JP6103879B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体を吐出し、紙等の記録媒体に着弾させて画像を記録する装置として、液体吐出装置が知られている。液体吐出装置は液体吐出ヘッドを有し、液体吐出ヘッドの吐出口から液体が吐出される。
液体吐出ヘッドの製造方法として、特許文献1には、基板上に液体流路の型となる型材を形成し、続いて型材を流路形成部材で覆い、その後型材を除去して液体流路を形成する方法が記載されている。この方法を、図7を用いて説明する。
まず、図7(a)に示すように、シリコン基板101の裏面側にマスク層108を設ける。マスク層108には開口109が形成されている。シリコン基板101の表面側には開口を有さない保護膜116を形成する。次に、図7(b)に示すように、シリコン基板101の表面側に液体吐出口及び液体流路を形成する流路形成部材103を形成する。液体流路となる部分には、液体流路の型となる型材110が形成されている。続いて図7(c)に示すように、流路形成部材103を保護部材201で覆う。この状態において、図7(d)に示すように、裏面側のマスク層108の開口109からエッチング液を供給し、シリコン基板101のエッチングを行う。保護部材201は、流路形成部材103をエッチング液から保護する役割を果たす。エッチングが進行すると、図7(e)に示すようにエッチング液が表面側の保護膜116へと到達する。保護膜116はエッチングストップ層として機能し、エッチング液の流路形成部材103への到達を抑制する。このようにして、シリコン基板101に液体供給口105を形成し、図7(f)に示すように液体供給口105の上面にある保護膜116をドライエッチングにより除去し、液体供給口105を表面側に連通させる。そして保護部材201を除去し、型材110を除去することで、図7(g)に示す液体吐出ヘッドが製造される。
特開平9−11479号公報
特許文献1に記載の方法によれば、良好な形状の液体吐出ヘッドを製造することができるが、シリコン基板101の表面側における液体供給口105の開口幅は、エッチング液によるエッチング精度と、保護膜116のドライエッチング精度によって決定される。このため、シリコン基板101の表面側の液体供給口105の開口幅を非常に高い精度で制御するには、高い技術を要する。
例えば、シリコン基板の表面側に、シリコン基板よりもエッチングされやすいアルミニウム等の犠牲層を設けることで、液体供給口の表面側の開口幅を高い精度で制御することができる。但し、この場合は犠牲層を設けるという工程が増えてしまう。
また、特許文献1に記載の方法では、エッチング液がシリコン基板の裏面側からのみの供給となるので、シリコン基板内にエッチング液が入りにくく、液体供給口の開口幅を小さくしたい場合にはエッチング液の供給にも高度な技術が必要である。
従って、本発明は、エッチング液によってシリコン基板をエッチングすることでシリコン基板に液体供給口を形成する場合において、良好な形状を有する液体供給口を簡易な方法で製造することができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち本発明は、液体吐出口及び液体流路を形成する流路形成部材と、前記液体吐出口及び液体流路に液体を供給する液体供給口を形成するシリコン基板と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、表面側に、開口が形成された第1のマスク層と、前記第1のマスク層上に液体吐出口及び液体流路を形成する流路形成部材とを有し、裏面側に、開口が形成された第2のマスク層を有するシリコン基板を用意する工程と、前記流路形成部材を透過するレーザーを照射する工程と、前記第1のマスク層に形成された開口と前記第2のマスク層に形成された開口とからエッチング液を供給して前記シリコン基板をエッチングし、前記シリコン基板に液体供給口を形成する工程と、をこの順に有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、シリコン基板にエッチング液によるエッチングで液体供給口を形成する場合に、良好な形状を有する液体供給口を簡易な方法で製造することができる。
本発明で製造する液体吐出ヘッドの一例を示すヘッド断面図。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。 従来の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示すヘッド断面図。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明で製造する液体吐出ヘッドの断面図の一例である。液体吐出ヘッド100は、シリコン基板101と、液体吐出口104及び液体流路115を形成する流路形成部材103とを有する。シリコン基板101の表面側には、エネルギー発生素子102が形成されている。エネルギー発生素子としては、熱変換素子(ヒータ)や圧電素子が挙げられる。エネルギー発生素子102はシリコン基板101に接していてもよいし、シリコン基板101から離れ、宙に浮いている部分を有していてもよい。シリコン基板101とエネルギー発生素子102との間には、絶縁層が設けられていることが好ましい。また、シリコン基板101の表面側には、エネルギー発生素子102を覆うように第1のマスク層106が設けられている。第1のマスク層106には開口が形成されている。また、シリコン基板101の裏面側には、第2のマスク層108が設けられており、第2のマスク層108にも開口が形成されている。
シリコン基板101の表面側には、上述の第1のマスク層106があり、第1のマスク層上には、液体吐出口104及び液体流路115を形成する流路形成部材103が形成されている。流路形成部材103のエネルギー発生素子102と対向する位置には、液体吐出口104が形成されている。
シリコン基板101には、液体供給口105が形成されている。液体供給口105は、シリコン基板101の表面側の開口107と裏面側の開口109とで開口し、シリコン基板101を縦方向に貫通している。表面側の開口107と裏面側の開口109とは、それぞれ第1のマスク層106の開口、第2のマスク層108の開口と対応している。液体供給口105は、液体流路115及び液体吐出口104に液体を供給する。液体供給口105から液体流路115に供給された液体には、エネルギー発生素子102から発生したエネルギーが与えられ、液体吐出口104から液体が吐出して画像が記録される。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を、実施形態を用いて説明する。
<実施形態1>
まず、図2(a)に示すように、開口107が形成された第1のマスク層106を表面側に有し、開口109が形成された第2のマスク層108を裏面側に有するシリコン基板101を用意する。シリコン基板101は、表面及び裏面の結晶方位が(100)の基板、所謂(100)基板を用いることが好ましい。第1のマスク層及び第2のマスク層は、後で行うシリコン基板101のエッチング時に用いるエッチング液に対して耐性を有するものが好ましい。第1のマスク層及び第2のマスク層の形成は、例えばプラズマCVD法を用いて行う。第1のマスク層及び第2のマスク層の開口の形成は、例えば以下の方法で行う。まず、マスク層上に感光性レジスト(感光性樹脂等)をスピンコート等で塗布する。次に、塗布した感光性レジストをフォトリソグラフィーによってパターニングし、感光性レジストに開口パターンを形成する。そして、開口パターンを形成した感光性レジストをマスクとして用いてマスク層をドライエッチングすることで、マスク層に開口が形成される。
次に、シリコン基板101の表面側に、エネルギー発生素子やその配線等(不図示)を形成し、さらに液体流路の型となる型材110を形成する。型材110は、後で除去できる材料であればよいが、ポジ型感光性樹脂で形成することが好ましい。型材110の材料としては、例えばポリイミド、ポリメチルイソプロペニルケトン等が挙げられる。これらの樹脂を含有した組成物をシリコン基板の表面上に塗工し、パターニングを行って型材110を形成する。例えば、塗工した組成物上にマスクを形成し、Oガス等を用いて異方的なドライエッチングを行うことでパターニングしてもよいし、型材110が感光性樹脂で形成されている場合は、フォトリソグラフィーによって型材110をパターニングしてもよい。
続いて、型材110を覆うようにして流路形成部材103を形成する。流路形成部材103も、後で行うシリコン基板101のエッチング時に用いるエッチング液に対して耐性を有するものが好ましい。流路形成部材103は、例えばプラズマCVD法を用いて形成する。
その後、流路形成部材上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによってレジストにパターンを形成する。続いて、パターンを形成したレジストをマスクとして用いて流路形成部材をドライエッチングし、図2(b)に示すように、流路形成部材に液体吐出口104を形成する。液体吐出口104はフォトリソグラフィーで流路形成部材を露光、現像することで形成してもよい。
次に、図2(c)に示すように、型材110を除去し、液体流路115を形成する。型材110の除去は、例えばOガス等を用いた等方的なドライエッチングによって行う。尚、第1のマスク層106や流路形成部材103は、このときのエッチングによってエッチングされにくい材料であることが好ましい。
このようにして型材110を除去した後、流路形成部材103を有するシリコン基板101をエッチング液に浸漬させる。流路形成部材103は、保護部材等で覆わなくてもよい。エッチング液に浸漬させると、シリコン基板101の裏面側から第2のマスク層108の開口109を通じてエッチング液が供給される。それとほぼ同時に、シリコン基板101の表面側からも、第1のマスク層106の開口107を通じてエッチング液が供給される。流路形成部材103には液体吐出口104及び液体流路115が形成されており、エッチング液が液体吐出口及び液体流路を通って開口107へとすぐに到達するためである。エッチング液は、例えばTMAH溶液やKOH溶液等が挙げられる。シリコン基板101のエッチングは、これらエッチング液を用いた異方性エッチングであることが好ましい。シリコン基板の両面側からエッチング液が供給されると、シリコン基板のエッチングが表面側と裏面側の両方から行われ、図2(d)に示すような状態となる。そのままエッチングを続けることで、シリコン基板の両側からのエッチングがつながり、図2(e)に示すようにシリコン基板101に液体供給口105が形成される。エッチングが異方性エッチングである場合、エッチング面が全て(111)面となるとエッチングが実質的に止まってしまう。即ち、表面側からのエッチングによって形成した供給口の一部と、裏面側からのエッチングによって形成した供給口の一部とがいずれも全て(111)面が露出した形となると、エッチングが止まってしまうので、このような状態を避ける必要がある。従って、この点を考慮し、第1のマスク層106の開口107の開口幅と、第2のマスク層108の開口109の開口幅とを設定する。ここで、裏面側の開口109の幅をa、表面側の開口107の幅をb、シリコン基板の厚みをcとする。シリコン基板の表面及び裏面が(100)面である場合には、(a/2+b/2)×tan54.7>cとする。
本発明では、液体供給口105の開口に関し、シリコン基板の裏面側の開口は第2のマスク層108の開口109によって、表面側の開口は第1のマスク層106の開口107によって制御されている。このように、液体供給口の形成を、犠牲層等を用いない簡易な手法で行い、かつ形成する液体供給口の形状を高精度なものとすることができる。
第1のマスク層106及び流路形成部材103は、エッチング時に用いるエッチング液に対して耐性を有するものであることが好ましい。このため、これら部材(第1のマスク層及び流路形成部材)はケイ素や炭素等で構成することが好ましい。この点に関し、本発明者らがさらなる検討を行ったところ、これら部材中のケイ素に対する炭素の含有割合を増やすことで、エッチング液に対して耐性が非常に向上することを見出した。具体的には、これら部材がケイ素及び炭素を含有し、部材のケイ素の含有割合をX(atom%)、炭素の含有割合をY(atom%)としたときに、Y/Xが0.001以上であることが好ましいことを見出した。Y/Xは0.01以上であることがより好ましく、0.05以上、0.1以上であることがさらに好ましい。また、成膜性の観点から、Y/Xは10以下であることが好ましい。部材中のケイ素と炭素は、炭化ケイ素(SiC)として存在することが好ましい。ケイ素と炭素の合計量、即ちX+Yは50以上であることが好ましい。これら部材はケイ素、炭素のみで構成されていてもよく、その場合は、X+Y=100となる。
また、これら部材は窒素を含有していることが好ましく、ケイ素及び炭素と合わせて炭窒化ケイ素(SiCN)として含有していることが好ましい。窒素を含有することで、部材の絶縁性を高めることができる。部材中の窒素の含有割合をZ(atom%)とすると、X+Y+Zは50を超えることが好ましい。部材はケイ素、炭素、窒素のみで構成されていてもよく、その場合は、X+Y+Z=100となる。
第2のマスク層106も、マスク層である以上、当然エッチング時に用いるエッチング液に対して耐性を有するものであることが好ましく、例えばSiCやSiCNで形成することが好ましい。他にも、SiOやポリエーテルアミド等で形成することも好ましい。
第1のマスク層、第2のマスク層、流路形成部材のケイ素や炭素の割合は、プラズマCVD法の条件を適宜調整することで制御できる。例えば、炭化ケイ素を成膜する場合、SiHガス流量:80sccm〜1slm、CHガス流量:10sccm〜5slm、HRF電力:250W〜900W、LRF電力:8W〜500W、圧力:310Pa〜700Pa、温度:300℃〜450℃の成膜条件から、部材の厚み、ケイ素と炭素の含有割合に応じて適宜調整する。炭窒化ケイ素を成膜する場合は、SiHガス流量:80sccm〜1slm、NHガス流量:14sccm〜400sccm、Nガス流量:0slm〜10slm、CHガス流量:10sccm〜5slm、HRF電力:250W〜900W、LRF電力:8W〜500W、圧力:310Pa〜700Pa、温度:300℃〜450℃の成膜条件から、部材の厚み、ケイ素、炭素及び窒素の含有割合に応じて適宜調整する。
部材中のケイ素に対する炭素の含有割合を増やすことで、エッチング液に対して耐性が非常に向上することを、流路形成部材を例にして以下に示す。
シリコン基板上に、ポリイミドにて型材を形成し、型材を覆うようにSiC、SiCN、SiO、SiNをプラズマCVD法にて成膜し、流路形成部材とする。部材のケイ素の含有割合をX(atom%)、炭素の含有割合をY(atom%)、部材中の窒素の含有割合をZ(atom%)とする。次に、形成した流路形成部材をドライエッチングし、流路形成部材に液体吐出口を形成する。
これら流路形成部材を形成した基板を、pH8.5の顔料インク(70℃)に1カ月浸漬し、流路形成部材及び液体吐出口の形状を顕微鏡にて観察し、以下の基準で評価を行った。
(流路形成部材の形状)
1;流路形成部材の変形はほとんど見られない。
2;流路形成部材の変形が見られる。
3;流路形成部材の全部或いは大半が消失している。
(液体吐出口の形状)
1;液体吐出口の変形はほとんど見られない。
2;液体吐出口の変形がわずかに見られる。
3;液体吐出口の形状が存在しない程度に変形している。
これらの評価結果を、型材の厚み、流路形成部材の厚み(型材上の厚み)、液体吐出口の直径とともに、表1及び表2に示す。
Figure 0006103879
Figure 0006103879
<実施形態2>
上述の方法では、エッチング液のみでシリコン基板に供給口を形成したが、シリコン基板に先に未貫通穴を形成し、その後でエッチング液によってエッチングを行う方法でもよい。この方法を用いた形態を、図3を用いて説明する。
まず、図3(a)及び(b)は、実施形態1の図2(a)及び(b)と同様にする。
続いて、型材110を除去した後、第2のマスク層108の開口109内から、シリコン基板に未貫通穴111を形成する。図3(c)に示す断面では、2本の未貫通穴111を形成している。未貫通穴は、レーザー照射やドライエッチング等によって形成することができるが、レーザー照射によって形成することが好ましい。
次に、図3(d)及び図3(e)に示すように、エッチング液によって液体供給口105を形成する。この液体供給口の一部に未貫通穴からのエッチングが到達するよう、未貫通穴の配置や本数、深さ等を調整する。エッチング液によるエッチングは異方性エッチングであることが好ましい。
本実施形態のように未貫通穴を形成することにより、基板表面側の開口幅を安定化させることができる。この理由は以下のように考えられる。
未貫通穴を形成しない場合、裏面側から表面側まで(111)面を有する液体供給口となる。このとき、エッチングの途中でシリコン基板に結晶欠陥があると、表面側の開口幅が広がってしまう。しかし、未貫通穴を形成してからエッチングを行うと、(111)面を少なくすることができ、表面側の開口幅を安定化することができる。
また、エッチング液によるエッチングの前に未貫通穴を形成しておくことで、エッチング時間を短縮することもできる。
<実施形態3>
液体供給口の形成に未貫通穴を用いる方法はこの他にもある。その例を、図4及び図5を用いて説明する。
まず、図4に示す方法を説明する。図4(a)及び(b)は、実施形態1の図2(a)及び(b)と同様にする。
続いて、型材110を除去した後、第2のマスク層108の開口109内から、シリコン基板に未貫通穴111を形成する。さらに、第1のマスク層106の開口107内からも、未貫通穴112を形成する。即ち、図4(c)に示すように、シリコン基板101には、裏面側から未貫通穴111が、表面側から未貫通穴112が形成される。未貫通穴111と未貫通穴112との形成順序はどちらが先でもよく、同時でもよい。未貫通穴111は、上述したようにレーザー照射で形成してもよいし、ドライエッチングによって形成してもよい。但し、未貫通穴112は、レーザー照射によって形成する。これは、基板101の表面側に形成された流路形成部材103を破損させないためである。表面側に照射するレーザーは流路形成部材103を透過する必要があるので、波長を適切なものとする必要がある。例えば、流路形成部材103がSiCやSiCNで形成されている場合、波長500nm以上のレーザーを照射する。
その後は、図4(d)及び(e)に示すように、エッチング液によるエッチングを行い、液体供給口105を形成する。このように未貫通穴を両面から形成することで、液体供給口105の形成をさらに早めることができる。
<実施形態4>
次に、図5に示す方法を説明する。図5(a)及び(b)は、実施形態1の図2(a)及び(b)と同様にする。
続いて、図5(c)に示すように、型材110を除去した後、第2のマスク層108の開口109内から、シリコン基板に未貫通穴111を形成する。さらに、第1のマスク層106の開口107内からは、シリコンの結晶欠陥が連続して存在する変質領域113を形成する。変質領域113は、シリコンの結晶構造が崩れており、エッチングが非常に早く進む。変質領域113の形成は、レーザーの焦点を集光させ、多光子吸収のレーザー加工により行う。例えば、YAGレーザーの基本波(波長1060nm)のレーザー光を用い、レーザー光のパワーおよび周波数を適切な値に設定して行う。基板の材料であるシリコンに対して多光子吸収ができるものであれば、加工に用いることができるレーザー光は制限されず。例えば、フェムト秒レーザーを用いることができる。また、流路形成部材103がSiCやSiCNで形成されている場合、レーザー光の波長は500nm以上とする。
その後は、図5(d)及び(e)に示すように、エッチング液によるエッチングを行い、液体供給口105を形成する。このようにレーザー照射を両面から行うことで、液体供給口105の形成をさらに早めることができる。また、変質領域の形成であれば、図4に示すような通常のレーザー照射とは異なり、基板の表面側にデブリ(破片)はほとんど発生しない。よって、表面側に変質領域を形成するレーザーを照射しても、流路形成部材103に大きな影響を与えない。
<実施形態5>
液体供給口の形成に未貫通穴ではなく貫通穴を用いる方法を、図6を用いて説明する。図6(a)及び(b)は、実施形態1の図2(a)及び(b)と同様にする。
続いて、図6(c)に示すように、型材110を除去した後、第1のマスク層106の開口107及び第2のマスク層108の開口109内に、これらの開口を通るような貫通穴114を形成する。貫通穴114の形成は、レーザー照射によって行うことが好ましい。レーザー照射の場合、流路形成部材103を透過する必要があるので、適切な波長のレーザーを照射する必要がある。例えば、流路形成部材103がSiCやSiCNで形成されている場合、波長500nm以上のレーザーを照射することが好ましい。
その後は、図6(d)及び(e)に示すように、エッチング液によるエッチングを行い、液体供給口105を形成する。この方法によれば、液体供給口105の形成をさらに早めることができる。また、液体供給口105の形状をより安定化させることができ、特にはシリコン基板表面側の開口幅を非常に高精度に制御することができる。

Claims (14)

  1. 液体吐出口及び液体流路を形成する流路形成部材と、前記液体吐出口及び液体流路に液体を供給する液体供給口を形成するシリコン基板と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    表面側に、開口が形成された第1のマスク層と、前記第1のマスク層上に液体吐出口及び液体流路を形成する流路形成部材とを有し、裏面側に、開口が形成された第2のマスク層を有するシリコン基板を用意する工程と、
    前記流路形成部材を透過するレーザーを照射する工程と、
    前記第1のマスク層に形成された開口と前記第2のマスク層に形成された開口とからエッチング液を供給して前記シリコン基板をエッチングし、前記シリコン基板に液体供給口を形成する工程と、
    この順に有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記流路形成部材を透過するレーザーを照射することで、前記第1のマスク層の開口から前記シリコン基板に未貫通穴を形成する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記流路形成部材を透過するレーザーを照射することで、前記第1のマスク層の開口から前記シリコン基板に変質領域を形成する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記流路形成部材を透過するレーザーを照射することで、前記シリコン基板に貫通穴を形成する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記流路形成部材を透過するレーザーの波長は500nm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記流路形成部材はケイ素及び炭素を含有し、流路形成部材のケイ素の含有割合をX(atom%)、炭素の含有割合をY(atom%)としたときに、Y/Xが0.001以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記Y/Xが0.01以上である請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記Y/Xが0.05以上である請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記Y/Xが0.1以上である請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記流路形成部材は窒素を含有している請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記流路形成部材は炭窒化ケイ素を含有している請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記第1のマスク層はケイ素及び炭素を含有し、第1のマスク層のケイ素の含有割合をX(atom%)、炭素の含有割合をY(atom%)としたときに、Y/Xが0.001以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記第1のマスク層は窒素を含有している請求項1〜12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記エッチング液を供給して前記シリコン基板をエッチングする工程の前に、前記第2のマスク層の開口から前記シリコン基板に未貫通穴を形成する請求項1〜13のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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