以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備えている。枠体11は、パチンコ遊技機10の機体を遊技場などの島設備(遊技機設置設備)へ固定するための固定枠と、各種の部品(遊技用構成部材)を搭載する搭載枠と、を備える。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。遊技盤YBには、その前面側に、遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、演出の1つとして、図示しない発光体を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、「発光演出」と示す)を実行可能である。例えば、装飾ランプLAは、遊技盤YBや枠体11に設けられている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、「音声演出」と示す)を実行可能である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備えている。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備えている。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄及び第2特別図柄は、内部抽選(後述する当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
本実施形態において、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。本実施形態では、大当り抽選に当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、大当り遊技は、遊技者が多数の賞球を獲得し得るため、遊技者にとって極めて有利な状態である。
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備えている。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備えている。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示し、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備えている。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(後述する普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す場合がある。また、「特別ゲーム」と「普通ゲーム」と、を区別しない場合、これらを総称して「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備えている。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。なお、表示部13a〜13fは、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
パチンコ遊技機10は、画像表示部GHを有する演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、「表示演出」と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置EHは、演出を実行する演出実行手段である。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が入球可能な入球口を有する複数の入球装置を備えている。複数の入球装置は、それぞれ入球した遊技球を検知し、所定の特典を付与するようになっている。本実施形態において、複数の入球装置には、普図始動入球装置20と、特別可変入球装置30と、普通可変入球装置40と、特殊入球装置50とがある。
普図始動入球装置20は、所謂「ゲート型」の入球装置であって、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入賞)することによって普通ゲームの始動条件が成立し得るように構成されている。
普図始動入球装置20は、遊技領域YBaにおいて、演出表示装置EHの右方に位置している。普図始動入球装置20は、遊技盤YBの前面から前方に向かって突出する扁平な四角箱状のゲート部材21を有している。ゲート部材21には、上下方向に沿って貫通しており、且つ遊技球が通過可能な球通路22が形成されている。球通路22のうち、ゲート部材21において上方に向かって開口する部分は、常時、遊技球が入球可能なように遊技領域YBaに開口する第1普図始動入賞口23である。球通路22のうち、ゲート部材21において下方に向かって開口する部分は、第1普図始動入賞口23に入球した遊技球を球通路22から遊技領域YBaに排出する排出口24である。普図始動入球装置20は、球通路22を通過する遊技球を検知する第1普図始動入賞センサSE1を備える。本実施形態では、第1普図始動入賞口23に入球した遊技球が第1普図始動入賞センサSE1によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。普通ゲームの保留条件が成立することは、特典の一例である。
普図始動入球装置20は、第1普図始動入賞口23とは別の入球口を有さない。普図始動入球装置20における球通路22は、分岐部を有さない一本道の通路である。普図始動入球装置20は、遊技球の検知により特典を付与するためのセンサとして、第1普図始動入賞センサSE1とは別にセンサを有さない。このため、第1普図始動入賞口23に入球した遊技球は、全て第1普図始動入賞センサSE1によって検知された後、第1普図始動入賞センサSE1とは別のセンサによって検知されることなく、排出口24から遊技領域YBaへ排出される。即ち、普図始動入球装置20に遊技球を入球させることで、普通ゲームの保留条件を成立させるチャンスを必ず獲得できる。
特別可変入球装置30は、所謂「特別電動役物(アタッカ)」に相当する入球装置であり、遊技領域YBaを流下する遊技球が入賞することによって賞球の払い出しが行われる契機となるように構成されている。
特別可変入球装置30は、遊技領域YBaにおいて、普図始動入球装置20の下方に位置している。特別可変入球装置30には、遊技領域YBaに開口する大入賞口31と、大入賞口31に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路と、が設けられている。特別可変入球装置30は、板状の部材であって、遊技盤YBの前面と平行(略平行)となる閉状態、又は閉状態から下縁部を中心に回動することで前方に向かって突出する開状態に動作可能な特別可変部材32と、特別可変部材32を開状態又は閉状態に動作させるアクチュエータの一例である特別ソレノイドSL1を有する(図4に示す)。特別可変入球装置30は、大入賞口31に入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE2を備える(図4に示す)。特別入賞センサSE2は、特別可変入球装置30における球通路に設けられている。本実施形態では、大入賞口31に入球した遊技球が特別入賞センサSE2によって検知されると、賞球の払出条件が成立する一方、図柄変動ゲームの保留条件が成立しない。賞球の払出条件が成立することは、特典の一例である。
特別可変入球装置30は、大入賞口31とは別の入球口を有さない。特別可変入球装置30における球通路は、分岐部を有さない一本道である。特別可変入球装置30は、遊技球の検知により特典を付与するためのセンサとして、特別入賞センサSE2とは別にセンサを有さない。このため、大入賞口31に入球した遊技球は、全て特別入賞センサSE2によって検知された後、特別入賞センサSE2とは別のセンサによって検知されることなく機外に排出される。即ち、特別可変入球装置30に遊技球を入球させることで、賞球の払出条件を成立させるチャンスを必ず獲得できる。
普通可変入球装置40は、所謂「普通電動役物(電チュー)」に相当する入球装置であり、遊技領域YBaを流下する遊技球が入賞することによって、第2特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払い出しが行われる契機となるように構成されている、
普通可変入球装置40は、遊技領域YBaにおいて、特別可変入球装置30の左下方に位置している。普通可変入球装置40には、遊技領域YBaに開口する第1特定入賞口41と、第1特定入賞口41に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路と、が設けられている。普通可変入球装置40は、板状の部材であって、遊技盤YBの前面と平行(略平行)となる閉状態、又は閉状態から下縁部を中心に回動することで前方に向かって突出する開状態に動作可能な普通可変部材42と、普通可変部材42を開状態又は閉状態に動作させるアクチュエータの一例である普通ソレノイドSL2を有する(図4に示す)。普通可変入球装置40は、第1特定入賞口41に入球した遊技球を検知する第1特定入賞センサSE3を備える(図4に示す)。第1特定入賞センサSE3は、普通可変入球装置40における球通路に設けられている。本実施形態では、第1特定入賞口41に入球した遊技球が第1特定入賞センサSE3によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。第2特別ゲームの保留条件が成立することは、特典の一例である。
普通可変入球装置40は、第1特定入賞口41とは別の入球口を有さない。普通可変入球装置40における球通路は、分岐部を有さない一本道である。普通可変入球装置40は、遊技球の検知により特典を付与するためのセンサとして、第1特定入賞センサSE3とは別にセンサを有さない。このため、第1特定入賞口41に入球した遊技球は、全て第1特定入賞センサSE3によって検知された後、第1特定入賞センサSE3とは別のセンサによって検知されることなく機外に排出されるようになっている。即ち、普通可変入球装置40に遊技球を入球させることで、第2特別ゲームの保留条件を成立させるチャンスと、賞球の払出条件を成立させるチャンスとを必ず獲得できる。
次に、本実施形態に特徴的な特殊入球装置50について説明する。
特殊入球装置50は、入球口に入球した遊技球を複数の領域のうち何れかの領域に振り分けることによって、遊技球が通過した領域に応じて異なる種類の特典が付与されるように構成されている。つまり、特殊入球装置50は、入球した遊技球が通過する領域に応じて、付与される特典が変化し得る点で特徴的である。以下、詳細に説明する。
図3に示すように、特殊入球装置50は、遊技領域YBaにおいて、演出表示装置EHの左下方であって、且つ普通可変入球装置40の左方に位置している。
特殊入球装置50には、遊技球が入球可能な入球口51が形成されている。入球口51は、遊技領域YBaにおいて、演出表示装置EHの下方に開口するように形成されている。入球口51には、常時、遊技球が入球可能である。また、特殊入球装置50には、入球口51に入球した遊技球が流下する案内通路52と、当該案内通路52を流下する遊技球を受け入れる受入空間53と、が形成されている。
案内通路52は、入球口51に入球した遊技球を当該入球口51の左下方に位置する受入空間53へと案内するための通路である。案内通路52は、四角筒状の通路部材54によって区画された通路である。例えば、通路部材54は、前後方向に対向する1対の側壁、及び、遊技盤YBの面方向のうち通路部材54の延在方向と交差する方向に対向する1対の側壁の全部で4つの側壁を有する。つまり、通路部材54を構成する4つの側壁のうち、前方に配置される前側壁は、遊技盤YBの前面に沿って延在する。
通路部材54を構成する4つの側壁の内面には、突起などの部材が設けられていない。即ち、本実施形態において、案内通路52は、遊技球の流下を制限しないように構成されている。このため、案内通路52を流下する遊技球の速度は、遊技球が入球口51に入球する速度によって不定となる。
また、本実施形態において、通路部材54は、アクリル樹脂などの透明性のある材料によって形成されている。そして、通路部材54は、当該通路部材54の前記前側壁の前面と、遊技盤YBの前面とが面一(略面一)となるように遊技盤YBに埋め込まれている。即ち、パチンコ遊技機10では、案内通路52を流下する遊技球が視認可能である。
また、受入空間53は、平面視円形であって且つその直径方向における中央部分が周縁部に比して下方に下がるように湾曲した転動面55aを有するクルーン55と、当該クルーン55の周縁部から上方に向かって延びる円筒状の側壁56と、当該側壁56の上端開口を覆う天板57と、によって区画された空間として形成されている。クルーン55は、遊技盤YBによって支持されている。なお、側壁56の高さは、クルーン55の周縁部を基準としたときに、遊技球の直径よりも僅かに高い。
転動面55aは、すり鉢状又は椀状である平滑な面であって、平面視における中心Cを通過する中心線CLを含む平面で切断したと仮定したときに、中心線CLを対称軸として線対称である。本実施形態において、側壁56、及び天板57は、アクリル樹脂などの透明性のある材料によって形成されている。同様に、クルーン55は、透明性のある材料によって形成されていてもよい。
通路部材54は、当該通路部材54の前記前側壁の内面(後面)と、側壁56の内面とが面一(略面一)となるように連設されている。これにより、本実施形態において、案内通路52を流下した遊技球は、クルーン55の周縁部(周縁部付近)において、当該周縁部の接線方向に沿うように受入空間53内へと流入する。遊技球は、受入空間53内に流入すると、側壁56に沿ってクルーン55の転動面55aを転動しながら周回するとともに、徐々に転動面55aの中心Cへと向かって落下するようになっている。
また、特殊入球装置50は、受入空間53の前方に透過窓58を有する。透過窓58は、アクリル樹脂などの透明性のある材料によって形成された板状の部材である。本実施形態では、受入空間53内の遊技球が透過窓58を透過して視認可能である。特殊入球装置50は、案内通路52と遊技領域YBaとを連通する入球口として、入球口51とは別の入球口を有さない。また、案内通路52は、分岐部を有さない一本道である。このため、入球口51に入球した遊技球は、全て案内通路52を流下した後、受入空間53に受け入れられる。
クルーン55には、転動面55aに開口し、遊技球が流入可能な流入口(振分開口)として、非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61が形成されている。非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61は、何れも転動面55aにおいて上方に向かって開口しているとともに、平面視において、何れもその直径が遊技球の直径よりも僅かに大きい円形(略円形)の流入口である。
図5に示すように、平面視において、転動面55aの中心Cから、非特定入賞口59の中心C1までの距離L1と、転動面55aの中心Cから、第2特定入賞口60の中心C2までの距離L2と、転動面55aの中心Cから、第2普図始動入賞口61の中心C3までの距離L3とは、同じ(略同じ)距離である。また、非特定入賞口59の中心C1から、第2特定入賞口60の中心C2までの距離l1と、第2特定入賞口60の中心C2から、第2普図始動入賞口61の中心C3までの距離l2と、第2普図始動入賞口61の中心C3から、非特定入賞口59の中心C1までの距離l3とは、同じ(略同じ)距離である。
そして、本実施形態におけるクルーン55は、非電動部材である。ここで、非電動部材とは、不動の部材、又は電気的動力を用いない可動の部材である。本実施形態におけるクルーン55は、不動の部材である。また、上述のように案内通路52を流下する遊技球の速度は不定である。したがって、受入空間53内に流入した遊技球は、転動面55aを周回しながら中心Cに向かって落下する過程において、非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61の何れかに、それぞれ等しい確率(略等しい確率)で入球することになる。即ち、特殊入球装置50では、入球口51に入球した遊技球がクルーン55によって各流入口に振り分けられる割合が同じ(略同じ)である。
特殊入球装置50には、非特定入賞口59に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路を有する。非特定入賞口59に連通する球通路には、非特定入賞口59に入球した遊技球を検知する非特定入賞センサSE4が設けられている(図4に示す)。本実施形態では、非特定入賞口59に入球した遊技球が非特定入賞センサSE4によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。第1特別ゲームの保留条件が成立することは、特典の一例である。以下の説明では、非特定入賞センサSE4によって非特定入賞口59に入球した遊技球を検知可能な領域を第1領域と示す。第1領域は、遊技球が通過することによって第1特典が付与される通過領域である。本実施形態において、第1特典は、第1特別ゲームの保留条件が成立するという特典である。即ち、第1特典は、第1特別ゲームの実行契機を付与することである。
また、特殊入球装置50は、第2特定入賞口60に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路を有する。第2特定入賞口60に連通する球通路には、第2特定入賞口60に入球した遊技球を検知する第2特定入賞センサSE5が設けられている(図4に示す)。本実施形態では、第2特定入賞口60に入球した遊技球が第2特定入賞センサSE5によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。以下の説明では、第2特定入賞センサSE5によって第2特定入賞口60に入球した遊技球を検知可能な領域を第2領域と示す。第2領域は、遊技球が通過することによって第2特典が付与される通過領域である。本実施形態において、第2特典は、第2特別ゲームの保留条件が成立するという特典である。即ち、第2特典は、第2特別ゲームの実行契機を付与することである。
特殊入球装置50は、第2普図始動入賞口61に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路を有する。第2普図始動入賞口61に連通する球通路には、第2普図始動入賞口61に入球した遊技球を検知する第2普図始動入賞センサSE6が設けられている(図4に示す)。本実施形態では、第2普図始動入賞口61に入球した遊技球が第2普図始動入賞センサSE6によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。以下の説明では、第2普図始動入賞センサSE6によって第2普図始動入賞口61に入球した遊技球を検知可能な領域を第3領域と示す。第3領域は、遊技球が通過することによって第3特典が付与される通過領域である。本実施形態において、第3特典は、普通ゲームの保留条件が成立するという特典である。即ち、第3特典は、普通ゲームの実行契機を付与することである。
以上のように、受入空間53に受け入れられた遊技球は、クルーン55によって、第1領域、第2領域、及び第3領域の何れかに振り分けられるとともに、入球口51に入球した遊技球が通過する領域によって異なる特典が付与されるようになっている。遊技球が入球口51に入球した場合に付与される特典には、第1特典、第2特典、及び第3特典があり、第1特典、第2特典、及び第3特典は、何れも図柄変動ゲームの実行契機を付与することである。また、本実施形態では、側壁56、天板57、及び透過窓58がアクリル樹脂などの透明性のある材料によって形成されていることによって、受入空間53におけるクルーン55による遊技球の振分過程を視認可能に構成されている。クルーン55は、受入空間53内の遊技球を複数の通過領域のうち何れかの通過領域に振り分ける振分部として機能する。
パチンコ遊技機10は、入球口51の下方から普通可変入球装置40の上方に延びる補助部材71を備えている。補助部材71は、平面視長方形である板状の部材である。補助部材71は、遊技盤YBにおいて、補助部材71の上面が右下方に向かって傾斜するように設けられている。遊技球は、補助部材71の上面を流下することで、遊技領域YBaにおいて補助部材71の右下方に位置する普通可変入球装置40に向かって流下するようになっている。
本実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、センター枠Wを基準とした左方領域R1又は(及び)右方領域R2に遊技球を打ち分け、第1普図始動入賞口23、大入賞口31、第1特定入賞口41、又は入球口51へ遊技球を入球させることが可能である。具体的に言えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、「右打ち」と示す)、遊技球は、矢印Y2に示すように、右方領域R2に流下案内され易く、第1普図始動入賞口23、大入賞口31、又は第1特定入賞口41に入球する可能性が高くなるとともに、遊技球が入球口51に入球する可能性が低くなる。
また、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、「左打ち」と示す)、遊技球は、矢印Y1に示すように、左方領域R1に流下案内され易く、入球口51に入球する可能性が高くなるとともに、遊技球が第1普図始動入賞口23、又は大入賞口31に入球する可能性が低くなる。その一方で、本実施形態では、上述の補助部材71によって、第1特定入賞口41に入球する可能性が低下することを抑制している。具体的には、左方領域R1に流下案内された遊技球のうち、入球口51の側方を通過する遊技球は、入球口51の下方に位置する補助部材71に受け止められ、遊技盤YBにおいて補助部材71の右下に設けられた普通可変入球装置40の上方へと案内されることで、普通可変入球装置40に設けられた第1特定入賞口41へと入球し得るようになっている。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、内部抽選(大当り抽選)において大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)が異なる状態として、複数の確率状態を備えている。複数の確率状態には、低確率状態と、低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。高確率状態は、大当り抽選に当選する可能性が高まることから、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、第1特定入賞口41への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備えている。複数の入球率状態には、低入球率状態と、低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。高入球率状態は、第2特別ゲームの始動条件が成立し易くなることから、遊技者にとって有利な状態となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」である。低入球率状態と高入球率状態とは、遊技球の発射数に対する賞球数の割合であるベースが異なる状態であってもよい。例えば、低入球率状態は、低ベース状態であり、高入球率状態は、高ベース状態であるとよい。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(以下、普通当り確率と示す)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。
3つめの制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材42の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材42の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材42の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
また、高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの平均変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、高入球率状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。特別ゲームの平均変動時間は、単位回数の特別ゲームが実行されたと仮定したときに、単位回数の特別ゲームにおける変動時間の積算時間を、上記単位回数で除算して求めることができる。
以下の説明では、高入球率状態を「時短状態」、又はこれを略して「時短」と示す場合がある。また、低確率状態であり、且つ時短状態ではない遊技状態を「低確時短なし(通常状態)」と示し、低確率状態であり、且つ時短状態である遊技状態を「低確時短あり」と示し、高確率状態であり、且つ時短状態である遊技状態を「高確時短あり」と示す場合がある。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、高確率状態であり、且つ時短状態ではない遊技状態(高確時短なし)を備えていない。
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。例えば、複数種類の大当り図柄は、特定図柄グループと、非特定図柄グループとに分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。例えば、特定図柄グループに分類される大当り図柄と、非特定図柄グループに分類される大当り図柄とには、同じ種類の大当り遊技が定められていてもよく、異なる種類の大当り遊技が定められていてもよい。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口31を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、大入賞口31は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の終了後の遊技状態が定められていてもよい。例えば、特定図柄グループに分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、高確率状態と時短状態とを付与することが定められている。また、非特定図柄グループに分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後、低確率状態を付与することが定められている。非特定図柄グループに分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する条件、及び、次回の大当り遊技が生起される条件のうち、何れか一方の条件が成立する迄の間、時短状態を付与することが定められている。以下の説明では、特定図柄グループに分類される大当り図柄の大当りを「特定大当り」と示し、非特定図柄グループに分類される大当り図柄の大当りを「非特定大当り」と示す。
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、表示演出の1つである演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、演出表示装置EHにおいて、複数列の演出図柄を変動表示させ、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出である。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄、識別情報)であって、表示演出を多様化させるための図柄である。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の演出図柄をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。以下の説明では、演出図柄の組み合わせを単に「図柄組み合わせ」と示す。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせが導出される。例えば、大当りの図柄組み合わせは、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。
また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、はずれの図柄組み合わせが導出される。例えば、はずれの図柄組み合わせは、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。
演出ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出が実行される場合がある。リーチは、複数列のうち特定列(本実施形態では第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定列とは異なる列(本実施形態では第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。例えば、リーチ演出には、登場するキャラクタ、及び演出図柄の動作などが異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御基板80を備えている。主制御基板80は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、副制御基板90を備えている。副制御基板90と、主制御基板80とは、主制御基板80から副制御基板90へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板90は、主制御基板80から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板80について詳しく説明する。
主制御基板80は、主制御CPU80aと、主制御ROM80bと、主制御RWM80cと、乱数回路80dと、を備えている。主制御CPU80aは、主制御プログラムを実行することによって、所定の処理を行う。主制御ROM80bは、主制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。
また、主制御ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、上述した演出ゲームなど、特別ゲームの実行中に行う演出の内容(変動態様)を特定可能である。本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出可能な「リーチあり」のはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出する「リーチ無し」のはずれ変動パターンがある。
主制御RWM80cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板80は、図示しない乱数生成回路を備えており、ハードウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、主制御基板80は、主制御CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
主制御CPU80aとセンサSE1〜SE6とは、接続されている。主制御CPU80aは、センサSE1〜SE6が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU80aと、情報表示装置13(表示部13a〜13f)とは、接続されている。主制御CPU80aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU80aとソレノイドSL1,SL2とは、接続されている。主制御CPU80aは、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、可変部材32,42の動作を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板90について詳しく説明する。
副制御基板90は、副制御CPU90aと、副制御ROM90bと、副制御RWM90cと、を備えている。副制御CPU90aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。副制御ROM90bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM90bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。
副制御RWM90cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM90cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板90は、副制御CPU90aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板90は、乱数回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU90aと演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU90aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。本実施形態では、副制御CPU90aが演出表示装置EHを制御することによって、演出制御手段としての機能が実現されている。副制御CPU90aと装飾ランプLAとは、接続されている。副制御CPU90aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU90aとスピーカSPとは、接続されている。副制御CPU90aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。
次に、主制御CPU80aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU80aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理において、副制御基板90へと出力される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU80aは、非特定入賞センサSE4から検知信号を入力したか否かに基づいて、非特定入賞口59へ遊技球が入球したか否かを判定する。非特定入賞口59へ遊技球が入球した場合、主制御CPU80aは、主制御RWM80cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU80aは、第1特別保留数を1加算して更新するとともに、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が非特定入賞センサSE4によって検知されると成立する。即ち、遊技球が非特定入賞センサSE4によって検知されると第1特別ゲームの実行契機が付与される。
次に、主制御CPU80aは、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM80cに記憶させる。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる大当り乱数、大当り図柄の決定に用いる大当り図柄乱数、及び、変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM80cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
非特定入賞口59へ遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM80cに記憶させた場合、主制御CPU80aは、第1特定入賞センサSE3から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1特定入賞口41へ遊技球が入球したか否かを判定する。
第1特定入賞口41へ遊技球が入球している場合、主制御CPU80aは、主制御RWM80cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。その一方で、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU80aは、第2特別保留数を1加算して更新するとともに、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。
次に、主制御CPU80aは、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM80cに記憶させる。このとき、主制御CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM80cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
第1特定入賞口41へ遊技球が入球していない場合、及び、第1特定入賞口41への遊技球の入球に基づいて第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM80cに記憶させた場合、主制御CPU80aは、第2特定入賞センサSE5から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2特定入賞口60へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2特定入賞口60へ遊技球が入球していない場合、主制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
第2特定入賞口60へ遊技球が入球している場合、主制御CPU80aは、主制御RWM80cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。その一方で、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU80aは、第2特別保留数を1加算して更新するとともに、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。
次に、主制御CPU80aは、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM80cに記憶させる。このとき、主制御CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。その後、主制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1特定入賞センサSE3、又は第2特定入賞センサSE5によって検知されると成立する。即ち、遊技球が第1特定入賞センサSE3、又は第2特定入賞センサSE5によって検知されると第2特別ゲームの実行契機が付与される。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU80aは、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU80aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中でない場合に、特別ゲームの実行条件が成立していると判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に、特別ゲームの実行条件が成立していないと判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU80aは、第2特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU80aは、第2特別ゲームを開始させる。その一方で、第2特別保留数が0の場合、主制御CPU80aは、第1特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU80aは、第1特別ゲームを開始させる。このように、主制御CPU80aは、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。なお、第1特別保留数、及び第2特別保留数が何れも0である場合、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU80aは、第2特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU80aは、減算後の第2特別保留数を認識可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。次に、主制御CPU80aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM80cから取得する。そして、主制御CPU80aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、現在の確率状態に応じた大当り確率となるように、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。例えば、大当り抽選は、大当り乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かによって判定してもよい。また、例えば、大当り抽選は、大当り乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かによって判定してもよい。このように、本実施形態では、主制御CPU80aによって、大当り抽選を行う大当り抽選手段としての機能が実現されている。
大当り抽選において大当りに当選した場合、主制御CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、特別図柄決定抽選を行い、特別図柄の大当り図柄を決定する。主制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
大当り抽選において大当りに当選しなかった場合(はずれと判定した場合)、主制御CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU80aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。主制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又は、リーチ無しのはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU80aは、第2特別ゲームを開始させるときと同様の処理を、第1特別ゲームを対象として行う。即ち、主制御CPU80aは、第1特別保留数の減算と、大当り抽選と、当該大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理と、を行う。大当り変動処理を終了した場合、又は、はずれ変動処理を終了した場合、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理における大当り変動処理、及びはずれ変動処理で決定した特別図柄を特定可能な制御コマンド(以下、特別図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU80aは、特別ゲームの開始と、決定済みの変動パターンと、を特定可能な制御コマンド(以下、ゲーム開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
また、主制御CPU80aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、特別ゲームを開始するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。主制御CPU80aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間を計時(計測)する。主制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。また、主制御CPU80aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技を付与するための処理である。大当り遊技処理において、主制御CPU80aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、付与する大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を実行(付与)する処理を行う。
最初に、主制御CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて特別ソレノイドSL1を制御し、大入賞口31を開放させる。主制御CPU80aは、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口31を閉鎖するように特別ソレノイドSL1を制御し、ラウンド遊技を終了する。主制御CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、遊技状態処理について説明する。
遊技状態処理は、遊技状態を制御するための処理である。
主制御CPU80aは、特定大当りに基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM80cに高確フラグを記憶させる。即ち、主制御CPU80aは、高確率状態に制御する。その一方で、主制御CPU80aは、非特定大当りに基づく大当り遊技が終了すると、主制御RWM80cに高確フラグを記憶させない。即ち、主制御CPU80aは、低確率状態に制御する。また、主制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが記憶されているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
主制御CPU80aは、特定大当りに基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM80cに時短フラグを記憶させる。即ち、主制御CPU80aは、時短状態に制御する。また、主制御CPU80aは、非特定大当りに基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM80cに時短フラグを記憶させるとともに、時短状態における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU80aは、大当り遊技が開始されることなく、計数中の特別ゲームの実行回数が作動回数(例えば、100回)に達すると、時短フラグを消去する。即ち、主制御CPU80aは、作動回数の特別ゲームの終了を契機として、非時短状態に制御する。また、主制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、時短フラグが記憶されているとき、当該時短フラグを消去する。即ち、主制御CPU80aは、大当り遊技中、非時短状態に制御する。
最初に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU80aは、第1普図始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1普図始動入賞口23へ遊技球が入球したか否かを判定する。遊技球が第1普図始動入賞口23へ入球している場合、主制御CPU80aは、普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU80aは、普通図柄入力処理を終了する。その一方で、普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU80aは、普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
次に、主制御CPU80aは、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM80cに記憶させる。例えば、乱数は、普通当り抽選に用いる普通当り乱数などである。このとき、主制御CPU80aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、普通ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM80cに記憶させておくことによって、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
第1普図始動入賞口23へ遊技球が入球していない場合、及び、第1普図始動入賞口23への遊技球の入球に基づいて普通ゲームの乱数情報を主制御RWM80cに記憶させた場合、主制御CPU80aは、第2普図始動入賞センサSE6から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2普図始動入賞口61へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2普図始動入賞口61へ遊技球が入球していない場合、主制御CPU80aは、普通図柄入力処理を終了する。
その一方で、遊技球が第2普図始動入賞口61へ入球している場合、主制御CPU80aは、普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU80aは、普通図柄入力処理を終了する。その一方で、普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU80aは、普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
次に、主制御CPU80aは、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM80cに記憶させる。例えば、乱数は、普通当り抽選に用いる普通当り乱数などである。このとき、主制御CPU80aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。その後、主制御CPU80aは、普通図柄入力処理を終了する。このように、普通ゲームの保留条件は、普通保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1普図始動入賞センサSE1、又は第2普図始動入賞センサSE6によって検知されると成立する。即ち、遊技球が第1普図始動入賞センサSE1、又は第2普図始動入賞センサSE6によって検知されると普通ゲームの実行契機が付与される。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
主制御CPU80aは、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU80aは、普通当り遊技の実行中ではなく、且つ普通ゲームの実行中ではない場合に、普通ゲームの実行条件が成立していると判定する一方で、普通当り遊技の実行中、又は普通ゲームの実行中である場合に、普通ゲームの実行条件が成立していないと判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU80aは、普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、主制御CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU80aは、普通ゲームを開始させる。
普通ゲームを開始させる場合、主制御CPU80aは、普通保留数を1減算して更新する。主制御CPU80aは、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。主制御CPU80aは、普通ゲームに用いる乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM80cから取得する。主制御CPU80aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数を用いて、普通当りに当選とするか否かの普通当り抽選を行う。普通当り抽選において普通当りに当選した場合、主制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、普通当り図柄を決定する。その一方で、普通当り抽選において普通当りに当選しなかった場合、主制御CPU80aは、普通はずれ図柄を決定する。また、主制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により普通ゲームの変動時間を決定する。その後、主制御CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御CPU80aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU80aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、普通ゲームを開始するように、普通図柄表示部13eを制御する。主制御CPU80aは、決定済みの変動時間を計時する。主制御CPU80aは、決定済みの変動時間が経過すると、決定済みの普通図柄を導出するように、普通図柄表示部13eを制御する。
次に、普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技を実行(付与)するための処理である。普通当り遊技処理において、主制御CPU80aは、普通図柄開始処理で決定した普通当り図柄(即ち、普通当りの種類)に基づいて、普通当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU80aは、特定した普通当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて普通ソレノイドSL2を制御し、第1特定入賞口41を開放させる。
次に、副制御CPU90aが実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理を説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU90aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU90aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU90aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、大当り演出は、表示演出に加えて、又は代えて、音声演出、及び発光演出の少なくとも1つを含んでいてもよい。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。演出ゲーム処理において、副制御CPU90aは、ゲーム開始コマンドを入力すると、当該ゲーム開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を決定する。
副制御CPU90aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにおいて導出させる図柄組み合わせを決定する。具体的に、副制御CPU90aは、特別図柄のはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。ここで、副制御CPU90aは、リーチ演出の実行条件が成立していることによって、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させる場合には、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。なお、リーチ条件としては、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、又は代えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU90aは、リーチ演出の実行条件が成立していないことによって、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させない場合には、リーチを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
副制御CPU90aは、ゲーム開始コマンドを入力すると、各列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU90aは、演出ゲームを開始させる。副制御CPU90aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、全列の演出図柄を一旦停止表示させることによって、大当り、又は、はずれの図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、副制御CPU90aは、ゲーム終了コマンドの入力を契機に、全列の演出図柄を確定停止表示させることによって、図柄組み合わせを確定停止表示させる。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機10の作用について説明する。
図5に示すように、入球口51に入球した遊技球は、案内通路52を流下し、受入空間53へと受け入れられる。受入空間53に受け入れられた遊技球は、転動面55aを周回しながら中心Cに向かって落下する。その後、受入空間53内の遊技球は、転動面55aに開口された非特定入賞口59、第2特定入賞口60,第2普図始動入賞口61の何れかに入球する。上述したように、受入空間53に受け入れられた遊技球が各流入口に振り分けられる割合は、同じ(略同じ)である。
受入空間53に受け入れられた遊技球が非特定入賞口59に入球した場合、即ち、受入空間53に受け入れられた遊技球が第1領域を通過した場合、第1特典として、第1特別ゲームの実行契機が付与される。受入空間53に受け入れられた遊技球が第2特定入賞口60に入球した場合、即ち、受入空間53に受け入れられた遊技球が第2領域を通過した場合、第2特典として、第2特別ゲームの実行契機が付与される。受入空間53に受け入れられた遊技球が第2普図始動入賞口61に入球した場合、即ち、受入空間53に受け入れられた遊技球が第3領域を通過した場合、第3特典として、普通ゲームの実行契機が付与される。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)入球口51に入球した遊技球は、受入空間53において、遊技球が通過した際に付与される特典が異なる複数の通過領域の何れかに振り分けられる。このため、特殊入球装置50の入球口51へ遊技球が入球するか否かに興味を持たせつつ、特殊入球装置50の入球口51へ遊技球が入球した後は、当該遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかに興味を持たせることができる。したがって、遊技者の興趣を向上できる。
(2)クルーン55は、非電動部材である。例えば、クルーン55が電気的動力を用いる可動の部材(電動部材)である場合には、受入空間53内の遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかが操作される印象を与えてしまう虞がある。このような虞があるところ、本実施形態では、受入空間53内の遊技球を複数の通過領域のうち何れかの通過領域に振り分けるクルーン55が非電動部材であるため、受入空間53内の遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかを楽しませることができる。
(3)特に、本実施形態において、クルーン55は、不動の部材である。このため、受入空間53内に受け入れられた遊技球の動きにさらに注目させることができる。
(4)特殊入球装置50の入球口51に遊技球が入球した場合には、第1特別ゲームが実行されるときと、第2特別ゲームが実行されるときと、普通ゲームが実行されるときとがある。このため、特殊入球装置50の入球口51へ遊技球が入球した場合、当該遊技球が第1領域、第2領域、及び第3領域の何れの通過領域に振り分けられた場合であっても図柄変動ゲームの実行を楽しませつつ、遊技球が第1領域、第2領域、及び第3領域の何れの通過領域に振り分けられたかによって異なる図柄変動ゲームの実行を楽しませることができる。
(5)特殊入球装置50の入球口51に入球した遊技球は、受入空間53において、第1領域、第2領域、及び第3領域の何れかに振り分けられる。その後、遊技球が何れかの通過領域を通過したことを契機として、図柄変動ゲームが実行される。このため、振り分けられた通過領域によって付与される特典を異ならせることで、受入空間53に受け入れられた遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかに興味を持たせるとともに、遊技球が何れの通過領域に振り分けられた場合であっても図柄変動ゲームの実行を楽しませることができる。
(6)受入空間53内の遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかは視認可能である。このため、特殊入球装置50の入球口51へ入球した遊技球が何れの通過領域に振り分けられるかにさらに注目させることができる。
(7)第1領域と、第2領域とは、受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合に偏りが生じにくくなっている。このため、第1特別ゲームの保留条件が成立する特典と、第2特別ゲームの保留条件が成立する特典という異なる特典が偏りなく付与されることで、異なる2つの特典が付与されることを楽しませることができる。
(8)第1領域と、第3領域とは、受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合に偏りが生じにくくなっている。このため、第1特別ゲームの保留条件が成立する特典と、普通ゲームの保留条件が成立する特典という異なる特典が偏りなく付与されることで、異なる2つの特典が付与されることを楽しませることができる。
(9)第2領域と、第3領域とは、受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合に偏りが生じにくくなっている。このため、第2特別ゲームの保留条件が成立する特典と、普通ゲームの保留条件が成立する特典という異なる特典が偏りなく付与されることで、異なる2つの特典が付与されることを楽しませることができる。
(10)普通ゲームの保留条件が成立するという特典と、第2特別ゲームの保留条件が成立するという特典は、遊技領域YBaに開口する入球口のうち入球口51とは異なる入球口に入球することによっても付与され得る。その一方で、第1特別ゲームの保留条件が成立するという特典は、遊技領域YBaに開口する入球口のうち入球口51とは異なる入球口に入球することによっては付与されない。このため、第1特別ゲームの保留条件が成立するという特典の希少性や特別感を高め、当該特典が付与されることに対する期待感を向上させることができる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・転動面55aに開口する流入口の数は、任意に変更してもよい。例えば、図6に示すように、特殊入球装置50には、転動面55aに開口し、遊技球が流入可能な流入口(振分開口)として、非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61に加えて、入賞口62が設けられていてもよい。入賞口62は、転動面55aにおいて上方に向かって開口しているとともに、平面視において、その直径が非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61の直径と同じ(略同じ)である円形(略円形)の流入口であるとよい。
また、本変更例において、特殊入球装置50には、入賞口62に入球した遊技球を遊技盤YBの裏側(機外)に導く図示しない球通路と、入賞口62に入球した遊技球を検知するセンサが設けられているとよい。本変更例において、入賞口62に連通する球通路に設けられたセンサによって入賞口62に入球した遊技球を検知可能な領域が第4領域に対応する。第4領域は、遊技球が通過することによって第4特典が付与される通過領域である。例えば、第4特典は、第1特別ゲームが付与されるという特典、第2特別ゲームが付与されるという特典、普通ゲームが付与されるという特典、賞球の払出条件が成立するという特典のうち1又は複数の特典であるとよい。
また、本変更例では、平面視において、距離L1と、距離L2と、距離L3と、入賞口62の中心C4までの距離L4とが同じ(略同じ)距離である。また、距離l1と、距離l2と、第2普図始動入賞口61の中心C3から、入賞口62の中心C4までの距離l4と、入賞口62の中心C4から、非特定入賞口59の中心C1までの距離l5とは、同じ(略同じ)距離である。このように構成することで、転動面55aに開口する流入口の数が4つであっても、入球口51に入球した遊技球がクルーン55によって各流入口に振り分けられる割合が同じ(略同じ)となる。
・特殊入球装置50には、クルーン55に代えてクルーン55とは異なる振分部材を設け、当該振分部材によって入球口51に入球した遊技球を各流入口に振り分けられるようにしてもよい。例えば、図7に示すように、特殊入球装置は、クルーン55に代えて、回転が可能な平面視円形の回転体であって、当該回転体の周縁部から中心に向かって逆U字状に開口する複数の流入口が設けられた電動部材である振分部材70を備えていてもよい。振分部材70は、電気的動力によって一定速度で回転するとよい。本変更例において、案内通路52から流入した遊技球は、案内通路52と、何れかの流入口とが連通しているタイミングで流入した場合、当該流入口に入球し、案内通路52と、何れかの流入口とが連通していないタイミングで流入した場合、振分部材70の周縁部に係止し、次に案内通路52と、何れかの流入口とが連通するタイミングで、当該流入口に入球することとなる。
また、本変更例では、平面視において、各流入口は、振分部材70の周縁部において周方向に沿って等間隔(略等間隔)に形成されている。即ち、各流入口の振り分け角は、同じ(略同じ)である。このように構成することで、振分部材が電動部材であっても、入球口51に入球した遊技球が振分部材によって各流入口に振り分けられる割合が同じ(略同じ)となる。
・また、例えば、振分部材は、遊技球が接触することによって変位する部材であってもよい。即ち、振分部材は、電気的動力を用いない可動の部材であってもよい。例えば、遊技球が接触することによって変位する部材は、所謂「シーソ」や、「風車」である。このように構成する場合、受入空間53内の遊技球は、振分部材に接触することで挙動が変化するため、遊技球の挙動に興味を持たせつつ、振分部材が遊技球の接触によって変位することで、遊技球が同じ経路で振分部材と接触した場合であっても異なる挙動となるため、遊技球の挙動に多様性を与えることができる。
・特殊入球装置50における複数の通過領域には、遊技球の通過により図柄変動ゲームの実行契機とは異なる特典が付与される通過領域が存在してもよい。例えば、特殊入球装置50における複数の通過領域には、図柄変動ゲームの実行契機が付与されない一方で、賞球の払出条件が成立する通過領域があってもよい。このように構成する場合、特殊入球装置50の入球口51に遊技球が入球した場合には、図柄変動ゲームの実行契機とは異なる特典が付与されることを楽しませることができる。
・非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61は、何れも同じ大きさの流入口であったがこれに限らない。例えば、第2普図始動入賞口61は、非特定入賞口59、及び第2特定入賞口60に比して大きくてもよい。このように構成することで、受入空間53内の遊技球が第2普図始動入賞口61に振り分けられる割合を非特定入賞口59、及び第2特定入賞口60に振り分けられる割合に比して高くすることができる。また、例えば、非特定入賞口59、及び第2特定入賞口60は、第2普図始動入賞口61に比して大きくてもよい。このように構成することで、受入空間53内の遊技球が第2普図始動入賞口61に振り分けられる割合を非特定入賞口59、及び第2特定入賞口60に振り分けられる割合に比して低くすることができる。即ち、特殊入球装置50に入球した遊技球が第3領域に振り分けられる割合は、第1領域に振り分けられる割合、又は第2領域に振り分けられる割合と異なっていてもよい。
また、特殊入球装置50における複数の通過領域のうち、任意に選択された1又は複数の通過領域は、他の通過領域に比して受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合が高くてもよい。また、特殊入球装置50における複数の通過領域は、受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合がそれぞれ異なっていてもよい。このように構成する場合、受入空間53内の遊技球が振り分けられる割合が低い領域を通過したときに付与される特典の希少性や特別感を高め、当該特典が付与されることに対する期待感を向上させることができる。
・特殊入球装置50における複数の通過領域には、遊技球の通過により同じ特典が付与される通過領域が複数あってもよい。
・特殊入球装置50における複数の通過領域には、遊技球の通過により普通ゲームの保留条件が成立し得るという特典が付与される通過領域が複数あってもよい。このように構成する場合、遊技球が通過した通過領域によって、普通当りに当選した場合において開状態となる可変部材が異なっていてもよい。即ち、遊技球が通過した通過領域によって、普通当りに当選した場合において入球し易くなる入球口が異なっていてもよい。
・特別可変入球装置30における球通路は、遊技球を機外に排出するための別の通路へと連通する通路であってもよい。即ち、特別可変入球装置30には、遊技球を機外に排出するための通路が設けられていなくてもよい。
・普通可変入球装置40における球通路は、遊技球を機外に排出するための別の通路へと連通する通路であってもよい。即ち、普通可変入球装置40には、遊技球を機外に排出するための通路が設けられていなくてもよい。
・特殊入球装置50における第2普図始動入賞口61における球通路は、遊技球を機外に排出するための別の通路へと連通する通路であってもよい。また、特殊入球装置50における第2特定入賞口60における球通路は、遊技球を機外に排出するための別の通路へと連通する通路であってもよい。また、特殊入球装置50における非特定入賞口59における球通路は、遊技球を機外に排出するための別の通路へと連通する通路であってもよい。即ち、特殊入球装置50には、遊技球を機外に排出するための通路が設けられていなくてもよい。
特殊入球装置50には、クルーン55に加えて、クルーン55の下方に別のクルーンが設けられていてもよい。このように構成する場合、特殊入球装置50には、クルーン55の転動面55aに開口する流入口として、非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61に加えて、又は代えて、遊技球が流入可能な案内口と、当該案内口に入球した遊技球を前記別のクルーンに案内するための球通路とが設けられているとよい。即ち、案内口に遊技球が入球する場合、クルーン55から、次のクルーンとしての前記別のクルーンに遊技球が案内されることとなる。次のクルーンに遊技球が案内されることは、特典の一例である。また、このように構成する場合、特殊入球装置50には、前記別のクルーンには、その転動面に複数の流入口が開口しているとよく、前記別のクルーンの転動面に開口する流入口に遊技球が入球することによって付与される特典は、前のクルーンとしてのクルーン55の転動面55aに開口する流入口に遊技球が入球することによって付与される特典に比して、有利な特典であるとよい。
・特殊入球装置50には、入球口51に入球した遊技球を検知する入球センサを設けていてもよい。このように構成する場合、入球口51に入球した遊技球が入球センサによって検知されると所定の特典が付与されるようにしてもよい。所定の特典は、第1特別ゲームが付与されるという特典、第2特別ゲームが付与されるという特典、普通ゲームが付与されるという特典、賞球の払出条件が成立するという特典のうち1又は複数の特典であるとよい。
・特殊入球装置50には、クルーン55の転動面55aに開口する流入口として、非特定入賞口59、第2特定入賞口60、及び第2普図始動入賞口61に代えて、複数の流入口と、当該複数の流入口に入球した遊技球を検知することによって所定の特典を付与するためのセンサがそれぞれ設けられていてもよい。本変更例において、複数の流入口に遊技球が入球することによって付与される特典は、それぞれ異なる特典であってもよく、一部又は全部の流入口で同じ特典であってもよい。また、所定の特典は、第1特別ゲームが付与されるという特典、第2特別ゲームが付与されるという特典、普通ゲームが付与されるという特典、賞球の払出条件が成立するという特典のうち1又は複数の特典であるとよい。
・特別可変入球装置30は、遊技盤YBから前方に突出するように設けられ、上面が遊技領域YBaに開口する四角箱状の箱部材を備えていてもよい。このように構成する場合、箱部材の底面には、大入賞口31が開口し、箱部材の上端部には、箱部材の上面の開口を覆う閉状態、又は閉状態から後方に向かって遊技盤YBに埋没する開状態に動作可能な特別可変部材32が形成されているとよい。即ち、特別可変入球装置30は、所謂「スライド式」の入球装置であってもよい。
・普通可変入球装置40は、遊技盤YBから前方に突出するように設けられ、上面が遊技領域YBaに開口する四角箱状の箱部材を備えていてもよい。このように構成する場合、箱部材の底面には、第1特定入賞口41が開口し、箱部材の上端部には、箱部材の上面の開口を覆う閉状態、又は閉状態から後方に向かって遊技盤YBに埋没する開状態に動作可能な普通可変部材42が形成されているとよい。即ち、普通可変入球装置40は、所謂「スライド式」の入球装置であってもよい。
・副制御基板90をサブ統括制御基板とし、副制御基板90とは別に演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLAを専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副制御基板としてもよい。
・また、単一の基板に主制御基板80の主制御CPU80aと副制御基板90の副制御CPU90aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・各実施形態のパチンコ遊技機10を、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の特別ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記入球手段の入球口に入球した遊技球が前記第1領域に振り分けられる割合と、前記第2領域に振り分けられる割合とは、同じ又は略同じであるとよい。
(ロ)前記入球手段の入球口に入球した遊技球が前記第3領域に振り分けられる割合は、前記第1領域に振り分けられる割合、又は前記第2領域に振り分けられる割合と異なっているとよい。
(ハ)前記第3特典は、遊技状態によって、付与される特典が異なる特典であるとよい。