以下に説明する各実施形態及び変形例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
本実施形態に係る状態推定システム、状態推定方法及びプログラムについて説明する。
(1)全体概要
本実施形態では、施設に関する人の状態を推定する機能、及び推定に用いる情報を提案する機能を、基本的な機能として有する状態推定システムについて説明する。ここで、推定に用いる情報は、施設で使用された電力の計測に関する情報、及び電力とは異なる種別の計測に関する情報のうち少なくとも一方の情報である。電力とは異なる種別の計測に関する情報とは、例えば、施設で使用したガスの計測に関する情報、及び施設で使用した水の計測に関する情報である。また、「人の状態を推定する」とは、人が特定の行動をとったか否かを推定する。
本実施形態において、「施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、戸建住宅を施設の一例として説明する。なお、施設は、戸建住宅に限らず、集合住宅の各住戸、オフィスビル、商業施設、病院、福祉施設、ホテル又は工場等であってもよい。
本実施形態では、コンピュータシステムが備える状態推定システム10は、図1、図2に示すように、サーバ1にて構成される。サーバ1は、施設5に用いられる機器から、機器に関する情報を取得する。施設5に用いられる機器は、照明器具51、空調機器52、コンセント(アウトレット)53、トイレ54、シャワー55、風呂56、給湯機57、センサ58等のように、施設5に設置される種々の機器である。つまり、施設5に用いられる機器は、電力を消費する電気機器に限られず、電力以外の資源(例えば、水、ガス等)を消費する機器であってもよい。また、施設5に用いられる機器は、利用者が使用する機器に限られず、施設5の環境状態を計測するセンサ58(例えば、温度センサ、湿度センサ等)であってもよい。その他、施設5に用いられる機器には、例えば壁スイッチ等が含まれる。これらの機器を区別する必要がない場合には、各機器を「機器50」という。
ローカル装置40は、図2に示すように、施設5に設けられた計測システム20から施設5における電力の消費に係る電力データを取得する。計測システム20は、施設5における複数の分岐回路70の各々について、消費電力量を消費データとして計測する。施設5における複数の分岐回路70の各々には機器50が接続されている。分岐回路70に接続される機器50は、例えば施設5に設けられており、例えば電力を消費する電気機器である。機器50は、例えば照明器具51、空調機器52、コンセント(アウトレット)53、炊飯器、洗濯機、食器洗浄機、給湯機、調理家電等である。
さらに、ローカル装置40は、水道の消費に係る水量データ及びガスの消費に係るガスデータを取得する。
サーバ1は、図2に示すように、施設5に設けられた計測システム20にネットワーク4を介して接続される。計測システム20は、施設5における複数の分岐回路70の各々について、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測値として計測する。さらに、計測システム20は、施設5で使用される水道の使用量、及びガスの使用量を計測する。
また、サーバ1は、図2に示すように、表示部31を備える情報端末3にネットワーク4を介して接続される。情報端末3は、状態推定システム10(サーバ1)で出力された情報を表示部31に表示する。表示部31で表示される情報は、例えばサーバ1が提案する情報(推定に用いる情報)である。
(2)構成
次に、本実施形態に係る状態推定システム10、計測システム20、ローカル装置40及び情報端末3の構成について説明する。
(2.1)計測システム
まず、本実施形態の計測システム20の構成について説明する。
計測システム20は、図2に示すように、計測ユニット21と、通信アダプタ22と、電流センサ23,24とを備えている。このうち、計測ユニット21、通信アダプタ22、及び電流センサ23,24は、分電盤6のキャビネット内に配置されている。分電盤6は、系統電源8に電気的に接続される主幹ブレーカ61と、主幹ブレーカ61の二次側に電気的に接続された複数の分岐ブレーカ62とをキャビネット内に備えている。
計測ユニット21は、電流センサ23,24に電気的に接続されている。電流センサ23は、主幹ブレーカ61の一次側に設けられ、幹線を流れる電流の値を計測する。複数の電流センサ24は、複数の分岐ブレーカ62に対応して設けられ、複数の分岐回路70に流れる電流の値をそれぞれ計測する。ここでいう「分岐回路」は、複数の分岐ブレーカ62にて幹線から分岐された各回路を意味する。分岐回路70には、分岐ブレーカ62に接続される配線、照明器具51、空調機器52や調理家電、コンセント(アウトレット)53、壁スイッチ等を含んでいる。このような分岐回路70は、本実施形態のように戸建住宅からなる施設5においては、例えばリビング、寝室、玄関、トイレ、子供部屋、キッチン等の部屋ごと、かつ空調機器52、照明器具51、調理家電等の機器の種類ごとに設けられる。1つの分岐回路70には、1つの機器50が含まれてもよいし、複数の機器50が含まれてもよい。
計測ユニット21は、電流センサ23,24の出力を用いて、幹線及び複数の分岐回路70の各々について、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測する。通信アダプタ22は、計測ユニット21で計測された計測値を、計測システム20の計測値として施設5に設けられたローカル装置40へ送信する。
要するに、計測システム20の計測値は、施設5における複数の分岐回路70の各々について、計測ユニット21で計測される消費電力と消費電力量との少なくとも一方を含んでいる。つまり、計測値は、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、あるいは一定時間における電力の消費量(使用量)を表す消費電力量であってもよい。また、計測値は、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、計測値は、消費電力を一定時間(例えば正時から30分間隔)で積算した消費電力量である。
また、計測ユニット21は、水道メータ91に電気的に接続されている。本実施形態では、水道メータ91は、パルス発信器を有している。計測ユニット21は、水道メータ91が発信するパルスを計数することにより、施設5における水道の使用量を計測する。本実施形態では、計測ユニット21は、トイレ54、シャワー55、風呂56及び洗面所等での水の使用量を計測する。
また、計測ユニット21は、ガスメータ92に電気的に接続されている。本実施形態では、ガスメータ92は、パルス発信器を有している。計測ユニット21は、ガスメータ92が発信するパルスを計数することにより、施設5におけるガスの使用量を計測する。本実施形態では、計測ユニット21は、給湯機57等でのガスの使用量を計測する。
通信アダプタ22は、計測ユニット21で計測された計測値を、計測システム20で計測した計測データとしてローカル装置40へ送信する。つまり、計測システム20の計測データには、電気の使用量に関する計測値と、水道の使用量に関する計測値と、ガスの使用量に関する計測値とが含まれている。
(2.2)状態推定システム
次に、本実施形態の状態推定システム10の構成について説明する。
状態推定システム10は、上述したように、本実施形態ではサーバ1にて構成されている。サーバ1は、情報端末3及びローカル装置40とネットワーク4を介して通信可能である。
サーバ1は、計測システム20で計測された消費電力量(電力データ)を、分岐ブレーカ62(分岐回路70)ごとに時系列データとしてローカル装置40を介して取得する。サーバ1は、計測システム20で計測された水道の使用量(水量データ)、及びガスの使用量(ガスデータ)を、時系列データとしてローカル装置40を介して取得する。サーバ1は、ローカル装置40からセンサ58の検知結果を定期的に取得する。ここで、センサ58は、例えば、センサ58が設置された場所の温度を計測する温度センサ、又はセンサ58が設置された場所の湿度を計測する湿度センサである。また、センサ58は、センサ58が設置された場所の空気の汚れを計測する空気質センサであってもよいし、センサ58が設置された場所の照度を計測する照度センサであってもよい。要するに、センサ58は、施設5の温度、湿度、空気質及び照度といった施設5の環境状態を計測する機器であればよい。
サーバ1は、分岐ブレーカ62(分岐回路70)ごとに取得した電力データ、水量データ、ガスデータ及びセンサ58の計測結果(検知データ)のうち少なくとも1つのデータ(蓄積データ)に基づいて、所定のアルゴリズムに従って施設5内の人の状態を推定する。例えば、サーバ1は、当該人が帰宅したか否かを人の状態として推定する。
なお、本実施形態において、分岐回路70、水道メータ91、ガスメータ92及びセンサ58を総称して、“設備機器”という場合がある。
サーバ1は、図1に示すように、記憶部11と、処理部12と、通信部13とを備える。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有している。CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。プログラムは、ここではインターネット等の電気通信回線を通じて、あるいはメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されるが、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
記憶部11は、計測システム20から取得した施設5における電力データと、対応する分岐回路70の名称及び計測値が計測された時刻とを対応付けて、施設5での電力計測の関する電力計測情報として記憶する。ここで、分岐回路70の名称は、分岐回路70ごとに異なっている。これにより複数の分岐回路70を、個別に識別される。なお、分岐回路70に1つの機器50のみが含まれている場合には、当該分岐回路70には、機器50の名称を割り当ててもよい。例えば、分岐回路70に空調機器のみが機器50として含まれている場合には、当該分岐回路70の名称は、空調機器に割り当てられた名称であってもよい。
記憶部11は、計測システム20から取得した施設5における水量データ及びガスデータと、対応するメータ(水道メータ91又はガスメータ92)の名称及び計測された時刻と対応付けて、電力とは異なる種別の計測に関する他種計測情報として記憶する。さらに、記憶部11は、ローカル装置40から取得した検知データと、検知したセンサ58の名称、当該センサ58が計測する場所及び計測した時刻と対応付けて、他種計測情報として記憶する。なお、電力計測情報と、他種計測情報とを区別する必要がない場合には、電力計測情報と他種計測情報とを総称して、“計測情報”という。
記憶部11は、複数の分岐回路70、水道メータ91、ガスメータ92及びセンサ58のうち、特定の時間帯における施設5の人の状態を推定するために登録されたすべての推定対象機器を記憶している。ここで、推定対象機器とは、推定の対象に用いられる設備機器である。具体的には、記憶部11は、施設5の人の状態を推定するためのすべての推定対象機器にそれぞれ対応する計測情報を推定用情報として記憶している。
記憶部11は、上述した特定の時間帯(以下、「第1時間帯」ともいう)を表す第1時間帯情報を推定対象である人の状態ごとに記憶している。特定の時間帯とは、施設5の人が特定の行動を行う可能性がある時間帯である。第1時間帯情報を記憶(登録)することで、特定の時間帯における人の状態を推定することができる。
例えば、状態推定システム10(サーバ1)が施設5の人の帰宅を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が帰宅する可能性がある時間帯(16:00〜18:00)を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人の入浴を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が入浴する可能性がある時間帯(22:00〜23:00)を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人の調理を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が調理する可能性がある時間帯(18:00〜20:00)を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人の外出を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が外出する可能性がある時間帯(08:00〜16:00)を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人の睡眠を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が睡眠する可能性がある時間帯(23:00〜06:00)を表す第1時間帯情報として記憶する。
また、状態推定システム10が施設5の人のテレビ視聴を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人がテレビを視聴する可能性がある時間帯を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人がトイレを使用しているか否かを推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人がトイレを使用する可能性がある時間帯を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人が掃除をしているか否かを推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が掃除をする可能性がある時間帯を表す第1時間帯情報として記憶する。状態推定システム10が施設5の人の整容を推定する場合には、記憶部11は、特定の時間帯として施設5の人が整容する可能性がある時間帯を表す第1時間帯情報として記憶する。
記憶部11は、所定の時間帯(以下、「第2時間帯」という)を表す第2時間帯情報を推定対象である人の状態ごとに記憶している。第2時間帯情報は、複数の設備機器にそれぞれ対応する蓄積データに基づいて推定に用いる推定用情報を選択するために、及び推定部16が施設5の人の第1時間帯での状態を推定するために用いられる。また、本実施形態では、第2時間帯と、第1時間帯とは、同一の時間帯である。
処理部12は、図1に示すように、選択部14、提案部15、推定部16、第1入力部17及び第2入力部18を有する。
選択部14は、推定対象となる人の状態(上述した帰宅、入浴、調理等)ごとに、電力計測情報及び他種計測情報を含む計測グループから少なくとも1つの計測情報を、推定用情報として選択する。具体的には、選択部14は、推定対象となる人の状態ごとに、複数の分岐回路70、水道メータ91、ガスメータ92及びセンサ58のうち、少なくとも1つの設備機器に関する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
選択部14は、複数の設備機器から、過去1日を所定の期間として当該所定の期間での第2時間帯における蓄積データの変化に基づいて、推定に用いられる少なくとも1つの設備機器(推定対象機器)を求める。選択部14は、求めた推定対象機器の名称を含む計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
例えば、選択部14は、複数の設備機器のうち第2時間帯において所定の変化パターンを含む蓄積データが出現している1つ以上の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求める。ここで、所定の変化パターンとは、例えば、分岐回路70、水道メータ91及びガスメータ92については、使用状態が未使用から使用に変化するパターンである。センサ58については、検知結果に応じて変化するパターンである。例えば、センサ58が温度センサである場合には、検知した温度が徐々に低下するパターンである。例えば、施設5の人が帰宅し、空調機器(冷房)を起動させた場合、部屋の温度は徐々に低下する。
なお、推定対象機器を求めるための所定の期間は、1日に限らず、複数の連続する日数からなる期間(例えば、3日間、1週間、1ヶ月間)であってもよい。または、所定の期間は、複数の不連続な日数からなる期間であってもよい。複数の不連続な日数として、例えば同一曜日の複数の日数である。つまり推定対象機器を求めるための所定の期間は、第2時間帯を少なくとも1つ含む期間であればよい。
選択部14は、ユーザからの指示に基づいて、求めた推定対象機器に対応する推定用情報を推定部16の推定で用いる情報として登録する。具体的には、選択部14は、求めた推定対象機器にそれぞれ対応する推定用情報を、記憶部11に記憶(登録)する。
なお、選択部14は、複数の設備機器の各々に対して第2時間帯における蓄積データの変化に基づいて、変化量(変化度合)が最も大きい上位所定数の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求めてもよい。または、選択部14は、複数の設備機器すべてに対して第2時間帯での蓄積データが変化する回数(変化パターンの出現頻度)に基づいて、出現頻度が最も多い上位所定数の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求めてもよい。
提案部15は、選択部14で選択された推定用情報を、ユーザに提案する。具体的には、提案部15は、推定情報に含まれる推定対象機器の名称及び推定対象機器の蓄積データに関する情報を、ユーザに提案する。提案部15は、選択部14で選択したすべての推定用情報について、推定用情報に含まれる蓄積データを用いて、所定の期間での第2時間帯での蓄積データの変化を表すグラフを表すグラフ情報を生成する。所定の期間が複数の日数である場合には、グラフは複数の日数に対する蓄積データ(計測値)の平均を表してもよいし、複数の日数のうち一の日の蓄積データを表してもよい。または、全ての日の蓄積データを表してもよいし、一部時間の蓄積データを表してもよい。
提案部15は、情報端末3で表示される画面の情報であって、推定対象機器すべての名称、生成したグラフ情報及び第1時間帯を含む画面情報を、通信部13を介して情報端末3に送信する。提案部15は、情報端末3で画面情報に基づいて画面を表示させることで、推定に用いる推定用情報に応じた推定対象機器をユーザに提案する。推定対象機器が分岐回路70であって1つの機器50のみを含んでいる場合には、推定対象機器(分岐回路70)を提案することは、推定対象として機器50を提案することと言い換えることができる。
推定部16は、記憶部11に記憶された1つ以上の推定用情報に含まれる蓄積データを用いて施設5の人の第1時間帯での状態を推定する。具体的には、推定部16は、1つ以上の推定用情報に含まれる第2時間帯における蓄積データの変化に基づいて、施設5の人の第1時間帯での状態を推定する。
例えば、記憶部11で3つの推定用情報が記憶されていると仮定する。推定部16は、記憶部11で記憶されている3つの推定用情報のうち少なくとも1つの推定用情報に含まれる第2時間帯での蓄積データに所定のパターン変化が含まれる場合に、施設5の人が第1時間帯で特定の行動を行ったと推定する。具体的には、第1時間帯情報が施設5の人が帰宅する時間帯を表し、記憶部11に記憶された3つの推定用情報にそれぞれ対応する推定対象機器が、複数の分岐回路70、水道メータ91及びガスメータ92のいずれかであると仮定する。この場合、推定部16は、3つの推定対象機器のうち少なくとも1つの推定対象機器について第2時間帯での蓄積データから当該推定対象機器の使用が確認された場合に、施設5の人が帰宅したと推定する。推定部16は、3つの推定対象機器すべてについて第2時間帯での蓄積データから当該推定対象機器の使用が確認されない場合に、施設5の人が帰宅していないと推定する。
推定部16は、施設5の人が第1時間帯に、当該第1時間帯に応じた行動を行ったと推定する場合、施設5の人が当該行動を行ったことを施設5の他の人(情報端末3のユーザ)に通知する。具体的には、推定部16は、施設5の人が当該行動を行ったことを表す推定結果情報を情報端末3に送信する。
第1入力部17は、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3が受け付けた推定対象である人の状態ごとの第1時間帯情報を、通信部13を介して受け付ける。第1入力部17は、受け付けた第1時間帯情報を記憶部11に記憶する。また、第1入力部17は、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3が受け付けた第2時間帯情報を、通信部13を介して受け付ける。第1入力部17は、受け付けた第2時間帯情報を記憶部11に記憶する。
第2入力部18は、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3が受け付けた情報であって推定対象機器の登録を行うか否かを表す登録情報を受け付ける。第2入力部18は、受け付けた登録情報を選択部14に出力する。このとき、選択部14は、登録情報が推定対象機器の登録を行うことを表している場合に、選択した推定対象機器すべてを記憶部11に登録、つまり推定対象機器すべての名称を記憶部11に記憶する。
通信部13は、ネットワーク4に接続されることで、サーバ1と情報端末3との間、及びサーバ1とローカル装置40との間の通信を可能にする。
(2.3)ローカル装置
次に、本実施形態のローカル装置40の構成について説明する。
ローカル装置40は、例えばHEMS(Home Energy Management System)のローカル装置である。
ローカル装置40は、図1に示すように、処理部41と、第1通信部42と、第2通信部43とを備える。ローカル装置40は、CPU及びメモリを有している。CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、処理部41の機能を実現する。プログラムは、ここではインターネット等の電気通信回線を通じて、あるいはメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されるが、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。
処理部41は、計測システム20で計測された施設5における分岐回路70の各々の消費電力量の情報を取得し、取得した施設5の消費電力量に日時を対応付けて記憶領域に分岐回路70ごとに一時的に記憶する。処理部41は、記憶領域に分岐回路70ごとに蓄積されている計測システム20の消費電力量及び対応付けられた日時を、定期的に第1通信部42からサーバ1に送信する。具体的には、処理部41は、消費電力量に、対応する分岐回路70の名称及び日時を対応付けて、サーバ1に送信する。
処理部41は、計測システム20で計測された水道の使用量に係る情報、及びガスの使用量に係る情報を取得し、取得した情報に日時を対応付けて記憶領域に一時的に記憶する。処理部41は、記憶領域に蓄積されている水道の使用量に係る情報及び対応付けられた日時を、定期的に第1通信部42からサーバ1に送信する。処理部41は、記憶領域に蓄積されているガスの使用量に係る情報及び対応付けられた日時を、定期的に第1通信部42からサーバ1に送信する。
さらに、処理部41は、センサ58から検知データを第2通信部43を介して取得し、取得した検知データに日時を対応付けて記憶領域に一時的に記憶する。処理部41は、記憶領域に蓄積されている検知データ及び対応付けられた日時を、定期的に第1通信部42からサーバ1に送信する。
第1通信部42は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信インタフェースである。第1通信部42は、ルータ7及びネットワーク4を介してサーバ1と通信可能である。第1通信部42は、ルータ7と有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。
第2通信部43は、計測システム20の通信アダプタ22及びセンサ58と無線で通信を行うための通信インタフェースである。第2通信部43は、例えば、無線局の免許が不要な小電力無線の通信インタフェースである。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力等の仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯または420MHz帯の電波を使用する小電力無線(特定小電力無線)が規定されている。第2通信部43は、無線通信により通信アダプタ22から幹線及び複数の分岐回路70の各々の計測値(消費電力量)を受け取る。第2通信部43は、無線通信により機器50を制御するための情報を、制御対象の機器50に送信する。なお、第2通信部43は、本実施形態では無線通信を行う構成としているが、有線通信であってもよい。
(2.4)情報端末
次に、本実施形態の情報端末の構成について説明する。
情報端末3は、図1に示すように、表示部31の他、処理部32と、通信部33と、入力部34と、記憶部35とを備える。情報端末3は、CPU及びメモリを有しており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータを処理部32として機能させる。プログラムは、ここではインターネット等の電気通信回線を通じて、あるいはメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されるが、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。情報端末3は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、少なくともサーバ1から提供される情報を表示するように機能する。
図2の例では、情報端末3Aは施設5外にあるスマートフォンであり、情報端末3Bは施設5内にあるスマートフォンであり、情報端末3Cは施設5内で使用される専用モニタである。例えば、情報端末3Cは、HEMS対応の専用モニタである。
表示部31は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(electroluminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。
処理部32は、表示部31に表示する画面を作成し、表示部31を制御することにより、作成した画面を表示部31に表示する機能を持つ。つまり、情報端末3は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、表示部31を制御するための処理部32としての機能を実現する。
通信部33は、ネットワーク4に接続されることで、情報端末3とサーバ1(状態推定システム10)との間の通信を可能にする。ここでは、情報端末3Aは、施設5外にあるスマートフォンであるから、通信部33は、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)を介して、ネットワーク4に接続される。携帯電話網には、例えば3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線等がある。通信部33は、公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク4に接続されてもよい。情報端末3Bは、施設5内にあるスマートフォンであるから、ルータ7との間で例えばWi−Fi(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。情報端末3Cは、施設5内にある専用モニタであるから、ルータ7に対してLANケーブルで接続されている。ルータ7は、ネットワーク4に接続されているので、情報端末3B,3Cは、ルータ7を介してネットワーク4にも接続されることになる。なお、情報端末3Cは、本実施形態では有線通信を行う構成としているが、無線通信でルータ7と通信を行ってもよい。
入力部34は、情報端末3の所有者の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、情報端末3はタッチパネルディスプレイを搭載したスマートフォンであり、タッチパネルディスプレイが表示部31及び入力部34として機能する。そのため、以下の説明では、表示部31に表示される画面上のボタンに対する種々のタッチ操作を、「タップ」等と表現する。ただし、入力部34は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えばキーボードやポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ等であってもよい。
記憶部35は、例えばフラッシュメモリ等の電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリで構成される。
情報端末3は、上記構成によりサーバ1で提供される情報を表示するように機能することができる。なお、情報端末3は、専用のアプリケーションソフトを用いて表示部31に表示させる画面を閲覧可能とする構成に限定されない。例えば、情報端末3は、画面をブラウザで閲覧可能としてもよい。この場合、専用のアプリケーションソフトのインストールは不要である。
(3)動作説明
(3.1)状態推定システム
以下、本実施形態に係る状態推定システムの動作について説明する。
本実施形態に係るプログラムは、状態推定システム10(サーバ1)が、施設5の人の状態を推定する機能と、推定に用いる情報を選択する機能とを実現するためのプログラムである。つまり、本実施形態に係るプログラムは、サーバ1のコンピュータを、選択部14、提案部15、推定部16、第1入力部17及び第2入力部18として機能させるためのプログラムである。
推定対象機器を選択する状況として、記憶部11に推定用情報が記憶されていない、つまり推定対象機器が登録されていない場合(初期状態)と、登録されている推定用情報(推定対象機器)の変更(更新)を行う場合とがある。
まず、初期状態の場合におけるサーバ1の動作について説明する。
選択部14は、記憶部11に推定対象機器が登録されていない場合には、所定の期間での第2時間帯における複数の設備機器の蓄積データの変化に基づいて、少なくとも1つの推定対象機器を求める。例えば、選択部14は、蓄積データが所定の変化パターンが出現している1つ以上の設備機器を、それぞれ推定対象機器とする。選択部14は、求めた1つ以上の設備機器にそれぞれ対応する計測情報を推定用情報として、計測グループから選択する。
提案部15は、選択部14が求めた1つ以上の推定対象機器の各々に対して、当該推定対象機器に対応する推定用情報(計測情報)の蓄積データを用いて、第2時間帯における蓄積データの変化を表すグラフを表すグラフ情報を生成する。提案部15は、第1時間帯情報、求めた1つ以上の推定対象機器の各々の名称及び生成したグラフ情報を含む画面情報を、通信部13を介して情報端末3に送信する。例えば、提案すべき推定対象機器が3つである場合、提案部15は、3つの推定対象機器の各々に対して、グラフ情報を生成する。提案部15は、第1時間帯情報、3つの推定対象機器の各々の名称、及び3つの推定対象機器の各々のグラフ情報を含む画面情報を、情報端末3に送信する。
選択部14は、第2入力部18を介して、登録情報を受け取ると、登録情報が推定対象機器の登録を行うことを表している場合に、提案部15で提案したすべての推定対象機器にそれぞれ対応する推定用情報を記憶部11に登録(記憶)する。
なお、選択部14は、推定対象機器を求める際に、常にすべての設備機器を用いる必要はない。例えば、選択部14は、すべての設備機器から変化の無い設備機器等を除いた残りの設備機器を用いて推定対象機器を求めてもよい。また、推定対象機器から除外される設備機器として、全く使用されていない設備機器、変化はあるが所定の変化量よりも少ない量で変化している設備機器、自動的な制御により、周期的な変化をしている設備機器、設備機器の名称から不適当と思われる設備機器等がある。
また、選択部14は、所定の期間での第2時間帯における複数の設備機器すべての蓄積データの変化に基づいて、変化量(変化度合)の平均が最も大きい上位所定数の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求めてもよい。例えば、変化量とは、設備機器が分岐回路70である場合には待機電力から消費電力量のピーク値までの差分である。
または、選択部14は、複数の設備機器すべてに対して所定期間で計測された蓄積データの変化パターンが出現する頻度に基づいて、出現頻度が最も多い上位所定数の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求めてもよい。例えば、選択部14は、複数の設備機器すべてに対して所定期間での第2時間帯の蓄積データにおいて変化パターンが出現する1日当たりの頻度に基づいて、出現頻度が最も多い上位所定数の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求めてもよい。
または、選択部14は、複数の日に対して日ごとに変化パターンを求めて、同じ時間帯に所定の変化パターンが発生している日の頻度に基づいて推定対象機器を求めてもよい。この場合、1日だけその時間帯に所定の変化パターンが発生したに過ぎない場合の誤提案を抑制できる。
次に、登録された推定用情報の変更(更新)、つまり推定対象機器の変更(更新)を行う場合について説明する。推定用情報(推定対象機器)の変更は、例えば施設5の人が特定の行動を行う際に使用する機器など(機器50、水道、ガス)が変更されたときに行われる。さらに、施設5の人が特定の行動を行う際に使用する機器など(機器50、水道、ガス)に変更はないが、例えば推定対象機器(分岐回路70)に接続された機器50が変更されて消費電力量に変化が生じているとき等に行われる。
選択部14は、推定用情報が記憶部11に登録された後、記憶部11に登録されている推定用情報を変更すべきか否かを判断し、変更すべきと判断する場合に新たに推定用情報の選択を行う。
選択部14は、推定用情報が記憶部11に登録された後、複数の設備機器すべてに対して所定の期間での第2時間帯における蓄積データの変化を監視する。選択部14は、所定の期間での第2時間帯における蓄積データに所定の変化パターンが出現している1つ以上の設備機器を求める。選択部14は、求めた1つ以上の設備機器の名称からなる第1群と、記憶部11で記憶されている推定用情報に含まれる推定対象機器の名称からなる第2群とが一致するか否かを判断する。ここでの第1群及び第2群の概念には、1つからなる場合も含める。
選択部14は、一致しない場合には、推定用情報の変更を行うと判断する。つまり、第1群と第2群とが一致するか否かの判断は、推定用情報を変更すべきか否かの判断に読み替え可能である。
選択部14は、推定用情報を変更すべきと判断した場合に、新たに求めた1つ以上の設備機器にそれぞれ対応する計測情報を、推定用情報として計測グループから選択する。
なお、選択部14は、蓄積データの変化量に基づいて推定用情報を選択する場合、選択したすべての計測情報にそれぞれ含まれる設備機器の名称からなる第1群と、記憶部11で記憶するすべての推定用情報にそれぞれ含まれる推定対象機器の名称からなる第2群とが一致するか否かを判断してもよい。選択部14は、一致しない場合には、推定用情報を変更すべきと判断する。または、選択部14は、蓄積データの変化パターンの出現頻度が最も多い上位所定数の設備機器の名称からなる第1群と、記憶部11で記憶する所定数の推定用情報にそれぞれ含まれる推定対象機器の名称からなる第2群とが一致するか否かを判断してもよい。これらの場合でも、第1群と第2群とが一致するか否かの判断は、記憶部11に登録された推定用情報を変更すべきか否かの判断に読み替え可能である。
以降の動作は、初期状態の場合におけるサーバ1の動作で説明した動作と同様であるので、説明を省略する。
(3.2)情報端末
次に、情報端末3の動作について説明する。
情報端末3の処理部32は、画面情報をサーバ1から通信部33を介して受け取る。処理部32は、画面情報を基に提案画面100を生成し、表示部31に表示する。
処理部32は、表示部31で提案画面100が表示されている間にユーザの所定操作が行われると、推定対象機器に対応する推定用情報を受け入れるか否かを問い合わせる確認画面150を表示部31に表示する。ここで、確認画面150は、提案画面100にオーバーラップして表示されてもよいし、提案画面100から確認画面150に遷移してもよい。または、提案画面100の内容と確認画面150の内容とを同じ画面に表示してもよい。
入力部34は、推定対象機器に対応する推定用情報の登録を行うか否かの問い合わせに対する応答をユーザ操作により受け付ける。処理部32は、入力部34で受け付けた応答に応じた登録情報をサーバ1に送信する。
以下、提案画面100及び確認画面150について説明する。
まず、提案画面100について説明する。
提案画面100は、図3に示すように、グラフ表示領域101と、情報表示領域102とを含んでいる。図3の参照符号及び領域を囲む一点鎖線は、説明のために記載しているのみであり、実際の画面には表示されない。また、図4においても同様である。
グラフ表示領域101には、推定対象機器の名称と、第2時間帯を含む時間帯における当該推定対象機器の蓄積データ(計測値)の変化を表すグラフとが表示される。ここで、推定対象機器の名称は、分岐回路70の名称、水道メータ91の名称、ガスメータ92の名称及びセンサ58の名称である。図3では、グラフ表示領域101には、4つの推定対象機器回路の各々の名称(ガスメータ、水道メータ、浴室分岐回路、浴室湿度センサ)と、推定対象機器の各々の第2時間帯を含む時間帯における蓄積データ(計測値)の変化を表すグラフとが表示されている。情報表示領域102には、第1時間帯(ここでは、22:00〜23:00)が表示される。
提案画面100が表示されることにより、情報端末3のユーザは、表示された推定対象機器が第1時間帯(ここでは、入浴する可能性がある時間帯)における施設5の人の状態を推定する機器として適しているか否かを判断することができる。
なお、提案画面100において表示される推定対象機器についてのグラフは、表示対象として必須ではない。提案画面100では、すべての推定対象機器の名称が少なくとも表示されることが好ましい。または、提案画面100においてすべての推定対象機器についてのグラフを表示する場合、第1時間帯のみのグラフを表示してもよい。または、すべての推定対象機器のうち一部の推定対象機器についてはグラフのみが表示、又はグラフ及び名称の組が表示され、残りの推定対象機器については名称のみが表示されてもよい。また、すべての推定対象機器のうち一部の推定対象機器については名称のみが表示、又は名称及びグラフの組が表示され、残りの推定対象機器についてグラフのみが表示されてもよい。
また、本実施形態では、推定対象機器の名称を表示する構成としているが、推定対象機器が分岐回路70である場合には、推定対象機器に接続された機器50の名称を表示してもよい。または、推定対象機器の名称及び推定対象機器に接続された機器50の名称の双方を表示してもよい。これらの場合、推定対象機器に複数の機器50が接続されている場合等において、どのような機器50が推定対象機器に接続されているかを知ることができる。
また、グラフを表示することで、ユーザは、当該グラフに対応する推定用情報が選択された根拠を知ることができる。つまり、提案部15は、選択部14が推定用情報として計測情報を選択した根拠を、ユーザに通知する機能を有しているともいえる。
次に、確認画面150について説明する。
確認画面150は、図4に示すように、第1表示領域151、第2表示領域152及び第3表示領域153を含んでいる。第1表示領域151は、表示された推定対象機器にそれぞれ対応する推定用情報の登録を行うか否かを問い合わせるメッセージが表示される。第2表示領域152には第1ボタンが、第3表示領域153には第2ボタンが、それぞれ表示される。第1ボタンがタップされると、推定対象機器にそれぞれ対応する推定用情報の登録を行うことを表す登録情報がサーバ1に送信される。第2ボタンがタップされると、推定用情報の登録を行わないことを表す登録情報がサーバ1に送信される。
なお、提案画面100は、提案されている推定対象機器全てを登録するか否かをユーザに確認する画面であってもよい。または、提案画面100は、提案されている推定対象機器のうち、いずれか1つ以上をユーザに選択させる画面であってもよい。例えば、情報端末3は、提案されている1つ以上の推定対象機器にチェックボックスをそれぞれ対応付けて表示する。ユーザは推定に用いる推定対象機器に対応するチェックボックスをチェックする。この場合、確認画面150は、選択された推定対象機器を登録するか否かをユーザに確認する画面としてもよい。
(4)具体例
選択部14が、人の複数の状態について、状態ごとに計測グループから少なくとも1つの計測情報を推定用情報として選択することについて、具体例を用いて説明する。なお、ここでは、施設5に複数のセンサ58が設けられており、リビングにはセンサ58として温度センサが、浴室にはセンサ58として湿度センサが設けられている。さらに、リビングには、温度センサの他、センサ58として空気質センサ、照度センサが設けられている。また、施設5の各部屋には、空気清浄器が設けられている。
まず、施設5への帰宅が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が帰宅した場合、当該人には、先ず洗面所で手洗い、うがいをし、その後リビングへ移動する習慣があると仮定する。この場合、水道が使用されるので、水道メータ91の計測に変化が生じている。また、リビングへ移動するので、リビングの照明器具、空気清浄器等が起動すると、リビングの照明器具等が接続された分岐回路70(第1分岐回路)の計測に変化が生じている。リビングの照明が点灯すると、照度センサの計測に変化が生じている。また、空気清浄器が稼働すると、空気質センサの計測に変化が生じている。さらに、リビングで空調機器を起動させると、当該空調機器が接続された分岐回路70(第2分岐回路)の計測に変化が生じる。また、空調機器が稼働することで、リビングに設けられたセンサである温度センサにおいても計測に変化が生じる。
選択部14は、帰宅の推定を行う第2時間帯(16:00〜18:00)で計測に変化が生じている設備機器、例えば水道メータ91、第1分岐回路、第2分岐回路、温度センサ、照度センサ及び空気質センサを推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、入浴が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が入浴する場合、当該人はシャワーを利用する、又は浴槽にお湯を溜めるので、水道メータ91の計測に変化が生じている。また、浴室の照明が点灯するので、浴室の照明器具が接続された分岐回路70(第3分岐回路)の計測に変化が生じている。また、ガスにより水(お湯)を温める場合には、ガスメータ92の計測に変化が生じている。さらには、入浴前と比較して浴室の湿度が高くなるため、湿度センサの計測に変化が生じている。
選択部14は、入浴の推定を行う時間帯として設定された第2時間帯(22:00〜23:00)で計測に変化が生じている設備機器、例えば水道メータ91、ガスメータ92、第3分岐回路及び湿度センサを推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、調理が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が調理する場合、当該人が調理家電を利用する場合には調理家電が接続された分岐回路70(第4分岐回路)の計測に変化が生じ、ガスコンロを利用する場合にはガスメータ92の計測に変化が生じている。また、台所の照明が点灯するので、台所の照明器具が接続された分岐回路70(第5分岐回路)の計測に変化が生じている。なお、調理家電と台所の照明器具とは同一の分岐回路70に接続されていてもよい。
選択部14は、調理の推定を行う時間帯として設定された第2時間帯(18:00〜20:00)で計測に変化が生じている設備機器、例えば第4分岐回路(又は、ガスメータ92)及び第5分岐回路を推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、テレビ視聴が推定対象である場合について説明する。
施設5の人がリビングに設置されたテレビで視聴を行う場合、当該人は、リビングの照明器具、空気清浄器、テレビ等を起動する。その結果、リビングの照明器具等が接続された分岐回路70(上述した第1分岐回路)の計測に変化が生じている。リビングの照明が点灯すると、照度センサの計測に変化が生じている。また、空気清浄器が稼働すると、空気質センサの計測に変化が生じている。さらに、リビングで空調機器を起動させると、当該空調機器が接続された分岐回路70(上述した第2分岐回路)の計測に変化が生じる。また、空調機器が稼働することで、リビングに設けられたセンサである温度センサにおいても計測に変化が生じる。
選択部14は、テレビ視聴の推定を行う時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第1分岐回路、第2分岐回路、照度センサ、空気質センサ及び温度センサを推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、トイレの利用が推定対象である場合について説明する。
施設5の人がトイレを利用する場合、当該人は、トイレの照明器具を起動する。その結果、トイレの照明器具が接続された分岐回路70(第6分岐回路)の計測に変化が生じている。また、トイレの便器に水を流したり、手を洗ったりするので、水道メータ91の計測に変化が生じている。
選択部14は、トイレの利用を推定する時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第6分岐回路及び水道メータ91を推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、掃除が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が掃除を行う場合、当該人は、掃除を行う部屋に設けられたコンセント(アウトレット)に掃除機を接続し、掃除機を稼働する。また、掃除中、ホコリが舞ったりするため、掃除対象の部屋に設けられた空気清浄器を稼働させることが考えられる。その結果、掃除を行う部屋に割り当てられた分岐回路70(第7分岐回路)の計測に変化が生じている。空気清浄器が稼働することで、空気質センサの計測に変化が生じている。
選択部14は、掃除の推定を行う時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第7分岐回路及び空気質センサを推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、整容が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が整容を行う場合、当該人は、例えば洗面所でドライヤを利用する。その結果、洗面所に割り当てられた分岐回路70(第8分岐回路)の計測に変化が生じている。
選択部14は、整容の推定を行う時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第8分岐回路を推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、睡眠が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が睡眠する場合、例えばガス、水道が未使用状態であり、寝室の照明が点灯状態から消灯状態に変化する。その結果、寝室の照明器具に接続する分岐回路70(第9分岐回路)の計測に変化が生じている。具体的には、第9分岐回路での電力は、定格消費電力から待機電力へと変化する。
選択部14は、睡眠を推定する時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第9分岐回路、及び未使用状態となるべき水道メータ91とガスメータ92とを、推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
次に、外出が推定対象である場合について説明する。
施設5の人が外出する場合、例えばガス、水道が未使用状態であり、リビングの照明が点灯状態から消灯状態に変化する。その結果、リビングの照明器具に接続する分岐回路70(上述した第1分岐回路)の計測に変化が生じている。具体的には、第1分岐回路での電力は、定格消費電力から待機電力へと変化する。
選択部14は、外出を推定する時間帯として設定された第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器、例えば第1分岐回路、及び未使用状態となるべき水道メータ91とガスメータ92とを、推定対象機器として求める。選択部14は、求めた推定対象機器に対応する計測情報を推定用情報として計測グループから選択する。
なお、選択部14は、所定の変化パターンと、蓄積データとを比較した結果に応じて推定用情報を選択する構成に限定されない。推定対象機器を選択するか否かの基準となる閾値を、計測情報ごとに対応付けてもよい。閾値は、対応する計測情報ごとに異なっていることが好ましい。選択部14は、第2時間帯で計測に変化が生じている設備機器の計測情報に対応付けられた閾値と第2時間帯での蓄積データのピーク値とを比較し、比較結果に応じて推定対象機器を求める。例えば、帰宅、調理等の人の状態に応じて機器50、ガス及び水道等が利用される場合、選択部14は、設備機器の蓄積データのピーク値が対応する閾値を超えているときには、当該設備機器を推定対象機器として求める。また、睡眠、外出のように人の状態に応じて機器50、ガス及び水道等が未使用となる場合、選択部14は、第2時間帯で設備機器の蓄積データが対応する閾値を常に下回っているときには、当該設備機器を推定対象機器として求める。また、選択部14は、設備機器の蓄積データが対応する閾値を超えている状態から閾値を下回る状態に変化したときには、当該設備機器を推定対象機器として求める。これにより、選択部14は、閾値を用いて計測情報を計測グループから選択する構成を有しているといえる。
なお、複数のセンサ58(例えば、複数の温度センサ)が、異なる場所(部屋)にそれぞれ設置されている場合、設置された部屋に応じて、閾値を異なるように対応付けてもよい。例えば、リビングと寝室とでは、空調機器に設定した温度が異なる場合がある。それぞれで設定温度が異なるため、計測する温度変化が異なる。リビングの温度センサでは計測した温度の値が閾値を超えるが、寝室の空調機器を利用しているにも関わらず寝室の温度センサで計測された温度の値は閾値を超えないことが考えられる。そのため、部屋ごとに設けられたセンサ58すべてに対して閾値を同一とする必要はなく、部屋ごとに設けられたセンサ58に対する閾値を、場所に応じて変更することが好ましい。これにより、センサ58の設置場所に応じて適切な閾値を設定することができる。
また、設備機器に対して設定された閾値は、季節ごとに変更してもよい。例えば、春と夏とでは、帰宅時に利用する機器50の消費電力が異なる場合がある。春も夏も帰宅時に空調機器を起動させる場合、春に比べて夏に空調機器を起動させたときの消費電力のほうが大きい。そのため、季節によって閾値を異ならせた方が好ましい。これにより、季節に応じて適切な閾値を設定することができる。
また、同一の設備機器に対して、推定対象となる人の状態ごとに、異なる閾値を設定してもよい。
また、利用する閾値に変更があった場合に、サーバ1は、閾値に変更があったことをユーザに通知する通知部を備えてもよい。具体的には、サーバ1の通知部は、閾値に変更があったことを表す通知情報を情報端末3へ送信する。これにより、閾値が変更されたことを、ユーザは認識することができる。
また、人の性別、年齢等の人の属性に応じて計測情報を選択してもよい。さらに、同一の設備機器に対応付ける閾値として、当該属性に応じて異なる値を設定してもよい。大人と子供といった年齢の違いにより帰宅時に使用する電力の違いが生じる場合がある。例えば、子供は、帰宅すると、リビングの空調機器を稼働させ、リビングでTVゲームを行うことがある。一方、大人は、仕事を終えて帰宅すると、台所で夕食の準備を始める。このように、大人と子供とでは、帰宅時の行動パターンが異なる可能性があり、使用する分岐回路70が異なる(リビングと台所の違い)。そのため、子供の帰宅を推定する場合には、使用する可能性が高いリビングに割り当てられた分岐回路70に対する閾値を低くし、大人の帰宅を推定する場合には、使用する可能性が低いリビングに割り当てられた分岐回路70の閾値を高くする。人の属性に応じた閾値を設備機器に対応付けることで、サーバ1(状態推定システム10)は人ごとにより精度の高い推定を行うことができる。
また、設備機器に対応付ける閾値は、世帯人数といった施設5に関する情報に応じて変更してもよい。例えば、調理を推定する場合には世帯数に応じて調理に係る時間、及び使用する食材の量が異なる。そのため、使用する調理家電の電力量が異なる。または、ガスコンロを利用する場合には使用するガス量が異なる。そこで、世帯人数が多い場合には使用する調理家電が接続された分岐回路70(又はガスメータ92)に対する閾値を高くし、世帯人数が少ない場合には使用する調理家電が接続された分岐回路70(又はガスメータ92)に対する閾値を低くする。施設5に関する情報(世帯人数等)に応じた閾値を設備機器に対応付けることで、サーバ1(状態推定システム10)はより精度の高い推定を行うことができる。
また、閾値は、比較対象が設備機器に対する計測値とする値に限定されない。閾値は、設備機器の使用時間(継続時間)を比較対象としてもよい。例えば、帰宅すると、すぐにシャワーを浴びる行動を行う人が存在すると仮定する。使用する水量は、日によって異なるが水の使用時間がほぼ一定である。この場合、時間を単位とする閾値を水道メータ91に対応付け、閾値と水道メータ91を計測することで使用が認められる使用時間(継続時間)とを比較することで、人の状態(帰宅)を推定することができる。これにより、例えば、帰宅時にシャワーを浴びることがない家族が帰宅したことを、帰宅時にシャワーを浴びる人が帰宅したと誤って推定する可能性を低くすることができる、つまりより精度の高い推定を行うことができる。
また、上記具体例で説明したように、選択部14は、推定対象となる人の状態に応じて、推定対象機器として、電力計測情報を得るための分岐回路70の他、電力とは異なる他種の情報(他種計測情報)を得るための設備機器を求めている。例えば、推定対象が帰宅である場合には、第1分岐回路、第2分岐回路の他、水道メータ91、温度センサ、照度センサ及び空気質センサを、それぞれ推定対象機器として求めている。つまり、選択部14は、種別が異なる2つ以上の推定用情報を計測グループから選択する構成を有しているといえる。
上述したように、計測情報(推定用情報)には、対応する設備機器の蓄積データが含まれている。蓄積データは、対応する設備機器に応じて、計測システム20で計測された計測データ(電力データ、水量データ又はガスデータ)、及びセンサ58で計測された検知データのいずれかである。つまり、計測情報(推定用情報)は、電力、水道、ガスといった資源の使用量、又は施設5の環境状態を表すデータを含んでいる構成を有しているといえる。
上述したように、推定部16は、施設5の人の帰宅及び外出を推定する。推定部16が施設5の人の帰宅を推定すると、以降外出が推定されるまでの間は、施設5に在宅する。推定部16が施設5の人の外出を推定すると、以降帰宅が推定されるまでの間は、施設5には不在となる。つまり、推定部16が施設5の人の帰宅及び外出を推定することは、推定部16が施設5の人の在、不在を推定することになる。さらに、上述したように、推定部16は、施設5の人の入浴、調理、睡眠、テレビ視聴、トイレ使用、掃除を推定する。つまり、推定部16は、施設5の人について施設5内の行動を推定する構成を有しているといえる。
(実施形態2)
本実施形態の状態推定システム10は、複数の設備機器のうち2つ以上の設備機器の組み合わせでの蓄積データに基づいて、推定用情報を選択する点が、実施形態1の状態推定システム10とは異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の記憶部11は、さらに、施設5の人の状態の推定に用いる情報として、複数の対応情報を記憶している。対応情報は、複数の設備機器のうち2つ以上の設備機器の組み合わせと、第2時間帯におけるこれら設備機器の状態が未使用から使用に変化する変化パターン、又は使用から未使用に変化する変化パターンの出現順序とを対応付けた情報である。
以下、本実施形態におけるサーバ1の動作について説明する。
まず、初期状態の場合におけるサーバ1の動作について説明する。
選択部14は、所定の期間での第2時間帯におけるすべての設備機器の蓄積データの変化に基づいて、複数の対応情報のうち一の対応情報に含まれる出現順序で使用された当該一の対応情報に含まれる2つ以上の設備機器を、それぞれ推定対象機器として求める。選択部14は、求めた2つ以上の設備機器にそれぞれ対応する計測情報を推定用情報として、計測グループから選択する。
提案部15は、選択部14が求めた2つ以上の推定対象機器の各々に対して、当該推定対象機器に対応する推定用情報(計測情報)の蓄積データを用いて、第2時間帯における蓄積データの変化を表すグラフを表すグラフ情報を生成する。提案部15は、第1時間帯情報、求めた1つ以上の推定対象機器の各々の名称及び生成したグラフ情報を含む画面情報を、通信部13を介して情報端末3に送信する。
選択部14は、第2入力部18を介して、登録情報を受け取ると、登録情報が推定対象機器の登録を行うことを表している場合に、提案部15で提案したすべての推定対象機器にそれぞれ対応する推定用情報を記憶部11に登録(記憶)する。
次に、記憶部11に登録された推定用情報の変更(更新)を行う場合について説明する。
選択部14は、推定用情報が記憶部11に登録された後、記憶部11に登録された推定用情報を変更すべきか否かを判断し、変更すべきと判断する場合に新たに推定用情報の選択を行う。
選択部14は、推定用情報が記憶部11に登録された後、複数の設備機器すべてに対して所定の期間での第2時間帯における蓄積データの変化を監視する。選択部14は、所定の期間での第2時間帯における蓄積データの変化に基づいて、複数の対応情報のうち一の対応情報に含まれる出現順序で使用された当該一の対応情報に含まれる2つ以上の設備機器の組を求める。選択部14は、第1判断処理と、第2判断処理とを行う。第1判断処理は、求めた2つ以上の設備機器の名称の組と、記憶部11で記憶されている2つ以上の推定用情報にそれぞれ含まれる推定対象機器の名称の組とが一致するか否かを判断する処理である。第2判断処理は、求めた2つ以上の設備機器の出現順序と2つ以上の推定対象機器の出現順序とが一致するかの判断する処理である。
選択部14は、第1判断処理及び第2判断処理の双方の判断処理のうち少なくとも一方の判断処理で一致しないと判断する場合には、記憶部11に登録された推定用情報を変更すべきと判断する。ここで、双方の判断処理を行うことは、記憶部11に登録された推定用情報を変更すべきか否かの判断を行うことに読み替え可能である。
選択部14は、推定用情報を変更すべきと判断した場合に、新たに求めた2つ以上の設備機器にそれぞれ対応する計測情報を、推定用情報として計測グループから選択する。
以降の動作は、初期状態の場合における動作と同様であるので、説明を省略する。
次に、推定部16の動作について説明する。
本実施形態における推定部16は、記憶部11に登録された2つ以上の推定用情報にそれぞれ含まれる推定対象機器すべての第2時間帯における電力データの変化に基づいて、上述した出現順序で、推定対象機器すべての状態が変化したか否かを判定する。具体的には、推定部16は、推定対象機器すべての第2時間帯における電力データの変化に基づいて、上述した出現順序で、推定対象機器すべての状態が未使用から使用に変化、又は使用から未使用に変化したか否かを判定する。判定結果が肯定的である場合、推定部16は、第1時間帯に施設5の人が特定の行動を行ったと推定し、推定結果情報を情報端末3に送信する。例えば、3つの推定対象機器が所定の出現順序で蓄積データが変化したか否かを判定する。判定結果が肯定的である場合、推定部16は、第1時間帯に施設5の人が特定の行動を行ったと推定する。これにより、例えば、水道メータ91、1階に設置された機器50を含む分岐回路70(推定対象機器)及び2階に設置された機器50を含む分岐回路70(推定対象機器)の順で蓄積データに変化があれば帰宅と推定することができる。
なお、選択部14は、記憶部11に登録された推定用情報を変更すべきか否かの判断として、2つ以上の設備機器の名称の組と、記憶部11で登録された2つ以上の推定用情報にそれぞれ含まれる推定対象機器の名称の組とが一致するかの判断を少なくとも行うことが好ましい。
(変形例)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
上記各実施形態では、状態推定システム10(サーバ1)は、電力を計測する推定対象機器として分岐回路70を選択する構成としたが、この構成に限定されない。状態推定システム10は、主幹回路を推定対象機器として選択してもよい。つまり、状態推定システム10は、複数の設備機器から主幹回路を、推定対象機器としてもよい。ここで、主幹回路とは、主幹ブレーカ61と複数の分岐回路70を含む回路である。主幹回路の電力データは、電流センサ23での計測結果を基に求められる。複数の分岐回路70の各々の電力データでは大きな変化は見られないが、主幹回路での電力データの変化が大きい場合ある。このような場合、主幹回路を推定対象機器とすることは有効である。
上記各実施形態では、状態推定システム10は、推定対象機器、つまり推定用情報を提案する構成としたが、この構成に限定されない。状態推定システム10は、推定部16の推定に用いられない設備機器の計測情報を非推定用情報として選択してもよい。状態推定システム10は、複数の設備機器のうち、第2時間帯における蓄積データが所定の変化パターンに一致しない設備機器を推定対象外機器として求める。状態推定システム10は、推定対象外機器の計測情報を非推定用情報として計測グループから選択する。推定対象外機器は、第2時間帯における蓄積データが所定の変化パターンに一致しない設備機器に限らない。推定対象外機器は、全く使用されていない設備機器、変化はあるが所定の変化量よりも少ない変化量で変化している設備機器、自動的な制御により、周期的な変化をしている設備機器、設備機器の名称から不適当と思われる設備機器等であってもよい。
非推定用情報が選択された場合、推定部16は、複数の設備機器のうち非推定用情報に対応する設備機器を除く残りの設備機器を用いて、第1時間帯における人の状態を推定する。
上記各実施形態では、選択部14は、計測情報の各々の蓄積データに基づいて、推定用情報を選択する構成としたが、この構成に限定されない。選択部14は、計測グループに含まれるすべての計測情報のうち、ユーザから指定された計測情報を推定用情報として選択してもよい。また、非推定用情報が記憶部11に登録される場合には、選択部14は、計測グループに含まれるすべての計測情報のうち、ユーザから指定された計測情報を非推定用情報として選択してもよい。
上記各実施形態において、複数の推定用情報が選択された場合、選択部14は、選択された複数の推定用情報を一括して記憶部11に登録する構成としたが、これに限定されない。選択部14は、選択された複数の推定用情報のうちユーザから登録の指示のあった推定用情報のみを記憶部11に登録してもよい。例えば、情報端末3は、複数の推定用情報にそれぞれ対応する推定対象機器に対して、登録を行うか否かの個別応答情報の入力を受け付ける。情報端末3は、複数の推定対象機器の各々と、対応する個別応答情報とを含む登録情報を、サーバ1(状態推定システム10)に送信する。サーバ1の選択部14は、複数の推定対象機器にそれぞれ対応する複数の個別応答情報に基づいて、複数の推定用情報のうちユーザから登録の指示のあった推定対象機器に対応する推定用情報のみを記憶部11に登録する。
この場合、選択部14は、計測グループから、登録の候補となる計測情報(候補情報)を選択する。提案部15は、候補情報に対応する推定対象機器を提案する。選択部14は、候補情報のうち、ユーザから登録の指示のあった推定対象機器に対応する候補情報を、推定用情報として記憶部11に登録する。上記各実施形態において、一括登録する場合も同様に、提案部15で提案される推定対象機器に対応する計測情報を候補情報とみなすことができる。そこで、提案部15は、選択部14で選択された計測情報を、候補情報としてユーザに提案する機能を有しているといえる。さらに、選択部14は、ユーザの指示に基づいて1つ以上の候補情報のうち少なくとも1つの候補情報を、推定用情報として選択する機能を有しているといえる。
上記各実施形態において、1つの推定対象に対して1つの第2時間帯を対応付ける構成としたが、この構成に限定されない。1つの推定対象に複数の第2時間帯を対応付けてもよい。施設5に複数の人が暮らしている場合に、これらの人それぞれに対して当該人の状態を推定する場合に有効である。小学生の子供と、高校生の子供とのそれぞれの帰宅を推定する場合、小学生の子供と、高校生の子供とでは、帰宅する可能性がある時間帯が異なる可能性がある。このような場合、小学生の子供の帰宅の推定に用いる第2時間帯と高校生に子供の帰宅の推定に用いる第2時間帯とを異なるように設定する必要がある。例えば、小学生の子供が帰宅する可能性がある第1時間帯と、推定に用いる第2時間帯とを15:00〜16:00に設定する。高校生の子供が帰宅する可能性がある第1時間帯と、推定に用いる第2時間帯とを17:00〜19:00に設定する。これにより、異なる人物に対して同一の行動を推定することができる。
また、1つの推定対象に複数の第2時間帯が対応付けられている場合、第2時間帯ごとに、推定用情報を選択してもよい。例えば、小学生の子供(子供A)が帰宅した際には、洗面所で手洗い、うがいをし、その後リビングへ移動するといった行動を行う。また、高校生の子供(子供B)は、帰宅した際には、自室(子供部屋)にまず行き、その後洗面所で手洗い、うがいをするといった行動を行う。子供Aに対する帰宅の推定を行う場合には、水道メータ91と、リビングに割り当てられた分岐回路70を推定対象機器として求めて、これらの計測情報を推定用情報として選択する。子供Bに対する帰宅の推定を行う場合には、水道メータ91と、子供部屋に割り当てられた分岐回路70を推定対象機器として求めて、これらの計測情報を推定用情報として選択する。
また、1つの推定対象に複数の第2時間帯が対応付けられ、非推定用情報が記憶部11に登録される場合には、第2時間帯ごとに非推定用情報が選択される。
上記各実施形態において、第1時間帯と第2時間帯は同一時間帯とする構成としたが、この構成に限定されない。第1時間帯と第2時間帯とは、少なくとも一部が重複していてもよいし、重複部分が無くてもよい。施設5の人が特定の時間帯(第1時間帯)にある行動をとる場合、その準備として第1時間帯よりも以前の時間帯に機器50等を利用することが考えられる。例えば、空調機器を外出先から操作することで、帰宅する可能性がある時間帯(16:00〜18:00)より以前の時間帯(例えば、15:00〜16:00)で空調機器を起動させて、部屋の温度を調整することが考えられる。または、空調機器を外出先から帰宅時間帯と一部重複する時間帯(例えば15:30〜16:30)で空調機器を起動させて、部屋の温度を調整することも考えられる。これらの場合、第2時間帯と第1時間帯とを同一時間帯とするよりも、第1時間帯よりも以前の時間帯、又は第1時間帯と一部重複する時間帯を第2時間帯として採用してもよい。
なお、第1時間帯及び第2時間帯の設定は必須ではない。時間帯を指定することなく行動を推定するようなシステムにも適用してもよい。
上記各実施形態において、推定部16は、人の状態を推定する際に、季節(時期)に応じて異なる推定用情報を用いて推定を行ってもよい。または、推定部16は、天候に応じて異なる推定用情報を用いて推定を行ってもよい。この場合、選択部14は、冬の季節に応じた推定対象機器の推定用情報を選択する場合には、過去の冬の季節における所定の期間での蓄積データの変化パターンに基づいて、1つ以上の推定用情報の選択を行う。また、選択部14は、天候が雨である日に応じた推定対象機器の推定用情報を選択する場合には、過去の雨の日における所定の期間での蓄積データの変化パターンに基づいて、1つ以上の推定用情報の選択を行う。また、選択部14は、所定の時間帯(第2時間帯)、季節及び天候のうち少なくとも2つを組み合わせて、推定用情報の選択を行ってもよい。要するに、選択部14は、電力データと、所定の時間帯(第2時間帯)、季節(時期)、天候のうち少なくともいずれかを含む付加情報とから、推定用情報を選択してもよい。例えば、選択部14は、雨の日には就寝前に乾燥機を利用する人に対して雨の日に就寝したか否かを推定する場合には、乾燥機を含む分岐回路70に対応する計測情報を推定用情報として選択することができる。推定部16は、雨の日の特定の時間帯において乾燥機を含む分岐回路70が使用されている場合には、施設5の人は就寝したと推定する。なお、天候に関する情報は、外部のサーバ等から取得してもよい。
上記で説明した提案画面100では、推定対象機器が表示される構成としたが、この構成に限定されない。変形例の提案画面では、すべての設備機器を表示し、そのうち推定対象機器については、推定に用いることを示す記号、図形、及び文字等を併せて表示する。
上記各実施形態において、推定対象機器を提案画面100で表示部31に表示する際に、推定対象機器に関する情報の他、現在推定に用いている推定対象機器(現対象機器)に関する情報を表示してもよい。例えば、推定対象機器に関する情報とは、推定対象機器の名称及び蓄積データのグラフであり、現対象機器に関する情報とは、現対象機器の名称及び蓄積データのグラフである。
上記各実施形態では、サーバ1は、選択対象の推定用情報に含まれる推定対象機器に関する情報を表示し、表示後、ユーザの指示に応じて推定用情報を選択して記憶部11に登録する構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。サーバ1は、推定用情報に含まれる推定対象機器を表示する前に当該推定用情報を記憶部11への登録を行い、その後にユーザへ通知(事後通知)してもよい。この場合、選択部14は、初期状態又は推定用情報の変更時において、所定の期間での第2時間帯における複数の設備機器すべての蓄積データの変化に基づいて求めた1つ以上の対象回路にそれぞれ対応する推定用情報(計測情報)を計測グループから選択する。選択部14は、選択したすべてを推定用情報を記憶部11に記憶する。提案部15は、選択部14がすべての推定用情報を記憶部11に登録した後、画面情報を生成し、通信部13を介して情報端末3に送信する。情報端末3は、画面情報を基に、登録された推定用情報に含まれる推定対象機器に関する情報を表示する。なお、サーバ1は、情報端末3で提案画面100が表示された後、提案された推定対象機器を含む推定用情報の登録を受け入れないことを表す登録情報を情報端末3から受け取ると、記憶部11での登録内容を、変更前の状態に戻す構成であってもよい。
推定対象機器を表示する前に当該推定対象機器を含む推定用情報を記憶部11に登録する機能(事後通知機能)と、表示後にユーザの指示に応じて推定用情報を記憶部11に登録する機能(事前通知機能)とのいずれかを利用するかをユーザが予め登録してもよい。
推定対象機器を表示(提示)する前に当該推定対象機器を含む推定用情報の登録が行われた場合、登録後にユーザへの通知を行わなくてもよい。この場合、提案部15は、推定対象機器の提示を、状態推定システム10内部(サーバ1内部)に対して、特に選択部14に対して行う。つまり、提案部15による推定対象機器の提示は、ユーザに対しての提示であってもよいし、状態推定システム10(サーバ1)に対しての提示であってもよい。
上記各実施形態において、機器50の状態に関する情報を、他種計測情報として、計測グループに含めてもよい。この場合、機器50は、Echonet-Lite(登録商標)等の通信規格に準拠した通信機能を有している。ローカル装置40は、例えば機器50から送信された機器50のオン、オフ情報を受け取ると、一時的に記憶する。ローカル装置40は、オン、オフ情報を定期的にサーバ1に送信する。サーバ1は、機器50のオンオフ情報を他種計測情報として、記憶部11に記憶する。選択部14は、設備機器の蓄積データ及び機器50のオンオフ情報を用いて、人の状態の推定に使用する推定用情報を計測グループから選択する。なお、機器50の状態に関する情報は、機器50のオン、オフ情報に限らない。機器50の状態に関する情報は、機器50が電気錠である場合には施解錠の情報であってもよいし、機器50が空調機器である場合には設定温度、設定湿度、風力等の情報であってもよい。
上記各実施形態において、選択部14は、所定の期間における蓄積データのみを用いて、計測グループから1つ以上の推定用情報を抽出してもよい。例えば、選択部14は、所定の期間(1日)における蓄積データの変化が頻繁に起こる上位3つの設備機器にそれぞれ対応する計測情報を推定用情報として選択する。
計測グループから1つ以上の推定用情報を選択する選択処理は、常時行ってもよいし、1ヶ月に1回等定期的に行ってもよい。または、選択処理を実行する指示を受け付けた場合に、当該選択処理を行ってもよい。
また、回路名称、機器名称、水道メータ91の名称、ガスメータ92の名称及びセンサ58の名称は、それらに対応付けられた識別子等であってもよい。
上記各実施形態で述べた分岐回路70は、コンセントと機器50との間に接続され、電流の値を計測する計測機能付きの電源タップ、又は計測機能付きの機器50に置き換えてもよい。
上記各実施形態において、選択部14が選択する推定用情報の数の指定を、ユーザから受け付けてもよい。例えば、情報端末3は、ユーザから推定用情報の数として“3”の指定を受け付けると、推定用情報の数として“3”をサーバ1に通知する。サーバ1は、受け取った数(ここでは、“3”)を上限値として、計測グループから計測情報を推定用情報として選択する。また、非推定用情報が記憶部11に登録される場合には、情報端末3は、ユーザから非推定用情報の数の指定を受け付ける。サーバ1は、ユーザが指定した数を上限値として、計測グループから計測情報を非推定用情報として選択する。
上記実施形態において、提案部15は、情報端末3に所望の提案画面100を表示させるための画面情報を作成する構成としたが、この構成に限定されない。提案部15は、情報端末3の表示部31に表示する画面を作成する構成としてもよい。また、画面情報は、例えば、情報端末3が提案画面100を表示するためのアプリケーションを有していれば、画面情報はアプリケーションと共同して提案画面100を表示するためのデータであってもよい。また例えば、情報端末3のアプリケーションが提案画面100の画像データの全てを有していれば、画面情報は、画像データにより提案画面100を構成するためのデータであってもよい。あるいは、情報端末3のアプリケーションが提案画面100の画像データの一部を有していれば、画面情報は、画像データの残りの部分であってもよい。
さらに、コンピュータシステムは、1または複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。つまり、状態推定システム10がサーバ1で構成されることは必須ではない。例えば、状態推定システム10は、サーバ1、ローカル装置40、情報端末3のうち少なくとも1つの装置によって構成されてもよい。また、状態推定システム10の少なくとも一部の機能は、例えばクラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。また、サーバ1、ローカル装置40及び情報端末3の各々の機能は分散されて設けられていてもよい。
上記実施形態において、サーバ1は、設備機器に対して設定された閾値を変更する構成としたが、この構成に限定されない。サーバ1は、閾値を超えたか否かの判断手法を変更してもよい。例えば、サーバ1は、設備機器に対する計測値から閾値を減算した差分値が所定値以上となっている場合に、閾値を超えたと判定してもよい。または、上記差分値が所定値以上となっている時間の長さで判定してもよい。さらに、判定に用いる時間の長さを変更してもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る状態推定システム(10)は、推定部(16)と、選択部(14)とを備える。推定部(16)は、施設(5)に関する人の状態を推定する。選択部(14)は、計測グループから少なくとも1つの計測情報を、推定部(16)が推定に用いる推定用情報として、又は推定部(16)が推定に用いない非推定用情報として選択する。計測グループは、施設(5)における電力計測に関する電力計測情報、及び電力計測情報とは異なる種別の計測に関する他種計測情報を含む。
この構成によると、状態推定システム(10)は、計測グループから少なくとも1つの計測情報を、推定用情報又は非推定用情報として選択している。これにより、施設(5)の人の状態の推定を行う際には、電力計測情報以外の情報も人の状態の推定に利用することができる。
第2の態様に係る状態推定システム(10)では、第1の態様において、推定部(16)は、選択部(14)が推定用情報を選択した場合には、推定用情報を用いて、人の施設(5)での在、不在、又は施設(5)内での人の行動を推定する。推定部(16)は、選択部(14)が非推定用情報を選択した場合には、計測グループから非推定用情報を除いた残りの計測情報を用いて、人の施設(5)での在、不在、又は施設(5)内での人の行動を推定する。この構成によると、状態推定システム(10)は、人の施設(5)での在、不在の推定だけでなく、施設(5)内での人の行動を施設(5)の人の状態として推定することができる。
第3の態様の状態推定システム(10)では、第1又は第2の態様において、推定用情報は、資源の使用量、又は施設(5)の環境状態を含む。この構成によると、状態推定システム(10)は、資源の使用量、又は施設(5)の環境状態に基づいて推定を行うので、より精度が高い推定を行うことができる。
第4の態様の状態推定システム(10)では、第3の態様において、計測グループは、施設(5)の環境状態に関する計測情報を含む。施設(5)の環境状態に関する計測情報は、当該環境状態を計測する場所と対応付けられている。この構成によると、状態推定システム(10)は、施設(5)において環境状態を計測する場所の状態を知ることができる。
第5の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第4のいずれかの態様において、 選択部(14)は、推定部(16)で推定対象となる人の状態ごとに、推定用情報又は非推定用情報を選択する。この構成によると、状態推定システム(10)は、人の複数の状態ごとに推定することができる。
第6の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第5のいずれかの態様において、計測グループは、水、ガス及び施設(5)の環境状態のうち少なくとも1つの種別の計測に関する計測情報を他種計測情報として含んでいる。選択部(14)は、種別が異なる2つ以上の推定用情報を計測グループから選択する。この構成によると、状態推定システム(10)は、異なる種別の計測情報を計測グループから選択するので、1つの種別の計測情報を用いる場合と比較して、より精度の高い推定を行うことができる。
第7の態様の状態推定システム(10)は、第1〜第6のいずれかの態様において、計測グループから選択された1つ以上の計測情報を候補情報として、ユーザに提案する提案部(15)を、更に備える。選択部(14)は、推定用情報を選択する場合には、ユーザの指示に基づいて1つ以上の候補情報のうち少なくとも1つの候補情報を、推定用情報として選択する。この構成によると、ユーザは、推定に用いられる計測情報を予め知ることができるので、提案された計測情報が推定に適切であるか否かを判断することができる。
第8の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第6のいずれかの態様において、選択部(14)は、ユーザの指示に基づいて、計測グループから推定用情報又は非推定用情報を選択する。この構成によると、ユーザは、推定に用いられる計測情報を指定することができる。
第9の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第8のいずれかの態様において、選択部(14)は、推定対象となる1つの状態に対して複数の時間帯で推定を行う場合、推定を行う時間帯ごとに、計測グループから推定用情報又は非推定用情報を選択する。この構成によると、状態推定システム(10)は、1つの状態に対して、時間帯ごとに推定を行うことができる。例えば、帰宅を推定する際に帰宅する時間帯において使用する資源等が異なる場合には、状態推定システム(10)は、時間帯ごとに選択する計測情報を変更することで、より精度が高い推定を行うことができる。
第10の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第9のいずれかの態様において、計測グループに含まれる計測情報は、当該計測情報が電力計測情報である場合には施設で計測された電力の計測値を含む。また、計測グループに含まれる計測情報は、当該計測情報が他種計測情報である場合には施設(5)で計測された他種の計測値を含む。計測グループに含まれる計測情報の各々は、閾値が対応付けられている。選択部(14)は、計測値と、計測値を含む計測情報に対応する閾値とを比較し、比較結果に応じて推定用情報又は非推定用情報を計測グループから選択する。この構成によると、状態推定システム(10)は、計測情報の選択の際に閾値を用いるので、推定に必要な計測情報を取捨選択することができる。これにより、状態推定システム(10)は、精度の高い推定を行うことができる。
第11の態様の状態推定システム(10)では、第1〜第10のいずれかの態様において、計測グループに含まれる計測情報は、当該計測情報が電力計測情報である場合には施設(5)で計測された電力の計測値を含む。計測グループに含まれる計測情報は、当該計測情報が他種計測情報である場合には施設(5)で計測された他種の計測値を含む。選択部(14)は、計測グループのうち2つ以上の計測情報の組み合わせにおいて、当該組み合わせに含まれるすべての計測情報の計測値が所定の順序で変化している場合、当該組み合わせに含まれるすべての計測情報を、推定用情報としてそれぞれ選択する。この構成によると、状態推定システム(10)は、複数の計測情報から、所定の順序で変化する2つ以上の計測情報の組み合わせを、推定用情報として選択することができる。
第12の態様の状態推定方法は、推定ステップと、選択ステップとを含む。推定ステップは、施設(5)に関する人の状態を推定する。選択ステップは、計測グループから少なくとも1つの計測情報を、推定ステップが推定に用いる推定用情報として、又は推定ステップが推定に用いない非推定用情報として選択する。計測グループは、施設(5)における電力計測に関する電力計測情報、及び電力計測情報とは異なる種別の計測に関する他種計測情報を含む。
この状態推定方法によると、施設(5)の人の状態の推定を行う際には、人のある状態を推定するために適切な資源を利用することができる。
第13の態様のプログラムは、コンピュータに、推定処理と、選択処理とを実行させる。推定処理は、施設(5)に関する人の状態を推定する。選択処理は、計測グループから少なくとも1つの計測情報を、推定処理が推定に用いる推定用情報として、又は推定処理が推定に用いない非推定用情報として選択する。計測グループは、施設(5)における電力計測に関する電力計測情報、及び電力計測情報とは異なる種別の計測に関する他種計測情報を含む。
このプログラムによると、施設(5)の人の状態の推定を行う際には、適切な資源を利用することができる。