JP2019021584A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)前記リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、前記リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、前記正極合材層中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、前記セパレータの透気度(sec/mL)を分子とした場合に、分子/分母で表される比が、0.8以上64.1以下である。
(B)前記リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、前記リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、前記正極合材層中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、電極空間に対する非水電解液の体積比を分子とした場合に、分子/分母で表される比が、0.008以上0.321以下である。
また、上記条件(B)の分子/分母の比が0.008以上であることにより、過充電時の発熱を抑制することができる。また、条件(B)の分子/分母の比が0.321以下であることにより、ハイレートで充放電を繰り返した後であっても抵抗上昇を抑えることができる。したがって、上記条件(B)の分子/分母の比が0.008以上0.321以下であることにより、リン酸三リチウムの機能を適切に発揮させて、過充電時の発熱を抑制することができる。
すなわち、このような構成によれば、正極合材層にリン酸三リチウムが添加された非水電解液二次電池であって、リン酸三リチウムにより過充電時の発熱が適切に抑制された非水電解液二次電池を提供することができる。
電池ケース50は、上端が開放された扁平なケース本体52と、その上端の開口部を塞ぐ蓋体54とから構成されている。蓋体54には、正極端子70および負極端子72が設けられている。図示は省略するが、正極端子70は、電池ケース50内に収容された電極体80の正極10と電気的に接続され、負極端子72は負極20と電気的に接続される。電池ケース50は、例えばアルミニウム製である。
次に、上記した電池ケース50の内部に収容される電極体80について説明する。図2に示すように、本実施形態における電極体80は、長尺シート状の正極10と負極20を長尺シート状のセパレータ40とともに積層して捲回することによって作製された捲回電極体である。なお、ここで開示される非水電解液二次電池に用いられる電極体は、図2に示すような捲回電極体に限定されず、例えば、複数枚の正極と負極とをセパレータを介して交互に積層させた積層電極体であってもよい。
図2における正極10では、長尺シート状の正極集電体12の両面に、正極合材層14が形成されている。そして、正極10の幅方向の一方の側縁部には、正極合材層14が塗工されていない正極合材層非形成部16が形成されており、この正極合材層非形成部16が上記した正極端子70(図1参照)と電気的に接続される。
正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な化合物であり、少なくともリチウムを含む酸化物(リチウム複合酸化物)から構成されている。本実施形態において、正極活物質の種類は特に制限されず、一般的なリチウムイオン二次電池の正極活物質と同様のものを使用することができる。かかる正極活物質の具体例としては、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などが挙げられる。正極活物質としては、本発明の効果が特に高くなることから、作動電位が4.3V(vs.Li/Li+)未満のものが好ましく、4.25V(vs.Li/Li+)以下のものがより好ましく、4.2V(vs.Li/Li+)以下のものがさらに好ましい。
リン酸三リチウムの正極合材層14中の含有量は、例えば0.5質量%以上10質量%以下であり、好ましくは1質量%以上8質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以上6質量%以下である。
また、正極合材層14には、一般的なリチウムイオン二次電池と同様に、導電剤やバインダ等の添加材が含まれていてもよい。導電剤としては、例えば、カーボンブラック等の炭素材料を用いる事ができる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を好ましく用いることができる。
また、正極合材層14には、Si、Na、K、Cl、Fe、Cu、Zn、Pb、Ni、Co、Crなどの金属元素が含まれていてもよい。これらの金属元素は、ペースト状の正極合材を調製する際にリン酸三リチウムの粉末に含まれているものであり、これらの金属元素が正極合材層14に含まれている場合であっても、過充電時の発熱や金属元素の溶出等を好適に抑制することができるとともに、生産性の低下や反応抵抗の増加などのリン酸三リチウムの添加によって生じ得る問題の発生を防止することができる。
負極20についても、正極10と同様に、長尺シート状の負極集電体22の両面に負極活物質を主成分とする負極合材層24が形成されている。そして、負極20の幅方向の一方の側縁部に負極合材層非形成部26が形成されており、この負極合材層非形成部26が負極端子72(図1参照)と電気的に接続される。
負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノチューブ、或いはこれらを組み合わせた構造を有するもの等の炭素材料を用いることができる。エネルギー密度の観点から、これらの炭素材料中でも黒鉛系材料(天然黒鉛(石墨)や人造黒鉛等)を用いることが好ましい。負極活物質の負極合材層24中の含有量は、例えば85質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上である。
負極合材層24には、その他の添加材(例えばバインダや増粘剤等)が含まれていてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等が挙げられる。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
セパレータ40には、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材が用いられる。セパレータ40についても、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができ、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂等ならなるシート材を使用することができる。セパレータ40の厚さは、例えば10μm以上50μm以下であり、好ましくは15μm以上35μm以下である。
また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の電池ケース50内には、上記した捲回電極体80とともに非水電解液が収納(充填)されている。かかる非水電解液としては、典型的には、カーボネート類等の非水溶媒に支持塩を含有させたものが用いられ、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(例えば体積比3:4:3)に、支持塩を所定の濃度(例えば1mol/L程度)で含有させたものを用いることができる。なお、かかる支持塩としては、フッ素を含んだリチウム化合物が用いられ、その例としては、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等が挙げられる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、下記の条件(A)および条件(B)の少なくとも一方を満たす。
条件(A):リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、正極合材層14中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、セパレータ40の透気度(sec/mL)を分子とした場合に、分子/分母で表される比(以下、「条件(A)の比」ともいう)が0.8以上64.1以下である。
条件(B):リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、正極合材層14中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、電極空間に対する非水電解液の体積比を分子とした場合に、分子/分母で表される比(以下、「条件(B)の比」ともいう)が、0.008以上0.321以下である。
条件(A)は、言い換えると、セパレータ40の透気度(sec/mL)/{リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)×リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)×正極合材層14中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)}で表される比が、0.8以上64.1以下である。
本発明者らの検討によれば、過充電時のリチウムイオン二次電池100の発熱は、正極10のみならず負極20でも起こることがわかった。負極20での発熱抑制のメカニズムは、過充電状態になった際に、リン酸三リチウムが非水電解液の分解によって生じた酸(例えばフッ化水素(HF))と反応したものが、セパレータ40を経由して負極20側に移動し、負極20を構成する物質(特に負極活物質)の粒子表面に被膜を形成することによると考えられる。よって、発熱抑制は、リン酸三リチウムと酸との反応物がセパレータ40を通過することを伴うものであるから、この反応物が正極10から負極20へ移動のし易さは、セパレータ40の性質により影響を受ける。
したがって、セパレータ40の透気度を用いた条件(A)の比が、0.8以上64.1以下であることにより、リン酸三リチウムの機能を適切に発揮させて、過充電時の発熱を抑制することができる。
条件(A)の比が0.8未満だと、金属リチウム析出時に抵抗が増加する。すなわち、リン酸三リチウムの機能が適切に発揮されなくなる。これは、条件(A)の比が0.8未満だと、セパレータ40を物質が通過し易いため、負極表面に金属リチウムが析出した際にセパレータ40の内部方向に向かって堆積し易くなるためであると考えられる。この場合、金属リチウムの堆積がさらに進むと、内部短絡が起きる可能性もあり得る。一方、条件(A)の比が64.1を超えると、過充電時の発熱を抑制することができなくなる。これは、条件(A)の比が64.1を超えると、リン酸三リチウムと酸との反応物がセパレータ40を通過し難くなり、その結果、被膜を形成し難くなるためであると考えられる。
なお、セパレータ40の透気度は、公知方法により測定して求めることができる。例えば、JIS P 8117に記載の方法により測定することができる。
リン酸三リチウム粒子の比表面積は、公知方法に従い測定して求めることができる。例えば、物理ガス吸着法により求めることができる。
リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50は、公知方法に従い測定して求めることができる。例えば、レーザ回折・散乱法により求めることができる。
条件(B)は、言い換えると、電極空間に対する非水電解液の体積比/{リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)×リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)×正極合材層14中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)}で表される比が0.008以上0.321以下である。
本発明者らの検討によれば、過充電時の発熱抑制について、電極空間量に対する非水電解液体積量の比が少なからず関係していることがわかった。
したがって、電極空間に対する非水電解液の体積比(以下、「ボイド比」ともいう)を用いた条件(B)の比が、0.008以上0.321以下であることにより、リン酸三リチウムの機能を適切に発揮させて、過充電時の発熱を抑制することができる。
条件(B)の比が0.008未満だと、過充電時の発熱を抑制することができなくなる。これは、リン酸三リチウムと反応する非水電解液の量が少なくなり過ぎるためであると考えられる。一方、条件(B)の比が0.321を超えると、ハイレートで充放電を行った際に抵抗が上昇する。すなわち、リン酸三リチウムの機能が適切に発揮されなくなる。これは、ハイレートで充放電を行ったときに、電極体80に多くの非水電解液が流れ、いわゆる塩濃度ムラが発生するためと考えられる。
なお、上記ボイド比に用いられる電極空間の体積は、正極10および負極20のそれぞれに存在する空隙部の体積の合計のことをいう。
また、上記ボイド比に用いられる非水電解液の体積は、リチウムイオン二次電池100に含まれる非水電解液の全体積である。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、当該試験例の説明は本発明を限定することを意図したものではない。
実験Aでは、リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、正極合材層中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、セパレータ40の透気度(sec/mL)を分子とした場合の、分子/分母で表される比(すなわち、条件(A)の比)についての検討を行なった。
正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)と、リン酸三リチウム(Li3PO4)の粒子と、導電材(AB:アセチレンブラック)と、バインダ(PVDF)とを分散媒(NMP:Nメチルピロリドン)に分散させてペースト状の正極合材を調製した。このとき、リン酸三リチウム粒子として、表1に示すメジアン径d50(μm)および比表面積(m2/g)を有するものを用い、リン酸三リチウム粒子の配合量(質量%)は、正極合材の全固形分に対して表1の値になるようにした(なお、この配合量は、正極合材層中の含有量に相当する)。そして、調製した正極合材を正極集電体(アルミニウム箔)の両面に塗布し乾燥させた後、所定の圧力でプレスすることによってシート状の正極を作製した。
そして、厚さ20±2μmのセパレータを介して正極と負極を積層させた後に、該積層体を捲回することによって捲回電極体を作製し、該捲回電極体を非水電解液とともに電池ケースに収容して密閉することにより評価試験用の4V級リチウムイオン二次電池を作製した。このとき、表1に示す透気度を有するセパレータを用いた。なお、非水電解液には、ECとDMCとEMCとを約3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩(LiPF6)を約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を使用した。
(a)過充電時の発熱評価
各試験例の4V級のリチウムイオン二次電池に対して、20Cの定電流で5.1Vまで充電を行うことによって各電池を過充電状態とし、各電池の電池ケース外側の中心部の温度を測定することによって、過充電時の電池温度を測定した。そして過充電時の電池温度と充電前の電池温度との差を求めた。各電池について求めた温度差について、所定の基準値を100とした場合の比を算出した。その結果を表1および図3に示す。
25℃の温度環境下で、各試験例の4V級リチウムイオン二次電池をSOC20%の状態に調整した。次に、25℃の温度環境下で、この電池に対して125Aのレートで10秒間の定電流放電を行い、電圧降下量を測定した。次に、かかる電圧降下量を放電電流値で除して、IV抵抗を算出して、これを初期抵抗とした。
次に、各試験例のリチウムイオン二次電池に対して、金属リチウム(Li)が析出する条件での低温パルス充放電サイクル試験(Li析出試験)を行った。具体的には、各試験例のリチウムイオン二次電池をSOC80%に調整し、−10℃の温度条件下で、80Aの定電流で10秒間のパルス充電を行い、5秒間休止した後、80Aの定電流で10秒間のパルス放電を行い、5秒間休止するパルス充放電パターンを1000サイクル繰り返した。
その後、初期抵抗の測定方法と同様にしてIV抵抗を求めた。初期抵抗を100とした場合のLi析出試験後の抵抗の比を抵抗上昇比として求めた。その結果を表1および図4に示す。
表1および図3の結果が示すように、条件(A)の比が6.41以下である場合には、過充電時の発熱が抑制されていることがわかる。一方、表1および図4の結果が示すように、条件(A)の比が0.8以上である場合には、Li析出試験後であっても抵抗上昇が抑えられていることがわかる。したがって、条件(A)の比が0.8以上6.41以下であることにより、リン酸三リチウムの機能を適切に発揮させて、過充電時の発熱を抑制することができることがわかる。
実験Bでは、リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、正極合材層14中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、電極空間に対する非水電解液の体積比(ボイド比)を分子とした場合の、分子/分母で表される比(すなわち、「条件(B)の比」)について調べた。
正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)と、リン酸三リチウム(Li3PO4)の粒子と、導電材(AB:アセチレンブラック)と、バインダ(PVDF)とを分散媒(NMP:Nメチルピロリドン)に分散させてペースト状の正極合材を調製した。このとき、リン酸三リチウム粒子として、表2に示すメジアン径d50(μm)および比表面積(m2/g)を有するものを用い、リン酸三リチウム粒子の配合量(質量%)は、正極合材の全固形分に対して表2の値になるようにした(なお、この配合量は、正極合材層中の含有量に相当する)。そして、調製した正極合材を正極集電体(アルミニウム箔)の両面に塗布し乾燥させた後、所定の圧力でプレスすることによってシート状の正極を作製した。
そして、厚さ20±2μmのセパレータを介して正極と負極を積層させた後に、該積層体を捲回することによって捲回電極体を作製し、該捲回電極体を非水電解液とともに電池ケースに収容して密閉することにより評価試験用の4V級リチウムイオン二次電池を作製した。なお、非水電解液には、ECとDMCとEMCとを約3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩(LiPF6)を約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を使用した。
なお、正極および負極作製時のプレス条件、および非水電解液の使用量を変更することにより、ボイド比を表2に示す値とした。
(a)過充電時の発熱評価
各試験例の4V級のリチウムイオン二次電池に対して、20Cの定電流で5.1Vまで充電を行うことによって各電池を過充電状態とし、各電池の電池ケース外側の中心部の温度を測定することによって、過充電時の電池温度を測定した。そして過充電時の電池温度と充電前の電池温度との差を求めた。各電池について求めた温度差について、所定の基準値を100とした場合の比を算出した。その結果を表2および図5に示す。
25℃の温度環境下で、各試験例の4V級リチウムイオン二次電池をSOC20%の状態に調整した。次に、25℃の温度環境下で、この電池に対して125Aのレートで10秒間の定電流放電を行い、電圧降下量を測定した。次に、かかる電圧降下量を放電電流値で除して、IV抵抗を算出して、これを初期抵抗とした。
次に、各試験例のリチウムイオン二次電池に対して、ハイレートでの充放電サイクル試験(ハイレート試験)を行った。具体的には、各試験例のリチウムイオン二次電池を30Cのレートで10秒間定電流充電を行ってから、10分間休止し、5Cのレートで1分間、定電流放電を行ってから、10分間休止する充放電サイクルを10000サイクル繰り返した。
その後、初期抵抗の測定方法と同様にしてIV抵抗を求めた。初期抵抗を100とした場合の、ハイレート試験後の抵抗の比を抵抗上昇比として求めた。その結果を表2および図6に示す。
表2および図5の結果が示すように、条件(B)の比が0.008以上である場合には、過充電時の発熱が抑制されていることがわかる。一方、表2および図6の結果が示すように、条件(A)の比が0.321以下である場合には、ハイレート試験後であっても抵抗上昇が抑えられていることがわかる。したがって、条件(B)の比が0.008以上0.321以下であることにより、リン酸三リチウムの機能を適切に発揮させて、過充電時の発熱を抑制することができることがわかる。
12 正極集電体
14 正極合材層
16 正極合材層非形成部
20 負極
22 負極集電体
24 負極合材層
26 負極合材層非形成部
40 セパレータ
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
100 リチウムイオン二次電池
Claims (1)
- 正極集電体上に正極合材層が形成されている正極と、
負極集電体上に負極合材層が形成されている負極と、
前記正極および前記負極との間に介在するセパレータと、
フッ素を含んだリチウム化合物を支持塩として含有する非水電解液と、
を備える非水電解液二次電池であって、
前記正極合材層は、少なくとも正極活物質とリン酸三リチウム粒子とを含有し、
下記の条件(A)および条件(B)の少なくとも一方を満たす、非水電解液二次電池。
(A)前記リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、前記リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、前記正極合材層中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、前記セパレータの透気度(sec/mL)を分子とした場合に、分子/分母で表される比が、0.8以上64.1以下である。
(B)前記リン酸三リチウム粒子の比表面積(m2/g)と、前記リン酸三リチウム粒子のメジアン径d50(μm)と、前記正極合材層中におけるリン酸三リチウム粒子の含有割合(質量%)との積を分母とし、電極空間に対する非水電解液の体積比を分子とした場合に、分子/分母で表される比が、0.008以上0.321以下である。
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