可能性が高くなるよう設定される。これに対し、(2)右側の凸部33jと球通過部33eの右端との間から第2球転動部34aに移動するパチンコ球は、接触部38に接触する可能性が低くなるよう設定される。但し、前記(1)および(2)の状況となるのは、第1球転動部33aを左右方向に移動して勢いが極めて弱くなったパチンコ球が球案内面33i(球通過部33e)を前側から後側に略真っ直ぐに移動した場合であって、第1球転動部33aを左右方向に移動している勢いのある状態のパチンコ球が球案内面33i(球通過部33e)を介して第2球転動部34aに移動する際には、該球案内面33i(球通過部33e)を斜めに横切って第2球転動部34aに移動するので、該パチンコ球の接触部38に対する接触確率は前記(1)および(2)とは異なることになる。すなわち、球通過部33eに対して左斜め前側から右斜め後側に向けて斜めに横切って通過したパチンコ球は、前記接触部38には殆ど接触することなく、そのまま接触部38より右側の第2球転動面34a上を右側に向けて移動する。これに対し、球通過部33eに対して右斜め前側から左斜め後側に向けて斜めに横切って通過したパチンコ球は、前記接触部38に略接触するようになり、該接触部38との接触によってパチンコ球の移動方向が変更される可能性が高くなる。このように、球通過部33eを通過する際のパチンコ球の勢いや通過位置によって、パチンコ球の移動方向が接触部38の接触によって変更されたり変更されない状況が発生し、ステージ31上でのパチンコ球の動きに変化を与え得るようになっている。
前記接触部38は、図7および図8に示す如く、前記第2球転動部34aにおける球転動面の前後幅の全長に亘って設けられておらず、接触部38と第1球転動部33aとの間の球転動面には上方に突出しない部分が存在するよう構成される。また、前記第1ステージ部材33の後面に、前記第2球転動部34aの上方で、かつ接触部38における平面視において半円の最前端と対応する位置に、後方に突出する変更突起39が設けられており、第2球転動部34aにおける接触部38と第1球転動部33aとの間を左右方向に移動するパチンコ球が該変更突起39に接触して後方に移動されることで、該パチンコ球を接触部38に接触させ得るよう構成される。
前記第2ステージ部材34の第2球転動部34aには、図9,図10に示す如く、球転動面を凹設して上方および後方に開放する凹部34dが左端部に設けられると共に、該凹部34dの後端開口が前記通路画成部材36によって画成される後述する第1球通路40に連通するよう構成されており、該凹部34dの後端開口を介して第2球転動部34a上のパチンコ球が第1球通路40に通入可能になっている。すなわち、実施例では、第1球通路40にパチンコ球を通入する凹部34dの後端開口が、第2球転動部34aに設けられた第1球通過口34eとなり、該第1球通過口34eは、前記球通過部33eに対して接触部38が偏倚する側に設けられる。また、第2ステージ部材34の第2球転動部34aには、図9に示す如く、下方に開放する第2球通過口34fが右端部に形成されており、該第2球通過口34fを介して後述する第2球通路41に第2球転動部34a上のパチンコ球が通入可能に構成されている。
前記第2球転動部34aの球転動面は、図9に示す如く、前記接触部38を挟む左右両側が、対応する球通過口34e,34fの形成側に向けて夫々下方傾斜するよう構成される。具体的には、接触部38より左側で前記凹部34dの形成位置までの球転動面は、右側から左側に向かうにつれて下方に緩やかに下降するように湾曲している。また、接触部38より右側で前記第2球通過口34fの形成位置までの球転動面は、左側から右側に向かうにつれて下方に緩やかに下降するように湾曲している。実施例では、接触部38より左側の球転動面の勾配より、右側の球転動面の勾配の方が大きく設定されて、第2球転動部34a上のパチンコ球は、第2球通過口34f側に向けて速やかに移動し易くなっている。
前記第2ステージ部材34の案内壁34cには、図7に示す如く、前記第2球通過口34fより左側、すなわち第2球転動部34aにおける接触部38より右側の球転動面の傾斜下端部側に、該球転動面を移動するパチンコ球が接触可能なリブ34gが、左右方向に離間して複数突設されている。このリブ34gは、前記接触部38より右側の球転動面を移動するパチンコ球の勢いを弱めて、第2球通過口34fにパチンコ球がスムーズに通入するように機能する。
(第3ステージ部材35について)
前記第3ステージ部材35は、図10および図11に示す如く、略一様な厚みで左右方向に延在し、前記第2ステージ部材34の下方に離間して重なって位置すると共にパチンコ球が転動可能な第3球転動部35aと、第3球転動部35aの前端から下方に延在する取付壁35bとを備え、該第3ステージ部材35は、取付壁35bを介して第2ステージ部材34における取付壁34bの前面に第3球転動部35aの後端を当接した状態で該取付壁34bの前面にネジ止め固定される。そして、第3球転動部35aの上面である球転動面を左右方向に移動するパチンコ球の後方への移動を第2ステージ部材34の取付壁34bによって規制するようにしてある。前記第3ステージ部材35の右端部には、図9に示す如く、第3球転動部35aに連続して上方に向けて湾曲する側壁部35cが設けられており、該側壁部35cが第2ステージ部材34における第2球通過口34fを画成する右壁に接続するよう構成される。また、第2ステージ部材34には、第2球通過口34fの左端縁を画成する壁部が所定長さで下方に延在し、該壁部と側壁部35c、前記第1ステージ部材33の取付壁33bおよび第2ステージ部材34の取付壁34bによって、第2球通過口34fに連通して下方に開放する第2球通路41が画成される。そして、第2球通過口34fに通入したパチンコ球は、第2球通路41を介して第3球転動部35aに移動可能に構成されている。
前記第3球転動部35aの球転動面は、全体として下方に突出した凹形状に形成されると共に、左右方向の中央部分に、上方に僅かに膨出する膨出部35dが形成されている。また膨出部35dには、左右方向の中央を挟んで左右方向に離間する位置に、前後方向に延在する一対の凸部35e,35eが突設されると共に、両凸部35e,35eの間には第3球転動部35aの前端に向けて下方傾斜する第1球排出部(排出部)35fが形成されている。なお、凸部35eは、第3球転動部35aに到来したパチンコ球が左右方向に乗り越え可能な突出寸法に設定されており、該凸部35aを越えて第1球排出部35fにパチンコ球が入り得るようになっている。
前記枠状装飾体29の台板29bの裏面に第3ステージ部材35を配設した状態で、該第3ステージ部材35の前面には左右方向に所定長さの開口部が前方に向けて開口するよう構成されている。また、台板29bの下端部前面に、前面装飾部材42が配設されており、該前面装飾部材42の上端部が、第3ステージ部材35の第3球転動部35aより上方に延出して、第3球転動部35aからのパチンコ球の前方移動を規制し得るよう構成される。但し、前面装飾部材42には、第3球転動部35aの前記膨出部35dにおける左右方向の中央部に設けられた前記第1球排出部35fに対応する位置に、第3球転動部35aより低い第1切欠部42aが形成されると共に、該膨出部35dを挟む左右両側の位置に、同じく第3球転動部35aより低い第2切欠部42bが設けられている。すなわち、第3ステージ部材35の第3球転動部35aに到来したパチンコ球は、前面装飾部材42の第1切欠部42aおよび第2切欠部42b,42bを介して前記遊技領域13aに排出可能に構成されている。実施例では、第1切欠部42aおよび第2切欠部42b,42bが、第3球転動部35aのパチンコ球を遊技領域13aに排出する排出部として機能している。なお、第3球転動部35aにおいて第1球排出部35fの左右両側で第2切欠部42bに対応する部位が、第2球排出部(排出部)35gとして機能するよう構成される。
前記前面装飾部材42の第1切欠部42aおよび第3球転動部35aの第1球排出部35fは、後述する始動入賞装置52における第1始動入賞口53aの鉛直上方位置に位置しており、第1球排出部35fで案内されて第1切欠部42aから遊技領域13aに排出されたパチンコ球は、始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞し易くなっている。これに対し、前面装飾部材42の第2切欠部42bおよび第3球転動部35aの第2球排出部35gは、始動入賞装置52における第1始動入賞口53aの鉛直上方位置から左方または右方に偏倚しており、第2球排出部35gで案内されて第2切欠部42bから遊技領域13aに排出されたパチンコ球は、遊技領域13aにおいて第1始動入賞口53aとは異なる位置に向けて流下するよう構成される。すなわち、第3球転動部35aは、始動入賞装置52における第1始動入賞口53aに入賞し易い第1球排出部35fと、該第1球排出部35fに比べて始動入賞装置52における第1始動入賞口53aに入賞し難い第2球排出部35gとが設けられている。なお、実施例では、前記台板29bの前面に配設した前面装飾部材42によって第3球転動部35aのパチンコ球を遊技領域13aへ排出可能な部位(切欠部42a,42b)と排出を規制する部位(球転動面から上方に延出する部分)とを設けたが、第3球転動部35aの前端縁に球転動面から立上がる壁を設けると共に、該壁にパチンコ球を遊技領域13aに排出可能な切欠部を形成することで、当該第3球転動部35aに到来したパチンコ球を遊技領域13aへ排出可能な部位(第1球排出部35f,第2球排出部35g)と排出を規制する部位とを設ける構成を採用し得る。
(通路画成部材36について)
前記第2ステージ部材34の後側に配設される前記通路画成部材36は、図10に示す如く、前方に開口する樋状の通路画成部36aと、該通路画成部36aの前端から外方に延在する取付壁36bとを備え、該通路画成部材36は、取付壁36bを介して第2ステージ部材34における取付壁34bの後面に通路画成部36aの前端を当接した状態で該取付壁34bの後面にネジ止め固定される。そして、通路画成部36aに内部画成された第1球通路(球排出経路)40の一端部は、前記第2ステージ部材35の第1球通過口34eに連通しており、第2ステージ部材34の第2球転動部34aのパチンコ球は、第1球通過口34eを介して第1球通路40に通入可能に構成されている。また、前記枠状装飾体29の台板29bにおける第3ステージ部材35の下側に臨む位置に、前後方向に貫通する通口29eが形成されると共に、該通口29eと対応する台板29bの裏面には後方に向けて所定長さで延在する樋部29fが設けられ、該樋部29fの後端部に前記第1球通路40の他端が連通するよう構成される(図8参照)。更に、前記前面装飾部材42には、台板29bの通口29eと対応する位置に、前後方向に貫通する通口42cが形成されている。すなわち、前記第2球転動部34aから第1球通路40に通入したパチンコ球は、樋部29f、通口29e、通口42cを介して遊技領域13aに排出されるようになっている。
前記通路画成部36aにおいて第1球通路40を画成する後壁(区画壁)36cに、図6,図11に示す如く、前後方向に貫通する長孔36dが第1球通路40に沿って形成されている。この長孔36dは、パチンコ球が通過不能な幅寸法に設定されると共に、第1球通路40の底面に沿って移動するパチンコ球の一部が該長孔36dに入り込み得る位置に設けられている。すなわち、第1球通路40を移動するパチンコ球の一部が長孔36dに入り込むことで、該パチンコ球を長孔36dによって案内し得るようになっている。また、前記前面装飾部材42の通口42cは、後述する始動入賞装置52における第1始動入賞口53aの鉛直上方(直上)位置に位置しており、前記第2球転動部34aから第1球通路40に通入したパチンコ球は、始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞し易くなっている。実施例では、前記枠状装飾体29の台板29bに形成された樋部29fと通口29eおよび前面装飾部材42の通口42cが、ステージ31に受け入れられたパチンコ球を遊技領域13aに排出する第1球通路40の一部を構成している。
ここで、前記第2球転動部34aから第1球通路40に通入したパチンコ球が遊技領域13aに排出される通口42cは、前記第3球転動部35aのパチンコ球を遊技領域13aに排出する前記第1切欠部42aよりも下方、すなわち始動入賞装置52の第1始動入賞口53aの近くに位置している。この構成により、通口42cから排出されたパチンコ球が遊技領域13aを始動入賞装置52まで流下する間に前面装飾部材42等の部品との接触によって流下方向が変化するような影響を受ける度合は、第1切欠部42aから排出されたパチンコ球が遊技領域13aを始動入賞装置52まで流下する間に前面装飾部材42等の部品との接触によって流下方向が変化するような影響を受ける度合よりも小さく、通口42cから排出されたパチンコ球の方が、第1切欠部42aから排出されたパチンコ球よりも第1始動入賞口53aに入賞し易いといえる。また、第3球転動部35aのパチンコ球は、第1切欠部42aの左右両側に位置する第2切欠部42b,42bから遊技領域13aにおいて第1始動入賞口53aとは異なる位置に向けて排出可能に構成されている。すなわち、実施例では、第3球転動部35aのパチンコ球は、始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞し易い第1切欠部42aから遊技領域13aに排出可能であるとしても、該第1始動入賞口53aに入賞し難い第2切欠部42b,42bからも遊技領域13aに排出可能である構成であるので、これら3つの切欠部42a,42b,42bからなる排出部から遊技領域13aに排出されるパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞するトータルの確率は、第2球転動部34aから第1球通路40に通入して通口42cから遊技領域13aに排出されるパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞する確率より低くなっている。言い替えれば、第1球通路40から遊技領域13aに排出されるパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞する確率が、第3球転動部35aの排出部42a,42b,42bから遊技領域13aに排出されるパチンコ球が第1始動入賞口53aに入賞する確率より高く設定されている。
(第1緩衝部材43について)
前記遊技盤13の遊技領域13aにおいて、前記パチンコ球の打ち出し側である左上部と反対側の右上部、すなわち前記外レール21aと前記第3盤面保護部材20cとの境界部分には、図2に示すように、該遊技領域13aに打ち込まれたパチンコ球が衝突可能な第1緩衝部材43が、ネジ等により固定されている。この第1緩衝部材43は、例えばゴムやウレタン等の弾力性を有する素材から形成されており、前記打球発射装置により強く打ち出されて遊技領域13aの右上部まで到達したパチンコ球が衝突することで、該パチンコ球の勢いを好適に低減するようになっていると共に、該パチンコ球の衝突による異音の発生等も抑えるようになっている。
(第2緩衝部材44について)
実施例のパチンコ機10では、図2に示すように、前記第1緩衝部材43の下方において、前記枠状装飾体29における右側方の庇部29dと対向する第3盤面保護部材20cの内面側に離間して前記第2経路(流下経路)30bに臨むように配設された第2緩衝部材(緩衝部材)44を備えている。実施例では、第2緩衝部材44は、枠状装飾体29の前記台板29bに着脱自在に配設されて該枠状装飾体29と一体で取り扱い得るようになっているが、該第3盤面保護部材20cや遊技盤13に対して着脱自在に配設したり、あるいは枠状装飾体29または第3盤面保護部材20cに一体形成する構成を採用し得る。
前記第2緩衝部材44は、図12,図13に示す如く、平板状の基板部44aを備え、該基板部44aが枠状装飾体29における台板29bの前面にネジ止め固定されるようになっている。なお、台板29bには、基板部44aと対応する形状の凹部29gが、該基板部44aの厚み寸法と略同じ深さで凹設されており、該凹部29gに基板部44aを嵌め込むことで、台板29bの前面と基板部44aの前面とが略同一面に位置するよう構成される。また第2緩衝部材44には、枠状装飾体29の庇部29dから離間する側端部に、第2経路(流下経路)30bに臨む複数の緩衝部45,46が設けられている。なお、実施例では2つの緩衝部45,46が第2経路30bにおけるパチンコ球の流下方向に間隔をおいて位置しており、上下の緩衝部45,46を区別する場合は、上方の緩衝部を第1緩衝部45と指称し、下方の緩衝部を第2緩衝部46と指称する場合がある。
(緩衝部45,46について)
前記第1緩衝部45は、図14に示す如く、右端から左側(第3盤面保護部材20cから庇部29d)に向かうにつれて下方傾斜する傾斜上面(上面)45aと、左側から右側に向かうにつれて下方傾斜する傾斜下面45bと、傾斜上面45aおよび傾斜下面45bの左端部を接続する連結端面45cとから、正面視において連結端面側が短い横向き台形状に形成されている。また、前記第2緩衝部46は、第1緩衝部45と基本的な構成は同じであって、右端から左側(第3盤面保護部材20cから庇部29d)に向かうにつれて下方傾斜する傾斜上面(上面)46aと、左側から右側に向かうにつれて下方傾斜する傾斜下面46bと、傾斜上面46aおよび傾斜下面46bの左端部を接続する連結端面46cとから、正面視において連結端面側が短い横向き台形状に形成されている。各緩衝部45,46は、枠状装飾体29の前面と略同一位置に前面が位置する寸法だけ基板部44aから前方に突出しており、第2経路30bを流下するパチンコ球が各緩衝部45,46の傾斜上面45a,46aに衝突可能に構成されている。また第2緩衝部材44において、第1緩衝部45の傾斜下面45bと第2緩衝部46の傾斜上面46aとは、右端部において連結部44bによって連結してある。
(枠状装飾体29の案内部47,48,49について)
前記枠状装飾体29の庇部29dには、前記第2緩衝部材44の配設位置に対応する領域に、第2経路(流下経路)30bに向けて突設された案内部47,48,49が、上下方向に離間して複数設けられている。これら案内部47,48,49は、台板29bの前面から庇部29dの前端までの間に亘って前後方向に延在しており、第2経路30bを流下するパチンコ球が接触可能で、接触したパチンコ球の流下方向を変更可能に構成されている。実施例では、図12〜図14に示す如く、3つの案内部47,48,49が第2経路30bにおけるパチンコ球の流下方向に間隔をおいて位置しており、3つの案内部47,48,49を区別する場合は、最上方の案内部を第1案内部47と指称し、中間の案内部(第2の案内部)を第2案内部48と指称し、最下方の案内部を第3案内部49と指称する場合がある。また、庇部29dにおける3つの案内部47,48,49が設けられる周辺の外周面について、各案内部47,48,49との関係で区別する場合は、第1案内部47より上側の外周面を第1外周面50aと指称し、第1案内部47と第2案内部48との間に臨む外周面を第2外周面50bと指称し、第2案内部48と第3案内部49との間に臨む外周面を第3外周面50cと指称し、第2案内部48より下側の外周面を第4外周面50dと指称する場合がある。
図14に示す如く、第1案内部47は、前記第1緩衝部45より上方に位置し、第2案内部48は、第1緩衝部45と第2緩衝部46との間に位置し、第3案内部49は、第2緩衝部46より下方に位置しており、当該案内部47,48,49および緩衝部45,46が設けられている領域において第2経路30bは、左右方向に屈曲するようになっている。前記第1案内部47の上面は、庇部29dから離間するにつれて(第3盤面保護部材20cに向かうにつれて)下方傾斜するよう形成されると共に該上面の延長線が第1緩衝部45の傾斜上面45aと交差するよう設定されており、該上傾斜面47aに当接したパチンコ球を第1緩衝部45の傾斜上面45aに向けて案内し得るよう構成される。また、第2案内部48の上面は、庇部29dから離間するにつれて(第3盤面保護部材20cに向かうにつれて)下方傾斜するよう形成されると共に該上面の延長線が第2緩衝部46の傾斜上面46aと交差するよう設定されており、該上傾斜面48aに当接したパチンコ球を第2緩衝部46の傾斜上面46aに向けて案内し得るよう構成される。更に、第3案内部49の上面は、庇部29dから離間するにつれて(第3盤面保護部材20cに向かうにつれて)下方傾斜するよう形成されており、該上傾斜面49aに当接したパチンコ球を第2緩衝部46より下方に向けて案内し得るよう構成される。
ここで、前記第1緩衝部45の傾斜上面45aは、該傾斜上面45aで受けたパチンコ球を、前記庇部29dにおける第2外周面51bに向けて流下可能な傾斜角度(傾斜上面45aの延長線が第2外周面51bと交差する傾斜角度)に設定されると共に、前記第2緩衝部46の傾斜上面46aは、該傾斜上面46aで受けたパチンコ球を、庇部29dにおける第3外周面51cに向けて流下可能な傾斜角度(傾斜上面46aの延長線が第3外周面51cと交差する傾斜角度)に設定される。すなわち、案内部47,48,49および緩衝部45,46が臨む第2経路30bを流下するパチンコ球は、流下方向が左右方向にジグザグに変化し、該流下方向が変化する際に緩衝部45,46や外周面51b,51cにパチンコ球が衝突することで勢いが弱められるようになっている。パチンコ球の流下方向の変化をより具体的に説明すれば、図14に示す如く、第1外周面51aに沿って流下して第1案内部47の上傾斜面47aで流下方向が変更されたパチンコ球は、第1緩衝部45の傾斜上面45aに衝突し、該傾斜上面45aで案内されて流下方向が変更されたパチンコ球は、第2外周面51bに衝突する。そして、第2外周面51bに沿って流下して第2案内部48の上傾斜面48aで流下方向が変更されたパチンコ球は、第2緩衝部46の傾斜上面46aに衝突し、該傾斜上面46aで案内されて流下方向が変更されたパチンコ球は、第3外周面51cに衝突する。そして、第3外周面51cに沿って流下して第3案内部49の上傾斜面49aで流下方向が変更されたパチンコ球は、前記第3盤面保護部材20cにおける第2緩衝部46の下方に臨む内面に向けて流下するようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、右打ち状態で打ち出されたパチンコ球の勢いが、前記第1緩衝部材43に衝突することで一次的に低減され、該第1緩衝部材43に衝突した後に第2経路30bを流下するパチンコ球の勢いが、前記緩衝部45,46および庇部29dに衝突することで低減されるため、勢いが増すことを確実に防止するように構成されている。なお、前記第1案内部47の突出端と第1緩衝部45の傾斜上面45aとの離間間隔、第1緩衝部45の連結端面45cと第2外周面51bとの離間間隔、前記第2案内部48の突出端と第2緩衝部46の傾斜上面46aとの離間間隔、第2緩衝部46の連結端面46cと第3外周面51cとの離間間隔は、パチンコ球の直径よりは大きく、かつ該パチンコ球の直径の2倍より小さくなるように設けられている。すなわち、庇部29dと緩衝部45,46との間でのパチンコ球の流下を許容しつつ、該パチンコ球を各緩衝部45,46や外周面51b,51cに確実に衝突させて、第2経路30bを流下するパチンコ球の勢いが増すのを好適に抑え得るようにしてある。
前記3つの案内部47,48,49における上傾斜面47a,48a,49aの傾斜方向の長さは、上から下に順に長くなるよう設定されている。また、前記庇部29dには、前記第3案内部49から下方に離間する位置に、第2経路(流下経路)30bに向けて突設された第4案内部50が設けられている(図12,図13参照)。この第4案内部50は、後述する第2サイド装飾体75における第1流路変更面98の上方に位置すると共に、該第4案内部50の上面は、庇部29dから離間するにつれて(第3盤面保護部材20cに向かうにつれて)下方傾斜するよう形成されており、該上傾斜面50aに当接したパチンコ球を第1流路変更面98に向けて案内し得るよう構成される。
(第2緩衝部材44の傾斜部44eについて)
前記第2緩衝部材44における基板部44aの上端部は、図14に示す如く、前記枠状装飾体29の台板29bの凹部29gに基板部44aを嵌め合わせた状態で、凹部29gより上側の台板29bの延出端より右側(外側)に延出するよう構成されており、これによって前記第1案内部47からパチンコ球が案内される第1緩衝部45の傾斜上面45aは、凹部29gより上側の台板29bの延出端を挟んで内外方向に延在するように位置している。また基板部44aは、第1緩衝部45の傾斜上面45aより上方に延在する上延在部44cを備え、該上延在部44cにおける台板29bの延出端より外方に臨む前面に、上から下に向かうにつれて遊技盤13の前面から前方に変位するように傾斜する傾斜部44dが形成されている。この傾斜部44dは、前記第1案内部47で案内されたパチンコ球が当該傾斜部44dに当った際には第1緩衝部45側に速やかに案内するべく機能する。すなわち、パチンコ球が連続して第1案内部47と第1緩衝部45との間に到来した場合においても、パチンコ球を滞らせることなくスムーズに流下させ得るようになっている。また、前記台板29bより外側に延在する基板部44aの上端縁の遊技盤13の前面からの突出量を小さくすることで、該基板部44aの上端縁にパチンコ球が引っ掛かるのを防いで、スムーズな流下を図り得るようになっている。
前記基板部44aにおけるパチンコ球が前側を通る前面に、上下方向に離間して複数の段部44eが設けられ、パチンコ球が段部44eに接触することで勢いが弱められ得るよう構成される。実施例では、基板部44aの前面に、第2経路30bにおけるパチンコ球の流下方向と交差する方向に延在する複数の溝を上下方向に離間して形成することで、上下の溝の間に段部44eが設けられる。具体的に、各段部44eは、図14に示す如く、左右方向に延在するよう形成されると共に、該段部44eは、庇部29dから離間するにつれて僅かに下方傾斜するよう設定される。すなわち、各段部44eの傾斜は、各緩衝部45,46の傾斜上面45a,46aの傾斜方向とは交差しており、該傾斜上面45a,46aに沿って対応する庇部29dの外周面51b,51cに向けて案内されるパチンコ球の流下方向に対して交差する段部44eにパチンコ球が接触した際の減勢効果が大きくなるようにしてある。なお、段部44eの水平面に対する傾斜角度は、前記各案内部47,48,49の上傾斜面47a,48a,49aの水平面に対する傾斜角度より小さく設定されている。
前記遊技盤13における前記第1装着口23a(枠状装飾体29)の下方に開設された第2装着口23bに、遊技領域13a(第1経路30aおよび第2経路30b)を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置52が取り付けられている。また、第1装着口23aおよび第2装着口23bの左方に開設された第3装着口23cに、第1経路30aを流下するパチンコ球が通過可能な第1球通過ゲート67および第1経路30aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1普通入賞口73が設けられた第1サイド装飾体(飾り部材)58が取り付けられる。更に、第1装着口23aおよび第2装着口23bの右方に開設された第4装着口23cに、第2経路30bを流下するパチンコ球が通過可能な第2球通過ゲート80および第2経路30bを流下するパチンコ球が入賞可能な第2普通入賞口88および特別入賞装置90が設けられた第2サイド装飾体(飾り部材)75が取り付けられている。
(始動入賞装置52について)
前記遊技盤13に配設される前記始動入賞装置(入賞装置)52は、前記第1装着口23aの下方に穿設された第2装着口23bに前側から着脱自在に配設される始動口飾り52aに、始動入賞口(始動口)53a,53bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口53aは、遊技領域13a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。また、下側に位置する第2始動入賞口53bは、始動口飾り52aに前後方向へ揺動可能に配設された開閉部材54によって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド55(図27参照)の駆動に伴って開閉部材54が第2始動入賞口53bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例において前記第1始動入賞口53aは、前記遊技領域13aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口53bは、始動入賞ソレノイド55を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、開閉部材54を閉鎖位置から開放位置に変位して第2始動入賞口53bを開放する開放条件および開閉部材54を開放位置から閉鎖位置に変位して第2始動入賞口53bを閉鎖する閉鎖条件としては、開閉部材54が開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口53bの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。
また、前記始動入賞装置52は、前記第1および第2始動入賞口53a,53bに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出スイッチ56a,56b(図27参照)が設けられている。前記始動入賞検出スイッチ56a,56bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御手段57(図27参照)に配線接続されており、該始動入賞検出スイッチ56a,56bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出スイッチ56a,56bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部160A,160Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置90を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出スイッチ56a,56bが始動入賞口53a,53b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口53aに対応するスイッチを第1始動入賞検出スイッチ56aと指称し、第2始動入賞口53bに対応するスイッチを第2始動入賞検出スイッチ56bと指称するものとする。また、メイン制御手段57は、第1始動入賞検出スイッチ56aまたは第2始動入賞検出スイッチ56bからの検出信号を受信すると、図示しない球払出装置を制御して所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球球数は、パチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(第1サイド装飾体58について)
前記遊技盤13の第1経路30aにおいて内レール21bに沿って形成される第3装着口23cに配設される前記第1サイド装飾体58は、図2に示す如く、枠状装飾体29の上下方向の略中間位置から前記始動入賞装置52の配設位置までの間に亘って延在する概略弓形状の部材であって、該第1サイド装飾体58は、内レール(レール部材)21bの内側に沿って枠状装飾体側が凹となる姿勢で遊技盤13に配設されている。第1サイド装飾体58は、図15〜図17に示す如く、略弓形状に形成された前壁59aの裏面に、該前壁59aの外縁から内側に離間した位置から後方に突出する側壁59bを前壁59aの外縁に沿って形成した後方に開口する第1基体(ベース部材)59を備え、該第1基体59における前壁59aの前面に、光透過性の第1装飾品60が配設されている。この第1装飾品60には、パチンコ機10のモチーフとなる図柄等が形成されている。なお、第1サイド装飾体58と内レール21bとの間には殆ど隙間はなく、両部材58,21bの間にはパチンコ球は流下しないようになっているが、内レール21bとの間にパチンコ球が流下可能な隙間(球経路)をあけて第1サイド装飾体58を遊技盤13に取り付けるようにしてもよい。
前記第1基体59における前壁59aの裏面全体に、ダイヤモンドカット等の凹凸による光拡散加工が施されると共に、側壁59bにより画成される空間内に、該空間と略同一形状に形成された光拡散シート61および透明部材62が収容されている。また、第1基体59の裏側に、第1発光装置(遊技構成部品,発光手段)63が着脱自在に取り付けられており、該第1発光装置63を第1基体59に取り付けることで、第1基体59に対して光拡散シート61および透明部材62が第1発光装置63との間で挟持された状態で位置決めされるようになっている。第1発光装置63は、第1基体59の側壁59bで画成される空間と略同じ形状に形成された発光基板63aと、該発光基板63aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体63b,63cと、発光基板63aと略同一形状に形成されて該発光基板63aの裏面を覆蓋保護するように発光基板63aの裏側に配設された透明保護部材63dとを備える。すなわち、第1発光装置63の発光体63b,63cを発光することで、前記光拡散シート61および第1基体59に施された光拡散加工によって、第1サイド装飾体58の全体が発光装飾されるようになっている。また、発光基板63aに、第1基体59に配設される第1球通過ゲート67を明輝するためのゲート用発光体63dが配設されている。なお、透明保護部材63dには、多数の放熱用の通孔63eが形成してある。
(第1球通過ゲート67について)
前記第1基体59の前壁59aにおける最上部に、第1球通過ゲート67の取着部K1が設けられると共に、該取着部K1より下方位置の前壁59aに、前後方向に貫通する貫通孔59cが複数(実施例では3つ)形成されている。第1基体59の取着部K1に、第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が通過可能な第1球通過ゲート67が着脱自在に取り付けられている。前壁59aに設けられた取着部K1は、図18,図20,図21に示す如く、前後方向に貫通形成された取付口(貫通孔,挿通口)65と、該取付口65の下端縁から後方に延在する下受部64aと、取付口65の上端縁に並んで設けられて後方に延在する上受部64bおよび係合フック(係止部)66とを備える。前記取付口65は、第1球通過ゲート67を構成する後述の第1球通過検出スイッチ69Aの前後方向の挿脱を許容する略矩形状に形成された挿通部65aと、該挿通部65aの左右両側において外方に向けて凹設された案内凹部65b,65bとから構成される。なお、係合フック66の下面後端には、下方に突出する係合爪66aが設けられており、取付口65に装着された第1球通過ゲート67の後述するスイッチ保持体68に保持された第1球通過検出スイッチ69Aの後端に係合爪66aが係合することで、該第1球通過検出スイッチ69Aの後方移動を規制するよう構成される。
前記取着部K1では、挿通部65aの左右両側に案内凹部65b,65bを凹設することで、取付口65の4隅には被係合部(被嵌合部)64cが夫々形成されて、該被係合部64cによって第1球通過ゲート67の後述するスイッチ保持体68が取付口65に対して位置決めされるようになっている。また取着部K1は、取付口65の下端縁から前方に延在する一対の逆付け防止片64d,64dを左右方向に離間して備え(図18参照)、該逆付け防止片64d,64dが、後述するように当該取着部K1に対するスイッチ保持体68の上下逆向き姿勢での取り付けを防止する機能を有している。
前記第1球通過ゲート67は、前記第1基体59の前壁59aに設けた取着部K1に対して前側から着脱自在に配設されるスイッチ保持体(飾り部材)68と、該スイッチ保持体68に対して前壁59aの裏側から着脱自在に配設される第1球通過検出スイッチ(検出手段)69Aとを備える。前記スイッチ保持体68は、図18,図19に示す如く、左右方向に延在する前壁部68aと、該前壁部68aの左左両端部から後方に延在する側壁部68b,68bとから平面視において後方に開口する門型に形成された部材であって、両側壁部68b,68bは相互に近接離間方向に弾性変形可能に構成されている。そして、両側壁部68b,68bの間で第1球通過検出スイッチ69Aを挟持状態で保持可能に構成されている(図20参照)。なお、両側壁部68b,68bの内面間の離間寸法は、当該側壁部68b,68bに力を加えていない無負荷状態において第1球通過検出スイッチ69Aの横幅寸法より僅かに大きく設定してある。また、スイッチ保持体68は、全体が光透過性(実施例では透明)な樹脂材料で形成されて、前記第1発光装置63の発光基板63aに設けたゲート用発光体(発光体)63c,63cによって全体が明輝可能に構成される。なお、前壁部68aの前面には、パチンコ機10のモチーフに合わせた装飾が施されている。
前記スイッチ保持体68の各側壁部68bは、図18に示す如く、前壁部68aと同一高さで後方に延在する前半部70と、該前半部70の後端から後方に延在する後半部71とからなり、前半部70および前記前壁部68aの上端縁には、両側壁部68b,68bの間に挿入された第1球通過検出スイッチ69Aの上方移動を規制する上規制壁(保護壁)72が内側に向けて張出すように突設されている(図19参照)。また、前半部70および前壁部68aの内面(始動口67aを画成する壁の内面)には、上下方向に延在する凸部を並ぶように形成した光拡散加工が施されている。また、スイッチ保持体68の上下方向の高さ(厚み)寸法は、第1球通過検出スイッチ69Aの上下方向の厚み寸法より大きく設定されており、該スイッチ保持体68に第1球通過検出スイッチ69Aを保持した状態では該検出スイッチ69Aがスイッチ保持体68から上下方向に突出しないよう構成される。
前記側壁部68bの前半部70は、前側から後側に向かうにつれて左右方向の厚みが大きくなるよう形成されている。また、側壁部68bの後半部71は、前半部70における後端部の厚みより小さい厚みで前記取付口65における挿通部65aの高さ寸法と略同一高さで前後方向に延在する内壁部71aと、該内壁部71aの外側面における高さ方向の中央に突設されて前後方向に延在するガイド部(導光部)71bとを備え、ガイド部71bの高さ寸法が、前記取付口65における案内凹部65bの高さ寸法と略同一に設定されている。すなわち、後半部71の縦断面形状は、取付口65の左右両側の形状に対応する形状に形成されており、該取付口65に対して後半部71の内壁部71aを挿通部65aに前側から挿通し得ると共に、ガイド部71bを案内凹部65bに前側から挿通し得るようになっている。また、内壁部71aの上端は、前半部70の上端から1段下がった位置から後方に延在するよう設定されており、後半部71を取付口65に前側から挿入した際に、内壁部71aの上端から上方に突出する前半部70の後端が第1基体59の前壁前面に当接することで、スイッチ保持体68の後方移動が規制されて位置決めされるよう構成される。なお、上下逆向き姿勢としたスイッチ保持体68の後半部71を取付口65に前側から挿通した際には、内壁部71aから下方に突出する前半部70の後端に、前記取付口65の下端縁から前方に突出する逆付け防止片64d,64dが当接することで、該前半部70の後端が第1基体59の前壁前面に当接する位置まで後半部71を取付口65に挿入することができなくなり、当該スイッチ保持体68の逆付け防止が図られるようになっている。
ここで、前記スイッチ保持体68を第1基体59に位置決めした状態において、前記前壁部68aに設けた上規制壁72と第1基体59の前壁59aとの対向面間の離間寸法、および両側壁部68b,68bに設けた上規制壁72,72の対向面間の離間寸法は、何れもパチンコ球の直径より大きく設定される。すなわち、第1基体59の前壁59aにスイッチ保持体68を取り付けることで、該前壁59aの前側の遊技領域13aに、スイッチ保持体68により画成されて上下方向に開口する開口部67aが臨み、該開口部67aを遊技領域13a(第1経路30a)を流下するパチンコ球が通過し得るようになっている。実施例では、スイッチ保持体68の開口部67aを通過するパチンコ球を第1球通過検出スイッチ69Aで検出するように構成されており、該開口部67aは、後述する普図当り抽選の契機となる始動口として機能するよう構成される。そこで、該開口部67aについて、以後は始動口と指称するものとする。また、上規制壁72の対応する壁部68a,68b,68bの内面から内側に張り出す寸法は、スイッチ保持体68に保持された第1球通過検出スイッチ69Aにおける始動口67aに臨む後述の球通過孔69bを覆わない寸法に設定される。なお、始動口67aは、遊技領域13aに常に開口して、該遊技領域13aを流下するパチンコ球が入球可能な入球口として機能する。また、実施例のスイッチ保持体68は、第1基体59に位置決めした状態で該第1基体59の前側に臨む前壁部68aと左右の側壁部68b,68bにおける前半部70,70とから前記開口部67aを画成する開口画成部が構成されて、該開口画成部における前半部70,70の後端から後方に延在するように前記ガイド壁部(導光部)71b,71bが設けられている。
前記スイッチ保持体68の内壁部71aの外側面には、前半部70の後端から後方に前記第1基体59における前壁59aの厚み分だけ離間した位置に、外方に突出する規制壁71cがガイド部71bを挟む上下両側に設けられている。すなわち、内壁部71a、ガイド部71b、規制壁71cおよび前半部70によって、ガイド部71bの上側には上方および外側方に開放した係合溝(嵌合部)71dが形成されると共に、ガイド部71bの下側には下方および外側方に開放した係合溝71dが形成される。そして、前記取付口65に対して後半部71を前側から挿入し、両側壁部68b,68bを相互に近接するように弾性変形させた状態で前記規制壁71c,71cが取付口65に形成されている前記被係合部64c,64cを越えた位置に臨ませた後に弾性変形させていた力を解除することで、側壁部68b,68bが相互に離間して各被係合部64c,64cが対応する係合溝71d,71dに嵌合することで、スイッチ保持体68は、第1基体59に対して前後、左右および上下の位置決めがなされた状態で保持されるよう構成される。
前記スイッチ保持体68における両側壁部68b,68bのガイド部71b,71bにおける上下の係合溝71d,71dの間に臨む外側面は平行に形成されており、各係合溝71dに被係合部64cが係合した際に、前記案内凹部65bを画成する壁面がガイド部71bの外側面に隙間なく当接するよう構成される。また、両ガイド部71b,71bにおける平行に形成される部分の外側面の離間寸法は、前記取付口65における両案内凹部65b,65bを画成する壁面間の離間寸法より小さく設定されており、ガイド部71b,71bの外側面が案内凹部65b,65bを画成する壁面に側壁部68b,68bの弾性によって当接するよう構成される。そして、この状態で両側壁部68b,68bの内側面間の離間寸法は、前記第1球通過検出スイッチ69Aの横幅寸法と略同一となるように設定されており、両側壁部68b,68b間に後方から第1球通過検出スイッチ69Aを挿入することで、両側壁部68b,68bの間に第1球通過検出スイッチ69Aが弾性的に挟持された状態となるようにしてある。なお、後半部71における各内壁部71aの後端には、図19に示す如く、後方に向かうにつれて外側方に傾斜する傾斜案内面71eが形成されており、両側壁部68b,68bの間への第1球通過検出スイッチ69Aの挿入を容易に行い得るようになっている。また、内壁部71aの内面は前半部70の内面と同一面に臨むように形成されており、両側壁部68b,68bの間に挿入された第1球通過検出スイッチ69Aには、側壁部68b,68bの全長が当接して該第1球通過検出スイッチ69Aを安定して保持し得るよう構成される。
前記ガイド部71bにおける係合溝71dの形成位置より後側の部分は、外側面が後側に向かうにつれて外側方に変位するように傾斜するよう形成されることで、該部分は後側に向かうにつれて厚み寸法が大きくなるよう設定される。また、スイッチ保持体68に力を加えていない無負荷状態での両ガイド部71b,71bの後端における外側面間の離間寸法は、前記取付口65の案内凹部65b,65bを画成する壁面間の離間寸法より大きく設定されている。すなわち、両側壁部68b,68bの後半部71,71を前記取付口65に挿入する際には、両側壁部68b,68bを相互に近接するように弾性変形したもとで、両ガイド部71b,71bを案内凹部65b,65bに挿入する。そして、両ガイド部71b,71bを案内凹部65b,65bに挿入した後は、スイッチ保持体68を後方に向けて押すことで、ガイド部71b,71bの外側面の傾斜によって案内されつつ後半部71,71が取付口65にスムーズに押し込まれるよう構成される。なお、実施例では、スイッチ保持体68の側壁部68bは、上下の係合溝71d,71dの間に臨む外側面を除く全体が、前側から後側に向かうにつれて左右方向の厚み寸法が大きくなるように設定されており、該側壁部68bの外側面は、前記ガイド部71bが形成される高さ方向の中央部において側壁部68bの前端から後端に向けて外側に変位する傾斜面とされている。また、側壁部68bを前側から後側に向かうにつれて左右方向の厚み寸法が大きくなるよう形成することで、ガイド部71b,71bについても前側から後側に向かうにつれて左右方向の厚み寸法が大きくなっており、該ガイド部71b,71bの後端面(導光面)が最も広くなるよう設定されている。
前記スイッチ保持体68における前壁部68aと一方(実施例では右側)の側壁部68bとが連設される隅部内面に、図19に示す如く、内側に突出する突部68cが設けられており、該突部68cが、第1球通過検出スイッチ69Aの逆付け防止手段として機能するよう構成される。また、前記第1発光装置63の発光基板68aには、図20に示す如く、前記取付口65に装着されたスイッチ保持体68における各側壁部68bの後端(具体的にはガイド部71bの後端)に臨む位置に、該側壁部68bに向けて光を照射可能なゲート用発光体63cが実装されている。すなわち、透明な材料で形成されたスイッチ保持体68における側壁部68bのガイド部71bは、ゲート用発光体63cの光を前側に導びく導光部として機能するようになっており、これによってスイッチ保持体68における前記第1基体59の前側に臨む部分がゲート用発光体63cの光によって明輝(発光装飾)し得るよう構成される。また、側壁部68bに後端から入射した光は、側壁部68bにおける傾斜する外側面側で反射するようになっており、後端から入射した光を拡散してスイッチ保持体68の全体を明輝させ得るようになっている。なお、ガイド部71bにおけるゲート用発光体63cと対向する後端面(導光面)は、図20に示す如く、該ゲート用発光体63cから照射される光の照射範囲より大きく設定されており、ゲート用発光体63cの光を該後端面(導光面)からガイド部内に効率的に導入し得るようになっている。
(第1球通過検出スイッチ69Aについて)
前記スイッチ保持体68に配設される前記第1球通過検出スイッチ69Aは、図18、図20,図21に示す如く、矩形状のスイッチ本体69aに、略円形状をなす球通過孔69bを備え、該球通過孔69bの内径は、パチンコ球の直径よりもやや大きく設定される。スイッチ本体69aの横幅寸法は、前記第1基体59の取着部K1に装着したスイッチ保持体68における両側壁部68b,68bの離間寸法と略同一に設定される。また、スイッチ本体69aの上下方向の厚み寸法は、前記取付口65における挿通部65aの上下寸法(上下の受部64a,64bの離間寸法)と略同一に設定される。そして、第1球通過検出スイッチ69Aは、スイッチ本体69aがスイッチ保持体68における両側壁部68b,68bの間に後側から挿入されることで、スイッチ保持体68に保持されるようになっている。また、第1球通過検出スイッチ69Aは、スイッチ本体69aの前端がスイッチ保持体68の前壁部68aの後面に当接した状態で、該スイッチ本体69aの後端に前記係合フック66の係合爪66aが係脱自在に係合することで、第1基体59に対して上下・左右・前後の位置決めがなされるようになっている。そして、第1球通過検出スイッチ69Aがスイッチ保持体68に保持された状態において、前記球通過孔69bは、第1基体59の前壁59aより前側においてスイッチ保持体68によって画成される始動口67a内に位置するようになっている。これにより、第1球通過検出スイッチ69Aは、前記第1経路30a(遊技領域13a)を流下して球通過孔69b(始動口67a)を通過するパチンコ球を検出し得るよう構成される。第1球通過検出スイッチ69Aは、前記メイン制御手段57に配線接続されており(図27参照)、該第1球通過検出スイッチ69Aは、パチンコ球の通過を検出して球検出信号をメイン制御手段57に出力するようになっている。そして、第1球通過検出スイッチ69Aからメイン制御手段57への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選(後述)が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置52の始動入賞ソレノイド55が駆動制御されて開閉部材54が開閉動作するようになっている。
前記第1球通過検出スイッチ69Aがスイッチ保持体68に保持された状態において、前記スイッチ本体69aの左右両側面が、図20に示す如く、前記取付口65に挿入されている両側壁部68b,68bの内側面に当接し、該側壁部68b,68bの内側への弾性変形を規制するよう構成される。すなわち、一対の側壁部68b,68bの間にスイッチ本体69aが存在している状態では、前記係合溝71d,71dに係合する被係合部64c,64cの係合を解除する側壁部68bの内側への弾性変形が規制されており、第1基体59からスイッチ保持体68の脱落は確実に防止されるようになっている。
前記スイッチ本体69aにおいて、前記スイッチ保持体68における前壁部68aの一方の側壁部68bとの連設隅部に設けられた前記突部68cと対応する前側の一方の角部は、該突部68cの形状に対応する大きさで切欠かれて、前側から後側に向かうにつれて外方へ傾斜する逆付け規制面69cが形成されている。すなわち、第1球通過検出スイッチ69Aの上下方向が正しい向きでスイッチ本体69aの両側部が両側壁部68b,68bの間に挿入された場合は、逆付け規制面69cに突部68cが当接しないことで、スイッチ本体69aは、後端に前記係合フック66の係合爪66aが係合する位置まで挿通し得る(図21の状態)。これに対し、第1球通過検出スイッチ69Aの上下方向が不正となる向き(上下が逆となる向き)でスイッチ本体69aが両側壁部68b,68bの間に挿入された場合は、スイッチ本体69aの逆付け規制面69cが形成されていない他方の角部が突部68cに当接することで、スイッチ本体69aは、後端に前記係合フック66の係合爪66aが係合する位置までの挿入が阻まれるようになっている。
(第1普通入賞口73について)
前記第1基体59の前側に配設される第1装飾品60は、図15に示す如く、前記前壁59aから前方に離間して平行に位置する装飾壁60aと、該装飾壁60aにおける第1基体59の各貫通孔59cと対応する位置の夫々に設けられて後方に延在する球受け通路部60bとが設けられている。各球受け通路部60bは、装飾壁60aと第1基板59の前壁59aとの間に亘って延在するよう形成されると共に、上方に開口する樋形状に形成されている。すなわち、各球受け通路部60bにおける第1基板59の前壁59aと装飾壁60aとの間において上方に開口する部分が、前記第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が入賞可能(入球可能)な第1普通入賞口(入球口)73として機能している。また、各球受け通路部60bは、後端部において第1基体59の貫通孔59cに連通接続しており、各第1普通入賞口73に入賞したパチンコ球を対応の球受け通路部60bおよび貫通孔59cを介して図示しない球排出経路に誘導して機外に排出するよう構成してある。なお、実施例に係る3つの第1普通入賞口73は、図2に示すように、第1サイド装飾体58に対して前記始動入賞装置52に近づくにつれて下方に位置する階段状に配置されている。また、3つの第1普通入賞口73は、前記下側案内連釘28の下方に位置しており、該下側案内連釘28の隙間28aを通過したパチンコ球が第1普通入賞口73に入賞可能に構成されている。
前記各第1普通入賞口73に入賞したパチンコ球は、該パチンコ球の球排出経路に設けた第1普通入賞検出スイッチ74a(図27参照)によって検出可能に構成されている。この第1普通入賞検出スイッチ74aは、前記メイン制御手段57に配線接続されており、該第1普通入賞検出スイッチ74aからメイン制御手段57への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。実施例では、パチンコ球の入賞や通過等によって遊技者に利益となる賞球や普図当り抽選の権利が与えられる第1普通入賞口73や、前記第1球通過ゲート67の始動口67aが、パチンコ球が入球可能な入球口として機能する。
前記第1装飾品60の上部位置に、前記装飾壁60aと第1基体59の前壁59aとの間に延在する流路変更面60cが設けられている。この流路変更面60cは、図15に示す如く、前記第1球通過ゲート67の略真下に位置すると共に、左側から右側(レール部側から枠状装飾体側)に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、第1球通過ゲート67の始動口67cを通過したパチンコ球を該流路変更面60cで受けて該パチンコ球の流下方向を変更するべく機能している。また、第1装飾品60には、最上段の第1普通入賞口73と流路変更面60cとの間に、装飾壁60aと第1基板59の前壁59aとの間に延在する球案内面60dが、左右方向に所定長さで設けられており、第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を該球案内面60dによって第1普通入賞口73に向けて案内し得るようになっている。なお、球案内面60dは、左側から右側に向けて下方傾斜するよう形成されている。また、球案内面60dは、第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球の流下方向を変える流路変更面としても機能するものである。
ここで、前記第1サイド装飾体58の球案内面60dは、図2に示す如く、前記遊技盤13に設けられた前記下側案内連釘28の延長線上に位置するよう構成されており、該球案内面60d上に到来したパチンコ球を下側案内連釘28へ向けて移動させるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第1サイド装飾体58の球案内面60dと下側案内連釘28(遊技釘25)とによって、第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を前記始動入賞装置52の第2始動入賞口53bに向けて誘導する誘導路を形成している。また、球案内面60dの上方に前記回転案内部材26が位置しており、該回転案内部材26によって右方に弾かれたパチンコ球が、前記上側案内連釘27側に移動し、該回転案内部材26によって左方に弾かれたパチンコ球が、第1サイド装飾体58の球案内面60d側に移動するよう構成されている。
(第2サイド装飾体75について)
前記遊技盤13の第2経路30bにおいて前記第3盤面保護部材20cに沿って形成される第4装着口23dに配設される第2サイド装飾体(飾り部材)75は、図2に示す如く、前記枠状装飾体29の上下方向の略中間位置より下方から前記始動入賞装置52の配設位置までの間に亘って延在する概略弓形状の部材であって、該第2サイド装飾体75は、第3盤面保護部材(レール部)20cの内側に沿って枠状装飾体側が凹となる姿勢で遊技盤13に配設されている。第2サイド装飾体75は、図25に示す如く、略弓形状に形成された前壁76aの裏面に、該前壁76aの外縁から内側に離間した位置から後方に突出する側壁76bを前壁76aの外縁に沿って形成した後方に開口する第2基体(ベース部材)76を備え、該第2基体76における前壁76aの前面に、光透過性の第2装飾品77が配設されている。この第2装飾品77の前面には、前記第1装飾品60と同様にパチンコ機10のモチーフとなる図柄等が形成されている。なお、第2サイド装飾体75と第3盤面保護部材20cとの間には殆ど隙間はなく、両部材58,20cの間にはパチンコ球は流下しないようになっているが、第3盤面保護部材20cとの間にパチンコ球が流下可能な隙間(球経路)をあけて第2サイド装飾体75を遊技盤13に取り付けるようにしてもよい。
前記第2基体76における前壁76aの裏面の略全体に、ダイヤモンドカット等の凹凸による光拡散加工が施されている。第2基体76の裏側上部位置に、第2発光装置(遊技構成部品,発光手段)78が配設されている。この第2発光装置78は、図24に示す如く、発光基板78aと、該発始基板78aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体78b,78cと、発光基板78aと略同一形状に形成されて該発光基板78aの裏面を覆蓋保護するように発光基板78aの裏側に配設された透明保護部材79とを備える。すなわち、第2発光装置78の発光体78b,78cを発光することで、前記第2基体76に施された光拡散加工によって、第2サイド装飾体75の上部位置が発光装飾されるようになっている。また、第2発光装置78の発光基板78aには、第2基体76に配設される第2球通過ゲート80を明輝するためのゲート用発光体78cが配設されている。なお、透明保護部材79には、多数の放熱用の通孔79aが形成してある。
(第2球通過ゲート80について)
前記第2基体76の前壁76aにおける最上部に、第2球通過ゲート80の取着部K2が設けられており、該取着部K2に、第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が通過可能で、通過するパチンコ球を第2球通過検出スイッチ69Bで検出可能な第2球通過ゲート80が着脱自在に取り付けられている。第2基体76における取着部K2の構成および第2球通過ゲート80の構成は、前記第1基体59における取着部K1の構成および第1球通過ゲート67の構成と基本的には同じであるので異なる部分についてのみ説明し、第1基体59の取着部K1および第1球通過ゲート67と同一部分には同じ符号を付すものとする。なお、第2球通過ゲート80の始動口(開口部)については、第1球通過ゲート67の始動口67aと区別するために符号80aで示すものとする。
前記第2基体76の取着部K2における上受部64bに、図25に示す如く、係合フック66と平行に発光装置用係合フック81が後方に向けて延在するように設けられると共に、該取着部K2における下受部64aの後端に、後方に突出する位置決め片82が設けられている。前記第2発光装置78の透明保護部材79に、取着部K2の下受部64aや係合フック66との干渉を防止する凹部79bが該取着部K2に対応する位置に設けられると共に、該透明保護部材79には、凹部79b内に延出する係合壁79cが設けられている。また係合壁79cには、前記下受部64aの位置決め片82と対応する位置に係合溝79dが設けられている。すなわち、第2発光装置78は、透明保護部材79の係合壁79cに発光装置用係合フック81が係合すると共に、係合溝79dに位置決め片82が係合することで第1基体76に対して前後および左右方向の位置決めがなされ、この状態で透明保護部材79を1本のネジによって第2基板76にネジ止めすることで、当該第2発光装置78が第2基板76の裏側に位置決め固定されるようになっている。
前記第2基板76の前壁76aには、図25に示す如く、前記取着部K2より下方位置に前後方向に貫通するアウト口用貫通孔83および入賞口用貫通孔84が設けられると共に、これら貫通孔群の形成位置より下方位置に、前後方向に貫通する開口部85が設けられている。この開口部85は矩形状に形成されており、後述する特別入賞装置90の特別入賞口(入賞口)として機能するものであって、以後は特別入賞口と指称する。
(第2装飾品77について)
前記第2基体76の前側に配設される第2装飾品77は、該第2基体76の前壁76aから前方に離間して平行に位置する装飾壁77aと、該装飾壁77aの外周縁から後方に突出する側壁77bとから、後方に開口する箱状に形成されている。そして、第2装飾品77における側壁77bにより画成される空間内に臨む前壁76aの裏面に、該空間と略同一形状に形成された光拡散シート86が取り付けられると共に、空間内には該空間と略同一形状に形成された装飾品用発光基板(遊技構成部品,発光装置)87が着脱自在に配設されている。装飾品用発光基板87の前面に、前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体87aが実装されており、該発光体87aを発光することで、前記光拡散シート86および第2基体76に施された光拡散加工によって、第2装飾品77の全体が発光装飾されるようになっている。
(第2普通入賞口88について)
前記第2装飾品77の装飾壁77aにおける第2基体76に設けた入賞口用貫通孔84と対応する位置に、図25に示す如く、後方に延在する入賞口用球受け通路部77cが設けられている。入賞口用球受け通路部77cは、装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に亘って延在するよう形成されると共に、上方に開口する樋形状に形成されている。すなわち、入賞口用球受け通路部77cにおける第2基体76の前壁76aと装飾壁77aとの間において上方に開口する部分が、前記第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が入賞可能(入球可能)な第2普通入賞口(入球口)88として機能している。また、入賞口用球受け通路部77cは、後端部において第2基体76の入賞口用貫通孔84に連通接続しており、第2普通入賞口88に入賞したパチンコ球を入賞口用球受け通路部77cおよび入賞口用貫通孔84を介して図示しないセーフ球用排出経路に誘導して機外に排出するよう構成してある。
(第2アウト口89について)
前記第2装飾品77の装飾壁77aにおける第2基体76に設けたアウト口用貫通孔83と対応する位置に、図25に示す如く、後方に延在するアウト口用球受け通路部77dが設けられている。アウト口用球受け通路部77dは、装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に亘って延在するよう形成されると共に、上方に開口する樋形状に形成されている。そして、アウト口用球受け通路部77dにおける第2基体76の前壁76aと装飾壁77aとの間において上方に開口する部分が、前記第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を機外に排出する第2アウト口89として機能している。すなわち、アウト口用球受け通路部77dは、後端部において第2基体76のアウト口用貫通孔83に連通接続しており、第2アウト口89に通入したパチンコ球をアウト口用球受け通路部77dおよびアウト口用貫通孔83を介して図示しないアウト球用排出経路に誘導して機外に排出するよう構成してある。
実施例では、第2アウト口89より下方に第2普通入賞口88が位置すると共に、該第2アウト口89および第2普通入賞口88は、前記第2経路30bに植設した後述する案内連釘103の下方に位置しており、該案内連釘103の隙間103aを通過したパチンコ球が第2アウト口89および第2普通入賞口88に通入可能に構成されている。
前記第2普通入賞口88に入賞したパチンコ球は、前記セーフ球用排出経路に設けた第2普通入賞検出スイッチ74b(図27参照)によって検出可能に構成されている。この第2普通入賞検出スイッチ74bは、前記メイン制御手段57に配線接続されており、該第2普通入賞検出スイッチ74bからメイン制御手段57への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。実施例では、パチンコ球の入賞や通過等によって遊技者に利益となる賞球や普図当り抽選の権利が与えられる第2普通入賞口88や、前記第2球通過ゲート80の始動口80aが、パチンコ球が入球可能な入球口として機能する。
(特別入賞装置90について)
前記第2基体76には、前記特別入賞口85と対応する裏側位置に特別入賞装置(入賞装置)90が配設されている。この特別入賞装置90は、図26に示す如く、第2基体76の裏面に着脱自在に配設される入賞装置本体91に、前記特別入賞口85に連通する空間部が画成されると共に、該入賞装置本体91には、空間部の前側に特別入賞口85を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材)92が配設されている。また入賞装置本体91には、駆動手段としての特別入賞ソレノイド93が配設されると共に、該特別入賞ソレノイド93と開閉扉92とを連繋する連繋機構94が入賞装置本体91に配設されている。そして、特別入賞ソレノイド93を駆動することで、連繋機構94を介して開閉扉92が特別入賞口85を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例では、前記開閉扉92は下端部を中心として前後方向へ揺動することで特別入賞口85を開閉するよう構成されており、起立した閉鎖位置から前側に傾斜した開放位置に変位することで該開閉扉92は遊技領域13aに延出して上方から流下してくるパチンコ球を受けて特別入賞口85に案内し得るよう構成される。
前記入賞装置本体91には、前記特別入賞口85に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出スイッチ95が配設されている。特別入賞検出スイッチ95は、前記メイン制御手段57に配線接続されており(図27参照)、特別入賞検出スイッチ95がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御手段57に出力し、メイン制御手段57の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、前記特別入賞ソレノイド93は、前記始動入賞装置52へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置90を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御手段57によって駆動制御される。
前記入賞装置本体91は、図26に示す如く、前後方向に開口する略角筒状の基体部91aと、基体部91aにおける後開口を閉塞するように該基体部91aの裏面に配設された蓋体91bとから構成されて、該基体部91aおよび蓋体91bとによって前方に開放する前記空間部が内部画成されるようになっている。基体部91aおよび蓋体91bは、何れも透明な樹脂材料によって形成されると共に、基体部91aの外周面および蓋体91bの前面には夫々光拡散加工が施されている。また、入賞装置本体91における蓋体91bの裏側に、第3発光装置(遊技構成部品,発光手段)96が配設されている。この第3発光装置96は、発光基板96aと、該発始基板96aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体96bと、発光基板96aと略同一形状に形成されて該発光基板96aの裏面を覆蓋保護するように発光基板96aの裏側に配設された透明保護部材96cとを備える。すなわち、第3発光装置96の発光体96bを発光することで、前記蓋体91bおよび基体部91aに施された光拡散加工によって、入賞装置本体91の全体を発光装飾し得るようになっている。なお、図26の符号97は、前記発光体96bの前側に位置する光拡散シートを示し、該光拡散シート97によっても発光体96bの光を拡散し得るようになっている。
(流路変更面98,99,100について)
前記第2装飾品77の最上部位置に、前記装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に延在する第1流路変更面(流路変更面)98が設けられている。この第1流路変更面98は、図22に示す如く、前記第2球通過ゲート80の上方で前記第3盤面保護部材20cの内側に偏倚して位置すると共に、右側から左側(第3盤面保護部材側から枠状装飾体側)に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、前記第2経路30bを第2サイド装飾体75に向けて流下するパチンコ球を受けて該パチンコ球の流下方向を変更するべく機能している。また、第2装飾品77には、前記第1流路変更面98から下方に離間した位置に、前記装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に延在する第2流路変更面(流路変更面)99が設けられている。この第2流路変更面99は、図23に示す如く、前記第2球通過ゲート80の略真下に位置すると共に、右側から左側(第3盤面保護部材側から枠状装飾体側)に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、第2球通過ゲート80の始動口80aを通過したパチンコ球を該第2流路変更面99で受けて該パチンコ球の流下方向を変更するべく機能している。更に、第2装飾品77には、前記特別入賞口85の下側に、前記装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に延在する第3流路変更面(流路変更面)100が設けられている。この第3流路変更面100は、図23に示す如く、右側から左側(第2流路変更面側から始動入賞装置側)に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、特別入賞口85に入賞しなかったパチンコ球を受けて該パチンコ球の流下方向を変更するべく機能している。
ここで、前記第2球通過ゲート80の上方に位置する第1流路変更面98は、第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を受けて該パチンコ球の流下方向を第2球通過ゲート80の始動口80aに向けて案内する球案内面として機能している。また、前記第2普通入賞口88の上方に位置する第2流路変更面99は、第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を受けて該パチンコ球の流下方向を第2普通入賞口88に向けて案内する球案内面として機能するようになっている。なお、前記第3流路変更面100で受けられたパチンコ球は、前記始動入賞装置52の第2始動入賞口53bに向けて案内されるように構成されている。すなわち、第2サイド装飾体75には、当該装飾体75に設けられた始動口80aや入賞口(第2普通入賞口88)に向けてパチンコ球を案内する球案内面のみでなく、第2サイド装飾体75とは別に遊技盤13に設けられた入賞口(第2始動入賞口53b)に向けてパチンコ球を案内する球案内面も設けられている。
(誘導面101,102について)
前記第2装飾品77には、第2普通入賞口88と特別入賞口85との間に、前記装飾壁77aと第2基体76の前壁76aとの間に延在する複数の誘導面101,102が、左右方向に所定長さで設けられており、前記第2球通過ゲート80の始動口80aを通過して前記第2流路変更面99で流下方向が変えられたパチンコ球を、該誘導面101,102によって前記特別入賞口85に向けて誘導し得るようになっている。各誘導面101,102は、図23に示す如く、右側から左側(第2球通過ゲート側から特別入賞口側)に向けて下方傾斜するよう形成されると共に、上側に位置する第1誘導面101と下側に位置する第2誘導面102とは所定高さ離間して位置している。そして、実施例では、第2球通過ゲート80の始動口80aを通過したパチンコ球が第1誘導面101によって特別入賞口85に直接誘導されたり、第1誘導面101で誘導されたパチンコ球が第2誘導面102を介して特別入賞口85に誘導されたりするよう構成される。なお、実施例では、両誘導面101,102で受けられたパチンコ球は、特別入賞口85の前方に向けて誘導されるようになっており、前記開閉扉92が開放位置となっている場合には誘導されたパチンコ球が開閉扉92に当て受けられて特別入賞口85に入賞可能になっている。
また、前記第2サイド装飾体75に設けられる誘導面101,102は、第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球の流下方向を変える流路変更面としても機能する。すなわち、前記第2球通過ゲート80の始動口80aを通過することなく第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が第1誘導面101によって特別入賞口85に直接誘導されたり、第1誘導面101で誘導されたパチンコ球が第2誘導面102を介して特別入賞口85に誘導されたり、または第2球通過ゲート80の始動口80aを通過することなく第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が第2誘導面102によって特別入賞口85に直接誘導されたりするよう構成される。
ここで、前記枠状装飾体29と第2サイド装飾体75との間に臨む遊技領域13aに、図2,図22に示す如く、右側から左側に向けて下方傾斜する線上に沿って複数の遊技釘25が並ぶように設けられている。これら遊技釘群について、案内連釘103と指称するものとする。この案内連釘103は、前記第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球を特別入賞口85へ案内する案内部として機能する。また、案内連釘103を構成する遊技釘25は、適宜位置でパチンコ球が通過可能な隙間103a,103b,103cが空くよう設けられており、該案内連釘103上を移動するパチンコ球が前記第2普通入賞口88,第2アウト口89および誘導面101,102へ流下し得るようになっている。実施例では、案内連釘103に3箇所の隙間103a,103b,103cが設けられており、これら隙間103a,103b,103cを区別する場合は、上側から順に第1隙間103a、第2隙間103b、第3隙間103cと指称する場合がある。
前記案内連釘103は、図23に示す如く、最上部が前記第2球通過ゲート80における始動口80aの下方で前記第2流路変更面99の左方に位置すると共に、第1隙間103aが、前記第2普通入賞口88の上方に位置し、第2隙間103bが第1誘導面101の上方に位置し、第3隙間103cが第2誘導面102と特別入賞口85との間に位置している。すなわち、第2流路変更面99で受けられて左方に案内されたパチンコ球は、案内連釘103の第1隙間103aから落下して第2普通入賞口88や第2アウト口89に入球可能に構成される。これに対し、第1隙間103aから落下することなく案内連釘103上を流下したパチンコ球は、第2隙間103bから第1誘導面101に落下し、該第1誘導面101で左方に誘導されたパチンコ球が再び第2隙間103bを介して案内連釘103上に移動可能に構成されている。そして、第1誘導面101より下側の案内連釘103上を流下するパチンコ球は、第3隙間103cから落下し、該パチンコ球が前記第2誘導面102上に落下したり、前記特別入賞口85の前側を流下可能に構成されている。すなわち、第3隙間103cを落下するパチンコ球は、前記特別入賞装置90における開閉扉92の閉鎖位置では、該開閉扉92の前を流下して前記第3流路変更面100上に落下し、該パチンコ球が前記始動入賞装置52に向けて案内され、該開閉扉92の開放位置では第3隙間103cを落下するパチンコ球が特別入賞口85に入賞可能になっている。
ここで、前記特別入賞装置90では、前記特図当り抽選に当選して「大当り」の発生時に行われる大当り遊技において、前記特別入賞口85へのパチンコ球の入賞が阻まれる不利な第1状態(特別入賞口85の開閉扉92による閉鎖)と、特別入賞口85へのパチンコ球の入賞が許容される第2状態(特別入賞口85の開閉扉92による開放)とに変動されるラウンド遊技を繰返すよう構成される。ここで、特別入賞装置90におけるラウンド遊技とは、不利な第1状態から有利な第2状態に移行し、再び不利な第1状態に移行するまでを云い、大当り遊技において予め決定された継続回数のラウンド遊技が繰返されるようになっている。また、ラウンド遊技において第1状態から第2状態への移行は、第1状態から第2状態へ移行してからの第2状態の継続時間(特別入賞口85の開放時間)、または第2状態での特別入賞口85へのパチンコ球の入賞数(特別入賞検出スイッチ95による設定数のパチンコ球の検出)の何れかが、予め設定された値となったことを条件として行われる。
(設置部材19について)
前記設置部材19は、図3に示す如く、矩形状の背壁19aと、該背壁19aの周縁から前方へ向けて突出する囲い壁19bとから前方に開口する矩形箱状に形成された部材であって、該設置部材19は、囲い壁19bの前縁から外側方へ延在するフランジ19cを遊技盤13の後面に当接した状態で該遊技盤13に取り付けられる。また、背壁19aには、該背壁19aの後面に配設された前記図柄表示装置18の表示部18aを前方へ露出させる設置開口部19dが形成されている。そして、設置部材19の内側(図柄表示装置18より前側)に、駆動手段としての駆動モータ105(図27参照)により可動部材を動作することによって演出を行う可動演出装置Eが配設されており、該可動演出装置Eは、図柄表示装置18の表示部18aで表示される図柄変動演出に関連して動作可能に構成されている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤13の所定位置(実施例では、遊技領域13a外の右下部位置)には、前記メイン制御手段57により決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。遊技情報表示部Mには、前記第1始動入賞口53aおよび第2始動入賞口53bへの入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄を特定可能に表示する特図表示部(表示手段)160A,160Bが設けられる(図27参照)。特図表示部160A,160Bは、第1始動入賞口53aへの入賞(第1始動入賞検出スイッチ56aの検出)を契機として、複数種類の特別図柄の変動表示を開始する第1特図表示部160Aと、第2始動入賞口53bへの入賞(第2始動入賞検出スイッチ56bの検出)を契機として、複数種類の特別図柄の変動表示を開始する第2特図表示部160Bとから構成される。そして、前記各始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞を契機として、対応する特図表示部160A,160Bの変動表示が行われ、最終的に複数種類の特別図柄の内の1つを表示するようになっている。また、特図表示部160A,160Bの何れかに、大当り表示としての特別図柄が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技(遊技者に利益を与えることが可能な遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。
前記遊技情報表示部Mには、前記球通過検出スイッチ69A,69Bのパチンコ球の検出(球通過ゲート67,80のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄を特定可能に表示する普図表示部(表示手段)161が設けられる(図27参照)。普図表示部161は、球通過検出スイッチ69A,69Bのパチンコ球の検出(球通過ゲート67,80の始動口67a,80aに対するパチンコ球の通過(入球))を契機として、複数種類の普通図柄を変動表示させて1つの普通図柄を導出する変動表示が行われるようになっている。そして、普図表示部161に当り表示としての普通図柄が表示されることで、当り表示に対応して前記始動入賞装置52の始動入賞ソレノイド55が駆動制御されて開閉部材54が開閉動作するようになっている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について簡単に説明する。実施例のパチンコ機10には、図27に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御手段57と、該メイン制御手段57からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御手段162とが設けられている。すなわち、メイン制御手段57では、パチンコ機10に備えられた各種検出スイッチ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御手段162に出力されるようになっている。そして、サブ制御手段162は、メイン制御手段72が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記図柄表示装置18、可動演出装置E、発光装置63,78,87,96,118,134およびスピーカ163を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)をサブ制御手段162が統括的にコントロールし得るようになっている。
前記メイン制御手段57は、制御処理を実行するメイン制御CPU、該メイン制御CPUが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM、当該メイン制御CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM等が備えられている。そして、前記始動入賞検出スイッチ56a,56b、特別入賞検出スイッチ95、普通入賞検出スイッチ74a,74b、球通過検出スイッチ69A,69B等の各種スイッチが前記メイン制御手段57に接続されている。また、メイン制御手段75には、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部160A,160B、普図表示部161)が接続されて、各検出スイッチ56a,56b,69A,69Bの検出を契機としてメイン制御手段57で実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部160A,160B,161の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御手段57には、前記第2始動入賞口53bを開閉する開閉部材54に連繋する始動入賞ソレノイド55および特別入賞口85を開閉する開閉扉92に連繋する特別入賞ソレノイド93が接続されており、該メイン制御手段57での制御処理結果に基づいて各ソレノイド55,93を駆動させることで、対応する開閉部材54や開閉扉92が開閉するようになっている。
前記メイン制御手段57は、前記第1始動入賞口53aまたは第2始動入賞口53bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出スイッチ56aまたは第2始動入賞検出スイッチ56bがパチンコ球を検出したこと)を契機として特図当りか否かを判定する特図当り抽選を実行するよう設定される。ここで、前記特図当り抽選は、各始動入賞検出スイッチ56a,56bからパチンコ球の検出信号が入力された時点において、メイン制御手段57に予め設定された多数種類の乱数値(特図当り判定用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該取得した乱数値(特図当り判定用)に基づいて特図当りを発生するか否かを決定する。またメイン制御手段57は、前記第1球通過ゲート67の始動口67aまたは第2球通過ゲート80の始動口80aをパチンコ球が通過したこと(より具体的には第1球通過検出スイッチ69Aまたは第2球通過検出スイッチ69Bがパチンコ球を検出したこと)を契機として普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行するよう設定される。ここで、前記普図当り抽選は、各球通過検出スイッチ69A,69Bからパチンコ球の検出信号が入力された時点において、メイン制御手段57に予め設定された多数種類の乱数値(普図当り判定用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該取得した乱数値(普図当り判定用)に基づいて普図当りを発生するか否かを決定する。すなわち、メイン制御手段57は、第1始動入賞口53aまたは第2始動入賞口53bにパチンコ球が入賞した特定条件が成立したときに、特図当り(当り)か否かの判定を行う特図当り判定手段(当り判定手段)としての機能を有する。またメイン制御手段57は、第1球通過ゲート67の始動口67aまたは第2球通過ゲート80の始動口80aをパチンコ球が通過した特定条件が成立したときに、普図当り(当り)か否かの判定を行う普図当り判定手段(当り判定手段)としての機能を有する。
前記サブ制御手段162には、制御処理を実行するサブ制御CPU、該サブ制御CPUが実行する制御プログラムを記憶するサブ制御ROM、当該サブ制御CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なサブ制御RAM等が備えられている。前記サブ制御ROMには、前記図柄表示装置18の図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容および可動演出装置Eの具体的な動作内容を特定する演出パターンが記憶されており、サブ制御手段162は、該サブ制御手段162が決定した演出パターンで特定される演出内容を図柄表示装置18で表示するように該図柄表示装置18を制御する。すなわち、サブ制御手段162は、図柄表示装置18で実行される表示演出を制御する表示制御手段としての機能を有している。また、サブ制御手段162には、前記駆動モータ105が接続されており、該サブ制御手段162が決定した演出パターンに基づいて駆動モータ105を駆動制御することで、当該演出パターンで特定される動作を可動演出装置Eで実行し得るよう構成されている。すなわち、サブ制御手段162は、可動演出装置Eが備える駆動モータ105を駆動制御す駆動制御手段としての機能を有している。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠14の前面側に設けられた前記操作ハンドル17の操作レバー17aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤13に設けた案内レール21により画成された発射通路22を介して遊技領域13a内に打ち出される。このとき、前記操作レバー17aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域13aの第1経路30aまたは第2経路30bをパチンコ球が流下する。
(ステージ31の作用)
前記第1経路30aを流下する「左打ち」となるようパチンコ球が打ち出され、該第1経路30aを流下するパチンコ球が前記球導入部32の球入口32aに通入すると、該パチンコ球は球導入部32の通路32bを移動して球出口32bから前記ステージ31における前記第1球転動部33a上に通出される。このパチンコ球は、第1球転動部33aを左端から右端に向けて転動した後に、該第1球転動部33aを右端から左端に転動し、勢いがある程度弱くなった該パチンコ球は、前記球通過部33eから第2球転動部34aに移動する。なお、第1球転動部33aの右側の開放端は閉塞部材によって塞がれているので、球導入部32の球出口32bから通出したパチンコ球の勢いが強い場合であっても、該パチンコ球が第1球転動部33aから飛び出すのは閉塞部材で防止される。
前記第1球転動部33aから第2球転動部34aに移動するパチンコ球は、前記球通過部33eを通過する際の位置や向きによって、第2球転動部34aに設けた前記接触部38に接触したり接触しなかったりすることで、第2球転動部34a上でのパチンコ球の動きが多様になる。具体的には、前記接触部38は、図7に示す如く、球通過部33eに対して左側に偏倚して配置されているので、球通過部33eの左側に偏った位置を通過したパチンコ球の多くは、接触部38に接触し易く、該接触によって第2球転動部34aでの移動方向が変化する。これに対し、球通過部33eの右側に偏った位置を通過したパチンコ球は、接触部38に接触し難く、該接触部38より右側の球転動面の傾斜に沿って速やかに右側に移動する。但し、球通過部33eに対して左斜め前側から右斜め後側に向けて斜めに横切って通過したパチンコ球は、前記接触部38には殆ど接触することなく、そのまま接触部38より右側の第2球転動面34a上を右側に向けて移動する。これに対し、球通過部33eに対して右斜め前側から左斜め後側に向けて斜めに横切って通過したパチンコ球は、前記接触部38に略接触するようになり、該接触部38との接触によってパチンコ球の移動方向が変更される可能性が高くなる。このように、球通過部33eを通過する際のパチンコ球の勢いや通過位置によって、パチンコ球の移動方向が接触部38の接触によって変更されたり変更されない状況が発生し、ステージ31上でのパチンコ球の動きが単調とならず、遊技の興趣を向上し得る。
また、実施例の接触部38は、第1球転動部33aのパチンコ球が第2球転動部34aに移動する球通過部33eに対し、前記始動入賞装置52の真上の遊技領域13aにパチンコ球を排出する第1球通路40が設けられる左側に偏倚しており、第1球通路40側へのパチンコ球の移動が比較的難しくなるようにしているので、パチンコ球が球通過部33eを通過する位置や向き等に対する遊技者の関心を高めることができる。そして、第2球転動部34aに移動したパチンコ球が接触部38より左側の球転動面を左側に移動して第1球通路40に通入した場合は、遊技者に大きな喜びを与えることができる。更に、実施例のステージ31では、第2球転動部34aの球転動面における接触部38より右側の勾配を左側の勾配より大きく設定しているので、パチンコ球が接触部38より左側に移動するのをより難しくしているので、第2球転動部34aに移動したパチンコ球が接触部38より左側に移動した場合は、より大きな喜びを遊技者に与えることができる。また、接触部38を球通過部33eに対して左右方向の一方に偏倚させたり、接触部38を挟む左右の球転動面の勾配を異ならせることで、ステージ31に受け入れられたパチンコ球の、前記始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに対する入賞率を調節することができる。
実施例のステージ31における第2球転動部34aは、図9に示す如く、前記接触部38より左側の球転動面の長さより右側の球転動面の長さが長く、かつ勾配も大きくなっているので、接触部38の右側の球転動面を右端に向けて移動するパチンコ球の勢いが徐々に増していき、該パチンコ球が第2ステージ部材34の右端の壁に衝突して左側に跳ね返ることで、前記第2球通過口34fにスムーズに通入しなくなることが考えられる。しかし、実施例のステージ31では、第2ステージ部材34の案内壁34cにおける第2球転動部34aの傾斜下端側に複数のリブ34gを設けているので、該第2球転動部34aを移動するパチンコ球がリブ34gに接触することで勢いを弱めることができ、第2球通過口34fにパチンコ球をスムーズに通入させることができる。すなわち、複数のパチンコ球が連続して第2球転動部34aに移動して右方に移動した場合であっても、球詰りを生じさせることなくパチンコ球を第2球通過口34fに通入させ得る。
前記第2球転動部34aから第1球通過口34eを介して第1球通路40に通入したパチンコ球は、該第1球通路40を流下し、前記前面装飾部材42の通口42cから前記遊技領域13aに排出される。前記通口42cは、図2に示す如く、前記始動入賞装置52の第1始動入賞口53aの真上に位置しているので、該通口42cから遊技領域13aに排出されたパチンコ球は、高い確率で第1始動入賞口53aに入賞する。第1球通路40を流下するパチンコ球は、該第1球通路40を画成する後壁36cに設けられた長孔36dに沿って安定して移動する。また、パチンコ球を案内する手段として、該パチンコ球の一部が入り込み得る長孔36dを採用したことで、第1球通路40の前後方向の幅寸法をパチンコ球の直径より狭くしてもパチンコ球の移動を許容することが可能となる。すなわち、前記通路画成部材36の前後方向の幅寸法を小さくすることができ、前記枠状装飾体29の下部の前後方向の寸法を小さくしてスペースの有効利用を図り得るようになる。
前記第2球転動部34aから第2球通過口34fを介して第2球通路41に通入したパチンコ球は、前記第3球転動部35aに移動する。第3球転動部35aに移動したパチンコ球は、該第3球転動部35aの球転動面を左右方向に移動し、前記第1球排出部35fまたは第2球排出部35gから遊技領域13aに排出される。第2球排出部35gは、前記前面装飾部材42における始動入賞装置52の第1始動入賞口53aの鉛直上方から左方または右方に偏倚する第2切欠部42bに対応しており、第2球排出部35gで案内されて第2切欠部42bから遊技領域13aに排出されたパチンコ球は、始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞し易く難くなっている。これに対し、第1球排出部35fは、前面装飾部材42における始動入賞装置52の第1始動入賞口53aの鉛直上方に位置する第1切欠部42aに対応しており、該第1球排出部35fで案内されて第1切欠部42aから遊技領域13aに排出されたパチンコ球は、始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞し易くなっている。このように、第2球転動部34aのパチンコ球が第3球転動部35aに移動したとしても、該第3球転動部35aを移動するパチンコ球が始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに案内される場合もあり、ステージ31でのパチンコ球の動きを長く注目させることができ、遊技を飽きさせることなく楽しませ得る。
(球導入部32および第1ステージ部材33の作用)
前記枠状装飾体29に設けた前記球導入部32の球入口32aに通入することなく前記第1経路30aを流下するパチンコ球は、前記複数の遊技釘25に接触して流下方向が変更される。このとき、パチンコ球が遊技釘25に接触した際の勢いや向きによっては、該パチンコ球が上方に跳ね上がることがある。この場合に、前記球導入部32および第1ステージ部材33の規制壁33cの前面から前記前枠14の透明板14aまでの離間寸法は、パチンコ球の直径よりも小さくなるよう構成されているので(図8参照)、遊技釘25に接触して上方に跳ね上がるパチンコ球が枠状装飾体29の内側に入り込むのを防止することができる。すなわち、パチンコ球が第1球転動部33aや第2球転動部34a上で跳ねて後方に移動し、ステージ31の奥側に位置する前記可動演出装置Eとの間に入り込んだり、前記図柄表示装置18の表示部18aに当って傷付ける等の不測の事態が発生するのを防ぐことができる。
前記枠状装飾体29の内側に遊技領域13aからパチンコ球が飛び込むのを防止する第1ステージ部材33は、該枠状装飾体29の開口下端縁に位置して、前記図柄表示装置29における窓口29aに臨む表示部18aの前側に重なっていないので、該第1ステージ部材33によって表示部18aで行われる演出の視認性が低下することはない。また、第1ステージ部材33は、遊技盤10の盤面と透明板14aとの間に位置しているので、ステージ31においてパチンコ球の動きを楽しませる領域を、奥側に広げることなく確保することができる。すなわち、パチンコ球に多様な動きを付与し得る領域を確保したもとで、ステージ31の奥側に、他の遊技部品を配設するための大きなスペースを確保することができ、ステージ31の後方に大型の演出装置を配置することができ、演出効果の向上が期待し得る。
前記透明板14aに近づけた第1ステージ部材33における第1球転動部33aの前端縁には、該第1球転動部33aを移動するパチンコ球の前方移動を規制する規制壁33cが設けられているので、第1球転動部33aを移動するパチンコ球が透明板14aに接触するのを防止することができる。また、第1ステージ部材33の第1球転動部33aは、図5に示す如く、前記第2球転動部34aおよび第3球転動部35aより左右方向の長さ寸法が長く設定されているので、最も手前側に位置する第1球転動部33aにおいてパチンコ球を左右方向に長く移動させることができる。
前記球導入部32では、球入口32aと球出口32cとを接続する通路32bを遊技盤10の盤面に沿って延在するように形成すると共に、球出口32cが前記第1ステージ部材33の第1球転動部33aに直線的に接続しているので、球入口32aに通入したパチンコ球は通路32bをスムーズに移動すると共に、第1球転動部33aにもスムーズに通出される。従って、球入口32aに複数のパチンコ球が連続して通入したとしても、該球導入部32内でパチンコ球が球詰りするのを防ぐことができる。
ここで、前記枠状装飾体29の窓口(開口部)29a内に臨んで前記第1球通路40が連通する第2球転動部34には、第1ステージ部材33によって前記球入口32a以外からパチンコ球が入り込まないよう構成してあるので、ステージ31を介して前記始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞する割合を設定するのが容易となる。
(第1サイド装飾体58の作用)
前記遊技領域13aにおける第1経路30aに対応する位置に配設された前記第1サイド装飾体58は、図15に示す如く、最上部に前記第1球通過ゲート67を備えており、第1経路30aを流下するパチンコ球が第1球通過ゲート67の始動口67aを通過すると、該パチンコ球の通過を第1球通過検出スイッチ69Aが検出する。第1球通過検出スイッチ69Aから球検出信号が前記メイン制御手段57に入力されると、該メイン制御手段57は、普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行する。そして、普図当り抽選の結果が当選の場合は、メイン制御手段57は前記始動入賞ソレノイド55を駆動制御することで前記開閉部材54を開閉動作する。これにより、始動入賞装置52の第2始動入賞口53bへのパチンコ球の入賞が可能となる。
前記第1球通過ゲート57を通過したパチンコ球は、前記第1装飾品60に設けられた流路変更面60cで案内されて流下方向が右方に変更される。流路変更面60aで流下方向が変更されたパチンコ球は、前記球導入部32の球入口32aに通入したり、または遊技釘25によって流下方向が変更されつつ前記第1経路30aを流下する。第1経路30aを流下するパチンコ球が、第1サイド装飾体58の球案内面60d上に落下すると、該球案内面60dによってパチンコ球は、当該第1サイド装飾体58に設けられている前記第1普通入賞口73の配設側に向けて案内される。球案内面60dは、遊技盤13に設けられた前記下側案内連釘28の延長線上に位置しており、該球案内面60d上に到来したパチンコ球は下側案内連釘28へ向けて移動され、下側案内連釘28に設けた隙間28aを落下したパチンコ球が、前記第1普通入賞口73に入賞可能となる。これに対し、下側案内連釘28に沿って移動するパチンコ球は、前記始動入賞装置52の第2始動入賞口53bに向けて案内されて、該第2始動入賞口53bに入賞可能となる。
前記第1サイド装飾体58は、第1球通過ゲート57(始動口67a)および第1普通入賞口73を備えて一体で扱い得るよう構成されて、該第1サイド装飾体58を前記遊技盤13に形成した第3装着口23cに取り付けることで、第1球通過ゲート57(始動口67a)および第1普通入賞口73を遊技盤13に対して位置決めすることができる。すなわち、第1球通過ゲート57および第1普通入賞口73を個々に取り付けるための装着口を遊技盤13に設ける必要はなく、遊技部品を取り付けるために遊技盤13に施す加工工数を低減して製造コストを低廉に抑えることができる。また、遊技盤13に第1サイド装飾体58を取り付けるだけで、第1球通過ゲート57および第1普通入賞口73を遊技盤13に組み付けることができるので、組み付け工数を低減して遊技部品の組み立てに要する手間を軽減し得る。更に、第1サイド装飾体58は、遊技領域13aにおいて左側方に偏って内レール21bの内側に沿って配設されるものであるので、遊技領域13aの中央側に第1球通過ゲート57(始動口67a)および第1普通入賞口73の取り付け領域を確保する必要はなく、遊技盤13に枠状装飾体29として窓口29aの大きなものを配設することができる。すなわち、遊技盤13の裏側に配設される図柄表示装置18としても大型のものを採用することが可能となり、遊技の興趣向上に寄与し得る。
前記第1サイド装飾体58に、図15に示す如く、パチンコ球の流下方向を変更する流路変更面60cや球案内面60dを設けたので、遊技盤13に別途設ける遊技釘25等の流路変更部材を減らすことができ、これによって遊技部品の点数を低減して製造コストを更に低減し得る。また、球案内面60dは、第1普通入賞口73に向けてパチンコ球を案内するべく機能するので、該球案内面60dと第1普通入賞口73との関係を一定に保持することができ、遊技盤13への取り付け後の調節を不要とし得る。
(第2緩衝部材44の作用)
前記パチンコ機10において、前記操作ハンドル17の操作レバー17aを回転操作して打球発射装置によるパチンコ球の打球力を高め、前記第2経路30bに向けてパチンコ球を打ち出す「右打ち」を行うと、該右打ちに際して第2経路30bに打ち出されたパチンコ球は、前記第1緩衝部材43に当った後に前記枠状装飾体29における右側の庇部29dの第1外周面51a(図12参照)に沿って移動する。この第1外周面51aの下端に、左側から右側に向かうにつれて下方傾斜する上傾斜面47aを形成した第1案内部47が突設されているので、第1外周面51aに沿って移動するパチンコ球は、該第1案内部47の上傾斜面47aで案内されて右方に位置する前記第1緩衝部45に向けて移動し、該第1緩衝部45の傾斜上面45aに衝突する。これにより、パチンコ球は減勢される。更に、図14に示す如く、第1緩衝部45の傾斜上面45aは右側から左側に向かうにつれて下方傾斜しており、該傾斜上面45aで左方に向けて案内されたパチンコ球は、枠状装飾体29の庇部29dにおける第2外周面51bに衝突し、これによってパチンコ球は更に減勢される。
実施例のパチンコ機10では、図14に示す如く、前記第2外周面51bの下端に第2案内部48を設けると共に、第1緩衝部45の下方に第2緩衝部46を設け、更に第2案内部48の下方に第3外周面51cを設けているので、第1緩衝部45および第2外周面51bとの衝突によって減勢されたパチンコ球は、第2緩衝部46および第3外周面51cとの衝突によって更に減勢されるようになっている。すなわち、右打ちによって勢いの大きなパチンコ球が第2経路30bにおいて枠状装飾体29の庇部29dと第2緩衝部材44との間を流下する際に、パチンコ球を左右方向にジグザグに移動しつつ複数回に亘って緩衝部45,46および外周面51b,51cに衝突させて勢いを弱めることができる。そして、緩衝部45,46および外周面51b,51cに衝突したパチンコ球が減勢される(速度が遅くなる)ことで、第2緩衝部材44より下方に配設されている前記第2サイド装飾体75や第2球通過ゲート80にパチンコ球が衝突した際の衝撃を弱めることができ、該第2サイド装飾体75や第2球通過ゲート80が損傷したり故障するのを抑制し得る。
前記第2緩衝部材44の基板部44aにおける第1緩衝部45より上側の部分であって、前記枠状装飾体29の台板29bの延出端より外方に臨む前面に、上から下に向かうにつれて遊技盤13の前面から前方に変位するように傾斜する傾斜部44dを形成してある。これにより、パチンコ球が連続して第1案内部47と第1緩衝部45との間に到来した場合においても、パチンコ球を傾斜部44dによって滞らせることなくスムーズに流下させ得る。すなわち、第1案内部47と第1緩衝部45との間で球詰りを発生させることなくパチンコ球の流下する勢いを適切に低減し得る。更に、前記基板部44aの前面に、上下方向に離間して複数の段部44eを設けてあるので、パチンコ球が段部44eに接触することでも勢いを弱めることができる。
ここで、前記枠状装飾体29の庇部29dにおける第3案内部49の下方に延在する第4外周面51dの下端に第4案内部50が設けられており、第4外周面51dに沿って流下するパチンコ球が第4案内部50に接触することで、該パチンコ球の流下方向は右方に向けて変更される。図2に示す如く、第4案内部50より下方の右側に、前記第2サイド装飾体58の第1流路変更面98が位置しており、該第4案内部50で右方に向けて流下方向が変更されたパチンコ球は、該第1流路変更面98上に落下した後に、該第1流路変更面98に沿って前記第2球通過ゲート80に案内される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、緩衝部45,46および外周面51b,51cとの衝突によって勢いが弱められたパチンコ球は、第2球通過ゲート80に接触する前に第2サイド装飾体75の第1流路変更面98に衝突して減勢されるので、第2球通過ゲート80にパチンコ球が衝突した際の衝撃を更に弱めることができ、該第2球通過ゲート80が損傷したり故障するのを確実に防ぐことができる。
(第2サイド装飾体75の作用)
前記遊技領域13aにおける第2経路30bに対応する位置に配設された前記第2サイド装飾体75は、図22,図23に示す如く、上部に前記第2球通過ゲート80を備えており、第2経路30bを流下するパチンコ球が第2球通過ゲート80の始動口80aを通過すると、該パチンコ球の通過を第2球通過検出スイッチ69Bが検出する。第2球通過検出スイッチ69Bから球検出信号が前記メイン制御手段57に入力されると、該メイン制御手段57は、普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行する。そして、普図当り抽選の結果が当選の場合は、メイン制御手段57は前記始動入賞ソレノイド55を駆動制御することで前記開閉部材54を開閉動作する。これにより、始動入賞装置52の第2始動入賞口53bへのパチンコ球の入賞が可能となる。
前記第2球通過ゲート80を通過したパチンコ球は、前記第2装飾品77に設けられた第2流路変更面99で案内されて流下方向が左方に変更される。該第2流路変更面99で受けられて左方に案内されたパチンコ球は、前記案内連釘103の第1隙間103aから落下した場合は、前記第2普通入賞口88や第2アウト口89に入球可能となる。これに対し、案内連釘103の第1隙間103aから落下することなく案内連釘103上を流下するパチンコ球は、第2隙間103bから第2装飾品77の第1誘導面101に落下し、該第1誘導面101で左方に誘導されたパチンコ球が再び第2隙間103bを介して案内連釘103上に移動することがある。そして、第1誘導面101より下側の案内連釘103上を流下するパチンコ球が第3隙間103cから落下した場合は、該パチンコ球が第2装飾品77の第2誘導面102上に落下したり、前記特別入賞口85の前側を流下する。更に、特別入賞口85の前側を流下したパチンコ球は、第2装飾品77の第3流路変更面100によって左方に向けて案内されて、前記始動入賞装置52の第2始動入賞口53bへの入賞が可能となる。
前記第2サイド装飾体75は、第2球通過ゲート80(始動口80a)、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90を備えて一体で扱い得るよう構成されて、該第2サイド装飾体75を前記遊技盤13に形成した第4装着口23dに取り付けることで、第2球通過ゲート75(始動口80a)、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90を遊技盤13に対して位置決めすることができる。すなわち、第2球通過ゲート80、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90を個々に取り付けるための装着口を遊技盤13に設ける必要はなく、遊技部品を取り付けるために遊技盤13に施す加工工数を低減して製造コストを低廉に抑えることができる。また、遊技盤13に第2サイド装飾体75を取り付けるだけで、第2球通過ゲート80、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90を遊技盤13に組み付けることができるので、組み付け工数を低減して遊技部品の組み立てに要する手間を軽減し得る。更に、第2サイド装飾体75は、遊技領域13aにおいて右側方に偏って第3盤面保護部材20cの内側に沿って配設されるものであるので、遊技領域13aの中央側に第2球通過ゲート80(始動口80a)、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90の取り付け領域を確保する必要はなく、遊技盤13に枠状装飾体29として窓口29aの大きなものを配設することができる。すなわち、遊技盤13の右下隅に第2球通過ゲート80(始動口80a)、第2普通入賞口88、第2アウト口89および特別入賞装置90を纏めて配置することで、遊技盤13の中央裏側に配設される図柄表示装置18としても大型のものを採用することが可能となり、遊技の興趣向上に寄与し得る。また、「右打ち」に際してパチンコ球が打ち出される第2経路30bに配設される第2サイド装飾体75に特別入賞口85(特別入賞装置90)を設けているので、該特別入賞口85には、「右打ち」時にのみパチンコ球が入賞か可能である。すなわち、「右打ち」時におけるパチンコ球の流下速度は、「左打ち」時に較べて速いので、第2サイド装飾体75に特別入賞口85(特別入賞装置90)を設けることで、大当り遊技におけるラウンド遊技の消化速度を上げることができる。
前記第2サイド装飾体75に、パチンコ球の流下方向を変更する流路変更面98,99,100や誘導面101,102を設けたので、遊技盤13に別途設ける遊技釘25等の流路変更部材を減らすことができ、これによって遊技部品の点数を低減して製造コストを更に低減し得る。また、第1流路変更面98は、第2球通過ゲート80(始動口80a)に向けてパチンコ球を案内するべく機能し、第2流路変更面99は、第2普通入賞口88に向けてパチンコ球を案内するべく機能するので、該流路変更面98,99と始動口80aや第2普通入賞口88との関係を一定に保持することができ、遊技盤13への取り付け後の調節を不要とし得る。更に、誘導面101,102は、特別入賞装置90の特別入賞口85に向けてパチンコ球を案内するべく機能するので、該誘導面101,102と特別入賞口85との関係を一定に保持することができ、遊技盤13への取り付け後の調節を不要とし得る。
ここで、実施例では、前記遊技釘25の調節によって、第1経路30aに配設される第1サイド装飾体58に設けられる第1球通過ゲート67へのパチンコ球の通入確率が、第2経路30bに配設される第2サイド装飾体75に設けられる第2球通過ゲート80へのパチンコ球の通入確率より低くなるよう設定されている。そして、このように球通過ゲート67,80に対するパチンコ球の通入確率を異なるようにした状態において、「左打ち」の場合では、第1経路30aを流下するパチンコ球が第1球通過ゲート67を通過しなくても、該パチンコ球が前記始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞して特図当り判定が実行される可能性があり、第1球通過ゲート67へのパチンコ球の通入確率を低く設定したとしても、興趣の低下を抑制し得る。これに対し、「右打ち」の場合では、第2経路30bを流下するパチンコ球が始動入賞装置52の第1始動入賞口53aに入賞しないように設定されているので、第2球通過ゲート80をパチンコ球が通過しない限り、特図当り判定が実行される可能性はない。すなわち、第2球通過ゲート80へのパチンコ球の通入確率を高く設定して、該第2球通過ゲート80へのパチンコ球の通過によって普図当り判定を実行させ、該普図当り判定の当選によって始動入賞装置52の開閉部材54を開放することで、第2始動入賞口53bへの入賞を可能として特図当り判定を実行させ得るようにして興趣の低下を抑制し得るようになっている。
(第1および第2球通過ゲート67,80の作用)
次に、前記第1および第2球通過ゲート67,80の作用につき説明する。なお、両球通過ゲート67,80の構成は同じであるので、第1球通過ゲート67の作用についてのみ説明する。
前記第1発光装置63のゲート用発光体63c,63cを発光すると、該光は前記スイッチ保持体68におけるガイド部71b,71bの後端から入射し、該ガイド部71b,71bによりスイッチ保持体68における遊技盤10の前側に臨む部分まで導かれ、該スイッチ保持体68が明輝する。前述したように、第1球通過ゲート67は、パチンコ球の通過が第2始動入賞口53bを開放するか否かの普図当り抽選の契機となることから、該ゲート67に対する遊技者の注目度は高く、該第1球通過ゲート67における遊技盤10の前側に位置するスイッチ保持体68を明輝させることで、遊技者の関心をより高めることができる。実施例では、スイッチ保持体68に設けられて第1球通過検出スイッチ69Aの両側を後方に延在するガイド部71b,71aを介してゲート用発光体63c,63cの光を前側に導びいてスイッチ保持体68の全体を発光装飾するよう構成してあるので、スイッチ保持体68における遊技盤10の前側に臨む部分を大型化することなく該スイッチ保持体68を発光装飾して装飾性を高めることができる。また、遊技領域を狭めることもない。
前記ゲート用発光体63c,63cは、ガイド部71b,71bに対して該ガイド部71b,71bの延在方向の真後から照射するよう構成してあるので(図20参照)、スイッチ保持体68における遊技盤10の前側に臨む部分まで効果的に光を導いて該スイッチ保持体68を強く発光装飾することができる。また、ガイド部71b,71bの後端面(導光面)は、ゲート用発光体63c,63cから照射される光の照射範囲より広く設定されているので、該後端面(導光面)から内部に光を効率的に導入し得る。更に、ガイド部71b,71bに後端から入射した光は、ガイド部71b,71bにおける傾斜する外側面側で内側に向けて反射するようになっているので、ゲート用発光体63a,63aの光がスイッチ保持体68の前面に点光となって表われるのは防止される。更にまた、スイッチ保持体68の内面には光拡散加工が施されているので、ガイド部71b,71bの外側面側で反射した光が該光拡散加工によって拡散してスイッチ保持体68の全体をより効果的に明輝させることができる。
前記スイッチ保持体68の始動口67aを画成する前壁部68aおよび側壁部68b,68b(前半部70,70)の上端部には、該スイッチ保持体68に保持されている第1球通過検出スイッチ69Aにおける球通過孔69bを囲むように上側に張り出す上規制壁72を設けられているので、前記第1経路30aを流下するパチンコ球が直接第1球通過検出スイッチ69Aに衝突するのを該上規制壁72によって防ぐことができる。また、スイッチ保持体68における第1球通過検出スイッチ69Aを囲っている前壁部68aおよび側壁部68b,68b(前半部70,70)は、上規制壁72の厚み分だけ上下寸法が大きくなっているので強度が高く、第1経路30aを流下するパチンコ球がスイッチ保持体68に衝突した際の衝撃から第1球通過検出スイッチ69Aを保護し得る。更に、スイッチ保持体68は、前記第1基体59に対して側壁部68b,68bに設けた係合溝71d,71dと取付口65に設けた被係合部64c,64cとの嵌合構造によって位置決め保持されているので、パチンコ球がスイッチ保持体68に衝突した際の衝撃に対する耐性が高く、長期に亘って安定した保持状態を保つことができる。
また、前記第1球通過ゲート67では、図20に示す如く、前記第1球通過検出スイッチ69Aがスイッチ保持体68に保持された状態において、前記スイッチ本体69aの左右両側面が、スイッチ保持体68の左右両側の側壁部68b,68bの内側面に当接している。すなわち、一対の側壁部68b,68bの間にスイッチ本体69aが存在している状態では、前記第1基体59に設けた被係合部64c,64cを側壁部68b,68bの係合溝71d,71dから抜き外す側壁部68b,68bの内側への弾性変形が規制されている。従って、遊技中においてスイッチ保持体68の左右両側の側壁部68b,68bにパチンコ球が接触したり衝突したとしても、前記係合溝71d,71dと被係合部64c,64cとの嵌合が外れることはなく、第1基体59からスイッチ保持体68が脱落するのは確実に防止される。
前記第1球通過ゲート67では、図18に示す如く、前記第1基体59における取付口65の下端縁に前方に延出する逆付け防止片64d,64dを設けると共に、スイッチ保持体68に、前半部70にのみ上側に突出する前記上規制壁72を設け、逆付け防止片64d,64dと上規制壁72とが干渉しない状態でのみ、第1基体59に対してスイッチ保持体68が適正な向きで取り付けられるよう構成してある。すなわち、前記スイッチ保持体68の施されている装飾が上下逆向きとなった状態で、スイッチ保持体68が第1基体59に取り付けられてしまうのを防止し得る。また、スイッチ保持体68における前壁部68aと一方の側壁部68bとが連設される隅部内面に突部68cを突設すると共に、前記第1球通過検出スイッチ69Aのスイッチ本体69aにおける一方の角部に逆付け規制面69cを設け、突部68cと逆付け規制面69cとが整合する状態でのみ、スイッチ保持体68に対して第1球通過検出スイッチ69Aが適正な向きで取り付けられるよう構成してある。すなわち、前記第1球通過検出スイッチ69Aが上下逆向きとなった状態でスイッチ保持体68に取り付けられてしまうのを防止し得る。
前記第1球通過ゲート67では、第1基体59に対して前側から取り付けられたスイッチ保持体68に対し、第1球通過検出スイッチ69Aを第1基体59の後側から取付口65に挿入することで保持される。この状態で、第1球通過検出スイッチ69Aの後端に第1基体59に設けた係合フック66の係合爪66aが係止することで、該第1球通過検出スイッチ69Aの後方への移動は規制される(図21参照)。スイッチ保持体68に第1球通過検出スイッチ69Aが保持された状態では、該スイッチ69Aのスイッチ本体69aの両側面が、スイッチ保持体68の左右両側の側壁部68b,68bの内側面に全面的に当接すると共に、第1球通過検出スイッチ69Aにおける第1基体59から後方に延出している部分の上下面が、該第1基体59に設けた上受部64bおよび下受部64aで支持されている。すなわち、第1球通過検出スイッチ69Aは安定して保持されて、スイッチ保持体68にパチンコ球が衝突した際の衝撃等によって位置ズレするのは防止される。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、第1球転動部の後側に第2球転動部を設ける場合で説明したが、第1球転動部の前側に第2球転動部を設ける構成を採用することができ、この構成では第1球転動部の前端縁または第2球転動部の後端縁に仕切壁を設けるようにすればよい。
(2) 実施例では、球転動部が前後に2列で設けられた場合で説明したが、3列以上の球転動部を並列して設け、前後の球転動部を仕切る各仕切壁に球通過部を夫々設けると共に、該球通過部の左右方向の中央から左右方向の何れか一方側に偏倚した位置に接触部を設ける構成を採用し得る。この構成において、前後に離間して並設される仕切壁に設けられる球通過部の位置を左右方向に偏倚して設けたり、接触部を前後方向で千鳥状となる位置に設けてもよい。
(3) 接触部の形状は、球面状に限らず、角形やその他の各種形状を採用し得る。
(4) 実施例では、第2球転動部において、始動入賞装置(第1始動入賞口)への入賞確率の高い第1球通路に連通する第1球通過口側に偏倚した位置に接触部を設けたが、始動入賞装置(第1始動入賞口)への入賞確率が第1球通路に比べて低い第2球通路に連通する第2球通過口側に偏倚した位置に接触部を設ける構成を採用できる。
(5) 実施例では、接触部を挟んで左側の球転動面と右側の球転動面との勾配を、接触部が偏倚する一方側より他方側が大きくなるよう構成したが、逆であってもよい。また、接触部を挟んで左側の球転動面と右側の球転動面との勾配を同じとしてもよい。
(6) 実施例では、パチンコ球を減勢するための案内部および緩衝部を第2経路側に臨むように設けたが、第1経路側に臨むように設ける構成であってもよい。すなわち、枠状装飾体における第1経路に臨む庇部に案内部を設けると共に、該枠状装飾体における第1経路に臨む台板に第2緩衝部材を配設する構成を採用し得る。
(7) 枠状装飾体に設けられる案内部および第2緩衝部材に設けられる緩衝部の数は、実施例で示す数に限定されるものではなく、案内部および緩衝部を任意の数に設定することができる。
(8) 実施例では、緩衝部を備えた第2緩衝部材を枠状装飾体に着脱自在に配設する構成としたが、緩衝部を枠状装飾体と一体に形成してもよい。また、第2緩衝部材を枠状装飾体の庇部に対向するレール部に着脱自在に配設するようにしたり、該レール部に一体に形成する構成を採用し得る。
(9) 実施例では、第2緩衝部材の基板部における流下経路の上流側の端部を、枠状装飾体の台板の外端縁より外側に延在するよう構成したが、該基板部における流下経路の上流側の端部が、台板の外端縁と整合して外側に延在しない構成であってもよい。
(10) 実施例では、パチンコ球が前側を通る基板部の前面に、左右方向の全幅に亘って延在する段部を上下方向に離間して複数設けたが、パチンコ球との接触によって該パチンコ球を減勢可能な段部であれば、幅方向に連続するものに限らず幅方向に離間するものであってもよい。
(11) 実施例では、メイン制御手段とサブ制御手段とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御手段で行う制御をサブ制御手段で行うようにしたり、逆にサブ制御手段が行う制御をメイン制御手段で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御手段とサブ制御手段とを分けることなく1つの制御手段で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(12) 実施例では、球通過ゲートと普通入賞口とを設けた第1サイド装飾体と、球通過ゲート、普通入賞口および特別入賞装置を設けた第2サイド装飾体とを挙げたが、サイド装飾体に配設される遊技部品の組み合わせとしては、第1始動入賞口と特別入賞装置、第1始動入賞口と普通電動入賞装置(第2始動入賞口)、球通過ゲートと普通電動入賞装置(第2始動入賞口)等であってもよい。また、サイド装飾体に、球通過ゲート、第1始動入賞口および特別入賞装置を配設する構成や球通過ゲート、普通電動入賞装置(第2始動入賞口)および特別入賞装置を配設する構成を採用することができる。そして、これらの構成においては、サイド装飾体の上側から下側に球通過ゲート、第1始動入賞口および特別入賞装置の順、または球通過ゲート、普通電動入賞装置(第2始動入賞口)および特別入賞装置の順で各部品を配設し、球通過ゲートを通過したパチンコ球が第1始動入賞口、普通電動入賞装置(第2始動入賞口)、特別入賞装置の特別入賞口に入賞可能な構成を採用できる。なお、普通電動入賞装置とは、所要条件の成立を契機として駆動手段によって開閉部材が開閉作動される電動式の入賞装置である。
(13) サイド装飾体に、入賞口(始動口)と、該入賞口に入賞したパチンコ球によって機械的に開閉部材が開閉作動する機械式の入賞装置を配設する構成を採用し得る。
(14) 実施例では、遊技領域の左右両側縁部にサイド装飾体を配設した場合で説明したが、左右何れか一方にのみサイド装飾体を配設する構成であってもよい。また、サイド装飾体は、枠状装飾体の上下方向の中間位置から下側に配設されるものに限らず、枠状装飾体の上下方向の中間位置から上側に配設されるものであってもよい。
(15) 実施例では、球導入部に通入したパチンコ球を前側の第1球転動部に通出し、該第1球転動部から後側の第2球転動部へ移動したパチンコ球を第1球通路および第2球通路に振り分けるよう構成したが、前側の第1球転動部に第1球通路に連通する第1球通過口および第2球通路に連通する第2球通過口を設けると共に、球導入部に通入したパチンコ球を後側の第2球転動部に通出するようにして、該第2球転動部から前側の第1球転動部へ移動したパチンコ球を第1球通路および第2球通路に振り分ける構成を採用し得る。
(16) 実施例では、第1球転動部の後側に、該第1球転動部から移動したパチンコ球を振り分ける第2球転動部を設けた場合で説明したが、第2球転動部を省略して第1球転動部に、第1球通路に連通する第1球通過口および第2球通路に連通する第2球通過口とを設ける構成を採用することができる。
(17) 実施例の第1球転動部は、始動入賞装置の上方に位置しているので、該第1球転動部における始動入賞装置(第1始動入賞口)の真上で開口する排出口を設け、該排出口から排出されるパチンコ球が高確率で始動入賞装置(第1始動入賞口)に入賞する構成を採用し得る。
(18) 実施例では、第1球転動部の左右方向の一端部に、球導入部の球出口が側方から接続するよう構成したが、第1球転動部の左右方向の一端部に、球導入部の球出口が後方から接続する構成であってもよい。すなわち、球入口に通入して通路を通して球出口から通出するパチンコ球が第1球転動部に後側から通入し、該通入したパチンコ球が第1球転動部を左右方向に移動する構成を採用し得る。
(19) 実施例では、枠状装飾体の窓口内に遊技領域からパチンコ球が飛び込むのを防止する第1ステージ部材(乗上防止部)に、左右方向に直線的に延在する第1球転動部を設けたが、該第1球転動部を前後方向に蛇行するように構成することができる。
(20) 実施例では、第3球転動部における左右方向の中央部に、始動入賞装置(第1始動入賞口)の真上にパチンコ球を排出可能な第1球排出部を設けたが、該第1球排出部からのパチンコ球の排出を規制するよう構成し、第3球転動部からは第2球排出部のみからパチンコ球が遊技領域に排出されるように構成することができる。すなわち、第1ステージ部材(乗上防止部)によって遊技領域からのパチンコ球の飛び込みが防止される第1球転動部や第2球転動部にのみ、パチンコ球が高確率で始動入賞装置(第1始動入賞口)に入賞可能な排出経路を設け、遊技領域からパチンコ球が飛び込む可能性のある第3球転動部においては、パチンコ球が始動入賞装置(第1始動入賞口)に入賞する可能性の低い排出経路のみを設ける構成を採用可能である。
(21) 実施例では、球通過ゲートのスイッチ保持体に係合溝を設けると共に、該係合溝に嵌合する被係合部を基体に設けたが、基体に係合溝を設けると共に、スイッチ保持体に係合溝に嵌合する被係合部を設ける構成を採用し得る。
(22) 実施例では、球通過ゲートのスイッチ保持体を、基体に対して嵌合構造によって位置決め保持するよう構成したが、スイッチ保持体を基体に対して着脱自在に取り付ける取着手段は、スイッチ保持体または基体の一方に設けられた係合爪と、他方に設けられて係合爪が係脱自在に係合する係合部とで構成したものであってもよい。また、取着手段は、スイッチ保持体を基体にネジ止めする構成であってもよい。
(23) 実施例では、基体に設けた1つの取付口にスイッチ保持体の後半部(ガイド部)および球通過検出スイッチのスイッチ本体が挿通されるよう構成したが、スイッチ保持体の後半部(ガイド部)が挿通される口(貫通孔)とスイッチ本体が挿通される口(挿通口)とを基体(ベース部材)に別々に形成した構成を採用し得る。
(24) 実施例では、スイッチ保持体における導光部として機能するガイド部に、真後から発光体の光が入射するよう構成したが、該ガイド部に対して上下方向や左右方向から光を入射するように発光体を配置する構成であってもよい。この構成においては、ガイド部における光の入射部分以外の表面に光を透過しない塗料等を塗布して、入射された光を前方に導びくようにすればよい。
(25) 実施例では、スイッチ保持体に設けた開口部に通入したパチンコ球を検出する検出手段として、第2始動入賞口を開閉する普通図当り抽選の契機となる球通過検出スイッチを挙げたが、該検出手段はこれに限られるものでなく、例えば特別入賞口を開閉する特図当り抽選の契機となる始動入賞検出スイッチであってもよい。
(26) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。