JP2019014957A - 水素吸蔵材 - Google Patents

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年雄 入江
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Abstract

【課題】本発明は、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制した水素吸蔵合金粉末及び樹脂を含む成形体からなる水素吸蔵材を提供するものである。【解決手段】水素吸蔵合金粉末と樹脂を含む成形体からなり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない水素吸蔵材。【選択図】なし

Description

本発明は、主に水素を原料とした燃料電池へ水素を供給するための水素貯蔵用容器に用いられる、水素吸蔵合金粉末及び樹脂を含む成形体からなる水素吸蔵材に関するものである。
近年、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの問題が取り上げられており、二酸化炭素を大量に発生する化石燃料に代わる新たなエネルギー源として水素が注目されている。その水素を用いて発電を行う燃料電池は、クリーンな電力源の一つとして考えられており、燃料電池に供給するための水素を安全に、かつ大量に効率よく貯蔵する方法の研究開発が進められている。
その方法の一つとして、水素を繰り返し吸蔵−放出することが可能な水素吸蔵合金を利用する方法が挙げられる。水素吸蔵合金は比較的低い圧力で、大量に水素を吸蔵し、合金内部に貯蔵することができ、高圧水素ガスや液体水素のように直接容器に貯蔵する方法に比べて利便性が高い。しかしながら、水素吸蔵合金は水素を合金の結晶格子内に、液体水素よりも高密度に包含するため、水素吸蔵時には水素吸蔵前と比べて30%近く体積が膨張する。これにより水素吸蔵合金には水素の吸蔵−放出に伴う体積変化による微粉化という問題がある。さらに水素吸蔵時の水素化物は高い活性を有し、酸素に触れると発火・燃焼するといった問題があり、それらを防ぐための対策が検討されている。
また、水素貯蔵用容器としては単位体積当たり、より多くの水素が貯蔵できることが望ましいが、水素吸蔵合金自体の密度はおおよそ8g/cmであるのに対して水素吸蔵合金粉末のかさ密度は3g/cm程度しかない。かさ密度を上げるためには容器内の合金に圧力をかけて圧粉する必要があるが、そうすると水素吸蔵時の合金の体積膨張による微粉化が更に促進される結果となり、望ましくない。その対策として樹脂と混合し成形することで、合金のかさ密度を上げる方策が提案されてきた。
特許文献1では、表面に熱可塑性樹脂の微粒子を包含した金属のめっき被膜を表面に有する水素吸蔵合金粒子を熱可塑性樹脂のガラス転移温度または融点以上で加圧成型する事により成形体とすることで、微粉化による崩壊を防ぐ方法が開示されている。
特開平11−050169号公報
しかしながら、特許文献1の方法では水素吸蔵合金表面が熱可塑性樹脂や金属で被覆されているため、微粉化の抑制は可能となるが、水素の吸蔵−放出に時間がかかりすぎるといった問題がある。
本発明は、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制した水素吸蔵合金粉末及び樹脂を含む成形体からなる水素吸蔵材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、水素吸蔵合金粉末と樹脂を含む成形体からなり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない水素吸蔵材が、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素の吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制することが可能であること見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の特徴を有する。
1.水素吸蔵合金粉末と樹脂を含む成形体からなり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを特徴とする水素吸蔵材。
2.樹脂が水溶性高分子であることを特徴とする上記1記載の水素吸蔵材。
3.水素吸蔵合金粉末が少なくとも希土類金属元素とマグネシウム(Mg)とニッケル(Ni)とを含むことを特徴とする上記1または2に記載の水素吸蔵材。
4.水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)が5μm以上50μm以下であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の水素吸蔵材。
5.樹脂の融点が30℃以上200℃以下であることを特徴とする上記1から4のいずれかに記載の水素吸蔵材。
6.水素吸蔵材中の樹脂の融点が水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時の発熱温度以下となる水素吸蔵合金粉末と樹脂の組み合わせであることを特徴とする上記1から5のいずれかに記載の水素吸蔵材。
7.樹脂の含有量が成形体重量の1%以上10%以下であることを特徴とする上記1から6のいずれかに記載の水素吸蔵材。
8.成形体のかさ密度が3.3g/cm以上5.8g/cm以下、空隙率が5%以上50%以下であることを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の水素吸蔵材。
本発明の水素吸蔵材は、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素の吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制すること、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制することが可能である。
本発明の水素吸蔵材となる成形体は、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを特徴とする。水素吸蔵合金粉末が気固の反応で水素を吸蔵する際は、水素吸蔵合金粉末と水素とが直接接触した部分から水素の吸蔵が行われる。樹脂は水素の透過性が良好ではなく、水素吸蔵合金粉末の表面が全て樹脂に覆われてしまうと、水素吸蔵合金粉末と水素が直接接触することができず、水素吸蔵速度が著しく低下するため好ましくない。このことは水素放出の際も同様のことが言えるため、水素吸蔵合金粉末が樹脂に覆われる部分は少ないほうが好ましい。しかしながら、樹脂の量があまりにも少ないと、成形体として形状を維持することが困難となるため、樹脂のできるだけ少ない量で成形体としての形状を維持できる好適な添加量を選択する必要がある。この添加量は樹脂の種類、水素吸蔵合金粉末の粒径・形状・表面状態などによっても変わるため、必要に応じて適宜選択する必要がある。
本発明に使用される水素吸蔵合金粉末は、公知の水素吸蔵合金の粉末を用いることができる。公知の水素吸蔵合金としては、LaNi、MmNi(Mm=ミッシュメタル)に代表されるAB型合金、La2−xMgNi、La5−xMgNi19に代表されるA/A19型合金、TiNi、TiNiで代表されるAB/AB型合金、Ti2−xZr4−yNi、ZrV0.4Ni1.6で代表されるAB型合金などが挙げられる。これらAB型合金、A/A19型合金、AB/AB型合金及びAB型合金では、A元素としてSc、Yを含む希土類金属元素、Ti、Zr、Hf、Mg及びCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含み、B元素としてNiを必須とし、それ以外にAl、Mn、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Cu、Zn、B、Ga、Sn、Sb、In、C及びPから選ばれる少なくとも1種を含む。これらの合金は、水素吸蔵材の使用用途や使用条件により適宜選択可能であり、場合によっては2種類以上の合金粉末を混合して水素吸蔵材中の水素吸蔵合金粉末として使用することも可能である。上記水素吸蔵合金の中でも結晶格子中に逆位相境界を有するA/A19型合金は、水素吸蔵量が多く低温動作が可能で、本発明の水素吸蔵材に用いる水素吸蔵合金として好適であり、少なくとも希土類金属元素、マグネシウム(Mg)及びニッケル(Ni)を含む。
本発明で使用される水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)は、5μm以上50μm以下程度が好ましく、10μm以上35μm以下がさらに好ましい。平均粒径(D50)が50μmを超えると水素吸蔵時の体積膨張により合金粒子の破壊が起こり、成形体としての形状を保つことが困難となるため好ましくない。また平均粒径(D50)が5μm未満では活性が強く酸化されやすい。また水素を吸蔵した状態では、合金が発火・燃焼することもあり大気中で取り扱うことが困難となるため好ましくない。平均粒径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(装置名「マイクロトラックMT3000II」、マイクロトラック・ベル株式会社製)によって測定することができる。
本発明で使用される樹脂としては、水溶性高分子が好ましい。一般に用いられる水溶性高分子であれば特に限定されないが、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリビニルピロリドン(PVP)が特に好ましく挙げられる。
本発明で使用される樹脂は粉末状が好ましく、粉末粒度は、使用する水素吸蔵合金粉末と均一に混合できるものであれば特に限定されないが、粉末粒度が大きすぎると成形体内の樹脂の分布に偏りができ、うまく成型できなかったり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない部分が多くなりすぎるため好ましくない。逆に粉末粒度が小さすぎると成形体の構成に寄与しない部分が増え、成形体の強度が弱くなってしまうため好ましくない。従って、樹脂の粉末粒度範囲は使用する水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)の30%以上1000%以下程度の大きさが好ましく、より好ましくは50%以上500%以下程度の大きさである。
本発明で使用される樹脂の融点は30℃以上200℃以下であることが好ましい。この理由は水素吸蔵時の水素吸蔵合金粉末の体積膨張による応力の集中が、水素吸蔵時の発熱により合金を固定している樹脂が軟化または液状化することによって緩和され、体積膨張による水素吸蔵合金粉末の破壊による成形体の崩壊を抑制することが可能となるためである。樹脂の融点が30℃よりも低いと、成形体が常温で変形してしまい、成形体としての形状を保つことができない。一方で樹脂の融点が200℃よりも高いと、水素吸蔵合金粉末の発熱による熱では樹脂の軟化や液状化が起きず、水素吸蔵合金粉末の微粉化や成形体の崩壊を招いてしまう。水素吸蔵合金粉末の発熱温度は、合金の組成、粒度、水素吸蔵放出速度、堆積状態により変わるため、使用する樹脂の種類はそれらの条件に合ったものを適宜選択する必要がある。その際の条件としては、樹脂の融点が水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時の発熱温度以下であるものを選択することが好ましく、上記条件を満たした水素吸蔵合金粉末と樹脂の組み合わせとなることで、上記効果が得られる。
本発明で使用される樹脂の含有量は成形体重量の1wt%以上10wt%以下であることが好ましい。樹脂の含有量は成形体に求められる機械的な特性や必要な水素吸蔵量によって変わるが、1wt%より少ないと成形体の強度が足りなくなり、成型そのものが困難となるため好ましくない。一方で10wt%よりも多いと、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多くなる、もしくは成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂で覆われてしまい、水素吸蔵放出速度が著しく低下してしまうため好ましくない。成形体のかさ密度や空隙率は使用する合金と樹脂の量や種類によって変わるが、水素貯蔵容器に使用する実用的な成形体とするには、かさ密度が3.3g/cm以上5.8g/cm以下、空隙率が5%以上50%以下の範囲が好ましく、より好ましくはかさ密度が3.8g/cm以上5.2g/cm以下、空隙率が20%以上50%以下の範囲が挙げられる。
ここで、本明細書における成形体のかさ密度は、下記式より求められる値を意味する。
かさ密度(g/cm)=(成形体中に含まれる合金重量)/(成形体の見かけ体積)
ここで、本明細書における成形体の空隙率は、下記式より求められる値を意味する。
空隙率(%)=
(1−(合金重量/合金の比重+樹脂重量/樹脂の比重)/(見かけ体積))×100
但し、見かけ体積は例えば円柱状の試料の場合、直径と高さから求めた体積を示す。
実施例および比較例
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[使用した水素吸蔵合金粉末]
水素吸蔵合金には下記の合金1,2(ともに株式会社三徳製)を準備した。その合金を粉砕して、平均粒径(D50)が異なる粉末を合金1、2ともに各3種類用意した。
合金1:AB系合金:MmNi(MmはLa60原子%、Nd40原子%のミッシュメタル)。D50は22μm、25μm、32μm。
合金2:A系合金:La0.80Mg0.20Ni3.40Al0.10。D50は12μm、25μm、47μm。
[使用した樹脂]
樹脂には下記の樹脂1〜5を用意した。
樹脂1:PVP(ポリビニルピロリドン):BASFジャパン株式会社製Luvitec*K90powder、融点130℃〜
樹脂2:PEO(ポリエチレンオキサイド):住友精化株式会社製PEO−15、融点65℃〜
樹脂3:PVAL(ポリビニルアルコール):株式会社クラレ製クラレポバールKP28−98、融点150℃〜
樹脂4:PP(ポリプロピレン):住友精化株式会社製フローブレンQB−200、融点160℃〜
樹脂5:PE(ポリエチレン):住友精化株式会社製フローセンMG−101N、融点112℃〜
[成形体の作成方法]
成形体の作成方法として下記の方法▲1▼〜▲3▼のいずれかを用いた。
方法▲1▼:水素吸蔵合金粉末と樹脂を所定の比率で混合して30gとした後、総噴霧量が成形体の乾燥重量に対して4〜10%となるように水を噴霧しながら混錬した混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、重量を測定して水分量を確認し、真空乾燥機を用いて40℃で5時間乾燥し、成形体を得た。この方法は水溶性高分子を使用する際に適した方法である。
方法▲2▼:水素吸蔵合金粉末と樹脂を所定の比率で混合して30gとした混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、真空乾燥機を用いて160℃で0.5時間加熱し、成形体を得た。この方法は熱硬化性樹脂を使用する際に適した方法である。
方法▲3▼:水素吸蔵合金粉末と樹脂の水溶液を所定の比率で、水を除いた重量が30gとなるように混合した後、混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、真空乾燥機を用いて40℃で5時間乾燥し、成形体を得た。
表1に示す条件(水素吸蔵合金粉末の種類、樹脂の種類、樹脂含有量(wt%)、成形体の作成方法)により実施例1〜7及び比較例1〜13の水素吸蔵材を作成した。それぞれの成形体のかさ密度(g/cm)、成形体の空隙率(%)を表1に示す。
実施例1〜7及び比較例1〜13の水素吸蔵材となる成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを確認するため、以下の方法で表面状態を確認した。その確認結果を表1に示す。
[表面状態の確認]
円柱状の成形体の真ん中あたりをカッターナイフ等を用いて切断して、片方の半分(上から見て半円状)の成形体を表面状態確認用の試料とした。次に、その試料の切断面から5mm程度までを藤倉化成株式会社製ドータイト(製品名D−362)をトルエンで3倍に希釈したドータイト溶液に10分間浸漬した後、常温で5時間乾燥する。その後、ドータイト溶液に浸漬した試料の切断面を1000番〜2000番の紙やすりにて研磨する。研磨した表面を光学顕微鏡で観察しながら銅細線を用いて、合金粒子断面と隣接する空隙部との導通をテスターで確認する。顕微鏡の視野を移動しながら100か所の導通を確認し、導通のとれない箇所が10か所未満であれば適度に成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないと判断し「○」とし、導通のとれない箇所が10か所以上であれば成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多いもしくは成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていると判断し「×」とした。なお、成形体が作成できなかったものもしくは評価できなかったものは「−」とした。
次に、実施例1〜7及び比較例1〜13の水素吸蔵材の水素吸蔵放出速度、発火・燃焼抑制及び微粉化抑制を下記に示す方法で測定して評価した。その評価結果を表1に示す。
(水素吸蔵放出速度の評価)
[水素吸蔵特性の測定]
成形体をカッターナイフ等で切断し、約5gを精密天秤で0.1mg単位まで秤量後、測定用ホルダーに入れる。次に測定用ホルダーを80℃の温水中に投入してから測定ホルダー内を1時間真空引きする。その後、測定用ホルダー内に高純度水素ガスを3MPaまで印加して密閉し、圧力低下がなくなるまで放置後、室温の水に測定用ホルダーごと投入して冷却する。この工程を3回繰り返して活性化を行った。なお、水素ガス印加後3時間が経過しても圧力低下が始まらないものは測定不能とした。その後、東洋紡エンジニアリング株式会社製ジーベルツ測定装置にて40℃の条件下で測定を行い、プラトー圧と水素吸蔵量(H/M)を算出した。
[水素吸蔵速度の測定]
前記水素吸蔵特性の測定において、活性化3回目の密閉時から圧力低下がなくなるまでの時間を測定して、成形体の水素吸蔵時間とした。一方で、成形体の作製に使用したのと同じ組成、平均粒径(D50)を有する水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵速度を100として基準となる水素吸蔵速度の目安とした。この目安に対して、下記式で計算した数値が100を超えると水素吸蔵速度が速い、逆に100未満では水素吸蔵速度が遅い水素吸蔵材であり、100未満であっても85以上であればある程度実用化レベルの水素吸蔵速度を維持していると判断できる。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われている場合など、水素吸蔵速度の測定が不可で評価できないものは「−」とした。
水素吸蔵速度=
(水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時間)/(成形体の水素吸蔵時間)×100
なお、水素放出速度も吸蔵速度と同等の速度であるため、ここでは水素吸蔵速度を評価して、水素吸蔵材の水素吸蔵放出速度の優劣の評価とした。
(発火・燃焼抑制評価)
[小ガス炎着火試験]
成形体をそのままの状態で測定用ホルダーに入れる。次に測定用ホルダーを80℃の温水中に投入してから測定用ホルダー内を1時間真空引きする。その後、測定用ホルダー内に高純度水素ガスを3MPaまで印加して密閉し、圧力低下がなくなるまで放置後、室温の水に測定用ホルダーごと投入して冷却する。その後、測定ホルダーから取り出した水素吸蔵状態の成形体に炎を接触させて小ガス炎着火試験を行った。成形体の作成に使用したのと同じ組成・平均粒径(D50)の水素吸蔵状態の水素吸蔵合金粉末を用いて同様の小ガス炎着火試験を行ったところ、10秒以内に着火した。それと比較して、10秒を超えてから水素吸蔵合金に着火した成形体は発火・燃焼が抑制されたと判断し「○」とし、10秒以内に水素吸蔵合金に着火した成形体は発火・燃焼が抑制されなかったと判断し「×」とした。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていて水素吸蔵状態を再現できない場合や成形体が作成できなかった場合のものは「−」とした。
[微粉化抑制の評価]
水素吸蔵特性の測定が終了した成形体を、樹脂が水溶性高分子の場合は80℃の温水中で、熱可塑性樹脂の場合は120℃のデカリン中で1時間撹拌した後、常温まで冷却する。その後、成形体中の樹脂が溶解して、粉末状になった合金から粒度分布測定用にサンプリングを行い、水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)を測定するのと同様の装置を用いて粒度分布を測定した。得られた平均粒径(D50)が元の水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)と比較して30%以内の低下にとどまるものについては水素の吸蔵−放出による水素吸蔵合金の微粉化が抑制されたと判断して「○」とし、30%を超える低下を示すものについては水素の吸蔵−放出による水素吸蔵合金の微粉化が抑制されなかったと判断して「×」とした。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていて水素吸蔵状態を再現できない場合や成形体が作成できなかった場合のものは「−」とした。
実施例1〜7ではすべて水溶性高分子を用いて、方法▲1▼で成形体を作成することで、噴霧した水分が付着していない水素吸蔵合金粉末表面は樹脂である水溶性高分子で覆われることがなく、最終的に導通のとれない箇所が10か所未満となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない成形体とすることができる。一方で、方法▲3▼で成形体を作成した比較例1や比較例5の場合、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われてしまい、各種評価ができなかった。
比較例2〜4、6〜10では、熱硬化性樹脂を用いて、方法▲2▼で成形体を作成したところ、方法▲1▼と比べて樹脂が水素吸蔵合金粉末表面に多く付着しやすく、最終的に導通のとれない箇所が樹脂含有量が多くなるにつれて増加する傾向にある。特に、樹脂含有量が10wt%では、導通のとれない箇所が10か所以上となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われている部分が多くなる。また熱硬化性樹脂を使用すると水素吸蔵合金粉末の発熱で樹脂の軟化や液状化による微粉化子抑制効果が得られず、また樹脂含有用が多くなるにつれて微粉化抑制の効果も低下する。そのため、微粉化された粉末が多い、つまり活性な状態の粉末が多くなるため着火試験において、10秒以内に水素吸蔵合金に着火する結果となった。
比較例11では、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法▲1▼で作成したが、樹脂量が多く、導通のとれない箇所が10か所以上となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多くなる。それにより、水素吸蔵速度が遅くなる。
比較例12では、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法▲1▼で作成したが、樹脂量が少なく、成形体の強度が足りなくなり、成型そのものが困難であった。そのため、各種評価ができなかった。
比較例13は、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法▲2▼で作成したが、作製後の成形体下部から溶けた樹脂が成形体外部に漏れだしてしまった状態で凝固していた。そのため、各種評価ができなかった。
参考例1として、合金2(平均粒径(D50)=25μm)の粉末を、参考例2として、合金1(平均粒径(D50)=25μm)の粉末を評価した結果を表1に示す、なお、粉末のみであったため、成形体とすることができず、別途水素吸蔵速度の評価のみ行い、これを水素吸蔵速度の目安(=100)とした。同様の測定を合金1・2の平均粒径(D50)が異なるその他2種類の合金粉末に対しても行い、各成形体の水素吸蔵速度の目安とし、同じ組成、平均粒径(D50)を用いた成形体の水素吸蔵速度の優劣の評価に用いた。
Figure 2019014957
本発明は、主に水素を原料とした燃料電池へ水素を供給するための水素貯蔵用容器に用いられる、水素吸蔵合金粉末及び樹脂を含む成形体からなる水素吸蔵材に関するものである。
近年、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの問題が取り上げられており、二酸化炭素を大量に発生する化石燃料に代わる新たなエネルギー源として水素が注目されている。その水素を用いて発電を行う燃料電池は、クリーンな電力源の一つとして考えられており、燃料電池に供給するための水素を安全に、かつ大量に効率よく貯蔵する方法の研究開発が進められている。
その方法の一つとして、水素を繰り返し吸蔵−放出することが可能な水素吸蔵合金を利用する方法が挙げられる。水素吸蔵合金は比較的低い圧力で、大量に水素を吸蔵し、合金内部に貯蔵することができ、高圧水素ガスや液体水素のように直接容器に貯蔵する方法に比べて利便性が高い。しかしながら、水素吸蔵合金は水素を合金の結晶格子内に、液体水素よりも高密度に包含するため、水素吸蔵時には水素吸蔵前と比べて30%近く体積が膨張する。これにより水素吸蔵合金には水素の吸蔵−放出に伴う体積変化による微粉化という問題がある。さらに水素吸蔵時の水素化物は高い活性を有し、酸素に触れると発火・燃焼するといった問題があり、それらを防ぐための対策が検討されている。
また、水素貯蔵用容器としては単位体積当たり、より多くの水素が貯蔵できることが望ましいが、水素吸蔵合金自体の密度はおおよそ8g/cm3であるのに対して水素吸蔵合金粉末のかさ密度は3g/cm3程度しかない。かさ密度を上げるためには容器内の合金に圧力をかけて圧粉する必要があるが、そうすると水素吸蔵時の合金の体積膨張による微粉化が更に促進される結果となり、望ましくない。その対策として樹脂と混合し成形することで、合金のかさ密度を上げる方策が提案されてきた。
特許文献1では、表面に熱可塑性樹脂の微粒子を包含した金属のめっき被膜を表面に有する水素吸蔵合金粒子を熱可塑性樹脂のガラス転移温度または融点以上で加圧成型する事により成形体とすることで、微粉化による崩壊を防ぐ方法が開示されている。
特開平11−050169号公報
しかしながら、特許文献1の方法では水素吸蔵合金表面が熱可塑性樹脂や金属で被覆されているため、微粉化の抑制は可能となるが、水素の吸蔵−放出に時間がかかりすぎるといった問題がある。
本発明は、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制した水素吸蔵合金粉末及び樹脂を含む成形体からなる水素吸蔵材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、水素吸蔵合金粉末と樹脂を含む成形体からなり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない水素吸蔵材が、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素の吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制することが可能であること見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の特徴を有する。
希土類金属元素、マグネシウム及びニッケルを含む水素吸蔵合金粉末と、水溶性高分子である樹脂を含む成形体からなり、水素吸蔵合金粉末がA 2 7 型合金であり、樹脂の含有量が成形体の重量の0.5%以上10%以下である、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを特徴とする水素吸蔵材。
本発明の水素吸蔵材は、水素吸蔵合金単体が有する実用的な水素の吸蔵放出速度を維持しつつ、水素の吸蔵−放出を繰り返しても水素吸蔵合金の微粉化を抑制すること、さらには水素を吸蔵した時の水素吸蔵合金の発火・燃焼を抑制することが可能である。
本発明の水素吸蔵材となる成形体は、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを特徴とする。水素吸蔵合金粉末が気固の反応で水素を吸蔵する際は、水素吸蔵合金粉末と水素とが直接接触した部分から水素の吸蔵が行われる。樹脂は水素の透過性が良好ではなく、水素吸蔵合金粉末の表面が全て樹脂に覆われてしまうと、水素吸蔵合金粉末と水素が直接接触することができず、水素吸蔵速度が著しく低下するため好ましくない。このことは水素放出の際も同様のことが言えるため、水素吸蔵合金粉末が樹脂に覆われる部分は少ないほうが好ましい。しかしながら、樹脂の量があまりにも少ないと、成形体として形状を維持することが困難となるため、樹脂のできるだけ少ない量で成形体としての形状を維持できる好適な添加量を選択する必要がある。この添加量は樹脂の種類、水素吸蔵合金粉末の粒径・形状・表面状態などによっても変わるため、必要に応じて適宜選択する必要がある。
本発明に使用される水素吸蔵合金粉末は、公知の水素吸蔵合金の粉末を用いることができる。公知の水素吸蔵合金としては、LaNi5、MmNi5(Mm=ミッシュメタル)に代表されるAB5型合金、La2-xMgxNi7、La5-xMgxNi19に代表されるA27/A519型合金、TiNi、Ti2Niで代表されるAB/A2B型合金、Ti2-xZrx4-yNiy、ZrV0.4Ni1.6で代表されるAB2型合金などが挙げられる。これらAB5型合金、A27/A519型合金、AB/A2B型合金及びAB2型合金では、A元素としてSc、Yを含む希土類金属元素、Ti、Zr、Hf、Mg及びCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含み、B元素としてNiを必須とし、それ以外にAl、Mn、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Cu、Zn、B、Ga、Sn、Sb、In、C及びPから選ばれる少なくとも1種を含む。これらの合金は、水素吸蔵材の使用用途や使用条件により適宜選択可能であり、場合によっては2種類以上の合金粉末を混合して水素吸蔵材中の水素吸蔵合金粉末として使用することも可能である。上記水素吸蔵合金の中でも結晶格子中に逆位相境界を有するA27/A519型合金は、水素吸蔵量が多く低温動作が可能で、本発明の水素吸蔵材に用いる水素吸蔵合金として好適であり、少なくとも希土類金属元素、マグネシウム(Mg)及びニッケル(Ni)を含む。
本発明で使用される水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)は、5μm以上50μm以下程度が好ましく、10μm以上35μm以下がさらに好ましい。平均粒径(D50)が50μmを超えると水素吸蔵時の体積膨張により合金粒子の破壊が起こり、成形体としての形状を保つことが困難となるため好ましくない。また平均粒径(D50)が5μm未満では活性が強く酸化されやすい。また水素を吸蔵した状態では、合金が発火・燃焼することもあり大気中で取り扱うことが困難となるため好ましくない。平均粒径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(装置名「マイクロトラックMT3000II」、マ
イクロトラック・ベル株式会社製)によって測定することができる。
本発明で使用される樹脂としては、水溶性高分子が好ましい。一般に用いられる水溶性高分子であれば特に限定されないが、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリビニルピロリドン(PVP)が特に好ましく挙げられる。
本発明で使用される樹脂は粉末状が好ましく、粉末粒度は、使用する水素吸蔵合金粉末と均一に混合できるものであれば特に限定されないが、粉末粒度が大きすぎると成形体内の樹脂の分布に偏りができ、うまく成型できなかったり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない部分が多くなりすぎるため好ましくない。逆に粉末粒度が小さすぎると成形体の構成に寄与しない部分が増え、成形体の強度が弱くなってしまうため好ましくない。従って、樹脂の粉末粒度範囲は使用する水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)の30%以上1000%以下程度の大きさが好ましく、より好ましくは50%以上500%以下程度の大きさである。
本発明で使用される樹脂の融点は30℃以上200℃以下であることが好ましい。この理由は水素吸蔵時の水素吸蔵合金粉末の体積膨張による応力の集中が、水素吸蔵時の発熱により合金を固定している樹脂が軟化または液状化することによって緩和され、体積膨張による水素吸蔵合金粉末の破壊による成形体の崩壊を抑制することが可能となるためである。樹脂の融点が30℃よりも低いと、成形体が常温で変形してしまい、成形体としての形状を保つことができない。一方で樹脂の融点が200℃よりも高いと、水素吸蔵合金粉末の発熱による熱では樹脂の軟化や液状化が起きず、水素吸蔵合金粉末の微粉化や成形体の崩壊を招いてしまう。水素吸蔵合金粉末の発熱温度は、合金の組成、粒度、水素吸蔵放出速度、堆積状態により変わるため、使用する樹脂の種類はそれらの条件に合ったものを適宜選択する必要がある。その際の条件としては、樹脂の融点が水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時の発熱温度以下であるものを選択することが好ましく、上記条件を満たした水素吸蔵合金粉末と樹脂の組み合わせとなることで、上記効果が得られる。
本発明で使用される樹脂の含有量は成形体重量の0.5wt%以上10wt%以下であることが好ましい。樹脂の含有量は成形体に求められる機械的な特性や必要な水素吸蔵量によって変わるが、0.5wt%より少ないと成形体の強度が足りなくなり、成型そのものが困難となるため好ましくない。一方で10wt%よりも多いと、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多くなる、もしくは成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂で覆われてしまい、水素吸蔵放出速度が著しく低下してしまうため好ましくない。成形体のかさ密度や空隙率は使用する合金と樹脂の量や種類によって変わるが、水素貯蔵容器に使用する実用的な成形体とするには、かさ密度が3.3g/cm3以上5.8g/cm3以下、空隙率が5%以上50%以下の範囲が好ましく、より好ましくはかさ密度が3.8g/cm3以上5.2g/cm3以下、空隙率が20%以上50%以下の範囲が挙げられる。
ここで、本明細書における成形体のかさ密度は、下記式より求められる値を意味する。
かさ密度(g/cm3)=(成形体中に含まれる合金重量)/(成形体の見かけ体積)
ここで、本明細書における成形体の空隙率は、下記式より求められる値を意味する。
空隙率(%)=
(1−(合金重量/合金の比重+樹脂重量/樹脂の比重)/(見かけ体積))×100
但し、見かけ体積は例えば円柱状の試料の場合、直径と高さから求めた体積を示す。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[使用した水素吸蔵合金粉末]
水素吸蔵合金には下記の合金1,2(ともに株式会社三徳製)を準備した。その合金を粉砕して、平均粒径(D50)が異なる粉末を合金1、2ともに各3種類用意した。
合金1:AB5系合金:MmNi5(MmはLa60原子%、Nd40原子%のミッシュメタル)。D50は22μm、25μm、32μm。
合金2:A27系合金:La0.80Mg0.20Ni3.40Al0.10。D50は12μm、25μm、47μm。
[使用した樹脂]
樹脂には下記の樹脂1〜5を用意した。
樹脂1:PVP(ポリビニルピロリドン):BASFジャパン株式会社製Luvitec*K90powder、融点130℃〜
樹脂2:PEO(ポリエチレンオキサイド):住友精化株式会社製PEO−15、融点65℃〜
樹脂3:PVAL(ポリビニルアルコール):株式会社クラレ製クラレポバールKP28−98、融点150℃〜
樹脂4:PP(ポリプロピレン):住友精化株式会社製フローブレンQB−200、融点160℃〜
樹脂5:PE(ポリエチレン):住友精化株式会社製フローセンMG−101N、融点112℃〜
[成形体の作成方法]
成形体の作成方法として下記の方法1〜3のいずれかを用いた。
方法1:水素吸蔵合金粉末と樹脂を所定の比率で混合して30gとした後、総噴霧量が成形体の乾燥重量に対して4〜10%となるように水を噴霧しながら混錬した混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、重量を測定して水分量を確認し、真空乾燥機を用いて40℃で5時間乾燥し、成形体を得た。この方法は水溶性高分子を使用する際に適した方法である。
方法2:水素吸蔵合金粉末と樹脂を所定の比率で混合して30gとした混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、真空乾燥機を用いて160℃で0.5時間加熱し、成形体を得た。この方法は熱硬化性樹脂を使用する際に適した方法である。
方法3:水素吸蔵合金粉末と樹脂の水溶液を所定の比率で、水を除いた重量が30gとなるように混合した後、混合物を内径25mmの型に入れ、0.2トン/平方センチメートルの圧力でプレス成型して円柱状にした後、真空乾燥機を用いて40℃で5時間乾燥し、成形体を得た。
表1に示す条件(水素吸蔵合金粉末の種類、樹脂の種類、樹脂含有量(wt%)、成形体の作成方法)により実施例1、3、5及び6、第2参考例2、4及び7、並びに比較例1〜13の水素吸蔵材を作成した。それぞれの成形体のかさ密度(g/cm3)、成形体の空隙率(%)を表1に示す。
実施例1、3、5及び6、第2参考例2、4及び7、並びに比較例1〜13の水素吸蔵材となる成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを確認するため、以下の方法で表面状態を確認した。その確認結果を表1に示す。
[表面状態の確認]
円柱状の成形体の真ん中あたりをカッターナイフ等を用いて切断して、片方の半分(上から見て半円状)の成形体を表面状態確認用の試料とした。次に、その試料の切断面から5mm程度までを藤倉化成株式会社製ドータイト(製品名D−362)をトルエンで3倍に希釈したドータイト溶液に10分間浸漬した後、常温で5時間乾燥する。その後、ドータイト溶液に浸漬した試料の切断面を1000番〜2000番の紙やすりにて研磨する。研磨した表面を光学顕微鏡で観察しながら銅細線を用いて、合金粒子断面と隣接する空隙部との導通をテスターで確認する。顕微鏡の視野を移動しながら100か所の導通を確認し、導通のとれない箇所が10か所未満であれば適度に成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないと判断し「〇」とし、導通のとれない箇所が10か所以上であれば成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多いもしくは成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていると判断し「×」とした。なお、成形体が作成できなかったものもしくは評価できなかったものは「−」とした。
次に、実施例1、3、5及び6、第2参考例2、4及び7、並びに比較例1〜13の水素吸蔵材の水素吸蔵放出速度、発火・燃焼抑制及び微粉化抑制を下記に示す方法で測定して評価した。その評価結果を表1に示す。
(水素吸蔵放出速度の評価)
[水素吸蔵特性の測定]
成形体をカッターナイフ等で切断し、約5gを精密天秤で0.1mg単位まで秤量後、測定用ホルダーに入れる。次に測定用ホルダーを80℃の温水中に投入してから測定ホルダー内を1時間真空引きする。その後、測定用ホルダー内に高純度水素ガスを3MPaまで印加して密閉し、圧力低下がなくなるまで放置後、室温の水に測定用ホルダーごと投入して冷却する。この工程を3回繰り返して活性化を行った。なお、水素ガス印加後3時間が経過しても圧力低下が始まらないものは測定不能とした。その後、東洋紡エンジニアリング株式会社製ジーベルツ測定装置にて40℃の条件下で測定を行い、プラトー圧と水素吸蔵量(H/M)を算出した。
[水素吸蔵速度の測定]
前記水素吸蔵特性の測定において、活性化3回目の密閉時から圧力低下がなくなるまでの時間を測定して、成形体の水素吸蔵時間とした。一方で、成形体の作製に使用したのと同じ組成、平均粒径(D50)を有する水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵速度を100として基準となる水素吸蔵速度の目安とした。この目安に対して、下記式で計算した数値が100を超えると水素吸蔵速度が速い、逆に100未満では水素吸蔵速度が遅い水素吸蔵材であり、100未満であっても85以上であればある程度実用化レベルの水素吸蔵速度を維持していると判断できる。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われている場合など、水素吸蔵速度の測定が不可で評価できないものは「−」とした。
水素吸蔵速度=
(水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時間)/(成形体の水素吸蔵時間)×100
なお、水素放出速度も吸蔵速度と同等の速度であるため、ここでは水素吸蔵速度を評価して、水素吸蔵材の水素吸蔵放出速度の優劣の評価とした。
(発火・燃焼抑制評価)
[小ガス炎着火試験]
成形体をそのままの状態で測定用ホルダーに入れる。次に測定用ホルダーを80℃の温水中に投入してから測定用ホルダー内を1時間真空引きする。その後、測定用ホルダー内に高純度水素ガスを3MPaまで印加して密閉し、圧力低下がなくなるまで放置後、室温の水に測定用ホルダーごと投入して冷却する。その後、測定ホルダーから取り出した水素吸蔵状態の成形体に炎を接触させて小ガス炎着火試験を行った。成形体の作成に使用したのと同じ組成・平均粒径(D50)の水素吸蔵状態の水素吸蔵合金粉末を用いて同様の小ガス炎着火試験を行ったところ、10秒以内に着火した。それと比較して、10秒を超えてから水素吸蔵合金に着火した成形体は発火・燃焼が抑制されたと判断し「〇」とし、10秒以内に水素吸蔵合金に着火した成形体は発火・燃焼が抑制されなかったと判断し「×」とした。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていて水素吸蔵状態を再現できない場合や成形体が作成できなかった場合のものは「−」とした。
[微粉化抑制の評価]
水素吸蔵特性の測定が終了した成形体を、樹脂が水溶性高分子の場合は80℃の温水中で、熱可塑性樹脂の場合は120℃のデカリン中で1時間撹拌した後、常温まで冷却する。その後、成形体中の樹脂が溶解して、粉末状になった合金から粒度分布測定用にサンプリングを行い、水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)を測定するのと同様の装置を用いて粒度分布を測定した。得られた平均粒径(D50)が元の水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)と比較して30%以内の低下にとどまるものについては水素の吸蔵−放出による水素吸蔵合金の微粉化が抑制されたと判断して「〇」とし、30%を超える低下を示すものについては水素の吸蔵−放出による水素吸蔵合金の微粉化が抑制されなかったと判断して「×」とした。また成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われていて水素吸蔵状態を再現できない場合や成形体が作成できなかった場合のものは「−」とした。
実施例1、3、5及び6、第2参考例2、4及び7ではすべて水溶性高分子を用いて、方法1で成形体を作成することで、噴霧した水分が付着していない水素吸蔵合金粉末表面は樹脂である水溶性高分子で覆われることがなく、最終的に導通のとれない箇所が10か所未満となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていない成形体とすることができる。一方で、方法3で成形体を作成した比較例1や比較例5の場合、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われてしまい、各種評価ができなかった。
比較例2〜4、6〜10では、熱硬化性樹脂を用いて、方法2で成形体を作成したところ、方法1と比べて樹脂が水素吸蔵合金粉末表面に多く付着しやすく、最終的に導通のとれない箇所が樹脂含有量が多くなるにつれて増加する傾向にある。特に、樹脂含有量が10wt%では、導通のとれない箇所が10か所以上となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の全表面が樹脂に覆われている部分が多くなる。また熱硬化性樹脂を使用すると水素吸蔵合金粉末の発熱で樹脂の軟化や液状化による微粉化抑制効果が得られず、また樹脂含有用が多くなるにつれて微粉化抑制の効果も低下する。そのため、微粉化された粉末が多い、つまり活性な状態の粉末が多くなるため着火試験において、10秒以内に水素吸蔵合金に着火する結果となった。
比較例11では、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法1で作成したが、樹脂量が多く、導通のとれない箇所が10か所以上となり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われている部分が多くなる。それにより、水素吸蔵速度が遅くなる。
比較例12では、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法1で作成したが、樹脂量が少なく、成形体の強度が足りなくなり、成型そのものが困難であった。そのため、各種評価ができなかった。
比較例13は、樹脂として水溶性高分子を用いて、方法2で作成したが、作製後の成形体下部から溶けた樹脂が成形体外部に漏れだしてしまった状態で凝固していた。そのため、各種評価ができなかった。
参考例1として、合金2(平均粒径(D50)=25μm)の粉末を、参考例2として、合金1(平均粒径(D50)=25μm)の粉末を評価した結果を表1に示す。なお、粉末のみであったため、成形体とすることができず、別途水素吸蔵速度の評価のみ行い、これを水素吸蔵速度の目安(=100)とした。同様の測定を合金1・2の平均粒径(D50)が異なるその他2種類の合金粉末に対しても行い、各成形体の水素吸蔵速度の目安とし、同じ組成、平均粒径(D50)を用いた成形体の水素吸蔵速度の優劣の評価に用いた。

















Figure 2019014957

Claims (8)

  1. 水素吸蔵合金粉末と樹脂を含む成形体からなり、成形体の表面を除く空隙に面する水素吸蔵合金粉末の一部の表面が樹脂に覆われていないことを特徴とする水素吸蔵材。
  2. 樹脂が水溶性高分子であることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵材。
  3. 水素吸蔵合金粉末が少なくとも希土類金属元素とマグネシウム(Mg)とニッケル(Ni)とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の水素吸蔵材。
  4. 水素吸蔵合金粉末の平均粒径(D50)が5μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水素吸蔵材。
  5. 樹脂の融点が30℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の水素吸蔵材。
  6. 水素吸蔵材中の樹脂の融点が水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵時の発熱温度以下となる水素吸蔵合金粉末と樹脂の組み合わせであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の水素吸蔵材。
  7. 樹脂の含有量が成形体重量の1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の水素吸蔵材。
  8. 成形体のかさ密度が3.3g/cm以上5.8g/cm以下、空隙率が5%以上50%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の水素吸蔵材。
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