JP2019014189A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク濡れ性低下を防ぎ、接合信頼性を高めることである。【解決手段】インクジェットヘッドの製造方法は、一部の面がインク流路を形成し有機物としての接着層24,34及び撥液層23を有するインクジェットヘッド100に、接着層24,34及び撥液層23に当たらない方向から指向性の高いプラズマ処理を実施するプラズマ処理工程と、インクジェットヘッド100のプラズマ処理が実施された面とインクマニホールドとを接合する接合工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関する。
従来、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出(射出)して、記録媒体上に画像形成を行うインクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置が知られている。また、インクジェットヘッドの製造工程において、部材にプラズマ処理を行い部材の接合信頼性を高めることが知られている(特許文献1参照)。
特開2011−235533号公報
しかし、プラズマ処理において、プラズマイオンが衝突する向きにフッ素を含む有機物があると、当該有機物が一度エッチングされプラズマ空間中の他の部材表面にフッ素が付着し、その表面のインク濡れ性や、その後の工程で取り付けられる基板との接合信頼性の低下を招く。
本発明の課題は、インク濡れ性低下を防ぎ、接合信頼性を高めることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドの製造方法は、
一部の面がインク流路を形成し有機物を有する第1の部材に、前記有機物に当たらない方向から指向性の高いプラズマ処理を実施するプラズマ処理工程と、
前記第1の部材の前記プラズマ処理が実施された面と第2の部材とを接合する接合工程と、を含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記接合工程において、前記第1の部材の前記プラズマ処理が実施されていない面と第3の部材とを接合する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第1の部材は、前記プラズマ処理により移動されるイオンを前記有機物から遮蔽する遮蔽部を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記プラズマ処理工程において、前記プラズマ処理により移動されるイオンの移動方向と前記有機物への方向とが異なるように前記第1の部材を傾ける。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記プラズマ処理は、反応性イオンエッチングのプラズマ処理である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第1の部材は、配線基板を含む。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記配線基板は、アルミの電極を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記有機物は、フッ素系化合物を含む。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記フッ素系化合物は、熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物は、主鎖中にフッ素化ポリエーテル骨格を有するポリマーを主成分として含む。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記フッ素化ポリエーテル骨格は、パーフルオロポリエーテルの繰り返し単位(−C2×aO−[aは1以上6以下の範囲の整数である])を20以上600以下の範囲の整数回繰り返し含むパーフルオロポリエーテル骨格である。
本発明によれば、インク濡れ性低下を防ぐことができ、接合信頼性を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態のインクジェット記録装置の構成を正面から見た模式図である。 第1のインクジェットヘッドの分解斜視図である。 第1のインクジェットヘッドにおけるヘッドチップの部分背面図である。 ヘッドチップと配線基板との接合状態を配線基板側から見た図である。 プラズマ処理が実施されている状態の第1のインクジェットヘッドの断面図である。 第1のインクジェットヘッド製造処理を示すフローチャートである。 プラズマ処理装置を示す概略図である。 プラズマ処理が実施されている状態の第2のインクジェットヘッドを示す断面図である。 第3のインクジェットヘッドの斜視図である。 第3のインクジェットヘッドの要部断面図である。 プラズマ処理が実施されている状態の積層部材の断面図である。 第2のインクジェットヘッド製造処理を示すフローチャートである。
添付図面を参照して本発明に係る第1の実施の形態、変形例及び第2の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1〜図7を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態のインクジェット記録装置1000の概略構成について説明する。図1は、インクジェット記録装置1000を示す概略構成図である。なお、インクジェット記録装置について一例として、以下においてラインヘッドを用いる例を説明しているがこれに限定されない。例えば、記録媒体の搬送方向に対して直交する方向にインクジェットヘッドを走査することによって画像を形成するスキャン方式のインクジェット記録装置に適用することも可能である。また、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色を設ける例を記載したが、これに限定されず単色でも適用することができる。例えばK(ブラック)のみを使用する構成であってもよい。
インクジェット記録装置1000は、搬送部200と、画像形成部300と、インク供給部400と、制御部500と、を備えている。インクジェット記録装置1000では、制御部500の制御に基づいて、搬送部200により搬送される記録媒体Rに対して、インク供給部400から供給されたインクにより画像形成部300で画像を形成する。
搬送部200は、画像形成が行われる記録媒体Rを保持し、画像形成部300に供給する。搬送部200は、巻き出しロール210、ローラー220,230及び巻き取りロール240などを有する。ロール状に巻かれた長尺状の記録媒体Rは、巻き出しロール210から繰り出され、ローラー220,230に支持されながら搬送され、巻き取りロール240に巻き取られる。
画像形成部300は、記録媒体R上にインクを吐出して画像を形成する。画像形成部300は、複数のラインヘッド310、複数のラインヘッド310を保持するキャリッジ330などを有している。また、インクとしてエネルギー線で硬化するインクを使用する場合、さらに照射部320を備えることが好ましい。
ラインヘッド310は、搬送部200に搬送される記録媒体Rに対してインクを吐出し、画像を形成する。ラインヘッド310は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について個別に設けられている。図1では、搬送部200による記録媒体Rの搬送方向に対して上流からY、M、C、Kの各色に対応したラインヘッド310が順番に設けられている。
本実施形態のラインヘッド310は、キャリッジ330に、記録媒体Rの搬送方向に略垂直な方向(幅方向)について記録媒体Rの全体をカバーする長さ(幅)で設けられている。すなわち、インクジェット記録装置1000は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。ラインヘッド310は、複数のインクジェットヘッド100(図2参照)が配列されて構成されている。また、図示の通り、キャリッジ330にはキャリッジヒーター330aを設け、インクを加熱するようにしても良い。
照射部320は、インクジェット記録装置1000で用いられるインクが記録媒体R上に吐出された後に当該インクを硬化させるためのエネルギー線を照射する。照射部320は、例えば、低圧水銀ランプ等の蛍光管を有し、当該蛍光管を発光させて紫外線などのエネルギー線を照射する。照射部320は、ラインヘッド310よりも記録媒体Rの搬送方向下流側に設けられている。照射部320は、画像形成後の記録媒体Rに対してエネルギー線を照射することで、記録媒体R上に吐出されたインクを硬化させる。
紫外線を発する蛍光管としては、低圧水銀ランプの他、数百Pa〜1MPa程度の動作圧力を有する水銀ランプ、殺菌灯として利用可能な光源、冷陰極管、紫外線レーザー光源、メタルハライドランプ、発光ダイオードなどが挙げられる。これらの中で、紫外線をより高照度で照射可能であって消費電力の少ない光源(例えば、発光ダイオード)がより望ましい。また、エネルギー線は紫外線に限らず、インクの性質に応じてインクを硬化させる性質を有するエネルギー線であれば良く、光源もエネルギー線の波長などに応じて置換される。
インク供給部400は、インクタンク410、ポンプ420、インクチューブ430、サブタンク440、インクチューブ450、ヒーター460などを有している。インク供給部400は、インクを貯留して、当該インクを画像形成部300のラインヘッド310に供給し、各色のインクをラインヘッド310の各ノズルから吐出可能とする。インクタンク410内のインクは、ポンプ420により、インクチューブ430を介してインクジェットヘッド100のインクの背圧を調整するサブタンク440に送られる。サブタンク440には、フロートセンサー440aが設けられ、フロートセンサー440aによる液面位置の検出データに基づいて制御部500がポンプ420を動作させることにより所定量のインクが貯留されるようになっている。サブタンク440内のインクは、インクチューブ450を介してインクジェットヘッド100に供給される。なお、本例では、インクタンク410、ポンプ420、インクチューブ430、サブタンク440、インクチューブ450、ヒーター460を備える構成を例示したが、これに限定されず、インクジェットヘッド100にインクが供給される構成であれば種々の構成を適用することができる。
また、インク供給部400には、ヒーター460が設けられ、インクジェットヘッド100の外側でインクを加熱する外部ヒーターを構成している。図1に示す例では、ヒーター460は、インク供給部400の全てを覆うように設けられているが、インク供給部400を構成する部材のうちいずれかに個別に設けられているものとしてもよい。これにより、インク供給部400内のインクが加熱及び保温されて、インクの温度が所定温度以上に保たれるように構成されている。ヒーター460としては、例えば、電熱線や伝熱部材によって構成され、インク供給部400を構成する各部材を覆ったり、インク供給部400を構成する部材の外面に貼り付けられたりして設けられている。
本実施の形態のインクジェット記録装置1000に用いられるインクは、特に限られないが、例えば、紫外線(UV)硬化型のインクや有機溶剤に無機及び有機顔料を分散させたインクであっても良い。特に水を含む水系インクでは、それらのインクよりも表面張力が高くヘッド流路内を濡らしにくいので効果が高い。
制御部500は、インクジェット記録装置1000の各部の動作を制御し、全体の動作を統括する。制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)など備える。制御部500では、ROMに
記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムが読み出されてRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることにより、例えば、画像形成処理や上記したインク供給処理などの種々の制御処理が実行される。
次いで、図2〜図5を参照して、インクジェットヘッド100の構成を説明する。図2は、本実施の形態のインクジェットヘッド100の分解斜視図である。図3は、インクジェットヘッド100におけるヘッドチップ1の部分背面図である。図4は、ヘッドチップ1と配線基板3との接合状態を配線基板3側から見た図である。なお、図2、図3においてヘッドチップ1と配線基板3との間に存在する接着剤は図示省略している。
図2に示すように、インクジェットヘッド100は、せん断モード(シェアモード)型のインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド100は、ヘッドチップ1、ヘッドチップ1の前面1aに接合されるノズル基板としてのノズルプレート2、ヘッドチップ1の後面1bに接合される配線基板3、配線基板3の端部3aに接続されるFPC(Flexible Printed Circuit:フレキシブル基板)4、配線基板3の後面に接合されるインクマニホールド(共通インク室)(図示略)などを備える。
ヘッドチップ1は、六面体からなり、A列、B列の2列のチャネル列を有している。ここでは、図3に示す下側のチャネル列をA列、上側のチャネル列をB列とする。各チャネル列は、それぞれ駆動チャネル11A,11Bとダミーチャネル12A,12Bとが交互に配置されることによって構成されている。隣り合う駆動チャネル11A又は11Bとダミーチャネル12A又は12Bとの間の隔壁は、圧電素子からなる駆動壁13となっている。駆動壁13の圧電素子は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)である。
ヘッドチップ1とノズルプレート2とは、接着剤により接着されている。この接着剤は、液状で塗布して加熱や紫外線照射によって効果が可能な接着剤とし、例えば、有機物としてフッ素系化合物やフッ素系樹脂を有する。
各駆動チャネル11A,11B及び各ダミーチャネル12A,12Bは、ヘッドチップ1の前面1aと後面1bとにそれぞれ開口しており、前面1aと後面1bとに亘るストレート状に形成されている。各駆動チャネル11A,11B内及び各ダミーチャネル12A,12B内に臨んでいる壁面のうちの少なくとも駆動壁13の表面には、駆動電極14がそれぞれ形成されている。
ヘッドチップ1は、各チャネル列において駆動チャネル11A,11Bとダミーチャネル12A,12Bとが相互に配置される独立駆動型のヘッドチップであり、各駆動電極14に所定電圧の駆動信号を印加することによって、1対の駆動電極14,14に挟まれた駆動壁13をせん断変形させる。これによって駆動チャネル11A,11B内に供給されたインクに吐出のための圧力変化を与え、ヘッドチップ1の前面1aに接合されたノズルプレート2のノズル21からインク滴として吐出させる。
図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド100において、互いに垂直な3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸をとる。X軸は、ヘッドチップ1の長手方向のノズル21の配列方向である。ノズル21が記置されてインクが吐出される側のXY平面を「前面(ノズル面)」、その反対側の平面を「後面」と定義する。また、ヘッドチップ1の前面1a又は後面1bと平行なXY平面上の方向であってヘッドチップ1から離れる方向をヘッドチップ1の「側方」と定義する。
また、駆動チャネルとは、画像記録時に画像データに応じてインク吐出を行うチャネルであり、ダミーチャネルとは、画像データに関わらず常にインク吐出を行わないチャネルである。ダミーチャネル12A,12Bはインク吐出を行う必要がないため、通常、インクが充填されないか、ノズルプレート2にノズル21が形成されない。本実施の形態に示すノズルプレート2は、各駆動チャネル11A,11Bに対応する位置のみにノズル21が開設されている。
ヘッドチップ1の後面1bには、駆動チャネル11A,11B及びダミーチャネル12A,12Bに1対1に対応するように接続電極15A,15Bが形成されている。各接続電極15A,15Bの一端は、対応する駆動チャネル11A,11B又はダミーチャネル12A,12B内の駆動電極14と電気的に接続している。
A列の駆動チャネル11A及びダミーチャネル12Aに対応する各接続電極15Aの他端は、各チャネル11A,12A内からヘッドチップ1の後面1bにおける一方の端縁1cに向けて延び、端縁1cとの間に200μm程度の間隔をあけて止まっている。また、B列の駆動チャネル11B及びダミーチャネル12Bに対応する各接続電極15Bの他端は、各チャネル11B,12B内からA列側に向けて延び、該A列のチャネル列との間に200μm程度の間隔をあけて止まっている。従って、接続電極15A,15Bのいずれも、各チャネル11A,11B,12A,12Bから同一方向に向けて延びている。
配線基板3は、接合領域31を確保する観点からヘッドチップ1の後面1bの面積よりも大きな面積を有する平板状の基板であることが好ましく、接着剤を介してヘッドチップ1の後面1bに接合されている。接合後の配線基板3の少なくとも一つの端部3aは、ヘッドチップ1が接合される接合領域31(図2中に一点鎖線で示す)の外側に延びており、ヘッドチップ1のチャネル列の並び方向に沿う側方に大きく張り出していることが好ましい。
なお、この接合領域31は、配線基板3の表面が、接合されたヘッドチップ1によって覆われる領域であり、ヘッドチップ1の後面1bの外周縁から配線基板3に垂下した線によって規定される。
配線基板3の材質は、ガラス、セラミックス、シリコン、プラスチックなどの適宜の材料を用いることができる。中でも適度に剛性を備え、安価で加工も容易である点でガラスが好ましい。
配線基板3は、ヘッドチップ1の後面1bに配置される全てのチャネルを覆うように接合されるが、この配線基板3におけるヘッドチップ1の接合領域31内には、ヘッドチップ1の駆動チャネル11A,11Bに対応する位置のみに、配線基板3の背面側からインクを各駆動チャネル11A,11Bに供給するための貫通穴32A,32Bがそれぞれ個別に開設されている。各貫通穴32A,32Bは、ヘッドチップ1側の閉口部が、各駆動チャネル11A,11Bの後面1b側の開口部と同一形状となるように形成されている。
一方、配線基板3におけるダミーチャネル12A,12Bに対応する部位にはこのような貫通穴が形成されていない。このため、ダミーチャネル12A,12Bは配線基板3によって塞がれている。なお、本実施態様においては一例としてダミーチャネルを有するヘッドチップを例示したが、これに限定されない。例えば、ダミーチャネル12A,12Bに対応する部位に対応して同様に図示しない貫通穴、及び接続電極を設けると共に、該接続電極に電気的な接続を行い、ノズルからインクを吐出するように構成してもよい。
配線基板3のヘッドチップ1との接合面となる表面には、ヘッドチップ1の後面1bに配列されている各接続電極15A,15Bに1対1に対応するように配線電極33A,33Bが形成されている。配線電極33AはA列のチャネル列の各接続電極15Aに対応し、配線電極33BはB列のチャネル列の各接続電極15Bに対応している。
図4に示すように、配線電極33Aの一端は、対応する駆動チャネル11A及びダミーチャネル12Aの近傍に達し、対応する接続電極15Aと重なり合っていると共に、他端は、ヘッドチップ1の側方へ張り出した配線基板3の同一の端部3aに向けて延びている。また、配線電極33Bの一端は、対応する駆動チャネル11B及びダミーチャネル12Bの近傍に達し、対応する接続電極15Bと重なり合っていると共に、他端は、A列のチャネル列の隣り合う駆動チャネル11A,11A間を通ってA列のチャネル列を跨ぎ、配線電極33Aと同様に、配線基板3の端部3aに向けて延びている。このため、ヘッドチップ1の側方に張り出した配線基板3の表面には、接合領域31の内側から端部3aにかけて、配線電極33A,33Bが交互となるように並設されている。
配線電極33A,33B、駆動電極14、接続電極15A,15Bは、アルミ製であるものとするが、これに限定されるものではなく、銅など、他の金属製としてもよい。
配線基板3の端部3aには、外部配線部材の一例であるFPC4が、例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)などを介して接続され、不図示の駆動回路との間を電気的に接続している。これにより、駆動回路からの所定電圧の駆動信号が、FPC4、配線基板3の各配線電極33A,33B、ヘッドチップ1の接続電極15A,15Bを介して、各チャネル11A,11B,12A,12B内の駆動電極14に印加されるようになっている。
ヘッドチップ1と配線基板3との接合に使用される接着剤は、例えば、Au、Niなどの金属粒子や、樹脂粒子の表面に金属膜を被覆した粒子などの導電性粒子を含有させた導電性接着剤である。接着剤としては常温で硬化させる常温硬化型接着剤、加熱によって重合を促進させて硬化させる熱硬化型接着剤、紫外線などの活性エネルギー線の照射によって重合を促進させて硬化させる活性エネルギー線硬化型接着剤などを用いることができる。本実施の形態では、ヘッドチップ1と配線基板3との接合に用いる接着剤は、例えば、フッ素系樹脂を用いた導電性接着剤とするが、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)樹脂などを用いた導電性接着剤としてもよい。
図5は、プラズマ処理が実施されている状態のインクジェットヘッド100の断面図である。図5は、後述するプラズマ処理が実施され、インクマニホールド(図示略)が取り付けられる前の状態のインクジェットヘッド100のA列に対応するXZ平面(図2)についての断面図である。
インクジェットヘッド100は、Z方向に順に積層された、ノズルプレート2、ヘッドチップ1、配線基板3を有する。ヘッドチップ1は、X方向に沿って、A列の駆動チャネル11A及びダミーチャネル12Aが交互に形成され、駆動チャネル11A及びダミーチャネル12Aの間の駆動壁13の両端に、駆動壁13の圧電素子の駆動電極14が配置されている。
ノズルプレート2は、前面から後面へのZ方向に、撥液層23、基材部22が形成されている。また、ノズルプレート2とヘッドチップ1との間に、有機物からなる接着層24が形成されている。また、ノズルプレート2は、X方向に沿って、駆動チャネル11Aに対応する位置にノズル21が形成されている。
配線基板3は、X方向に沿って、駆動チャネル11Aに対応する位置に形成された貫通穴32Aを有し、貫通穴32Aの周囲に、遮蔽部としての庇形状のテーパー部321を有する。テーパー部321は、後面から前面の−Z方向に沿って、貫通穴32Aの開口面積が小さくなるように構成されている。これにより、貫通穴32Aの開口面積は、駆動チャネル11Aの開口面積よりも小さくされている。また、配線基板3とヘッドチップ1との間に、有機物からなる接着層34が形成されている。インクジェットヘッド100のA列についての上記構成は、B列についても同様の構成とする。
配線基板3の後面にプラズマ処理が施されてから、プラズマ処理された当該後面にインクマニホールド(図示略)が接合される。
次に、図6及び図7を参照して、インクジェットヘッド100の製造方法を説明する。図6は、第1のインクジェットヘッド製造処理を示すフローチャートである。図7は、プラズマ処理装置80を示す概略図である。
図6を参照して、インクジェットヘッド100を製造するための第1のインクジェットヘッド製造処理を説明する。先ず、製造者は、駆動壁13の材料として圧電素子(PZT)を用いて、せん断モード型のヘッドチップ1を作製する(ステップS11)。ステップS11では、ヘッドチップ1の後面に、該後面に配置される駆動チャネル11A,12A、ダミーチャネル12A,12Bを介して、内部の駆動電極14に電気的に接続する接続電極15A,15Bが形成される。
そして、製造者は、透明なガラス製などの基板に、ヘッドチップ1の駆動チャネル11A,11Bに対応する位置のみにインク流路孔としての貫通穴32A,32Bをブラスト加工によって形成するとともに、ヘッドチップ1の接続電極15A,15Bに1対1で対応する配線電極33A,33Bを形成して、配線基板3を作製し、接着剤を用いて、ステップS11で作成されたヘッドチップ1に貼り合わせる(ステップS12)。
ステップS12では、配線基板3にテーパー部321が形成され、貫通穴32A,32Bの開口面積が、必ず駆動チャネル11A,11Bの開口面積より狭くなるように形成される。また、ステップS12では、ヘッドチップ1と配線基板3とは、接続電極15A,15Bと配線電極33A,33Bとの位置が合わせられ、接着剤として例えばフッ素系化合物であるフッ素系樹脂としての信越化学工業社製「SIFEL2614」を介して均等な加圧接着により貼り合せられ、接着層34が形成される。
また、製造者は、例えばシリコンウエハにドライエッチングプロセスでノズル穴及び外形を加工して、ノズル21を有する基材部22を形成する(ステップS13)。ここでは、基材部22の材料を、シリコンとするが、SUS(Steel Use Stainless)、ニッケルなどの金属材料としてもよい。そして、製造者は、ステップS13で形成された基材部22に、撥液処理剤として撥液処理剤として例えばフッ素系化合物であるオプツール(ダイキン工業社製)をディップ塗布し、全面に撥液層を形成し、前面(ノズル面)側をテープで保護し、後面の撥液層をプラズマ処理で除去してテープを剥離し、撥液層23を有するノズルプレート2を作製する(ステップS14)。
そして、製造者は、ステップS12で作製された配線基板3が貼り合わされたヘッドチップ1の前面に、接着剤(例えば信越化学工業社製「SIFEL2614」)を塗布し、ステップS14で作製されたノズルプレート2の後面を位置合わせしながら貼り合わせ、接着剤を加熱硬化して接合し、接着層24を有するインクジェットヘッド100を作製する(ステップS15)。
ステップS12,S15で接着剤に使用されるフッ素系化合物である熱硬化性組成物としては、格別限定されないが、上述したように、昇温に伴って低粘度化した後に硬化する性質を示す熱硬化性組成物であれば、本発明の硬化を顕著に得ることができるため好ましい。このような熱硬化性組成物として、熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物を用いることにより、硬化後の接着剤層に、弾性を付与でき、さらに、湿度や溶剤、酸・塩基性インクに対する耐性を付与することができるため好ましい。
フッ素系ゴム組成物としては、格別限定されないが、主鎖中にフッ素化ポリエーテル骨格を有するポリマーを主成分とするものが、硬化後の弾性に優れ、且つ湿度や溶剤、酸・塩基性インクに対する高い耐性を付与することができるため、特に好適である。フッ素化ポリエーテル骨格としては、パーフルオロポリエーテルの繰り返し単位(−C2×aO−[aは1以上6以下の範囲の整数である])を20以上600以下の範囲の整数回繰り返し含むパーフルオロポリエーテル骨格などを好ましく例示できる。このようなフッ素化ポリエーテル骨格を有するポリマーを主成分とする熱硬化性組成物としては、市販品では、例えば、信越化学工業社製「SIFEL2614」、信越化学工業社製「X−71−6046」などを好ましく用いることができる。
熱硬化性組成物は、ポリマー内に架橋反応基を有することにより、加熱硬化して接着性を発現する。架橋反応基としては、加熱によってポリマー間を架橋可能であれば格別限定されず、例えば、ヒドロシリル基などのケイ素含有基、ビニル基などのアルケニル基などの1種又は2種以上を含むことができる。
そして、製造者は、図7に示すプラズマ処理装置80を用いて、ステップS15で作製された第1の部材としてのインクジェットヘッド100の配線基板3の後面側から、反応性イオンエッチング(RIE(Reactive Ion Etching)モード)によるプラズマ処理を実施する(ステップS16)。
プラズマ処理の方法にはいくつかの形態(モード)があるが、図7を参照して、RIEモードでのプラズマによる表面処理を説明する。RIEモードはイオン衝撃による物理的で高速な表面処理に適している。ただし、ステップS16のプラズマ処理は、RIEモードに限定されるものではない。
プラズマ処理装置80は、反応室81、高周波電源(RF(Radio Frequency)電源)82、ブロッキングコンデンサー83、平面電極(カソード)84、対向電極(アノード)85、接地部86などを有する。反応室81は、ガスの流入口811、流出口812を有する。平面電極84及び対向電極85は、反応室81内に配置されている。
ブロッキングコンデンサー83を介して高周波電源82に接続された平面電極84と、平面電極84に対向し、接地部86により接地された対向電極85とから成る一対の電極は、密閉可能な反応室81内に配置されている。また、プラズマ処理の対象物としてのインクジェットヘッド100が平面電極84上に配置される。
先ず、流出口812を介して反応室81から空気が十分に除去される。この状態で、流入口811を介して反応室81内に反応ガス(Ar、Oなど)Gを供給しつつ、高周波電源82を起動することにより、高周波電源82に高周波(通常13.56[MHz])で電力を供給すると、平面電極84及び対向電極85間に、放電Dが発生し、反応ガスGの低温プラズマ(陽イオン及び電子)とラジカル種が生成される。ここで、イオンと電子の易動度の違いにより、電子は平面電極84に捕集されて平面電極84を相対的に負に帯電させる(自己バイアス)。平面電極84の電子は、ブロッキングコンデンサー83で止まる。また、対向電極85の電子は、接地部86に流れる。
一方、ラジカル種及び陽イオンは容易には電極に捕集されずにプラズマ中を運動する。このプラズマ中に被処理物としてのインクジェットヘッド100が配される(平面電極84上に配置される)と、インクジェットヘッド100の対向電極85側に強い電場が生じたイオンシースIが発生し、陰極降下により400〜1000[V]の電界が発生しており、インクジェットヘッド100中で運動する陽イオンがインクジェットヘッド100の表面に衝突又は接触する。こうして、被処理物の表面処理(ここではクリーニング、エッチング)が行われる。
図5に示すように、インクジェットヘッド100に対して、+Z方向(後面)から−Z方向へ陽イオンが直進する指向性の高いプラズマ処理が行われる。しかし、配線基板3のテーパー部321により、接着層24,34そのものや接着層24,34のはみ出し部分に陽イオンが衝突されなく、接着層24,34がエッチングされない。また、撥液層23が、基材部22の前面にあるため、撥液層23に陽イオンが衝突されなく、撥液層23がエッチングされない。
そして、製造者は、ステップS16でプラズマ処理されたインクジェットヘッド100の配線基板3の前面の配線電極33A,33Bと、第3の部材としてのFPC4の配線電極とを位置合わせして、AFC(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)を用いた加熱圧着接合を実施し、また配線基板3の後面に第2の部材としてのインクマニホールド(図示略)を接合してインクジェットヘッド100を作製し(ステップS17)、第1のインクジェット製造処理を終了する。
以上、本実施の形態によれば、インクジェットヘッドの製造方法は、一部の面がインク流路を形成し有機物としての接着層24,34及び撥液層23を有するインクジェットヘッド100(FPC4貼付前)に、接着層24,34及び撥液層23に当たらない方向から指向性(直進性)の高いプラズマ処理を実施するプラズマ処理工程(ステップS16)と、インクジェットヘッド100のプラズマ処理が実施された面とインクマニホールドとを接合する接合工程(ステップS17)と、を含む。
このため、インクジェットヘッド100の後面側から指向性の高いプラズマ処理を実施し、その際プラズマの陽イオンの直進方向に接着層24,34及び撥液層23がないチップ構造にする。よって、プラズマ処理による接着層24,34及び撥液層23の成分の飛散による、インク流路の汚染を防ぐことができ、プラズマ処理によりインクジェットヘッド100とインクマニホールドとの接合信頼性を高めることができるとともに、インク流路内のインク濡れ性低下を防ぐことができる。
また、インクジェットヘッド100のプラズマ処理が実施されていない面とFPC4とを接合する。このため、プラズマ処理による接着層24,34及び撥液層23の成分の飛散による、配線電極33A,33B、駆動電極14、接続電極15A,15Bの汚染を防ぐことができ、インクジェットヘッド100とFPC4との接合信頼性を高めることができる。
また、インクジェットヘッド100の配線基板3は、プラズマ処理により移動される陽イオンを接着層24,34及び撥液層23から遮蔽するテーパー部321を有する。このため、プラズマ処理による接着層24,34及び撥液層23の成分の飛散及び汚染をより防ぐことができ、またプラズマ処理時にインクジェットヘッド100を傾けるなどの作業負担を低減できる。
また、プラズマ処理は、反応性イオンエッチングのプラズマ処理である。このため、指向性の高いプラズマ処理を実施できる。
また、配線基板3は、アルミの配線電極33A,33Bを有する。アルミは、他の材料よりも、有機物の成分飛散により汚染しやすいので、その汚染を防ぐことにより、インクジェットヘッド100とFPC4との接合信頼性をより高めることができる。
また、接着層24,34は、フッ素系化合物を含む。フッ素系化合物は、他の有機物よりも、成分飛散により部材を汚染しやすいので、その汚染を防ぐことにより、インク流路内のインク濡れ性低下を防ぐことと、インクジェットヘッド100とFPC4との接合信頼性をより高めることができる。
また、フッ素系化合物は、熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物であるとすることができる。また、熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物は、主鎖中にフッ素化ポリエーテル骨格を有するポリマーを主成分として含むこととすることができる。また、フッ素化ポリエーテル骨格は、パーフルオロポリエーテルの繰り返し単位(−C2×aO−[aは1以上6以下の範囲の整数である])を20以上600以下の範囲の整数回繰り返し含むパーフルオロポリエーテル骨格であるとすることができる。
(変形例)
図8を参照して、上記第1の実施の形態の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記第1の実施の形態のインクジェット記録装置1000において、インクジェットヘッド100を、インクジェットヘッド100Cに代えたものとする。このため、上記第1の実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図8は、プラズマ処理が実施されている状態のインクジェットヘッド100Cを示す断面図である。図8に示すように、インクジェットヘッド100Cは、ヘッドチップ1C、ノズルプレート2C、配線基板3Cなどを有する。ヘッドチップ1Cは、ヘッドチップ1と同様であるが、チャネルとして、ダミーチャネルを有さず、駆動チャネル11Cのみを有するヘッドチップである。ノズルプレート2Cは、ノズルプレート2と同様であるが、駆動チャネル11Cに対応する部分に、ノズル21が形成された基材部22Cを有する。
配線基板3Cは、配線基板3と同様であるが、XY平面のほぼ中央部分に1つの貫通穴32Cを有し、貫通穴32Cの周囲に、テーパー部321Cを有する。貫通穴32Cは、ヘッドチップ1Cの全ての駆動チャネル11Cの後面側の開口を露呈できる程度の大きさとした。テーパー部321Cは、後面から前面への−Z方向に沿って、貫通穴32Cの開口面積が大きくなるように構成されている。
次に、インクジェットヘッド100Cの製造方法を説明する。インクジェットヘッド100Cの製造は、図6に示す第1のインクジェットヘッド製造処理と同様の処理によりインクジェットヘッド100Cが製造され、異なる部分を主として説明する。
先ず、第1のインクジェットヘッド製造処理のステップS11,S12が実行される。ただし、ステップS11では、ヘッドチップ1Cが作製され、ステップS12では、配線基板3Cが作製されて貼り合わされる。ステップS13で、製造者は、ポリイミド製シートにエキシマーレーザーを用いてノズル穴を加工した後に外形を抜いて、ノズル21を有する基材部22Cを形成する。ここでは、基材部22Cの材料を、ポリイミドとするが、シリコン、金属材料、他の樹脂材料としてもよい。
ステップS14では、ノズル21、撥液層23が形成されたノズルプレート2Cが作製される。ステップS15では、配線基板3Cが作製されて、ノズルプレート2Cに貼り合わされる。
そして、ステップS16で、製造者は、図7に示すプラズマ処理装置80を用いて、ステップS15で作製された第1の部材としてのインクジェットヘッド100Cの配線基板3の後面側から、RIEモードによるプラズマ処理を実施する。ステップS16では、インクジェットヘッド100Cの後面から前面への−Z方向から傾き角θaだけ傾けてプラズマ処理が実施される。
傾き角θaは、チャネル長:幅がなす角度θLを用いて、次式(1)を満たす必要がある。
θa>90°−θL=90°−tan−1(L1/L2) …(1)
ただし、L1:インクチャネル(駆動チャネル11C)のチャネル長(Z方向の長さ)、L2:インクチャネルのチャネル幅(X方向の長さ)、である。また、チャネル長L1、チャネル幅L2、角度θLは、図8に示される。
配線基板3Cが庇形状のテーパー部を有していないが、傾き角θaが式(1)を満たすことにより、プラズマ処理の陽イオンが接着層24,34に衝突せず、接着層24がエッチングされない。また、撥液層23もエッチングされない。そして、ステップS16が実行され、FPC4及びインクマニホールド(図示略)を有するインクジェットヘッド100Cが作製される。そして、第1のインクジェットヘッド製造処理のステップS11,S17が実行される。
以上、本変形例によれば、プラズマ処理工程(ステップS16)において、プラズマ処理により移動される陽イオンの移動方向と、接着層24,34及び撥液層23への方向とが異なるようにインクジェットヘッド100Cを傾ける。このため、プラズマ処理による接着層24,34及び撥液層23の成分の飛散による、インク流路及び配線電極、駆動電極14、接続電極15A,15Bの汚染を防ぐことができ、プラズマ処理によりインクジェットヘッド100Cとインクマニホールドとの接合信頼性を高めるとともに、インク流路内のインク濡れ性低下を防ぐことができ、インクジェットヘッド100CとFPC4との接合信頼性を高めることができる。
(第2の実施の形態)
図9〜図12を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の装置構成は、上記第1の実施の形態と同様に、インクジェット記録装置1000を用いるものとするが、せん断モード型のインクジェットヘッド100を、ベンドモード型のインクジェットヘッド1Dに代えるものとする。
ここで、図9、図10を参照して、インクジェットヘッド1Dの構成を説明する。図9は、本実施の形態のインクジェットヘッド1Dの斜視図である。図10は、インクジェットヘッド1Dの要部断面図である。これらの図に示すように、インクジェットヘッド1Dの下端には、インクを吐出する複数のノズル11DがX方向及びY方向に配列された積層部材2Dが取り付けられている。
積層部材2Dは、上下方向である矢印Zの方向(以下、積層方向Zという)に多層状に積層されて形成されており、その上側には、共通インク室形成部材6Dが接合されており、積層部材2Dと共通インク室形成部材6Dとで形成される空間によって、複数のノズル11Dにインクを供給する共通インク室3Dが配設されている。また、積層部材2Dの上側であってX方向の両端部には、後述の圧電素子42Dを駆動するためのフレキシブル基板4D及びドライバー5Dが配設されている。
図11は、積層部材2Dの断面図である。なお、図11は、1個のノズル11Dに係る構成要素のみを図示しているが、積層部材2Dを構成する層部材自体を除く各構成要素は、複数のノズル11Dに個別に対応して複数設けられている。図11に示すように、積層部材2Dは、ノズルプレート層10D、中間プレート層20D、ボディプレート層30D、保護基板40D、配線層50D及び保護層60Dの6つの層部材が、積層方向Zへこの順に積層されて構成されている。
このうち、ノズルプレート層10Dは、積層部材2Dの最下層に位置している。ノズルプレート層10Dは、−Z方向に、シリコン製の基板である基材部12D、撥液層13Dを順に有する。ノズルプレート層10Dには、複数のノズル11Dが形成されている。ノズル11Dは、X方向に例えば8個並設されてノズル列を構成しており、このノズル列がY方向に8列並設されてノズルグループを構成している。より詳しくは、ノズルグループは、全てのノズル列における各ノズル11DのX方向の位置が1列おきに僅かずつ重なるとともに、全体として全てのノズル11DのX方向の位置が僅かずつ重なるように、各ノズル11DのX方向の位置をずらして構成されている。そして、このノズルグループがY方向に2組並設されている。
中間プレート層20Dは、ガラス製の基板であり、図11に示すように、ノズルプレート層10Dの上面に積層され、接合されている。中間プレート層20Dには、ノズルプレート層10Dのノズル11Dと連通する貫通孔201Dが積層方向Zに形成されている。
ボディプレート層30Dは、圧力室層31Dと振動板32Dとから構成されている。圧力室層31Dは、シリコン製の基板であり、中間プレート層20Dの上面に積層され、接合されている。圧力室層31Dには、ノズル11Dから吐出されるインクに吐出圧力を付与する圧力室311Dが、圧力室層31Dを積層方向Zへ貫通するように形成されている。圧力室311Dは、貫通孔201D及びノズル11Dの上方に設けられ、これら貫通孔201D及びノズル11Dと連通している。
また、圧力室層31Dには、圧力室311Dと連通する連通孔312Dが、圧力室層31Dを貫通しつつ水平方向に延在するように形成されている。振動板32Dは、圧力室311Dの開口を覆うように圧力室層31Dの上面に積層され、接合されている。すなわち、振動板32Dは、圧力室311Dの上壁部を構成している。振動板32Dの表面には、酸化膜が形成されている。また、振動板32Dには、連通孔312Dと連通する貫通孔321Dが積層方向Zに形成されている。
保護基板40Dは、例えば、42アロイにより構成された基板であり、圧電素子42Dなどを収容する空間部41Dが形成されている。また、保護基板40Dには、空間部41Dとは独立して、上下方向に貫通する供給流路としての貫通孔401Dが形成されており、共通インク室3Dと圧力室311Dとを連通している。
圧電素子42Dは、圧力室311Dと略同一の平面視形状に形成され、振動板32Dを挟んで圧力室311Dと対向する位置に設けられている。この圧電素子42Dは、振動板32Dを変形させるためのPZTからなるアクチュエーターである。また、圧電素子42Dには、上面及び下面に2つの電極421D,422Dが設けられており、このうち下面側の電極422Dが振動板32Dに接続されている。
配線層50Dは、シリコン製の基板であるインターポーザー51Dを備えている。インターポーザー51Dの下面には、2層の酸化ケイ素の絶縁層52D,53Dが被覆され、上面には、同じく酸化ケイ素の絶縁層54Dが被覆されている。そして、絶縁層52D,53Dのうち下方に位置する絶縁層53Dが、保護基板40Dの上面に積層され、接合されている。
インターポーザー51Dには、スルーホール511Dが積層方向Zに形成されており、このスルーホール511Dには、貫通電極55Dが挿通されている。貫通電極55Dの下端には、水平方向に延在するアルミ基板56Dの一端が接続されており、このアルミ基板56Dの他端には、スタッドバンプ561Dが設けられ、スタッドバンプ561Dが空間部41D内に露出した半田423Dを介して圧電素子42D上面の電極421Dに接続されている。また、アルミ基板56Dは、インターポーザー51D下面の2層の絶縁層52D,53Dによって挟まれて保護されている。
また、インターポーザー51Dには、保護基板40Dの貫通孔401Dと連通するインレット512Dが、インターポーザー51Dを積層方向Zへ貫通するように形成されている。インレット512Dは、インレット512Dと連通する連通孔312D、貫通孔321D,401D、及び保護層60Dの貫通孔601Dのいずれよりも小さい断面積(開口面積)に形成されている。なお、絶縁層52D〜54Dのうちインレット512D近傍を被覆する各部分は、インレット512Dよりも大きい開口径に形成されている。
保護層60Dは、配線層50Dの上面に配設された銅基板61Dを覆いつつ、インターポーザー51Dの絶縁層54Dの上面に積層され、接合されている。保護層60Dは、上方の共通インク室形成部材6Dが積層部材2Dと接着されるとともに、銅基板61Dを保護する保護層となっている。保護層60Dは、例えば、酸化ケイ素、酸化タンタルなどの無機保護膜からなる。銅基板61Dは、水平方向に延在されて、一端が貫通電極55Dの上端に接続されるとともに、他端が上述のフレキシブル基板4Dに接続されている(図10参照)。また、保護層60Dには、インレット512Dと連通する貫通孔601Dが積層方向Zへ形成されている。
銅基板61D、貫通電極55Dは、銅製であるものとするが、これに限定されるものではなく、アルミなど、他の金属製としてもよい。
ここで、連通孔312D、貫通孔321D,401D,601D及びインレット512Dは、共通インク室3Dと圧力室311Dとを連通する個別流路70Dを構成している。このうち、インレット512Dは、上述のように、個別流路70Dにおける最小の断面積を有する絞り部となっている。インレット512Dは、断面積がインクのリフィル性、長さが吐出効率に影響するため、高精度な形状に形成される必要がある。
以上の構成を具備するインクジェットヘッド1Dでは、共通インク室3D内のインクが個別流路70Dを通じて圧力室311Dに供給される。そして、ドライバー5Dからの駆動信号に応じて、フレキシブル基板4D、銅基板61D、貫通電極55D及びアルミ基板56Dを通じて電極421D,422D間に電圧が印加されると、電極421D,422Dに挟まれた圧電素子42Dが振動板32Dとともに変形し、圧力室311D内のインクが押し出されてノズル11Dから吐出される。
本実施の形態では、共通インク室形成部材6Dを積層部材2Dに接合する前にプラズマ処理を行うが、インターポーザー51Dのスルーホール511Dの径が狭いゆえに、これがひさしの役割を果たす。また、インターポーザー51Dのインクの流路は、インレット512Dに限定されるものではなく、図11に点線で示したテーパー形状(略円錐状)のインレット513Dなどとしてもよい。インレット513Dは、−Z方向に行くにつれて、XY平面の開口面積が小さくなる構造を有し、貫通孔401Dの開口面積より小さい。
次に、図12を参照して、インクジェットヘッド1Dの製造方法を説明する。図12は、第2のインクジェットヘッド製造処理を示すフローチャートである。
先ず、製造者は、例えばシリコンウエハにドライエッチングプロセスでノズル穴及び外形を加工して、ノズル11Dを有する基材部12Dを形成する(ステップS21)。ここでは、基材部12Dの材料を、シリコンとするが、金属材料、樹脂材料としてもよい。そして、製造者は、ステップS13で形成された基材部22に、撥液処理剤として例えばオプツールをディップ塗布し、全面に撥液層を形成し、前面(ノズル面)側をテープで保護し、後面の撥液層をプラズマ処理で除去してテープを剥離し、撥液層13Dを有するノズルプレート層10Dを作製する(ステップS22)。
そして、製造者は、ステップS22で作製されたノズルプレート層10D、予め作製された中間プレート層20D、ボディプレート層30D、保護基板40D(スペーサー部材)をそれぞれ接着剤(例えば信越化学工業社製「SIFEL2614」)を用いて接合し積層部材2Dの一部としてのチップを作製する(ステップS23)。
そして、製造者は、予め作製された配線層50Dにドライプロセスなどにより保護層60Dを成膜し、ステップS23で作製されたチップに対して、接着剤(例えば信越化学工業社製「SIFEL2614」)を用いて、保護層60Dが成膜された配線層50Dを接合し、積層部材2Dを作製する(ステップS24)。ステップS23において、配線層50Dのインレット512Dは、ドライエッチングプロセスによって形成されるが、インレット512Dの開口面積が、必ず保護基板40Dの貫通孔401Dの開口面積より狭くなるように形成される。これは、インレット513Dが形成される場合も同様である。
そして、製造者は、図7に示すプラズマ処理装置80を用いて、ステップS24で作製された第1の部材としての積層部材2Dの後面側から前面への−Z方向に、RIEモードによるプラズマ処理を実施する(ステップS25)。図11に示すように、積層部材2Dに対して、+Z方向(後面)から−Z方向への指向性の高いプラズマ処理が行われる。しかし、インレット512Dにより、ボディプレート層30Dと保護基板40Dとの間の有機物を含む接着層、中間プレート層20Dとボディプレート層30Dとの間の有機物を含む接着層や、それらの接着層のはみ出し部分に陽イオンが衝突されなく、接着層がエッチングされない。また、撥液層13Dが積層部材2Dの前面にあるため、撥液層13Dに陽イオンが衝突されなく、撥液層13Dがエッチングされない。
そして、製造者は、ステップS25でプラズマ処理された積層部材2Dの後面の配線電極と、第2の部材としてのFPC4Dの配線電極とを位置合わせして、AFCを用いた加熱圧着接合を実施し、また積層部材2Dの後面に第2の部材としての共通インク室形成部材6Dを接合してインクジェットヘッド1Dを作製し(ステップS26)、第2のインクジェット製造処理を終了する。
以上、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、プラズマ処理による積層部材2Dの各層の接着層及び撥液層13Dの成分の飛散による、インク流路(個別流路70D)及び銅基板61D、貫通電極55Dの汚染を防ぐことができ、プラズマ処理によりインクジェットヘッド1Dと共通インク室形成部材6D、FPC4Dとの接合信頼性を高めることができるとともに、インク流路内のインク濡れ性低下を防ぐことができ。
また、積層部材2Dは、プラズマ処理により移動される陽イオンを積層部材2Dの各層の接着層及び撥液層13Dから遮蔽する構造の遮蔽部としてのインフレット152Dを有する。このため、プラズマ処理による積層部材2Dの各層の接着層及び撥液層13Dの成分の飛散及び汚染をより防ぐことができ、またプラズマ処理時にインクジェットヘッド1Dを傾けるなどの作業負担を低減できる。
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適なインクジェットヘッドの製造方法の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び変形例の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例においては、インクジェットヘッドにおいて、プラズマ処理を避ける(陽イオンの衝突を避ける)対象の有機物として、フッ素系化合物含む接着剤(接着層)を説明したが、これに限定されるものではない。上記接着剤の有機物としては、基板に液状で塗布して加熱、紫外線エネルギーなどによって硬化可能なエポキシ樹脂、ポリイミド(PI)樹脂でもよい。また、プラズマ処理を避ける対象の有機物としては、接着剤に限定されるものではなく、成形品であってもよい。プラズマ処理を避ける対象の成形品の上記有機物の材料は、例えば、ポリプロピレン樹脂及びポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコン樹脂、酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ブタジエンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素系ゴムなどが挙げられる。インクと接液をする部材の上記有機物の材料は、耐インク性が高いフッ素系樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)樹脂が好ましい。
また、上記実施の形態及び変形例においては、有機物を有する部材としてのインクジェットヘッド100,100C、積層部材2Dにプラズマ処理を実施する構成としたが、これに限定されるものではない。有機物を有する部材に接合する部材としての、インクマニホールド、共通インク室形成部材にもプラズマ処理を実施する構成としてもよい。
また、以上の実施の形態及び変形例におけるインクジェット記録装置1000を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1000 インクジェット記録装置
100 インクジェットヘッド
1 ヘッドチップ
11A,11B 駆動チャネル
12A,12B ダミーチャネル
13 駆動壁
14 駆動電極
15A,15B 接続電極
2 ノズルプレート
21 ノズル
22 基材部
23 撥液層
24 接着層
3 配線基板
31 接合領域
32A,32B 貫通穴
321 テーパー部
33A,33B 配線電極
34 接着層
80 プラズマ処理装置
81 反応室
811 流入口
812 流出口
82 高周波電源
83 ブロッキングコンデンサー
84 平面電極
85 対向電極
86 接地部
200 搬送部
210,240 ロール
220,230 ローラー
300 画像形成部
310 ラインヘッド
320 照射部
330 キャリッジ
330a キャリッジヒーター
400 インク供給部
410 インクタンク
420 ポンプ
430 インクチューブ
440 サブタンク
440a フロートセンサー
450 インクチューブ
460 ヒーター
500 制御部
R 記録媒体
100C インクジェットヘッド
1C ヘッドチップ
2C ノズルプレート
22C 基材部
3C 配線基板
32C 貫通穴
321C テーパー部
11C 駆動チャネル
1D インクジェットヘッド
2D 積層部材
3D 共通インク室
5D ドライバー
6D 共通インク室形成部材
10D ノズルプレート層
11D ノズル
12D 基材部
13D 撥液層
20D 中間プレート層
201D 貫通孔
30D ボディプレート層
31D 圧力室層
311D 圧力室
312D 連通孔
32D 振動板
321D 貫通孔
40D 保護基板
401D 貫通孔
41D 空間部
42D 圧電素子
421D,422D 電極
423D 半田
50D 配線層
51D インターポーザー
511D スルーホール
512D,513D インレット
52D,53D,54D 絶縁層
55D 貫通電極
56D アルミ基板
561D スタッドバンプ
60D 保護層
601D 貫通孔
61D 銅基板
70D 個別流路

Claims (11)

  1. 一部の面がインク流路を形成し有機物を有する第1の部材に、前記有機物に当たらない方向から指向性の高いプラズマ処理を実施するプラズマ処理工程と、
    前記第1の部材の前記プラズマ処理が実施された面と第2の部材とを接合する接合工程と、を含むインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記接合工程において、前記第1の部材の前記プラズマ処理が実施されていない面と第3の部材とを接合する請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記第1の部材は、前記プラズマ処理により移動されるイオンを前記有機物から遮蔽する遮蔽部を有する請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記プラズマ処理工程において、前記プラズマ処理により移動されるイオンの移動方向と前記有機物への方向とが異なるように前記第1の部材を傾ける請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記プラズマ処理は、反応性イオンエッチングのプラズマ処理である請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記第1の部材は、配線基板を含む請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記配線基板は、アルミの電極を有する請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記有機物は、フッ素系化合物を含む請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記フッ素系化合物は、熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物である請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記熱硬化性を示すフッ素系のゴム組成物は、主鎖中にフッ素化ポリエーテル骨格を有するポリマーを主成分として含む請求項9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記フッ素化ポリエーテル骨格は、パーフルオロポリエーテルの繰り返し単位(−C2×aO−[aは1以上6以下の範囲の整数である])を20以上600以下の範囲の整数回繰り返し含むパーフルオロポリエーテル骨格である請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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