JP2019014716A - 4,4,7−トリフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5h−1−ベンゾアゼピン化合物の製造方法及びその合成中間体 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された式(1)の化合物(実施例55)の製造方法は、同文献に記載された参考例及び実施例を参照すると、反応式(I)に示されるものであることが分かる。
なお、反応式(I)に示した第10工程〜第15工程を経て、式(16)の化合物から式(8-M)の化合物を製造する方法については、非特許文献1において、該製造方法が具体的に記載されている。
(i)適切な原料及び合成中間体を用いることにより、安全性に懸念のあるDASTを使用することなく、又、カラムクロマトグラフィーによる精製が必要な工程を必要とせず、式(7)の化合物を極めて短工程で効率的に製造する方法、
(ii)適切な試薬を用いて反応を行うことにより、式(8)の化合物を高い収率で製造する方法、及び/又は
(iii)毒性の懸念があるEDCの使用を回避して、式(1)の化合物を収率よく製造する方法。
すなわち、本発明は、以下の式(1)の化合物の製造方法及びその合成中間体を提供する。
式(5)の化合物を塩化チオニル(4)と反応させて式(3)の化合物を製造する工程、及び、式(3)の化合物を2-アミノエタノール(2)と反応させアミド化する工程を含む、下記反応式に示される式(1)の化合物の製造方法。
[2]
式(8)の化合物と式(7)の化合物から式(6)の化合物を製造する工程、式(6)の化合物から式(5)の化合物を製造する工程、式(5)の化合物を塩化チオニル(4)と反応させ式(3)の化合物を製造する工程、及び、式(3)の化合物を2-アミノエタノール(2)と反応させアミド化する工程を含む、下記反応式に示される式(1)の化合物の製造方法。
前記[2]記載の製造方法において、
式(11)の化合物とジフェニルホスホノ酢酸(10)から式(9)の化合物を製造する工程、及び、式(9)の化合物から式(8)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(8)の化合物の製造方法(X-1)
又は、
式(11)の化合物とジエチルホスホノ酢酸(18)とを反応させ、得られた粗生成物をメタノール中ジシクロヘキシルアミン(17)と処理して式(9-S)の化合物を製造する工程、及び、式(9-S)の化合物から式(8)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(8)の化合物の製造方法(X-2)
によって製造された化合物(8)を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。
前記[3]に記載の製造方法において、
式(16)の化合物と4-クロロ酪酸メチル(15)から式(14)の化合物を製造する工程、式(14)の化合物から式(13)の化合物を製造する工程、式(13)の化合物から式(12)の化合物を製造する工程、及び、式(12)の化合物から式(11)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(11)の化合物の製造方法(Y-1)
によって製造された化合物(11)を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。
前記[4]に記載の製造方法において、(Y-1)の製造方法が、式(14)の化合物を単離することなく式(13)の化合物を製造し、かつ、式(13)の化合物を単離することなく式(12)の化合物を製造するものである、式(1)の化合物の製造方法。
前記[2]〜[5]に記載の製造方法において、
式(7c)の化合物と(2R)-2-フルオロプロパノール(7b)から式(7a)の化合物を製造する工程、及び、式(7a)の化合物から式(7)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-1)
式(7e)の化合物と(2R)-2-フルオロプロパノール(7b)から式(7)の化合物を製造する工程である、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-2)
式(7i)の化合物と3-ニトロベンゼンスルホン酸(S)-グリシジル(7h)から式(7g)の化合物を製造する工程、式(7g)の化合物を水素添加反応に付して式(7f)の化合物を製造する工程、及び、式(7f)の化合物から式(7)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-3)
のいずれか1つの製造方法によって製造された式(7)の化合物を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。
前記[3]記載の(X-1)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-1)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[8]
前記[3]記載の(X-2)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-1)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[9]
前記[3]記載の(X-1)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-2)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[10]
前記[3]記載の(X-2)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-2)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[11]
前記[3]記載の(X-1)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-3)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[12]
前記[3]記載の(X-2)に示される式(8)の化合物の製造方法、前記[6]の(Z-3)に示される式(7)の化合物の製造方法、及び、前記[2]記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
前記[4]記載の(Y-1)に示される式(11)の化合物の製造方法、及び、前記[7]から[12]のいずれかに記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[14]
前記[5]記載の(Y-1)に示される式(11)の化合物の製造方法、及び、前記[7]から[12]のいずれかに記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
[15]
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセチルクロリド(式(3)の化合物)。
[16]
メチル 5-フルオロ-2-{(4-メトキシ-4-オキソブチル)[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ベンゾアート(式(14)の化合物)。
また、本願明細書に記載の反応式において、「Lv」に示される「脱離基」としては、例えば、フルオロ、クロロ、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等の一般に脱離基として汎用される基であり、ある態様としては、フルオロ、クロロ又はメタンスルホニルオキシであり、別の態様としてはフルオロ又はクロロであり、さらに別の態様としてはフルオロである。また、R1及びR2に示される「低級アルキル基」としては、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル等であり、ある態様としては、メチル又はエチルであり、別の態様としてはメチルである。
反応式(II)(i)に示す第1工程は、式(7e)の化合物に対して、ハロゲン化剤を作用させることで、酸ハロゲン化物である式(7d)の化合物を製造し、次いで得られた酸ハロゲン化物を単離することなく、適当な塩基存在下、2-プロパノールを作用させることでイソプロピルエステルである式(7c)の化合物を製造する工程である。ここで、第1工程(1)において、ハロゲン化剤としては、特に限定はされないが、オキシ塩化リン、塩化チオニル、二塩化オキサリル等が挙げられる。反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは-20℃〜60℃で行うことができる。次に、第1工程(2)において、用いられる塩基としては、特に限定はされないが、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。
反応式(II)(i)に示す第2工程は、脱離基Lvを有する式(7c)の化合物に(2R)-2-フルオロプロパノール(7b)を作用させ芳香族求核置換反応に付し、式(7a)の化合物を製造する工程である。
反応式(II)(i)に示す第3工程は、式(7a)の化合物を加水分解反応に付すことにより、式(7)の化合物を製造する工程である。
加水分解反応は、例えば、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年を参照して実施することができる。
反応式(II)(ii)に示す第4工程は、式(16)の化合物と4-クロロ酪酸メチル(15)との反応により式(14)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(16)の化合物と4-クロロ酪酸メチル(15)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、n-ブチルリチウム等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド等の無機塩基が含まれる。また、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。
反応式(II)(ii)に示す第5工程は、式(14)の化合物を適当な塩基存在下で反応させることで、式(13)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(14)の化合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは-20℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド等の無機塩基が含まれる。
反応式(II)(ii)に示す第6工程は、式(13)の化合物を加熱することで、クラプコ脱炭酸反応により、式(12)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(13)の化合物を、反応に不活性な溶媒中、加熱下、通常0.1時間〜5日撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。また、塩化リチウム等の塩化物又はシアン化カリウム等のシアン化物の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。
反応式(II)(ii)に示す第7工程は、式(12)の化合物から求電子的フッ素化剤を反応させることで、式(11)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(12)の化合物を反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱還流下、好ましくは室温〜100℃において、通常0.1時間から5日間撹拌する。ここで求電子的フッ素化剤の例としては、N,N’-ジフルオロ-2,2’-ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)、2,6-ジクロロ-1-フルオロピリジニウム テトラフルオロボラート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウム テトラフルオロボラート等が挙げられる。また、用いられる溶媒の例としては、アセトニトリル、酢酸、ギ酸等が挙げられる。また、式(12)の化合物に対して、酸の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。さらに、式(12)の化合物に対して、触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムの存在下で反応を行うことが有利な場合もある。
反応式(II)(ii)に示す第8工程は、式(11)の化合物に対して、ホーナー・ワズワース・エモンズ反応に付すことで、式(9)の化合物を製造する工程である。
ここで、ホーナー・ワズワース・エモンズ反応の試薬として、ジフェニルホスホノ酢酸(10)を用いることで、高いZ選択性にて反応が進行し、効率的に式(9)の化合物を製造することができる。
この反応では、式(11)の化合物とジフェニルホスホノ酢酸(10)の混合物を、適当な塩基存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下〜室温下、好ましくは-78℃〜0℃において、通常0.1時間から5日間撹拌する。ここで、塩基としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、水素化ナトリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられるが、ある態様としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、水素化ナトリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジドであり、別の態様としては、ナトリウムヘキサメチルジシラジドである。ここで用いられる溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類及びこれらの混合物が挙げられるが、ある態様としては、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンであり、別の態様としては、テトラヒドロフランである。
反応式(II)(ii)に示す第9工程は、式(9)の化合物に対して、p-トルエンスルホニル基の除去、及びエステル化反応を行うことで式(8)の化合物を製造する工程である。第9工程(1)に示すp-トルエンスルホニル基の除去、及び、第9工程(2)に示すエステル化反応は、前述のグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons Inc、1999年を参照して実施することができる。
反応式(II)(iii)に示す第10工程は、カルボン酸である式(7)の化合物を反応性誘導体へ変換した後にアミンである式(8)の化合物とをアミド化することで、式(6)の化合物を製造する工程である。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と式(8)の化合物との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは、-20℃〜60℃で行うことができる。
反応式(II)(iii)に示す第11工程は、式(6)の化合物を加水分解反応に付すことで式(5)の化合物を製造する工程である。
反応条件は、反応式(II)(i)に示す第3工程と同様である。
反応式(II)(iii)に示す第12工程は、式(5)の化合物を塩化チオニル(4)を用いてカルボン酸塩化物である式(3)の化合物へと変換した後、得られた式(3)の化合物を、適当な塩基存在下、2-アミノエタノール(2)と反応させることで、式(1)の化合物を製造する工程である。
この反応では、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却から室温下あるいは室温から加熱下に行われる。
なお、反応に際して、2-アミノエタノール(2)を過剰に用いたり、N-メチルモルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの塩基の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、ピリジン塩酸塩、ピリジン p-トルエンスルホン酸塩、N,N-ジメチルアニリン塩酸塩などの弱塩基と強酸からなる塩を用いてもよい。ピリジンは溶媒とすることもできる。
反応式(III)
工程Bは式(7i)の化合物と3-ニトロベンゼンスルホン酸 (S)-グリシジル(7h)を反応させ、(7g)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(7i)の化合物と3-ニトロベンゼンスルホン酸 (S)-グリシジル(7h)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、n-ブチルリチウム等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド等の無機塩基が含まれる。また、フッ化セシウムの存在下で反応を行うことが有利な場合がある。
工程Cは式(7g)の化合物を、水素添加反応に付すことにより、式(7f)の化合物を製造する工程である。
この反応では、水素雰囲気下、反応に不活性な溶媒中、式(7g)の化合物を金属触媒存在下で、通常1時間〜5日間撹拌する。この反応は、通常、冷却下から加熱下、好ましくは室温で行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、水、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられる。金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒、トリストリフェニルホスフィンクロロロジウム等のロジウム触媒、還元鉄等の鉄触媒等が好適に用いられる。水素ガスの代わりに、式(7g)の化合物に対し等量〜過剰量のギ酸またはギ酸アンモニウムを水素源として用いることもできる。
工程Dは、式(7f)の化合物を式(7)に変換する工程である。反応条件は、反応式(I)(i‐2)に示す第8工程及び第9工程と同様である。
反応式(V)に示す工程E-(1)は、式(11)の化合物に対して、ジエチルホスホノ酢酸(18)を用いた、ホーナー・ワズワース・エモンズ反応に付すことで、式(19)の化合物を製造する工程である。本工程は、式(10)の化合物に代えて式(18)の化合物を用いる点以外は、反応式(II)(ii)第8工程と同様の反応条件で行うことができる。
反応式(V)に示す工程E-(2)は式(19)の化合物とジシクロヘキシルアミン(17)とをメタノール中で作用させることで、ジシクロヘキシルアミン塩である、式(9-S)の化合物を製造する工程である。
この反応では、式(19)の化合物とジシクロヘキシルアミンとを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、メタノール中、冷却下〜加熱還流下、好ましくは0℃〜室温において、通常0.1時間〜5日間撹拌し、析出した式(9−S)の結晶を濾取する。
反応式(V)に示す工程Fは式(9-S)の化合物から、式(8)の化合物を製造する工程である。反応条件は非特許文献1記載の式(8-M)(当該文献中では化合物[8]と表記される)の製造方法と同様に行うことができる。
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、7.14付近、8.86付近、9.62付近、12.98付近、14.36付近、14.84付近、15.90付近、17.20付近、17.94付近、18.44付近.18.64付近、20.64付近、21.62付近、22.62付近、23.14付近、23.57付近、25.32付近及び25.84付近にピークを示すことを特徴とする結晶、別の態様としては、更にDSCにおける吸熱オンセット温度が154.18℃付近である結晶である。なお、実施例1で得たα型結晶の粉末X線解析及びDSC分析の結果を図1及び図2にそれぞれ示した。本結晶は40℃・75%RHの保存条件下で3カ月間安定であった。
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、6.44付近、8.26付近、10.44付近、12.88付近、13.72付近、14.82付近、16.50付近、20.92付近、23.16付近、25.74付近及び27.20付近にピークを示すことを特徴とする結晶、別の態様としては、更にDSCにおける吸熱オンセット温度が101.32℃付近である結晶である。なお、実施例2(実施例1に係る第12工程の別法2)で得たβ型結晶の粉末X線解析及びDSC分析の結果を図3及び図4にそれぞれ示した。
(第1工程)
(2S)-2-ヒドロキシプロピル 4-メチルベンゼンスルホナート(式(27)の化合物)の合成
特許文献1の参考例30記載の方法により、(2S)-2-ヒドロキシプロピル 4-メチルベンゼンスルホナートを収率48.4%で得た。なお、本工程では、目的物の精製に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1〜1:1)を用いた。
FAB+:231
(2S)-1-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロパン-2-イル アセタート(式(24)の化合物)の合成
特許文献1の参考例30A記載の方法により、(2S)-1-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロパン-2-イル アセタートを収率94.6%で得た。なお、本工程では、目的物の精製に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1)を用いた。
FAB+:273
4-(ベンジルオキシ)-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(26)の化合物)の合成
特許文献1の参考例1記載の方法により、4-(ベンジルオキシ)-2-(トリフルオロメチル)安息香酸を収率93.8%で得た。
FAB+:297
メチル 4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(式(7i-M)の化合物)の合成
特許文献1の参考例26記載の方法により、メチル 4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアートを得た。
FAB+:221
メチル 4-{[(2S)-2-アセトキシプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(式(23)の化合物)の合成
特許文献1の参考例30B記載の方法により、メチル 4-{[(2S)-2-アセトキシプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアートを第4〜6工程の3工程の通算収率として65.6%で得た。
FAB+:321
メチル 4-{[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(式(7f−M)の化合物)の合成
特許文献1の参考例31記載の方法により、メチル 4-{[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアートを収率82.6%で得た。なお、本工程では、目的物の精製に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1)を用いた。
FAB+:279
メチル 4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(式(7a-M)の化合物)の合成
特許文献1の参考例32記載の方法により、メチル 4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアートを収率86.6%で得た。なお、本工程では、目的物の精製に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1)を用いた。
FAB+:281
4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(7)の化合物)の合成
特許文献1の参考例33記載の方法により、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸を収率97.1%で得た。
FAB+:267
メチル 2-{(3-シアノプロピル)[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-5-フルオロベンゾアート(式(21)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[3]の製造方法と同様にして反応を行った。具体的には、メチル 5-フルオロ-2-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ベンゾアート(167 g)、2-ブタノン(500 mL)、4-クロロブチロニトリル(62.4 mL)、炭酸カリウム(142 g)、ヨウ化カリウム(25.7 g)を混合し、80℃で29時間攪拌した。この反応混合物に水(500 mL)を加えて分液操作を行った。この有機層を減圧下で濃縮した後、残渣にエタノール(1000 mL)を加え50℃に加熱した。さらに水(500mL)を加え、4℃に冷却し3時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下50℃で乾燥して、メチル 2-{(3-シアノプロピル)[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-5-フルオロベンゾアート(187 g)を収率93.0%で得た。
EI:390
7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピン-4-カルボニトリル(式(20)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[4]の製造方法と同様にして反応を行った。具体的には、メチル 2-{(3-シアノプロピル)[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-5-フルオロベンゾアート(153 g)及びN,N-ジメチルホルムアミド(613 mL)を混合し、この溶液に氷冷下、カリウム tert-ブトキシド(52.8 g)を分割して加えた後、冷却して10℃〜20℃で5時間攪拌した。この反応混合物に水(306 mL)を加えた後、濃塩酸(49.0 mL)で中和した。この反応混合物に水(612 mL)を分割して加え、10℃で撹拌した。析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下50℃で乾燥して、7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピン-4-カルボニトリル(132.5 g)を収率84.2%で得た。
EI:358
7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(式(12)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[5]の製造方法と同様にして反応を行った。具体的には、酢酸(20 mL)、濃塩酸(20 mL)及び7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピン-4-カルボニトリル(10.0 g)を混合し、65℃で3時間攪拌し、その後85〜90℃で18時間攪拌した。この反応混合物に水(20 mL)を加えた後、氷冷下、水酸化ナトリウム(25.9 g)と水(100 mL)の溶液を加えて中和し、酢酸エチル(60 mL)を加えて抽出した後、さらに水層に酢酸エチル(40 mL)を加えて抽出した。2回の抽出で得られた有機層をあわせて、10%水酸化ナトリウム水溶液(100 g)で洗浄後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にアセトニトリル(40 mL)、ピリジン(6.75 mL)及びp-トルエンスルホニルクロリド(5.32 g)を加えて、室温で18時間攪拌した。この反応混合物に水酸化ナトリウム(1.17 g)と水(20 mL)の溶液を加えて、24時間攪拌し、その後、減圧下でアセトニトリルを留去した。この反応混合物に水(30 mL)、酢酸エチル(50 mL)を加えて抽出した後、さらに水層に酢酸エチル(30 mL)を加えて抽出した。2回の抽出操作で得られた有機層をあわせて、濃塩酸(6.98 mL)と水(50 mL)の溶液、及び塩化ナトリウム(2.5 g)と水(50 mL)の溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にエタノール(30 mL)及びイソプロパノール(10 mL)を加えて、10℃で撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下50℃で乾燥して、7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(8.42g)を収率90.5%で得た。
4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(式(11)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[6]の製造方法と同様にして反応を行った。具体的には、アセトニトリル(360 mL)、7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(60 g)、ジメチル硫酸(25.6 mL)、N,N’-ジフルオロ-2,2’-ビピリジウム ビス(テトラフルオロボラート)(86.1 g)及び濃硫酸(9.6 mL)を混合し、80℃で45時間攪拌した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣に酢酸エチル(480 mL)、水(480 mL)及び濃塩酸(30 mL)を加え、室温で攪拌した後、分液操作を行い、得られた水層に酢酸エチル(240 mL)を加えて抽出した。得られた有機層をあわせて、水(300 mL)で洗浄した後、水(300 mL)及び塩化ナトリウム(15 g)を加えて攪拌し、不溶物を濾過して分液操作を行った。この有機層の溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣に酢酸エチル(60 mL)、トルエン(360 mL)及び活性炭(12 g)を加えて60℃で攪拌した。混合液から活性炭を濾別し、トルエン(120 mL)で洗浄を行った。濾液と洗浄液をあわせて、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にトルエン(90 mL)を加え、さらにn-ヘプタン(240mL)を加えて20℃で撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下50℃で乾燥して、4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(53.6 g)を収率80.6%で得た。
EI:370
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸 ジシクロヘキシルアミン塩(式(9-S)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[7]の製造方法と同様にして、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸 ジシクロヘキシルアミン塩を収率27.0%で得た。
FAB+:412
メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタート(式(8-M)の化合物)の合成
非特許文献1に記載される化合物[8]の製造方法と同様にして、メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタートを得た。
FAB+:272
メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタート(式(6-M)の化合物)の合成
特許文献1の参考例7記載の方法と同様にして、メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタートを第15、16工程の通算収率として86.5%で得た。
FAB+:520
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(式(5)の化合物)の合成
特許文献1の参考例20記載の方法と同様にして、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸を収率86.3%で得た。
FAB+:506
(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミド(式(1)の化合物)の合成
特許文献1の実施例1記載の方法と同様にして、(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミドのα型結晶を収率54.7%で得た。
FAB+:549
(第1〜第3工程)
4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(7)の化合物)の合成
4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(Lvがフルオロである式(7e)の化合物、即ち反応式(I)(i-2)に示される式(7e−F)の化合物)(50 g)、酢酸エチル(250 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.88 g)、塩化チオニル(42.9 g)を混合し、60℃にて7時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣にアセトニトリル(150 mL)及びピリジン(85.5 g)を加え、2-プロパノール(65.0 g)を滴下し、室温で4時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣にトルエン(200 mL)及び水(200 mL)を加え分液操作を行った。得られた有機層をあわせて、濃塩酸(71.0 g)と水(200 ml)の溶液で洗浄し、次いで塩化ナトリウム(25 g)と水(200 ml)の溶液で洗浄後、有機層を減圧下濃縮した。残渣にトルエン(125 mL)を加え、溶液を減圧下濃縮し、油状残渣を得た。残渣にテトラヒドロフラン(350 mL)、(2R)-2-フルオロプロパノール (30.9 g)及びカリウム tert-ブトキシド(35.9 g)を加え、0℃にて5時間撹拌した。反応液に、塩化アンモニウム(12.85 g)と水(200 mL)を加え分液操作を行った。得られた有機層をあわせ、塩化ナトリウム(50 g)と水(200 mL)の溶液にて洗浄した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣に水酸化ナトリウム(19.2 g)と水(120 mL)の溶液、及びメタノール(360 mL)を加え、60℃にて19時間攪拌した。反応液に水(420 mL)及びトルエン(60 mL)を加え得られた水層に濃塩酸(49.7 g)を加え晶析させた。生じたスラリーを20℃にて撹拌した。生じた結晶を濾過し、30%メタノール水溶液(12 mL)で洗浄することで、粗結晶(76.8 g)を得た。この結晶に、1-プロパノール (192 mL)及び水(144 mL)を加え、55℃にて加熱することで結晶を溶解させた後、冷却した。結晶の析出を確認後、水(144 mL)を加え、0℃に冷却した。生じた結晶を濾取し、1-プロパノール水溶液(1-プロパノール 36mL、水 84mL)にて洗浄した後、50℃にて減圧下乾燥することで、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(50.28g)を白色結晶として収率78.6%で得た。
メチル 5-フルオロ-2-{(4-メトキシ-4-オキソブチル)[(4-メチルフェニルスルホニル]アミノ}ベンゾアートの合成(式(14)の化合物)
窒素雰囲気下、メチル 5-フルオロ-2-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ベンゾアート (30.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド (105 mL)を加え20 ℃で撹拌した。4-クロロ酪酸メチル (15.2 g)と N,N-ジメチルホルムアミド (15 mL)の溶液、炭酸カリウム (25.7 g)と N,N-ジメチルホルムアミド (15 mL)の溶液、ヨウ化カリウム (4.62 g)と N,N-ジメチルホルムアミド (15 mL)の溶液を順次加え、80 ℃に昇温し、8時間撹拌した。原料の消失を確認後、トルエン (210 mL)及び水 (240 mL)を加え、分液操作を行った。得られた有機層を、塩化ナトリウム(7.5 g)と水(150 mL)の溶液で洗浄後、有機層を約60mLとなるまで減圧下濃縮した。残渣にトルエン (150 mL) を加え、混合液を減圧下濃縮した。得られた残渣を精製することなく、次の反応に用いた。
7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(式(12)の化合物)の合成
上記第4工程にて得られた残渣とN,N-ジメチルホルムアミド (300 mL) の混合物を0 ℃まで冷却し、カリウム tert-ブトキシド(13.0 g) を5回にわけ添加し、同温度で3時間撹拌した。原料の消失を確認し、pHが4になるよう6M 塩酸(18.7 mL)及び、水 (11.3 mL) を添加し、反応を停止させた。
得られた混合物を120 ℃まで昇温し、 7時間撹拌した。原料の消失を確認後、70 ℃まで冷却した。70 ℃で水 (105 mL) を添加し系が均一になることを確認後徐々に50 ℃まで冷却し、結晶の析出を確認した。その後、60 ℃まで昇温し30分間撹拌した。60 ℃にて水 (165 mL) を添加し30分間撹拌した。その後、20 ℃まで冷却し、終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、水 (150 mL)を用いて結晶を洗浄した。得られた結晶を外温50℃にて減圧下乾燥させ、7-フルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン (28.81g) を第4〜6工程の通算収率として93.1%で得た。
1H-NMR(CDCl3):1.88-1.94(2H,m), 2.34-2.37(2H,m), 2.41(3H,s), 3.81-3.84(2H,m), 7.18-7.28 (3H,m), 7.34-7.37(1H,m), 7.42-7.45(1H,m), 7.53-7.56(2H,m)
ESI+:333
4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(式(11)の化合物)の合成
参考例1の第13工程と同様の方法により、4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オンを収率80.6%で得た。
メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタート(R1がメチルである式(8)の化合物、即ち反応式(I)(ii)に示される式(8-M)の化合物)の合成
テトラヒドロフラン(44 mL) にジフェニルホスホノ酢酸(5.93 g) を懸濁させ、-66℃〜-59℃に冷却後、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.9 M テトラヒドロフラン溶液)(21.0mL) を15分かけて滴下した。この混合物にドライアイス/メタノール浴にて冷却した4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(5.00 g) のテトラヒドロフラン溶液 (20 mL) を、-68℃〜-60℃にてカニュラーを使用して滴下し、テトラヒドロフラン (15 mL) にて洗い込みを行った。-60℃以下で2.5時間撹拌後、-20℃〜-15℃へと昇温し18.5時間撹拌した。水 (30 mL) を加え、反応液が約50 mLとなるまで減圧下濃縮した。得られた残渣に濃塩酸 (5 mL) を加え、2-ブタノン (30 mL)で抽出し、得られた有機層を水 (30 mL)及び20%塩化ナトリウム水溶液 (塩化ナトリウム 4g、水 (20 mL)) にて洗浄後、約10mLとなるまで減圧下濃縮した。得られた残渣にトルエン (25 mL) を加え、約10mLとなるまで減圧下濃縮する操作を2回行った。得られた残渣にトルエン (25 mL)、硫酸 (7.5 mL) を加え、80℃〜81℃にて14.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、メタノール (15 mL) を加え、60℃〜62℃にて4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水 (25mL)、5M水酸化ナトリウム水溶液 (35mL) を加え2-ブタノン(15mL)で抽出し、得られた水層を2-ブタノン (15 mL)及びトルエン (15 mL) にて抽出した。得られた有機層を合わせ、炭酸水素ナトリウム (1.5 g)と水 (30 mL)の溶液で2回、水 (30 mL)で1回洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮した。残渣にトルエン (15 mL) を加え50〜60℃へ昇温し、結晶の溶解を確認した後、n-ヘプタン (10 mL) を滴下し、結晶の析出を確認した。さらにn-ヘプタン (20mL) を滴下後、反応液を15℃へ冷却し、終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、トルエン (5 mL)、n-ヘプタン (10 mL) の混合溶媒にて洗浄した。得られた結晶を外温50℃にて減圧下乾燥し、メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタート(2.90 g) を収率79.2%で得た。
メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタート(R1がメチルである式(6)の化合物、即ち反応式(I)(iii)に示される式(6-M)の化合物)の合成
4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(12.5 g)、トルエン(100 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(171.6 mg)の混合溶液に、塩化チオニル(6.70 g)を室温で加え、55〜65℃で1時間20分間攪拌した。この反応液を減圧下濃縮し、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドを含む残渣Aを得た。別にメチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタート(12.1 g)をアセトニトリル(75 mL)に溶解した後、ピリジン(18.6 g)を室温で加えた。この溶液に、残渣Aとアセトニトリル(37.5 mL)の混合溶液を滴下し、50〜57℃で14時間攪拌した。この反応液を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル(125 mL)を加え、氷浴下、水酸化ナトリウム(2.83 g)と水(125 mL)の溶液を加えて、抽出した。得られた有機層を濃塩酸(22.5 g)と水(125 mL)の溶液、塩化ナトリウム(6.25 g)と水(125 mL)の溶液で順次洗浄して、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にエタノール(112.5 mL)を加えて61℃で加熱下溶解させた後、水(75 mL)を滴下し、約20℃で63.5時間攪拌した。得られた結晶を濾取し、エタノール(15 mL)と水(10 mL)の混合液で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタート(20.5 g)を収率88.5%で得た。
ESI+:519
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(式(5)の化合物)の合成
メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタート(227.7 g)、水酸化ナトリウム(26.3 g)、水(910.8 mL)、及びエタノール(1366 mL)を混合し、25℃で12時間攪拌した後、濃塩酸(58.5 mL)、及び、後記実施例2の「(実施例1に係る第11工程の別法)」において製造された(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸の結晶(228 mg)を加えて11時間攪拌した。その後、この混合物に水(1139 mL)を加え、20℃で7時間攪拌した。得られた結晶を濾取し、水(455 mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(216.6 g)を収率97.8%で得た。
ESI+:506
(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミド
(式(1)の化合物)の合成
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(10.0 g)、酢酸エチル(100 mL)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(100 mg)を混合し、この混合物に塩化チオニル(2.17 mL)を室温で加え、65℃で2時間半攪拌した。この反応液を減圧下で濃縮して、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセチルクロリドを含む残渣を得た。得られた残渣をアセトニトリル(50 mL)に溶解し、2-アミノエタノール(24.2 g)とアセトニトリル(50 mL)の溶液に5℃で滴下して、1時間攪拌した。この反応混合物に水(100 mL)を加え、アセトニトリルを減圧下で留去した後、酢酸エチル(100 mL)を加えて抽出した。この有機層を濃塩酸(5 mL)と水(100 mL)の溶液、及び塩化ナトリウム(5 g)と水(100 mL)の溶液で順次洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣にエタノール(30 mL)を加えた後、再度溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をエタノール(80 mL)に溶解して、濾過した。得られた濾液に水(120 mL)を加えた後、加熱し、(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミドのα型結晶(12 mg)を加えて室温で攪拌し、その後冷却して、15℃で撹拌した。生じた結晶を濾取し、40%エタノール水溶液(20 mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミドのα型結晶(9.26 g)を収率85.3%で得た。
ESI+:549
粉末X線回折の測定は、Mac Science製 MXP18TAHF22を用い、管球:Cu、管電流:200 mA、管電圧:40 kV、サンプリング幅:0.020°、走査速度:3°/min、波長:1.54056Å、測定回折角範囲(2θ):3〜40°の条件で測定した。
DSC分析は、TA Instruments TA 5000を用い、測定温度範囲:室温〜300℃、昇温速度:10℃/min、窒素流量:50 mL/min、アルミニウム製サンプルパンの条件で測定した。
実施例1に記載するいくつかの工程の別法を本発明の別の態様として以下に記載する。これらの別法は実施例1記載の各工程に記載の方法に代えて、式(1)の化合物を製造するために、適宜実施することができる。
イソプロピル 4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(Lvがフルオロである式(7c)の化合物)の合成
4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(150 g)、酢酸エチル(1200 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.78 mL)、及び塩化チオニル(78.9 mL)を混合し、70℃で3時間攪拌した。この反応混合物の溶媒を減圧下で留去して、4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドを含む残渣を得た。得られた残渣にアセトニトリル(450 mL)及びピリジン(291 mL)を加え、2-プロパノール(450 mL)を滴下し、室温で30分間攪拌した。この混合物にトルエン(600 mL)及び水(600 mL)を加え分液操作を行った後、水層にトルエン(600 mL)を加えて抽出した。得られた有機層をあわせて、3M塩酸(1200 mL)で洗浄後、さらに塩化ナトリウム(150 g)と水(900 mL)の溶液で洗浄し、減圧下で溶媒を留去して、イソプロピル 4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(165 g)を収率91.5%で得た。
式(7a)の化合物の合成
イソプロピル 4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(3.00 g)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(12 mL)、トルエン(3 mL)、(2R)-2-フルオロプロパノール (1.40 g)及び炭酸セシウム(7.81 g)を混合し、25〜50℃で27時間攪拌した。この反応混合物にトルエン(15 mL)及び水(36 mL)を加えて抽出した。この有機層を水(30 mL)で洗浄し、減圧下で溶媒を留去して、油状の残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:n-ヘプタン/酢酸エチル=20/1→15/1→5/1)で精製して、イソプロピル (2R)-4-(2-フルオロプロポキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(2.77 g、収率77.8%、Rf値=0.4(n-ヘプタン/酢酸エチル=5/1))、及び、(2R)-2-フルオロプロピル 4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(0.59 g、収率15.1%、Rf値=0.26(n-ヘプタン/酢酸エチル=5/1))を得た。
1H-NMR(DMSO-d6):1.30(6H,d,J=6.0Hz),1.39(3H,dd,J=5.6,23.6Hz),4.18-4.37(2H,m),4.94-5.17(2H,m),7.33-7.37(2H,m),7.82(1H,d,J=8.4Hz)
ESI+:309
1H-NMR(DMSO-d6):1.32-1.43(6H,m),4.20-4.48(4H,m),4.91-5.13(2H,m),7.37-7.40(2H,m),7.91(1H,d,J=8.4Hz)
ESI+:327
式(7)の化合物の合成
イソプロピル 4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(6.00 g)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(24 mL)、トルエン(6 mL)、(2R)-2-フルオロプロパノール(3.37 g)、及び炭酸セシウム(19.5 g)の混合し、55℃で5時間攪拌した後、炭酸セシウム(3.91 g)及び水(0.3 mL)を加えて、55℃で75時間攪拌した。この反応混合物にトルエン(30 mL)及び水(72 mL)を加えて抽出した。この有機層を水(60 mL)で洗浄後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣に水酸化ナトリウム(1.92 g)と水(12 mL)の溶液、メタノール(36 mL)を順次加え、60℃で22時間攪拌した。この混合物に水(42 mL)及びトルエン(12 mL)を加えて、水層を洗浄した。この水層に濃塩酸(4.16 mL)を加え、20℃で撹拌した。得られた結晶を濾取し、30%メタノール水溶液(12 mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(5.37 g)を収率84.2%で得た。
ESI-:264
式(5)の化合物の合成
メチル (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセタート(16.0 g)、水酸化ナトリウム(1.85 g)、水(64 mL)、及びエタノール(96 mL)を混合し、20℃で19時間攪拌した後、濃塩酸(4.1 mL)を加えて2時間攪拌した。その後、この混合物に水(32 mL)を加え、25℃で16時間攪拌した。さらに水(48 mL)を加え、20℃で23時間攪拌した。生じた結晶を濾取し、水(32 mL)で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥して、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(15.2 g)を収率97.4%で得た。
ESI+:506
式(1)の化合物の合成
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(5.0 g)、酢酸エチル(50 mL)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(50 mg)を混合し、この混合物に塩化チオニル(1.77g)を室温で加え、64℃で4時間半攪拌した。この反応混合物の溶媒を減圧下で留去し、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセチルクロリドを含む残渣を得た。残渣をアセトニトリル(25mL)に溶解し、2-アミノエタノール(12.1 g)とアセトニトリル(25 mL)の混合溶液に5℃で滴下して、1時間攪拌した。この反応混合物に水(50 mL)を加え、アセトニトリルを減圧下で留去した後、酢酸エチル(50 mL)を加えて抽出した。この有機層を濃塩酸(2.5g)と水(50 mL)の溶液、及び塩化ナトリウム(2.5 g)と水(50 mL)の溶液で順次洗浄した後、溶媒をを減圧下留去した。得られた残渣の半分を取り出し、酢酸イソプロピル(15 mL)を加えた後、78℃にて加熱溶解し、同温にてn-ヘプタン(15mL)を滴下した。10℃に冷却し生じた結晶を10℃で終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、減圧下50℃で乾燥して、(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミドのα型結晶(2.31 g、全量を用いた場合に換算した収率として85.1%)を得た。
式(1)の化合物の合成
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸(1.0 g)、酢酸エチル(10 mL)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(触媒量)を混合し、この混合溶液に塩化チオニル(217 μL)を加えて、65℃で1時間攪拌した。その後、この反応混合物の溶媒を減圧下で留去し、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセチルクロリドを含む残渣を得た。残渣をアセトニトリル(10 mL)に溶解し、2-アミノエタノール(2.42 g)とアセトニトリル(10 mL)の混合溶液に氷冷下で滴下し、30分間攪拌した。この反応混合物に水(20 mL)を加え、アセトニトリルを減圧下で留去した後、酢酸エチル(20 mL)を加えて抽出した。この有機層を0.6M塩酸(20 mL)、及び水(20 mL)で順次洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣に2-プロパノールを加えた後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣に2-プロパノール(2 mL)を加えて攪拌した後、n-ヘプタン(8 mL)を加えて4時間撹拌した。生じた結晶を濾取し、n-ヘプタン(2 mL)で洗浄した後、減圧下50 ℃で乾燥して、(2Z)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセトアミドのβ型結晶(896 mg)を収率83.0%で得た。
FAB+:549
前記反応式(III)に示される各工程を後記の通り実施して、式(7)の化合物を得た。
4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(7)の化合物)の合成
窒素雰囲気下、(2R)-2-フルオロプロパノール(112.6 g)及び4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(7e−F)の化合物)(166.7 g)を1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(1000 mL)に溶解した後、20〜30℃で60%水素化ナトリウム(89.7 g)を加えて、30℃で2日間攪拌した。この反応混合物を冷却し、水(3000 mL)を加えた後、酢酸エチル(834 mL)、濃塩酸(200 mL)を順次加えて、水層が酸性であることを確認後、抽出した。さらに水層に酢酸エチル(500 mL)を加えて抽出する操作を2回行った。3回の抽出操作で得られた有機層をあわせて、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にn-ヘプタン(500 mL)を加え、水酸化ナトリウム(48.1 g)と水(833 mL)の溶液で洗浄し、さらに有機層を水(167 mL)で洗浄した。2回の洗浄操作で得られた水層をあわせて、酢酸エチル(833 mL)、濃塩酸(107 mL)を順次加えて攪拌した後、抽出した。この有機層の溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣にメタノール(583 mL)を加えた後、水(1084 mL)を25〜30℃で加えて、20℃で30分間攪拌した。生じた結晶を濾取し、メタノール(50 mL)と水(116.7 mL)の混合溶液、水(166.7 mL)で順次洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、粗結晶(155 g)を得た。この粗結晶をメタノール(620 mL)に溶解した後、水(930 mL)を17〜28℃で加えて、20℃で30分間撹拌した。生じた結晶を濾取し、メタノール(46.5 mL)と水(108.5 mL)の混合溶液、水(155 mL)で順次洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、粗結晶(134 g)を得た。この粗結晶にn-プロパノール(423 mL)を加えた後、66℃で加熱溶解し、水(643 mL)を徐々に加えて、15℃で終夜攪拌した。生じた結晶を濾取し、n-プロパノール(80 mL)と水(188 mL)の混合溶液で洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(116 g)を収率54.4%で得た。
ESI-:265
前記反応式(IV)に示される各工程を後記の通り実施して、式(7)の化合物を得た。
メチル 4-[(2S)-オキシラン-2-イルメトキシ]-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(R2がメチルである式(7g)の化合物)の合成
メチル 4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(1.4 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)、炭酸カリウム(1.14 g)、フッ化セシウム(195 mg)を混合し、室温にて40分時間攪拌した。この反応液に3-ニトロベンゼンスルホン酸 (S)-グリシジル(1.65 g)を加え、室温にて15時間20分撹拌した。反応液に酢酸エチル(15mL)を加え、不溶物を濾過し、更に不溶物を酢酸エチル(10mL)で洗浄した。合わせた酢酸エチル溶液に水を加え、有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去することにより、メチル 4-[(2S)-オキシラン-2-イルメトキシ]-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(1.825 g)を得た。
メチル 4-{[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]オキシ}-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(R2がメチルである式(7f)の化合物、即ち反応式(I)(i-2)に示される式(7f-M)の化合物)の合成
10%パラジウム炭素(55mg)のエタノール(20mL)懸濁液に、メチル 4-[(2S)-オキシラン-2-イルメトキシ]-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(750 mg)及び蟻酸アンモニウム(516 mg)を加え、室温にて2時間15分撹拌した。反応液を濾過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル及び水を加え、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去することにより、メチル 4-{[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]オキシ}-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(727 mg)を収率96.0%で得た。
FAB+:279
4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(式(7)の化合物)の合成
メチル 4-{[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]オキシ}-2-(2-トリフルオロメチル)ベンゾアート(645 mg)のジクロロメタン(15 mL)溶液に-78℃にて(ジエチルアミノ)サルファ トリフルオリド (0.62 mL)を加え、室温にて21時間15分攪拌した。反応液に冷却した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及びクロロホルムを加え、有機層を1M塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣のメタノール(10 mL)溶液に5M水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加え、70℃で5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣に水、クロロホルムを加え、1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた水層を1M塩酸を用いてpH1に調整した後、クロロホルムにて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣にエタノール:水(40:60)の混合溶媒(5 mL)を加え、室温にて3時間30分撹拌した。生じた固体を濾過、乾燥し、4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-トリフルオロメチル)安息香酸(465 mg)を収率75.4%で得た。
前記反応式(V)に示される各工程を後記の通り実施して、R1がメチルである式(8)の化合物、即ち反応式(I)(ii)に示される式(8−M)の化合物を得た。
(工程E)
(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸 ジシクロヘキシルアミン塩(式(9-S)の化合物)の合成
60%水素化ナトリウム(1.08 g)のテトラヒドロフラン懸濁液(400 mL)に4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-オン(50.0 g)を加え、水冷下で40分撹拌後、-70℃まで冷却した。反応液にジエチルホスホノ酢酸(29.2 g)のテトラヒドロフラン溶液(100 mL)を滴下し、その温度で10分撹拌し、ナトリウム tert-ブトキシド(28.6 g)を4回に分けて加え、-20℃まで昇温しながら21時間撹拌した。反応液に水、濃塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、減圧下濃縮した。得られた残渣にメタノール、ジシクロヘキシルアミンを加え、室温にて22時間撹拌した。析出した固体をろ取し、固体をメタノール/酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥させることで、淡褐色固体として、(2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}酢酸 ジシクロヘキシルアミン塩(56.2 g)を収率70.1%で得た。
(工程F)
メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタート(式(8−M)の化合物)の合成
非特許文献1記載の化合物[8]の製造方法と同様にして、式(9-S)の化合物から、メチル (2Z)-(4,4,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン)アセタートを得た。
実施例1における本発明の製造方法の収率は、以下の表1に示すとおりである。なお、表1では、実施例で記載した第1から3工程(連続工程)、第4〜6工程(連続工程)、第7工程、第8〜9工程(連続工程)、第10工程、第11及び第12工程での各収率と、第4〜12工程の通算の収率を示した。
実施例1の第1〜3工程の通算収率:78.6%
参考例の第3〜9工程の通算収率:42.7%
一方、実施例1の第1〜3工程に示す、式(7)の化合物の製造工程は、適切な原料、及び試薬を用いることで、式(7e)の化合物から3工程で収率よく製造することができ、さらに安全性に懸念のあるDASTの使用を回避することができた。
実施例1の第4〜6工程:93.1%
参考例の第10〜12工程:70.9%(計3工程の収率を乗じることにより計算される)
一方、実施例の第6工程においては、合成中間体に式(13)の化合物を用いることで、p-トルエンスルホニル基の脱離を伴うことなく式(12)の化合物を製造することができた。また中間体である式(14)及び式(13)の化合物をそれぞれ単離せずに式(12)の化合物を製造することができる点で、効率面で有利である。
実施例1の第8〜10工程:70.1%
(第8〜9工程の通算収率と第10工程の収率を乗じることにより計算される)
参考例の第14〜16工程:24.8%
(第14工程の収率と第15〜16工程の通算収率を乗じることにより計算される)
一方、実施例1の第8工程においては、試薬としてジフェニルホスホノ酢酸を用いることで、二重結合のE/Zの比が1/24とZ体の選択性が高く、ジシクロヘキシルアミン塩として単離する必要がなく、高い収率で式(8)の化合物を製造することができた。
実施例5の工程E:70.1%
参考例の第14工程:27.0%
一方、実施例5の工程Eにおいては、メタノール中、ジシクロヘキシルアミンと処理して、収率70.1%で式(9-S)の化合物を製造することができた。
実施例1の第12工程:85.3%
参考例の第18工程:54.7%
一方、実施例1の第12工程においては、塩化チオニルを用いて酸塩化物とした後に、2−アミノエタノールと反応させることで、収率が向上するとともに、EDCの使用を回避することができた。
Claims (16)
- 式(5)の化合物を塩化チオニル(4)と反応させて式(3)の化合物を製造する工程、及び、式(3)の化合物を2-アミノエタノール(2)と反応させアミド化する工程を含む、下記反応式に示される式(1)の化合物の製造方法。
- 式(8)の化合物と式(7)の化合物から式(6)の化合物を製造する工程、式(6)の化合物から、式(5)の化合物を製造する工程、式(5)の化合物を塩化チオニル(4)と反応させて、式(3)の化合物を製造する工程、及び、式(3)の化合物を2-アミノエタノール(2)と反応させアミド化する工程を含む、下記反応式に示される式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項2記載の製造方法において、
式(11)の化合物とジフェニルホスホノ酢酸(10)から式(9)の化合物を製造する工程、及び、式(9)の化合物から式(8)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(8)の化合物の製造方法(X-1)
又は、
式(11)の化合物とジエチルホスホノ酢酸(18)とを反応させ、得られた粗生成物をメタノール中ジシクロヘキシルアミン(17)と処理して式(9-S)の化合物を製造する工程、及び、式(9-S)の化合物から式(8)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(8)の化合物を製造方法(X-2)
によって製造された式(8)の化合物を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。 - 請求項3に記載の製造方法において、
式(16)の化合物と4-クロロ酪酸メチル(15)から式(14)の化合物を製造する工程、式(14)の化合物から式(13)の化合物を製造する工程、式(13)の化合物から式(12)の化合物を製造する工程、及び、式(12)の化合物から式(11)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(11)の化合物の製造方法(Y-1)
によって製造された式(11)の化合物を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。 - 請求項4に記載の製造方法において、(Y-1)の製造方法が、式(14)の化合物を単離することなく式(13)の化合物を製造し、かつ、式(13)の化合物を単離することなく式(12)の化合物を製造するものである、式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項2〜5に記載の製造方法において、
式(7c)の化合物と(2R)-2-フルオロプロパノール(7b)から式(7a)の化合物を製造する工程、及び、式(7a)の化合物から式(7)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-1)
(式中、Lvは脱離基を示し、Meはメチルを示し、iPrはイソプロピルを示し、Rはイソプロピル又は(2R)-2-フルオロプロピルを示す。)、
式(7e)の化合物と(2R)-2-フルオロプロパノール(7b)から式(7)の化合物を製造する工程である、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-2)
(式中、Lvは脱離基を示し、Meはメチルを示す。)、又は、
式(7i)の化合物と3-ニトロベンゼンスルホン酸(S)-グリシジル(7h)から式(7g)の化合物を製造する工程、式(7g)の化合物を水素添加反応に付して式(7f)の化合物を製造する工程、及び、式(7f)の化合物から式(7)の化合物を製造する工程からなる、下記反応式に示される式(7)の化合物の製造方法(Z-3)
(式中、R2は低級アルキルを示し、Meはメチルを示す。)、
のいずれか1つの製造方法によって製造された式(7)の化合物を用いることを特徴とする、式(1)の化合物の製造方法。 - 請求項3記載の(X-1)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-1)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項3記載の(X-2)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-1)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項3記載の(X-1)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-2)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項3記載の(X-2)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-2)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項3記載の(X-1)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-3)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項3記載の(X-2)に示される方法で製造される式(8)の化合物、及び、請求項6記載の(Z-3)に示される方法で製造される式(7)の化合物を用いることを特徴とする、請求項2記載の式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項4記載の(Y-1)に示される方法で製造される式(11)の化合物を用いることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の製造方法からなる、式(1)の化合物の製造方法。
- 請求項13に記載の製造方法において、(Y-1)の製造方法が、式(14)の化合物を単離することなく式(13)の化合物を製造し、かつ、式(13)の化合物を単離することなく式(12)の化合物を製造するものである、式(1)の化合物の製造方法。
- (2Z)-{4,4,7-トリフルオロ-1-[4-{[(2R)-2-フルオロプロピル]オキシ}-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1-ベンゾアゼピン-5-イリデン}アセチルクロリド。
- メチル 5-フルオロ-2-{(4-メトキシ-4-オキソブチル)[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ベンゾアート。
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