JP2019023179A - 睡眠改善剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)スルフィニル基を有する含硫アミノ酸を含有する睡眠改善剤。
(2)スルフィニル基を有する含硫アミノ酸がシクロアリイン、S−メチルシステインスルフォキシド、S−プロピルシステインスルフォキシド、S−アリル−L−システインスルフォキシド、S−1−プロぺニル−L−システインスルフォキシドから選択される1種以上である、(1)の睡眠改善剤。
(3)スルフィニル基を有する含硫アミノ酸を1日摂取量として5〜1000mg含有する、(1)又は(2)の睡眠改善剤。
(4)スルフィニル基を有する含硫アミノ酸がタマネギ抽出物に含まれたものである、請求項(1)〜(3)のいずれかの睡眠改善剤。
(5)睡眠改善が睡眠の質の改善である(1)〜(4)のいずれかの睡眠改善剤。
(6)睡眠改善がノンレム睡眠の促進である(1)〜(4)のいずれかの睡眠改善剤。
(7)睡眠改善が睡眠リズムの改善である(1)〜(4)のいずれかの睡眠改善剤。
(8)女性を対象とすることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの睡眠改善剤。
したがって、タマネギからPeCSO及びMCSOを調製する場合、当該植物を切断処理する前に加熱処理してC−Sリアーゼを失活させた後に、抽出処理にかけることが好ましい。このような方法としては、例えば特許文献4に記載されている、タマネギからシステインスルフォキシドを調製する方法を採用することができる。より具体的には、切断処理していないネギ属植物を、圧力1〜5気圧、温度40〜150℃の条件で、5〜120分加熱処理することによって、植物中に含まれる含硫アミノ酸を分解するC−Sリアーゼを失活させる。次いで、得られたタマネギの加熱処理物をアルコール抽出及び減圧濃縮することにより、L−システインスルフォキシド誘導体を含む加熱処理後抽出物を得ることができる。
好ましくは、本発明で用いられるシステインスルフォキシド類、特にPeCSO及びMCSOは、(i)タマネギを加熱し、(ii)加熱されたタマネギをγ−グルタミル結合切断酵素で処理し、次いで(iii)得られた酵素処理物をイオン交換クロマトグラフィーに供することによって調製することができる。上記工程(i)〜(iii)は、酵素反応等のために必要とされない限り、酸性pH条件下で行われるのがPeCSO及びMCSOの変質を防ぐ上で好ましい。好ましいpHは、pH5.5以下、より好ましくはpH4.5以下である。
タマネギ(北もみじ2000)5000gを洗浄、脱皮した後に、切断せず丸ごと95℃の湯浴中にて20分間加熱処理した。加熱処理後のタマネギを、ミキサー(Oster社製)を用いて破砕し、ここにタマネギ1g当たり1mLの水を添加し分散させた。得られた分散液に、グルタミナーゼ(グルタミナーゼSD-C100S;天野エンザイム製)を液中のタマネギの全量に対して0.025質量%の量で添加し、60℃にて2時間反応させ、反応終了後90℃で15分間加熱して酵素を失活させた。得られた反応液を6000rpm、30分間遠心分離し、吸引ろ過し、その後凍結乾燥して、含硫アミノ酸約3質量%を含むタマネギ粗加熱処理後抽出物約500gを得た。
上記タマネギ粗加熱処理後抽出物に蒸留水を添加して30%(w/v)水溶液を得た。この水溶液1000mLを試料溶液として、塩酸により再生した強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B、三菱化学製)500mLに通液した。次いで、蒸留水3000mLによりカラム内に残留した試料溶液を洗い出した。その後、5%水酸化ナトリウム溶液(pH=14)1000mLをカラムに通液し、イオン交換樹脂に吸着した含硫アミノ酸を溶出させた。さらに蒸留水2000mLを添加し、カラム内に残留した液を溶出させた。水酸化ナトリウム溶液により溶出した溶出液と蒸留水により溶出した溶出液とを合一し、エバポレーター(東京理科機械製)により濃縮後、脱塩処理を行い、さらに凍結乾燥して、賦形剤を添加し、含硫アミノ酸を含有する粉末状のタマネギ抽出物を得た。この粉末は、PeCSOを約2.2質量%、MCSOを約0.72質量%、シクロアリインを約3.8質量%含有していた。
1日摂取量3粒当たり含硫アミノ酸を30mg含むように、製造例のタマネギ抽出物を配合し、賦形剤等を添加後、打錠機を用いて打錠し、錠剤を製造した。その後、コーティングすることによって外観、風味、性状に区別がつかないことを確認し、盲検化して試験に用いた。
タマネギ抽出物の代わりに賦形剤を配合し、その他原材料が同一の錠剤をプラセボ錠剤として製造した。また、実施例1と同様にして、コーティングすることによって外観、風味、性状に区別がつかないことを確認し、盲検化して試験に用いた。
C57BL/6系統のマウス(8週齢の雄性)を日本エスエルシー株式会社から購入した。全てのマウスをプラスチックケージの中で、明期12時間、暗期12時間の明暗サイクル下(7時点灯、19時消灯)で飼育した。試験開始1週間前から個別ケージで馴化を行い、試験に供した(n=4)。飼料はマウス・ラット・ハムスター用であるMF(オリエンタル酵母社製)を15kGyで滅菌して使用した。
行動量は,動物から放出される赤外線を検出するセンサー(Biotex Japan社)とソフトウェアBiotex 16CH Act Monitor BAI2216(Biotex Japan社)を用いて1分毎の行動量を48時間記録した。試験日は、飼育ケージの電気が消灯する直前に、製造例で得られたタマネギ抽出物(含硫アミノ酸、6質量%)で2000mg/kgとなるように調製した水溶液250μLをマウスに強制経口投与し、引き続きロコモーターで行動量を測定した。試験前日の19時から7時の12時間の累積行動量に対し、投与後の19時から7時までの累積行動量の百分率(%)を算出した。
C57BL/6系統のマウス(9週齢の雄性)を日本エスエルシー株式会社から購入した。全てのマウスをプラスチックケージの中で、明期12時間、暗期12時間の明暗サイクル下(7時点灯、19時消灯)で飼育した。すべてのマウスに対して脳波測定用の電極埋め込み手術を実施し、4日間馴化飼育した。脳波を安定的に計測できることを確認できた個体について群分けを行い、専用個別ケージで1週間馴化飼育した(n=5〜7)。
群分け後から行動量、筋電位、脳波を継続的に計測し、データを解析してノンレム睡眠期(デルタ波)、レム睡眠期(シータ波)、覚醒期(筋電位)の長さを算出した。解析にはSleepSign (キッセイコムテック社製)を用いた。
同一マウスに対し、製造例で得たタマネギ抽出物の溶液250μL(50、100、200、400mg/kg)(含硫アミノ酸量、それぞれ、3,6,12、24mg/kgに相当)を強制単回経口投与し、投与後累積12時間の脳波解析を行った。それぞれ水投与時に対してノンレム睡眠が増加するか評価した。
善効果が睡眠に関する受容体への作用に起因している可能性を示唆している。
あらかじめピッツバーグ睡眠質問票で調査し、比較的睡眠状態が良くない30歳以上50歳未満の健康な男女10名を被験者とした。試験はプラセボ対照ランダム化二重盲検クロスオーバー試験とし、割付を行い、実施例1の錠剤(または比較例1のプラセボ錠)を5日間摂取後、2日間の休止期間を経て、最初に実施例1の錠剤を摂取したグループはプラセボ錠(最初にプラセボ錠を摂取したグループは実施例1の錠剤)を5日間摂取した。
被験者は夕食後に、いずれかの錠剤を1日3粒毎日水又はぬるま湯と共に摂取し、2電極方式の携帯型脳波測定器を装着し、就床中の脳波を測定した。
脳波はスリープウェル(株)に依頼して解析した。脳波解析は、スリープスコープ睡眠脳波解析プログラム(管理医療機器 脳波計用プログラム 11467032)を用いた。本解析では、睡眠の深さの指標であるデルタパワー値に着目した。入眠するとまずノンレム睡眠が出現した後にレム睡眠が出現する。入眠直後からレム睡眠が出現するまでのデルタパワー値を、睡眠初期のデルタパワー値とした。なお、デルタパワー値は、睡眠中の脳波に出現するデルタ波の量を定量して得られた。
脳波は個人差があるため、摂取期間中5日間のうち3日分の計測データの平均値を算出し、被験者ごとの相対的デルタパワー値(%)を下式により算出した。
相対的デルタパワー値(%)=(実施例1の錠剤摂取後の睡眠初期デルタパワー値の平均値)/(プラセボ錠摂取後の睡眠初期デルタパワー値の平均値)×100
ノンレム睡眠時間は、睡眠中の脳波をスリープスコープで測定し、スリープスコープ睡眠脳波解析プログラムで解析し、ノンレム睡眠と判定された時間を合計して求めた。
第一睡眠周期は、就床後、入眠してからノンレム睡眠に達し、その後レム睡眠に達しレム睡眠が終了するまで(入眠〜ノンレム睡眠〜レム睡眠)の時間である。一般に、この時間が90分に近いほど、睡眠リズムが良いといわれている。
Claims (8)
- スルフィニル基を有する含硫アミノ酸を含有する睡眠改善剤。
- スルフィニル基を有する含硫アミノ酸がシクロアリイン、S−メチルシステインスルフォキシド、S−プロピルシステインスルフォキシド、S−アリル−L−システインスルフォキシド、S−1−プロぺニル−L−システインスルフォキシドから選択される1種以上である、請求項1記載の睡眠改善剤。
- スルフィニル基を有する含硫アミノ酸を1日摂取量として5〜1000mg含有する、請求項1又は2記載の睡眠改善剤。
- スルフィニル基を有する含硫アミノ酸がタマネギ抽出物に含まれたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 睡眠改善が睡眠の質の改善である請求項1〜4のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 睡眠改善がノンレム睡眠の促進である請求項1〜4のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 睡眠改善が睡眠リズムの改善である請求項1〜4のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 女性を対象とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
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