JP2019014866A - ポリエステル樹脂及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】延伸ブロー成形に好適に使用することができ、プリフォームの成形時の金型離れが良好で、成形サイクルに優れており、かつブロー成形により得られる成形品(ボトル)は、樹脂の波紋がなく、優れた透明性を有するものとなるポリエステル樹脂を提供する。【解決手段】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、グリコール成分中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを2〜10モル%、かつジエチレングリコールを1.5〜5.0モル%含有する共重合ポリエステル樹脂を含む樹脂であって、極限粘度が0.50以上であり、巾20mm,厚み2mm,最大流動長750mmの専用金型を用い,金型温度を20℃として,押し出し機の設定温度250℃,射出圧力50MPa,射出速度50mm/sとした際の得られた成型品の長さが100〜200mmの範囲であり、融点が210〜246℃であるポリエステル樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、延伸ブロー成形に好適な特性値を有するポリエステル樹脂に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、かつ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等として幅広く用いられており、特に昨今では、炭酸飲料、果汁飲料、液体調味料、食用油、酒、ワイン用等の中空容器(ボトル)用途の伸びが著しい。しかも、塩化ビニル樹脂製中空成形品におけるような残留モノマーや有害添加剤の心配が少なく、衛生性及び安全性が高い点から、従来の塩化ビニル樹脂などからなるボトルからの置き換えも進んでいる。
そして、PETを用いて上記の中空容器を作製する際には、延伸ブロー成形法が採用されることが多い。延伸ブロー成形ではプリフォーム(パリソン)を成形した後、ブロー成形を行う。PETを用いた延伸ブロー成形の場合、最も一般的なプリフォームの成形法は射出成形法であり、この射出成形法による延伸ブロー成形法には、ホットパリソン法とコールドパリソン法がある。ホットパリソン法では、プリフォームが射出成形の予熱を維持し、そのままブロー成形工程に移る方法である。一方、コールドパリソン法では、プリフォームの射出成形工程とブロー成形工程が分離され、プリフォームが一度冷却された後、再加熱されてブロー成形される。
一般に、PETは結晶化速度が速く、このため、延伸ブロー成形でプリフォームを得る際に金型からの離形性が悪くなったり、得られる成形体が白化するという問題が生じていた。そこで、PETに共重合成分を導入することが検討され、例えば、エチレングリコールを主成分とするジオール成分において、共重合成分としてポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールを用いた共重合ポリエステル樹脂及びそれからなるボトルが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分において、共重合成分としてイソフタル酸を用いた共重合ポリエステル樹脂及びそれからなるボトルが提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、いずれの共重合ポリエステル樹脂も延伸ブロー成形における、プリフォームの金型離れや成形サイクルが十分ではなく、得られるボトルの透明性も十分に満足できるものではなかった。
特開平9−227663号公報 特開2015−101697号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、延伸ブロー成形に好適に使用することができ、プリフォームの成形時の金型離れが良好で、成形サイクルに優れており、かつブロー成形により得られる成形品(ボトル)は、樹脂の波紋がなく、優れた透明性を有するものとなるポリエステル樹脂及び該樹脂を用いた成形品を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(2)を要旨とするものである。
(1)エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、グリコール成分中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを2〜10モル%、かつジエチレングリコールを1.5〜5.0モル%含有する共重合ポリエステル樹脂であって、極限粘度が0.50以上であり、下記条件で測定した際のバーフローによる射出流動長が100〜200mmの範囲であり、融点が210〜246℃であることを特徴とするポリエステル樹脂。
条件:成形機 FANUC社製 ROBOSHOT S−2000i100Bを用い、幅20mm、厚み2mm、最大流動長750mmの専用金型を用い、金型温度を20℃として、押し出し機の設定温度250℃、射出圧力50MPa、射出速度50mm/sで溶融し、流動させる。
(2)(1)記載のポリエステル樹脂を含む成形品。
本発明のポリエステル樹脂は、特定の組成からなる共重合ポリエステル樹脂であって、特定の極限粘度、バーフローによる流動特性を満足するものであるため、延伸ブロー成形に好適に使用することができる。つまり、プリフォーム成形時の金型離れが良好で、成形サイクルに優れており、かつブロー成形により得られる成形品は、成形品表面に樹脂の波紋がなく、優れた透明性を有するものとなる。
そして、本発明の成形品は、本発明のポリエステル樹脂から得られるものであるため、透明性に優れた外観を有しており、種々の用途に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂(以下、本発明の樹脂と略することがある)は成形用に好適なものであり、中でも、射出成形でプリフォーム形成し、これを延伸ブロー成形する延伸ブロー成形法に好適なものである。
本発明の樹脂は、特定の組成を満足する共重合ポリエステル樹脂であり、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものであり、酸成分の85モル%以上がテレフタル酸であることが好ましく、中でも95モル%以上がテレフタル酸であることが好ましい。テレフタル酸の割合が85モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の結晶性や耐熱性が劣るものとなりやすい。
共重合ポリエステル樹脂中に含まれるテレフタル酸以外の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等が挙げられ、これらを2種類以上併用してもよく、これらの酸のエステル形成性誘導体を使用してもよい。
一方、グリコール成分は、エチレングリコールを主成分とし、共重合成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールとジエチレングリコールを含有する。
まず、共重合成分である1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は、グリコール成分の2〜10モル%であり、中でも3〜8モル%であることが好ましい。さらに、共重合成分であるジエチレングリコールの含有量は、グリコール成分の1.5〜5.0モル%であり、中でも2〜4モル%であることが好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールとジエチレングリコールを適量共重合することにより、ポリエステル樹脂の結晶化速度をブロー成形に適したものに調整することができ、後述するバーフローによる射出流動長を特定の範囲のものにすることができる。
1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量(共重合量)が2モル%よりも少ない場合や、ジエチレングリコールの含有量(共重合量)が1.5モル%よりも少ない場合は、得られる樹脂は、後述するバーフローによる射出流動長が低くなり、本発明の範囲外のものとなる。また、流動性が低いことにより成形時の圧力が高くする必要があるため、成形品は白化が生じるものとなる。
一方、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量が10モル%を超える場合や、ジエチレングリコールの含有量が5モル%を超える場合は、得られる樹脂は、後述するバーフローによる射出流動長が高くなり、本発明の範囲外のものとなる。このため、リフォーム成形時の金型離れが悪くなり、成形性に劣るものとなる。また、樹脂を得る際に高温での乾燥が困難となるため、高温乾燥時や長期保管中にブロッキングが起こりやすくなる。
なお、主成分となるエチレングリコールの含有量は、グリコール成分の80〜97モル%であることが好ましく、中でも85〜95モル%であることが好ましい。エチレングリコールの含有量が80モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の結晶性や耐熱性が劣るものとなる。一方、97モル%を超えると、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールの割合が少なくなり、結晶化速度を調整することが困難となり、ブロー成形時の結晶化による白化を防ぐ効果に乏しいものとなる。
グリコール成分中の、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールの合計含有量は、全グリコール成分の90モル%以上であることが好ましく、中でも95モル%以上であることが好ましい。
これら3種類の成分以外のグリコール成分としては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。
本発明の樹脂中には重合時の触媒を含んでいてもよく、また、その効果を損なわない範囲であれば、後述するような各種添加剤等を含んでいてもよい。ただし、本発明の樹脂は後述するような製造方法(重合工程)を採用することによって、各種添加剤を含まない場合であっても、本発明で規定するバーフローによる射出流動長を特定範囲内のものとすることができる。
本発明の樹脂中に添加してもよい各種添加剤としては、着色防止剤として、例えば、リン酸、亜リン酸、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリデシルフォスフェート等のリン化合物を挙げることができる。これらのリン化合物は単独で使用しても2種以上使用しても良い。リン化合物の使用量は0.001〜1.0質量%の範囲内が好ましい。
また、ポリエステル樹脂の熱分解による着色を抑制するために酢酸コバルト等のコバルト化合物、酢酸マンガン等のマンガン化合物、アントラキノン系染料化合物、銅フタロシアニン系化合物等の添加剤やフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などの酸化防止剤を用いることができ、これらは単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
次に、本発明の樹脂の特性値について説明する。樹脂の極限粘度は、0.50以上であり、中でも0.60以上であり、さらには0.65〜0.90であることが好ましい。なお、極限粘度(IV)は、フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定するものである。
極限粘度が0.50未満の場合は、射出成形が困難になり、プリフォームの金型離れが悪くなる。また、冷却サイクルが長くなるため、成形性に劣るものとなり、得られる成形品は透明性に劣るものとなる。一方、極限粘度が0.90を超える場合は、射出成形時の射出圧力を高圧にする必要があるため、コストがかかるとともに、得られる成形品は白化が生じたものとなる。
本発明の樹脂は、融点が210〜246℃であり、中でも220〜240℃であることが好ましい。
融点が210℃未満である場合や融点がない場合は、樹脂は結晶性に劣るものとなるため、得られる成形品の耐熱性が劣るものとなる。
融点が246℃を超えると樹脂の結晶性が高くなり、得られる成形品は白化が生じやすくなる。
また、上記のように、本発明の樹脂は融点を有するものであり、すなわち、結晶性のものであるため、100〜130℃程度で乾燥を行うことができる。このため、樹脂中の水分率を低く保つことができ、成形時の金型の汚れを防ぐことができ、生産性が向上する。
さらに、本発明の樹脂は、下記条件で測定した際のバーフローによる射出流動長が100〜200mmであり、中でも110〜185mmであることが好ましい。本発明における該射出流動長の測定条件は、幅20mm、厚み2mm、設定温度250℃、射出圧力50MPa、射出速度50mm/s、金型温度20℃である。
本発明の樹脂は上記のバーフローによる射出流動長の範囲を満足するものであるため、射出成形にてプリフォームを作製する際の流動性が良好となり、射出圧力を高くすることなく、成形可能となる。そして、プリフォームの白化やゲート部での白化を防ぐことができる。さらに、冷却サイクルを短くすることができ、かつプリフォームの金型離れもよく、成形性にも優れている。
また、樹脂の流動性が良好であることにより、得られる成形品の表面に樹脂の流れが不均一であることにより生じる波紋が生じることなく、優れた透明性と外観を有する成形品(ボトル)を得ることができる。
バーフローによる射出流動長が100mm未満であると、流動性に劣る樹脂となるため、射出成形時に射出圧力や温度を高くする必要があり、得られる成形品は白化が生じたり、樹脂の流れが不均一であることにより生じる波紋が生じたものとなる。
一方、バーフローによる射出流動長が200mmを超える場合は、結晶性に劣る樹脂であったり、低粘度の樹脂であるため、射出成形時の金型離れが悪く、成形性に劣るものとなる。
そして、上記範囲のバーフローによる射出流動長を有する本発明の樹脂を得るためには、後述するような製造方法により共重合ポリエステル樹脂を得ることで可能となる。
本発明の樹脂の製造方法について説明する。まず、共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分とグリコール成分を仕込んで、エステル化反応を行なうが、このとき、全酸成分とジエチレングリコール以外の全グリコール成分を仕込んでエステル化反応を行なう。 そして、グリコール成分と酸成分のモル比(G/A)が1.1〜1.3のエステル化反応物を得ることが好ましく、中でもエステル化反応物の(G/A)は、1.1〜1.2とすることが好ましい。
さらに、得られたエステル化反応物を用いて溶融重合を行なう前に、エチレングリコールを添加し、解重合を行って、ポリエステル樹脂中のジエチレングリコールの含有量を1.5〜5.0モル%にすることが必要である。このとき、エステル化反応物の解重合終了後であって、溶融重合前の反応物の全ジオール(エチレングリコールを含む)成分と全酸成分のモル比(G/A)(全ジオール/全酸成分)が1.3〜2.0となるようにすることが必要であり、中でもG/Aを1.5〜1.8とすることが好ましい。
このような解重合工程を経ることにより、上記したような本発明で規定するバーフローによる射出流動長を満足する樹脂を得ることができる。
溶融重合は、通常1hPa以下の減圧下で240〜290℃、好ましくは250〜280℃の温度で3〜5時間行う。溶融重合の際の重合触媒は特に限定はなく、一般的に用いられるアンチモン系、ゲルマニウム系、チタン系、アルミニウム系触媒を用いることができる。得られる成形品の透明性の観点からゲルマニウム化合物が好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド等が挙げられ、重合触媒活性、得られるポリエステル樹脂の物性及びコストの点から、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
上記のようにして得られた共重合ポリエステル樹脂を用い、他の樹脂や添加剤を添加して本発明の樹脂を得る際には、成形加工前にペレット状、粒状又は粉末状等の固体状態で混合(ドライブレンド)し、溶融混練する方法が好ましい。もしくは、成形加工時に共重合ポリエステル樹脂を単軸又は二軸の押出機で溶融混練している途中から他の樹脂や添加剤を添加し、温度250〜300℃の範囲で練り込む方法で行う。
本発明における成形とは、一般的に行われるいずれの成形方法でもよい。その中でも延伸ブロー成形に最も好適である。延伸ブロー成形する方法としては、汎用延伸ブロー成形機を用いて製造することが可能であり、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、230〜280℃の範囲とすることが好ましい。
本発明のブロー成形品を射出成形あるいは押出成形により一段で製品を成形する、あるいは、射出成形あるいは押出成形により得られたパリソンを延伸ブロー成形する場合、ポリエステル樹脂を乾燥した後、シリンダー各部およびノズル温度を240〜270℃とした射出成型機を用いてプリフォームを作製し、このプリフォームが射出成形又は押出成形の予熱を維持し、そのままブロー成形工程に移るホットパリソン法、あるいは、プリフォームの射出成形機又は押出成形機とブロー成形機が離れ、プリフォームが一度冷却された後再加熱されてブロー成形されるコールドパリソン法を適用することができる。また、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲とするのが適当である。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(a)極限粘度
前記と同様の方法で測定した。
(b)共重合成分の共重合量、解重合反応後であって溶融重合前の反応物のG/A(全ジオール成分と全酸成分のモル比)
得られたポリエステル樹脂または解重合反応後であって溶融重合前に取り出した反応物を、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比が1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製JNM−ECZ−400R型NMR装置にて1H−NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピークの積分強度から、共重合量や、G/Aを求めた。
(c)融点
得られたポリエステル樹脂を、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、窒素気流中、温度範囲25℃〜280℃、昇温(降温)速度20℃/分、試料量8mgで測定した。
(d)流動長
得られたポリエステル樹脂を、成形機 FANUC社製 ROBOSHOT S−2000i100Bを用いて、溶融し、流動させて、バーフロー流動長(mm)を測定した。このとき、幅20mm、厚み2mm、最大流動長750mmの専用金型を用い、金型温度を20℃として、押し出し機の設定温度250℃、射出圧力50MPa、射出速度50mm/sとした際の得られた成形品の長さから、流動長を求めた。
(e)白化
得られた成形品(サンプル数100本)を目視にて観察し、白化しているものが生じた成形品の個数で以下のように3段階で評価した。
1本以内であるものを○
2〜4本を△
5本以上を×
(f)斑
得られた成形品(サンプル数100本)を目視にて観察し、成形品表面に樹脂の波紋が生じた成形品の個数で以下のように3段階で評価した。
1本以内であるものを○
2〜4本を△
5本以上を×
(g)離形性
延伸ブロー成形体の作製において、連続して8時間成形を行った際に、プリフォームの成形時に金型からの離形性が悪く、操業を中断した回数で以下のように3段階で評価した。
中断回数0回を○
中断回数1〜2回を△
中断回数3回以上を×
実施例1
〔ポリエステル樹脂〕
エステル化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)、シクロヘキサンジメタノールを、全酸成分(A)と全グリコール(ジエチレングリコール以外)成分(G)の仕込み量の比(モル比)である(G/A)を1.16となるように仕込み、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間としてエステル化反応率95%の反応生成物(数平均重合度:5)を得た。エステル化反応物のグリコール成分と酸成分のモル比(G/A)は1.13であった。
次に、得られたエステル化反応物55.5質量部を重合反応器に仕込み、EG2.8質量部を加え、温度280℃で1時間の解重合反応を行った。解重合反応終了後の反応物のG/A(全ジオール/全酸成分)は、1.6であった。
続いて、重合触媒として二酸化ゲルマニウム0.008質量部、トリエチルフォスフェート0.016質量部、酢酸コバルト0.004質量部を、それぞれ加え、反応器を減圧にして60分後に最終圧力0.9hPa、温度280℃で4時間、溶融重合反応を行い、極限粘度0.66のポリエステル樹脂を得た。
〔ブロー成形体〕
得られたポリエステル樹脂を乾燥した後、シリンダー各部およびノズル温度を250〜280℃、スクリュー回転数100rpm、射出時間10秒、冷却時間10秒、金型温度15℃に設定した射出成型機(日精エーエスビー社製、ASB−50HT)を用いてプリフォームを成形し、次いで、このプリフォームを100℃雰囲気下、ブロー圧力2MPaで延伸ブロー成形(ホットパリソン法を採用)し、胴部の平均肉厚300μm、内容積150ミリリットルの延伸ブロー成形体を作製した。
実施例2、3、比較例2〜5
各種のグリコール成分の共重合量を表1に示すように変更し、また、解重合反応終了後の反応物のG/Aや極限粘度が表1の値となるように、解重合反応時のEGの添加量や溶融重合の重合時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして延伸ブロー成形体を作製した。
比較例1
実施例1で得られたポリエステル樹脂を、結晶化装置に連続的に供給し150℃で結晶化をさせた後、乾燥機にて160℃で8時間乾燥後、予備加熱機に送り190℃まで加熱を行った。この後、固相重合機へ供給し、窒素ガス下にて190℃で50時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして延伸ブロー成形体を作製した。
比較例6
実施例1と同様にしてエステル化反応を行い得られたエステル化反応物に、解重合反応を行うことなく、溶融重合を行った以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして延伸ブロー成形体を作製した。
比較例7
エステル化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を供給し、温度250℃、圧力50hPaの条件で反応させ、エステル化反応率95%の反応生成物(数平均重合度:5)を得た。
TPAとEGの反応生成物60.3質量部を重合反応器に仕込み、続いて、1,4−シクロヘキサンジメタノール3.9質量部、重合触媒として二酸化ゲルマニウム0.008質量部、添加剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティーズ社製イルガノックス−1010)0.12質量部を、それぞれ加え、反応器を減圧にして60分後に最終圧力0.9hPa、温度280℃で4時間、溶融重合反応を行い、極限粘度は、0.72の共重合ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして延伸ブロー成形体を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜7で得られたポリエステル樹脂及び成形品の特性値及び成形性の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3で得られたポリエステル樹脂は、極限粘度、バーフローによる射出流動長、融点が本発明の範囲を満足するものであったため、プリフォームの成形時の金型離れが良好で、成形性よく容器を得ることができた。そして、得られた容器は、樹脂の波紋がなく、優れた透明性を有するものであった。
一方、比較例1では、得られたポリエステル樹脂の極限粘度が高く、バーフローによる流動長が短かったため、得られた成形品は、白化や波紋が生じたものであった。
比較例2では、得られたポリエステル樹脂はジエチレングリコールの含有量が多く、バーフローによる流動長が長いものであったため、プリフォーム成形時の金型からの離形性に劣るものであった。
比較例3では、得られたポリエステル樹脂の極限粘度が低く、バーフローによる流動長が長かったため、プリフォーム成形時の金型からの離形性が悪く、得られた成形品は、白化や波紋が生じたものであった。
比較例4では、エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合量が多く非晶性のポリエステル樹脂となったため、プリフォーム成形時の金型からの離形性が悪く、得られた成形品は波紋が生じたものであった。
比較例5では、エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合量が少ないため、得られたポリエステル樹脂はバーフローによる流動長が短いものとなったため、得られた成形品は、白化や波紋が生じたものであった。
比較例6では、解重合反応を行わず溶融重合を行い、また、ジエチレングリコールの共重合量が少ないものであったため、得られたポリエステル樹脂はバーフローによる流動長が短いものとなり、得られた成形品は、白化や波紋が生じたものであった。
比較例7では、解重合反応を行わず溶融重合を行ったため、得られたポリエステル樹脂はバーフローによる流動長が短いものとなり、得られた成形品は、白化や波紋が生じたものであった。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、グリコール成分中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを2〜10モル%、かつジエチレングリコールを1.5〜5.0モル%含有する共重合ポリエステル樹脂であって、極限粘度が0.50以上であり、下記条件で測定した際のバーフローによる射出流動長が100〜200mmの範囲であり、融点が210〜246℃であることを特徴とするポリエステル樹脂。
    条件:成形機FANUC社製 ROBOSHOT S−2000i100Bを用い、幅20mm、厚み2mm、最大流動長750mmの専用金型を用い、金型温度を20℃として、押し出し機の設定温度250℃、射出圧力50MPa、射出速度50mm/sで溶融し、流動させる。
  2. 請求項1記載のポリエステル樹脂を含む成形品。
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