以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の遊技機(パチンコ機)の遊技盤1の構成を示す正面図である。
遊技盤1には、ガイドレール2で囲われた遊技領域3のやや上方の中央に変動入賞装置4が配設される。変動入賞装置4の下方には特図始動口(特図始動入賞口)5が配設され、また、特図始動口5の下方には大入賞口6が配設される。
遊技領域3の左右には、それぞれ一般入賞口7と普図ゲート10が配設される。また、特図始動口5の左右にも一般入賞口8、8が設けられる。そして、遊技領域3の最下端には、アウト口11が設けられる。
特図始動口5には特図始動口5の球の入賞を検出する特図始動スイッチ12(図5参照)が設けられ、普図ゲート10には普図ゲート10の球の通過を検出する普図始動スイッチ13(図5参照)が、設けられる。一般入賞口7、8にも同様にそれぞれ球の入賞を検出する入賞スイッチ14A〜14N(図5参照)が備えられる。
変動入賞装置4は、図2、図3のようにその内部となる凹室15に、凹室15の下部の床上を転動する遊技球を、凹室15の上部奥方の入賞領域へ遊技球を吸着して持ち上げるように移送する揚送装置16(揚送手段)を備えるものである。
変動入賞装置4は、その周縁部に設けられた取付基板18と、取付基板18の内側に設けられ、前側が開放するように正面視すると枠状で構成され、前方に開口部を備えた凹室15を形成する前面枠部材20を備えている。
取付基板18は、変動入賞装置4の周縁部に遊技盤1の前面に沿って鍔状(板状)に形成されると共に、その外周形状によって意匠性を有するようになっている。
前面枠部材20より上方の変動入賞装置4を構成する上部構造部材21は、変動入賞装置4の上部の装飾装置として機能すると共に、後述するように開状態となった変動入賞装置4の可動部材22a、22bの上部へ遊技球を誘導するワープ装置23a、23bを有するものである。
上部構造部材21の上面部には、上方に凸となる略円弧板状の鎧部材24が配置されている。鎧部材24の中央より左右にずれた位置に、左右のワープ装置23a、23bのワープ入口25a、25bが開口する。
上部構造部材21の鎧部材24の下の中央部には、変動入賞装置4上部の装飾となる装飾部材26が形成され、その左右に装飾装置としても機能する側部構成部材27a、27bが形成されている。
装飾部材26と左右の側部構成部材27a、27bとの間および左右の側部構成部材27a、27b内は、ワープ通路28a、28bとなっている。
左右の側部構成部材27a、27bの下部の斜め外側を向いた面には、凹室15の流入口30a、30bを開閉する可動部材22a、22bが開状態となった場合に、可動部材22a、22bの直上となる位置に、ワープ出口31a、31bが形成されている。
したがって、ワープ装置23a、23bのワープ入口25a、25bから流入した遊技球は可動部材22a、22bの上方近傍に案内され、このとき、可動部材22a、22bが開状態(図は閉状態を示す)となっていれば、可動部材22a、22bに誘導されて高い確率で遊技球が変動入賞装置4の凹室15内に流入させられることになる。
可動部材22a、22bは、その下端部に回転中心を有して、左右に回動可能となっており、可動部材22a、22bが略垂直に立った状態(図示状態)で、流入口30a、30bへの遊技球の流入が不可となるように閉塞した閉状態となる。この閉状態では、ワープ出口31a、31bの可動部材22a、22bが流入口30a、30bへの流路を塞いでいるため、ワープ出口31a、31bから落下した遊技球は変動入賞装置4の外部に流下する。
一方、左側の可動部材22aが下端部を中心に左斜め上を向いた位置まで回転し、右側の可動部材22bが下端部を中心に右斜め上を向いた位置に回転した場合には、流入口30a、30bへ遊技球の流入が可となるよう開放した開状態となる。この開状態ではワープ出口31a、31bの直下の可動部材22a、22bがほぼ斜めに開くので、可動部材22a、22bに落下した遊技球は、可動部材22a、22bに案内されて流入口30a、30bへ導かれる。
可動部材22a、22bは、可動部材用ソレノイド32a,32b(図5参照)により駆動されるようになっている。
前面枠部材20には、凹室15の上部を隔成する略円弧板状の隔壁33が形成され、左右の枠内に流入口30a、30bへ流入した遊技球を導く入賞通路(図示しない)が形成されると共に、左右の枠下部に入賞通路の遊技球を凹室15内に案内する導出口34a、34bが開設されている。
入賞通路内には、流入した遊技球を検知する補助遊技カウントスイッチ35(図5参照)が備えられている。
前面枠部材20の凹室15の奥の略下半分に、揚送装置16として、図4のように左右方向に設定された回転軸を中心に回転可能な2重構造となるドラム36、37が配置される。内側には第1の回転ドラム36が設けられ、外側には第2の回転ドラム37が同軸的に配置されて、2重構造となっている。
内側の第1の回転ドラム36には、所定部位に遊技球を吸着するための複数(例えば、図示のように回転軸と平行に3つ)の磁石38が取り付けられている。外側の第2の回転ドラム37の頂上の奥部には、球離脱路40が形成されている。球離脱路40は、第2の回転ドラム37のドラム外周面に第1の回転ドラム36の磁石38によって吸着された遊技球を第2のドラム37の表面から切り離し、遊技球を球離脱路40上へ導く。
球離脱路40の奥方には、中央に特別入賞口41が、その左右に一般入賞口42が設けられている。特別入賞口41には特別入賞口41の球の入賞を検出する特定領域スイッチ43(図5参照)が備えられる。
前面枠部材20の凹室15の前底部には、落とし穴(一般入賞口)44を形成すると共に、落とし穴44を開閉する床板部材45が配置されている。床板部材45は、その後側縁部に左右方向に沿った回転軸が設定され、床板部材用ソレノイド46(図5参照)によって、落とし穴44を閉塞するほぼ水平な状態(僅かに後方に向かって下り傾斜した状態)から落とし穴44を開放するように前端部が下を向いた状態(垂直な状態もしくは斜め下を向いた状態)まで回動可能となっている。
球離脱路40の入口には、左右に、誘導部材47a、47bが配置されている。誘導部材47a、47bは、扇状の形状を有し、円弧辺側を外周とし、基端部となる鋭角側を回転中心として回転移動するようになっている。誘導部材47a、47bは、誘導部材用ソレノイド48(図5参照)によって、左右の一般入賞口42を遮る位置(特別入賞口41は遮らない)から、左の誘導部材47aは左に、右の誘導部材47bは右に、それぞれ一般入賞口42を遮らない位置に回転移動可能となっている。
揚送装置16は、内側の第1の回転ドラム36を回転させる第1のモータ50と、外側の第2の回転ドラム37を回転させる第2のモータ51とを有する。これら第1および第2のモータ50、51は、回転速度および回転方向を変更可能なモータ、例えばステッピングモータからなる。
第1の回転ドラム36には、上述のように所定部位に磁石38を取り付けている。第2の回転ドラム37には、表面に所定の表示(道、風景、街等の画)を付してある。
第1、第2のモータ50、51は、第1、第2の回転ドラム36、37を独立して互いに異なる回転態様で回動可能になっている。
第1の回転ドラム36は、図4において、その前側(図中右側)が下から上に回転する方向に、第2の回転ドラム37は、第1の回転ドラム36の回転方向と逆方向に回転させるようになっており、第1の回転ドラム36に吸着され第1の回転ドラム36の回転に対応して第2の回転ドラム37の表面上(ドラム外周面上)を移動する遊技球と、第2の回転ドラム37のドラム外周面が逆に移動することで、従来にない興趣を得られるようになっている。また、適時、第1の回転ドラム36と第2の回転ドラム37との回転速度を異なるものとしたり、回転方向を異なるもの(逆回転)としたり、一方の回転ドラムを停止した状態で他方の回転ドラムだけを回転できるようになっている。
凹室15の前底部の床板部材45上の遊技球は、第1の回転ドラム36の磁石38によって第2の回転ドラム37のドラム外周面に吸着されて上方へ移動した後に、球離脱路40に移送され、誘導部材47a、47bの位置によって、中央の特別入賞口41あるいはその左右の一般入賞口42に入賞するようになっている。
ここで、揚送装置16には、図4で示すように、第1の回転ドラム36の磁石38によって第2の回転ドラム37のドラム外周面に吸着されて上方へ移動する遊技球を検出する吸着検出センサ58が配設される。吸着検出センサ58は、対向する位置に配置された発光部材59からの光を検出する。発光部材59の光軸は、図示のように、第1及び第2の回転ドラム36、37の回転軸50aと平行で、かつ、第2の回転ドラム37から遊技者側の所定位置(ドラム37外周から遊技球の直径未満)に設定される。遊技球が第2の回転ドラム37に吸着されて上方へ移動するときには、発光部材59の光は遊技球の通過により一時的に遮られるので、吸着検出センサ58は、発光部材59の光が所定時間以上検出できなかったときに、遊技球が第2の回転ドラム37に吸着されて球離脱路40へ移動するのを検出することができる。
流入口30a、30bから変動入賞装置4内に流入した全ての遊技球は、補助遊技カウントスイッチ35を通過した後に、上述のように、凹室15に設けた落とし穴(一般入賞口)44や、揚送装置16によって持ち上げられて特別入賞口41あるいは一般入賞口42へ入賞し、最後は、図3で示すように、最終的に凹室15内の残存球を検出する残存確認スイッチ57を通過して、変動入賞装置4から排出される。なお、残存確認スイッチ57は、変動入賞装置4の所定の排出流路に設置される。
すなわち、流入口30a、30bから凹室15内に流入した遊技球は、カウントスイッチ35により凹室15内へ入ったことを検出され、また、残存確認スイッチ57を通過してから排出されるので、カウントスイッチ35が計数した数と残存確認スイッチ57が計数した数の差が0となったときに、凹室15内の遊技球が変動入賞装置4から排出されたことを確認できる。
変動入賞装置4の上部構造部材21と前面枠部材20との間には、LCDなどで構成された画像表示装置(表示装置)56が配置される。
また、図1において、遊技盤1の左下には、遊技領域3の外部に特別図柄表示器(表示装置)52、特図用記憶表示器53、普通図柄表示器(表示装置)54、普図用記憶表示器55が配設される。
特別図柄表示器52、普通図柄表示器54には、それぞれ複数の識別情報(識別図柄、数字等)を変動表示する特図の変動表示ゲーム、普図の変動表示ゲーム等が表示される。
特図用記憶表示器53には、前記特図始動口5への遊技球の入賞が、特図始動記憶(未だ特図の変動表示ゲームを行っていない入賞の保留記憶)として、例えば最大4回分を限度にその特図始動記憶の数がLEDの点灯数によって表示される。
普図用記憶表示器55には、前記普図ゲート10への遊技球の通過が、普図始動記憶(未だ普図の変動表示ゲームを行っていない入賞の保留記憶)として、例えば最大4回分を限度にその普図始動記憶の数がLEDの点灯数によって表示される。
前記特図始動口5には、チューリップ式の普通変動入賞装置(普通電動役物)60が備えられる。普通変動入賞装置60は、普電ソレノイド61(図5参照)への通電により、特図始動口5の入口を拡開するように変換される。
大入賞口6は、大入賞口ソレノイド62(図5参照)への通電により、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。大入賞口6には、大入賞口6の球の入賞を検出する大当たりカウントスイッチ63(図5参照)が備えられる。
図示しないが、遊技機の下部には、遊技球の上皿、下皿、打球発射装置等が設けられ、打球発射装置からの遊技球は、発射路を通り、遊技領域3に打ち出される。遊技球の特図始動口5、一般入賞口7、8、42、44、変動入賞装置4の特別入賞口41、大入賞口6の入賞に対して賞球は、入賞装置の種類に応じた数が排出装置(図5参照)から上皿、下皿に供給される。
図5は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース等から構成される。
遊技制御装置100は、各種検出装置(特図始動センサ12、普図始動スイッチ13、一般入賞口センサ14A〜14N、補助遊技カウントスイッチ35、特定領域スイッチ43、残存確認スイッチ57、吸着検出センサ58、大当たりカウントスイッチ63)からの検出信号を受けて、種々の処理を行う。そして、各種制御装置(演出制御装置150、排出制御装置200)、普電ソレノイド61、可動部材用ソレノイド32a,32b、床板部材用ソレノイド46、誘導部材用ソレノイド48、第1、第2のモータ50、51、大入賞口ソレノイド62等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
また、遊技制御装置100は、特別図柄表示器52、普通図柄表示器54、の表示、ならびに特図用記憶表示器53、普図用記憶表示器55の装飾発光部材(LEDなど)を制御する。
さらに、遊技制御装置100には、各種情報を遊技機外部に出力するための外部出力端子基板105が備えられる。遊技制御装置100から外部出力端子基板105を介して遊技店の管理装置(ホールコンピュータ)に遊技情報(入賞情報、変動表示ゲームの回数、大当たり情報等)等が送信され、管理装置にて遊技機の稼動状態が統括的に管理される。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号またはカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、排出装置の動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
演出制御装置150は、画像表示装置56で行われる表示制御と、装飾用ランプ、装飾用LED等の装飾発光装置110、スピーカ120からの効果音出力を制御するもので、CPU、ROM、RAM、インターフェース等から構成される。なお、画像表示装置56で行われる表示制御は、遊技制御装置100が行う特別図柄表示器52の変動表示ゲームに連携した表示制御である。なお、画像表示装置56で行う表示は、特別図柄表示器52の変動表示ゲームと同一のものであっても良い。
次に、遊技制御装置100の制御内容を、図6〜図15のフローチャートに基づいて説明する。
図6は、遊技制御装置100で実行される遊技制御のメインフローを示す。遊技機への電源が投入されると図6(a)のフローチャートに示す処理が実行され、所定時間周期(例えば1ms)毎にタイマ割り込みが発生すると図6(b)のフローチャートに示すタイマ割込処理が呼び出されて実行されるようになっている。
まず、遊技機が起動されると、図6(a)のステップS1で初期化処理が実行され、遊技機のRAMなどを初期状態に設定する。次いでステップS2で攪拌用乱数の更新処理が実行され、「撹拌用カウンタ」を更新する処理を行う(詳細については後述する)。
以後このステップS2の処理を、遊技機への電源供給がなくなるまで、繰り返し行う。
次に、タイマ割り込みが発生した際に遊技制御装置400で実行される処理手順について、図6(b)のフローチャートを参照して説明する。
以下に説明するステップS11〜ステップS22のタイマ割り込み処理は、例えば、1msといった比較的短い比較的短い時間周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、割り込み禁止の設定と、レジスタ退避の処理を行う。
ステップS12では、入力処理を行う。ここにいう入力処理とは、例えば入力インターフェースを介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理を施し、入力情報を確定する処理である。
ステップS13では、出力インターフェースを介し、予め決められたデータを予め決められた出力先に出力する処理を行う。出力されるデータとしては、各種ソレノイド、モータ等のデータが含まれる。
ステップS14では、後述する表示制御指令信号(コマンド)を演出表示制御装置150に出力する処理や、排出発射制御装置200に賞球指令信号を出力する処理などを行う。
ステップS15では、乱数更新処理を行い、特別図柄表示器52で実行される変動表示ゲームを当たりにするか否かを決定するための「特図乱数カウンタ」、普通図柄表示器54で実行される変動表示ゲームを当たりにするか否かを決定するための「普図乱数カウンタ」、及び変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾(変動表示パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための各乱数カウンタの値を更新する。「特図乱数カウンタ」を更新するときには、例えば0から99の間でカウンタの値を所定の時間周期、例えば1ms周期で1づつ増加させ、値が99を越したときに再び0に戻すような処理を行っており、遊技球が特図始動口5へ入賞した際の「特図乱数カウンタ」の値が、特定の値であった場合には、特図変動表示ゲームが当たりとなる様になっている。
ステップS16では、遊技機の球詰まりや各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う。
ステップS17では、スイッチの監視処理を行う。なお、このスイッチ監視処理については図7のフローチャートを参照して後述する。
ステップS18では、特別図柄ゲーム処理、すなわち始動口5への入賞(特図始動スイッチ12での球検知)に伴って特別図柄表示器52の変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果に対応して変動入賞装置の可動部材の作動、並びに、大当たりが発生して変動入賞装置を作動させる処理を行う。なお、このメインゲーム処理については図11のフローチャートを参照して後述する。
ステップS19では、普通図柄ゲーム処理、すなわち普図変動表示ゲームの進行ならびに普通変動入賞装置を制御する処理を行う。具体的には、普図始動スイッチ13で検知された普図ゲートの遊技球の通過に基づいて抽出した普図乱数カウンタ値が当たりか否か判定し、普通図柄表示器54の変動表示のための処理を行う。普図乱数値が所定の値であれば、普図に関する当たり状態となり、普図が当たり図柄で変動表示が停止する。この当たり状態になると普電ソレノイドを駆動して普通変動入賞装置を開放し、入賞が容易な状態になる。
ステップS20では、内部構造制御情報編集処理を行う。この処理では、変動入賞装置4の可動部材(可動部材用ソレノイド32a)の出力バッファ、誘導部材(誘導部材用ソレノイド48)の出力バッファ、床板部材(床板部材用ソレノイド46)の出力バッファ、第1のモータ50の出力バッファ、第2のモータ51の出力バッファへデータを設定する。
ステップS21では、外部情報編集処理を行う。この処理では、外部出力端子105を介して接続されるホールコンピュータ(管理装置)に遊技機の状態を出力するための遊技情報を編集する処理を行う。
遊技制御装置100は、上述の処理を実行し、一時退避していたレジスタの復帰処理および禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理をステップS22のレジスタの復帰割込許可で行い、リターンする。そして、次のタイマ割り込みが発生するまでステップS2における撹拌用乱数更新処理を繰り返し行う。
なお、前述したステップS15で、常時、「特図乱数カウンタ」の値を、0〜99の間で単純に巡回させてしまうと、特図変動表示ゲームが当たりとなってしまうタイミングが簡単に判明するという不都合があるので、ステップS15の処理では、「特図乱数カウンタ」の値が1周した際に、「特図乱数カウンタ」の値を、「特図乱数カウンタ」とは別のタイミングで更新される「撹拌用カウンタ」の値に置換してから、再度、周回させる処理を行っている。そのため「撹拌用カウンタ」自体を更新する処理がステップS2における撹拌用乱数更新処理で行なわれている。
図7は、図6(B)のS17で行われるスイッチ監視処理のサブルーチンを示す。
S25、S26にて、後述する処理に応じてセットした処理タイマを更新する。
S27の賞球関連SW監視処理では、遊技球の特図始動口5、一般入賞口7、8、42、44、変動入賞装置4の特別入賞口41、大入賞口6の入賞に対して、賞球数を決定する。
S28の特図始動SW監視処理では、特図始動スイッチ12が遊技球を検出したかを監視し、特図始動スイッチ12がオンになったときには特図始動口5の遊技球の入賞に対して、特図始動記憶数が4個以下であれば、その特図始動記憶に応じて乱数値を抽出する。
S29では、後述する図11の特図ゲーム処理で用いる処理番号が5で、上記S28で特図始動スイッチ12が遊技球を検出したか否かを判定する。すなわち、補助遊技の実行によって変動入賞装置4の可動部材22a、22bが開動作し、このとき可動部材22a、22bにて遊技球が拾われると、特定入賞有効状態(補助遊技カウントスイッチ35を最初に遊技球が通過してから、凹室15内の遊技球がすべて外部へ排出されるまでの間であって、特定領域スイッチ43が有効となる状態)が発生するので、特定入賞有効状態が発生しているとき(処理の都合上、処理番号が5となっているときに限定)に、特図始動スイッチ12による検出(特図変動表示ゲームの始動入賞)があったときにはS30に進んで特殊報知実行フラグをオンに設定する。この特殊報知実行フラグは、オンのときに変動表示ゲームの結果が確定する時期を画像表示装置56で報知する表示演出を制御する。
一方、S29では、特図始動スイッチ12が遊技球を検出しても、現在の処理番号が5でなければS31に進む。
次に、S31の普図始動SW監視処理では、普図ゲート10の遊技球の通過に対して、普図始動スイッチ13が遊技球を検出したことを監視し、遊技球を検出した場合には普図始動記憶数が4個以下であれば、その普図始動記憶に応じて乱数値を抽出する。
S36の大当たりカウントSW監視処理では、大当たりカウントスイッチ63の遊技球の検出結果に基づいて大当たり遊技(特別遊技)中の大入賞口6の遊技球の入賞数をカウントする。
S37の補助遊技カウントSW監視処理、S38の特定入賞検出SW監視処理は後述する。
最後のS39では、変動入賞装置4内の遊技球が第1及び第2の回転ドラム36、37に吸着されて上昇したか否かを、吸着検出センサ58の出力に基づいて監視する処理である。この処理の詳細については後述する。
図8は、図7のS33で実行される補助遊技カウントスイッチ監視処理のサブルーチンを示す。
S41では、後述する図11の特別図柄ゲーム処理における処理番号を参照して、現在の処理番号が3(補助遊技中)または4(停止延長中A)であるかを判定する。処理番号が3または4の場合にはS42の処理へ進み、そうでない場合にはサブルーチンを終了する。
補助遊技カウントSW監視処理は、後述する図15の補助遊技準備処理においてセットした補助遊技カウント有効タイマの時間中に、変動入賞装置4の凹室15に入る遊技球を補助遊技カウントスイッチ35の出力により監視する。
S42にて、上記補助遊技カウント有効タイマを更新すると共に、S43にて補助遊技カウント有効タイマがタイムアップしたか否かを判定して、タイムアップしていないときは、S44、S45にて、補助遊技カウントスイッチ35が変動入賞装置4の凹室15に入る遊技球を検出する毎に、補助遊技入賞数カウンタを+1(加算)する。
一方、S43にて補助遊技カウント有効タイマがタイムアップと判定された場合には、S46へ移行し、補助遊技入賞数カウンタが0であれば、S47にて後述する図11の特別図柄ゲーム処理における処理番号を0に設定し、補助遊技入賞数カウンタが0より大きければ、S48にて後述する図11の特別図柄ゲーム処理における処理番号を5にセットする。
図9は図7のS34で行われる特定入賞検出SW監視処理のサブルーチンである。
特定入賞検出SW監視処理は、後述する図15の補助遊技準備処理においてセットした特定入賞有効タイマの有効時間中に、変動入賞装置4の特別入賞口41の遊技球の入賞を監視するものである。
S51では、後述の図11の特別図柄ゲーム処理における処理番号を参照して、現在の処理番号が3(補助遊技中)、4(停止延長中A)または5(停止延長中B)であるかを判定する。処理番号が3〜5の場合にはS52の処理へ進み、そうでない場合にはサブルーチンを終了する。
S52にて、後述する図15の補助遊技準備処理においてセットした特定入賞有効タイマを減算更新し、S53では、特定入賞有効タイマがカウントアップして所定の時間(例えば、40秒)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していなければS54に進み、所定時間が経過した場合には後述するS63のエラー処理へ進む。
S54では凹室15内の遊技球が排出されたことを検出する残存確認スイッチ57の出力がオンとなったか否かを判定する。残存確認スイッチ57の出力がオンとなった場合には、S55で補助遊技入賞数カウンタをデクリメント(−1)する。なお、残存確認スイッチ57の出力がオフの場合にはS56へ進む。
S56では、変動入賞装置4の特別入賞口41に遊技球の入賞の検出があったか否かを特定領域スイッチ43の出力から判定し、特定領域スイッチ43の出力がオンとなって遊技球の検出があったときにはS57へ進む一方、遊技球の検出がない場合にはS60に進む。
S57では、補助遊技入賞数カウンタの値が0より大であるか否かを判定する。補助遊技入賞数カウンタの値が0より大の場合にはS58へ進み、0のときにはS60に進む。
S58では、処理番号を6にセットし、補助遊技中にオンしていた変動入賞装置4の可動部材22a、22bの電役出力バッファをオフにし(可動部材22a、22bの閉動作)、特図の図柄変動中断指令を演出制御装置150に送信する。そして、S59にて大当たり遊技(特別遊技)の開始を指令してサブルーチンを終了する。
一方、S53で所定時間を経過した場合、S56、S57で「N」となった場合のS60では、現在の処理番号が「5」であるか否かを判定し、「5」であればS61に進み、「5」以外の場合にはサブルーチンを終了する。
S61では、補助遊技入賞数カウンタが0となったか否か、つまり、凹室15内の遊技球が全て排出されたか否かを判定し、全て排出されたときにはS62へ進む。全て排出されていないときは、サブルーチンを終了する。
S62では、処理番号が「0」に戻して、サブルーチンを終了する。
一方、S53で特定入賞有効タイマがタイムアップしたにもかかわらず、凹室15内に遊技球が残っていると判断されてS63へ進んだ場合には、遊技球が引っかかるなどの不具合が生じたと判定してエラー処理を行う。エラー処理では装飾ランプを点滅させるなどの所定の報知を行って、ホールの従業員にエラーが発生したことを通知する。
図10は、上記図7のS35で行われる吸着検出センサ監視処理のサブルーチンを示す。
S64では、後述する図11の特別図柄ゲーム処理における処理番号を参照して、現在の処理番号が3(補助遊技中)、4(停止延長中A)または5(停止延長中B)であるかを判定する。処理番号が3〜5の場合にはS62の処理へ進み、そうでない場合にはサブルーチンを終了する。
S65にて、吸着検出監視タイマを更新すると共に、S66にて吸着検出監視タイマがタイムアップしたか否かを判定して、タイムアップしていないときはS67に進み、タイムアップしたときには、S69へ進んで次の補助遊技のために吸着検出フラグ、保留記憶数、次回変動の記憶乱数の判定結果などからなる次回変動参考情報を演出制御装置150に出力して、サブルーチンを終了する。
一方、S67では、吸着検出センサ58が遊技球を検出したか否かを判定し、遊技球の通過を検出した場合にはS68で吸着検出フラグをオンにセットしてサブルーチンを終了する。
上記処理により、吸着検出監視タイマがカウント中の所定の期間では、吸着検出センサ58が遊技球の通過を検出すると吸着検出フラグがオンとなる。
また、吸着検出監視タイマがタイムアップしたときには、次回の変動表示のために吸着検出フラグ、保留記憶数、次回変動の記憶乱数の判定結果などが演出制御装置150に送信される。
次に、図11は、上記図6(B)のS18で行われる特別図柄ゲーム処理のサブルーチンを示す。
S71では、遊技状態を示す処理番号により分岐する。
処理番号=0は特図の変動表示ゲームの開始待ちを表す。処理番号=1は特図の変動表示ゲームの変動中を表す。処理番号=2は特図の変動表示ゲーム後の補助遊技の待機中を表す。処理番号=3は補助遊技中を表す。処理番号=4、5、6は特別図柄ゲーム処理の停止延長中を表す。
処理番号=0のときは、S72にて特図始動記憶があれば(0より大)、S73、S74の処理を行う。
S73の始動情報設定処理は、図12のように、特図始動記憶数をデクリメント(−1)し、抽出してある乱数値が当たりかどうかを判定し、その判定値に基づいて特図の変動表示ゲームの停止図柄を決定する。そして、停止図柄に基づいて特図の変動表示ゲームの図柄変動時間を決定し、特殊報知実行フラグをオフにリセットしてから、次回の変動表示ゲーム用に記憶乱数領域をシフトする(S91〜S96)。なお、図12のS93にて当たり図柄を設定する場合には、特定の当たり(「77」という図柄)かそれ以外の当たり(「33」又は「55」という図柄)かを選択して設定する。
S74では、処理タイマに所定の時間(処理番号1の処理時間)を設定し、処理番号を1にセットし、また、特別図柄表示器52にて変動表示ゲームを開始するとともに、特図の変動表示ゲームの図柄変動開始指令を演出制御装置150に送信する。
この図柄変動開始指令によって、演出制御装置150が画像表示装置56における図柄の変動表示ゲームを開始する。これにより、特別図柄表示器52の図柄変動と、画像表示装置56の図柄変動とが、同時に開始する。
処理番号=1のときは、S75の変動中処理を行う。
S75の変動中処理は、図14のように、処理タイマがタイムアップすると、処理タイマに時間(処理番号2の処理時間)を設定し、処理番号を2にセットし、また、特別図柄表示器52にて変動表示ゲームを停止させるとともに、特図の変動表示ゲームの図柄変動停止指令を演出制御装置150に送信する(S101、S102)。
この図柄変動停止指令によって、演出制御装置150が画像表示装置56における変動表示ゲームの図柄の変動を停止し、表示する図柄を、上記S93で決定した停止図柄にて表示する。これにより、特別図柄表示器52の図柄変動と、画像表示装置56の図柄変動とが、同時に停止する。
処理番号=2のときは、S76の補助遊技準備処理を行う。
S76の補助遊技準備処理は、図15のように、処理タイマがタイムアップすると、特図の変動表示ゲームが当たりかどうかを判定し、ハズレのときは処理番号を0に戻す(S111〜S113)。
当たりの場合は、特定の当たり(例えば、特別図柄表示器52で行われる変動表示ゲームが2桁の数字または文字で行われる場合、「77」という図柄の組合せ)とその他の当たり(「33」又は「55」という図柄の組合せ)とに分けて、図16のテーブルに基づいて、処理タイマ、補助遊技カウント有効タイマ、吸着検出有効タイマの各値を設定する。そして、特定入賞有効タイマの値を「0秒」にクリアする。各タイマの値は、図16で示すように、特定の当たりのときに長い時間を設定し、その他の当たりのときには短い時間を設定する(S114)。
タイマのセット後、処理番号を3にセットし、変動入賞装置4の可動部材22a、22bの電役出力バッファをオンに設定し、補助遊技入賞数カウンタをクリアし、吸着検出フラグをオフにする(S115)。
この電役出力バッファのオンによって、変動入賞装置4の可動部材22a、22bが開かれる。このとき、第1、第2のモータ50、51を前述のように回転すると共に、床板部材45、誘導部材47a、47bを間欠的に往復動する等の所定動作を行う。
処理番号=3のときは、S77にて処理タイマがタイムアップしたときに、S78にて処理番号を4にセットし、S79にて変動入賞装置4の可動部材22a、22bの電役出力バッファをオフにする。この電役出力バッファのオフによって、変動入賞装置4の可動部材22a、22bが閉じる。
S77の判定で処理タイマがタイムアップしない場合にはそのまま処理を終了する。
処理番号=4のときは、補助遊技の結果(図8の処理)を待つ。
処理番号=5のときは(図8のS48で設定)、変動入賞装置4の凹室15への入賞数が多く、特別入賞口41への入賞確率が高く、大当たりを発生しやすいため、処理番号=4のときよりも時間を延長して、補助遊技の結果(図9の処理)を待つ。
処理番号=6のときは(図9のS58で設定)、大当たりの発生のため、大当たり遊技の終了を待つ。
大当たり遊技は、大入賞口6を所定期間開放するラウンドを所定回行う。1ラウンドは、大入賞口6へ遊技球が所定数入賞するとあるいは所定時間経過すると終了し、所定ラウンドが終了すると、大当たり遊技を終了する。なお、大当たり遊技の終了時には、処理番号が6から0に更新される。
このように、特図始動口5の遊技球の入賞による特図始動記憶によって、特別図柄表示器52に変動表示ゲームが行われ、変動表示ゲームが当たりであれば、変動入賞装置4の可動部材22a、22bが開かれ、揚送装置16の第1、第2の回転ドラム36、37が回転され、床板部材45、誘導部材47a、47bが所定動作される補助遊技が行われる。
この補助遊技の変動入賞装置4の可動部材22a、22bの開動作によって、変動入賞装置4の凹室15内に入った遊技球が、床板部材45に乗って第1の回転ドラム36の磁石38によって吸着されて球離脱路40に揚送され、特別入賞口41に入賞すると、大当たりを発生して、大当たり遊技が行われる。
これに対して、変動表示ゲームがハズレであれば、その変動表示の終了後、次の特図始動記憶によって、特別図柄表示器52では新たな変動表示ゲームが行われる。
また、後述するように、特別図柄表示器52で変動表示ゲームが行われるときには、画像表示装置56において特別図柄表示器52の表示に連携した表示演出が行われる。
ここで、図12のS94で行われる図柄変動時間の決定処理について、図13を参照しながら説明する。
図柄変動時間は、前回実行された補助遊技(変動表示ゲームが当たりとなって可動部材22a、22bが作動した遊技)の際に発生した特定入賞有効状態(補助遊技カウントスイッチ35を最初に遊技球が通過してから、凹室15内の遊技球がすべて外部へ排出されるまでの間であって、特定領域スイッチ43が有効となる状態)の時間に関連して決定される。なお、処理番号が「3」〜「5」のときは、図9のステップS52で特定入賞有効タイマの値が更新されるが、カウント有効タイマがタイムアップしたときに(処理番号「5」が実行された場合は凹室15内の残存球が無くなったときに)、処理番号が「0」に変わり、その時点での特定入賞有効タイマの値がそのまま残存しているので、特定入賞有効タイマの値には、前回実行した補助遊技のときの特定入賞有効タイマの値が残っていることになる。ただし、補助遊技の際に特定領域スイッチ43を遊技球が通過して大当たりとなったときは、図9のステップS58の処理で、特定入賞有効タイマの値が0秒に設定される。
具体的に図柄変動時間を決定する場合は次のように行う。まず、特殊報知実行フラグ(図7のステップS30で設定)がオンか否かを判定し、オンであれば、特図乱数カウンタとは別の乱数(第1の振り分け用の乱数)を新たに取得し、50%の確率でもって、図柄変動時間に固定時間(5秒)を設定する。
特殊報知実行フラグがオンであっても、前記した50%の確率から外れてしまったときには、あるいは、特殊報知実行フラグがオフであった場合には、図13のテーブルに従って、特定入賞有効タイマの値(前述したように、前回実行した補助遊技のときの特定入賞有効タイマの値が残っている)に基づいてグループを決定し、さらに、グループに属する4つの時間値の候補から1つの時間値を選択する。時間値の選択は、4つの候補のそれぞれが、1/4の確率で均等に選択されるようになっており、特図乱数カウンタとは別の乱数(第2の振り分け用の乱数)を新たに取得して、振り分けるようになっている。
例えば、特定入賞有効タイマの値が3.0秒であれば、図13の表の2行目のグループが対象となり、2.8秒、2.3秒、1.8秒、1.3秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。また、特定入賞有効タイマの値が6.0秒であれば、図13の表の3行目のグループが対象となり、2.6秒、2.1秒、1.6秒、1.1秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。よって、特定入賞有効タイマの値が大きいほど、相対的に小さな時間値が選択されるようになっている。
なお、前回の補助遊技の際に、特定領域スイッチ43を遊技球が通過して大当たりとなったときは、特定入賞有効タイマの値が0秒となるので、図13の表の最下行のグループが対象となり、13.0秒、11.0秒、9.0秒、7.0秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。
図17は、演出制御装置150で実行される演出制御(画像表示装置56の表示演出)の処理の一例を示すフローチャートである。
S121では、上記図10のS69の処理で遊技制御装置100から出力された次回変動参考情報を受信したか否かを判定し、次回変動参考情報を受信していればS122の処理へ進み、受信していなければS123の処理に進む。
S122では、受信した次回変動参考情報に含まれる吸着検出フラグ、保留記憶数、次回変動の記憶乱数の判定結果に基づいて、図18のテーブルから報知の有無を決定し、「報知有り」となった場合に限り、画像表示装置56で変動表示ゲームの結果を事前に知らせる報知表示を実行する。
例えば、図18のテーブルで示すように、始動記憶数が0のとき、或いは、始動記憶数の数に関係なく吸着検出フラグがオン(補助遊技により揚送装置16で遊技球が特別入賞口41または一般入賞口42へ向けて上昇中)のときには、「報知なし」となり、画像表示装置56での報知は行われない。
一方、始動記憶数が0でなく、且つ、吸着検出フラグがオフ(補助遊技により揚送装置16で遊技球が特別入賞口41または一般入賞口42へ向けて上昇していることを検出しない状態)のときには、次回行われる特別図柄表示器52の変動表示ゲームの結果に応じて設定内容が異なる。
まず、次回変動参考情報の記憶乱数の判定結果がハズレの場合(次回行われる特別図柄表示器52の変動表示ゲームがハズレになる場合)、「報知なし」となり、画像表示装置56での報知は行われない。
次回変動参考情報の記憶乱数の判定結果が当たりの場合(次回行われる特別図柄表示器52の変動表示ゲームが当たりになる場合)は、高い確率(70%)でもって「報知あり」の決定となって画像表示装置56での報知が行われ、低い確率(30%)でもって「報知なし」の決定となって画像表示装置56での報知が行われないようになっている。なお、特図乱数カウンタとは別の乱数(第2の振り分け用の乱数)を新たに取得し、この乱数を用いて報知の有無を前記した確率(70%と30%の振り分け)で持って決定している。
なおS122で実行される報知は、例えば、図23のS14で示すように、可動部材22a、22bが開放することを予告する画像が画像表示装置56に表示される。
次に、S123では、上記図11のS74で遊技制御装置100から送信された図柄変動開始指令を受信したか否かを判定し、図柄変動開始指令を受信したときにはS124へ進み、受信していないときにはS128へ進む。
S124では、画像表示装置56で行われる変動表示ゲームの停止図柄を乱数の判定結果に基づいて決定する。そして、S125では画像表示装置56において変動表示ゲームを開始する。
次に、S126では、上記S121で受信した特殊報知実行フラグ(図7のS30)がオンであるか否かより、特殊報知の有無を判定する。特殊報知実行フラグがオンであれば、変動表示ゲームの結果が確定する時期を知らせるカウントダウン報知を画像表示装置56で行う。
このカウントダウン報知は、図23のS144で示すように、現在の変動表示ゲームが後何秒で確定するかを知らせる画像を画像表示装置56に表示し、時々刻々と表示される時間を変化させるもので、変動表示ゲームの図柄が停止するタイミングから時間を逆算して表示するものである。
この表示が行われると、変動表示ゲームの図柄が停止するタイミングを容易に捉えることができ、変動表示ゲームの図柄の停止に合わせて補助遊技が行われる(変動入賞装置4の可動部材22a、22bが作動する)ことから、遊技者は、可動部材22a、22bの作動に合わせて、効率よく遊技球を発射させることができる。つまり、カウントダウン報知が行われることによって、遊技者は有利に遊技を進めることができる。
次に、S128では、上記図14のS102で遊技制御装置100が送信した図柄変動停止指令を受信した否かを判定する。図柄変動停止指令を受信した場合には、S129へ進んで画像表示装置56の変動表示ゲームを停止させる。この際に、上記S124で決定した停止図柄を表示する。
以上の処理により、演出制御装置150は、特別図柄表示器52の変動表示ゲームと同期して画像表示装置56で変動表示ゲームを開始することができ、また、特別図柄表示器52の変動表示ゲームの結果について報知を行うことができる。
そして、変動表示ゲームが当たりとなる場合で、始動記憶数が1以上、かつ、吸着検出フラグがオフのときには、所定の確率で報知表示を行い、画像表示装置56にて変動表示ゲームの結果を事前に遊技者に知らせる。
さらに、図7のS29、S30で設定された特殊報知実行フラグがオンのとき、換言すれば、特定入賞検出スイッチ監視処理中に始動口5へ入賞すると特殊報知実行フラグがオンとなって、カウントダウン報知を行い、画像表示装置56にて変動表示ゲームの結果が確定する時間を遊技者に知らせる、という特典を付与する。つまり、特定入賞検出スイッチ監視処理(特定入賞有効状態)が終了しない限り、次回の変動表示ゲームが開始されない構成となっているため、遊技者は遊技球の発射を止めてしまうことが予想されるが、特定入賞検出スイッチ監視処理中に始動口5へ入賞させると、次回の変動表示ゲームで遊技者が有利な状態となるため、遊技者は、特定入賞検出スイッチ監視処理中でも遊技球を発射させる動機付けとなり得るのである。
以下に特別図柄表示器52及び画像表示装置56の変動表示ゲームと画像表示装置56の報知及び遊技の状態について、以下に説明する。
まず、変動表示ゲームの当たりによって、補助遊技が行われる場合、図19のように、時刻t0で特別図柄表示器52及び画像表示装置56の変動表示ゲームが確定し、可動部材22a、22bが時刻t1〜t2の期間で開く補助遊技が行われる。
時刻t1の補助遊技開始から補助遊技カウント有効タイマがカウント中の期間(図中補助遊技カウント監視)は、可動部材22a、22bが閉状態に戻ってから所定時間が経過する時刻t3まで継続され、この期間に凹室15内へ遊技球が流入すると、補助遊技カウントスイッチ35がオンになる。
この補助遊技カウント監視の期間内に補助遊技カウントスイッチ35が遊技球を検出しなければ、上記図8のS47で処理番号=0に設定されるので、図11のS71、S72により、始動記憶があれば補助遊技カウント監視期間が終了すると、時刻t3からただちに次の変動表示ゲームが開始される。なお、特定入賞有効タイマは、時刻t1で「0秒」にクリアされるが、t3に至るまで加算更新されているので、t1からt3までの時間に対応して、図13のテーブルにより変動表示ゲームの実行時間が決定される。図では、t3からt4までが次の変動表示ゲームの実行時間となるが、時刻t3以降では、この変動表示ゲームの結果を画像表示装置56で報知できる。
次に、図20は補助遊技で凹室15内へ遊技球が流入し、次回の変動表示ゲームが当たりの場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、処理タイマのカウントアップ(図16で設定される時間の経過)が完了する時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。この補助遊技カウント監視期間内に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図8のS48、図10のS61及び図9のS51から、処理番号=5となって、図20の時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
吸着検出センサ監視処理が終了する時刻t3では、図10のS69により、演出制御装置150へ次回変動参考情報が送信され、図17により始動記憶数や吸着検出フラグ、特殊報知実行フラグの状態に応じて、画像表示装置56にて報知が実行される。
そして、図17の処理により、演出制御装置150は次の変動表示ゲームが開始される時刻t4まで、画像表示装置56で報知を継続する。
さらに、凹室15内に残っていた最後の残留球が、残存確認スイッチ57を通過する(時刻t4のタイミングに相当)と、次回の変動表示ゲームが開始される。なお、特定入賞有効タイマは、時刻t1で「0秒」にクリアされるが、t4に至るまで加算更新されているので、t1からt4までの時間に対応して、図13のテーブルにより変動表示ゲームの実行時間が決定される。図では、t4からt5までが次の変動表示ゲームの実行時間となっている。
すなわち、特定入賞有効タイマがカウント中の特定入賞検出スイッチ監視期間が終了するまで、報知表示は継続される。
なお、図11に示した処理番号は、図20の下部に示すように、変動表示ゲームの変動中は「1」、変動表示ゲームが当たりとなって、処理タイマがカウントアップを終えるまでの期間(t1〜t2)が「2」、補助遊技が開始されて可動部材22a、22bが開放している期間が「3」、可動部材22a、22bが閉じたときから、補助遊技カウント監視期間が終了するまでの期間が「4」、補助遊技カウント監視期間が終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間が「5」となる。
なお、床板部材用ソレノイド46は、補助遊技が開始された時刻t1から所定時間後にオンとなるよう制御される。また、吸着検出センサ監視期間は、上記図16のテーブルで決定された時間を、補助遊技が開始される時刻t1からカウントした期間であり、特定入賞検出スイッチ監視期間も、上記図16のテーブルで決定された時間を、補助遊技が開始される時刻t1からカウントした期間である。
ここで、画像表示装置56は、遊技者から視認しやすい変動入賞装置4に設けられ、特別図柄表示器52で変動表示ゲームが終了した後に、報知を行う。画像表示装置56では特別図柄表示器52の変動表示ゲームが終了した後も、報知を実行することで、次回の変動表示ゲームの結果について遊技者に期待を抱かせることが可能となって、遊技者が発射を止めてしまうタイミングを極力なくしているので、補助遊技の実行状態を正確に把握しつつも、遊技者に発射を止める機会を与えない遊技機を実現できる。
特に、次回の変動表示ゲームの結果が確定するまでの時間を時々刻々と表示するカウントダウン報知では、遊技者への期待感をさらに高めて、遊技球の発射を促すことができる。
さらに、変動表示ゲームの実行時間は、図13のテーブルで示したように、前回の補助遊技で発生した特定入賞有効状態の時間の長短に合わせて調整されるので、特定入賞有効状態の時間が長くなる頻度が高くなっても、遊技者が発射を止める時間を相対的に短くすることができる様になっている。そのため、遊技店側で、変動入賞装置4の可動部材22a、22bへの球の寄りを調整して、その結果、補助遊技で発生した特定入賞有効状態の時間が大きく変化しても、遊技者が発射を止める時間までもが大きく変化しないように制御することができるので、遊技店に扱いやすい遊技機を提供することができる。
さらに、次回実行される変動表示ゲームにて補助遊技が行なわれる場合には、報知表示により図23のS143のように、補助遊技が行なわれることが明示されるため、遊技肴に対して遊技球の発射を強く促すことが可能となり、より一層、遊技者により発射を止めさせないようにすることができる。
なお、変動表示ゲームの実行状態は外部出力端子基板105を介して接続されるホールコンピュータ等の遊技機の外部の装置で収集して分析可能である。
図21は、変動表示ゲームが当たりとなって補助遊技で凹室15内へ入った遊技球が揚送装置16で吸着された場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、上記図20と同様に時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。この補助遊技カウント監視期間内(処理番号=3、4)に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図20と同様に時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
吸着検出センサ監視処理は、上記図16のテーブルで設定された時間に設定され、図中時刻t2からt4まで補助遊技カウントスイッチ35の監視が行われる。ただし、吸着検出監視タイマのカウントは上記図10のS64、S65により時刻t1から開始される。
この吸着検出監視期間内に2個の遊技球が検出され、時刻t4までの吸着検出監視期間内の時刻t3で吸着検出センサ58がオンとなって、揚送装置16により遊技球が球離脱路40へ持ち上げられたことを検出する。
しかし、特定入賞有効タイマがカウントアップする時刻t5まで行われる特定入賞検出スイッチ監視期間内に、特定領域スイッチ43はオフのままであり、さらに、残存確認スイッチ57が2個の遊技球を検出したことから、補助遊技はハズレとなる。
変動表示ゲームは、上記図20と同様に時刻t0で終了した後、次回の変動表示ゲームが特定入賞有効タイマがカウントアップした時刻t5から開始される。なお、特定入賞有効タイマは、時刻t1で「0秒」にクリアされるが、t5に至るまで加算更新されているので、t1からt5までの時間に対応して、図13のテーブルにより変動表示ゲームの実行時間が決定される。図では、t5からt6までが次の変動表示ゲームの実行時間となっている。
この場合、吸着検出センサ監視処理が終了する時刻t4では、吸着検出フラグがオンで補助遊技入賞数カウンタが2となっているため、図17の演出制御装置150の処理では、図18のテーブルより報知無しが選択され、次回の変動表示ゲームの結果にかかわらず、画像表示装置56の報知は行われない。
これにより、吸着検出フラグがオンになっているときは、遊技者が凹室15内の遊技球に注目していることから、報知を禁止することができる。
したがって、特定領域スイッチ43(特定入賞検出手段)により遊技球が検出(大当たり)される毎能性が高いか否かに対応して、遊技者に発射をさせるのか、遊技者に変動入賞装置4内部の遊技球を見せるのかを適宜制御することができる。
図22は、補助遊技で凹室15内へ入った遊技球が、揚送装置16で吸着されて変動表示ゲーム開始後に特別入賞口41へ入賞した場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、図21と同様に時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。時刻t1からの補助遊技カウント監視期間内に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図21と同様に時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
図21と同様に、吸着検出センサ監視期間内に吸着検出センサ58がオンになり、吸着検出センサ監視処理が終了すると上記図21と同様にして画像表示装置56では報知が行われない。
そして、時刻t4’では揚送装置16により変動入賞装置4の上部へ運ばれた遊技球は、特別入賞口41へ入賞し、特定領域スイッチ43がオンとなって大当たりとなる。
時刻t4’からは大当たり遊技(特別遊技)が行われ、大入賞口6を所定期間開放するラウンドを所定回行う。所定回数のラウンドが終了すると、大当たり遊技を終了する。大当たり遊技の終了時(時刻t5)には、処理番号が6から0に更新される。そして、図11の処理により次回の変動表示ゲームが実行される。なお、特定入賞有効タイマは、補助遊技の開始時点で「0秒」にクリアされるが、t4’の直前に至るまで加算更新されているが、特定領域スイッチ43がオンになったt4’の時点で「0秒」にクリアされるので、大当たり遊技終了直後の変動表示ゲームの実行時間は、図13のテーブルの「0秒(前回の変動で大当たり)」のグループから決定される。図では、t5からt6までが次の変動表示ゲームの実行時間となっている。つまり、大当たりが発生したときの補助遊技で計時された特定入賞有効状態の時間の長短には関係なく、大当たり遊技終了直後の変動表示ゲームの実行時間が決定される。
以上のように、図柄が停止状態(図23のS140)から変動する変動表示状態(図23のS141)の時間を、変動表示ゲームの結果や大当たり遊技の有無で可変とし、変動表示ゲームの確定後(図23のS142)には、吸着検出フラグの状態や次回の変動表示ゲームの結果に応じて図23のS143に示すように、次回の変動表示ゲームの結果を事前に報知する。また、図7のS29、S30により特定入賞有効状態(特定入賞検出スイッチ監視期間)のときに始動口5へ入賞すると次回の変動表示ゲームの確定時期を時々刻々と報知するカウントダウン報知が行われ、特定入賞有効状態の始動口5への入賞を変動表示ゲームと変動表示ゲームの間に反映させることができ、遊技者に対して特定入賞検出スイッチ監視期間の始動入賞に価値があることを認識させて、この特定入賞検出スイッチ監視期間における遊技球の発射を、遊技者に促すことができる。
また、補助遊技の実行に係わる変動表示ゲームの実行時間が、図13のテーブルにより、変動表示ゲームが行われない特定入賞有効状態(特定入賞検出スイッチ監視期間)の時間の長さに対応して調整されるので、変動表示ゲームの実行が終了した後、補助遊技が行なわれるタイミングが遊技者に察知されにくく、遊技者に発射を止めさせる要因を除去することが可能となる。
また、次回実行される変動表示ゲームにて補助遊技が行なわれることが事前に遊技者へ報知されるので、遊技者に対して、遊技球の発射停止は不利であるとの意識付けを行なうことができるようになり、より一層、遊技者が遊技球の発射を止めさせないようにすることができる。
そして、次回の変動表示ゲームの結果の報知または次回の変動表示ゲームの結果が確定する時間の報知を行なった場合には、遊技者に遊技球の発射を促すことができ、一方、遊技球が特別入賞口41へ入賞する確率が高いとき(揚送装置16で持ち上げられたとき)には報知を行わないので、遊技者に変動入賞装置4内部の遊技球を見るように促すことができるので、特定領域スイッチ43(特定入賞検出手段)により遊技球が検出される可能性が高いか否かに対応して、遊技者に発射をさせるのか、遊技者に変動入賞装置4内部の遊技球を見せるのかを適宜制御することができる。
また、特定入賞有効状態のときに始動口5へ入賞すると、図7のS29、S30により次回の変動表示ゲームの確定時期が報知(カウントダウン報知)される特典が遊技者に与えられるので、特定入賞有効状態であっても遊技者に遊技球の発射を止めないように促すことができる。
また、変動表示ゲームの変動時間は、図13のテーブルのように、変動表示ゲームが開始される前に、大当たりが発生した場合には、新たな変動表示ゲームは、前回の特定入賞有効状態の時間に係わりなく決定されるので、特別遊技以前に行われた変動表示ゲームの実行タイミングに束縛されないで、特別遊技終了後の変動表示ゲームを実行することが出来るので、遊技者は気分を新たに遊技を楽しむことが可能となる。
図24〜図27は、第2の実施形態を示している。第1実施形態では、残存確認スイッチ57を用いて凹室15内の遊技球の残存を監視することにより、補助遊技カウントスイッチ35を最初に遊技球が通過してから、凹室15内の遊技球がすべて外部へ排出されるまでの間を特定領域スイッチ43の有効状態としていたが、第2の実施形態では、残存確認スイッチ57を用いずに、補助遊技カウントスイッチ35を最初に遊技球が通過してから所定時間が経過するまでを特定領域スイッチ43の有効状態(特定入賞の有効状態)としている点が異なっている。なお、特定入賞の有効状態の時間は、補助遊技の際に、補助遊技カウントスイッチ35で計数された球の数に対応して、設定されるようになっている。また、第1実施形態では、特定入賞有効タイマの値を加算更新するのに対して、第2実施形態では、特定入賞有効タイマの値を減算更新する点が異なっている。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
まず、図24は、上記第1実施形態の図15に示した補助遊技準備処理のS114で参照する特定入賞有効タイマの設定値のテーブルである。
第2実施形態においては、図15の処理におけるステップS114の処理にて、前記第1実施形態の図8と同様に、図16のテーブルに基づいて、処理タイマ、補助遊技カウント有効タイマ、吸着検出有効タイマに次回の変動表示ゲームの結果(図中当たりの種類)に応じたそれぞれの値を設定する点は同じである。ただし、特定入賞有効タイマの値には「0秒」ではなく、図24のテーブルから次回の変動表示ゲームの結果(図中当たりの種類)に応じた基本時間を設定する点は異なっている。
また、第2実施形態においては、図12のS94で行われる図柄変動時間の決定処理は、図25に基づいて行われる。
図柄変動時間は、前回実行された補助遊技(変動表示ゲームが当たりとなって可動部材22a、22bが作動した遊技)の際に、補助遊技カウントスイッチ35を通過した遊技球の数(補助遊技入賞カウンタ数)によって決定される。なお、補助遊技の際に特定領域スイッチ43を遊技球が通過して大当たりとなったときは、後述する図27のステップS158の処理で、補助遊技入賞カウンタ数の値が「FFh」に設定される。
具体的に図柄変動時間を決定する場合は次のように行う。まず、特殊報知実行フラグ(図7のステップS30で設定)がオンか否かを判定し、オンであれば、特図乱数カウンタとは別の乱数(第1の振り分け用の乱数)を新たに取得し、50%の確率でもって、図柄変動時間に固定時間(5秒)を設定する。
特殊報知実行フラグがオンであっても、前記した50%の確率から外れてしまったときには、あるいは、特殊報知実行フラグがオフであった場合には、図25のテーブルに従って、補助遊技入賞カウンタ数の値(前回実行した補助遊技のときの補助遊技入賞カウンタ数の値が残っている)に基づいて図柄変動時間のグループを決定し、さらに、図柄変動時間のグループに属する4つの時間値の候補から1つの時間値を選択する。時間値の選択は、4つの候補のそれぞれが、1/4の確率で均等に選択されるようになっており、特図乱数カウンタとは別の乱数(第2の振り分け用の乱数)を新たに取得して、振り分けるようになっている。
例えば、補助遊技入賞カウンタ数の値が1個であれば、図25の表の2行目のグループが対象となり、2.8秒、2.3秒、1.8秒、1.3秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。また、補助遊技入賞カウンタ数の値が2個であれば、図25の表の3行目のグループが対象となり、2.6秒、2.1秒、1.6秒、1.1秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。よって、補助遊技入賞カウンタ数の値が大きいほど、相対的に小さな時間値が選択されるようになっている。
なお、前回の補助遊技の際に、特定領域スイッチ43を遊技球が通過して大当たりとなったときは、補助遊技入賞カウンタ数の値が「FFh」となるので、図25の表の最下行のグループが対象となり、13.0秒、11.0秒、9.0秒、7.0秒という時間値の候補の中から、1つが選択される。
次に、前記第1実施形態の図8に代わって、図26のフローチャートにより補助遊技カウントスイッチ監視処理を行う。
図26の処理ではS41〜S46までは、前記第1実施形態の図8と同様に処理を行う。すなわち、処理番号が3または4であれば、補助遊技カウント有効タイマを更新し、タイムアップを判定する。補助遊技カウント有効タイマがカウントアップしていないときには、補助遊技カウントスイッチ35で遊技球を検出したかを判定し、検出していれば補助遊技入賞数カウンタをインクリメントする。
一方、補助遊技カウント有効タイマがカウントアップした場合には、S46で補助遊技入賞数カウンタの値が0より大であるかを判定する。補助遊技入賞数カウンタの値が0のときには、補助遊技カウント有効タイマのカウント中(補助遊技カウント監視期間)に遊技球が凹室15内へ流入しなかったので、S47で処理番号を0に戻す。
一方、補助遊技入賞数カウンタの値が0より大のときには、S200へ進んで、図25のテーブルより補助遊技入賞数カウンタの値に応じた特定入賞有効タイマの延長時間を求める。そして、現時点における特定入賞有効タイマの基本時間に、図25で求めた延長時間を加算する。
次に、図27は前記第1実施形態の図9に示した特定入賞検出スイッチ監視処理のS58をS158に置き換えたものであり、その他は前記第1実施形態の図9と同一である。
特定入賞検出スイッチ監視処理は、処理番号が3〜5のときに特定入賞有効タイマがタイムアップ(「0秒」のこと)するまで減算更新し、更新中は特定領域スイッチ43(図中特定入賞検出スイッチ)で遊技球が特別入賞口41へ入賞したことを検出し、補助遊技入賞数カウンタの値が0より大のときに特定領域スイッチ43が遊技球を検出した場合は、S158に進んで大当たり遊技の準備を行う。
S158では、処理番号を6に設定し、電役出力バッファをオフに設定して可動部材22a、22bを閉じ、補助遊技入賞数カウンタの値に大当たりを示すFFhを設定してから、S59に進んで大当たり遊技を開始する。
以上の処理により、図24に示した基本時間が当たりの種類に応じて変化し、図25に示した延長時間が補助遊技入賞数カウンタの値に応じて変化することになる。つまり、特定入賞検出スイッチ監視期間は、図24に示した基本時間と、図25に示した延長時間との合算時間となり、結果として、特定入賞検出スイッチ監視期間が、補助遊技入賞数カウンタの値に応じて変化することになる。この場合、補助遊技入賞数カウンタの値が大きいほど、特定入賞検出スイッチ監視期間が長くなるように設定される。
さらに、前述したように、補助遊技入賞数カウンタの値が大きいほど、次回の変動表示ゲームにて、相対的に小さな時間値が選択されるようになっている。よって、特定入賞検出スイッチ監視期間が長くなるほど、次回の変動表示ゲームにて、相対的に小さな時間値が選択されるようになっているのである。
したがって、前記第1実施形態に述べた変動時間の変化に加えて、特定入賞検出スイッチ監視期間も変化し、カウントダウン報知を行う場合では、変動表示ゲームの度に報知される時間が異なり、遊技者が予想できないランダムな値となって、さらに遊技球の発射停止を抑制することができる。
以下に、本第2実施形態の作用を説明する。
図28は、変動表示ゲームが当たりとなって補助遊技で凹室15内へ遊技球が流入し、次回の変動表示ゲームが当たりの場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、処理タイマのカウントアップ(図16で設定される時間の経過)が完了する時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。この補助遊技カウント監視期間内に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図8のS48、図10のS61及び図9のS51から、処理番号=5となって、時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
吸着検出センサ監視処理が終了する時刻t3では、図10のS69により、演出制御装置150へ次回変動参考情報が送信され、図17により始動記憶数や吸着検出フラグ、特殊報知実行フラグの状態に応じて、画像表示装置56にて報知が実行される。
そして、図17の処理により、演出制御装置150は次の変動表示ゲームが開始される時刻t4まで、画像表示装置56で報知またはカウントダウン報知を継続する。
特定入賞有効タイマがカウントアップする時刻t4になると、次回の変動表示ゲームが開始される。次回の変動表示ゲームは、図25で示すように、時刻t4から補助遊技入賞数カウンタの値と乱数に応じて決定された図柄変動時間経過後の時刻t5まで行われる。
以上により、補助遊技入賞数カウンタの値によって、特定入賞検出スイッチ監視期間が決まり、この特定入賞検出スイッチ監視期間によって、次回の変動表示ゲームの実行時間が決定される。特定入賞有効タイマの値は、補助遊技入賞数カウンタの値に応じて変化するため、特定入賞検出スイッチ監視処理の終了に呼応する次回の変動表示ゲームの開始時期はランダムなものになり、遊技者は報知(またはカウントダウン報知)から変動表示ゲームの開始(または確定)までの時間を予想するのが難しくなる。したがって、遊技者が特定入賞検出スイッチ監視期間中に遊技球の発射停止するのを抑制することができる。また、補助遊技入賞数カウンタの値に応じて図柄変動時間も変化するので、遊技者が予想できない演出を行って、さらに遊技球の発射停止を抑制することができる。
図29は、変動表示ゲームが当たりとなって補助遊技で凹室15内へ入った遊技球が揚送装置16で吸着された場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、上記図20と同様に時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。この補助遊技カウント監視期間内(処理番号=3、4)に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図20と同様に時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
吸着検出センサ監視処理は、上記図16のテーブルで設定された時間に設定され、図中時刻t2からt3まで補助遊技カウントスイッチ35の監視が行われる。ただし、吸着検出監視タイマのカウントは上記図10のS64、S65により時刻t1から開始される。
この吸着検出監視期間内に1個の遊技球が検出され、時刻t4までの吸着検出監視期間内の時刻t3で吸着検出センサ58がオンとなって、揚送装置16により遊技球が球離脱路40へ持ち上げられたことを検出する。
しかし、特定入賞有効タイマがカウントアップする時刻t5まで行われる特定入賞検出スイッチ監視期間内に、特定領域スイッチ43はオフのままであったので、補助遊技はハズレとなる。
変動表示ゲームは、上記図20と同様に時刻t0で終了した後、次回の変動表示ゲームが特定入賞有効タイマがカウントアップした時刻t5から開始される。この変動表示ゲームは、図25で示すように、時刻t5から補助遊技入賞数カウンタの値と乱数に応じて決定された図柄変動時間経過後の時刻t6まで行われる。
この時刻t5、t6は、上述のように、補助遊技入賞数カウンタの値に応じて変化するため、特定入賞検出スイッチ監視処理の終了に呼応する次回の変動表示ゲームの開始時期と変動時間はランダムなものになり、遊技者は報知(またはカウントダウン報知)から変動表示ゲームの開始(または確定)までの時間を予想するのが難しくなり、したがって、遊技者が特定入賞検出スイッチ監視期間中に遊技球の発射停止するのを抑制することができる。
すなわち、特定領域スイッチ43(特定入賞検出手段)により遊技球が検出(大当たり)される毎能性が高いか否かに対応して、遊技者に発射をさせるのか、遊技者に変動入賞装置4内部の遊技球を見せるのかを適宜制御することができ、さらに、変動表示ゲームの演出時間をランダムに設定できるので、遊技球の発射停止を抑制することができる。
図30は、補助遊技で凹室15内へ入った遊技球が、揚送装置16で吸着されて変動表示ゲーム開始後に特別入賞口41へ入賞した場合を示す。
時刻t0で変動表示ゲームが当たりであれば、図21と同様に時刻t1から可動部材22a、22b等が開く補助遊技が行われる。時刻t1からの補助遊技カウント監視期間内に、凹室15内へ遊技球が流入すると補助遊技カウントスイッチ35がオンになった後、図21と同様に時刻t2から吸着検出センサ監視処理(図中吸着監視)と特定入賞検出スイッチ監視処理(図中特定領域監視処理)が開始される。
図21と同様に、吸着検出センサ監視期間内に吸着検出センサ58がオンになり、吸着検出センサ監視処理が終了すると上記図21と同様にして画像表示装置56では報知が行われない。
そして、時刻t4’では揚送装置16により変動入賞装置4の上部へ運ばれた遊技球は、特別入賞口41へ入賞し、特定領域スイッチ43がオンとなって大当たりとなる。
時刻t4’からは大当たり遊技(特別遊技)が行われ、大入賞口6を所定期間開放するラウンドを所定回行う。所定回数のラウンドが終了すると、大当たり遊技を終了する。大当たり遊技の終了時(時刻t5)には、処理番号が6から0に更新される。そして、図11の処理により次回の変動表示ゲームが実行される。但し、ここで実行される変動表示ゲームは、図25で示されるグループのうち、補助遊技入賞カウンタ数=「FFh」となる最終行のグループから乱数を用いて決定される。
つまり、大当たりが発生したときの補助遊技で発生した特定入賞有効状態の時間の長短には関係なく、大当たり遊技終了直後の変動表示ゲームの実行時間が決定される。よって、大当たりが発生したときの補助遊技の内容に影響されずに、遊技者は気分を新たに遊技を楽しむことが可能となる。
なお、上記各実施形態において、変動表示ゲームの結果は、上記図6(B)のS15で更新される乱数に基づいて決定されるものである。
また、上記各実施形態においては、吸着検出センサ58を用いて特定入賞可能性判定手段を構成しており、吸着検出センサ58により遊技球が検出された場合を、大当たりしやすい状態(特定領域スイッチ43によって遊技球が検出されやすい状態)と判定し、吸着検出センサ58により遊技球が検出されない場合を、大当たりしにくい状態と判定しているが、大当たりしやすいか否かを判定する方法はこれに限らない。例えば、特定領域スイッチ43へ誘導されやすい通路と、誘導されにくい通路とが変動入賞装置内の凹室に形成されるとともに、誘導されやすい通路の方へ遊技球を検出するセンサを設け、このセンサで遊技球を検出したときを大当たりしやすい状態と判定するような方法でもよい。
なお、前述した実施の形態では、補助遊技が実行されて補助遊技カウントスイッチ35を遊技球が通過することを条件に、特定入賞有効状態(特定入賞検出スイッチ監視期間)が発生する構成となっているが、補助遊技が実行される際に起こりうるものであれば、他の条件を特定入賞有効状態の発生条件としてもよい。例えば、変動表示ゲームの結果が特別な結果となることが確定した時点で特定入賞有効状態を発生させてもよいし、可動部材22a,22bが作動した時点で特定入賞有効状態を発生させてもよい。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。