JP2015166158A - 接合方法、接合体の製造装置および接合体 - Google Patents

接合方法、接合体の製造装置および接合体 Download PDF

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智弘 林
Toshihiro Hayashi
智弘 林
松尾 泰秀
Yasuhide Matsuo
泰秀 松尾
賢治 大塚
Kenji Otsuka
賢治 大塚
峰宏 今村
Minehiro Imamura
峰宏 今村
寛之 ▲土▼屋
寛之 ▲土▼屋
Hiroyuki Tsuchiya
慧 忠地
Satoshi Tadachi
慧 忠地
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Abstract

【課題】接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合方法および接合体の製造装置を提供する。また、接合部付近の親水性が高い接合体を提供する。【解決手段】接合方法は、部材P1、P2に接合材料P3を付与する接合材料付与工程M1と、前記接合材料P3にプラズマ処理を施すプラズマ処理工程M3と、を有する接合方法および接合体の製造装置M100であって、前記接合材料は、シリコーン系接着剤であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、接合方法、接合体の製造装置および接合体に関する。
各種部材の接合には、接着剤が広く用いられている。
インクジェットヘッドの構成部品のように微細な構造を有する部材の接合においては、接着剤をフィルムに塗布した後、接合させるべき部材に接着剤を転写する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の方法では、接合部付近での親液性が低いものとなってしまうという問題があった。
特開2009−136762号公報
本発明の目的は、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合方法を提供すること、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合体の製造装置を提供すること、また、接合部付近の親水性が高い接合体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の接合方法は、部材に接合材料を付与する接合材料付与工程と、
前記接合材料にプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
を有する接合方法であって、
前記接合材料は、シリコーン系接着剤であることを特徴とする。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合方法を提供することができる。
本発明の接合方法では、前記部材に付与される前記接合材料の厚さは、0.2μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
これにより、接合体における接合強度を特に優れたものとすることができるとともに、第1の部材および第2の部材が親水性液体の流路を構成する場合において、より確実に当該液体の流れを円滑なものとすることができる。また、最終的に得られる接合体において、目的の部位からの接合部のはみ出し等をより効果的に抑制することができる。
本発明の接合方法では、前記部材および前記第2の部材は、親水性液体の流路を構成するものであることが好ましい。
これにより、流路における液体の円滑な流れを確保することができる。
本発明の接合方法では、前記部材の前記接合材料が付与されるべき部位は、管構造を有する部位に隣接するものであることが好ましい。
このような構造を有する部材を接合する場合、毛細管現象(キャピラリー効果)により、接合材料のはみ出し等が発生しやすく、従来においては、このような接合材料のはみ出し等が接合部付近の撥液性に大きな影響を与えることが多かった。これに対し、本発明では、このような構造を有する部材を接合する場合であっても、接合部付近の撥液性にかかる問題の発生を効果的に防止することができる。すなわち、第1の部材の接合材料が付与されるべき部位が管構造を有する部位に隣接するものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
本発明の接合方法では、接合体はインクジェットヘッドであることが好ましい。
インクジェットヘッドは、微細な構造を有するものであり、ノズルのような細いインク流路を有するものである。このようなインクジェットヘッドにおいて、接合部付近に、撥液性(疎水性)の領域があると、当該部位に気泡が付着し、安定的な液滴吐出が困難になる、目詰まりが発生しやすくなる等の問題を生じる。これに対し、本発明では、インクジェットヘッドに適用した場合であっても、前記の問題の発生を効果的に防止することができる。以上のようなことから、インクジェットヘッドに適用される場合に、本発明の効果はより顕著に発揮される。
本発明の接合体の製造装置は、本発明の方法を行うものであることを特徴とする。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合体の製造装置を提供することができる。
本発明の接合体の製造装置は、部材に接合材料を付与する接合材料付与部と、
前記接合材料にプラズマ処理を施すプラズマ処理部と、
を備えた接合体の製造装置であって、
前記接合材料は、シリコーン系接着剤であることを特徴とする。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる接合体の製造装置を提供することができる。
本発明の接合体は、本発明の接合方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を提供することができる。
本発明の接合体は、本発明の製造装置を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を提供することができる。
本発明の接合体の製造装置の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明を適用したインクジェットヘッドの好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明を適用したインクジェットヘッドの他の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 図3に示すインクジェットヘッドのケースの底面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《接合体の製造装置、接合方法》
まず、本発明の接合体の製造装置、および、接合方法について説明する。
図1は、本発明の接合体の製造装置の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、接合体P10の製造装置M100は、第1の部材P1に接合材料P3を付与する接合材料付与部M1と、第1の部材P1に付与された接合材料P3を仮硬化させる仮硬化処理部M2と、接合材料P3にプラズマ処理を施すプラズマ処理部M3と、接合材料P3を硬化(本硬化)させることにより、接合材料P3が硬化してなる接合部P5を介して第1の部材P1と第2の部材P2とを接合する接合処理部(本硬化処理部)M4とを備えている。
そして、接合材料付与部M1において接合材料付与工程を行い、仮硬化処理部M2において仮硬化処理工程を行い、プラズマ処理部M3においてプラズマ処理工程(親水化工程)を行い、接合処理部(本硬化処理部)M4において接合処理工程(本硬化処理工程)を行う。
このように、本発明では、接合部の形成に先立って、接合材料にプラズマ処理を施す点に特徴を有する。これにより、接合材料の親水性が向上し、接合材料を用いて形成される接合部の親水性も高いものとなる。その結果、接合体の接合部付近の親水性を高いものとすることができる。したがって、得られる接合体において、接合部付近が撥液性であること(親水性が低いこと)による不都合の発生を効果的に防止することができる。
より具体的には、例えば、第1の部材および第2の部材が親水性液体の流路を構成するものである場合、第1の部材と第2の部材とを接合する接合部の親水性が低いものであると、当該液体の円滑な流れを阻害することとなるが、本発明によれば、このような問題の発生を効果的に防止することができ、当該液体の円滑な流れを確保することができる。
なお、本発明において、親水性液体とは、水との親和性の高い液体のことをいい、例えば、25℃における水100gに対する溶解度が10g以上の液体からなるもの、または、当該液体を溶媒または分散媒として含む液体であるのが好ましい。
以下の説明では、第1の部材P1および第2の部材P2が親水性液体の流路を構成するものである場合について中心的に説明する。
接合材料付与部M1は、接合材料P3を転写媒体P4上に付与し膜を形成する成膜部M11と、接合材料P3を第1の部材P1に転写する転写部M12とを備えている。
成膜部M11は、転写媒体P4に接合材料P3を付与する接合材料付与手段M111と、接合材料付与手段M111により付与された接合材料P3を平坦化し、膜状とする平坦化手段(スキージー)M112と、平坦化する際に転写媒体P4を平坦化手段(スキージー)M12が設けられた側の面とは反対の面側から支持する支持部材(支持台)M113とを備えている。
平坦化手段(スキージー)M112は、接合材料付与手段M111により付与された接合材料P3を平坦化し、膜状とする機能を有する。
支持部材(支持台)M113は、平坦化する際に、転写媒体P4を、平坦化手段(スキージー)M112が設けられた側の面とは反対の面側から支持する機能を有する。
これにより、成膜時における転写媒体P4の不本意な変形(撓み)を効果的に防止することができ、形成される接合材料P3の膜を、より確実に膜厚の均一性の高いものとすることができる。
転写部M12は、接合材料P3と第1の部材P1とが接触するように転写媒体P4を押圧する押圧手段M121と、接合材料P3を第1の部材P1に転写する際に、第1の部材P1を、押圧手段M121が設けられた側の面とは反対の面側から支持する支持部材(転写台)M122とを備えている。
押圧手段M121による押圧は、転写媒体P4上の転写すべき接合材料P3と、第1の部材P1の目的の部位(接合部P5を形成すべき部位)とが接触するように位置合わせをした状態で行う。
接合材料P3は、硬化性を有する接着剤成分を含むものである。
接合材料P3を構成する接着剤としては、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤(例えば、メチル系シリコーンレジン、フェニル系シリコーンレジン、メチルフェニル系シリコーンレジン等の縮合型のシリコーンレジンを含むもの等)等が挙げられるが、シリコーン系接着剤であるのが好ましい。
これにより、接合体P10において、長期間にわたって安定的に優れた接合強度を発揮することができ、接合体P10の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。また、従来においては、シリコーン系接着剤は、各種接着剤の中でも特に疎水性が高く、親水性が求められる部位の接合には用いることができないという問題点があったが、本発明では、シリコーン系接着剤を用いた場合、前記のようなシリコーン系接着剤を用いることによる利益を享受しつつ、接合部付近の親水性を十分に優れたものとすることができる。したがって、接合材料P3がシリコーン系接着剤を含む場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
接合材料P3は、接着剤成分以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、溶剤、硬化剤、架橋剤、触媒、重合開始剤、重合禁止剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤等が挙げられる。
触媒としては、例えば、Pt触媒、Al錯体、Fe錯体、ロジウム錯体等を用いることができる。
重合禁止剤を含むことにより、仮硬化処理での硬化度(重合度)の調整が容易となる。
転写媒体P4は、ローラー(送り出しローラー)M13により送り出され、ローラー(巻取りローラー)M14により巻き取られるように構成されている。ローラーの駆動は、例えば、モーターにより好適に行うことができる。
転写媒体P4の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、シクロオレフィンポリマー(COP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートは、比較的安価であるとともに、適度な可撓性を有しており、取り扱い性(取り扱いのしやすさ)に優れている。
これにより、接合材料P3の離型性を優れたものとし、転写の処理をより円滑に行うことができ、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
転写媒体P4の厚さは、特に限定されないが、50μm以上2000μm以下であるのが好ましく、100μm以上800μm以下であるのがより好ましい。
接合材料付与工程で第1の部材P1に付与される接合材料P3の厚さ(転写される接合材料P3の厚さ)は、0.2μm以上10.0μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上1.0μm以下であるのがより好ましい。
これにより、接合体P10における接合強度を特に優れたものとすることができるとともに、第1の部材P1および第2の部材P2が親水性液体の流路を構成する場合において、より確実に当該液体の流れを円滑なものとすることができる。また、最終的に得られる接合体P10において、目的の部位からの接合部P5のはみ出し等をより効果的に抑制することができる。
第1の部材P1の接合材料P3が付与されるべき部位の幅は、5.0μm以上50μm以下であるのが好ましく、7.0μm以上30μm以下であるのがより好ましい。
このように、接合材料が付与される部位(接合されるべき部位)の幅が小さい場合、接合材料のはみ出し等が発生しやすく、従来においては、このような接合材料のはみ出し等が接合部付近の撥液性に大きな影響を与えることが多かった。これに対し、本発明では、このように接合材料が付与される部位(接合されるべき部位)の幅が小さい場合であっても、接合部付近の撥液性にかかる問題の発生を効果的に防止することができる。すなわち、第1の部材P1の接合材料P3が付与されるべき部位の幅が前記範囲内の値である場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
また、第1の部材P1の接合材料P3が付与されるべき部位は、管構造を有する部位に隣接するものであるのが好ましい。
このような構造を有する部材を接合する場合、毛細管現象(キャピラリー効果)により、接合材料のはみ出し等が発生しやすく、従来においては、このような接合材料のはみ出し等が接合部付近の撥液性に大きな影響を与えることが多かった。これに対し、本発明では、このような構造を有する部材を接合する場合であっても、接合部付近の撥液性にかかる問題の発生を効果的に防止することができる。すなわち、第1の部材P1の接合材料P3が付与されるべき部位が管構造を有する部位に隣接するものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
仮硬化処理部M2は、仮硬化処理工程を行う領域である。
仮硬化処理が施されることにより、接着剤成分の硬化反応が一部進行し(硬化性樹脂が仮硬化し)、接合材料P3の粘度が上昇し、形状の安定性が向上する。その結果、後の工程において、接合材料P3が不本意な変形をすること等を効果的に防止することができ、最終的に得られる接合体P10において、目的の部位からの接合部P5のはみ出し等をより効果的に防止することができる。
また、最終的に得られる接合体P10において、第1の部材P1と第2の部材P2との接合強度を十分に優れたものとしつつ、接合部P5の親水性を特に優れたものとすることができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、後のプラズマ処理工程においてプラズマ処理が施されることにより、接合材料P3はその表面付近が優先的に親水性の高い状態となる。そして、親水性が高くなった接合材料P3は、接合処理工程で第2の部材P2と接合する際に変形することとなるが、予め仮硬化処理が施されていると、接合材料P3の流動性が低くなっているため、第2の部材P2と接触した後においても、接合材料P3のうち親水性が優先的に高くなっている部分が、接合材料P3内部に潜り込むことが効果的に防止され、表面付近にとどまりやすい。その結果、最終的に得られる接合体P10においても、接合部P5の表面に親水性の高い部分が存在することとなり、接合部P5の親水性を特に優れたものとすることができるものと考えられる。
仮硬化処理部M2は、第1の部材P1に付与された接合材料P3を加熱する加熱手段(ヒーター、仮硬化手段)M21を備えている。
図示の構成では、加熱手段M21が第1の部材P1上の接合材料P3の外表面側(第1の部材P1の搬送手段M5に対向する面とは反対の面側)に設けられており、当該面側から加熱をしているが、加熱手段M21の設置部位は、特に限定されず、第1の部材P1の接合材料P3が付与された面とは反対の面側(背面側)であってもよい。また、複数個の加熱手段M21を用いてもよく、例えば、加熱手段M21は、接合材料P3が付与された転写媒体P4の両面側に配置されていてもよい。
仮硬化処理での加熱温度は、60℃以上150℃以下であるのが好ましく、90℃以上140℃以下であるのがより好ましい。
これにより、仮硬化処理後の接合材料P3の形状の安定性を特に優れたものとしつつ、接合処理工程(本硬化処理工程)での第2の部材P2との接合強度を十分に優れたものとすることができる。また、最終的に得られる接合体P10の接合部P5付近の親水性をさらに優れたものとすることができる。また、仮硬化処理の処理時間を比較的短いものとすることができるため、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、仮硬化処理での加熱時間は、1分間以上30分間以下であるのが好ましく、2分間以上5分間以下であるのがより好ましい。
これにより、仮硬化処理後の接合材料P3の形状の安定性を特に優れたものとしつつ、接合処理工程での第2の部材P2との接合強度を十分に優れたものとすることができるまた、最終的に得られる接合体P10の接合部P5付近の親水性をさらに優れたものとすることができる。また、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、仮硬化処理は、一定の条件で行うものであってもよいし、当該処理中に条件を変化させてもよい。
プラズマ処理部M3は、プラズマ処理工程を行う領域である。
プラズマ処理工程を行うことにより、接合材料P3の親水性が向上する。その結果、最終的に得られる接合体P10を、接合部P5付近の親水性の高いものとすることができる。
また、親水性の向上のための処理をプラズマ処理により行うことにより、親水性の程度の制御を、容易かつ確実に行うことができる。
また、接合前に親水性を向上させる処理を施すため、例えば、接合部が接合体の内部に存在する等、接合体の状態において処理をしにくい部位に接合部を有する場合であっても、容易かつ確実に、当該接合部付近の親水性を高いものとすることができる。
プラズマ処理部M3は、プラズマを照射するプラズマ照射手段M31を備えている。
図示の構成では、大気圧プラズマ装置である。
これにより、真空容器、排気設備を必要とせず、接合体の製造装置の構成を簡単なものとすることができる。
プラズマ処理は、出力:100W以上700W以下、Heガス流量:3slm以上40slm以下、Oガス流量:20sccm以上150sccm以下という条件で行うものであるのが好ましい。
これにより、接着剤成分の不本意な反応をより効果的に防止しつつ、接合材料P3の親水化処理をより効率よく進行させることができる。その結果、接合体P10の生産性をさらに優れたものとし、最終的に得られる接合体P10の接合強度をより確実に優れたものとしつつ、接合部P5付近の親水性をさらに優れたものとすることができる。
上記のように、プラズマ処理時における出力は、前記のように100W以上700W以下であるのが好ましいが、200W以上600W以下であるのがより好ましく、300W以上500W以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、プラズマ処理時におけるHeガス流量は、前記のように3slm以上40slm以下であるのが好ましいが、4slm以上35slm以下であるのがより好ましく、5slm以上30slm以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、プラズマ処理時におけるOガス流量は、前記のように20sccm以上150sccm以下であるのが好ましいが、30sccm以上120sccm以下であるのがより好ましく、40sccm以上100sccm以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、プラズマ処理の処理時間は、0.1秒以上60秒以下であるのが好ましく、0.2秒以上20秒以下であるのがより好ましく、0.3秒以上10秒以下であるのがさらに好ましい。
これにより、接着剤成分の不本意な反応をより効果的に防止しつつ、接合材料P3の親水化処理をより好適な割合で進行させることができる。また、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、プラズマ処理は、一定の条件で行うものであってもよいし、当該処理中に条件を変化させてもよい。
接合処理部(本硬化処理部)M4は、接合処理工程(本硬化処理工程)を行う領域である。
接合処理(本硬化処理)により、接合材料P3を構成する接着剤成分が本硬化し、接合部P5が形成される。これにより、第1の部材P1と第2の部材P2とが接合部P5を介して結合した接合体P10が得られる。
前述したように、接合材料P3は、プラズマ処理が施され、親水性が向上したものであるため、接合処理によって形成される接合部P5も親水性の高いものとなる。
したがって、接合体P10において、接合部P5付近の親水性を高いものとすることができ、接合部P5付近が疎水性(撥液性)であることによる不都合の発生を確実に防止することができる。
また、本実施形態において、第2の部材P2に接触する接合材料P3は、前述した仮硬化処理等により、接着剤成分が仮硬化し、粘度が上昇し、形状の安定性が向上したものである。したがって、第1の部材P1と第2の部材P2との接合時(接合処理工程)において、接合材料P3(接合部P5)が不本意な変形をすること等が効果的に防止され、目的の部位に選択的に接合部P5を設けることができる。また、接合材料P3の形状の安定性が向上しているため、比較的強い圧力で、接合材料P3と第2の部材P2とを密着させても、接合材料P3の不本意な変形を効果的に防止することができる。したがって、第2の部材P2と接合部P5との密着性を特に優れたものとすることができ、第2の部材P2と接合部P5との間に不本意な隙間等が発生することを効果的に防止することができる。したがって、接合体P10全体としての耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
接合処理部M4は、第1の部材P1と第2の部材P2とに挟まれた状態の接合材料P3を加熱する加熱手段(接合手段、本硬化手段)M41と、第1の部材P1に付与された接合材料P3と第2の部材P2とが接触するように第2の部材P2を押圧する押圧手段M42と、押圧手段M42による押圧状態で第1の部材P1を支持する支持部材M43とを備えている。
図示の構成では、加熱手段M41が押圧手段M42と一体的に設けられており、第2の部材P2側から加熱しているが、加熱手段M41の設置部位は、特に限定されず、例えば、押圧手段M42とは独立して設けられたものであってもよい。また、加熱手段M41は、例えば、支持部材M43が設けられた側に設けられたものであってもよい。
接合材料P3と第2の部材P2とを密着させる際の圧力(押圧力)は、0.01MPa以上10MPa以下であるのが好ましく、1MPa以上5MPa以下であるのがより好ましい。
このように押圧力を比較的大きいものとすることにより、接合材料P3と第2の部材P2との密着性、接合材料P3と第1の部材P1との密着性を特に優れたものとすることができる。また、接合処理工程(本硬化処理工程)に先立って、仮硬化処理工程が行われているため、このように押圧力を比較的大きいものとした場合であっても、接合材料P3の不本意な変形は確実に防止される。したがって、最終的に得られる接合体P10において、目的の部位からの接合部P5のはみ出し等をより効果的に防止することができるとともに、接合体P10における接合強度を特に優れたものとすることができる。
接合処理工程での加熱温度は、100℃以上250℃以下であるのが好ましく、120℃以上150℃以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の部材P1、第2の部材P2の構成材料の劣化等を確実に防止しつつ、接合体P10における接合強度を特に優れたものとすることができる。また、接合処理の処理時間を比較的短いものとすることができるため、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、接合処理工程での加熱時間は、1分間以上48時間以下であるのが好ましく、3分間以上60分間以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の部材P1、第2の部材P2の構成材料の劣化等を確実に防止しつつ、接合体P10における接合強度を特に優れたものとすることができる。また、接合体P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、接合処理(本硬化処理)は、一定の条件で行うものであってもよいし、当該処理中に条件を変化させてもよい。例えば、接合処理(本硬化処理)は、温度:T[℃]、圧力:P[Pa]で第1のステップを行った後、Tよりも高い温度:T[℃]、Pより高い圧力P[Pa]で第2のステップを行うものであってもよい。
これにより、接合材料P3(接合部P5)の不本意な変形をより効果的に防止しつつ、接合体P10における第2の部材P2と接合部P5との接合の信頼性、第1の部材P1と接合部P5との接合の信頼性を特に優れたものとし、接合体P10全体としての耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
25℃における接合部P5での水の接触角は、90°以下であるのが好ましく、0°以上80°以下であるのがより好ましく、0°以上70°以下であるのがさらに好ましい。
前述したような本発明の接合体の製造装置、接合方法によれば、接合部付近の親水性が高い接合体を効率よく製造することができる。
《接合体》
次に、本発明の接合体について説明する。
本発明の接合体は、前述したような本発明の接合方法、本発明の接合体の製造装置を用いて製造されたものである。
これにより、接合部付近の親水性が高い接合体を提供することができる。
本発明の接合体は、いかなるものであってもよいが、インクジェットヘッドであるのが好ましい。
インクジェットヘッドは、微細な構造を有するものであり、ノズルのような細いインク流路を有するものである。このようなインクジェットヘッドにおいて、接合部付近に、撥液性(疎水性)の領域があると、当該部位に気泡が付着し、安定的な液滴吐出が困難になる、目詰まりが発生しやすくなる等の問題を生じる。
これに対し、本発明では、インクジェットヘッドに適用した場合であっても、前記の問題の発生を効果的に防止することができる。
以上のようなことから、インクジェットヘッドに適用される場合に、本発明の効果はより顕著に発揮される。
以下、本発明をインクジェットに適用した具体例を挙げて、詳細に説明する。
図2は、本発明を適用したインクジェットヘッドの好適な実施形態を模式的に示す断面図、図3は、本発明を適用したインクジェットヘッドの他の好適な実施形態を模式的に示す断面図、図4は、図3に示すインクジェットヘッドのケースの底面図である。
図2に示すインクジェットヘッド100は、インク溜め87が形成されたシリコン基板81と、シリコン基板81上に形成された振動板82と、振動板82上の所望位置に形成された下電極83と、下電極83上であって、インク溜め87に対応した位置に形成された圧電体薄膜84と、圧電体薄膜84上に形成された上電極85と、シリコン基板81の下面に接合された第2の基板86とを備えている。第2の基板86には、インク溜め87に連通するインク吐出ノズル86Aが設けられている。
このインクジェットヘッド100は、図示しないインク流路を介してインク溜め87にインクが供給される。ここで、下電極83と上電極85とを介して、圧電体薄膜84に電圧を印加すると、圧電体薄膜84が変形してインク溜め87内を負圧にし、インクに圧力を加える。この圧力によって、インクがノズルから吐出され、インクジェット記録を行う。
インクジェットヘッド100は、例えば、Si熱酸化膜を振動板82とし、その上部に、下電極83、圧電体薄膜84、上電極85で構成される薄膜圧電体素子を薄膜プロセスにより一体成形し、かつ、キャビティー(インク溜め)87が形成された単結晶のシリコン基板81からなるチップと、インク吐出するインク吐出ノズル86Aを備えたステンレス製のノズル板(第2の基板)86とが、本発明の接合方法により、接合された構造のものとすることができる。
ここでは、より大きな変位量が稼げるように、圧電体薄膜84としては、例えば、圧電歪定数d31の高い材料として、第3成分としてマグネシウムニオブ酸鉛を添加した3成分系PZTで構成されたものを用いることができる。また、圧電体薄膜84の厚みは、2μm程度とすることができる。
また、図3、図4に示すインクジェットヘッド100は、圧力発生室11を有する流路形成基板10と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル21が穿設されたノズルプレート20と、流路形成基板10のノズルプレート20とは反対側の面に接合された振動部材15とを備えている。また本実施形態のインクジェットヘッド100は、振動部材15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧電素子35を複数有する圧電素子ユニット30と、振動部材15を介して流路形成基板10の一方面に接合されたケース40とを備えている。また、本実施形態では、流路形成基板10に各圧力発生室11の共通液室となるリザーバー13が形成されており、流路形成基板10がリザーバー形成基板にもなっている。
流路形成基板10には、その一方面側の表層部分に、圧力発生室11が隔壁によって区画されてその幅方向で複数並設されている。なお、本実施形態では並設された複数の圧力発生室11からなる列が2列形成されている。また各圧力発生室11の列の外側には、ケース40の液体導入路であるインク導入路41を介してインクが供給されるリザーバー13が、流路形成基板10を厚さ方向に貫通してそれぞれ1つずつ設けられている。
また、リザーバー13と各圧力発生室11とは、インク供給路12を介して連通されており、各圧力発生室11には、インク導入路41、リザーバー13およびインク供給路12を介してインクが供給される。インク供給路12は、本実施形態では、圧力発生室11よりも狭い幅で形成されており、リザーバー13から圧力発生室11に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。
さらに、圧力発生室11のリザーバー13とは反対の端部側には、流路形成基板10を貫通するノズル連通孔14が形成されている。すなわち、本実施形態では、流路形成基板10に液体流路として、リザーバー13、インク供給路12、圧力発生室11およびノズル連通孔14が設けられている。このような流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板10に設けられる上記圧力発生室11やリザーバー13等は、流路形成基板10をエッチングすることによって形成されている。
この流路形成基板10の一方面にはインクを吐出するノズル21が複数穿設されたノズルプレート20が接合され、各ノズル21は、流路形成基板10に設けられたノズル連通孔14を介して各圧力発生室11と連通している。
また、流路形成基板10の他方面、すなわち圧力発生室11の開口面には、振動部材15が接着層17で接合されており、各圧力発生室11はこの振動部材15によって封止されている。なお、振動部材15は、図示するように流路形成基板10の他方面の面積と同程度の面積を備えており、流路形成基板10の他方面全体を覆うように接合されている。
この振動部材15は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜15aと、この弾性膜15aを支持する、例えば、金属材料等からなる支持板15bとの複合板で形成されており、弾性膜15a側が流路形成基板10に接合されている。本実施形態では、弾性膜15aは、厚さが数μm程度のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムからなり、支持板15bは、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。
また、この振動部材15の各圧力発生室11の周縁部に対向する領域は、支持板15bが除去されて実質的に弾性膜15aのみで構成された薄肉部15dとなっている。この薄肉部15dは、圧力発生室11の一方面を画成している。また、この薄肉部15dの内側には、各圧電素子35の先端が当接する支持板15bの一部からなる島部15cがそれぞれ設けられている。また、振動部材15のリザーバー13に対向する領域は、支持板15bが除去されて弾性膜15aのみで構成される振動部16となっている。この振動部16は、リザーバー13内の圧力変化が生じた時に、変形することによって圧力変化を吸収し、リザーバー13内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。そして、かかる振動部材15上に、ケース40が接着層18で接合されている。つまり、本実施形態のケース40は、振動部材15を介して流路形成基板10に接合されている。
ケース40には、図3に示すように、振動部16に対向する位置に、凹部からなる空間部42が設けられている。空間部42は、振動部16の変形を阻害しない程度の高さを備えており、ケース40を貫通する大気開放孔であるケース貫通孔44によって外部空間に連通されている。これにより、空間部42内の圧力は常に外部空間と一定に保たれている。また、ケース40には、薄肉部15dに対向する位置に、かかるケース40を貫通する貫通部からなる圧電素子収容部43が設けられている。また、圧電素子収容部43のインク導入路41側には、段差部45が設けられており、後述する圧電素子ユニット30の固定基板36がこの段差部45に接合される。
また、ケース40の流路形成基板10側とは反対側の面には、後述するフレキシブルプリント基板50の各配線層51がそれぞれ接続される複数の導電パッド71が設けられた配線基板70が固定されている。配線基板70には、ケース40の圧電素子収容部43に対向する領域にスリット状の開口部72が形成されており、圧電素子収容部43は、かかる開口部72により外部空間に連通されている。そして、かかる圧電素子収容部43内に、圧電素子35を備える圧電素子ユニット30が収容されている。
圧電素子ユニット30は、各圧力発生室11に対向して設けられ、圧力発生室11とリザーバー13とを含む液体流路内の圧力を変動させる複数の圧電素子35と、かかる圧電素子35をケース40に取り付ける固定基板36とで構成されている。
各圧電素子35は、本実施形態では一つの圧電素子ユニット30において一体的に形成されている。すなわち、圧電材料31と電極形成材料32,33とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層した圧電素子形成部材34を形成し、この圧電素子形成部材34を各圧力発生室11に対応して櫛歯状に切り分けることによって各圧電素子35が形成されている。つまり、本実施形態では、複数の圧電素子35が一体的に形成されている。そして圧電素子35は、先端部が振動部材15の島部15cに接着剤(接合材料)で接合されるとともに、振動に寄与しない不活性領域となっている基端部側で固定基板36に固着されている。このように圧電素子35が固着された固定基板36は、圧電素子収容部43の段差部45でケース40に接合されている。これにより圧電素子ユニット30は、ケース40の圧電素子収容部43に収容されて固定されている。
なお、固定基板36は、上述のように圧電素子35と一体的に設けられることで、圧電素子ユニット30を構成し、圧電素子ユニット30はケース40に位置決め固定される。このとき、圧電素子35の振動部材15(島部15c)に対する位置合わせは、固定基板36の外周面とケース40の圧電素子収容部43の内面とによって行われる。これにより、脆性材料である圧電素子35を直接把持して位置合わせするのに比べて容易にかつ高精度に位置合わせを行うことができる。
固定基板36を構成する材料は特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、銅、鉄およびステンレス鋼等で好適に構成することができる。そして、かかる圧電素子ユニット30の圧電素子35の基端部近傍には、固定基板36とは反対側の面に、各圧電素子35を駆動するための信号を供給する配線層51を有するフレキシブルプリント基板50が接続されている。
フレキシブルプリント基板50は、フレキシブルプリンティングサーキット(FPC)や、テープキャリアパッケージ(TCP)等からなる。詳しくは、フレキシブルプリント基板50は、例えば、ポリイミド等のベースフィルム52の表面に銅薄等で所定のパターンの配線層51を形成し、配線層51の圧電素子35と接続される端子部等の他の配線と接続される領域以外の領域をレジスト等の絶縁材料で覆ったものである。
このような、フレキシブルプリント基板50の配線層51は、その基端部側で、例えば、半田、異方性導電材等によって圧電素子35を構成する電極形成材料32,33に接続されている。
一方、先端部側では、各配線層51はケース40上に設けられた配線基板70の導電パッド71と電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板50はこの配線基板70の開口部72から圧電素子収容部43の外側に引き出されて、引き出された領域が屈曲されて導電パッド71と接続されている。
そして本実施形態のインクジェットヘッド100では、図4に示すように、圧電素子収容部43と空間部42とが連通路46によって連通されている。
連通路46は、圧電素子収容部43と空間部42とを連通する通路であって、本実施形態では、ケース40の流路形成基板10側の面の一部を除去することでケース40の底面に形成されている。
また、本実施形態の連通路46は、流路形成基板10、振動部材15およびケース40の積層方向において、圧力発生室11を含む流路と重ならない位置に設けられている。具体的には連通路46は、各圧力発生室11の並設方向において、空間部42および圧電素子収容部43の両端部よりも外側の領域に設けられている。
また、連通路46は、空間部42に連続し空間部42の長手方向端部から圧力発生室11の並設方向に沿って外側に延びる第1の連通部46aと、第1の連通部46aに連続し圧力発生室11の長手方向に沿って延びる第2の連通部46bと、第2の連通部46bに連続し圧力発生室11の並設方向に沿って内側に延び圧電素子収容部43に連続する第3の連通部46cとで構成されている。このような連通路46により、圧電素子収容部43および空間部42は連通されている。本実施形態では、連通路46はケース40の流路形成基板10側の面に形成されている。すなわち、連通路46は、ケース40の流路形成基板10側の面に凹部として設けられている。
このような連通路46が設けられていることで、圧電素子収容部43および空間部42が空気の流れる流路を構成することになり、空間部42内の揮発ガスが比較的容易に外部空間に排出される。
このようなインクジェットヘッド100では、圧電素子35および振動部材15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させることで、各ノズル21からインク滴を吐出させている。具体的には、図示しない液体貯留手段から液体導入路であるインク導入路41を介してリザーバー13にインクが供給されると、インク供給路12を介して各圧力発生室11にインクが分配される。そして、図示しない駆動回路からの駆動信号によって所定の圧電素子35に電圧を印加および解除することによって、圧電素子35を収縮および伸張させて圧力発生室11に圧力変化を生じさせ、ノズル21からインクを吐出させる。
上記のようなインクジェットヘッドの構成部材を接合する接合部の形成に本発明を適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、ローラーによって搬送される転写媒体等を用いて、連続処理を行う構成について説明したが、本発明では、バッチ処理を行うものであってもよい。
また、本発明の製造装置において、各構成の配置は、前述したようなものに限定されない。
また、前述した実施形態では、仮硬化手段、本硬化手段として、異なる部材を用いるものとして説明したが、仮硬化手段、本硬化手段としては、共通の加熱手段を用いてもよい。
また、前述した実施形態では、仮硬化手段、本硬化手段としては、いずれも、加熱手段を用いて場合について説明したが、例えば、これらのうちの少なくとも一方は、紫外線等の光を照射する光照射手段であってもよい。
また、本発明の製造装置は、接合材料の転写後の転写媒体を清掃する清掃手段を有するものであってもよい。これにより、転写媒体を繰り返し好適に利用することができ、接合体の生産コストの低減や、省資源の観点から有利である。
また、前述した実施形態では、2つの部材の接合に適用する場合について説明したが、本発明は、3つ以上の部材の接合に適用してもよい。
また、本発明の接合方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、接合材料を転写媒体から第1の部材に転写した後に、接合材料を仮硬化させるものとして説明したが、接合材料に対する仮硬化処理は、例えば、転写前に行うものであってもよい。このような場合であっても、前述したのと同様の効果が得られる。また、接合材料の仮硬化を転写前に行うことにより、転写時における接合材料の流動性が低いものとなっており、形状の安定性が向上しているため、例えば、第1の部材が微細な形状を有するものである場合であっても、接合材料を所望の部位により高い選択性で付与することができる。その結果、最終的に得られる接合体において、接合部の不本意なはみ出し等をより効果的に防止することができる。
また、前述した実施形態では、接合材料を転写法により第1の部材に付与する場合について代表的に説明したが、接合材料は、例えば、塗布法等により、第1の部材に直接付与してもよい。
また、前記の説明では、接合体としてインクジェットヘッドについて代表的に説明したが、本発明の接合体は、インクジェットヘッド以外のものであってもよく、例えば、体外循環回路、輸液回路を構成する医療用チューブ同士を接続する医療用コネクタ、注射針等の穿刺針、カテーテル等の医療用具、医療用器具等にも好適に適用することができる。これらも、微細な構造を有するものであるため、本発明を適用することによる効果が顕著に発揮される。
P10…接合体 P1…第1の部材 P2…第2の部材 P3…接合材料 P4…転写媒体 P5…接合部 M100…製造装置 M1…接合材料付与部 M11…成膜部 M111…接合材料付与手段 M112…平坦化手段(スキージー) M113…支持部材(支持台) M12…転写部 M121…押圧手段 M122…支持部材(支持台) M13…ローラー(送り出しローラー) M14…ローラー(巻取りローラー) M2…仮硬化処理部 M21…加熱手段(ヒーター、仮硬化手段) M3…プラズマ処理部 M31…プラズマ照射手段 M4…接合処理部(本硬化処理部) M41…接合手段(加熱手段、本硬化手段) M42…押圧手段 M43…支持部材 M5…搬送手段 100…インクジェットヘッド 10…流路形成基板 11…圧力発生室 12…インク供給路 13…リザーバー 14…ノズル連通孔 15…振動部材 15a…弾性膜 15b…支持板 15c…島部 15d…薄肉部 16…振動部 17…接着層 18…接着層 20…ノズルプレート 21…ノズル 30…圧電素子ユニット 31…圧電材料 32…電極形成材料 33…電極形成材料 34…圧電素子形成部材 35…圧電素子 36…固定基板 40…ケース 41…インク導入路 42…空間部 43…圧電素子収容部 44…ケース貫通孔 45…段差部 46…連通路 46a…第1の連通部 46b…第2の連通部 46c…第3の連通部 50…フレキシブルプリント基板 51…配線層 52…ベースフィルム 70…配線基板 71…導電パッド 72…開口部 81…シリコン基板 82…振動板 83…下電極 84…圧電体薄膜 85…上電極 86…第2の基板(ノズル板) 86A…吐出ノズル 87…インク溜め(キャビティー)

Claims (9)

  1. 部材に接合材料を付与する接合材料付与工程と、
    前記接合材料にプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
    を有する接合方法であって、
    前記接合材料は、シリコーン系接着剤であることを特徴とする接合方法。
  2. 前記部材に付与される前記接合材料の厚さは、0.2μm以上10.0μm以下である請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記部材は、親水性液体の流路を構成するものである請求項1または2に記載の接合方法。
  4. 前記部材の前記接合材料が付与されるべき部位は、管構造を有する部位に隣接するものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接合方法。
  5. 接合体はインクジェットヘッドである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接合方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法を行うものであることを特徴とする接合体の製造装置。
  7. 部材に接合材料を付与する接合材料付与部と、
    前記接合材料にプラズマ処理を施すプラズマ処理部と、
    を備えた接合体の製造装置であって、
    前記接合材料は、シリコーン系接着剤であることを特徴とする接合体の製造装置。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の接合方法を用いて製造されたことを特徴とする接合体。
  9. 請求項6または7に記載の製造装置を用いて製造されたことを特徴とする接合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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