JP2019014164A - シリコン基板の加工方法 - Google Patents

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【課題】 シリコン基板の内部に変質層を精度良く安定して連続形成可能であり、シリコン基板をデチャックしやすいシリコン基板の加工方法を提供すること。【解決手段】 シリコン基板の裏面側にエッチングマスク層を形成する工程と、シリコン基板の裏面側から赤外波長を用いたレーザ光を照射してシリコン基板の内部に変質層を形成する工程と、シリコン基板の裏面からレーザ光を照射してシリコン基板の裏面から複数の未貫通穴を変質層に達するように形成する工程と、シリコン基板に異方性エッチングを行いシリコン基板の裏面から表面まで貫通する貫通穴を形成する工程と、を有し、シリコン基板の裏面の光沢度が280%以上360%以下であることを特徴とするシリコン基板の加工方法。【選択図】 図3

Description

本発明は、シリコン基板の加工方法に関する。
液体吐出ヘッドは吐出口から液体を吐出し、記録媒体に着弾させることで、記録媒体に画像の記録を行う。液体吐出ヘッドとしては、インクを紙等の記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドが挙げられる。インクジェット記録ヘッドは一般的に、インクが吐出される複数の吐出口と、各吐出口に連通するインク流路と、流路にインクを供給するための供給口と、流路内のインクに吐出エネルギーを付与する吐出エネルギー発生素子とを少なくとも備えた基板を有する。一般的に、基板としてはシリコンで形成されたシリコン基板が用いられ、インク流路と連通する液体供給口が基板を貫通するように設けられている。
シリコン基板に液体供給口を形成する工程では、異方性エッチングが行われることがあり、異方性エッチングの加工時間の短縮を図るため、シリコン基板の一部を除去することがある。シリコン基板の一部の除去方法として、レーザアブレーション加工によって、シリコン基板の裏面から表面まで貫通しない未貫通穴を形成する方法がある。未貫通穴を形成する場合、加工時に未貫通穴の内部に発生するデブリ(破片)の影響によって、レーザ光による比較的深い未貫通穴の深さが安定しにくい。そこで、シリコン基板の裏面からエッチングマスク層の開口部にレーザ光を照射して、シリコン基板の内部に変質層を形成する手法がある。この変質層に達するようにシリコン基板の裏面から未貫通穴を形成することで、未貫通穴の深さを安定化させる。特許文献1には、シリコン基板に対して、焦点位置を移動させてレーザ光をパルス照射し、シリコンを部分的に多結晶化して、シリコン基板の内部に連続した変質層を形成し、変質層をエッチングすることが記載されている。
特開2012−99516号公報
特許文献1に記載の変質層は、シリコン基板に対して焦点を絞ってレーザ光をパルス照射するため、基板の表面に影響を与えず、シリコン基板の内部の小さな領域にレーザ光のパルスエネルギーを集中させ、多結晶化させたものである。変質層の形成工程では、レーザ光をパルス照射する時の焦点位置を、適当なピッチ(間隔)で移動させることによって、各焦点位置で1パルスのレーザ光によって形成される、多結晶化した小さな領域(パルス多結晶化領域)が連結するようにする。これにより連続した変質層を形成する。特許文献1には、レーザ光を、波長1000nm以上1100nm以下、平均パルスエネルギー6.25μJ以上12.5μJ以下として照射することで、シリコン基板の内部の変質層の幅と基板面に垂直方向の高さの制御を行うことが記載されている。
本発明者らは、シリコン基板の内部に変質層を形成する場合、安定して連続した変質層を形成する上で、レーザ光が入射する側であるシリコン基板の面の光沢度が重要であることを見出した。レーザ光が入射する側であるシリコン基板の面の光沢度が低いと、シリコン基板の内部にレーザ光を集光性が低下し、変質層が形成しにくくなる。逆にレーザ光が入射する側であるシリコン基板の面の光沢度が高すぎると、ドライエッチング装置などの半導体装置で静電チャックを使用している装置において、静電チャックからシリコン基板を取り出す場合にデチャックできないことがある。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、シリコン基板の内部に変質層を精度良く安定して連続形成可能であり、シリコン基板をデチャックしやすいシリコン基板の加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、シリコン基板の加工方法であって、前記シリコン基板の裏面側に開口部を有するエッチングマスク層を形成する工程と、前記シリコン基板の裏面側から前記エッチングマスク層の開口部に赤外波長を用いたレーザ光を照射して、前記シリコン基板の内部に変質層を形成する工程と、前記シリコン基板の裏面から前記エッチングマスク層の開口部にレーザ光を照射して、前記シリコン基板の裏面から前記シリコン基板の表面まで貫通しない複数の未貫通穴を、該未貫通穴の先端が前記変質層に達するように形成する工程と、前記未貫通穴及び前記変質層が形成された前記シリコン基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン基板の裏面から表面まで貫通する貫通穴を形成する工程と、を有し、前記シリコン基板の裏面の光沢度が280%以上、360%以下であることを特徴とするシリコン基板の加工方法である。
本発明によれば、シリコン基板の内部に変質層を精度良く安定して連続形成可能であり、かつシリコン基板をデチャックしやすいシリコン基板の加工方法を提供することができる。
シリコン基板の加工を示す断面図である。 シリコン基板に変質層を形成する工程とレーザ光の集光を模式的に示した断面図。 シリコン基板の内部の変質層の様子を示す断面画像。 シリコン基板の裏面の光沢度と内部の変質層の関係を示す図。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
図1(a)に、加工を行うシリコン基板の一例として、液体吐出ヘッドに用いる基板を示す。本発明に係るシリコン基板の加工方法は、シリコン基板を含んで構成される構造体、特に液体吐出ヘッド等のデバイスの製造工程において、液体吐出ヘッドのインク供給口(貫通穴)をシリコン基板に形成する際に好適である。液体吐出ヘッドを製造する上で、シリコン基板は、基板の表面および裏面の結晶方位が(100)面もしくは(100)面と結晶方位的に同等な面であること、基板の厚みは580μm以上、750μm以下であることが好ましい。
シリコン基板1の表面上には、インクを吐出するエネルギーを発生させる電気熱変換素子7が、所定のピッチで2列に並んで形成されている。さらに、シリコン基板1の表面上には、電気熱変換素子7の保護層として、耐エッチング性を有するパッシベイション層8が形成されている。尚、電気熱変換素子7には、この素子を駆動させるための制御信号入力電極(不図示)が電気的に接続されている。また、シリコン基板1の裏面には、酸化膜9と保護膜10が積層され、開口部2を有するエッチングマスク層が形成されており、この開口部2内がエッチング部分となる。
次に、図1(b)に示すように、シリコン基板1のエッチング処理に先立って、シリコン基板1の裏面の開口部2からレーザ光5を照射する。これによって、シリコン基板1の内部に、アモルファス化させた変質層3と、未貫通穴11としての先導穴と、をそれぞれ形成する。複数の未貫通穴11を、変質層3におけるシリコン基板1の表面と平行な領域に複数列で配置し、未貫通穴11の先端が変質層3に達するようする。
その後、図1(c)に示すように、シリコン基板1に異方性エッチングを行い、シリコン基板1の表面まで貫通するインク供給口(貫通穴)12を形成する。
以下の実施形態では、インクジェット用基板の一部をなすシリコン基板1の単体を用いて説明するが、実際にはウエハー単位で同様の加工を行うものとする。
<実施形態>
図1(a)に示すように、結晶方位が(100)のシリコン基板1の裏面側から表面側に向けて、エッチングマスク層の開口部2内にレーザ光5を照射して、シリコン基板1の内部に変質層3を形成する。変質層3とは、シリコン基板1がアモルファス化された部分である。
図2は、シリコン基板1にレーザを照射して変質層3を形成する様子を示す図である。レーザ光5は集光ユニット6で集光され、シリコン基板1上のエッチングマスクの開口部2から、シリコン基板に照射される。シリコン基板1の内部に変質層3を形成する前に、シリコン基板1の裏面の光沢度を280%以上、360%以下とする。表面粗さRaで表すと、0.084μm以上、0.112μm以下とすることが好ましい。シリコン基板1の裏面の光沢度が280%未満と低い場合、シリコン基板1の内部に変質層3を良好に形成することができない。逆にシリコン基板1の裏面の光沢度が360%を超えるほど高い場合、ドライエッチング装置などの半導体装置で静電チャックを使用している装置において、デチャックできないことがある。
図2には、レーザ光5の集光を模式的に示す。レーザ光入射面(ここではシリコン基板1の裏面)が平坦であると、レーザ光5がシリコン基板1の内部で集光しやすく、変質層3を形成しやすい。一方、レーザ光入射面が荒いと、レーザ光5がシリコン基板1の内部で集光しにくく、変質層3も形成しにくくなる。図3(a)に、シリコン基板1の内部に変質層3が良好に形成できている様子を示す。また、図3(b)に、シリコン基板1の内部に変質層3が形成できていない部分4が存在する様子を示す。このように、本発明ではレーザ光入射面であるシリコン基板1の裏面の光沢度が重要な要素となる。
シリコン基板1の裏面の一部には酸化膜9と保護膜10が形成されている。酸化膜9としては、例えばSiOが挙げられる。保護膜10としては、例えばポリエーテルアミド樹脂が挙げられる。酸化膜9と保護膜10が形成されていない開口部2は、後述の異方性エッチングによってインク供給口(貫通穴)12が形成される領域である。開口部2の寸法は、作製する液体吐出ヘッドのノズル構成および所望とするインク供給口(貫通穴)12寸法による。そのため、開口部2の寸法は特に限定されないが、短手方向の寸法は200μm以上、1500μm以下、長手方向の寸法は5000μm以上、40000μm以下であることが好ましい。また、酸化膜9上には保護膜10が形成されている。保護膜10としては、例えばポリエーテルアミド樹脂を用いることができる。本実施形態においては、保護膜10を形成した構成を考える。変質層3の形成は、シリコン基板1の表面から深さ10%の位置の位置を焦点としてレーザ光5を集光させ、多光子吸収を利用したレーザ加工によって変質層3を、シリコン基板1の長辺方向に沿って列状に配列して形成する。すなわち、シリコン基板1に長尺状に形成されるインク供給口(貫通穴)12の長辺方向に平行な列状に配列して形成する。変質層3は、アモルファス化させることでエッチングレートが速くなる。
また、シリコン基板1の表面上には、犠牲層(不図示)が形成されていてもよい。犠牲層は異方性エッチングによってシリコン基板1よりもエッチングされやすいことが特徴である。犠牲層を形成することで、インク供給口(貫通穴)12の開口幅をより良好に制御することができる。犠牲層は、例えばAl−Si合金、Al−Cu、Cu等で形成することができる。犠牲層はエッチング耐性を有するパッシベイション層8(エッチングストップ層)で覆われている。パッシベイション層8としては、例えばSiOやSiNが挙げられる。
変質層3は、シリコン基板1の表面からシリコン基板1の厚み20%以内の深さの位置に形成することが好ましい。シリコン基板1の表面からシリコン基板1の厚みの20%を超えた位置に変質層3を形成した場合には、異方性エッチングに要する時間が長くなるので、好ましくない。シリコン基板1の裏面の開口部2から、シリコン基板1の表面(裏面)に平行な面において変質層3の形成方法としては、YAGレーザを用いたレーザ光5の照射による加工方法が挙げられる。
レーザ光5としては、赤外波長を用い、波長範囲は900nm以上、1300nm以下であることが好ましい。レーザ光5の波長が900nmより小さい場合では、透過率が低すぎてシリコン基板1の表面でのエネルギー吸収が大きくなり、シリコン基板1の内部までレーザ光5のエネルギーを到達させることが困難になる。逆にレーザ光5の波長が1300nmよりも大きい場合では、透過率が高すぎてレーザ光5のエネルギー吸収が小さく、シリコン基板1の内部でのパルスエネルギーの集中が困難となる。しかし、シリコン基板1を形成する材料であるシリコンに対して多光子吸収を利用できるものであればよく、加工に用いることができるレーザ光5としては、このレーザ光に限定されない。
レーザ光5の周波数は、20KHz以上、80KHz以下であることが好ましい。レーザ光5の周波数が低いと処理タクトが延び、高いと処理タクトが縮まる。
レーザ光5のパルスは、2.5μJ以上、15μJ以下、パルス幅は10ns以上、200ns以下であることが好ましい。パルスとパルス幅はシリコン基板1の内部に形成する変質層3の大きさに影響し、レーザ光5のパルスが2.5μJ未満、パルス幅が10ns未満の場合では、シリコン基板1の内部を多結晶化することが不十分となる。逆にレーザ光5のパルスが15μJを超える、またはパルス幅が200nsを超える場合では、シリコン基板1の内部を多結晶化領域の大きさにほとんど変化が見られない。
シリコン基板1の内部に変質層3を形成する場合、シリコン基板1の裏面の光沢度のほかに、レーザ光5の波長、発振周波数、パルス、パルス幅、走査速度も適切な範囲とすることが好ましい。
次に、シリコン基板1の裏面からレーザ光5を照射することで、図1(b)に示すように、シリコン基板1の裏面から表面に向かって、シリコン基板1の裏面から表面まで貫通しない、複数の未貫通穴11を形成する。複数の未貫通穴11を形成する工程では、YAGレーザの3倍波(THG:波長355nm)のレーザ光5を用い、レーザ光5の出力及び周波数を適切な値に設定する。但し、レーザの波長はこれに限定されるものでなく、シリコン基板を形成する材料であるシリコンに対して加工が可能な波長であればよい。また、未貫通穴11は、レーザ光5のアブレーションによって形成しても良い。未貫通穴11の直径としてはφ5μm以上、φ100μm以下であることが好ましい。未貫通穴11の直径が小さすぎる場合では、この後の工程で行われる異方性エッチングの際にエッチング液が未貫通穴11内に侵入し難くなる。逆に未貫通穴11の直径が大きすぎる場合では、所望の深さに未貫通穴11を形成するのに比較的長い時間を要する。
未貫通穴11は、変質層3におけるシリコン基板1の表面に平行な領域に、シリコン基板1の長辺方向に沿って平行に複数列配置し、未貫通穴11の先端が変質層3に達するように形成する。未貫通穴11の配置は、変質層3の領域の中心線に対して対称に1列以上をなすように形成する。
また、未貫通穴11は、シリコン基板1の表面から、シリコン基板1の厚みの5%以上、20%以下の範囲の深さで形成することが好ましい。シリコン基板1の表面からシリコン基板1の厚みの5%未満の深さで未貫通穴11を形成した場合、未貫通穴11の深さバラツキにより、シリコン基板1表面の感光性樹脂からなるインク流路形成部材(不図示)に変形等が生じる。そのため、未貫通穴11の深さにはインク流路形成部材(不図示)に影響を及ぼさないような高精度な制御が求められる。逆に、シリコン基板1の表面からシリコン基板1の厚みの20%以上の深さで未貫通穴11を形成した場合では、インク供給口(貫通穴)12を形成するためのエッチング時間が長くなり、シリコン基板1の裏面の開口部2の幅が広がってしまうことがある。
次に、図1(c)に示すように、シリコン基板1裏面から異方性エッチングを行い、インク供給口(貫通穴)12を形成する。異方性エッチングに用いるエッチング液としては、例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)やKOH(水酸化カリウム)等の強アルカリ溶液が挙げられる。このエッチング処理では、複数の未貫通穴11の内部の壁面すべてからエッチングが始まり、シリコン基板1の表面に向かって(111)面が形成されるとともに、基板の深さ方向に垂直な方向にもエッチングが進行する。一方、シリコン基板1の裏面の開口部2からもシリコン基板1の表面に向かって広がるように(111)面が形成される。さらにシリコン基板1の内部に形成されたエッチングレートが比較的速い変質層3がエッチングにて除去される。そして、シリコン基板1の表面まで貫通するインク供給口(貫通穴)12が形成される。
尚、本発明は該実施形態に制限されるものではなく、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。
以下、本発明を実施例にてより具体的に説明する。
<実施例1>
図1(a)に示すように、シリコン基板1を用意した。シリコン基板は結晶軸(100)で、厚みは725μmのものを用いた。シリコン基板1の裏面の光沢度は336%とした。
シリコン基板1の裏面に、エッチングマスク層を形成した。エッチングマスク層は、酸化膜はSiO、保護膜はポリエーテルアミド樹脂を用いて形成した。開口部2の寸法は、短手方向の寸法を500μm、長手方向の寸法を25000μmとした。変質層3は、シリコン基板1の裏面からYAGレーザの基本波(波長1060nm)のレーザ光5を用いて、発振周波数20KHz、パルス10μJ、パルス幅200ns、走査速度40mm/sで形成した。開口部2はシリコン基板1を静電チャックした状態でドライエッチングすることで形成した。変質層3はシリコン基板1の長手方向に沿って4列で配置し、短手方向に対するピッチ距離を33μmとした。
次に、図1(b)に示すように、シリコン基板1の裏面からレーザ光5を照射することによって、未貫通穴11を形成した。未貫通穴11はYAGレーザの3倍波(THG:波長355n)のレーザ光5を用いて、発振周波数100KHz、パルス10μJ、パルス幅30nsで形成した。未貫通穴11はシリコン基板1の長手方向に沿って平行に5列で配置し、ピッチ距離は長手方向、短手方向ともに33μmで形成した。このときの未貫通穴11の直径はφ40μm程度とし、シリコン基板1の裏面から500μm以上575μm以下の深さで形成した。
次に、図1(c)に示すようにシリコン基板1に対して異方性エッチングを行い、インク供給口(貫通穴)12を形成した。異方性エッチングはエッチング液として濃度22wt%、液温80℃のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を用い、エッチング時間は3時間とした。
以上のようにして、100個のシリコン基板にインク供給口(貫通穴)12を形成し、シリコン基板の加工を終えた。加工したシリコン基板のインク供給口の形状を電子顕微鏡で観察したところ、100個のシリコン基板間でインク供給口12の形状の差異はほぼ見られず、形状が安定していた。また、シリコン基板は良好にデチャックすることができた。
<実施例2〜6>
シリコン基板1の裏面の研磨状態を変え、裏面の光沢度を、280%(実施例2)、300%(実施例3)、320%(実施例4)、340%(実施例5)、360%(実施例6)とした。これ以外は実施例1と同様にして、シリコン基板の加工を行った。
図4に、実施例2〜6におけるシリコン基板の裏面の状態と、シリコン基板内部の変質層の状態を示す。光沢度が上がるにつれ、シリコン基板裏面の黒い部分が減り、変質層がはっきりと形成されていく様子が示されている。
実施例2〜6で加工したシリコン基板は、100個のシリコン基板間でインク供給口12の形状の差異はほぼ見られず、形状が安定していた。また、シリコン基板は良好にデチャックすることができた。
<比較例1>
シリコン基板1の裏面の研磨状態を変え、裏面の光沢度を、270%とした。これ以外は実施例1と同様にして、シリコン基板の加工を行った。
比較例1のシリコン基板1では、内部に形成した変質層が一部途切れていた(図3(b)の状態)。この結果、良好な形状のインク供給口が形成できず、シリコン基板間でインク供給口の形状にばらつきが生じていた。
<比較例2>
シリコン基板1の裏面の研磨状態を変え、裏面の光沢度を、390%とした。これ以外は実施例1と同様にして、シリコン基板の加工を行った。
比較例2では、また、シリコン基板を良好にデチャックすることができず、搬送エラーとなった。

Claims (7)

  1. シリコン基板の加工方法であって、
    前記シリコン基板の裏面側に開口部を有するエッチングマスク層を形成する工程と、
    前記シリコン基板の裏面側から前記エッチングマスク層の開口部に赤外波長を用いたレーザ光を照射して、前記シリコン基板の内部に変質層を形成する工程と、
    前記シリコン基板の裏面から前記エッチングマスク層の開口部にレーザ光を照射して、前記シリコン基板の裏面から前記シリコン基板の表面まで貫通しない複数の未貫通穴を、該未貫通穴の先端が前記変質層に達するように形成する工程と、
    前記未貫通穴及び前記変質層が形成された前記シリコン基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン基板の裏面から表面まで貫通する貫通穴を形成する工程と、を有し、
    前記シリコン基板の裏面の光沢度が280%以上、360%以下であることを特徴とするシリコン基板の加工方法。
  2. 前記シリコン基板の裏面の表面粗さRaが0.084μm以上、0.112μm以下である請求項1に記載のシリコン基板の加工方法。
  3. 前記シリコン基板の裏面に静電チャックを行う請求項1または2に記載のシリコン基板の加工方法。
  4. 前記変質層を形成するレーザ光の波長が900nm以上、1300nm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシリコン基板の加工方法。
  5. 前記変質層を形成するレーザ光の周波数が20KHz以上、80KHz以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシリコン基板の加工方法。
  6. 前記変質層を形成するレーザ光のパルスが2.5μJ以上、15μJ以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシリコン基板の加工方法。
  7. 前記変質層を形成するレーザ光のパルス幅が10ns以上、200ns以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシリコン基板の加工方法。
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