JP2019014946A - 無鉛快削りん青銅棒線材及び無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法 - Google Patents

無鉛快削りん青銅棒線材及び無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法 Download PDF

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【課題】 りん青銅を用いた部品に必要とされる高い強度が得られると共に、被削性にも優れ、切削屑が繋がらず細かくなり、精密加工も十分可能となる、無鉛快削りん青銅棒線材及び無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法を提供する。【解決手段】 Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる、無鉛快削りん青銅棒線材などにより、課題を達成した。【選択図】 なし

Description

本発明は、高い強度が得られると共に、被削性にも優れる、無鉛快削りん青銅棒線材及び無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法に関する。
りん青銅は、Cu(銅)−Sn(すず)−P(リン)系の合金で、Snの含有量により、種々の特性が生まれる。りん青銅は、強靱であり、耐食性、耐摩耗性、半田付け性に優れ、広範囲の用途に適している。
快削りん青銅は、りん青銅にPb(鉛)を添加することにより、りん青銅の被削性を改善した合金で、小ねじ、軸受、ブッシュ、ボルト、ナット、ボールペン部品などに用いられる。
Pbは、人の中枢神経系を犯す可能性がある、特定有害物質であるため、Pbの含有量は少なければ少ない程望ましい。
快削りん青銅は、りん青銅にPbを添加することにより、りん青銅の被削性を改善したものであるため、Pbの含有量が少なくなれば、当然、被削性が悪くなる。精密な切削加工を行うという観点からすれば、Pbは、少なくとも3.5重量%必要であると考えられる。
電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合による指令(RoHS指令)では、Pbが1000ppmを超えて含まれた電子・電気機器は、欧州連合で上市することができないとされているが、銅合金は、適切な代替手段がないため、4重量%まで適用が免除されている。
ところが、近い将来、適用免除が撤廃される可能性もあるため、Pbの含有量が1000ppm(0.1重量%)を超えない代替材の開発が喫緊の課題とされている。
無鉛銅合金としては、特許文献1には、Snを0.5〜11.0mass%、Pを0.03〜0.35mass%、Sを0.02〜1.0mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する銅合金展伸材(例えば、特許文献1の(0030)段落「本発明例8」参照)が記載されている。
また、鋳物用無鉛銅合金としては、特許文献2には、Cuの他、Sn、S(硫黄)、Fe(鉄)、Pを含む銅合金が記載され、特許文献3には、Cuの他、Sn、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、S、Pを含む銅合金が記載されている。
特許第5916464号公報 特許第4658269号公報 特許第5335558号公報
しかしながら、特許文献1に開示された銅合金展伸材では、りん青銅を用いた部品に必要とされる強度(例えば、曲げ強度、ヘッダー加工性、耐摩耗性など)が得られないという問題点がある。
特許文献2及び特許文献3に開示された銅合金は、いずれも鋳物である。鋳物は、展伸材とは機能及び用途が大きく異なるため、展伸材に応用できるものではない。また、特許文献2及び特許文献3には、展伸材を得るための冷間加工等に関する技術の開示はなく、得られた銅合金を展伸する示唆すらもない。
切削性を向上させるため、Pbの代わりにBi(ビスマス)を添加することも行われているが、展伸中に割れやすく、冷間圧延、冷間伸線などの塑性加工ができないため、所望の棒線材に加工できないという問題点がある。
本発明の目的とするところは、りん青銅を用いた部品に必要とされる高い強度が得られると共に、被削性にも優れ、切削屑が繋がらず細かくなり、精密加工も十分可能となる、無鉛快削りん青銅棒線材及び無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法を提供することにある。
本発明の発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる、無鉛快削りん青銅棒線材などにより、上記目的を達成することを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明の第一の無鉛快削りん青銅棒線材は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
また、本発明の第二の無鉛快削りん青銅棒線材は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材において、Snの含有量とNiの含有量は、重量%で、2.5%≦1.3Sn+Ni≦9.2%の関係を満たすという構成を採用することができ、更に、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たすという構成を採用することもできる。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材において、Snは3.5〜6.5重量%であるという構成を採用することができる。
本発明の第一の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなることを特徴とする。
本発明の第二の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなることを特徴とする。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法において、Snの含有量とNiの含有量は、重量%で、2.5%≦1.3Sn+Ni≦9.2%の関係を満たすという構成を採用することができ、更に、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たすという構成を採用することもできる。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法において、Snは3.5〜6.5重量%であるという構成を採用することができる。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材は、りん青銅を用いた部品に必要とされる高い強度が得られると共に、被削性にも優れるため、肉薄部品や微細部品等、精度を必要とする加工も可能となるという利点がある。
また、本発明の無鉛快削りん青銅棒線材は、従来の快削りん青銅よりも導電性がよいため、今まで性能的に不可能だった用途への使用も可能となるという利点もある。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法を用いることにより、りん青銅を用いた部品に必要とされる高い強度が得られると共に、被削性にも優れる、本発明の無鉛快削りん青銅棒線材が製造できるという利点がある。
本発明の第一の無鉛快削りん青銅棒線材は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる。
本発明において、Snの含有量が1.5〜7.0重量%であるのは、Snの含有量が1.5重量%未満であると、部品にした場合に必要とされる強度が得られないからであり、逆に、Snの含有量が7.0重量%を超えると、割れが生じ、塑性加工が困難となるからである。
ここで、Snの含有量は、3.5〜6.5重量%が好ましい。Snが3.5〜6.5重量%含まれていると、非常に高強度の棒線材が得られるからである。
本発明において、Niの含有量が0.5〜7.0重量%であるのは、Niの含有量が0.5重量%未満であると、強度が不十分で、部品にする際の強度が足りないからであり、Niの含有量が7.0重量%を超えると、塑性加工性が悪くなるからである。
なお、Niの含有量は、発明の効果が安定して得られないおそれがあるため、0.7重量%以上がより好ましく、発明の効果が安定して得られることを重視すれば、0.9重量%以上がさらに好ましい。
本発明においては、強度、導電率及び被削性を総合的に勘案し、塑性加工性も考慮すると、Snの含有量とNiの含有量は、重量%で、2.5%≦1.3Sn+Ni≦9.2%の関係を満たすのがより好ましく、導電率を重視すると、Snの含有量とNiの含有量は、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たすのがさらに好ましい。
本発明において、Sの含有量が0.02〜0.6重量%であるのは、Sの含有量が0.02重量%未満であると、切削加工に必要とされる被削性が得られず、削り屑が長く繋がるからであり、逆に、Sの含有量が0.6重量%を超えると、加工用銅合金を溶解鋳造する際に均一な溶湯が得られず、正常な合金を作ることができないからである。
本発明において、Pの含有量が0.01〜0.35重量%であるのは、Pの含有量が0.01重量%未満であると、溶解時の脱酸効果が不十分になるからであり、逆に、Pの含有量が0.35重量%を超えると、塑性加工性が悪くなるからである。なお、Pの含有量は、0.25重量%以下であると、より安定した塑性加工性が得られるため、好ましい。
本発明において不純物として含まれうる元素としては、鉄、銀、炭素、ジルコニウム、マンガン、ビスマス、インジウム、セレン、アルミニウム、酸素、ホウ素、タングステン、亜鉛、アンチモン、シリコン、鉛などが挙げられる。これらの含有量は、いずれも、0.05重量%未満であることが好ましく、検出限界未満であることがより好ましい。
本発明の第二の無鉛快削りん青銅棒線材は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる。
本発明の第二の無鉛快削りん青銅棒線材において、Feの含有量が0.9重量%(0重量%を含まない。)未満であるのは、Feを含有させた場合には、加工用銅合金を溶解鋳造する際、欠陥の少ない良質な素材を効率的に得ることができるからであるが、Feの含有量が0.9重量%を超えると、切削性が悪くなるからである。なお、Feの含有量は、0.5重量%以下であると、より安定した切削性が得られるため、好ましい。
なお、本発明の無鉛快削りん青銅棒線材は、溶接性が良好であるため、少ない単重のコイルを溶接することにより連続した伸線が可能となる。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材を得る方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、冷間加工を行うことが好ましい。
本発明の第一の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなる。
また、本発明の第二の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法は、Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなる。
本発明の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法について、本発明の無鉛快削りん青銅棒線材と同様の部分は、記載を省略する。
冷間加工としては、例えば、冷間圧延加工、冷間鍛造加工、冷間伸線加工などが挙げられる。冷間加工の回数は特に限定されないが、均一な組織を得るためには、4回以上が好ましい。なお、冷間加工の後には、焼き鈍しを行うことが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(試験片の作製)
まず、Snの添加量、Niの添加量、Feの添加量、Sの添加量、Pの添加量、Pbの添加量を適宜変化させ、残りをCu及び不可避的不純物として加えた後、混合して、合金材料1〜11、合金材料R1〜R7を作成し、成分を分析した。
合金材料1〜11、合金材料R1〜R7の成分分析の結果を表1に示す。
次に、合金材料1〜11、合金材料R1〜R7それぞれについて、溶解温度を1200℃として、金型鋳造方法によりインゴットを作製した後、加工率20%程度の冷間圧延加工と650℃前後の焼き鈍しを繰り返し、4回目の冷間圧延加工を行った後、実施例となる本発明の無鉛快削りん青銅棒線材1〜11及び比較例となる無鉛快削りん青銅棒線材R1〜R3、R5、R7、有鉛快削りん青銅棒線材R6を得た。
なお、合金材料R4についても、溶解温度を1200℃として、金型鋳造方法によりインゴットを作製した後、加工率20%程度の冷間圧延加工と650℃前後の焼き鈍しを繰り返したが、破断したため、無鉛快削りん青銅棒線材が得られなかった。この結果から、Snの含有量が7.0重量%を超える場合には、塑性加工が困難であることが明らかとなった。
次いで、無鉛快削りん青銅棒線材1〜11(実施例1〜11)、無鉛快削りん青銅棒線材R1〜R3、R5、R7(比較例1〜3、5、7)、有鉛快削りん青銅棒線R6(比較例6)のそれぞれについて、直径20ミリメートル、長さ50ミリメートルの試験片を作成し、試験片1〜11、試験片R1〜R3、R5〜R7とした。
(試験例1)硬さ試験
試験片1〜11(実施例1〜11)、試験片R1〜R3(比較例1〜3)のそれぞれについて、株式会社アカシ(現株式会社ミツトヨ)製 ARK24129を用いて、直径1/16in(1.588mm)の鋼球を用い、まず予備荷重10kgfをかけ、次いで90kgfを追加し、合計100kgfの試験荷重がかかるようにした。そして、30秒位の後、予備荷重(10kgf)の状態に戻した。このようにして前後2回の予備荷重の状態におけるくぼみの深さの差(ダイヤルゲージのh目盛、但し、1目盛は0.002mm)から130−500hによってロックウェル硬さ(HRB)を求めた。
試験片1〜11、試験片R1〜R3についてのロックウェル硬さ(HRB)の測定結果を表2に示す。
Snの含有量が1.5重量%以上であり、かつNiの含有量が0.5重量%以上である、試験片1〜11(実施例1〜11)については、いずれも74以上であり、りん青銅を用いた部品に必要となる高い硬度が得られ、例えば、曲げ強度、ヘッダー加工性、耐摩耗性などにも優れることが予測できるが、Snの含有量が1.5重量%未満である試験片R3(比較例3)、Niの含有量が0.5重量%未満である試験片R1(比較例1)及び試験片R2(比較例2)については、いずれも74未満で、りん青銅を用いた部品に要求される硬度が得られないことがわかった。
また、Snの含有量が3.5〜6.5重量%である、試験片8〜11(実施例8〜11)については、いずれも80を超えていることがわかった。この結果から、Snの含有量が3.5〜6.5重量%である本発明の快削りん青銅棒線材は、非常に高い硬度を備えていることが明らかとなった。
(試験例2)切削性試験
試験片1〜11(実施例1〜11)、試験片R5〜R7(比較例5〜7)のそれぞれについて、ワシノ機械株式会社製の汎用旋盤LPT−35Cを用い、回転数450rpm、送りピッチ0.75mm、切り込み深さ0.5mmで面削した。
そして、面削の際に発生した切削屑10個の重量を株式会社島津製作所製の電子天秤AUX120で計測した。
試験片1〜11、試験片R5〜R7についての切削屑10個の重量の計測結果を表3に示す。
試験片1〜11(実施例1〜11)については、いずれも、切削屑が繋がらず細かくなっており、切削屑10個の重量も0.3g未満であり、鉛が含まれていなくても、被削性に優れていることがわかった。それに対し、Sが含まれていない試験片R5については、切削屑が長く繋がっており、切削屑10個の重量も20gを超えていた。
なお、鉛が含まれている試験片R6(日本工業規格 JIS H 3270 C5341)であっても、切削屑が繋がっており、切削屑10個の重量も2gを超えていた。この結果から、本発明の無鉛快削りん青銅棒線材の被削性は、有鉛快削りん青銅棒線材の被削性よりもかなり優れていることが明らかとなった。
また、試験片R7(日本工業規格 JIS H 3270 C5191)については、切削屑が完全に繋がっており、切削屑が10個未満であったため、切削屑10個の重量を測定することはできなかった。
(試験例3)導電率試験
試験片1〜11(実施例1〜11)、試験片R7(比較例7)のそれぞれについて、FOERSTER製 SIGMATEST2.069を用いて、測定端子にて直接接触させて導電率を測定した。具体的には、付属の標準試験片(純銅・洋白)にて校正した後、各試験片の断面を3回測定し、平均値を測定値とした。
試験片1〜11、試験片R7についての導電率の測定結果を表4に示す。
試験片R7(比較例7)については、13.0であったが、試験片1〜11(実施例1〜11)については、いずれも13.5を超えており、本発明の快削りん青銅棒線材は、従来の快削りん青銅棒線材よりも導電性がよいことがわかった。
また、Snの含有量とNiの含有量が、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たす、試験片1〜3、5〜9(実施例1〜3、5〜9)については、いずれも16を超えていた。この結果から、Snの含有量とNiの含有量が、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たす本発明の快削りん青銅棒線材は、特に、導電性に優れることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする無鉛快削りん青銅棒線材。
  2. Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする無鉛快削りん青銅棒線材。
  3. 前記Snの含有量と前記Niの含有量は、重量%で、2.5%≦1.3Sn+Ni≦9.2%の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛快削りん青銅棒線材。
  4. 前記Snの含有量と前記Niの含有量は、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の無鉛快削りん青銅棒線材。
  5. 前記Snは、3.5〜6.5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛快削りん青銅棒線材。
  6. Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなることを特徴とする無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法。
  7. Snを1.5〜7.0重量%、Niを0.5〜7.0重量%、Sを0.02〜0.6重量%、Feを0.9重量%以下(0重量%を含まない。)、Pを0.01〜0.35重量%含有し、残部をCu及び不可避的不純物からなる加工用銅合金を、冷間加工してなることを特徴とする無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法。
  8. 前記Snの含有量と前記Niの含有量は、重量%で、2.5%≦1.3Sn+Ni≦9.2%の関係を満たすことを特徴とする請求項6又は7に記載の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法。
  9. 前記Snの含有量と前記Niの含有量は、重量%で、3.5%≦1.3Sn+Ni≦8.5%の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法。
  10. 前記Snは、3.5〜6.5重量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の無鉛快削りん青銅棒線材の製造方法。
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