以下、本発明を実施するための最良の形態につき説明する。但し、あくまで最良の形態であり、本発明が適用可能なパチンコ遊技機、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等については、以下の態様に限定されるものではない。例えば、本最良形態では、従来の第2種遊技機を例にとって説明するが、特別遊技の継続条件又は開始条件として特定領域の通過を条件とする機種であれば特に限定されず、例えば従来の第1種遊技機や第3種遊技機(+複合機)も本発明の対象となり得る。更に、以下で具体的に記載した各種数値(例えば、単位遊技における入賞個数の上限値である9や10、単位遊技数である7や14等)はあくまで例示であり、これらの数値に何ら限定されるものではない。また、本最良形態における振分装置は、特別遊技時における利益付与の中心的役割を担う「大入賞口」としても機能しているが、当該大入賞口を別に設けるように構成したものも、本発明の範囲内である。
更に、以下の最良形態では、始動入賞口に入賞したことに基づく振分装置(大入賞口)の開閉動作を「第一の特別遊技」と称し、前記第一の特別遊技の際に入賞した遊技球が振分装置(大入賞口)内の特定領域を通過したことに基づく振分装置(大入賞口)の継続的な開閉動作を「第二の特別遊技」と称している。尚、第一の特別遊技と第二の特別遊技とは有機的に連結しているものであるので、実際の機種においては、両者を併せて「特別遊技」と称している。
はじめに、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機の一例を、図を参照しながら説明する。図1に示すように、該パチンコ遊技機は、外枠に対して前枠が回動可能に固定されている構成を採っている。該前枠には、遊技領域1を有する遊技盤を収容する収容枠が形成されており、この収容枠に遊技盤が保持されている。該遊技盤には、内レール及び外レールにより区画された遊技領域1が形成されており、この遊技領域1に、通常遊技時には閉状態であり、以下で説明する第一の特別遊技及び第二の特別遊技時は開状態(開閉を繰り返す状態)になる、図示しないソレノイドで駆動される振分装置60(可変入賞口や大入賞口とも称される)と、第一の特別遊技移行に係る、遊技球が流入可能な始動入賞口3a及び3bと、いずれの入賞口にも入賞しなかった打球を遊技領域1外に排出するためのアウト口20と、が設けられている。また、前枠右下には、遊技領域1へ遊技球を発射する際の発射強度を連続的又は段階的に変化させ得るハンドルを備えた遊技球発射装置10が設置されている。更に、所定の音や音声を発するスピーカ11が、上皿前面部に設けられている。以下、図2〜図6を参照しながら、本発明の特徴である振分装置60の構造等について詳述する。
まず、図2は、本最良形態に係る振分装置60の展開図であり、図3は、本最良形態に係る振分装置60の斜視図である。図示するように、振分装置60は、円形状の第一振分部61(上段)及び円形状の第二振分部62(下段)を備えている。ここで、第一振分部61は、その内部に第二振分部62を収納可能である。そして、組み立て時には、図3に示すように、これら振分部は、第一振分部61の内部で第二振分部62が重なった構造を採っている。更に、主制御装置100からの指示に基づいて、回転駆動・変速・停止を実行する駆動手段63を有している。そして、当該駆動手段63の駆動軸63aは、第二振分部62の貫通穴62aを介して、第一振分部61の裏面中央下部と嵌合し、第一振分部61を第二振分部62に対して相対的に回転させる。加えて、この振分装置60は、その上部に、通常は閉状態であるが所定条件下で開状態となる、図示しないソレノイドで駆動される可変部材64を備えている。そして、可変部材64が開状態であるときに、振分装置60内に遊技球が入球可能な入球口αが形成されることになる。以下、第一振分部61及び第二振分部62を順に詳述する。
まず、図4は、第一振分部61の上面図である。この図から分かるように、第一振分部61は、略円形のベース部61αと、その周囲を取り囲む円形の回転ステージ部61βとから構成される水平型振分体である。ここで、ベース部61αは、遊技球が入球した場合に下方に落下し得る5個の通常領域誘導確定穴61a(後述する第二振分部62の「通常領域誘導穴62b」への遊技球の誘導が確定する穴、換言すれば、「通常領域T」への遊技球の誘導が確定する穴)と、遊技球が入球した場合に下方に落下し得る特定領域誘導確定穴61b(後述する第二振分部62の二つの「特定領域誘導穴62c−1及びc−2」のいずれかへの遊技球の誘導が確定する穴、換言すれば、「特定領域A」か「特定領域B」のいずれかへの遊技球の誘導が確定する穴)とを有する、ベース部61α及びその周囲を取り囲む回転ステージ部61βとから構成される水平型振分体である。ここで、特定領域誘導確定穴61bの長さ(X)は、通常領域誘導確定穴61aのそれ(Y)よりも大きく設定されている。そして、図6に示すように、通常領域誘導確定穴61aは、ベース部61α端部でただちに下方に開口している。したがって、当該穴61aに入球した遊技球は、ただちに下方に落下する(後述するように、第二振分部62の、内壁62αと外壁62βとの間のリング状間隙に落下する)。他方、特定領域誘導確定穴61bは、ベース部61α端部では開口しておらず、より奥(円の中心により近いポイント)で下方に開口している(落下・待機部61b−1)。したがって、当該穴61bに入球した遊技球の落下場所は、前述した通常領域誘導確定穴61aのそれとは異なる(後述するように、第二振分部62の、内壁62αの内側に落下する)。次に、前述した回転ステージ61βは、図3から分かるように、内側に傾斜(バンク)した構造を採っている。この回転ステージ61βには、同じく図3から分かるように、振分装置60の上部に設けられた入球口αから入球した遊技球を導入するための導入口65aを有する導入路65が接続されている。そして、当該導入口65aを介して回転ステージ61βに導入された遊技球は、速度が大きいうちは当該回転ステージ61β上で公転し続けるが、速度が小さくなるにつれ遠心力も低下する結果、バンクの傾斜によりベース部61α側に誘導される。その結果、当該遊技球は、ベース部61αに設けられたいずれかの穴(通常領域誘導確定穴61a、特定領域誘導確定穴61b)に入球する。
ここで、遊技球が通常領域誘導確定穴61aに入球した場合には、当該遊技球に起因した特別遊技関連利益(第二段階特別遊技移行)が付与されないことが確定する。具体的には、当該遊技球は、第一振分部61の真下に配されている第二振分部62に設けられた通常領域誘導穴62bに落下する(この機構については後述する)。他方、遊技球が特定領域誘導確定穴61bに入球した場合には、当該遊技球に起因した特別遊技関連利益付与(第二段階特別遊技移行)が確定する。具体的には、当該遊技球は、第一振分部61の真下に配されている第二振分部62に設けられたいずれかの特定領域誘導穴(62c−1又は62c−2)に落下する(この機構についても後述する)。
次に、図5及び図6を参照しながら、第二振分部62の構造を説明する。ここで、図5は、第二振分部62の上面図であり、図6は、第二振分部62の斜視図(第二振分部62の上部には第一振分部61の断面図が表示)である。これら図より分かるように、第二振分部62は、底面からそそり立ち上面が開口した内外二つの円柱壁(内壁62α、外壁62β)を有する、第一振分部の真下に配された水平型振分体である。尚、内壁62α内側の底面は、内外二つの円柱壁間隙の底面よりも高く構成されている(これについては後述する)。
より詳細に説明すると、図6に示されるように、まず、外壁62β側面下部には、通常領域誘導穴62bが設けられている。そして、図5に示すように、第一振分部61の通常領域誘導確定穴61aに遊技球が入球した場合、当該遊技球は、ただちに下方に位置する第二振分部62の、内壁62αと外壁62β間の空隙(遊技球の幅よりも多少広い空隙)に落下する。そして、当該空隙の底面は、外壁側面下部に設けられた通常領域誘導穴62bに向かって傾斜しており、当該落下した遊技球は、当該底面に沿って下っていき、通常領域誘導穴62bに到達した後、当該穴をくぐり、図1に示す通常領域T(遊技球感知センサ)に到達する。そして、通常領域Tに遊技球が入球した場合には、特別遊技関連利益が付与されること無く、所定の賞球のみが払い出される。
また、図5及び図6に示すように、内壁62αの内側底面の、内壁62近傍には、二つの特定領域誘導穴62c−1及び62c−2が設けられている。そして、特定領域誘導穴62c−1は、図1に示す特定領域A(遊技球感知センサA)に誘導され、また、特定領域誘導穴62c−2は、当該穴の下方に設けられた図1に示す特定領域B(遊技球感知センサB)に誘導される。ここで、これらの特定領域で遊技球が感知されると、特別遊技関連利益(第二段階特別遊技移行)が付与されることになる。ここで、複数の特定領域誘導穴62c−1及び62c−2は、付与される特別遊技関連利益の内容が相互に異なる。具体的には、特定領域誘導穴62c−1に遊技球が入球した場合、14ラウンド継続する第二段階特別遊技への移行が確定する。他方、特定領域誘導穴62c−2に遊技球が入球した場合、7ラウンド継続する第二段階特別遊技への移行が確定する。
次に、第一振分部61と第二振分部62との位置関係と動きについて詳述する。まず、図2に示すように、第一振分部61と第二振分部62とは、共通する中心軸(駆動軸63aが中心軸として機能)を有する。ここで、第一振分部61と第二振分部62とは、前述のように、経時的に互いに相対位置が変化する。具体的には、本最良形態では、第一振分部61は、中心軸回りを自転(駆動手段63で駆動)する一方、第二振分部62は、固定された状態にある。尚、両振分部の相対位置が経時的に変化すればよいので、第一振分部61を固定し第二振分部62を回転させるように構成したり、第一振分部61と第二振分部62を異なる速度又は異なる方向で回転させるように構成してもよい。
ここで、当該中心軸回りに第一振分部61を回転させ、第一振分部61と第二振分部62の相対位置を変化させた場合、図6から分かるように、第一振分部61の通常領域誘導確定穴61aが第二振分部62上に描く円軌跡上には、前述の内壁62αと外壁62βとの間のリング状間隙が存在する。したがって、第一振分部61が第二振分部62を基準としてどのような回転位置に存在していたとしても、当該穴61aを落下した遊技球は、このリング状間隙を通り、最終的には外壁62βに形成された通常領域誘導穴62bに導かれる。
他方、第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bが第二振分部62上に描く円軌跡上には、同じく図6から分かるように、第二振分部62の二つの特定領域誘導穴62c−1及び62c−2が存在する。したがって、第一振分部61が第二振分部62を基準としてどのような回転位置に存在しているかにより、当該穴61bを落下した遊技球が特定領域誘導穴62c−1及び62c−2のいずれに誘導されるかが変わる。
ここで、図6に示すように、第二振分部62の内壁62αの内側の底面は、内壁62α及び外壁62βとの間のリング状間隙の底面よりも、底上げが施されている。したがって、第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに遊技球が入球した際、第二振分部62のいずれかの特定領域誘導穴(62c−1又は62c−2)が当該特定領域誘導確定穴61bの真下に存在しない場合には、当該遊技球は、当該特定領域誘導確定穴61bの落下・待機部61b−1で待機することになる。
次に、図7を参照しながら、パチンコ遊技機の背面側における基本構造を説明する。パチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の全体動作の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御装置(メイン基板)100と、特別遊技時のラウンド数と入球個数を表示する等の制御を実行する表示制御装置(サブ基板)200と、賞球タンク19a、賞球レール19b及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンク19aから供給される遊技球を上球皿へ払い出す払出ユニット等を備える賞球払出機構(セット基盤)19と、払出ユニットによる払出動作を制御する賞球払出制御手段(賞球制御装置)300の他、上球皿の遊技球(貯留球)を遊技領域1へ1球ずつ発射する発射装置と、発射装置の発射動作を制御する発射制御基板と、パチンコ遊技機の各部へ電力を供給する電源ユニットと、パチンコ遊技機の電源をオンオフするスイッチである電源スイッチ等が、前枠裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図8のブロック図を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の各種手段について説明する。まず、主制御装置100は、各周辺機器、即ち、第一及び第二の特別遊技の際に開状態となり得る大入賞口として機能する振分装置60、第一特別遊技の移行に係る、遊技球が入賞可能な始動入賞口3a及び3b、振分装置60内のディスプレー65での各種表示制御を司る表示制御装置200と情報伝達可能に接続している。以下、まず、主制御装置100について詳述する。
主制御装置100は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技の実行等の制御を司る特別遊技制御手段Aと、振分装置60内の第一振分部61の回転制御を司る振分部回転制御手段Bと、各種情報等を表示制御装置200側に送信するための情報送信手段170と、を有している。ここで、特別遊技制御手段Aは、所定条件下での始動入賞口3a又は3bの入賞を条件として、振分装置60の可変部材を所定回数開閉する「第一特別遊技」に関する制御を行う第一特別遊技移行判定実行手段110と、第一特別遊技時における振分装置60の特定領域(特定領域A又は特定領域B)への遊技球の流入を条件として、振分装置60の可変部材64を所定回数開閉する単位遊技を所定回数行う「第二特別遊技」に関する制御を行う第二特別遊技移行判定実行手段130と、を有している。また、振分部回転制御手段Bは、第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに入球した場合、当該遊技球を特定領域A及び特定領域Bのいずれかに振り分ける際の振分率を制御する振分率制御手段150を更に有している。
ここで、第一特別遊技移行判定実行手段110は、始動入賞口3a又は3bに遊技球が入賞したか否かを判定する始動入賞口入賞判定手段111と、第一特別遊技関連の各種フラグのオンオフ制御を行う第一特別遊技関連フラグ制御手段112と、特定領域の有効時間を管理するための時間管理手段113と、一定条件の下、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材64を所定回数(所定時間)開閉させる第一特別遊技を実行するための第一特別遊技実行手段114と、有効時間内に特定領域(特定領域A又は特定領域B)を遊技球が通過(流入)したか否かを判定する特定領域通過判定手段115とを有している。ここで、時間管理手段113は、有効時間をセット可能なデクリメントカウンタである特定領域有効タイマ113aを更に有している。
次に、第二特別遊技移行判定実行手段130は、第一特別遊技の際にいずれの特定領域(特定領域A又は特定領域B)に遊技球が流入したかに基づき、第二特別遊技の内容(具体的にラウンド数)を決定するための第二特別遊技内容決定手段136と、特別遊技中の各種パラメータの状態(例えば、ラウンド数、入賞個数、経過時間)が更新されたか否かを判定すると共に、当該各種パラメータの最新情報をメモリ131aに記録する特別遊技状態記録判定実行手段131と、第二特別遊技関連の各種フラグのオンオフ制御を行う第二特別遊技関連フラグ制御手段132と、一定条件の下、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材を所定回数(所定時間)開閉する単位遊技を実行するための第二特別遊技実行手段134と、次の単位遊技に移行するための条件を充足するか否かを判定する第二特別遊技継続判定手段135とを有している。ここで、特別遊技状態記録判定実行手段131は、特別遊技中の各種パラメータの状態(例えば、ラウンド数、入賞個数、経過時間)を一時的に記録するメモリ131aを更に有している。
次に、周辺機器の内、前述した振分装置60以外の、始動入賞口3a及び3b並びに表示制御手段200について説明する。まず、始動入賞口3a及び3bは、遊技球の入賞により信号を発生するセンサを備えている。次に、表示制御装置200は、主制御装置100側から表示に関する各種情報を受信するための情報受信手段210と、振分装置60内のディスプレー65上での各種表示に関する制御を行う表示制御手段220とを有している。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の、主制御装置100側での主な処理の流れについて説明する。まず、主制御装置100は、始動入賞口3a又は3bへの遊技球の流入に基づき、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材64を所定回数(所定時間)開閉する第一の特別遊技へ移行させるか否かの判定を行う第一の特別遊技移行判定処理300、一定条件の下、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材64を所定回数(所定時間)開閉する第一の特別遊技を実行する第一の特別遊技実行処理500、一定条件の下、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材64の開閉を所定回数(所定時間)行う第二の特別遊技を実行する第二の特別遊技実行処理700、振分装置60の第一振分部61の回転速度を制御する振分部回転制御処理800、各種入賞口への遊技球の流入に基づき賞球払出の決定処理を行う賞球払出処理900を実行する。尚、各処理は、当該処理の実行条件を充足した場合に当該処理を行い、充足しない場合は当該処理をスキップして次の処理に移行する。以下、各ステップについて詳述する。
まず、図10のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の第一の特別遊技移行判定処理300について説明する。まず、ステップ302で、第一特別遊技移行判定実行手段110は、現在特別遊技中でないか否か、具体的には、特別遊技中に発生する各種フラグ(例えば、第一の特別遊技実行フラグ、第二の特別遊技実行フラグ、第二の特別遊技継続フラグ、特定領域有効フラグ等)がオフであるか否かを判定する。ステップ302でYesの場合、ステップ304で、始動入賞口入賞判定手段111は、始動入賞口3a又は3bに入賞したか否かを判定する。ステップ304でYesの場合、ステップ306で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、第一の特別遊技実行フラグをオンにし、次の処理(第一の特別遊技実行処理500)に移行する。尚、ステップ302及びステップ304でNoの場合にも、次の処理(第一の特別遊技実行処理500)に移行する。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の第一の特別遊技実行処理500について説明する。まず、ステップ502で、第一特別遊技移行判定実行手段110は、第一の特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ502でYesの場合、ステップ504で、第一特別遊技移行判定実行手段110は、特定領域有効フラグがオフであるか否か、即ち、第一の特別遊技実行中でないか否かを判定する。ここで、ステップ504でNoの場合、以後のステップ506からステップ510をスキップしてステップ512に移行する。他方、ステップ504でYesの場合には、ステップ506で、時間管理手段113は、特定領域有効タイマ113aに所定時間をセットしタイマをスタートする。次に、ステップ508で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、特定領域有効フラグをオンにする。そして、ステップ510で、第一特別遊技実行手段114は、大入賞口として機能する振分装置60の可変部材64のソレノイドを駆動して当該可変部材64を所定回数(所定時間)開閉する{例えば、始動入賞口3aに入賞した場合には2回(0.5秒×2)、始動入賞口3bに入賞した場合には1回(0.7秒×1)}。次に、ステップ512で、特定領域通過判定手段115は、振分装置60内のいずれかの特定領域(特定領域A及び特定領域B)を遊技球が流入したか否かを判定する。ステップ512でYesの場合、ステップ514で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、第二の特別遊技内容実行フラグをオンにする。次に、ステップ530で、特定領域通過判定手段115は、通過した特定領域が特定領域Aであるか否かを判定する。ステップ530でYesの場合、ステップ532で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、Aフラグをオンにする。他方、ステップ530でNoの場合、即ち、通過した特定領域が特定領域Bである場合には、ステップ516に移行する。尚、ここで、第一特別遊技中に、振分装置60内に複数の遊技球が入球した結果、特定領域Aと特定領域Bの両方を通過する場合がある。この場合には、本最良形態では、利益状態のより高い特定領域Aの通過を優先するように構成されている。そして、ステップ516で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、第一の特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ522で、第一特別遊技関連フラグ制御手段112は、特定領域有効フラグをオフにし、次の処理(第二の特別遊技実行処理700)に移行する。
他方、ステップ512でNoの場合、ステップ524で、時間管理手段113は、特定領域有効タイマ113aにセットした残り時間が0になったか否かを判定する。ステップ524でYesの場合には、ステップ516に移行する。尚、ステップ502及びステップ524でNoの場合には、次の処理(第二の特別遊技実行処理700)に移行する。
次に、図12のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の第二の特別遊技実行処理700について説明する。まず、ステップ702で、第二特別遊技移行判定実行手段130は、第二の特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ702でYesの場合、ステップ750で、第二特別遊技内容決定手段136は、Aフラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ750でYesの場合、ステップ752及びステップ754で、第二特別遊技内容決定手段136は、Aフラグをオフにすると共に、第二特別遊技の継続ラウンド数(所定R数)として「14」をセットし、ステップ704に移行する。他方、ステップ750でNoの場合、ステップ756で、第二特別遊技内容決定手段136は、第二特別遊技の継続ラウンド数(所定R数)として「7」をセットし、ステップ704に移行する。そして、ステップ704で、特別遊技状態記録判定実行手段131は、メモリ131aをクリアして、記録されているラウンド数を「0」にする。次に、ステップ706及び708で、第二特別遊技関連フラグ制御手段132は、第二の特別遊技実行フラグをオフにすると共に第二の特別遊技継続フラグをオンにし、ステップ714に移行する。他方、ステップ702でNoの場合、ステップ710で、第二特別遊技移行判定実行手段130は、第二の特別遊技継続フラグがオンであるか否か、即ち、現在第二の特別遊技実行中であるか否かを判定する。ステップ710でYesの場合、ステップ712で、第二特別遊技移行判定実行手段130は、開閉継続フラグがオフであるか否か、即ち、現在、単位遊技と単位遊技の間の可変部材64が閉状態である状況であるか否かを判定する。ステップ712でYesの場合、ステップ714に移行する。尚、ステップ712でNoの場合は、後述のステップ720に移行する。
次に、ステップ714で、特別遊技状態記録判定実行手段131は、メモリ131aに記録されているR数に1を加算するよう更新する。次に、ステップ716で、第二特別遊技関連フラグ制御手段132は、開閉継続フラグをオンにした後、ステップ718で、第二特別遊技実行手段134は、振分装置60の可変部材64の開閉駆動を開始する。次に、ステップ728で、第二特別遊技実行手段134は、単位遊技中の入賞個数の上限値である所定球数(例えば10個)の遊技球の入賞があったか否かを判定する。ステップ728でYesの場合、ステップ732に移行する。他方、ステップ728でNoの場合、ステップ730で、第二特別遊技実行手段134は、所定回数(所定時間)開閉動作(例えば18回)を行ったか否かを判定する。そして、ステップ730でYesの場合にも、ステップ732に移行する。そして、ステップ732で、第二特別遊技実行手段134は、振分装置60の可変部材64の開閉駆動を終了する。次に、ステップ734で、第二特別遊技関連フラグ制御手段132は、開閉継続フラグをオフにする。そして、ステップ740で、第二特別遊技継続判定手段135は、ラウンド数メモリ133c及びメモリ131aを参照して、現在のラウンド数がラウンド数メモリ133cに記憶されている継続ラウンド数(所定R数)に到達したか否か、即ち、最終ラウンドであるか否かを判定する。ステップ740でYesの場合、ステップ736で、第二特別遊技関連フラグ制御手段132は、第二の特別遊技継続フラグをオフにし、次の処理(振分部回転制御処理800)に移行する(即ち、第二の特別遊技は終了)。尚、ステップ710で、ステップ730及びステップ740でNoの場合にも、次の処理(振分部回転制御処理800)に移行する。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の振分部回転制御処理800について説明する。まず、ステップ802で、振分率制御手段150は、所定条件を充足したか否かを判定する。ここで、「所定条件」とは、例えば、所定の始動口(例えば始動入賞口3a及び3b)への遊技球の入球を契機として乱数を取得し、当該乱数が当選値である場合を挙げることができる。そして、ステップ802でYesの場合、ステップ804で、振分率制御手段150は、遊技者に有利な振分率となるような回転パターンをセットする。その後、ステップ806で、振分部回転制御手段Bは、セットされた回転パターンで回転するよう駆動手段63を駆動制御し、次の処理(賞球払出処理900)に移行する。具体的には、例えば、回転方向が時計回りである場合には、図4の特定領域誘導確定穴61bが、図5のθ2部に差し掛かった際の、θ2部における回転速度を遅くする。これにより、当該確定穴61bのθ2部での滞在時間が長くなるため、当該確定穴61bに入球した場合に、利益状態が高い特定領域誘導穴62c−1(特定領域Aへの誘導穴)に入球する確率が向上する。例えば、円周角が120度であるθ2部での回転速度をθ1部及びθ3部部のそれの1/2とすることにより、第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに入球した際の、特定領域Aと特定領域Bとの振分率が同一となる。更に、例えばθ2部での回転速度をθ1部及びθ3部のそれの1/2未満とすることにより、第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに入球した際の、特定領域Aの振分率は特定領域Bのそれより大きくなる。或いは、通常時は時計回りであるが、半時計回りにするよう回転パターンをセットしてもよい。この場合、等速時における特定領域Aの振分率が2倍となる。
他方、ステップ802でNoの場合、ステップ808で、振分率制御手段150は、時計回りで等速の振分率となるような回転パターンをセットする。その後、ステップ810で、振分部回転制御手段Bは、セットされた回転パターンで回転するよう駆動手段63を駆動制御し、次の処理(賞球払出処理900)に移行する。この場合、振分率は、特定領域A:特定領域B=1:2となる。
次に、図14のタイミングチャート(+図15及び図16の作用図)を参照しながら、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機の作用を説明する。ここで、図14中、「第一振分部の円周角」は、第一振分部61及び第二振分部62の中心軸(駆動軸63a)から正面に向かう線L(図4参照)を基準(0°)とした場合における、第一振分部61の矢印部(図4参照)の回転方向に関する円周角(図4中のθ)である。「特定領域A確定ゾーン」は、このタイミング(図中の「ゾーン内」)で遊技球が第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに遊技球が入球した場合、特定領域Aへの入球が確定する領域である。「特定領域B確定ゾーン」は、このタイミング(図中の「ゾーン内」)で遊技球が第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに遊技球が入球した場合、特定領域Bへの入球が確定する領域である。また、「落下タイミング」は、当該タイミングで遊技球が、第一振分部61の通常領域確定穴61aか特定領域誘導確定穴61bのいずれかに落下したことを意味する。加えて、「第一段階特別遊技」は、オンの場合は当該特別遊技中であり、オフの場合には当該特別遊技が終了したことを意味する。最後に、「第二段階特別遊技」は、オンの場合は当該特別遊技中であり、オフの場合には当該特別遊技が終了したことを意味する。
そこで、当該タイミングチャートに従い説明すると、まず、第一段階特別遊技中に振分装置60内の通常領域確定穴に遊技球が入球した場合には、どのようなタイミングで当該穴に入球しても、第二段階特別遊技には移行しない。
次に、第一段階特別遊技中に振分装置内の特定領域誘導確定穴に遊技球が入球した場合には、遊技球が当該穴に入球するタイミングによって第二段階特別遊技の内容が異なる。まず、図中の「タイミングA」で遊技球が特定領域誘導確定穴61bに入球した場合、特定領域Aへの遊技球の入球が確定する。ここで、図15は、「タイミングA」で遊技球が第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに入球し{図15(A)}、そして、当該遊技球が第二振分部62の特定領域誘導穴62c−2に入球{図15(B)}する様子を示した図である。そして、遊技球が特定領域Aに入球したことを受け、ラウンド継続数が7ラウンドである第二特別遊技に移行する。他方、図中の「タイミングB」で遊技球が特定領域誘導確定穴61bに入球した場合、特定領域Bへの遊技球の入球が確定する。ここで、図16は、「タイミングB」で遊技球が第一振分部61の特定領域誘導確定穴61bに入球し{図16(A)}、そして、当該遊技球が第二振分部62の特定領域誘導穴62c−1に入球{図16(B)}する様子を示した図である。そして、遊技球が特定領域Bに入球したことを受け、ラウンド継続数が14ラウンドである第二特別遊技に移行する。
本最良形態によれば、第一振分部での遊技球の振り分けで特別遊技に基づく利益付与がまずは確定し、当該確定後に当該遊技球は更に第二振分部に誘導され、付与利益の異なる複数の特定領域のいずれかに機械的に振り分けられるように構成されている。即ち、利益付与の確定→利益付与内容の決定、という基本プロセスを維持しつつも、当該プロセスをハード的に実行しているので、電磁波による不正行為の標的となり難いことに加え、利益付与内容の決定プロセスが遊技者に一目瞭然であるため、不利な利益付与が継続しても遊技者を納得させることが可能になるという効果を奏する。
更に、第二振分部でどの特定領域に振分られるかを、第一振分部での特定領域誘導確定領域への遊技球の落下時における第二振分部の位置(第一振分部に対する第二振分部の相対位置)に基づき決定するように構成したので、第二振分部での振分を第一振分部でのそれと完全に独立させた場合と比較すると、振り分けのランダムさを低減させることが可能となるので、当該遊技機の出球率の算定が容易になるという効果を奏する。
更に、複数の特定領域の円周角を相互に調整(すべて同一・一部同一・すべて相違)するだけで、複数の特定領域のそれぞれへの振分率を適宜調整することが可能になるという効果を奏する。
更に、複数の特定領域への振分率を制御する特定領域振分率制御手段を更に有するように構成されているので、遊技釘を全く調整しなくとも、ホール側の営業形態に対応させた出球率を設定することができるという効果を奏する。
更に、振分部回転手段の回転速度を制御することにより振分率の変更を実行するように構成されているので、ある特定領域の振分率を変化させる際に当該特定領域の円周角を変化させる必要が無くなるという効果を奏する。
更に、第一振分部が常時一定のパターンで回転している場合でも、振分装置内に入球した遊技球が第一振分部の特定領域誘導確定穴に入った角度を見ることによって、遊技者は第二振分部のどちらの特定領域誘導穴に入るかある程度認識することができるという、遊技の流れの中に遊技者がドキドキする新たな局面を付加することが可能になるという効果を奏する。同じく、第一振分部が常時一定のパターンで回転している場合(例えば周期がT)でも、第一振分部の特定領域誘導確定穴への遊技球の入球タイミングがある期間内(0〜T1)である場合には利益状態が低く、第一振分部の特定領域誘導確定穴への遊技球の入球タイミングがある期間内(T1〜T)である場合には利益状態が高いといった具合に、時間により付加価値の高低を作ることができるという効果をも奏する。
尚、本最良形態においては、第一振分部に設けられた通常領域誘導確定穴と特定領域誘導確定穴は単なる穴であり、第二振分部に設けられた通常領域誘導穴と特定領域誘導穴も単なる穴として構成し、内部処理的に実際に振分が実行されるのは、第二振分部外に設けられた、前記通常領域誘導穴と接続している通常領域の感知センサと前記特定領域誘導穴と接続している特定領域の感知センサに感知された瞬間である。しかしながら、内部的にどこの位置で振分が確定したかということは本発明の本質ではなく、本発明は、第一振分部で「特別遊技に係る利益を付与するか否か」ということが実質的に決定され、第一振分部で特別遊技に係る利益付与が実質的に決定された場合、第二振分部で「どのような利益を付与するのか」ということが実質的に決定されることを本質とする。したがって、例えば、(1)第一振分部の「通常領域誘導確定穴」が「通常領域(感知センサ)」である形態、(2)第二振分部の「通常領域誘導穴」が「通常領域(感知センサ)」である形態、(3)第二振分部の二つの「特定領域誘導穴」が「特定領域A(感知センサA)」及び「特定領域B(感知センサB」である形態、更には、(4)第一振分部の「特定領域誘導確定穴」が「特定領域(感知センサ)」であり、更に、第二振分部における二つの「特定領域誘導穴」が「付与利益決定穴α(感知センサα)」及び「付与利益決定穴β(感知センサβ)」である形態、であってもよい。
更には、振分部の数は二個に限定されるものではなく、前述のように、ある振分部(又は複数の振分部が協同した形で)で「特別遊技に係る利益を付与するか否か」ということが実質的に決定され、それ以後の振分部(又は複数の振分部が協同した形で)で「どのような利益を付与するのか」が決定される限り、本発明の範囲内である。例えば、穴が2個(一方が当選穴)ある第一振分部で第一段階初回の振分を行い、同じく穴が2個(一方が当選穴)ある第二振分部穴で第二段階二回目の振分を行うことにより、特別遊技に係る利益付与を確定させる。その後、穴が2個(一方が当選穴)ある第三振分部で第二段階初回の振分を行い、同じく穴が2個(一方が当選穴)ある第四振分部穴で第二段階二回目の振分を行うことにより、特別遊技に係る利益の内容を決定する。このような形態も本発明に属する。
同様に、本最良形態での特別遊技に関連した付与利益は2パターン(第二特別遊技のラウンド数が7ラウンドと14ラウンド)であるがこれに限定されず、「どのような利益を付与するのか」は複数である限り何パターンであってもよい。例えば、本最良形態における第二振分部に穴を三つ設け、当該穴に入球したときに付与される利益の程度が、第一穴>第二穴>第三穴、となるように構成したものも、本発明に属する。