JP2019011119A - 不正開封防止キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】対象者による開封を許容しつつ非対象者による意図しない開封を防止すること。【解決手段】容器本体2の口部3に装着され、口部に対するキャップ軸O回りの回転に伴って口部から離脱可能とされた内キャップ11と、内キャップを覆うと共に内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップ12とを備え、内キャップには、口部に形成された被係止部5に対して係止可能な係止部30が形成され、係止部は、被係止部に対する係止状態と、係止状態が解除される解除状態と、に切換可能とされ、外キャップは、係止状態から解除状態への係止部の切換を規制する規制位置と、係止状態から解除状態への係止部の切換を許容する許容位置P2と、の間を移動可能とされている不正開封防止キャップ10を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、不正開封防止キャップに関する。
収容容器の不正開封を防止するために、収容容器の口部に不正開封防止キャップが取り付けられる場合がある。なお、不正開封の防止とは、特定の使用対象者(以下、単に対象者という)による開封を許容した上で、例えば乳幼児や子供等の非使用対象者(以下、単に非対象者という)による意図しない開封の防止をいう。
例えば下記特許文献1に示されるように、容器の口部に装着され、外周面に逆止歯が全周に亘って形成された内キャップと、弾性変形可能な操作片を有すると共に内キャップを覆う外キャップと、を備えた不正開封防止キャップが知られている。
操作片には、外キャップを開封方向(緩み方向)に回転させたときに、該操作片の弾性変形に伴って逆止歯を周方向に乗り越えると共に、外キャップを装着方向(締め込み方向)に回転させたときに、逆止歯に対して噛合する爪部が形成されている。
従って、上記不正開封防止キャップでは、外キャップを開封方向に向けて単純に回転操作した場合には、操作片の弾性変形に伴って爪部が逆止歯を周方向に乗り越えるので、内キャップに対して外キャップが空転する。これにより、開封が防止される。
これに対して、操作片を押圧しながら外キャップを開封方向に向けて回転操作した場合には、操作片の弾性変形を規制できるので、逆止歯と爪部とを噛合させた状態にすることができ、外キャップ及び内キャップを一体に回転させることができる。これにより、開封を行える。
特開2003−104408号公報
しかしながら、上述した従来の不正開封防止キャップでは、外キャップを例えば握りながら回転操作するときに、操作片を指先等で押さえてしまった場合には、外キャップ及び内キャップが一体に回転して開封に繋がってしまう。従って、開封に直接関係する本操作、すなわち外キャップの回転操作を行うときに、意図しなくても操作片を押さえてしまうことがある。そのため、非対象者であっても開封できてしまう場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる不正開封防止キャップを提供することである。
(1)容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴って前記口部から離脱可能とされた内キャップと、前記内キャップを覆うと共に、前記内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップと、を備え、前記内キャップには、前記口部に形成された被係止部に対して係止可能な係止部が形成され、前記係止部は、前記被係止部に対する係止状態と、前記係止状態が解除される解除状態と、に切換可能とされ、前記外キャップは、前記係止状態から前記解除状態への前記係止部の切換を規制する規制位置と、前記係止状態から前記解除状態への前記係止部の切換を許容する許容位置と、の間を移動可能とされている。
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、外キャップを規制位置から許容位置に移動させる予備操作を行うことで、開封に直接関係する本操作(すなわち外キャップ及び内キャップを開封方向に向けて一体的にキャップ軸回りに回転させる操作)を可能とすることができる。従って、予備操作を、本操作を行う前の事前操作(準備操作)とすることができる。
外キャップが規制位置に位置している場合には、係止状態から解除状態への係止部の切換を規制することができるので、口部に形成された被係止部に対する係止部の係止状態を維持しておくことができる。これにより、開封方向への回転に伴う内キャップの上方移動を抑制することができるので、外キャップを介して内キャップに回転力が伝わってきたとしても、内キャップが開封方向に回転してしまうことを抑制することができる。従って、外キャップが規制位置に位置している場合には、予備操作を行わずに本操作を行ったとしても、内キャップが開封方向に回転し難く、開封に繋がることを防止することができる。
これに対して、予備操作を行って外キャップを規制位置から許容位置に移動させた場合には、係止状態から解除状態への係止部の切換を許容することができるので、口部に形成された被係止部に対する係止部の係止状態を解除することができる。これにより、内キャップは、外キャップを介して回転力が伝わってきたときに、口部に対する上方移動が可能となる。従って、予備操作を行った後、続けて本操作を行うことで、容器本体の口部から内キャップ及び外キャップを取り外して、容器本体を開封することができる。
上述のように、開封時、本操作を行う前に外キャップを規制位置から許容位置に移動させる予備操作を行うので、従来とは異なり、非対象者が本操作だけを行ったとしても開封に繋がり難い。従って、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。従って、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
(2)前記係止部は、前記係止状態から、前記キャップ軸方向から見た平面視で前記キャップ軸に交差する径方向の外側に向けて変形或いは変位することで前記解除状態に切換可能とされても良い。
この場合には、係止部が係止状態から径方向の外側に向けて変形或いは変位することで解除状態に切り換わるので、内キャップを覆う外キャップを利用して係止部の切換制御をより確実に行い易い。
(3)前記係止部は、前記キャップ軸回りの周方向に間隔をあけて複数形成され、前記外キャップは、前記規制位置において、複数の前記係止部を前記径方向の外側から一体に囲み、前記解除状態への前記係止部の切換を規制しても良い。
この場合には、複数の係止部を具備しているので、外キャップが規制位置に位置しているときに、各係止部を利用して口部に対する内キャップの上方移動を効果的に抑制することができる。従って、予備操作を行わずに本操作を行ったとしても、開封に繋がることをより効果的に防止することができる。また、外キャップが複数の係止部を径方向の外側から一体に囲んでいるので、予備操作によって外キャップを許容位置に移動させることで、複数の係止部について、係止状態から解除状態への切換を同時に許容することができる。従って、複数の係止部を具備していたとしても、開封を速やかに行うことができる。
(4)前記外キャップは、前記規制位置から前記許容位置に向けて前記キャップ軸方向に沿って移動可能とされても良い。
この場合には、内キャップに対して外キャップをキャップ軸方向に沿って移動させることで、規制位置から許容位置に移動させることができる。そのため、予備操作における外キャップの操作方向(すなわちキャップ軸方向に沿った方向)と、本操作における外キャップの操作方向(すなわちキャップ軸回りの方向)と、を明確に異ならせることができるので、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
(5)前記外キャップには、前記内キャップに対して前記外キャップを、前記許容位置から前記規制位置に向かう方向に付勢する付勢部材が設けられても良い。
この場合には、例えば非対象者が意図せずに予備操作を行って、外キャップを規制位置から許容位置に移動させてしまったとしても、非対象者が外キャップを離した時点で、付勢部材によって外キャップを許容位置から元の規制位置に復帰させることができる。これにより、非対象者が意図せずに本操作を続けて行ってしまうことを防止することができる。従って、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止することができる。
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができ、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
本発明に係る第1実施形態を示す図であって、容器本体の口部に不正開封防止キャップが装着された不正開封防止容器の半縦断面図である。 図1に示す不正開封防止キャップの周辺を拡大した縦断面図である。 図1に示す内キャップの成形直後の状態を示す上面図である。 図1に示す状態から外キャップを上方移動させて、外キャップを許容位置に移動させた状態を示す不正開封防止容器の半縦断面図である。 図4に示す状態から外キャップ及び内キャップを開封方向に回転させた状態を示す不正開封防止容器の半縦断面図である。 本発明に係る第2実施形態を示す図であって、容器本体の口部に不正開封防止キャップが装着された不正開封防止容器の半縦断面図である。 図6に示す内キャップの成形直後の状態を示す半縦断面図である。 図7に示す内キャップの上面図である。 図6に示す付勢部材の半縦断面図である。 図9に示す付勢部材の上面図である。 図6に示す状態から外キャップを上方移動させて、外キャップを許容位置に移動させた状態を示す不正開封防止容器の半縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る不正開封防止キャップの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の不正開封防止キャップ10は、内容物が収容される容器本体2の口部3に装着されることで使用され、対象者による開封を許容しつつ、子供等の非対象者による意図しない開封を防止するためのキャップとされている。
なお、不正開封防止キャップ10及び容器本体2は、不正開封防止容器1を構成する。
不正開封防止キャップ10は、容器本体2の口部3に装着される有頂筒状の内キャップ11と、内キャップ11を覆う有頂筒状の外キャップ12と、を備えている。
内キャップ11及び外キャップ12は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸をキャップ軸Oという。不正開封防止容器1において、キャップ軸Oに沿った不正開封防止キャップ10側を上側といい、容器本体2の底部側を下側という。また、キャップ軸O方向から見た平面視において、キャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、周方向のうち、不正開封防止容器1の上面視でキャップ軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1、その反対側を第2回転方向M2という。
容器本体2は、内部に内容物が収容される有底筒状に形成され、キャップ軸Oと同軸に配置されている。内容物としては、特に限定されるものではないが、例えば誤飲、誤食を防止する必要がある薬剤等が挙げられる。
図示の例では、容器本体2として単層のボトル容器としているが、この場合に限定されるものではなく、例えば二重容器等の積層型ボトル容器であっても構わないし、パウチ容器等であっても構わない。容器本体2における胴部の形状としては、例えば横断面視円形状、楕円状或いは六角形等の角形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、容器本体2の口部3には、内キャップ11が螺着される雄ねじ部4が形成されている。
雄ねじ部4は、容器本体2に対して内キャップ11を第1回転方向M1に回転させた際に、内キャップ11が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、第1回転方向M1が内キャップ11の締め込み方向となり、第2回転方向M2が内キャップ11の緩み方向(すなわち開封方向)となる。さらに、容器本体2の口部3には、雄ねじ部4よりも下方に位置する部分に、口部3の全周に亘って径方向外側に向けて突出した係止リング(被係止部)5が形成されている。
図1〜図3に示すように、内キャップ11は、容器本体2の口部3のうち、主に係止リング5よりも上方に位置する部分を径方向外側から囲む装着筒20と、装着筒20の上端部からさらに上方に向けて延びたガイド筒21と、ガイド筒21の内側を閉塞する平面視円形状の閉塞部22と、を備えている。
装着筒20の内周面には、容器本体2の口部3に形成された雄ねじ部4に螺着する雌ねじ部23が形成されている。これにより、内キャップ11は、雄ねじ部4と雌ねじ部23との螺合によって、容器本体2の口部3に装着されている。
装着筒20の外周面には、キャップ軸O方向に沿って延びると共に、径方向内側に僅かに凹んだスリット状の縦溝24が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
図示の例では、縦溝24は、キャップ軸Oを中心として周方向に15度の間隔をあけて等間隔に配置されている。ただし、縦溝24の数は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。また、複数の縦溝24は上方に向けて開口している。
ガイド筒21は、その外径が装着筒20の外径よりも僅かに小さく形成されている。ガイド筒21の外周面には、その全周に亘って径方向外側に向けて僅かに膨らむように突出した第1環状突起25及び第2環状突起26が形成されている。
第1環状突起25は、ガイド筒21の外周面のうち、装着筒20の上端部よりも僅かに上方に位置する部分に形成されている。第2環状突起26は、ガイド筒21の外周面のうち、第1環状突起25よりも上方に位置する部分に形成されている。なお、これら第1環状突起25及び第2環状突起26は、内キャップ11に対する外キャップ12のキャップ軸O方向の位置決めを行う位置決め突起として機能する。
閉塞部22は、容器本体2の口部3よりも僅かに上方に位置するように配置され、パッキン27を介して口部3の上方開口端縁上に接触している。これにより、閉塞部22はパッキン27を介して容器本体2の口部3を上方から閉塞している。
なお、パッキン27は必須なものではなく具備しなくても構わない。この場合には、例えば閉塞部22をガイド筒21の下端部に形成し、閉塞部22を容器本体2の口部3の上方開口端縁上に接触させれば良い。さらにこの場合において、容器本体2の口部3の内側に密に嵌合するシール筒を、閉塞部22から下方に向けて延びるように形成しても良い。
上述のように構成された装着筒20には、口部3に形成された係止リング5に対して係止可能な可動片(係止部)30が形成されている。可動片30は、係止リング5に対する係止状態と、係止状態が解除される解除状態と、に切換可能とされている。本実施形態では、可動片30は、径方向外側に向けて変位することで、係止状態から解除状態に切換可能とされている。
なお、係止状態とは、係止リング5に対して係止している状態、或いは係止リング5に対してこれから係止される状態をいう。本実施形態では、可動片30は後述する係止突起31が係止リング5よりも若干下方に位置することで、係止リング5に対して係止される状態にある。
可動片30は、装着筒20の下端部よりも下方に配置されると共に、周方向に間隔をあけて複数配置されている。なお可動片30は、キャップ軸O方向に沿った長さよりも、周方向に沿った長さの方が長い側面視長方形状に形成されている。
可動片30は、その上端縁が装着筒20の下端縁に回動可能に接続されている。これにより、可動片30は、装着筒20との接続部分を中心に回動可能とされ、この回動によって径方向外側に向けて変位することが可能とされている。可動片30の下端部は自由端とされ、係止リング5よりも下方に位置している。
可動片30の下端部には、径方向内側に向けて突出すると共に、係止リング5に対して下方から係止可能な係止突起31が形成されている。従って、内キャップ11は、係止リング5に対して係止突起31が下方から係止されることで、容器本体2の口部3に対する上方移動が規制される。つまり、内キャップ11は、係止リング5に対して係止突起31が下方から係止されることで、容器本体2の口部3に対して緩み方向である第2回転方向M2への回転が規制される。
係止突起31は、径方向外側に向けた可動片30の回動(変位)に伴って係止リング5から離脱することで、係止リング5に対する係止が解除可能とされている。つまり、可動片30は、係止突起31が係止リング5の下方から係止可能な状態とされた係止状態から、径方向外側に向けた回動によって、係止突起31が係止リング5の下方から離脱した状態とされた解除状態(係止状態が解除された状態)に切換可能とされている。
可動片30が上記解除状態に切り換わることで、内キャップ11は容器本体2の口部3に対する上方移動の規制が解除され、容器本体2の口部3に対して緩み方向である第2回転方向M2への回転が許容された状態となる。
なお、上述した内キャップ11は、例えば成形金型を利用した樹脂成形によって形成される。内キャップ11の成形時、図3に示すように複数の可動片30は径方向外側に回動し、その下端部が装着筒20よりも径方向外側に位置するように開いた状態で成形される。従って、複数の可動片30は径方向外側に回動し易い傾向にある。
図2に示すように、外キャップ12は、内キャップ11のガイド筒21、装着筒20及び可動片30を径方向外側から囲む外装筒40と、外装筒40の上端開口部を閉塞する天壁部41と、を備え、内キャップ11に対してキャップ軸O方向に相対移動可能に組み合わされている。
外装筒40のうち装着筒20を径方向外側から囲む部分の内周面には、キャップ軸O方向に沿って延びると共に径方向内側に向けて突出する縦リブ42が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
縦リブ42は、縦溝24に対応して形成され、各縦溝24の内側に上方から入り込むことで、縦溝24に対して周方向に嵌合されている。縦溝24と縦リブ42とが周方向に嵌合していることで、外キャップ12は内キャップ11に対してキャップ軸O回りに相対回転不能に組み合わされている。
外キャップ12は、径方向外側へ向けた可動片30の回動(変位)を規制することで、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を規制する規制位置P1(図2参照)と、径方向外側へ向けた可動片30の回動を許容することで、上記係止状態から上記解除状態への可動片30の切換を許容する許容位置P2(図4参照)と、の間を移動可能に内キャップ11に対して組み合わされている。
なお、複数の可動片30を径方向外側から一体に囲んでいる状態の外キャップ12の位置が、規制位置P1とされている。また、複数の可動片30よりも上方に位置している状態の外キャップ12の位置が、許容位置P2とされている。
外キャップ12は、内キャップ11に対するキャップ軸O方向に沿ったスライド移動によって、規制位置P1と許容位置P2との間を移動可能とされている。このとき、外キャップ12は、縦溝24によって縦リブ42がキャップ軸O方向にガイドされると共に、内キャップ11のガイド筒21によってキャップ軸O方向にガイドされるので、がたつき少なく安定に移動する。
外キャップ12が規制位置P1に位置している場合には、上述のように外キャップ12が複数の可動片30を径方向外側から一体に囲んでいるので、複数の可動片30は径方向外側へ向けた回動が規制される。これに対して、図4に示すように、外キャップ12が許容位置P2に移動した場合には、複数の可動片30は径方向外側へ向けた回動が同時に許容される。
なお、縦溝24及び縦リブ42は、外キャップ12が規制位置P1から許容位置P2に至るまでのキャップ軸O方向に沿った移動ストロークよりも、キャップ軸O方向に長く形成されている。そのため、縦溝24及び縦リブ42は、図2及び図4に示すように、外キャップ12が規制位置P1及び許容位置P2のいずれの位置に位置している場合であっても、周方向に嵌合している。従って、外キャップ12は、規制位置P1及び許容位置P2のいずれの位置に位置している場合であっても、内キャップ11に対してキャップ軸O回りに相対回転不能に組み合わされている。
外キャップ12のうちガイド筒21を径方向外側から囲む部分の内周面には、その全周に亘って径方向内側に向けて僅かに膨らむように突出した第3環状突起43が形成されている。
第3環状突起43は、図2に示すように外キャップ12が規制位置P1に位置しているときに、内キャップ11の第1環状突起25に対して下方から係合している。これにより、外キャップ12は規制位置P1において、内キャップ11に対するそれ以上の上方移動が抑制され、規制位置P1に位置決めされる。また、第3環状突起43は、図4に示すように外キャップ12が許容位置P2に位置しているときに、内キャップ11の第2環状突起26に対して下方から係合可能とされている。これにより、外キャップ12は許容位置P2においても、内キャップ11に対するそれ以上の上方移動が抑制され、許容位置P2に位置決めされる。
図2に示すように、天壁部41は外キャップ12が規制位置P1に位置しているときに、内キャップ11におけるガイド筒21の上方開口端縁に接触している。天壁部41には、内キャップ11の閉塞部22を上方から押し込んで、外キャップ12に対して内キャップ11を下方移動させるための開口部44が形成されている。
図示の例では、開口部44は平面視円形状に形成され、天壁部41の中央部分にキャップ軸Oと同軸に配置されている。なお、外キャップ12に対する内キャップ11の下方移動については、後に詳細に説明する。
(不正開封防止キャップの作用)
次に、上述したように構成された不正開封防止キャップ10を利用して、不正開封防止容器1を開封する場合について説明する。
本実施形態の不正開封防止容器1では、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる予備操作を行うことで、開封に直接関係する本操作(すなわち外キャップ12及び内キャップ11を開封方向である第2回転方向M2に向けて一体的にキャップ軸O回りに回転させる操作)を可能とすることができる。従って、予備操作を、本操作を行う前の事前操作(準備操作)とすることができる。
詳細に説明する。
図2に示すように、外キャップ12が規制位置P1に位置している場合には、外キャップ12を利用して径方向外側へ向けた可動片30の回動を規制することができるので、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を規制することができる。従って、容器本体2の口部3に形成された係止リング5に対して、可動片30に形成された係止突起31を下方から係止可能な状態に維持しておくことができる。
これにより、第2回転方向M2への回転に伴う内キャップ11の上方移動を抑制することができるので、外キャップ12を介して内キャップ11に回転力が伝わったとしても、内キャップ11が第2回転方向M2に回転してしまうことを抑制することができる。
従って、外キャップ12が規制位置P1に位置している場合には、予備操作を行わずに本操作を行ったとしても、内キャップ11が開封方向である第2回転方向M2に回転し難く、開封に繋がることを防止することができる。
次に、予備操作を行って外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる。具体的には、図4に示すように、容器本体2及び内キャップ11に対して外キャップ12を上方移動させて、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる。このとき、外キャップ12の移動に伴って、第3環状突起43が第1環状突起25を乗り越えた後に、第2環状突起26に対して下方から係合する。そのため、外キャップ12が許容位置P2に達したことを把握し易いうえ、許容位置P2に位置決めさせ易い。
外キャップ12を許容位置P2に移動させることで、複数の可動片30を外部に露出させることができるので、径方向外側へ向けた複数の可動片30の回動を同時に許容することができる。つまり、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を許容することができる。これにより、内キャップ11は、回転力が伝わってきたときに、係止リング5に対する係止突起31の係止を解除するように可動片30を径方向外側に向けて回動させながら、口部3に対する上方移動が可能となる。
従って、予備操作によって外キャップ12を許容位置P2に移動させた後、図5に示すように、続けて外キャップ12を第2回転方向M2に向けて回転させることで、外キャップ12及び内キャップ11を一体的に第2回転方向M2に向けて回転させることができる。これにより、複数の可動片30を径方向外側に向けて回動させながら、容器本体2の口部3から内キャップ11及び外キャップ12を取り外すことができ、容器本体2を開封することができる。
以上説明したように、本実施形態の不正開封防止キャップ10を有する不正開封防止容器1では、開封時、本操作を行う前に外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる予備操作を行うので、従来とは異なり、非対象者が本操作だけを行ったとしても開封に繋がり難い。従って、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封操作を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。その結果、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質な不正開封防止キャップ10とすることができる。
また、複数の可動片30を具備しているので、外キャップ12が規制位置P1に位置しているときに、各可動片30の係止突起31を利用して口部3に対する内キャップ11の上方移動を効果的に抑制することができる。従って、予備操作を行わずに本操作を行ったとしても、開封に繋がることをより効果的に防止することができる。
しかも、予備操作によって外キャップ12を許容位置P2に移動させることで、複数の可動片30の回動を同時に許容することができる。つまり、複数の可動片30について、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態を解除する解除状態への切換を同時に許容することができる。従って、複数の可動片30を具備していたとしても、開封を速やかに行うことができる。
さらに、内キャップ11に対して外キャップ12を上方移動させることで、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させることができるので、予備操作における外キャップ12の操作方向(すなわちキャップ軸O方向に沿った方向)と、本操作における外キャップ12の操作方向(すなわちキャップ軸O回りの方向)と、を明確に異ならせることができる。従って、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
ところで、本実施形態の不正開封防止容器1において、容器本体2の口部3から不正開封防止キャップ10を取り外し、内容物を使用した後、再び不正開封防止キャップ10を装着する場合、或いは不正開封防止容器1の製造時において内容物を充填した容器本体2の口部3に対して不正開封防止キャップ10を装着する場合について、簡単に説明する。
これらの場合、容器本体2の口部3に対する内キャップ11の締め込みに伴って、係止突起31が係止リング5を上方から下方に向けて乗り越える必要があるので、径方向外側へ向けた可動片30の回動を許容させた状態にしておく必要がある。従って、容器本体2の口部3に対する不正開封防止キャップ10の装着前に、内キャップ11に対して外キャップ12を許容位置P2に位置させておく。
このとき、外キャップ12の天壁部41に形成された開口部44を通じて、内キャップ11の閉塞部22を下方に向けて押し出すことで、外キャップ12に対して内キャップ11を下方移動させることが可能であるので、外キャップ12を許容位置P2に速やかにセットすることができる。つまり、外キャップ12の内側に内キャップ11が収容された状態、すなわち内キャップ11に対して外キャップ12が規制位置P1に位置している状態になっていたとしても、外キャップ12に対して内キャップ11を容易に下方移動させることができ、外キャップ12を許容位置P2に速やかにセットすることが可能となる。
そして、外キャップ12が許容位置P2に位置した不正開封防止キャップ10を容器本体2の口部3に組み合わせ、容器本体2の口部3に対して不正開封防止キャップ10を締め込み方向である第1回転方向M1に向けてキャップ軸O回りに回転させる。そして、容器本体2の雄ねじ部4に対して内キャップ11の雌ねじ部23を最後まで締め込んだ後、内キャップ11に対して外キャップ12を下方移動させて許容位置P2から規制位置P1に移動させる。
これにより、複数の可動片30における係止突起31を係止リング5の下方に位置させることができると共に、係止リング5に対して下方から係止可能な状態にすることができる。また、外キャップ12を利用して、径方向外側へ向けた可動片30の回動を規制することで、係止リング5に対する係止状態から、該係止状態を解除する解除状態への可動片30の切換を規制することができる。その結果、図1に示す状態にすることができ、非対象者による意図しない不正を防止できる不正開封防止容器1とすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る不正開封防止キャップの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の不正開封防止キャップ60を有する不正開封防止容器50は、外キャップ12が、内キャップ11に対して該外キャップ12を許容位置P2から規制位置P1に向かう方向に付勢する円筒状の付勢部材61を具備している。
図6〜図8に示すように、本実施形態の内キャップ11は、第1実施形態におけるガイド筒21を具備していない。それに代えて、内キャップ11は閉塞部22から上方に向けて延びた突出筒70と、突出筒70の上端部から径方向外側に向けて突出した環状のフランジ片71と、を備えている。
突出筒70は、装着筒20よりも径が小さく形成され、図示の例では容器本体2の口部3よりも径が小さく形成されている。フランジ片71は、装着筒20よりも径方向外側に突出しない程度の長さで、突出筒70の上端部から径方向外側に向けて突出している。
装着筒20のうち下端部を除いた部分は、外径が下端部の外径よりも小さく形成されている。そして、装着筒20のうち外径が小さく形成された部分の外周面には、径方向外側に向けて突出すると共に、キャップ軸O方向に沿って延びた縦長の第1縦リブ72が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
なお、複数の第1縦リブ72は、装着筒20の下端部よりも径方向外側に突出しない程度の突出量で形成されている。
図6に示すように、外キャップ12は、外装筒40及び天壁部41を有する有頂筒状に形成された外キャップ本体80と、内キャップ11と外キャップ本体80との間に配設された上記付勢部材61と、を備えている。外キャップ本体80と付勢部材61とは、キャップ軸O方向に一体に組み合わされている。
本実施形態の外キャップ12は、付勢部材61を利用して複数の可動片30の径方向外側へ向けた回動を規制することで、係止リング5に対する係止状態から、該係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を規制することが可能とされている。そのため、付勢部材61が複数の可動片30を径方向外側から囲んでいる状態の外キャップ12の位置が規制位置P1(図6参照)とされ、付勢部材61が複数の可動片30よりも上方に位置している状態の外キャップ12の位置が許容位置P2(図11参照)とされている。
図6、図9及び図10に示すように、付勢部材61は、内キャップ11を径方向外側から囲む囲繞筒62と、囲繞筒62に一体に形成された弾性片63と、を備えている。
囲繞筒62のうち主に装着筒20を径方向外側から囲む部分は、可動片30を径方向外側から囲む下端部分62aよりも外径が小さく形成されていると共に、その外周面には径方向外側に向けて突出すると共に、キャップ軸O方向に沿って延びた縦長の第2縦リブ64が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
なお、複数の第2縦リブ64は、囲繞筒62における上記下端部分62aよりも径方向外側に突出しない程度の突出量で形成されている。
また、囲繞筒62のうち主に装着筒20を径方向外側から囲む部分の内周面には、径方向内側に向けて突出すると共に、キャップ軸O方向に沿って延びた縦長の第3縦リブ65が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
複数の第3縦リブ65は、内キャップ11に形成された第1縦リブ72に対して周方向に係合することが可能とされている。従って、付勢部材61と内キャップ11とをキャップ軸O回りに回転不能に組み合わせることが可能とされている。
囲繞筒62のうち可動片30を径方向外側から囲む上記下端部分62aの外周面には、その全周に亘って径方向外側に向けて僅かに突出した環状の第1係止突部66が形成されている。
弾性片63は、囲繞筒62との接続部分である下端部から上方に向けて延びると共に、その上端部側が上方に向かうにしたがって径方向内側に向けて漸次湾曲するように延びている。そして、弾性片63の上端部は、フランジ片71に対して下方から接触している。
図示の例では、弾性片63はキャップ軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対形成されている。ただし、弾性片63の数は、一対に限定されるものではなく、1つだけ形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて3つ以上形成されていても構わない。
なお、弾性片63は、囲繞筒62に形成された開口部67の内側に配置されている。開口部67は、弾性片63に対応して一対設けられ、囲繞筒62を径方向に貫通すると共に上方に向けて開口するように形成されている。図示の例では、開口部67は、囲繞筒62のうち第3縦リブ65よりも上方に位置する部分に形成されている。
そして、弾性片63は、開口部67の内側に配置された状態で、下端部が開口部67を画成する下端縁に接続されることで、囲繞筒62と一体に形成されている。
上述のように構成された付勢部材61は、図11に示すように、外キャップ本体80に伴って規制位置P1から許容位置P2に移動することで、一対の弾性片63がフランジ片71に沿って径方向内側に摺動しながらさらに湾曲するように弾性変形する。従って、付勢部材61は、一対の弾性片63による弾性復元力を利用して、許容位置P2から規制位置P1に向けて外キャップ本体80を付勢することが可能とされている。
図6に示すように、外キャップ本体80における外装筒40の内周面には、径方向内側に向かって突出すると共に、キャップ軸O方向に沿って延びた縦長の第4縦リブ81が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第4縦リブ81は、付勢部材61に形成された複数の第2縦リブ64に対応して形成され、各第2縦リブ64に対して周方向に係合している。これにより、外キャップ本体80と付勢部材61とは、キャップ軸O回りに相対回転不能に組み合わされている。
外キャップ本体80の外装筒40のうち、第4縦リブ81よりも下方に位置する部分の内周面には、その全周に亘って径方向内側に向かって突出し、付勢部材61の第1係止突部66に対して下方から係止される第2係止突部82が形成されている。
これにより、外キャップ本体80を上方移動させることで、それに伴って付勢部材61を上方移動させることができ、結果的に外キャップ12の全体を内キャップ11に対して上方移動させて、規制位置P1から許容位置P2に移動させることが可能となる。
さらに、外キャップ12を許容位置P2に移動させたときに、上述したように付勢部材61における一対の弾性片63の弾性復元力を利用して、外キャップ12全体を許容位置P2から規制位置P1に向けて付勢することが可能とされている。
(不正開封防止キャップの作用)
次に、上述したように構成された本実施形態の不正開封防止キャップ60を利用して、不正開封防止容器50を開封する場合について説明する。
本実施形態の不正開封防止容器50であっても、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる予備操作を行うことで、本操作、すなわち外キャップ12及び内キャップ11を開封方向である第2回転方向M2に向けて一体的にキャップ軸O回りに回転させる操作を行うことが可能となる。
詳細に説明する。
図6に示すように、外キャップ12が規制位置P1に位置している場合には、付勢部材61の囲繞筒62を利用して径方向外側へ向けた可動片30の回動を規制することができるので、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を規制することができる。従って、容器本体2の口部3に形成された係止リング5に対して、可動片30に形成された係止突起31を下方から係止可能な状態に維持しておくことができる。
従って、外キャップ12が規制位置P1に位置している場合には、予備操作を行わずに本操作を行ったとしても、内キャップ11が開封方向である第2回転方向M2に回転し難く、開封に繋がることを防止することができる。
なお、外キャップ12から内キャップ11に伝わる回転力が例えば一定値を超えたときに、内キャップ11に形成された第1縦リブ72と付勢部材61に形成された第3縦リブ65との周方向の係合が外れるように構成しても構わない。
このようにすることで、例えば外キャップ12が規制位置P1に位置している状態で、予備操作を行わずに本操作が行われた場合において、外キャップ12に対して大きな回転力が加わったときに、内キャップ11の第1縦リブ72を乗り越えるように、付勢部材61の第3縦リブ65を周方向に移動させることができる。これにより、例えば雄ねじ部4及び雌ねじ部23に対して過度な応力が作用してねじ潰れ等の不具合が生じることや、係合し合っている第1縦リブ72及び第3縦リブ65に対して過度な応力が作用して各リブに変形或いは破損等の不具合が生じることを防止することができる。
次に、予備操作を行って外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる。具体的には、図11に示すように、容器本体2及び内キャップ11に対して外キャップ12を上方移動させて、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる。すると一対の弾性片63は、外キャップ12の上方移動に伴って、その上端部がフランジ片71に沿って径方向内側に向けて摺動しながら弾性変形する。これにより、付勢部材61は、一対の弾性片63の弾性復元力を利用して外キャップ12の全体を下方に向けて付勢しはじめる。
そして、一対の弾性片63による弾性復元力に抗して外キャップ12を許容位置P2まで移動させることで、複数の可動片30を外部に露出させることができるので、径方向外側へ向けた複数の可動片30の回動を同時に許容することができる。つまり、係止リング5に対する係止状態から、その係止状態が解除される解除状態への可動片30の切換を許容することができる。これにより、内キャップ11は、回転力が伝わってきたときに、係止リング5に対する係止突起31の係止を解除するように可動片30を径方向外側に向けて回動させながら、口部3に対する上方移動が可能となる。
従って、予備操作によって外キャップ12を許容位置P2に移動させた後、続けて外キャップ12を第2回転方向M2に向けて回転させることで、外キャップ12及び内キャップ11を一体的に第2回転方向M2に向けて回転させることができる。これにより、複数の可動片30を径方向外側に向けて回動させながら、容器本体2の口部3から内キャップ11及び外キャップ12を取り外すことができ、容器本体2を開封することができる。
以上説明したように、本実施形態の不正開封防止キャップ60を有する不正開封防止容器50であっても、開封時、本操作を行う前に外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させる予備操作を行うので、従来とは異なり、非対象者が本操作だけを行ったとしても開封に繋がり難い。
従って、第1実施形態と同様に、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封操作を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。その結果、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質な不正開封防止キャップ60とすることができる。
特に本実施形態の場合には、付勢部材61を具備しているので、例えば非対象者が意図せずに予備操作を行って、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動させてしまったとしても、非対象者が外キャップ12を離した時点で、一対の弾性片63による弾性復元力を利用して外キャップ12を許容位置P2から元の規制位置P1に復帰させることができる。従って、非対象者が意図せずに本操作を続けて行ってしまうことを防止することができ、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能である。さらに、これら実施形態には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記実施形態では、内キャップ11に対して外キャップ12を上方移動させることで規制位置P1から許容位置P2に移動させたが、この場合に限定されるものではなく、例えば下方移動させることで規制位置P1から許容位置P2に移動させても構わない。さらには、内キャップ11に対して外キャップ12を一旦周方向に移動させてから、キャップ軸O方向に移動させることで規制位置P1から許容位置P2に移動させても構わない。いずれにしても、内キャップ11に対する相対移動によって、外キャップ12を規制位置P1から許容位置P2に移動できれば構わない。
また、上記実施形態では、可動片30を回動させることで、径方向外側に変位させたが、回動に限定されるものではない。例えば可動片30が径方向外側に向けてスライド移動するように変位しても構わない。
さらに、上記実施形態では、可動片30が回動によって変位する場合を例に挙げて説明したが、変位に限定されるものではなく、例えば可動片30自身が径方向外側に向けて弾性変形し、これによって係止リング5に対する係止が解除されるように構成されても構わない。
いずれにしても、本発明に係る不正開封防止キャップでは、内キャップに形成された係止部が、被係止部に対する係止状態と、その係止状態が解除される解除状態とに切換可能とされていれば良く、回動等による変位や弾性変形等の変形等、係止状態から解除状態に移行する過程は特に限定されるものではない。
さらには、上記実施形態において、例えば、外キャップ12を許容位置P2に位置させた状態で、外キャップ12と内キャップ11とを、破断可能な弱化部を介して互いに接続する接続部材を取り付けても構わない。
この場合には、接続部材によって外キャップ12を常に許容位置P2に位置させておくことができるので、例えば非対象者による意図しない開封を考慮する必要がないときに、予備操作を省略することができる。従って、対象者による開封を速やかに行うことができる。そしてこの場合において、非対象者による意図しない開封を考慮する必要性が生じたときに、弱化部を破断させながら接続部材を除去すれば良い。これにより、上述した各実施形態の状態に容易に戻すことができるので、非対象者を考慮した使い方に移行することができる。
O…キャップ軸
P1…規制位置
P2…許容位置
2…容器本体
3…容器本体の口部
5…係止リング(被係止部)
10、60…不正開封防止キャップ
11…内キャップ
12…外キャップ
30…可動片(係止部)
61…付勢部材

Claims (5)

  1. 容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴って前記口部から離脱可能とされた内キャップと、
    前記内キャップを覆うと共に、前記内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップと、を備え、
    前記内キャップには、前記口部に形成された被係止部に対して係止可能な係止部が形成され、
    前記係止部は、前記被係止部に対する係止状態と、前記係止状態が解除される解除状態と、に切換可能とされ、
    前記外キャップは、前記係止状態から前記解除状態への前記係止部の切換を規制する規制位置と、前記係止状態から前記解除状態への前記係止部の切換を許容する許容位置と、の間を移動可能とされている、不正開封防止キャップ。
  2. 請求項1に記載の不正開封防止キャップにおいて、
    前記係止部は、前記係止状態から、前記キャップ軸方向から見た平面視で前記キャップ軸に交差する径方向の外側に向けて変形或いは変位することで前記解除状態に切換可能とされている、不正開封防止キャップ。
  3. 請求項2に記載の不正開封防止キャップにおいて、
    前記係止部は、前記キャップ軸回りの周方向に間隔をあけて複数形成され、
    前記外キャップは、前記規制位置において、複数の前記係止部を前記径方向の外側から一体に囲み、前記解除状態への前記係止部の切換を規制する、不正開封防止キャップ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の不正開封防止キャップにおいて、
    前記外キャップは、前記規制位置から前記許容位置に向けて前記キャップ軸方向に沿って移動可能とされている、不正開封防止キャップ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の不正開封防止キャップにおいて、
    前記外キャップには、前記内キャップに対して前記外キャップを、前記許容位置から前記規制位置に向かう方向に付勢する付勢部材が設けられている、不正開封防止キャップ。
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