以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.第1実施例のステージ:
C−1.ステージの構成:
C−2.遊動面の断面構造:
C−3.遊技球の遊動態様:
D.第2実施例のステージ:
D−1.遊動面の断面構造:
D−2.遊技球の遊動態様:
D−3.浮き上がっているかのように見える他の原因:
E.第3実施例のステージ:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種LED4b〜4fが設けられている。
更に、前面枠4の上部には、エラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。ここで、重度のエラーとは、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合のエラーであり、軽度のエラーとは、それ以外のエラーである。
前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。下皿部6に貯まった遊技球を排出するために、下皿部6の底面には、下皿部6内から遊技球を排出するための図示しない球技き穴が設けられており、下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは通常時は直立状態であるが、下端を奥側に押圧すると上端を回転軸として回転し、球抜き穴が開放状態となって、下皿部6に貯まった遊技球を排出することが可能となっている。また、排出ノブ6bの左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿部6の左端には灰皿7が設けられており、下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられ、そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図5参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が直立して、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26のほぼ中央には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。また、中央装置26の下方には、遊技球を始動口17またはそれ以外に振り分けるステージ32が設けられている。中央装置26の左側には、ワープ通路25が設けられており、遊技盤10を流下する遊技球を、ワープ通路25を介してステージ32に導くことが可能となっている。なお、演出表示装置27の画面上で表示される各種図柄については後述する。
中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられている。詳細な構成については後述するが、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36sが設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
変動入賞装置18のほぼ中央には、大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dと、大入賞口31dを開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図5参照)などから構成されている。大入賞口31dは、後述する所定の条件が成立すると開放状態となり、この結果、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始される。尚、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の図柄表示装置28は、大きくは、普通図柄表示部29と、特別図柄表示部30とから構成されている。普通図柄表示部29は、左普通図柄表示部29aと右普通図柄表示部29bとから構成されており、特別図柄表示部30は、左特別図柄表示部30aと右特別図柄表示部30bとから構成されている。2つの普通図柄表示部29a,29bは、発光ダイオード(LED)を用いて構成されており、左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、特別図柄表示部30には、いわゆる7セグメントLEDが用いられており、このうちの7セグメント部分が左特別図柄表示部30aを構成し、コンマ部分が右特別図柄表示部30bを構成している。この7セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、図柄表示装置28には、普通図柄保留表示部29c、および特別図柄保留表示部30cも設けられている。これらは、それぞれ4つのLEDで構成されている。このような構成を有する図柄表示装置28の表示内容については後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景に表示される背景図柄27dとが表示されている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。詳細な演出内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、図柄やLEDや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図5では、主制御基板200に搭載されたCPU201やRAM202、およびサブ制御基板220に搭載されたCPU221やROM223のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているROMやPIO、サブ制御基板220に搭載されたRAMやPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示が省略されている。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを出力する。また、主制御基板200には、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、更には、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28などが中継端子板を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、および図柄表示装置28に向かって信号を出力することにより、動作の制御も行っている。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置27を駆動する演出制御基板230や、各種のスピーカ5y,6cを駆動するアンプ基板224、装飾用の各種LED4b〜4gを駆動する駆動信号を装飾駆動基板226から出力することにより、遊技の演出を行う。また、装飾駆動基板226からの出力信号により、エラーLED表示部4hがエラー発生のレベルに応じて赤色またはオレンジ色で点灯または点滅する。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左側に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には左普通図柄表示部29aと、右普通図柄表示部29bとが設けられている。左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部29a,29bが点滅表示を行う。
図6は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている4つの状態を取ることができる。先ず、図6(a)に示した状態は、左普通図柄表示部29aが点灯して、右普通図柄表示部29bが消灯している状態を表している。図6(b)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも点灯した状態を表している。図6(c)は、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯した状態を表しており、図6(d)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら4つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして、所定時間が経過すると、4つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開放状態となる。本実施例では、図6(c)に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部29aが消灯して右普通図柄表示部29bが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普通図柄保留表示部29c(図3参照)に表示される。
次いで、開放状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図3を用いて説明したように特別図柄表示部30によって表示される。尚、前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、7セグメントLEDからなる左特別図柄表示部30aと、コンマ部分の右特別図柄表示部30bから構成されており、これら左右の特別図柄表示部30a,30bは、赤色、橙色、緑色のいずれかで点灯可能となっている。
図7は、特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。特別図柄の変動表示中は、左特別図柄表示部30aでは、「A」、「Y」、「−」のいずれかの図柄が表示され、右特別図柄表示部30bではコンマ「.」が表示される。また、左特別図柄表示部30aの「A」および「Y」、右特別図柄表示部30bのコンマ「.」は、赤色、橙色、緑色の3つの状態を取ることができ、左特別図柄表示部30aの「−」は、赤色または緑色のいずれかの状態を取ることができる。本実施例の特別図柄表示部30では、これらの表示状態が組み合わされて、図7に示す12種類の状態を表示することができる。図中で7セグメントLEDあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄の変動表示が開始されると、これら12種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。
停止表示された図柄が「−」である場合は、特別図柄は外れとなるが、それ以外の図柄の組合せが停止表示された場合は特別図柄の当りとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始される。すなわち、特別図柄が当りとなる図柄の組合せは、図7に示した12種類の図柄から、「−」を除いた10種類の組合せが存在することになる。また、本実施例の特別遊技状態は、大入賞口31dが開放状態となる遊技状態(ラウンド)が、所定回数だけ繰り返されるように構成されている。大入賞口31dは大きく開口するために、遊技球が高い確率で入球することとなる。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、特別図柄保留表示部30c(図3参照)に表示される。
図7に示した特別図柄が当りとなる10種類の組合せのうち、実線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「確変図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら確変図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このように、当り図柄で停止表示される確率が高くなっている遊技状態は、確率変動状態(若しくは、確変状態)と呼ばれる。
更に、図7に示した特別図柄が当りとなる10種類の組合せのうち、破線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「通常図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら通常図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技の終了後、特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技状態が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、始動口17の開放時間が若干長くなるように設定されている。このような遊技状態は、変動時間短縮状態(若しくは、時短状態)と呼ばれる。
また、特別図柄を当り図柄で停止させるか否か、更には、確変図柄または通常図柄の何れの図柄で停止させるかは、主制御基板200によって決定されている。
尚、本実施例の遊技機1においては、時短機能は、通常図柄で停止表示された場合だけでなく、確変図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。結局、特別図柄が、図7に示した10種類の当り図柄のいずれかで停止表示された場合は、特別遊技状態の終了後、必ず時短機能が作動することになる。
上述した特別図柄の変動停止表示に合わせて、演出表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図8は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置27においても、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した確変図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、図柄表示装置28の特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定するタイミングも同じに設定されているため、どちらの表示を見ながら遊技をすることも可能である。しかし、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、更に表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、2つのキャラクタ図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。
C.第1実施例のステージ :
上述した本実施例の遊技機1では、遊技者の興趣を高めるべく、中央装置26の下方に搭載されたステージ32で遊技球を振り分けることにより、遊技球による演出を行うことが可能となっている。更に、本実施例の遊技機1では、ステージ32に特殊な装飾が施されており、遊技者の興趣をより一層高めることが可能となっている。以下では、特殊な装飾が施されたステージ32の構成を説明した後、遊動面の断面構造と遊技球の遊動態様とについて説明する。
C−1.ステージの構成 :
図9は、ステージ32の形状を示す斜視図である。図9に示すように、ステージ32は透明なプラスチック材料によって形成されており、上面には略W字形状の遊動面310が設けられている。図2を用いて前述したようにワープ通路25から取り込まれた遊技球はステージ32の遊動面310で往復動を繰り返し、遊動面310の中央に設けたれた窪み320に捉えられると、遊動面310から落下して、真下に設けられた始動口17に入球する。一方、窪み320で捉えられずに往復動を繰り返していると、やがて略W字形状をした遊動面310の谷の部分から落下する。従って、ステージ32の遊動面310上で往復動する遊技球が窪み320の部分から落下したときだけ、始動口17に入球し易く、他の部分から落下したときには、遊技球が始動口17に入球することは比較的少ない。このようにしてステージ32の遊動面310では、遊技球が振り分けられるようになっている。
もっとも、今日では、ステージ32で遊技球の振り分けを行う遊技機1が多く提案されているので、単にステージ32を備えるだけでは遊技者の注意を引き付けることが困難となっている。そこで、本実施例では、ステージ32の遊動面310に特殊な装飾を施しておくことで、遊動面310上を遊動する遊技球の動きに遊技者の注意を引き付けることを可能としている。以下では、この点について、詳しく説明する。
C−2.遊動面の断面構造 :
図10は、第1実施例における遊動面310の断面構造と、その構造による作用とを説明するための説明図である。図10(a)は、遊技球が遊動する遊動面310の断面構造を示す拡大断面図である。図に示すように、ステージ32の遊動面310の断面構造は、所定間隔で凹部502と凸部504とが形成された金属部材510と、その金属部材510に密着させた透明な樹脂520とから構成されている。
図10(b)は、遊技者が遊動面310を見たときの様子を示す斜視図である。遊動面310は透明な樹脂520で構成され、しかも、金属部材510と透明な樹脂520との間は隙間なく密着した状態となっているため、遊技者が遊動面310を表側から見ると、遊技者は透明な樹脂520の存在に気付かず、金属部材510の凹部502と凸部504とを認識する。このため、ステージ32の遊動面310があたかも凹部502と凸部504とによって凹凸形状に形成されているかの様に感じられることとなる。特に、ステージ32は遊技盤10に組み付けられるので、遊技者は遊動面310を斜め上方から見るため、凹部502と凸部504とがより一層認識されることになり、凹部502と凸部504とが遊動面310から浮き上がったように見えることになる。
なお、第1実施例の凹部502と凸部504とは、本願発明の「凹凸形状」の一態様を構成し、第1実施例の金属部材510は、本願発明の「不透明な部材」の一態様を構成し、第1実施例の透明な樹脂520は、本願発明の「透明な部材」の一態様を構成している。
C−3.遊技球の遊動態様 :
図10(c)は、遊技球が遊動面310を下方に向かって遊動する様子を示した平面図である。図中に示す白丸は遊技球を表しており、破線の矢印は遊技者が予想した遊技球の遊動経路を表している。また、実線の矢印は、遊技球が実際に遊動する経路を表している。
遊技者がステージ32の遊動面310を見ると、遊技者の目には、図10(b)に示すように、凸部504が凹部502に対して浮き上がっているように見えているので、遊技球が遊動面310を下方に向かって転動するときには、図10(c)の破線の矢印で示すように遊技球が遊動するだろうと予想する。すなわち、遊技球がステージ32の遊動面310を下方に向かって遊動して、遊技球が凸部504に達すると、遊技球は浮き上がったように見える凸部504に導かれて遊動した後、再びステージ32の遊動面310を下方に向かって遊動して、やがて遊技球は遊動面310から落下するだろうと予想する。
しかし、前述したように、凹部502と凸部504とが形成された金属部材510に透明な樹脂520を密着させているので、ステージ32の遊動面310の表側は滑らかである。このため、遊技球がステージ32の遊動面310の最上点から下方に向かって遊動するときには、図10(c)の実線の矢印で示すように、遊技者の予想に反して浮き上がったように見える凸部504の上をそのまま通過して、ステージ32の遊動面310の下方に向かって真っ直ぐ遊動する。
このため、図10(c)の破線の矢印で示すように遊技者の予想した遊技球の遊動経路と、図10(c)の実線の矢印で示すように実際に遊技球が遊動した経路との間には、大きなギャップが発生することになるので、このギャップが遊技者に驚きを与える。その結果、遊技者の注意が遊技球の動きに強く引き付けられるので、斬新的な演出が可能となり、延いては遊技者の興味を強く引き付けることができる。
D.第2実施例のステージ :
上述した第1実施例では、比較的大きな凹凸形状を有する不透明な部材に透明な樹脂を密着させた断面構造によって、ステージ32の遊動面310の一部が浮き上がって見えるようにしたが、以下のような断面構造にしてステージ32の遊動面310の一部が浮き上がって見えるようにしても良い。
D−1.遊動面の断面構造 :
図11は、第2実施例における遊動面310の断面構造と、その構造による作用とを説明するための説明図である。図11(a)は、遊技球が遊動する遊動面310の断面構造を示す拡大断面図である。図においては、凹凸形状の装飾を施した部分をクロスハッチで示している。図に示すように、ステージ32の遊動面310の裏面側には、凹凸形状の装飾として、「しぼ加工」を施している。ここで、「しぼ加工」とは、表面に微細な凹凸模様を付けるために行われる加工であり、この微細な凹凸によって光が乱反射される。
遊動面310の断面構造は、透明なプラスチック部材620の裏面側にしぼ加工を施して、裏面側全体に金属光沢を有するメッキ層610を密着させた構造となっている。図11(b)は、遊技者が遊動面310を見たときの様子を示す斜視図である。ステージ32の遊動面310は透明なプラスチック部材620で構成され、しかも、メッキ層610と透明なプラスチック部材620との間は隙間なく密着した状態となっているため、遊技者がステージ32の遊動面310を表側から見ると、遊技者は透明なプラスチック部材620の存在に気付かず、裏面側のメッキ層610を認識する。このため、ステージ32の遊動面310が、あたかもしぼ加工よって凹凸形状に形成されているかの様に感じられることとなる。特に、ステージ32は遊技盤10に組み付けられるので、遊技者はステージ32の遊動面310を斜め上方から見るため、しぼ加工を施した部分のメッキ層610がより一層認識されることになり、しぼ加工を施した部分が遊動面310から浮き上がったように見えることになる。
なお、第2実施例のしぼ加工の凹凸模様は、本願発明の「凹凸形状」の一態様を構成し、第2実施例のメッキ層610は、本願発明の「不透明な部材」の一態様を構成し、第2実施例のプラスチック部材620は、本願発明の「透明な部材」の一態様を構成している。
D−2.遊技球の遊動態様 :
図11(c)は、遊技球が遊動面310を下方に向かって遊動する様子を示した平面図である。図中に示す白丸は遊技球を表しており、破線の矢印は遊技者が予想した遊技球の遊動経路を表している。また、実線の矢印は、遊技球が実際に遊動する経路を表している。
遊技者が遊動面310を見ると、遊技者の目には、図11(b)に示すように、遊動面310のしぼ加工を施した部分が、しぼ加工を施していない部分に対して浮き上がっているように見えているので、遊技球がステージ32の遊動面310を下方に向かって転動するときには、図11(c)の破線の矢印で示すように遊技球が遊動するだろうと予想する。すなわち、遊技球がステージ32の遊動面310を下方に向かって遊動して、遊技球がしぼ加工を施している部分に達すると、遊技球は浮き上がったように見える部分に導かれて遊動した後、再びステージ32の遊動面310を下方に向かって遊動して、やがて遊技球は遊動面310から落下するだろうと予想する。
しかし、前述したように、ステージ32の遊動面310を構成する透明なプラスチック部材620の裏面側にしぼ加工を施して、金属光沢を有するメッキ層610を密着させているので、ステージ32の遊動面310の表側は滑らかである。このため、遊技球がステージ32の遊動面310の最上点から下方に向かって遊動するときには、図11(c)の実線の矢印で示すように、遊技者の予想に反して浮き上がったように見える部分の上をそのまま通過して、遊動面310の下方に向かって真っ直ぐ遊動する。
このため、図11(c)の破線の矢印で示すように遊技者の予想した遊技球の遊動経路と、図11(c)の実線の矢印で示すように実際に遊技球が遊動した経路との間には、大きなギャップが発生することになるので、このギャップが遊技者に驚きを与える。その結果、遊技者の注意が遊技球の動きに強く引き付けられるので、斬新的な演出が可能となり、延いては遊技者の興味を強く引き付けることができる。
D−3.浮き上がっているかのように見える他の原因 :
この第2実施例では、ステージ32の遊動面310の裏面側に細かな凹凸形状として「しぼ加工」を施しているため、しぼ加工を施した部分が浮き上がっているかのように見えると考えられる。そこで、浮き上がっているかのように見える原因を、(1)しぼ加工にメッキ処理が施されていない場合、(2)しぼ加工にメッキ処理が施されている場合、に分けて説明する。
(1)しぼ加工にメッキ処理が施されていない場合 :
図12は、しぼ加工にメッキ処理が施されていない遊動面310の拡大断面図である。図12(a)は、遊動面310の断面構造を示す拡大断面図である。図においては、矢印の方向は光の方向を示しており、矢印の太さは光量を示している。また、しぼ加工を施した部分を実際よりも大きく描いている。
図12(b)は、遊動面310に入射した光が遊動面310内を透過するときの様子を示した説明図である。ステージ32の遊動面310の裏面側には、しぼ加工によって微細な凹凸模様が描かれているので、図に示すように、しぼ加工が施された部分では、遊動面310の表側や裏面側から入射した光が凹凸によって乱反射する。一方、しぼ加工が施されていない部分では、乱反射が発生することはない。このため、乱反射の有無によっても、遊動面310に凹凸模様が描かれているか否かを認識することはできる。なお、ステージ32の遊動面310に入射した光の光源として、一般的に遊技ホールの照明があるが、中央装置26の上方にLED等の光源を設けても良い。
しかし、乱反射の有無では、ステージ32の遊動面310に凹凸模様が描かれていることを認識できるに止まり、しぼ加工を施した部分が浮き上がっているかのように見えることはない。これは、しぼ加工を施した部分には、遊動面310の表側や裏面側から入射した光が透過するからであると考えられる。なお、ステージ32の遊動面310に対して光が出入りするときには、僅かに反射する光もあるが、凹凸模様で乱反射する光に比べて極めて少ないため、その説明を省略している。
(2)しぼ加工にメッキ処理が施されている場合 :
次に、ステージ32の遊動面310の裏面側にしぼ加工を施した後、金属光沢を有するメッキ処理を施した場合を考える。図13は、遊動面310の裏面側にしぼ加工を施した後、金属光沢を有するメッキ処理を施した遊動面310の断面の一部を示す拡大断面図である。図13(a)は、遊動面310の断面構造を示す拡大断面図である。図に示すように、しぼ加工が施された遊動面310の裏面側は、金属光沢を有するメッキ処理が施されて、メッキ層610で覆われている。
図13(b)は、遊動面310に入射した光が遊動面310内を透過するときの様子を示した説明図である。図においては、矢印の方向は光の方向を示しており、矢印の太さは光量を示している。ステージ32の遊動面310の裏面側全体をメッキ層610で覆っているので、図に示すように、遊動面310の表側から入射した光が、遊動面310の裏面側に透過することはない。そして、しぼ加工を施している部分では凹凸で乱反射するとともに、メッキ層610で反射し、しぼ加工を施していない部分ではメッキ層610で反射する。このため、しぼ加工を施している部分は、しぼ加工を施していない部分よりも明るく感じられ、光による明暗が出現するので、しぼ加工を施している部分が立体的に見え、しぼ加工を施した部分が浮き上がっているかのように見えると考えられる。
また、しぼ加工を施している部分と、しぼ加工を施していない部分との境目612は、しぼ加工によって立ち上がっているので、しぼ加工が施されていない部分よりも、強い光を反射する。このため、ステージ32の遊動面310の表側から見ると、光沢を有するメッキ層610によって、境目612が輝くように強く光り、逆にしぼ加工を施している部分や、しぼ加工を施していない部分が暗く感じられ、光による明暗が出現するので、しぼ加工を施している部分が立体的に見え、しぼ加工を施した部分が浮き上がっているかのように見えると考えられる。
このように第2実施例では、ステージ32の遊動面310の裏面側に微細な凹凸模様のしぼ加工を施しており、そのしぼ加工にメッキ層610を密着させているので、この微細な凹凸で光が乱反射するとともに、メッキ層610で光を反射する。このため、しぼ加工を施している部分が浮き上がっているかのように見えるようになる。
また、遊動面310の裏面側がメッキ層610で覆われているので、メッキ層610で光を反射する。このため、微細な凹凸模様のしぼ加工を施した部分は、金属面に彫刻を施したような質感を、遊技者に印象付けることができ、より一層の演出効果を発揮させることが可能となる。
なお、上述した第2実施例では、説明を容易にするために、しぼ加工を分かり易い形状として説明したが、実際には遊動面310の裏面側に複雑な形状のしぼ加工を施している。図14は、しぼ加工を施した遊動面310の凹凸模様を示す平面図である。図に示すように、遊動面310の裏面側には、竹の葉のような細長い模様や、大小様々な円形模様などのしぼ加工を多く施しているので、その分だけ遊技者の予想した遊技球の遊動経路と、実際に遊技球が遊動した経路との間には、ギャップが頻繁に発生する。このため、ギャップが発生する度に、遊技者に驚きを与え、遊技者の注意が遊技球の動きに強く引き付けられるので、より一層遊技球による斬新な演出が可能となり、延いてはより一層遊技者の興味を強く引き付けることができる。
E.第3実施例のステージ :
上述した第1実施例、第2実施例においては、ステージ32の遊動面310を透明な部材で形成し、裏面側には凹凸形状の装飾を施し、その凹凸形状に密着させて不透明な部材を設けた構成であったが、不透明な部材を省略した構成としても良い。すなわち、ステージ32の遊動面310を透明な部材で形成し、裏面側には凹凸形状の装飾を施す構成としても良い。
図15は、ステージ32を組み付けた状態の概略断面図である。図に示すように、遊技盤10の開口部には、中央装置26を組み付けるための上部フレーム26aと下部フレーム26bとが設けられている。これらのフレーム26a,26bの奥側(図においては右側)には、演出表示装置27が設けられている。
ステージ32は、透明なプラスチック材料によって形成されており、遊技盤10と下部フレーム26bとの間に設けられている。ステージ32の遊動面310の裏面側には、微細な凹凸模様のしぼ加工が多数施されている。また、下部フレーム26bも、殆どが透明なプラスチック材料によって形成されているが、下部フレーム26bの奥壁26c(図中のクロスハッチ)だけが、不透明な部材によって形成されている。ステージ32の底面と、下部フレーム26bの底面とには、メッキ層710が設けられている。このため、奥壁26cよりも奥側(図において右側)、メッキ層710よりも下側の部分が遊技者に視認されることはない。なお、図15に示すステージ32と下部フレーム26bとの断面図において、ハッチングをしていない部分は、透明であることを表している。
このように構成された遊技機1のステージ32を遊技者が臨むと、遊技者には以下のように感じられる。図16は、ステージ32の遊動面310を遊技者が臨んだときの様子を示す説明図である。遊技者がステージ32の遊動面310を遊技者が臨んだとき、遊動面310の裏面側に施されているしぼ加工は、浮き上がっているかのようには見えないが、上述したようにしぼ加工を施している部分では光の乱反射が発生するので、遊動面310に凹凸模様が描かれていることを認識することができ、遊技者は遊動面310に何らかの傷が付いているように見えることになる。このため、遊技球がステージ32の遊動面310を遊動するときには、これらの傷に導かれて遊動すると予想する。しかし、これらの傷は、遊動面310の裏面側に施した凹凸模様のしぼ加工であるので、遊技者の予想に反して遊技球はこれらの傷の上をそのまま通過することになる。
このように遊技者が予想した遊技球の経路と、実際に遊技球が遊動した経路との間には、大きなギャップが発生することになるので、このギャップが遊技者に驚きを与える。その結果、遊技者の注意が遊技球の動きに強く引き付けられるので、斬新的な演出が可能となり、延いては遊技者の興味を強く引き付けることができる。
また、遊技者がステージ32を臨んだとき、透明な遊動面310や透明な下部フレーム26bを介して、ステージ32の底面と下部フレーム26bの底面とに設けられたメッキ層710が視認される。このため、ステージ32の遊動面310や、下部フレーム26bが不透明な部材で構成されている場合と比較して、遊技者の視界が奥壁26cやメッキ層710まで奥側に広がるので、遊技者は圧迫感を感じることなく、遊技を行うことが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
上述した第1実施例、第2実施例において、ステージ32の遊動面310の一部を金属部材510やメッキ層610で覆うことなく、透明のままにしても良い。具体的には例えば、第1実施例における凹部502の一部や、第2実施例におけるしぼ加工を施していない部分の一部を金属部材510やメッキ層610で覆うことなく、透明のままにしても良い。こうすれば、ステージ32の遊動面310の透明な部分を介して遊動面310の奥側を視認することができる。このため、ステージ32の遊動面310上を遊動する遊技球に注視していても、遊技者の視界が遊技球の奥側まで広がるので、遊技者は圧迫感を感じることなく、遊技を行うことが可能となる。
また、ステージ32は透明なプラスチック材料によって形成されているので、ステージ32の側面が遊技者に対して壁のように立設していても、ステージ32の側面などを介してステージ32の奥側を視認することができる。このため、たとえステージ32の遊動面310上に遊技球が遊動していなくても、更には、ステージ32の奥側に演出表示装置27の大型液晶画面を設けても、遊技者の視界がステージ32の奥側まで広がるので、遊技者に圧迫感を与えることなく、ゆったりとした気分で遊技を楽しませることが可能となる。
上述したように、ステージ32の遊動面310の全部または一部が透明である場合には、図5の一点鎖線で示すように、装飾LED4iを遊動面310の裏面側に設けておき、遊技球がステージ32の遊動面310を遊動しているときは、装飾LED4iを点灯させることとしても良い。こうすれば、装飾LED4iの光によって、メッキ処理されていない部分を目立たせることが可能となる。ここで、遊技球がステージ32の遊動面310を遊動しているときを判断する構成としては、例えば遊技球がワープ通路25を通過してステージ32に導かれたことを検出するセンサをワープ通路25の出口に設けておき、そのセンサからの検出信号から所定時間が経過するまでの間は、遊技球がステージ32の遊動面310で遊動しているとみなして、装飾LED4iを点灯させる方法などが挙げられる。特に、色の異なる装飾LED4iを設けておき、遊技の状況に合わせて、色の異なる装飾LED4iを順次発光させても良い。こうすれば、より一層の演出効果を発揮することが可能となる。