JP2003172499A - 水素貯蔵装置 - Google Patents

水素貯蔵装置

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JP2003172499A
JP2003172499A JP2002170211A JP2002170211A JP2003172499A JP 2003172499 A JP2003172499 A JP 2003172499A JP 2002170211 A JP2002170211 A JP 2002170211A JP 2002170211 A JP2002170211 A JP 2002170211A JP 2003172499 A JP2003172499 A JP 2003172499A
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hydrogen
alloy
storage device
porous carbon
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JP2002170211A
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English (en)
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Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Yasuaki Kawai
泰明 河合
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Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価で軽量であることに加え、単位体
積当たりの水素吸蔵量が大きい水素貯蔵装置を提供す
る。 【解決手段】 水素貯蔵装置を、容器と、該容器に収容
された水素吸蔵体とを含んで構成し、容器に収容される
水素吸蔵体を、比表面積が1000m2/g以上である
多孔質炭素材料と、水素吸蔵合金とを含むものとする。
水素吸蔵体が熱伝導の大きな多孔質炭素材料を含むため
水素吸蔵に伴う発熱が小さく、かつ、水素吸蔵合金をも
含むため水素吸蔵体の嵩密度が高くなり単位体積当たり
の水素吸蔵量の大きな水素貯蔵装置を構成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵装置に関
し、詳しくは、水素吸蔵体を含む水素貯蔵装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水素エネルギーは、例えば、電気自動車
用電源等に利用される燃料電池を始めとして、様々な用
途への利用が期待されている。水素エネルギーを実用化
するためには、水素を安全に貯蔵・輸送する技術が重要
となる。水素を貯蔵する技術として、例えば、水素を高
圧で圧縮したり、また低温で液化してボンベ等の容器に
充填する方法がある。しかし、高圧で圧縮する方法で
は、実用的な量の水素を貯蔵する場合に、その容器体積
が大きくなってしまう。また、低温で液化する方法で
は、水素を20K以下に冷却する必要があり、加えて、
容器を常に冷却しておく必要もあるため、そのためのコ
ストが大きくなるという欠点を有する。
【0003】一方、容器に水素を吸蔵・放出可能な材料
を充填しておき、その材料に水素を吸蔵させて貯蔵する
方法もある。水素を吸蔵・放出可能な材料の一つとし
て、例えば、所定の条件下で気体の水素を水素化物とい
う固体の形で吸蔵し、別の条件下で水素を放出する水素
吸蔵合金が挙げられる。また、もう一つの材料として、
水素を吸着することにより吸蔵する多孔質炭素材料が近
年注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
素吸蔵合金は重く、また、水素を吸蔵・放出する際の発
熱・吸熱量が大きいことから、充填した容器に冷却設備
等を付帯する必要がある。さらに、水素吸蔵合金の代表
例である希土類系合金等は、希少金属を含んでおり、そ
の資源の確保が困難でありコストも高い。一方、多孔質
炭素材料は、資源として豊富で、軽量である利点を有す
るが、一般に嵩密度が低く、多孔質炭素材料を容器に充
填して用いる場合、単位体積当たりの水素吸蔵量は充分
とはいえない。
【0005】本発明は、上記実状を鑑みてなされたもの
であり、比較的安価で軽量であることに加え、単位体積
当たりの水素吸蔵量が大きい水素貯蔵装置を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素貯蔵装置
は、容器と、該容器に収容された水素吸蔵体とを含む水
素貯蔵装置であって、前記水素吸蔵体は、比表面積が1
000m2/g以上である多孔質炭素材料と、水素吸蔵
合金とを含むことを特徴とする。本発明の水素貯蔵装置
における水素貯蔵体は、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金
とを含んでいるため、多孔質炭素材料を単独で用いた場
合と比較して、水素吸蔵体の嵩密度は高くなる。また、
軽量な多孔質炭素材料を使用するため、装置自体を軽量
化することができる。さらに、多孔質炭素材料は熱伝導
が大きいため、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に生ず
る熱の拡散が容易となり、容器に冷却設備等を付帯する
必要はない。また、水素吸蔵合金は水素の吸蔵・放出に
より膨張・収縮を繰り返し、次第に微粉化する。水素吸
蔵体に多孔質炭素材料を含むことで、水素の吸蔵・放出
に伴う水素吸蔵合金の凝集が抑制される。このように、
本発明の水素貯蔵装置は、水素を圧縮水素、吸着水素、
原子状水素という3つの状態で貯蔵するものであって、
比較的安価で軽量であることに加え、単位体積当たりの
水素貯蔵量の大きい装置となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水素貯蔵装置を詳
細に説明する。なお、説明する実施形態は一実施形態に
すぎず、本発明の水素貯蔵装置が、下記の実施形態に限
定されるものではない。下記実施形態を始めとして、当
業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実
施することができる。
【0008】本発明の水素貯蔵装置は、容器と、該容器
に収容された水素吸蔵体とを含む水素貯蔵装置である。
容器は、低温もしくは高圧等の条件で使用できるもので
あれば、特に限定されるものではなく、耐圧容器等の種
々のものを用いることができる。そして、容器に多孔質
炭素材料と水素吸蔵合金とを含む水素吸蔵体を充填し、
圧力や温度を所定の条件に調整することにより水素を吸
蔵・放出させる。
【0009】本発明の水素貯蔵装置において容器に収容
される水素吸蔵体は、比表面積が1000m2/g以上
である多孔質炭素材料と、水素吸蔵合金とを含むもので
ある。多孔質炭素材料は、比表面積が1000m2/g
以上であれば、特に限定されるものではない。なお、後
に活性炭の結晶モデルで説明するが、結晶におけるグラ
フェンの表裏両面の理論比表面積は2630m2/gで
あることから、多孔質炭素材料の理論比表面積は300
0m2/g以下となる。多孔質炭素材料としては、例え
ば、活性炭、カーボンナノチューブ、グラファイトナノ
ファイバー等を用いることができる。特に、比表面積が
大きいという理由から、多孔質炭素材料には活性炭を用
いることが望ましい。
【0010】ここで、活性炭の結晶モデルを図1(a)
および(b)に示す。図1(a)は、通常の活性炭の結
晶モデルを示し、図1(b)は、比表面積が1000m
2/g以上の活性炭の結晶モデルを示す。図1(a)に
示すように、通常、活性炭は、炭素原子が平面的に連な
った層、いわゆるグラフェンが多数積層した結晶子がラ
ンダムに集合して構成される。一方、比表面積が100
0m2/g以上の活性炭の場合は、図1(b)に示すよ
うに、上記グラフェンが1枚単独で、あるいは極めて少
ない数で積層して、それぞればらばらに存在する。この
ような比表面積の大きな活性炭は、その製造方法が特に
限定されるものではない。例えば、植物、鉱物、穀物等
の炭化物である炭素質物質を原料とし、その原料をアル
カリ水溶液に分散させたものを高温で焼成すればよい。
【0011】本明細書では、比表面積は、BET式吸着
法により測定した値を採用する。具体的には、測定する
多孔質炭素材料をサンプル管に入れ、N2とHeとの混
合ガスを流してN2を吸着させる。そして、多孔質炭素
材料のN2吸着量を熱伝導度セルにより検出し、BET
理論で仮定する吸着等温線から多孔質炭素材料の比表面
積を算出する方法である。なお、BET式吸着法で求め
た比表面積は、理論比表面積に比べ若干高めの値となる
ことが一般に知られている。
【0012】水素吸蔵合金は、その種類が特に限定され
るものではない。本発明の水素貯蔵装置の使用条件等を
考慮して適宜選択すればよい。例えば、チタン系合金、
希土類系合金、マグネシウム系合金等が挙げられる。な
かでも、水素化物の生成熱が小さいため、水素吸蔵・放
出の際に生ずる熱量が小さいという理由から、チタン系
合金および希土類系合金から選ばれるいずれか一種以上
を用いることが望ましい。また、多孔質炭素材料は比較
的高圧下で使用することが望ましいため、そのことを考
慮すると、水素吸蔵合金として、30℃における水素解
離圧が0.1MPa以上であるものを用いることが望ま
しい。具体的には、例えば、TiFe、LaNi5等が
挙げられる。さらに、30℃における水素解離圧が0.
5MPa以上であるものがより好適である。
【0013】また、本発明の水素貯蔵装置を−20℃程
度の低温下で使用することを考慮した場合には、低温下
でも多くの水素を吸蔵・放出できるという観点から、−
20℃における水素解離圧が0.1MPa以上である水
素吸蔵合金を用いることが望ましい。例えば、チタン−
クロム系合金およびチタン−マンガン系合金から選ばれ
るいずれか一種以上を用いることが好適である。具体的
には、チタン−クロム系合金として、TiCrMn、T
1.05CrMn、Ti1.1CrMn、Ti1.3Cr0.4
1.6、Ti1.1Cr0.7Mn1.3、Ti1.2Cr0.8Mn
1.2、Ti1.2CrMn、TiCr2、Ti1.2Cr1.9
0.1、Ti1.2Cr1.4Mn0.6等が、チタン−マンガン
系合金として、TiMn1.5、Ti0.98Zr0.020.43
Fe0.09Cr0.05Mn1.5等が挙げられる。なお、例え
ばTiCrMn等のように、クロムとマンガンとを同程
度の割合で含むチタン系合金は、チタン−クロム系合金
またはチタン−マンガン系合金として扱えばよい。
【0014】水素吸蔵体における水素吸蔵合金の含有割
合は、特に限定されるものではない。水素吸蔵体の嵩密
度を大きくし、単位体積当たりの水素吸蔵量を多くする
という観点から、水素吸蔵合金の含有割合を10重量%
以上とすることが望ましい。より望ましくは30重量%
以上である。また、水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸
熱量を小さくするという観点から、水素吸蔵合金の含有
割合を80重量%以下とすることが望ましい。より望ま
しくは70重量%以下である。これらを勘案すると、水
素吸蔵合金の含有割合は、10重量%以上80重量%以
下であることが望ましい。なお、チタン−クロム系合金
およびチタン−マンガン系合金は、水素の吸蔵に伴う発
熱量が比較的小さい。このため、水素吸蔵合金としてチ
タン−クロム系合金およびチタン−マンガン系合金から
選ばれるいずれか一種以上を用いる場合には、水素吸蔵
量をより多くするという観点から、水素吸蔵合金の含有
割合を90重量%以下とすることが望ましい。この場
合、水素吸蔵量と発熱量との両者を考慮して、水素吸蔵
合金の含有割合は、30重量%以上90重量%以下であ
ることが望ましい。また、水素吸蔵合金の含有割合を、
50重量%以上90重量%以下とするとより好適であ
る。
【0015】本発明の水素貯蔵装置に用いられる水素吸
蔵体は、上記多孔質炭素材料および水素吸蔵合金を結着
する結着剤を含有する態様を採用することができる。結
着剤を含有することで、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金
との均一な混合状態を維持することができる。また、水
素吸蔵体を所定の形状に成形する場合には成形が容易と
なる利点もある。結着剤は、その種類が特に限定される
ものではない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PC
TFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ
素樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチ
レンブタジエンゴム、カルボキシセルロース等を用いる
ことができる。
【0016】水素吸蔵体は、水素を吸蔵させる前に活性
化処理として熱処理を施してから使用することが望まし
い。したがって、熱処理を行うことを考慮すると、結着
剤を含有する場合には、その結着剤がある程度の耐熱性
を有することが望まれる。このような観点から、上記例
示したもののなかでも耐熱性が高く、成形がより容易で
ある等の利点を有するフッ素樹脂を用いることが望まし
い。特に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
は、溶剤を用いずに混合することができるため好適であ
る。
【0017】また、水素吸蔵体における結着剤の含有割
合は、20重量%以下であることが望ましい。結着剤は
水素吸蔵放出能を有しないため、結着剤の含有割合が2
0重量%を超えると、水素吸蔵体の水素吸蔵量が減少す
るからである。より望ましくは5重量%以下である。ま
た、結着剤を含有することにより得られる上記効果を有
効に発揮させるためには、含有割合は0.2重量%以上
であることが望ましい。
【0018】さらに、水素吸蔵体は、高圧圧縮処理する
ことにより得ることができる。この場合、例えば、多孔
質炭素材料のみを高圧圧縮処理してもよく、多孔質炭素
材料と水素吸蔵合金とを混合したものを高圧圧縮処理し
てもよい。上述したような比表面積の大きい多孔質炭素
材料を高圧圧縮処理すると、各グラフェン間に存在する
隙間が圧縮されて縮まり、その結果、高密度化を図るこ
とができると考えられる。高圧圧縮処理は、その条件、
方法等が特に限定されるものではない。例えば、上記多
孔質炭素材料を所定の圧力、温度下で圧縮して行うこと
ができる。その場合、処理圧力を100MPa以上20
00MPa以下とすることが望ましい。100MPa未
満であると、圧縮する力が小さく、充分に高密度化が図
りにくいからである。また、2000MPaを超える
と、処理に用いる装置の耐久性が問題となる等、実用的
ではないからである。特に、多孔質炭素材料に活性炭を
用いた場合には、圧縮効果を充分発現させるという理由
から、300MPa以上で高圧圧縮処理を行うことが望
ましい。また、成形金型の耐久性を考慮すると1300
MPa以下の圧力で高圧圧縮処理を行うことが望まし
い。
【0019】高圧圧縮処理は、室温で行ってもよく、ま
た、200℃程度までの高温下で行ってもよい。また、
処理時間は、上記処理圧力に達してからその圧力を保持
する時間として数秒〜10分程度とすればよい。処理回
数は、上記多孔質炭素材料、処理条件等によるが、1回
〜50回程度行えばよい。高圧圧縮処理は、例えば、油
圧プレス等の圧縮成形機を用いて行えばよい。水素吸蔵
体は、1回の高圧圧縮処理により所定の形状に成形され
る。2回以上処理を行う場合には、成形された水素吸蔵
体をそのままの状態で用いてもよく、また、1回の処理
ごとに粉砕して次の処理に供してもよい。その際の粉砕
は、例えば、ジェットミル、ハンマーミル等を用いて行
えばよい。
【0020】水素吸蔵体は、上記多孔質炭素材料と水素
吸蔵合金とを含むものであればよい。例えば、粉末状の
多孔質炭素材料と粉末状の水素吸蔵合金とを混合し、両
者を分散させたものを用いればよい。混合は、例えば、
ボールミル、ロッキングミル等を用いて行えばよい。粉
末を構成する水素吸蔵合金粒子の平均粒子径は、特に限
定されるものではない。水素吸蔵合金粒子の平均粒子径
が大きい場合には、水素を吸蔵する際の発熱が大きくな
る。このことを考慮すると、水素吸蔵合金粒子の平均粒
子径は10mm以下とすることが望ましい。また、5m
m以下とするとより望ましく、さらに3mm以下とする
と好適である。一方、水素吸蔵合金粒子の平均粒子径が
小さい場合には、水素吸蔵量が小さくなる。このことを
考慮すると、水素吸蔵合金粒子の平均粒子径は1μm以
上とすることが望ましい。また、10μm以上とすると
より望ましく、さらに100μm以上とすると好適であ
る。
【0021】また、水素吸蔵体として、上記粉末状の多
孔質炭素材料と粉末状の水素吸蔵合金との個々の粒子を
機械的剪断力により結合させて複合体としたものを用い
ることもできる。その場合、例えば、メカニカルアロイ
ング、メカノヒュージョン等の方法により多孔質炭素材
料と水素吸蔵合金とを複合化すればよい。
【0022】さらに、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金と
の混合材料をシート状に成形したものを水素吸蔵体とし
て用いることもできる。この場合、水素吸蔵体に結着剤
をも含有する態様を採用すると、成形が容易となり好適
である。例えば、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金と結着
剤とを混合した混合材料を調製し、その混合物を圧延し
て、シート状に成形する。そして、そのシートを渦巻き
状に巻いて水素吸蔵体として容器に収容し、水素貯蔵装
置を構成すればよい。また、結着剤を混合した多孔質炭
素材料と水素吸蔵合金とをそれぞれシート状に成形し、
それぞれのシートを交互に積層させたものを水素吸蔵体
として容器に収容し、水素貯蔵装置を構成してもよい。
【0023】
【実施例】上記実施の形態に基づいて、本発明の水素貯
蔵装置に用いられる水素吸蔵体を種々製造し、各々の水
素吸蔵量等を測定した。以下、水素吸蔵体の製造および
水素吸蔵量等の測定について説明する。
【0024】(1)第1シリーズの水素吸蔵体 (a)水素吸蔵体の製造 多孔質炭素材料として比表面積が3220m2/gであ
る活性炭M30(商品名、大阪ガスケミカル社製)を、
水素吸蔵合金としてLaNi5(平均粒子径約300μ
m)またはTiFe(平均粒子径約500μm)を用い
て水素吸蔵体を製造した。まず、活性炭M30を熱処理
することで吸着している水分等を除去した。熱処理は、
活性炭M30を水素雰囲気、300℃下にて1時間保持
することにより行った。同様に、水素吸蔵合金には活性
化処理を施した。活性化処理は、LaNi5について
は、水素雰囲気、5MPaの圧力下、300℃に加熱し
て1時間保持した後、常温に戻すという処理を3回繰り
返した。TiFeについては、温度のみを450℃に変
更して上記LaNi5と同様に行った。そして、熱処理
した活性炭M30と活性化処理したLaNi5とを、重
量比で1:1となるように混合し、M30とLaNi5
とからなる水素吸蔵体(以下「水素吸蔵体M30/La
Ni5」と表す。)を得た。混合は乳鉢を使用し、アル
ゴン雰囲気下にて約5分間行った。同様に、活性炭M3
0とTiFeとを重量比で1:1となるように混合し、
水素吸蔵体M30/TiFeを得た。得られた水素吸蔵
体について、含有する水素吸蔵合金に対して行った活性
化処理と同様の条件で、それぞれ活性化処理を施した。
【0025】(b)水素吸蔵量の測定 製造した各水素吸蔵体について、嵩密度、および温度2
5℃、圧力9MPa下での水素吸蔵量をそれぞれ測定し
た。また、活性炭M30、水素吸蔵合金であるLaNi
5およびTiFeについても、同様に嵩密度および水素
吸蔵量を測定した。なお、本実施例では、嵩密度とし
て、水素吸蔵体等を0.1MPaの圧力で所定の直径の
円柱状に成形し、成形された円柱状の水素吸蔵体等の高
さを測定して体積を求め、用いた水素吸蔵体等の重量を
その体積で除することにより算出した値を採用する。さ
らに、参考例として、多孔質炭素材料以外の炭素材料で
あり、比表面積が10m2/gである黒鉛化メソカーボ
ンマイクロビーズ(黒鉛化MCMB)、そのMCMBと
LaNi5とを重量比で1:1に混合したMCMB/L
aNi5、多孔質炭素材料ではないが比表面積が100
0m2/gであるシリカ多孔体、そのシリカ多孔体とL
aNi5とを重量比で1:1に混合したMCMB/La
Ni5の4種類のものについても同様に水素吸蔵量等を
測定した。水素吸蔵量は、圧力−組成等温線(PCT
線)に基づいて容量法により求めた(JISH 720
1−1991)。また、上記各試料を容量が5mlのサ
ンプル管に充填し、5MPaの水素加圧を行って、水素
吸蔵に伴うサンプル管表面の温度上昇も測定した。表1
に水素吸蔵量および温度上昇の測定結果等を示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1より、いずれの水素吸蔵体も、活性炭
M30を単独で使用した場合と比較して、嵩密度は約2
倍となり、嵩密度が高くなっていることがわかる。そし
て、水素吸蔵体の水素吸蔵に伴う温度上昇は、水素吸蔵
合金を単独で使用した場合と比較して極めて小さい。さ
らに、水素吸蔵体の水素吸蔵量は、各水素吸蔵合金を単
独で使用した場合と比較して増加している。なお、多孔
質炭素材料ではないMCMBやシリカ多孔体と水素吸蔵
合金とを混合したものは、水素吸蔵体と比較して、いず
れも水素吸蔵量は小さく、水素吸蔵に伴う温度上昇は大
きくなった。
【0028】また、水素吸蔵体M30/LaNi5につ
いて、活性炭M30の含有割合と水素吸蔵量との関係を
図2に示す。図2より、水素吸蔵合金であるLaNi5
を単独で使用した場合(M30の割合が0)と比較し
て、活性炭M30を混合することにより水素吸蔵量は増
加することがわかる。そして、活性炭M30の含有割合
の増加に伴い水素吸蔵量も増加することがわかる。以上
より、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金とを含む水素吸蔵
体は、水素を吸蔵する際の発熱量が小さく、また嵩密度
が高いため、単位体積当たりの水素吸蔵量が大きい水素
貯蔵装置を構成し得ることが確認できた。
【0029】(2)第2シリーズの水素吸蔵体 (a)水素吸蔵体の製造 多孔質炭素材料として第1シリーズと同様の活性炭M3
0を、水素吸蔵合金としてTiFeを、さらに結着剤と
してPTFEを用い、それらを混合した後、所定の圧力
で高圧圧縮処理して水素吸蔵体を7種類製造した。ま
ず、0.5gの活性炭M30と、0.025〜5gの各
TiFeと、0.01gのPTFEとを混合した。次い
で、その混合物を圧縮成形機により高圧圧縮処理し、直
径約16mmの円柱状に成形された水素吸蔵体を得た。
高圧圧縮処理は室温下で、処理圧力を734MPaと
し、1〜3回行った。なお、2回以降の処理は、前の処
理が終った後、成形された原料を一旦粉砕してから行っ
た。得られた水素吸蔵体の嵩密度を上述した方法により
測定した。なお、結着剤を含有する水素吸蔵体は、結着
剤の含有割合が最大でも約2重量%と小さい。このた
め、結着剤の嵩密度等への影響は少ないと考えられる。
したがって、本実施例では、結着剤を含めた状態で水素
吸蔵体の嵩密度を測定し、その値を水素吸蔵体の嵩密度
として採用している。得られた水素吸蔵体について活性
化処理を施した。なお、活性化処理は以下の処理を3回
繰り返すことにより行った。まず、各水素吸蔵体に対し
450℃で真空脱ガスを行った後、同温で1.3MPa
の水素加圧を行った。30分経過後に再び真空脱ガスを
行い、温度を室温に戻した。そして、室温にて9MPa
の水素加圧を行い、その状態で1時間以上保持した。
【0030】(b)水素吸蔵量の測定 製造した各水素吸蔵体について、温度25〜26℃、圧
力8.6〜9.3MPa下での水素吸蔵量をそれぞれ測
定した。水素吸蔵量は、圧力−組成等温線(PCT線)
に基づいて容量法により求めた(JIS H 7201−
1991)。また、各水素吸蔵体をサンプル管に充填
し、5MPaの水素加圧を行って、水素吸蔵に伴うサン
プル管表面の温度上昇をも測定した。表2に、各水素吸
蔵体におけるTiFeの含有割合、高圧圧縮処理条件、
嵩密度、水素吸蔵量および温度上昇の測定結果を示す。
また、第1シリーズの水素吸蔵体である高圧圧縮処理を
行わなかったM30/TiFe、および活性炭M30、
TiFeについてのデータをも合わせて示す。なお、表
2における水素吸蔵量(kg/100L)は、各水素吸
蔵体のそれぞれ100L当たりに吸蔵された水素の重量
を示すものである。
【0031】
【表2】
【0032】表2より、高圧圧縮処理を行った水素吸蔵
体は、活性炭M30を単独で使用した場合と比較して、
嵩密度が大幅に高くなっている。また、高圧圧縮処理を
行っていない水素吸蔵体と比較しても、高圧圧縮処理を
行った水素吸蔵体の方がすべて嵩密度は高い。そして、
水素吸蔵合金であるTiFeの割合が大きくなると供
に、嵩密度は高くなっている。同様に、水素吸蔵量もT
iFeの割合が増加するにつれ大きくなっている。例え
ば、TiFeの含有割合が50重量%のものの水素吸蔵
量は0.81(kg/100L)であり、同様の組成で
あり高圧圧縮処理を行っていない水素吸蔵体のそれと比
較して、ほぼ2倍となっている。なお、水素吸蔵に伴う
温度上昇は、TiFeの割合が増加するとやや大きくな
るが、TiFeの割合が80重量%以下であれば温度上
昇は15℃以下であり、充分実用に適することがわか
る。以上より、多孔質炭素材料と水素吸蔵合金と結着剤
とを高圧圧縮処理することにより、得られた水素吸蔵体
の嵩密度および水素吸蔵量をより大きくすることができ
ることが確認できた。
【0033】図3に、高圧圧縮処理を行った7種類の水
素吸蔵体M30/TiFeについて、TiFeの含有割
合と水素吸蔵に伴う温度上昇、および水素化物の生成熱
(計算値)との関係を示す。TiFeの割合が増加する
と温度上昇も大きくなることがわかる。また、水素化物
の生成熱が大きいものは、水素吸蔵に伴う温度上昇も大
きいことがわかる。これより、水素吸蔵合金の含有割合
を80重量%以下とすることにより、温度上昇を15℃
以下に抑制することができることが確認できた。
【0034】また、上記高圧圧縮処理を行った水素吸蔵
体のうち、TiFeの含有割合が50重量%のM30/
TiFe(嵩密度0.71g/cm3)を、内容量13
6Lの高圧ボンベに収容して水素貯蔵装置を作製した。
なお、本水素貯蔵装置は、本発明の水素貯蔵装置とな
る。そして、この水素貯蔵装置に水素を充填して所定の
圧力にし、各圧力下における水素貯蔵量を求めた。一
方、何も収容しない空の高圧ボンベ(内容量136L)
を用いて水素貯蔵装置を作製し、比較例の水素吸蔵装置
とした。この比較例の水素貯蔵装置に水素を充填して、
上記同様、各圧力下における水素貯蔵量を求めた。図4
に、上記2種類の水素貯蔵装置の各圧力下における水素
貯蔵量を示す。図4より、どちらの水素貯蔵装置も圧力
が大きいほど、水素貯蔵量は大きくなっている。しか
し、水素吸蔵体を収容したボンベからなる本発明の水素
貯蔵装置は、空のボンベからなる比較例の水素吸蔵装置
と比較して、すべての圧力において水素貯蔵量が大きく
なった。例えば、20MPaの圧力下では、本発明の水
素貯蔵装置の水素貯蔵量は、比較例の水素吸蔵装置の水
素貯蔵量の約1.8倍となっている。したがって、本発
明の水素貯蔵装置は、単位体積当たりの水素吸蔵量が大
きい水素貯蔵装置となることが確認できた。
【0035】(3)第3シリーズの水素吸蔵体 (a)水素吸蔵体の製造 (a−1)水素吸蔵体MSC30/Ti1.2Cr1.9Mn
0.1 多孔質炭素材料として比表面積が3220m2/gであ
る活性炭MSC30(商品名、関西熱化学社製)を、水
素吸蔵合金としてチタン−クロム系合金であるTi1.2
Cr1.9Mn0.1(平均粒子径約1mm)を用いて水素吸
蔵体を製造した。まず、活性炭MSC30を熱処理する
ことで吸着している水分等を除去した。熱処理は、活性
炭MSC30をアルゴン雰囲気(アルゴンガス流速50
ml/min)、300℃下にて2〜4時間保持するこ
とにより行った。同様に、水素吸蔵合金には活性化処理
を施した。活性化処理は、Ti1.2Cr1.9Mn0.1をア
ルゴン雰囲気(アルゴンガス流速50ml/min)、
300℃に加熱して2時間保持した後、常温に戻すとい
う処理を1回行った。そして、熱処理した活性炭MSC
30と活性化処理したTi1.2Cr1.9Mn0.1とを、重
量比で8:2、5:5、3:7、2:8、1:9、0.
5:9.5となるようにそれぞれ混合し、MSC30と
Ti1.2Cr1.9Mn0.1とからなる6種類の水素吸蔵体
(「水素吸蔵体MSC30/Ti1.2Cr1.9Mn0.1
と表す。)を得た。混合は乳鉢を使用し、アルゴン雰囲
気下にて約5分間行った。得られた水素吸蔵体につい
て、含有する水素吸蔵合金に対して行った活性化処理と
同様の条件で、それぞれ活性化処理を施した。
【0036】(a−2)水素吸蔵体MSC30/TiC
rMn 多孔質炭素材料として上記活性炭MSC30を、水素吸
蔵合金としてチタン−クロム系合金であるTiCrMn
(平均粒子径約1mm)を用い、上記(a−1)と同様
にして、水素吸蔵体を製造した。まず、活性炭MSC3
0を熱処理し、TiCrMnを活性化処理した。そし
て、熱処理した活性炭MSC30と活性化処理したTi
CrMnとを、重量比で3:7、2:8、1:9となる
ようにそれぞれ混合し、3種類の水素吸蔵体MSC30
/TiCrMnを得た。
【0037】(a−3)水素吸蔵体MSC30/Ti
1.2CrMn 多孔質炭素材料として上記活性炭MSC30を、水素吸
蔵合金としてチタン−クロム系合金であるTi1.2Cr
Mn(平均粒子径約1mm)を用い、上記(a−1)と
同様にして、水素吸蔵体を製造した。まず、活性炭MS
C30を熱処理し、Ti1.2CrMnを活性化処理し
た。そして、熱処理した活性炭MSC30と活性化処理
したTiCrMnとを、重量比で3:7、2:8、1:
9となるようにそれぞれ混合し、3種類の水素吸蔵体M
SC30/Ti1.2CrMnを得た。
【0038】(b)水素吸蔵放出量の測定 製造した上記各水素吸蔵体について、嵩密度および水素
吸蔵放出量をそれぞれ測定した。ここで、水素吸蔵放出
量は、水素吸蔵体が一旦水素を吸蔵した後、放出した量
である。水素吸蔵放出量は、圧力を0.1〜9MPaと
し、20〜25℃および−20℃の2種類の温度で測定
した。また、活性炭MSC30、水素吸蔵合金であるT
1.2Cr1.9Mn0.1、TiCrMn、Ti1.2CrMn
の各々単体についても、同様に嵩密度および水素吸蔵放
出量を測定した。なお、本実施例では、嵩密度として、
水素吸蔵体等を内容積4mlの円筒状容器に充填し、充
填された水素吸蔵体の重量を上記内容積で除することに
より算出した値を採用する。
【0039】さらに、参考例として、多孔質炭素材料以
外の炭素材料であり、比表面積が10m2/gである黒
鉛化メソカーボンマイクロビーズ(黒鉛化MCMB)
と、Ti1.2Cr1.9Mn0.1とを重量比で3:7に混合
したMCMB/Ti1.2Cr1.9Mn0.1、およびMSC
30とLaNi5とを重量比で3:7に混合したMSC
30/LaNi5(温度−20℃における測定のみ)に
ついても、同様に水素吸蔵放出量等を測定した。水素吸
蔵放出量は、圧力−組成等温線(PCT線)に基づいて
容量法により求めた(JIS H 7201−199
1)。また、温度20〜25℃における測定では、容積
が4mlのサンプル管に上記各試料を充填し、5.5M
Paの水素加圧を行って、水素吸蔵に伴うサンプル管表
面の温度上昇も測定した。表3に、20〜25℃におけ
る水素吸蔵放出量等の測定結果を示す。また、表4に、
−20℃における水素吸蔵放出量等の測定結果を示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】最初に表3について述べる。表3より、水
素吸蔵合金の種類によらず、いずれの水素吸蔵体も、活
性炭MSC30を単独で使用した場合と比較して、嵩密
度が高くなっていることがわかる。そして、各水素吸蔵
体における水素吸蔵合金の含有割合が大きくなる程、嵩
密度は高くなった。一方、水素吸蔵体の水素吸蔵に伴う
温度上昇は、各水素吸蔵合金を単独で使用した場合と比
較して小さくなった。なお、温度上昇は、各水素吸蔵体
における水素吸蔵合金の含有割合の増加とともに大きく
なった。しかし、水素吸蔵合金の含有割合が90重量%
以下の場合には、温度上昇は、各水素吸蔵合金を単独で
使用したものの約1/2にとどまった。また、いずれの
水素吸蔵体も、各水素吸蔵合金を単独で使用した場合と
同程度の水素を吸蔵・放出した。なお、多孔質炭素材料
ではないMCMBとTi1.2Cr1 .9Mn0.1とを混合し
たものは、同じ割合でTi1.2Cr1.9Mn0.1を混合し
た水素吸蔵体と比較して、水素吸蔵放出量は小さく、水
素吸蔵に伴う温度上昇は大きくなった。
【0043】このように、多孔質炭素材料と水素吸蔵合
金とを含む水素吸蔵体は、水素を吸蔵する際の発熱量が
小さく、また嵩密度が高いため、単位体積当たりの水素
吸蔵量が大きい水素貯蔵装置を構成し得ることが確認で
きた。特に、水素吸蔵合金としてチタン−クロム系合金
を使用した場合、水素吸蔵体における水素吸蔵合金の含
有割合が50重量%以上90重量%の水素吸蔵体は、水
素吸蔵に伴う発熱量、嵩密度、水素吸蔵放出量のいずれ
も満足できる結果となった。
【0044】次に、表4について述べる。表4より、−
20℃という低温下であっても、水素吸蔵合金としてチ
タン−クロム系合金を用いた水素吸蔵体は、いずれも各
水素吸蔵合金を単独で使用した場合と同程度の水素を吸
蔵・放出した。また、それらの水素吸蔵放出量は、上記
表3に示した20〜25℃下で測定された結果とほぼ同
じ値であり、TiCrMnを使用した水素吸蔵体では増
加した。つまり、チタン−クロム系合金を用いた水素吸
蔵体は、温度の変化による水素吸蔵放出量の変動が小さ
いことがわかる。一方、水素吸蔵合金としてLaNi5
を用いた水素吸蔵体は、同じ割合でチタン−クロム系合
金を混合した他の水素吸蔵体と比較して、水素吸蔵放出
量は小さくなった。これは、−20℃という低温条件で
は、LaNi5は水素を吸蔵するものの、充分に放出で
きなかったためと考えられる。また、多孔質炭素材料で
はないMCMBとTi1.2Cr1.9Mn0.1とを混合した
ものは、同じ割合でTi1.2Cr1.9Mn0.1を混合した
水素吸蔵体と比較して、水素吸蔵放出量は小さくなっ
た。なお、上記表3に示した結果と同様、いずれの水素
吸蔵体も、活性炭MSC30を単独で使用した場合と比
較して、嵩密度が高くなった。そして、各水素吸蔵体に
おける水素吸蔵合金の含有割合が大きくなる程、嵩密度
は高くなった。このように、水素吸蔵合金としてチタン
−クロム系合金を使用した水素吸蔵体は、−20℃とい
う低温下であっても、水素吸蔵放出量が大きいことがわ
かった。したがって、多孔質炭素材料とチタン−クロム
系合金とを含む水素吸蔵体は、−20℃という低温下で
あっても水素吸蔵放出量が大きく、嵩密度も高いため、
低温下で使用した場合であっても単位体積当たりの水素
吸蔵放出量が大きな水素貯蔵装置を構成し得ることが確
認できた。
【0045】
【発明の効果】本発明の水素貯蔵装置は、比表面積が1
000m2/g以上である多孔質炭素材料と水素吸蔵合
金とを含む水素吸蔵体を容器に収容したものである。水
素吸蔵体が熱伝導の大きな多孔質炭素材料を含むため、
水素吸蔵に伴う発熱が小さく、冷却設備等が不要とな
り、比較的安価で軽量な水素貯蔵装置を構成することが
できる。また、水素吸蔵体が水素吸蔵合金を含むため、
水素吸蔵体の嵩密度が高くなり、単位体積当たりの水素
吸蔵量の大きな水素貯蔵装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 活性炭の結晶モデルであって、図1(a)
は、通常の活性炭の結晶モデルを示し、図1(b)は、
比表面積が1000m2/g以上の活性炭の結晶モデル
を示す。
【図2】 水素吸蔵体M30/LaNi5について、活
性炭M30の重量割合と水素吸蔵量との関係を示す。
【図3】 高圧圧縮処理を行った水素吸蔵体M30/T
iFeについて、TiFeの含有割合と水素吸蔵に伴う
温度上昇、および水素化物の生成熱(計算値)との関係
を示す。
【図4】 2種類の水素貯蔵装置の各圧力下における水
素貯蔵量を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 19/00 C22C 19/00 F Fターム(参考) 4G140 AA34 AA36 AA43 AA44 AA45 AA48 5H027 AA02 BA13 BA14 KK01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器と、該容器に収容された水素吸蔵体
    とを含む水素貯蔵装置であって、 前記水素吸蔵体は、比表面積が1000m2/g以上で
    ある多孔質炭素材料と、水素吸蔵合金とを含むことを特
    徴とする水素貯蔵装置。
  2. 【請求項2】 前記水素吸蔵体における前記水素吸蔵合
    金の含有割合は、10重量%以上80重量%以下である
    請求項1に記載の水素貯蔵装置。
  3. 【請求項3】 前記水素吸蔵体は、前記多孔質炭素材料
    および前記水素吸蔵合金を結着する結着剤を含有する請
    求項1または請求項2に記載の水素貯蔵装置。
  4. 【請求項4】 前記水素吸蔵体における前記結着剤の含
    有割合は、20重量%以下である請求項3に記載の水素
    貯蔵装置。
  5. 【請求項5】 前記結着剤はフッ素樹脂である請求項3
    または請求項4に記載の水素貯蔵装置。
  6. 【請求項6】 前記水素吸蔵体は、高圧圧縮処理するこ
    とにより得られたものである請求項1ないし請求項5の
    いずれかに記載の水素貯蔵装置。
  7. 【請求項7】 前記高圧圧縮処理の処理圧力は、100
    MPa以上2000MPa以下である請求項6に記載の
    水素貯蔵装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質炭素材料は活性炭である請求
    項1ないし請求項7のいずれかに記載の水素貯蔵装置。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵合金は、希土類系合金およ
    びチタン系合金から選ばれるいずれか一種以上である請
    求項1ないし請求項8のいずれかに記載の水素貯蔵装
    置。
  10. 【請求項10】 前記チタン系合金は、チタン−クロム
    系合金およびチタン−マンガン系合金のいずれか一種以
    上である請求項9に記載の水素貯蔵装置。
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