以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技盤に向かって見た方向を指すものとする。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)の遊技盤1について説明する。図1は遊技盤1の斜視図である。
遊技盤1は、合板やプラスチック等からなる矩形状の部材であり、表面に配設されるガイドレール(図示省略)によって略扇状の遊技領域11が区画形成される。
遊技機は、遊技者の操作に基づいて発射装置(図示省略)から遊技球を発射させ、遊技領域11内に流下させることにより遊技を行うものである。遊技者は、遊技盤1を覆うカバーガラス(図示省略)を通じて遊技領域11を視認することができる。
遊技領域11には、開口窓部21aを有するセンターケース21が配設される。センターケース21の後方には、複数の識別情報を変動表示する変動表示装置22が、その表示部22aがセンターケース21の開口窓部21aに臨む状態で配設される。
遊技盤1にはセンターケース21の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース21は、その開口に遊技盤1の前方から嵌装される。また、センターケース21の開口窓部21aは、開口窓部21aから臨む変動表示装置22の表示部22aが遊技領域11のほぼ中央に配置されるように形成されている。
変動表示装置22は、表示部22aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる表示装置である。本実施の形態では、例えば、任意の画像を表示可能な液晶表示器等で表示画面が構成され、この表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
遊技領域11におけるセンターケース21の下方でかつ遊技領域11の略中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口24が配設される。始動入賞口24は、上側に配設される第1始動入賞口24aと、第1始動入賞口24aよりも下側に配設され、普通変動入賞装置(普通電動役物)23を有するチューリップタイプの第2始動入賞口24bとを備える。
なお、第1始動入賞口24a又は第2始動入賞口24bに遊技球が入賞した場合には、特図変動表示ゲームが実行される。
始動入賞口24の左側方には、変動表示装置22の作動結果によって遊技球を受け入れない閉状態と受け入れ易い開状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)25が配設される。始動入賞口24の右側方には、特別変動入賞装置25の形状を模した装飾26が配設される。
遊技領域11におけるセンターケース21と特別変動入賞装置25との間、及びセンターケース21と装飾26との間には、普通図柄(普図)変動表示ゲームの普通図柄始動ゲート27が配設される。
遊技領域11には、この他に、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口(図示省略)、遊技球の落下方向を変える風車や釘(図示省略)等の方向変換部材、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30、及び発光により各種の装飾表示を行うランプ・LED(図示省略)が配設される。
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレールの左側部に沿って区画され遊技球を案内する発射球案内通路(図示省略)から遊技領域11に発射され、遊技領域11内の各所に配置された方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域11を流下し、一般入賞口、始動入賞口24、又は特別変動入賞装置25に入賞するか、遊技領域11の最下部に設けられたアウト口30から排出される。
一般入賞口、又は特別変動入賞装置25に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が排出装置301(図2参照)から排出される。
始動入賞口24に遊技球が入賞すると、変動表示装置22では、前述した数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。
始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされたときには大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置25は、大入賞口ソレノイド113(図2参照)への通電によって、大入賞口を開閉する特別変動入賞装置25が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れ易い開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過すると、普図表示器112(図2参照)にて普図変動表示ゲームが開始される。普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普通図柄に関する当たり状態となり、状態表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止する。このとき、第2始動入賞口24bに設けられた普通変動入賞装置23は、普通電動役物ソレノイド114(図2参照)への通電によって、第2始動入賞口24bへの入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、第2始動入賞口24bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
次に、図2を参照して遊技機の各制御装置について説明する。図2は遊技機のブロック図である。
遊技機は、遊技機で行われる遊技を統括的に制御する遊技制御装置100、各種LED基板211、液晶表示器212、及びスピーカ213を制御する演出制御装置200、遊技球を払い出す排出装置301を制御する排出制御装置300を備える。
以下では、遊技制御装置100及び演出制御装置200について説明する。
まず、遊技制御装置100について説明する。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン101、入力I/F(Interface)102、出力I/F(Interface)103、及び外部通信端子104を備える。
遊技用マイコン101は、CPU105、ROM(Read Only Memory)106、及びRAM(Random Access Memory)107を備える。
CPU105は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM106は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM107は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子104は、遊技用マイコン101の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器と遊技用マイコン101を接続する。
CPU105は、入力I/F102を介して各種入力装置(上側検出センサ47、始動口センサ24A、カウントセンサ25A、及び普通図柄始動ゲートセンサ27A)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、CPU105は、出力I/F103を介して、特図表示器111、状態表示器115、普図表示器112、大入賞口ソレノイド113、普通電動役物ソレノイド114、及び排出制御装置300等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
特図表示器111には、遊技球が始動入賞口24に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。普図表示器112には、遊技球が普通図柄始動ゲート27に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。
状態表示器115には、特図変動表示ゲームの進行状態、大当り遊技の実行ラウンド回数、及び、特賞発生の確率状態が表示される。
大入賞口ソレノイド113は、特別変動入賞装置25の大入賞口を所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
普通電動役物ソレノイド114は、始動入賞口24に設けられた普通変動入賞装置23を開放して、始動入賞口24への入口を所定の時間だけ開放させる。
遊技制御装置100は、遊技データ(特別遊技状態の発生、特図変動表示ゲーム実行、及び賞球排出数等)を、外部端子板116を介して情報収集端末装置400に出力する。
また、遊技制御装置100は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、出力I/F103を介して、演出制御装置200へ送信する。
次に、演出制御装置200について説明する。
演出制御装置200は、遊技制御装置100から入力される各種信号に基づいて、各種LED基板211、液晶表示器212、及びスピーカ213を制御する。
演出制御装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、通信I/F204、及び出力I/F205を備える。
CPU201は、遊技制御装置100からの指令に基づいて、各種演出を制御する主制御装置である。ROM202は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM203は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
演出制御装置200は、通信I/F204を介して遊技制御装置100に接続されている。
出力I/F205には、各種LED基板211、液晶表示器212、及びスピーカ213が接続される。各種LED基板211は、装飾部材の内部に設けられ、装飾部材を点灯させる。
次に、図1、図3、及び図4を参照して、センターケース21について説明する。図3はセンターケース21の前方側の斜視図であり、図4はセンターケース21の背面側の斜視図である。
センターケース21は、異形リング状の部材であり、遊技盤1に形成された開口に遊技盤1の前方から嵌装され、遊技盤1に対して固定される。センターケース21は合成樹脂にて形成される。
センターケース21の外周には、外側に向かって突設する鍔部39が形成される。センターケース21は、鍔部39を介して遊技盤1に固定され、鍔部39よりも前方側が遊技領域11内に配置されることになる。
センターケース21が遊技盤1に固定された状態では、遊技盤1には背面に変動表示装置22の表示部22aが配置された凹室40が形成される。
センターケース21には、遊技盤1に固定された状態で、遊技盤1の表面から前方に立設し遊技球を案内するガイド41が形成される。ガイド41は、センターケース21の上部中央を頂部とし、頂部から左右両側に亘って円弧状に延設された左円弧状ガイド41aと右円弧状ガイド41bからなる。
左円弧状ガイド41aと右円弧状ガイド41bの上方には、所定間隔を空けて複数の釘からなる釘群42が円弧状に植設される。釘群42におけるガイド41の頂部に対応する位置には、遊技球が1個通過可能な隙間43が形成される。したがって、隙間43を通過した遊技球は、ガイド41の頂部に落下する。隙間43の下方には、通過した遊技球を検出するための上側検出センサ47が配設される。
ガイド41の頂部には、遊技球を左円弧状ガイド41a又は右円弧状ガイド41bに振り分ける突起44が配設される。突起44の左右両側は、それぞれ左円弧状ガイド41a及び右円弧状ガイド41bに向かって傾斜して形成され、その傾斜によって隙間43を通じてガイド41に導かれた遊技球は左右に振り分けられる。振り分けられた遊技球はガイド41に沿って転動する。
センターケース21には、遊技領域11を流下する遊技球をセンターケース21の凹室40内に導くためのワープ通路45a,45bが配設される。
左円弧状ガイド41a及び右円弧状ガイド41bには、転動する遊技球をワープ通路45a,45bに導く入口部46a,46bが開口して形成される。釘群42の両端の釘42a,42bとガイド41との隙間は、遊技球が通過不能な隙間に設定される。また、入口部46a,46bは、両端の釘42a,42bよりも上流側に形成されるため、隙間43を通じてガイド41に導かれる全ての遊技球は、入口部46a,46bからワープ通路45a,45bへと流入する。
センターケース21の内側底部である凹室40の底部には、ワープ通路45a,45bから導かれた遊技球が転動可能であって、転動する遊技球を始動入賞口24が配設される遊技領域11へ流下させるためのステージ50が配設される。
ワープ通路45a,45bは、左円弧状ガイド41a及び右円弧状ガイド41bのそれぞれの内周面に沿って配設され、下流端の排出口48(図4参照)は、ステージ50の左右両端部に臨んで開口して形成される。したがって、入口部46a,46bからワープ通路45a,45bに流入した遊技球は、左円弧状ガイド41a及び右円弧状ガイド41bの内周面に沿って流下し、ステージ50へと排出される。
上側検出センサ47には一個程度の遊技球が通過可能な穴が形成されており、上側検出センサ47は、この穴を遊技球が通過したことを検出する。
釘群42の釘のうち、上側検出センサ47の穴の直上の2本の釘のうち、左側の釘を第1上側障害釘42cといい、右側の釘を第2上側障害釘42dという。第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとは、遊技球の直径よりもわずかに離間して植設されるので、第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとの間は、一個程度の遊技球が通過可能である。
第1上側障害釘42cを右側に傾斜するように調整し、第2上側障害釘42dを左側に傾斜するように調整することによって、第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとの間は狭くなるので、遊技球が第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとの間を通過し、上側検出センサ47の穴を通過する確率は、第1上側障害釘42c及び第2上側障害釘42dが傾斜せずに植設された場合よりも低くなる。
一方、第1上側障害釘42cを左側に傾斜するように調整し、第2上側障害釘42dを右側に傾斜するように調整することによって、第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとの間は広くなるので、遊技球が第1上側障害釘42cと第2上側障害釘42dとの間を通過し、上側検出センサ47の穴471を通過する確率は、第1上側障害釘42c及び第2上側障害釘42dが傾斜せずに植設された場合よりも高くなる。
すなわち、上側障害釘42c,42dを植設することによって、上側障害釘42c,42dの傾斜(植設角度)を調整することによって、上側検出センサ47を通過する確率を調整することが可能となる。
また、第2始動入賞口24bの上側に位置する第1始動入賞口24aの入口を形成する穴241の直上には、始動口障害釘130(左側の始動口障害釘130を第1始動口障害釘130Aといい、右側の始動口障害釘130を第2始動口障害釘130Bという)が植設される。
第1始動入賞口24aの入口となる穴を区画形成する左側壁の鉛直上方に第1始動口障害釘130Aが植設され、第1始動入賞口24aの入口となる穴を区画形成する右側壁の鉛直上方に第2始動口障害釘130Bが植設される。第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとは、遊技球の直径よりもわずかに離間して植設されるので、第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとの間は、一個程度の遊技球が通過可能である。
第1始動口障害釘130Aを右側に傾斜するように調整し、第2始動口障害釘130Bを左側に傾斜するように調整することによって、第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとの間は狭くなるので、遊技球が第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとの間を通過し、第1始動入賞口24に入賞する確率は、第1始動口障害釘130A及び第2始動口障害釘130Bが傾斜せずに植設された場合よりも低くなる。
一方、第1始動口障害釘130Aを左側に傾斜するように調整し、第2始動口障害釘130Bを右側に傾斜するように調整することによって、第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとの間は広くなるので、遊技球が第1始動口障害釘130Aと第2始動口障害釘130Bとの間を通過し、上第1始動入賞口24に入賞する確率は、第1始動口障害釘130A及び第2始動口障害釘130Bが傾斜せずに植設された場合よりも高くなる。
すなわち、始動口障害釘130を植設することによって、始動口障害釘130の傾斜を調整することによって、第1始動入賞口24に入賞する確率を調整することが可能となる。
次に、主に図1,及び図3〜図5を参照して、ステージ50について説明する。図5はセンターケース21の断面図である。
ステージ50は、センターケース21の内側底部に左右方向に延設され、かつ中央の最低部が始動入賞口24の直上方となるように配設される。ステージ50は、左右両側が高く中央部が低い円弧状に形成される。つまり、両側から中央部に向かって緩やかに下り傾斜して形成される。なお、ステージ50は、透明な合成樹脂にて形成される。
ステージ50は、奥側に配置され左右方向に延設された第1ステージ部51と、手前側に配置され左右方向に延設された第2ステージ部52とを備える。第1ステージ部51と第2ステージ部52は、左右方向に平行に配設され、両者の境界には、互いの行き来を規制する区画壁53が配設される。
ワープ通路45a,45bの排出口48(図4参照)は、第1ステージ部51の左右両端部に対峙して開口しているため、排出口48から排出された遊技球は、第1ステージ部51に流入し、第1ステージ部51の中央部に向かって転動する。
第1ステージ部51の中央の最低部には、遊技球をステージ50の下方に配設された下段ステージ55へと導く誘導口56が開口して形成される。
下段ステージ55は、ステージ50と同様に円弧状に形成され、ステージ50の下面と所定の間隔を空けステージ50に沿って形成される。下段ステージ55は、前方に向かって、つまり遊技領域11に向かって緩やかに下り傾斜して形成され、前端部は、左右全体に亘って遊技領域11に開口する。したがって、下段ステージ55を転動する遊技球は、遊技領域11へと流下する。
下段ステージ55の中央の最低部には、上方に向かって隆起した隆起部57が形成される。つまり、隆起部57は、始動入賞口24の直上方に形成される。
隆起部57は、頂部57aから左右それぞれに下り傾斜した傾斜部57bを有し、頂部57aは、下段ステージ55の短手方向に延在し、かつ第1ステージ部51の誘導口56の直下方に位置する(図5参照)。
したがって、第1ステージ部51の誘導口56に流入し、下段ステージ55に導かれた遊技球は、隆起部57の頂部57aに当接して左右方向に振り分けられ、傾斜部57bを下り下段ステージ55の前方への下り傾斜によって遊技領域11へと流下する。隆起部57は、始動入賞口24の直上方に形成されるため、下段ステージ55から遊技領域11へと流下する遊技球が始動入賞口24へと入賞する可能性は低い。このように、第1ステージ部51の誘導口56に流入し、下段ステージ55に導かれるルートは、遊技者にとって不利なルートであり、第1ステージ部51の誘導口56が第1誘導路に該当する。
第2ステージ部52は、区画壁53によって第1ステージ部51と区切られているため、第1ステージ部51を転動する遊技球が第2ステージ部52へと転動して流入することはない。第1ステージ部51を転動する遊技球の一部は、後述する電磁石60の作用によって第2ステージ部52へと誘導される。
第2ステージ部52は、前方に向かって、つまり遊技領域11に向かって緩やかに下り傾斜して形成される。第2ステージ部52の前端部には、転動する遊技球の遊技領域11への落下を防止するためのガイド壁58が左右全体に亘って配設される。
ガイド壁58には、部分的に切り欠かれた切欠部58aが形成され、この切欠部58aによって第2ステージ部52は遊技領域11に開口する。
切欠部58aは、第2ステージ部52の中央の最低部に位置する。したがって、第2ステージ部52を転動する遊技球は、左右方向に往復転動し、次第に往復転動の振幅が小さくなり、最終的には全ての遊技球が切欠部58aを通じて遊技領域11に排出される。このように、第2ステージ部52は、遊技球を遊技領域11へと流下させるためのものである。
ガイド壁58の切欠部58aは、始動入賞口24の直上方に形成される。このため、切欠部58aを通じて遊技領域11に排出される遊技球は、始動入賞口24に向かって流下し、始動入賞口24に誘導されるため、始動入賞口24に入賞する可能性が高くなる。このように、第2ステージ部52から遊技領域11に排出されるルートは、遊技者にとって有利なルートであり、第2ステージ部52の切欠部58aが第2誘導路に該当する。
次に、主に、図1〜図4、及び図6〜8を参照して、第1ステージ部51を転動する遊技球を第2ステージ部52へと誘導する電磁石60について説明する。図6は電磁石ユニットの分解斜視図であり、図7及び図8は電磁石60周辺の断面図である。
図1,図3,及び図4に示すように、電磁石60は、区画壁53に沿ってステージ50の上方に配設されるロッド61に、所定の間隔を空けて複数個支持される。本実施の形態では、電磁石60は、ステージ50の最低部に対峙して支持される電磁石60C、及び電磁石60Cの左右それぞれに支持される電磁石60L,電磁石60Rの3個である。
図6に示すように、電磁石60は、ロッド61に支持されるリング状の支持部60aと、励磁によって磁力を発生する磁石部60bとを備え、各磁石部60bが同方向を向くようにしてロッド61に支持される。支持部60aは、ロッド61に対して相対回転不能となるように内周形状がD形状に形成される。
ロッド61は、両端部がセンターケース21の内周面の左右両側に回転自在に支持される。
ロッド61の一端部には、連結部材62を介してモータ63の出力軸63aが連結される。これにより、モータ63が回転することによって、ロッド61が回転する。
モータ63は、フランジ部63bを介してセンターケース21の内部に締結固定される。
ロッド61は、円筒状の複数の分割ロッド61a〜61dからなる。隣り合う分割ロッド61a〜61dの対向する端部は、外周形状がD形状に形成され、電磁石60の支持部60aに挿入される。このように、電磁石60は、分割ロッド61a〜61dに対して回り止め構造を介して支持されるため、ロッド61に対して相対回転不能となり、ロッド61と一体に回転する。
ロッド61には、電磁石60に通電するための導線64が挿通している。導線64は、各電磁石60C、60L,60Rに対して別個に接続され、各電磁石60C、60L,60Rへの通電、通電停止は、別個に行うことができる。
図2に示すように、各電磁石60C、60L,60Rは、導線64を介して遊技制御装置100に接続され、遊技制御装置100から送信される通電指令、又は通電停止指令によって、励磁と消磁が切り替えられる。各電磁石60C、60L,60Rの励磁と消磁は、それぞれの電磁石60C、60L,60Rにて別個に切り替えることができる。
電磁石60は、励磁状態である場合には磁力を発生するため、ステージ50を転動する遊技球は磁力によって電磁石60に吊り上げられ吸着する。また、電磁石60が消磁状態である場合には磁力を発生しないため、ステージ50を転動する遊技球は電磁石60に吸着することはない。また、磁力によって遊技球が電磁石60に吸着した状態で、電磁石60が励磁状態から消磁状態へと変化した場合には、吸着していた遊技球は落下する。
ロッド61の他端部には、センターケース21の内部に配設された光センサである位置検出センサ65(図4参照)の通光、遮光を行う遮光板66が、ロッド61と相対回転不能に結合される。
位置検出センサ65は、コの字形状に形成され、一方の凸部が発光部であり、他方の凸部が受光部である。
遮光板66は、位置検出センサ65の凹部を相通可能な扇状の遮光部66aを有する。
図2に示すように、位置検出センサ65の検出結果は、遊技制御装置100に出力され、遊技制御装置100は、位置検出センサ65の検出結果を基にモータ63に対して指令信号を出力しその動作を制御する。
具体的には、位置検出センサ65が遮光状態では、遊技制御装置100からモータ63に対して動作指令が出力される。モータ63が所定角度回転するのに伴って、遮光板66の遮光部66aが位置検出センサ65の凹部を通過し、位置検出センサ65が通光状態となった場合には、遊技制御装置100からモータ63に対して停止指令が出力され、モータ63は停止する。モータ63が停止し所定時間経過後、遊技制御装置100からモータ63に対して逆回転の動作指令が出力され、モータ63は逆回転し再び位置検出センサ65が遮光状態となる。そして、モータ63が逆向きに所定角度回転するのに伴って、遮光板66の遮光部66aが位置検出センサ65の凹部を通過し、位置検出センサ65が通光状態となった場合には、遊技制御装置100からモータ63に対して停止指令が出力され、モータ63は停止する。そして、モータ63が停止し所定時間経過後、遊技制御装置100からモータ63に対して逆回転の動作指令が出力される。
このように、位置検出センサ65の通光、遮光によって、モータ63は、正転、停止、逆転、停止、正転というように起動と停止を繰り返す。
これにより、ロッド61は、軸心を中心に所定角度の範囲で往復回転し、これに伴い、ロッド61に支持された電磁石60もロッド61を回転軸として前後方向に揺動運動する。具体的には、電磁石60は、鉛直下方を中心として前後約50度の範囲で揺動運動する。
電磁石60は、区画壁53の上方に配設されるため、図7及び図8に示すように、区画壁53を中心に第1ステージ部51と前記第2ステージ部52に亘って揺動することになる。図7は、電磁石60Lを通る断面の断面図であり、先端に遊技球Pが吸着した電磁石60Lが前方に向かって揺動し、第2ステージ部52の上方に位置する状態の図である。また、図8は、電磁石60Cを通る断面の断面図であり、先端に遊技球Pが吸着した電磁石60Cが後方に向かって揺動し、第1ステージ部51の上方に位置する状態の図である。
なお、各電磁石60C、60L,60Rは、ロッド61に対して相対回転不能に連結され同期して揺動するため、各電磁石60C、60L,60Rが1往復する周期は同じとなる。
次に、図9を参照して、電磁石60の動作及びステージ50上の遊技球の動きについて説明する。図9は、位置検出センサ65から遊技制御装置100へ入力される信号、及び遊技制御装置100からモータ63及び電磁石60へ出力される信号のタイミングチャートである。なお、以下において、電磁石60を前方に向かって揺動させるモータ63の回転を「前転」、電磁石60を後方に向かって揺動させるモータ63の回転を「後転」と称する。
電磁石60が第2ステージ部52上方の最前部にて停止した状態では、電磁石60C,60L,60Rは、全て通電停止状態であり、消磁状態となる。電磁石60は、最前部にて所定時間停止後、モータ63の後転によって、後方に向かって移動を開始する。電磁石60は、第2ステージ部52上方から区画壁53を跨ぎ第1ステージ部51上方へと移動し、第1ステージ部51上方の最後部にて停止した状態となる。この間、電磁石60C,60L,60Rは、全て通電停止状態であり、消磁状態を維持する。このため、電磁石60が第2ステージ部52上方の最前部から第1ステージ部51上方の最後部まで移動するまでの間、ワープ通路45a,45bから第1ステージ部51に流入した遊技球は、各電磁石60C,60L,60Rに吊り上げられることなく、第1ステージ部51を左右方向に往復転動し、次第に往復転動の振幅が次第に小さくなり、最終的には中央の誘導口56から下段ステージ55に導かれる。そして、隆起部57の頂部57aに当接して傾斜部57bを下り遊技領域11へと排出される。このように、第1ステージ部51を転動し、電磁石60に吊り上げられない遊技球は、始動入賞口24へ入賞する可能性が低い。
電磁石60は、最後部にて停止している間、消磁状態を維持する。そして、所定時間停止後、モータ63が前転へと切り替わる。このモータ63の前転への切り替え直後、電磁石60C,60L,60Rは、全て通電状態となり、励磁状態となる。電磁石60C,60L,60Rは、前方に向かって移動を開始し、励磁状態を維持したまま第1ステージ部51上方を移動する。また、電磁石60C,60L,60Rは、区画壁53に沿って設けられているため、電磁石60C,60L,60Rが第1ステージ部51上方を前方に向かって移動している間、第1ステージ部51には左右方向全体に亘って磁力が発生する。したがって、この間、ワープ通路45から第1ステージ部51に流入し、第1ステージ部51を左右方向に転動している全ての遊技球に対して磁力が作用する。これにより、第1ステージ部51を転動する遊技球は、電磁石60C,60L,60Rのいずれかに吊り上げられ、電磁石60の先端に吸着する(図8に示す状態)。
電磁石60の励磁状態は、電磁石60が区画壁53を跨ぎ第2ステージ部52上方に移動するまで維持され、電磁石60の先端に吸着した遊技球が区画壁53を完全に跨いだ状態で(図7に示す状態)、消磁状態へと切り替えられる。これにより、電磁石60に吸着していた遊技球は、第2ステージ部52上に落下する。このように、電磁石60の励磁状態は、吸着していた遊技球を確実に第2ステージ部52上に落下させるよう電磁石60が区画壁53を跨ぐまで維持される。
以上の電磁石60C,60L,60Rの励磁と消磁の切り替えは、図9に示すように、電磁石60の揺動周期毎に規則的に行われる。
このようにして、第1ステージ部51を転動中に磁力によって電磁石60に吸着された遊技球は、電磁石60の揺動によって区画壁53を跨いで第2ステージ部52へと誘導される。第2ステージ部52に誘導された遊技球は、切欠部58aを通じて遊技領域11に排出される。このようにして遊技領域11へ排出される遊技球は、始動入賞口24に向かって流下するため、始動入賞口24に入賞する可能性が高い。つまり、電磁石60によって第1ステージ部51から第2ステージ部52へと誘導される遊技球の始動入賞口24への入賞の可能性は高い。
ここで、ステージ50は、左右両側が高く中央部が低い円弧状に形成されるため、第1ステージ部51を転動する遊技球は、中央部を中心に左右方向に往復転動する。このため、第1ステージ部51の中央部を転動する遊技球の速度は、側部側を転動する遊技球の速度と比較して速い。このため、第1ステージ部51の中央部上方に配置される電磁石60Cには、遊技球が吸着されに難い。そこで、電磁石60Cの磁力を、第1ステージ部51の側部上方に配置される電磁石60L,60Rの磁力と比較して大きく設定するのが望ましい。つまり、第1ステージ部51の中央側に配置される電磁石の磁力を、側部側に配置される電磁石の磁力と比較して大きく設定するのが望ましい。このように設定することによって、第1ステージ部51の中央部を転動する転動速度が速い遊技球を、第1ステージ部51の側部側を転動する遊技球と同様に吊り上げることができる。
以上の実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
ステージ50は、ワープ通路45から導かれた遊技球が転動する第1ステージ部51と遊技球を遊技領域11へと流下させるための第2ステージ部52とに区画壁53によって区画され、ステージ50の上方には区画壁53に沿って複数の電磁石60が設けられる。第1ステージ部51を転動中に励磁状態の電磁石60に吊り上げられ吸着した遊技球は、電磁石60の揺動によって第2ステージ部52へと運ばれ、電磁石60が消磁状態となることによって第2ステージ部52へと誘導される。このように、電磁石60は、ステージ50の区画壁53に沿って複数設けられ、第1ステージ部51を左右方向に転動するそれぞれの遊技球に対して磁力を作用させることができるため、遊技の興趣が向上する。
また、第2ステージ部52には転動する遊技球を始動入賞口24に誘導するための切欠部58aが配設され、第2ステージ部52を転動する全ての遊技球は、切欠部58aを通じて遊技領域11に排出される。したがって、遊技者は、第1ステージ部51を転動する遊技球が電磁石60によって吊り上げられた時点で、その遊技球が始動入賞口24へ入賞するという期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
次に、図10を参照して、電磁石60における励磁と消磁の切り替えの他の形態について説明する。図10は、図9と同様、位置検出センサ65から遊技制御装置100へ入力される信号、及び遊技制御装置100からモータ63及び電磁石60へ出力される信号のタイミングチャートである。
前述した図9に示す形態では、全ての電磁石60C,60L,60Rは、同じタイミングで励磁し消磁する。
電磁石60の励磁と消磁は、それぞれの電磁石60C,60L,60Rにて別個に切り替え可能であるため、図10に示すように、第1ステージ部51上方にて励磁状態となる電磁石60の個数を、電磁石60の揺動周期毎にランダムに変化させるようにしてもよい。つまり、電磁石60C,60L,60Rのうち一部の電磁石のみが第1ステージ部51上方にて励磁状態となるように設定してもよい。
図10では、1番目の揺動周期では、電磁石60Cのみが第1ステージ部51上方にて励磁状態となり、2番目の揺動周期では、3つ全ての電磁石60C,60L,60Rが第1ステージ部51上方にて励磁状態となり、3番目の揺動周期では、2つの電磁石60C,60Lが第1ステージ部51上方にて励磁状態となる。
このように、第1ステージ部51上方にて励磁状態となる電磁石60の個数が揺動周期毎にランダムに変化することによって、遊技者は、複数の電磁石60のうち、どの電磁石60が励磁状態となるかを予測できないため、遊技の興趣が向上する。
複数の電磁石60のうち一部の電磁石のみが第1ステージ部51上方にて励磁状態となる場合には、各電磁石60C,60L,60Rの第1ステージ部51上方にて励磁状態となる時間の合計が少なくなってしまう。その場合には、第1ステージ部51を転動する遊技球が電磁石60に吊り上げられ難くなるため、遊技球が始動入賞口24に入賞する可能性が低くなる。
そこで、第1ステージ部51上方にて励磁状態となる電磁石60の個数に応じて、電磁石60の励磁状態の維持時間を設定するのが望ましい。具体的には、図10に示すように、第1ステージ部51上方にて励磁状態となる電磁石60の個数が少ない場合には、その電磁石60の励磁状態の維持時間を長く設定する。このように設定することによって、複数の電磁石60のうち一部の電磁石のみが第1ステージ部51上方にて励磁状態となる場合においても、遊技球が始動入賞口24に入賞する可能性が低くなることはない。
これについて、図10を参照して具体的に説明すると、1番目の揺動周期では、電磁石60Cのみが第1ステージ部51上方にて励磁状態となるため、電磁石60Cは、第1ステージ部51上方を移動している間、つまり、第1ステージ部51を往復運動する間は、励磁状態に維持される。
また、2番目の揺動周期では、3つ全ての電磁石60C,60L,60Rが第1ステージ部51上方にて励磁状態となるため、図9に示す形態と同様に、各電磁石60C,60L,60Rは、第1ステージ部51上方の最後部にて停止している状態から前方へ移動を開始する時点から区画壁53を跨ぎ第2ステージ部52上方に移動するまでの間、励磁状態に維持される。
また、3番目の揺動周期では、2つの電磁石60C,60Lが第1ステージ部51上方にて励磁状態となるため、電磁石60C,60Lは、第1ステージ部51上方の最後部にて停止した時点から前方へ移動し区画壁53を跨ぎ第2ステージ部52上方に移動するまでの間、励磁状態に維持される。
このように、電磁石60の励磁状態の維持時間は、1つの電磁石60Cが励磁状態となる1番目の揺動周期時が一番長く、3つの電磁石60C,60L,60Rが励磁状態となる2番目の揺動周期時が一番短く、2つの電磁石60C,60Lが励磁状態となる3番目の揺動周期時は、1番目の揺動周期時と2番目の揺動周期時の半分程度となる。
これにより、第1ステージ部51上方にて励磁状態となる電磁石60の個数が異なっても、揺動周期毎の各電磁石60C,60L,60Rが第1ステージ部51上方にて励磁状態となる時間の合計をほぼ同等とすることができる。換言すれば、電磁石60の励磁状態の維持時間は、各電磁石60が第1ステージ部51上方にて励磁状態となる時間の合計が、揺動周期毎に一定となるように設定するのが望ましい。これにより、揺動周期毎の始動入賞口24への入賞確率もほぼ同等となり、遊技者及び遊技店の双方にとって不利益となることがない。
次に、図11を参照して、電磁石60への通電の制御について説明する。
図11は、図9と同様、位置検出センサ65から遊技制御装置100へ入力される信号、及び遊技制御装置100からモータ63及び電磁石60へ出力される信号のタイミングチャートである。
電磁石60は、ロッド61を回転軸として前後方向に揺動運動するため、電磁石60の揺動に伴って、電磁石60と第1ステージ部51との距離が連続的に変化する。具体的には、電磁石60と第1ステージ部51との距離は、電磁石60が鉛直方向に位置する場合に最小となり、電磁石が最後部に位置する場合(図8に示す状態)に最大となる。
このため、電磁石60が第1ステージ部51の上方にて常に励磁状態となる場合において、電磁石60が鉛直方向に位置する場合には、第1ステージ部51を転動する遊技球が受ける電磁石60の磁力は最大となり、電磁石60が最後部に位置する場合には、第1ステージ部51を転動する遊技球が受ける電磁石60の磁力は最少となる。したがって、電磁石60の揺動位置によって電磁石60が遊技球を吊り上げる能力が変化することになり、電磁石60が最後部に位置する場合には、遊技球を吊り上げる能力が小さくなってしまう。
そこで、電磁石60の励磁と消磁を切り替える通電の制御をデューティ制御によって行い、電磁石60への通電信号のデューティ比を電磁石60と第1ステージ部51との距離に応じて変化させることが望ましい。
具体的には、図11に示すように、電磁石60が区画壁53の上方付近を揺動する、電磁石60と第1ステージ部51との距離が小さい場合には、デューティ比を小さく設定する。また、電磁石60と第1ステージ部51との距離が大きい場合には、デューティ比を大きく設定する。
このように、電磁石60と第1ステージ部51との距離が大きい程、デューティ比は大きく設定される。このように設定することによって、電磁石60の揺動位置に関係なく、遊技球を吊り上げる能力をほぼ一定とすることができ、安定した遊技が行われることになる。
以上により、ステージ50に流入した遊技球の始動入賞口24への入賞確率は、ステージ50に流入しない遊技球の入賞確率よりも高くなる。したがって、ステージ50に流入する経路、つまり、隙間43から流入し、入口部46a,46bからワープ通路45a,45bを経てステージ50から遊技領域へ排出される流下経路を第1流下経路といい、ステージ50に流入しない、つまり、隙間43へ流入しない経路を第2流下経路という。
なお、上側検出センサ47は、第1流下経路を流下する遊技球を検出するセンサである。
上述したように、第1流下経路を流下する遊技球の始動入賞口24への入賞確率は、第2流下経路を流下する遊技球の始動入賞口24の入賞確率よりも高くなる。
図12は、本発明の実施形態の変形例の第1流下経路の説明図である。
上述した例では、ステージ50に流入する経路が始動入賞口24への入賞確率が高い第1流下経路としたが、図12では、ステージ50を備えない(つまり、センターケース21の内部に遊技球を流入させない)遊技機における第1流下経路及び第2流下経路について説明する。
ステージ50がない遊技機では、第1始動入賞口24aから鉛直上方に所定の距離だけ離間させて、上側検出センサ47を遊技盤1から立設させて配設する。
上側検出センサ47の直上に植設される2本の上側障害釘42c,42dの間を流下し、上側検出センサ47を流下する遊技球の流下方向は、上側障害釘42c,42d及び上側検出センサ47によって鉛直下方に規制される。このため、上側検出センサ47を通過した遊技球は、鉛直下方に流下し、始動入賞口障害釘130の間を通過して、第1始動入賞口24aに入賞する確率は、上側検出センサ47を通過しない遊技球が第1始動入賞口24aに入賞する確率よりも高くなる。
したがって、ステージ50を備えない遊技機において、上側障害釘42c,42dの間を流下し、上側検出センサ47を通過した後の流下経路が第1流下経路となり、上側検出センサ47を通過しない流下経路が第2流下経路となる。
図13は、本発明の実施形態の遊技機で行われる処理の機能ブロック図である。
制御装置1300(遊技制御装置100及び演出制御装置200を総称して制御装置1300という)は、記憶手段1301、予告フラグ設定手段1302、及び予告表示手段1303を備える。
記憶手段1301は、始動口センサ24Aが遊技球を検出した場合に、上限値の範囲内で始動記憶数をインクリメントする記憶処理を実行する。記憶処理は、図14で詳細を説明する。
予告フラグ設定手段1302は、上側検出センサ47が遊技球を所定時間検出しない場合に、次に実行される特図変動表示ゲームを予告変動パターンで実行する予告フラグを設定する予告フラグ設定処理を実行する。予告フラグ設定処理は、図15で詳細を説明する。
予告変動パターンは、識別情報が特別遊技状態を生起させる場合の特別停止態様で停止する場合に出現する確率が高く設定されている。例えば、予告変動パターンは、通常の変動パターンよりも変動表示時間(識別情報が変動表示を開始してからすべての識別情報が停止するまでの時間)が長く設定されており、識別情報が3つである場合には、特別停止態様を構成する識別情報で二つの識別情報が停止してから、すべての識別情報が停止する。
予告表示手段1303は、予告フラグが設定されている場合に、変動表示装置22にて変動表示ゲームを予告変動パターンで実行する予告表示処理を実行する。予告表示処理は、図16で詳細を説明する。
図14は、本発明の実施形態の記憶処理のフローチャートである。
記憶処理は、制御装置1300によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、制御装置1300は、始動口センサ24Aが遊技球を検出したか否かを判定する(1401)。
ステップ1401の処理で始動口センサ24Aが遊技球を検出していないと判定された場合、記憶処理を終了する。
ステップ1401の処理で始動口センサ24Aが遊技球を検出したと判定された場合、制御装置1300は、現在の始動記憶数が上限値(例えば、4)以上であるか否かを判定する(1402)。
ステップ1402の処理で、現在の始動記憶数が上限値以上であると判定された場合、これ以上始動記憶数をインクリメントできないので、記憶処理を終了する。
一方、ステップ1402の処理で、現在の始動記憶数が上限値よりも少ないと判定された場合、制御装置1300は、始動記憶数をインクリメントし(1403)、記憶処理を終了する。
図15は、本発明の実施形態の予告フラグ設定処理のフローチャートである。
予告フラグ設定処理は、制御装置1300によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、制御装置1300は、上側検出センサ47が遊技球を検出したか否かを判定する(1501)。
ステップ1501の処理で、上側検出センサ47が遊技球を検出したと判定された場合、所定時間が設定されているタイマを設定し(1502)、予告フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップ1501の処理で、上側検出センサ47が遊技球を検出していないと判定された場合、ステップ1502の処理で設定されたタイマがゼロであるか否かを判定する(1503)。
ステップ1502の処理で設定されたタイマがゼロでないと、ステップ1503の処理で判定された場合、ステップ1502の処理で設定されたタイマを減算し(1504)、予告フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップ1502の処理で設定されたタイマがゼロであると、ステップ1503の処理で判定された場合、上側検出センサ47が遊技球の通過を検出してから所定時間遊技球の通過を検出していないので、制御装置1300は、始動記憶数がゼロであるか否かを判定する(1505)。
ステップ1505の処理で、始動記憶数がゼロであると判定された場合、上側検出センサ47が遊技球を検出しなくなってから所定時間経過後に実行する特図変動表示ゲームがないので、予告フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップ1505の処理で、始動記憶数がゼロでないと判定された場合、上側検出センサ47が遊技球を検出しなくなってから所定時間経過後に実行すべき特図変動表示ゲームがあるので、予告フラグを設定し(1506)、予告フラグ設定処理を終了する。
図16は、本発明の実施形態の予告表示処理のフローチャートである。
予告表示処理は、制御装置1300によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、制御装置1300は、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングであるか否かを判定する(1601)。
ステップ1601の処理で、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングでないと判定された場合、予告表示処理を終了する。
一方、ステップ1601の処理で、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングであると判定された場合、制御装置1300は、予告フラグが設定されているか否かを判定する(1602)。
ステップ1602の処理で、予告フラグが設定されていないと判定された場合、当該特図変動表示ゲームを予告無し変動パターンで実行するように設定し(1603)、予告表示処理を終了する。
一方、ステップ1602の処理で、予告フラグが設定されていると判定された場合、当該特図変動表示ゲームを予告変動パターンで実行するように設定し(1604)、予告フラグをリセットし(1605)、予告表示処理を終了する。
以上により、上側検出センサ47が所定時間遊技球を通過しなければ、始動入賞口24への入賞確率が低い流下経路を遊技球が流下し、遊技球がステージ50を遊技球が転動しないので、遊技の興趣が低下してしまうが、この場合に、遊技者の興趣を引く予告変動パターンで特図変動表示ゲームを実行するので、遊技の興趣を高めることができる。
また、上側障害釘42c,42dを上側検出センサ47の入口への遊技球の流入率が低くなるように調整すると、予告変動パターンで特図変動表示ゲームが実行される可能性を高めることができる。さらに、上側障害釘42c,42dを上側検出センサ47の入口への遊技球の流入率が低くなるように調整し、かつ始動口障害釘130を始動入賞口24への遊技球の流入率を高くするように調整すれば、始動入賞口24への入賞率を変化させずに、予告変動パターンで特図変動表示ゲームが実行される可能性を高くすることができ、興趣に富んだ遊技を提供できる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。